Everything Love─葛藤─

No.67 14/05/15 04:13
匿名0 ( ♀ )
あ+あ-

≫66


私はこの日を忘れないだろう。


あまり使いたくない言葉だけど…
バレたあの時以来、デートと言うデートが出来なくなった私たち。
食事する事が唯一の贅沢だったね。


その贅沢が、1日で2個味わえたあの日。


最後の思い出作り…
の…つもりだったんだね…。


気になってはいたものの
高いのと、いつも空いてないこともあり
今まで入った事のなかったこの部屋。


ホテルに入って真っ先に2人共、パネルに目がいく。


あ………!


そのパネルの灯りは明るかった。


織田さんが私の顔をニッコリとして見る。
「空いてるね………!」


気になっていたその部屋は、パネルのほんの一部から想像していたより遥かに良い部屋だった。


「旅行に来てるみたい♪」


「すげーな!この部屋!」


「大満足だ♪」


織田さんが安堵の表情になる。


「凛!露天風呂入ろう!」


もっと時間があったら…最高なのに。
この部屋、本当に旅館の離れみたいな作りになっている。
ちょっとした旅行気分が味わえる。


記念日でさえ、こんな贅沢した事がないのに…
なんで今日?


その理由に「疑い」なんて全くなかった。


「いつも貧弱なデートしかしてないから
すげー贅沢に感じるな」


「ほんとだね」


「ごめんね…」


ごめんね?
私は、こうして…あの時、捨てられずに今もこうして一緒にいてくれてるだけで幸せです。
と、伝えた。


ホントはね…
たまーに思う時がある。
まだ日が浅かったあの時に、あのタイミングで離れてたらよかったんじゃないか…って。


日を重ねる毎に
離れるのが辛くなるように思うから。
そして…
その日は、
必ず来ることもわかっていた。



「ずっと一緒」なんて淡い夢にすぎないと。



「この岩風呂、2人だとやっぱり狭いね」




「私たちに、高級なのは合わないのかもね(笑)」



「またここ来たい?」



「うん!記念日はここに。
それには貯金が必要になるね!」




その日は、2度と来なかった。

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