🔥炎の美人刑事〈麻生環〉✨

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2007/07/12 18:34(更新日時)

神奈川県警『臍曲署』機動捜査課一班に赴任してきた新人女性刑事《麻生環》…実は彼女…元ミス日本代表の美貌を兼ね備えた超イケてる23歳の現役ファッションモデルだった!気は優しいがチョッピリ天然?…の環刑事が織りなす少しエッチな痛快ドタバタポリスコメディ👮さぁ始まり始まり~🎊

No.524929 (スレ作成日時)

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No.51

>> 48 👠37👠 薄暗い倉庫の隅で横たわりながら環の意識は朦朧としていた…さっき川上達に殴られたお腹がキリキリと痛み後ろ手に掛けられた手錠の当たる… 👠40👠

『この悪党っ!私の身体に指一歩触れたら承知しないわよっ!』

ヒタヒタと環に忍び寄る川上と尾張に環は出来るだけ大声で威嚇したが二人は構わず環の長い髪を掴み上げて一度ビンタをした!

『ヒヒヒ…意気のイイ女は大好きだ…犯しがいがあるってもんだ!どうした?…抵抗したきゃしてみろよ、ほれ!』

尾張は環の髪の毛をグシャグシャと無造作にかきむしるとおもむろに胸に手を当ててきた!

『イヤァァァ!触んないでェェェェェェェ!』

後ろ手に手錠をはめられた手はその汚い顔を殴りたくても殴れない!

(クソッ!…こんな奴ら…手足の自由が効けばカリフラワーみたいに殴り倒してやるのにっ!)

自分への情けなさとふがいなさに環は激しい絶望感にさいなまれた…

『ヒヒヒ…しかし女刑事って皺だらけのベテランのオバチャンばっかだと思っていたが…こんな綺麗な女が実際にデカだとは…驚きだなっ!』

『止めろっ!触るなァァァァァァっ!』

川上は環の豊満な胸を服の上から乱暴に揉みしだいた!

(…誰か…助けて…このままじゃ…)

激しく抵抗する環の頬に尾張のビンタが再びヒットした!

(クッ…い、痛い…駄目っ…もう駄目!!)

No.52

>> 51 👠41👠

『ボス…本当にこっちでいいんですか?誰からの目撃情報もなしで…』

倉本とニックの乗った車は猛スピードでサイレンを鳴らしながら湾岸高速道路を走っていた…

『あぁ…間違いないっ!この手の拉致事件の幽閉場所といったら横浜港第3埠頭のコンテナ倉庫ってぇ相場が決まってるんだっ!お前《太陽にほえろ》とか観てなかったのかっ!あれは刑事になるヤツのバイブルだぞっ!』

言うな否や倉本は前を行く車全てにスピーカーで怒鳴り続けた…

【おいっ!コラッ!警察だっ邪魔だっどけ!前を開けろっこのヘタレドライバーどもっ!ちんたら走ってんじゃねぇ!免停にすっぞ、ボケナスどもっ!】

(…この先本当にこの人について行っていいんだろか…)

運転をしながらニックは横目で血相を変えて怒鳴り散らす上司の姿をただじっと眺めていた…

『ビーナス…きっと助けてやるからなっ…おぃニック!もっと飛ばせっ!メーター200km切るんじゃねぇっ!』

ニックは環の監禁先の何の根拠もない倉本の自信に戸惑いながらも車を横浜港第3埠頭に向けてただ走り続けた…

No.53

>> 52 👠42👠

黒岩は地下の奥深い部屋から話し声を聞いた…

(これはもしかして麻薬の取引現場!…ゴクリ…神奈川県警臍曲署機動捜査一班に着任してから早2年…こ、これは黒岩作治初めての手柄になるかもしれない…)

黒岩は緊張の余り溜まった唾を一思いに飲み込むとゆっくり息を吐いた…

(ここは上にいるジョンに言うべきか…いや、駄目だ!俺一人の輝かしい手柄にして巡査部長に…いや、警部補くらいにまで一気に昇進しちゃおっかなぁ…イヒヒ…)

誇大な妄想が膨らみ黒岩の頭は爆発寸前の危うさだった…

(見てろよぉ~…今まで代々医者になっている黒岩家の中の突然変異デキソコナイと散々馬鹿にした親戚の三郎叔父さんっ!作治はこんなに逞しくなりましたっ!)

黒岩は話し声のする鉄の扉の前に立つと再び拳銃を構え直した…

(頼んだぜ…俺の相棒っ!…う、クゥ~…カッコイイ…俺ってカッコイイ…!松田○作みたいだっ!)

黒岩は一度大きく息を溜め一気に扉をけやぶり中に突入したっ!

『う、動くなっ!警察だっ!臍曲署次期警部補候補、黒岩作治ダァァァァァァァァッ!!』

(きっ…決まったァァァァァァァァァァ作治っ!)

  • << 55 👠43👠 『フゥ…コンナニ刺激的ナ夜ハ、ロサンゼルスノ《○カトミビル》人質救出以来ノ緊張感ダゼ!』 くわえ煙草に天井を仰ぎ、ジョンはゆっくりと床に腰掛けた… 『思エバアノ時ビルヲ占拠シタ、テロリスト共ハ凶悪極マリナイ奴ラダッタナ…』 倉庫の2階部分は細かな工事機材の置き場になっていて人のいる気配はない… 『イピカイエ…ズット裸足ダッタカラ足ノ裏ガ痛イ…ロリー…マダ愛シテルゼ…』 ジョンはゆっくりと立ち上がると黒岩に携帯から連絡した… 『Hey黒っ!…聞コエマスカ?黒?…出ナイ…黒ノ身ニ何カアッタノダロウカ…』 嫌な予感にさいなまれたジョンは足早に黒岩のいる地下に駆け降りた! 『黒ッ!Hey、黒ッ!居マスカ?…居タラ返事シテクダサイッ!』 長い廊下を一気に走り抜けジョンは一番奥の鉄製の扉の部屋に辿り着いた! (コノ中ニ…黒ガッ!?…) ジョンは唾を飲み込むとゆっくり拳銃を耳元に当てて臨戦体制に入った… (考エロ…ジョン…考エルンダ…) 緊張感がピークに達した瞬間、ジョンは一気に扉の向こうに飛込んだ!

No.54

>> 53 💄炎の美人刑事~麻生環~お楽しみ頂いているでしょうか?

皆様からのメッセージ心よりお待ちしてま~す✌ 💀

No.55

>> 53 👠42👠 黒岩は地下の奥深い部屋から話し声を聞いた… (これはもしかして麻薬の取引現場!…ゴクリ…神奈川県警臍曲署機動捜査一班に着任し… 👠43👠

『フゥ…コンナニ刺激的ナ夜ハ、ロサンゼルスノ《○カトミビル》人質救出以来ノ緊張感ダゼ!』

くわえ煙草に天井を仰ぎ、ジョンはゆっくりと床に腰掛けた…

『思エバアノ時ビルヲ占拠シタ、テロリスト共ハ凶悪極マリナイ奴ラダッタナ…』

倉庫の2階部分は細かな工事機材の置き場になっていて人のいる気配はない…

『イピカイエ…ズット裸足ダッタカラ足ノ裏ガ痛イ…ロリー…マダ愛シテルゼ…』

ジョンはゆっくりと立ち上がると黒岩に携帯から連絡した…

『Hey黒っ!…聞コエマスカ?黒?…出ナイ…黒ノ身ニ何カアッタノダロウカ…』

嫌な予感にさいなまれたジョンは足早に黒岩のいる地下に駆け降りた!

『黒ッ!Hey、黒ッ!居マスカ?…居タラ返事シテクダサイッ!』

長い廊下を一気に走り抜けジョンは一番奥の鉄製の扉の部屋に辿り着いた!

(コノ中ニ…黒ガッ!?…)

ジョンは唾を飲み込むとゆっくり拳銃を耳元に当てて臨戦体制に入った…

(考エロ…ジョン…考エルンダ…)

緊張感がピークに達した瞬間、ジョンは一気に扉の向こうに飛込んだ!

No.56

>> 55 👠44👠

『!…な、何なんだここはっ!?』

『Oh、My、Godッ!…ココハ一体ッ!?』

『ちょっと、ちょっとちょっと!何なンだぁ?アンタらはっ!ここは部外者禁止の建物だぞっ!』

全身白い抗菌服を着た管理職らしき男が扉を蹴破った黒岩とジョンに不機嫌そうに近寄って来た…水に濡れた長いベルトコンベアーには50人程の白ズクメのパートのオバサン達が黙々と鰻の身を開くのに格闘していた…

『お…おぃジ、ジョン…ここは…』

『ドウヤラ鰻ノ蒲焼加工工場ミタイデスネ…』

『困るよアンタ達っ!ここは子供の遊び場じゃないんだからっ!皆深夜勤務で大変なんだから邪魔しないでくれるかっ!ほら、行った行った!シッシッ!』

首根っこを掴まれ黒岩とジョンは顔を真っ赤にしながらその白ズクメの管理職の親父に表につまみ出されてしまった…

『フゥ…俺達の刑事の勘ってヤツも大した事ねぇな…なあジョン…』

『イピカイエ…面目ナイ…』

『さっ…怒られないうちに署にでも帰ろっかな…』

黒岩はジョンの肩を取りゆっくり歩き出した…

No.57

>> 56 👠45👠

『おいニック!あれは尾張の車じゃないのかっ!』

埠頭を慎重に見回っていた倉本は一台の不審な車に気が付いた!

『品川《や…20○5》…確かにっ!間違いないですボスッ!ヤツの車ですっ!』

倉本は思わず身を乗り出した…

『ビンゴッ!…やはり此処にいたかっクズ共ッ!おいニック…近づいて停めろっ!』

倉本とニックは車を降りて倉庫脇すぐ横の螺旋階段をゆっくり駆け上がった…

『いいな…まずビーナスの安全確保が第一だ!ビーナスの身柄を確保出来たら構わず奴らを撃てっ!…全員皆殺しで辺りを奴らの血の色で埋め尽くしてやるんだっ!』

『…いやいやボス…いくら何でもそれはやり過ぎですっ!ったく頭に血が登ると何言い出すか分かんないんだからっ!』

(待ってろよビーナス…お前はかけがえのない仲間だっ!…だから必ず俺達が助けてやるからなっ!)

倉本は一度目を瞑りゆっくり深呼吸した…

『いいなニック…俺が飛込んだら真っ直ぐに奴らに走り込む!お前は俺の後をついて後方支援に回れっ!分かったな!』

『ったく!いっつもオイシイ所持っていくんだからっ!』

『…何か言ったか?』

『いぃえ!…はいはい了解ですよ~ッだっ!』

No.58

>> 57 👠46👠

呼吸を整え再度深呼吸した倉本とニックは意を決してその重い扉を蹴破り倉庫の中に飛込んだっ!

『ビーナァァァァァァァァァァァァッッッス!』

飛込んだ勢いで倉本の体はニ転三転と転がり倉庫の隅に置かれてあった角材に思い切り腰を打ち付けた!

『ッッッッタァァァァァ!!』

『ボ、ボスッ!大丈夫ですかっ!』

『ヌゥワァ~ンノッピロしきっ!』

あまりの激痛に声も出なかった倉本であったが痛さを気合いでカバーした!二人は目の前に広がる不気味な暗闇に動揺しながらとっさに拳銃を構えた!…

(ドクッ…ドクッ…ドクッ…)

まるで自ら打ち続ける心臓の鼓動が重低音のウーハーのように響き渡る…

『フゥ…此処にはいないようだな…』

倉本の引金を持つ指が束の間の緊張を解いた…

『ボス…下の階から声がしますっ!』

ニックがそれを告げるや否や倉本は痛々しい腰をかばうように床に耳をつけてはいつくばった…

『ムッ!…ビンゴッ!ビーナスの声だっ!ビーナスの声がするぞニックっ!』

倉本が目を輝かせまるで鬼の首をも捕ったかの勢いでニックを手招きした…

『しかし肉声は聞こえない…ただアンアンという…これはまるであえぎ声のような…ハッ!…ま、まさか!?』

No.59

>> 58 👠47👠

『と、とにかくニック!お前は外に出て黒ちゃんとジョンに連絡を取れっ!さ、早くっ!』

『ボスはどうするんですかっ!』

ニックは慎重に拳銃の中に装填された弾の存在を確かめると倉本に小言で話しかけた…

『……』

『駄目ですボスッ!今ボスが何考えてるか分かりますよっ!ボスは…ヤツラを尾張達を全員始末するつもりじゃな…っ!』

『グタグタ言ってんじゃねぇ!これはチーフ直属の命令だっ!早くしろっ!悠長な事してる間にもビーナスは殺されるかもしれねぇんだぞっ!早く応援を呼んでくるんだっ!』

倉本はニックに怒鳴りつけると裏口から降りていけと命令した…

『分かりましたボス…でも俺達が戻るまで決して無茶はしないで下さいねっ!』

そう告げるとニックは後ろ髪をひかれる様に裏口の階段を駆け降りていった…

(フンッ…馬鹿野郎が…命落とすのは俺一人で充分だぜっ!後の事は頼んだぜ…ニック…)

倉本は煙草に火をつけると床の上に火のついたその煙草をポツンと立てた…これから始まる銃撃戦の結末に幸運が起きるようにと願いを込めるかのように…

(さぁて!…一丁死んでみっか!)

倉本はゆっくり拳銃を構え直した…

No.60

>> 59 👠48👠

【だからボスとビーナスが危ないんだって!おめぇら何署に帰ってゆっくりしてやがんだぁっ!とにかく早く来いっ!横浜港第3埠頭の倉庫だっ!頭に血が登るとボス何しでかすか分かんないの、お前らだって知ってっだろ!とにかく早くっ!】

ニックの電話を聞き付け黒岩とジョンは互いに目を見合わせた!

『横浜港第3埠頭って言えば俺達がさっき通った鰻の蒲焼工場のすぐ側じゃないかっ!ジョン、やはり俺達の刑事の勘てヤツは鈍っちゃぁいなかったんだっ!』

『Ok!ボスハトモカク、アノ巨乳ギャルダケハ何トカ助ケナケレバッ!アノ爆乳ニパ○パ○シテ貰ウ迄ハ死ンデモ死ニキレナイゼッ!イピカイエ!』

二人は身支度を済ませると玄関脇に停車してある覆面パトカーに勢いよく飛び乗った…

『さぁいくぜっ!久しぶりに血が騒ぐぅ~!待ってろよっ、ビーナスッ!』

『Goッ!Goッ!急ゲッ黒チャン!アノ巨乳ガ誰カノモノニナル前ニッ!』

車の屋根にサイレンを置くと二人を乗せた車はおぼろ気なテールライトの光だけを残して闇に消えていった…

No.61

>> 60 👠49👠

『…クッ…ウグゥ…き…気がッハッ…す…すん…だでし、…しょ!さぁはや…く…こ、こ、殺し…な…さぃ!』

『クッ!…何処までも強情な女なんだっ!』

尾張と川上はぐったりして息も耐えだえの環の腹を二度三度蹴り上げた…

『まあいい…痛めつけ弱って動けない女をヤるのも興奮するしなっ!ガハハ!』

『こんな顔中傷だらけにされて…ざまぁねぇなっ!ククク…美人刑事さんよっ!』

川上は蛍光灯の光を環の顔に押し当てるとガハハとあざ笑った…一時間近くも川上達からリンチを受け朦朧とした意識の中で環はそれでも自分を捨てなかった…

『かっ…なら…グゥ…ウグゥ…ず…仲間がっ…助け…に…きて…くっ、くれっ…るっ!ング!』

必死に目で抵抗する環の襟元を川上はムンズと掴み上げると自分の顔近くまで環の顔を持ってきた…

『王女様…ジ・エンドだっ!大人しくヤラれなっ!』

川上は環の体をマットに叩きつけると舌なめずりをして自らのシャツを脱ぎ始めた!

(万事休すかっ…イヤ…イヤだっ!こんな奴らのオモチャにだけはなりたくないっ…!)

No.62

この作品を最初から見ています😁とっても面白いです😍更新楽しみに待ってます

No.63

>> 62 💄中学生62君、あんがとな!ニックこと迫田菊次郎巡査部長だっ!ったくボスの無茶にはいつもビックリさせられるぜ!…この作品を読んで将来君も刑事になれっ!フフフ…今嫌だと言わなかったか…まあいい…これからも応援宜しく頼んだぜ!ビーナスは殺されねぇ!俺の海賊魂に誓ってもな!じゃあな!みんなからも応援メッセージ待ってるぜ!

  • << 65 👠51👠 『おぃテメエらっ!俺達を差し置いて勝手にクッチャべってんじゃねぇぞコラッ!』 尾張と川上が倉本に銃口を向け直した… 『……フンッ…不法な隠し預金がバレて仏壇職人をバラしたのも飽き足らず…今度は現職の刑事を拉致するったぁ…貴様らも俺の所轄で随分大胆な事やってくれるよなっ…えぇ?ウジ虫どもっ!』 倉本は二人に銃口を向けたままゆっくり話し出した… 『おぃオッサン…英雄気取りで飛び込んで来たかもしんねぇけどなっ!今置かれてるテメエの立場をよぉ~く理解しなっ!イヒヒ…それ以上近づくとこの女デカの頭フッ飛ばすぞっ!』 川上は環のコメカミに銃口を向けた…しかし倉本それに動揺する事もなくそのままの体勢でただ二人を睨みつけている… (ボ、ボス…) 頭に銃口を付きつけられている環はじっとボスの次のアクションを待っていた… 『…貴様らウジ虫どもに数分後の未来を選ばせてやる…』 『?…ん?…何言ってんだオッサン…ガハハ…怖くて気でも狂っちまったかっ!』 尾張と川上は倉本をあざ笑った… (ボス…あの顔は…まだボスと出会って間もないけど…あのボスの顔つきは…凄く頭に来てる顔つきだっ!) 環は唾を飲み込んだ…

No.64

>> 63 👠50👠

『ウォッリャャャャャャャァァァァァァァァァッッ!!』

尾張達の背後で突然扉を蹴破る音がし、搾り出すような唸り声を上げて一人の刑事が飛び込んで来たっ!

『!!…だ、誰だっ!?』

驚いた尾張と川上はスーツの胸元からとっさに拳銃を取り出し突然雪崩れ込んで来たその標的に向かって銃口を向けた…

『……だ、誰だっテメエッ!』

『…ビーナス…無事か…遅くなって悪かったな…』

『ボッ…ボス?…たっ…助けに…ング…き、来て…くれっ…た、たんで…す、ね…』

薄れゆく意識の中、環は聞き覚えのある懐かしい声に反応した…

『済まなかったな…俺がお前に無理言ったばかりに…何もされていないか?』

倉本は尾張達に銃口を向けその目線だけをゆっくり環にむけた…そして環に投げ掛ける声は優しい上司の声そのものであった…

『ボス…し、信じ…て、ま、ました…ウグゥ…きっと…来…てく、くれ…るって…』

『あぁ…お前は臍曲署のかけがえのない仲間だからなっ!』

『ボ…ボスッ!』

必死に我慢していた環の目から涙が溢れ出して来た…

『もう心配いらねぇ…心配いらねぇから安心しろっ!』

倉本は今度は目線を尾張達に向けると鋭い目で睨みつけた…

No.65

>> 63 💄中学生62君、あんがとな!ニックこと迫田菊次郎巡査部長だっ!ったくボスの無茶にはいつもビックリさせられるぜ!…この作品を読んで将来君も… 👠51👠

『おぃテメエらっ!俺達を差し置いて勝手にクッチャべってんじゃねぇぞコラッ!』

尾張と川上が倉本に銃口を向け直した…

『……フンッ…不法な隠し預金がバレて仏壇職人をバラしたのも飽き足らず…今度は現職の刑事を拉致するったぁ…貴様らも俺の所轄で随分大胆な事やってくれるよなっ…えぇ?ウジ虫どもっ!』

倉本は二人に銃口を向けたままゆっくり話し出した…

『おぃオッサン…英雄気取りで飛び込んで来たかもしんねぇけどなっ!今置かれてるテメエの立場をよぉ~く理解しなっ!イヒヒ…それ以上近づくとこの女デカの頭フッ飛ばすぞっ!』

川上は環のコメカミに銃口を向けた…しかし倉本それに動揺する事もなくそのままの体勢でただ二人を睨みつけている…

(ボ、ボス…)

頭に銃口を付きつけられている環はじっとボスの次のアクションを待っていた…

『…貴様らウジ虫どもに数分後の未来を選ばせてやる…』

『?…ん?…何言ってんだオッサン…ガハハ…怖くて気でも狂っちまったかっ!』

尾張と川上は倉本をあざ笑った…

(ボス…あの顔は…まだボスと出会って間もないけど…あのボスの顔つきは…凄く頭に来てる顔つきだっ!)

環は唾を飲み込んだ…

No.66

>> 65 👠52👠

『おぃウジ虫どもっ!…いいか…次の3つのうちから貴様らの未来を選べっ!…1つ!…《このままその刑事を解放して大人しくお縄を頂戴する》…2つっ!…《そのまま逃げようとするが後を追う俺に結局捕まり半殺しの目に遭う》…そして3ッつっ!…《俺に拳銃をブッ放し抵抗するがっ!…最後は己れの脳天に俺の拳銃の弾丸の風穴が開く》…さぁどれにするっ!5秒以内に答えを出せっ!』

倉本の額には薄い汗が滲んでいる…

『おぃオッサン…女の前だからってそんなに意気がんなくったっていいんだぜっ!ケケケ…どうせお前ももうすぐこの女共々あの世に送ってやる…!イヒヒ』

川上は環に銃口を突きつけたままゆっくりと倉本に向かって歩き出した…

(ボス…駄目っ!に、逃げてっ!)

環の声にならない声が届く訳もなく川上と倉本の距離はジワジワとせばまってくる…

『…聞こえなかったのかウジ虫…もうあと3秒だ…早く決めろっ!』

緊迫した空気が辺りを包む!…倉本はもう一度拳銃を持つ手に力を込めた!

『あと2秒…』

『黙れっ!黙らないかっ!』

川上の態度にも焦りが見え始めた…

『1ッ!!…』

川上はとっさに今度は倉本に銃口を向けた!

(駄目ェェェェェェェッッッッ!!)

No.67

>> 66 👠53👠

『ダァァァァァァァァァァァッッッッッっ!』

倉本が目を瞑った次の瞬間っ!左手にあった勝手口の扉からニックの巨漢が飛び込んで来たっ!

『!…う、ウワッ…な、何だっ?』

一瞬川上の拳銃を持つ手がひるんだと思うや否や、ニックは唸り声を上げて川上の体に体当たりした!

『フゲッ!…』

川上は思わず側の鉄パイプの束にブチ当たり立掛けてあった鉄パイプが激しい騒音で雪崩のように倒れた!

『に、ニッッッッッッック!!』

『さ、迫田巡査部長っ!!』

倉本と環は同時に叫んだ!次の瞬間ニックと川上は鉄パイプの束の上で激しく格闘になった!

『クッ…!き、貴様ァァァァァッッッ!』

今度は後ろに控えていた尾張がとっさに拳銃を構えニックに銃口を向けた!

『ニッック!危なァァァい!』

次の瞬間、尾張の腹に激痛が走ったッ!

『はい、お遊びはここまでだっ!イカレ野郎ッ!』

其処には尾張の腕を後ろで羽交い締めにした黒岩巡査の姿があった!

『クッ!…黒っ!…お、お前も来てくれたのかっ…!』

『フッ…ボスが来いって頼んだんでしょ!』

黒岩は尾張を床に押さえつけると倉本にウインクをした…

『フッ…コイツ…馬鹿野郎ッ!』

倉本は苦笑いをした…

No.68

>> 67 👠54👠

『ビーナスッ!大丈夫かっ!…ビーナァァァス!』

倉本は思い出したかのように目の前で横たわる環の体を抱き起こし、繋がれていた手錠を外した…

『ビーナス…済まなかった!…怖い思いさせちまったな…もう大丈夫だからなっ!』

『あ、有り難…う…ボス…そして…すみません…でした…私が勝手な真似したばかりに…皆に迷惑…か、かけちゃって…』

環は今出来る精一杯の笑顔を見せた…

『ば、ば、馬鹿野郎っ!格好つけんじゃねぇっ!…俺達は皆仲間だっ…臍曲署機動捜査一班はファミリーだって最初に言っただろがっ!』

倉本は涙を堪えながら環を抱えようと腕を取った…

『!イッ…ツゥ…痛い…ですボス…もっとゆっくりお願いします…アバラが折れてるみたいで…ハハ…』

『あ…す、すまん…ビーナス…よく頑張ったな!…お前は俺達の不死身の女神様だぜ!』

『ハハ…相変わらずボス…面白く…な、ないですよ…』

倉本と環は互いに顔を見合わせ苦笑いした…

『ボス!こっちも容疑者の身柄確保完了しました!』

黒岩がうなだれた尾張を連れて倉本のもとにやって来た…

『黒…岩さん…あ、有り難う…』

環は黒岩に礼を言うと黒岩は頭を掻いてイヤイヤと照れた…

No.69

>> 68 👠55👠

『…で、ニックの方はどうなったんだ?』

倉本達が一斉にさっきまで川上と格闘していたニックの方向を向いた…

『ボス…す、すみません…ボスとビーナス二人の感動シーンに心奪われているスキに…ヒヒヒ…そのぅ…か、川上の野郎に逃げられてしまいました…ハハ』

『!…ウゥエッッッッッッッッッ!』

倉本達一同はニックの詰めの甘さと馬鹿さ加減に呆れて物も言えなかった!

『ば、馬鹿野郎ッッッッ!追えっ!すぐ追うんだっ!』

倉本はニックに怒鳴りつけるとニックは川上が逃げて行ったであろう南側の非常階段に向かって走り出した!

『あっボス!…川上の野郎、居ましたっ!この倉庫のすぐ上の階に逃げ込んだみたいですっ!』

倉本は傷ついた環を丁寧に抱き抱えると黒岩達と一緒に倉庫の上階に移動した…

『出てこいっ川上っ!尾張の身柄も確保した!お前ももう逃げられんぞっ!』

窓硝子一杯に張り巡らされた倉庫の最上階に川上の姿があった!

『クソッ!…俺は捕まらねぇ、絶対捕まらねぇからなっ!』

グワッシャャャャャ!

次の瞬間、川上の立っていた窓硝子の外側に人影が見えたかと思うとその人影は倉庫の窓硝子をブチ破ってその膝が川上の顔面にヒットした!

No.70

>> 69 👠56👠

『ウガァァァァァァァァッッッッッッ!イィィピィィカァァイィィエェェェェッッッッッ!』

『ジ、ジョン!?』

割れた窓硝子にひるんだ川上にジョンは後ろから飛びついた!

『グキャャ!は、放せっ!こ、このイカレアメリカ人がっ!』

『シャラップッッッ!コノ日本ニ、《ジョン・マクラーレン巡査》ガイル限リ、テロリストナンゾニ勝手ナ真似ハサセヤシナイッッッッ!』

完全に頭がプッツンしたジョンに倉本らはただただ唖然とする他なかった…

『…す、凄い…さすが犯人逮捕もハリウッド映画風ですね…ボス…』

『…アイツどっから飛び込んで来たんだ…?』

倉本は環と顔を見合わせた…

『おそらくこの倉庫の屋上に登り屋上にあった消火栓のロープを腰に巻きつけ、一か八か屋上から単身ダイビングしたんでしょう…』

ニックが淡々と答えた…

『…何処ぞのアクション映画で見た光景だな…』

黒岩が複雑な表情で付け足した…

『ゴホン…ま、まあい、いいじゃないですか…容疑者が逮捕出来たんだから…』

環の安堵の表情に倉本達はダァネ~と笑いあった…

No.71

>> 70 👠57👠

けたたましいサイレンと共に何十台もの神奈川県警のパトカーが倉庫周辺を覆い尽した…

『ぶ、無事でしたかっ警部補!』

数人の警察官に保護されながら倉本達は倉庫からゆっくり出てきた…

『仏壇職人殺人遺棄容疑及び使途不明金横領の容疑で容疑者、川上進、尾張はじめ、両名の身柄を確保しました!』

倉本は捜査本部長に事の一部始終を報告すると軽く一礼をした…

『…えらい騒ぎだなぁ…』

ニックは目を丸くして自慢のテンガロンハットを深々と被り直した…

『倉本警部補!今しがた、この事件の主犯格の容疑者、マイケル富沢を自宅前で取り押さえ連行いたしました!ご安心下さい…!』

若い制服警官が倉本のもとに駆け寄りマイケル富沢の逮捕の報告をした…

『良かったですね、ボス…全て解決して…』

『あぁそうだな…ビーナス…傷が開くぞ、もう無理して喋るな…あ、君!麻生刑事を病院へ搬送してくれっ!』

倉本は近くにいた警察官を呼び止めた…

『だ、大丈夫ですよ、こんな傷…何のピロしきっ!』

環の他愛もないギャグに倉本達は一瞬黙り込んでしまったがニックがフフフと笑い出すと他の面々も釣られて笑い出した…

No.72

>> 71 👠58👠

横浜市内にある警察病院の病室のベットで環は横になりながら深まりゆく秋の空を眺めていた…

『フッ…もう秋か…』

ベット脇には誰が持って来たのか果物の盛り合わせがドカリと無造作に置かれていた…

『よぉ、Gカップの女神ちゃん!具合はどうだっ?』

『ち、ちょっとボス!…ノックもしないでいきなり入ってくるの止めて貰えますっ?…あと大きな声でGカップとか言うのもっ!』

ガハハと笑いながら倉本はAカップと叫ばれる方が恥ずかしいだろっとまた意味の判らない返事を返した…

『ンモゥ…本当に無神経な人ですねっ…』

呆れ顔で環は苦笑いをした…

『体の方はどうだ?』

倉本は椅子に腰掛け煙草を吸おうとライターを取り出した…

『ボス…此処はキ、ン、エ、ン!』

『あ…ットこりゃ失敬…』

慌てて倉本はポケットに煙草とライターをしまった…

『しかし大したもんだ…お前の精神力…他の刑事ならとっくに根を上げていただろうなっ…』

『い、いえ…そんな…それに今回は私一人の力ではありません…皆さんが…臍曲署機動捜査一班の頼れる仲間が居たから…私頑張れたんだと思います…』

『フッ…仲間…か…』

倉本は窓の外を眺めた…

No.73

>> 72 👠59👠

『…で、どうしても戻ってしまうのか…交通機動課に…』

倉本は環に目線を合わせる事なくうつ向きがちに尋ねた…

『あ、はい…短い間でしたけど本当に有り難うございました…刑事という職業には憧れていましたが今回の一件でやはり私には向いていないなって…これ以上皆さんに迷惑かけられませんし…』

布団のシーツを指で絡ませながら環もまたうつ向きがちに倉本に返した…

『初めから何でも出来るヤツぁ居ないんだけどな…でもまっ…お前が決めた事だ…折角ムサ苦しい男ばかりのウチの部署にもマドンナが来てくれて皆喜んでたんたが…残念だ…』

倉本は苦笑いした…

『はい…色々有り難うございました…あの時ボスが捨て身で私を助けに来てくださった事…私一生…忘れません!』

環は倉本に深々と頭を下げた…木立の落ち葉がハラハラと揺れ、一枚一枚ゆっくりと枝から離れていく…

『なぁビーナス…また遊びに来いよな…そしてまたいつか刑事になってウチの署に来いよっ!そん時はまた一からシゴイテやるからな!』

『フフフ…はいボス!宜しくお願いしますっ!』

『怪我が直ったら一度署に来い…まだお前の荷物あるから…』

倉本はゆっくりと立ち上がり部屋を後にした…

No.74

>> 73 👠60👠

2ヶ月後…怪我から復帰した環は久しぶりに臍曲署の門をくぐった…歳末特別警戒時期に差し掛かり玄関先では各部署の警察官達が慌ただしく行き交っている…

『フッ…みんな忙しいかな…』

環は久しぶりの再会にゆっくりしたい気持ちもあったが皆の仕事の邪魔をしてはいけないとさっさと荷物をまとめて短い間だったが思い出一杯詰まった機動捜査一班を後にする決意だった…部屋の前で一度ため息をつくと環はゆっくりドアノブに手を当てた…

『失礼致します!皆さんお久しぶ…ぶ…ブゥ!?』

『オィ、コラッ!何でそこで槍に持ち替えねぇんだよっ!バカッ!』

『っつうか、この怪物は火に強いから氷系の呪文だろがっ!…アァ、ほら言わんこっちゃないっ!』

『Oh!勇者ハ攻撃魔法ガ苦手デス!早く魔法使イデ皆殺シニスルンデスッ~!』

(…って…ド、ド、ドラ○エッッッッッ!?今更っ!?)

『ち、ちょっと皆さん!仕事もしないで一体全体何やってるんですかッッッ!信じらんないっ!』

環はテレビゲームに夢中になっているニック、黒ちゃん、ジョンに怒鳴りつけた!

『!…おぉ、ビーナスじゃないかっ!お前もする?ドラ○エ…』

『…し~ま~せんッッてぇのっ!!』

No.75

>> 74 👠61👠

(ハァ…そうよね…この人達に感動的なお別れの儀式なんて有り得ないもんねっ…期待した私が馬鹿だったわ…)

環はテレビゲームにいそしむ3人を横目に見ながら机の上の残った書類やファイルを段ボールに詰め込んでいった…

『あっ…で、ボスは?』

環が思い出したようにニック達に尋ねた…

『さぁね、そう言えばさっき本署に行くって言ったっきり帰って来ないなぁ…』

面倒臭そうにニックが言った…

『そう…ですか…』

『!…ん?ビーナスまさか…ボスに気があるんじゃないのっ?』

いきなりニックが肘でつついてきた…

『え?…ばっ、ち、違いますよっ!た、ただ私は上司としてですねッ…そ、その、きちんとした挨拶を…』

『フフフ…やけに慌ててる!やはりそうなんだぁ~』

『言~ッテヤロ言ッテヤロッ!ボ~スニ言ッッテヤロ!』

『ンモッ!ジョンったら!違うったら違うっ!私が何であんな変態色情親父の事好きになんかっ…!』

『誰が色情親父だって!?』

振り向くとそこに倉本の姿があった…

『あ、ボス!…ハァ、ハハハ…アノ…そのぅ…違うんです…そ、その…』

環は顔から火が出そうになった…

No.76

>> 75 👠62👠

『あ、ボ、ボス…皆さん…短い間でしたが有り難うございました…刑事って仕事は見えない所で色々大変なんだなぁ~って痛感しました…また本署の交通機動課に戻りますがここでの経験を生かしどんな仕事でも頑張っていきたいと思います…』

環は4人の刑事の前で最後の挨拶をすると皆に握手をした…

『頑張れよっ!巨乳ちゃん…』

『ビーナスの婦人警官姿また拝みに行くからね!』

『是非ニューヨーク市警ニモ遊ビニ来テクレ!』

『みんな…ありがとう…』

環は思わず涙が溢れた…

『最後にボス…本当に色々…交通機動課に異動になっても私、臍曲署機動捜査一班の事、絶対忘れませ…』

『あ、その事なんだがな、ビーナス…』

倉本が話を止めた…

『実はさっき本署に問い合わせた所…コホン…新しい18歳新人の交通機動課の婦警が赴任したそうでお前の帰る席がないそうなんだ…』

『………は、はいぃ!?』

環は頭をかく倉本を見ながら目が点になってしまった…

『だからもう暫くお前はこの臍曲署機動捜査一班のデカだ!宜しくな!』

『よ、宜しくったって…そ、そんなぁ~!信じられない~!まだここにいるのぉ~!』

環はマアマアと倉本に肩を叩かれ頭が真っ白になった…

No.77

>> 76 👠最終章…👠

『ンモッ!一体何度言ったら解るんですかっ!ここは子供の遊び場じゃないんですよっ!ニック、はやくテレビゲーム片付けなさいっ!って…黒ちゃんも、このプリ○ュアのフィギュア捨てちゃうからねっ!っつうかジョン!銃の手入れなら表でやって頂戴!』

『…ったくうるせぇなぁ…こう小言ばかりじゃ息が詰まるじゃねぇか…』

『息が詰まる程仕事に没頭しなさいよっ!ったく何て職場なのここはっ!信じらんないわっ!』

『ボス…何とか言って下さいよ~!』

『てゆっか、ボスの貴方がエロ本ばかり見てるから部下達がこぉ~んな変人刑事になるんでしょ!しっかりして下さいっ!』

『ビーナス…断っておくがこれはエロ本ではない…宮沢○えちゃんの芸術的写真集《サン○フェ》だ!』

『ンモッ、知らない知らないィィィィ~ッッ!ヤッパ嫌だぁ~!こんな変な職場ァァァァァァァァッッッッッ!!辞めてやるぅ~!じぇェェェェェェッッッッッたい、辞めてやるんだからぁ~!』


🔥炎の美人刑事~麻生環~完💖

No.78

>> 77 🔥炎の美人刑事~麻生環~を最後まで読んで頂いた皆様💖ありがとうございました

🎵もし皆様方からの反響メッセージが多数あるようでしたら麻生環シリーズ続編も考えています✌どうぞ宜しくお願いします💖

  • << 80 とても、楽しく読ませて貰ったばい。 然も、おい好みけん良かった😁 こいからも、頑張って下さい。応援しよるけんね。 ズキューン。 銃声がこだますると腹部からドクドクと血が滴る…。 「うっ!何じゃ、こりゃあ~ぁっ!!」 バタッ 「続編を… 待っ…てるぜ…ぐはっ!」 「ハァハァ…いちファンのア…」 ガクッ 男は力尽きてしまった。

No.79

最後まで読みました~😍とっても面白かったです😍是非続編を書いてください😚

No.80

>> 78 🔥炎の美人刑事~麻生環~を最後まで読んで頂いた皆様💖ありがとうございました 🎵もし皆様方からの反響メッセージが多数あるようでしたら麻生環シ… とても、楽しく読ませて貰ったばい。
然も、おい好みけん良かった😁
こいからも、頑張って下さい。応援しよるけんね。

ズキューン。
銃声がこだますると腹部からドクドクと血が滴る…。

「うっ!何じゃ、こりゃあ~ぁっ!!」
バタッ

「続編を… 待っ…てるぜ…ぐはっ!」

「ハァハァ…いちファンのア…」

ガクッ

男は力尽きてしまった。

No.81

>> 80 💄1💄

2月初頭…神奈川県警臍曲署機動捜査一班のデカ部屋は今日も平和そのものであった…

『ファ~…ここん所、トンと暇だなぁ…ニックよッ!』

この課のボスである倉本学警部補はリア・ディ○ンの写真集を眺めながらため息をついた…

『そうですね~ボス…ウチの課があんまり優秀なんで他の所轄が意地悪して仕事回さないんじゃないすかね…』

ストーブの上で餅を焼きながらニックこと、迫田菊次郎巡査部長は苦笑いした…

『……い、いや…そ、それはないッ…てゆっか、絶対ないッ…!』

倉本は楽天的なニックを見てまたため息をついた…

『あ、…それはそうとビーナスはどうした?』

倉本が思い出したようにニックに尋ねた…

『あぁ…巨乳ちゃんなら今、黒のヤツと張り込み中だと思いますが…ほら、例のボイラー技師殺人容疑の男宅に2日前からベッタリと…』

『え?…黒とかッ?嘘だろ…黒なら昨日パチンコ屋で遊んでいる所を見たがな…アイツ非番じなかったのか?』

倉本は考え込むように手を頬に当てた…

『いや…そんなはずはッ…ビーナスと一緒に張り込んでいるはずですが…あんの野郎ッ!また仕事放棄かッ!ぶっとばす!』

ニックは側の机を叩いた!

  • << 83 💄2💄 『フゥ~…寒い寒いッ!パチンコも負けたし、こんなに寒い夜は家に帰ってオコタで蜜柑に限るなッ!』 両手に息を吹きかけながら駅前のパチンコ店を後にすると黒岩作治巡査はションボリと歩き出した… (しっかし寒いナァ…足元からシンシンと凍りつくって寒さだなッ…早く帰ってガン○ムSEEDでも観っかな!) 黒岩が次の角を曲がると暗い路地にじっと立つ一人の背の高い女性の姿を発見した… (ん…?こんな寒い夜にあんな所で一体何やってるんだろ…) 不審に思って黒岩はゆっくりとその女性に近付いた…っとその時、その女性の横顔がスッと黒岩の視界に入り黒岩はすぐさま電柱の影に隠れた! (!…ってぇ!…ビ、ビ、ビーナスぅ!ウウェ?) それは紛れもなく寒空の中、じっと電柱の影から黙って張り込みをしている環の姿であった! (え…な、何でッ…?あ、そうか!本当はここの張り込みは俺とビーナスが一緒にやる予定だったんだ!でも俺がダダをこね、こんな寒い所でじっと張り込みなんて嫌だァ~ッて帰ったからアイツ今の今までずっと一人で…ま、まじかよっ!別れたのは一昨日だぞ!それからずっとアイツ一人きりでここで張り込みを続けていたというのかっ!)

No.82

>> 81 💄帰って来た‼💄💄💄
🔥炎の美人刑事~麻生環~②

🎆臍曲署機動捜査一班の懲りない面々…


🔥麻生環巡査《通称ビーナス》このシリーズ言わずとしれた不動の主人公💄類稀なるミス日本代表クラスの美貌と知性(💧)、さらには他の追随を許さない完璧なプロポーションを兼ね備えた臍曲署のアイドル的存在

🔥倉本学警部補(通称ボス)趣味が女体研究という産まれた時からドスケベ細胞を繁殖させてきた我らが頼れる(💧)チーフ

🔥迫田菊次郎巡査部長(通称ニック)先祖が海賊だと言うのを信じて止まない馬鹿マッチョボーイ。かなり抜けている

🔥黒岩作治巡査(通称黒ちゃん)秋葉原に通い詰める趣味がアニメと妄想というミライ・ヤ○マ大好きのかなり危ない元医学部中退男

🔥河村鯖子婦警(通称サバコ)新登場キャラ…機動捜査一班のお茶くみ係。相当暗くまともに人の顔もみない黒髪の不気味な婦警さん。趣味は自作の恐怖のビデオテープを人に見せる事

No.83

>> 81 💄1💄 2月初頭…神奈川県警臍曲署機動捜査一班のデカ部屋は今日も平和そのものであった… 『ファ~…ここん所、トンと暇だなぁ…ニックよッ… 💄2💄

『フゥ~…寒い寒いッ!パチンコも負けたし、こんなに寒い夜は家に帰ってオコタで蜜柑に限るなッ!』

両手に息を吹きかけながら駅前のパチンコ店を後にすると黒岩作治巡査はションボリと歩き出した…

(しっかし寒いナァ…足元からシンシンと凍りつくって寒さだなッ…早く帰ってガン○ムSEEDでも観っかな!)

黒岩が次の角を曲がると暗い路地にじっと立つ一人の背の高い女性の姿を発見した…

(ん…?こんな寒い夜にあんな所で一体何やってるんだろ…)

不審に思って黒岩はゆっくりとその女性に近付いた…っとその時、その女性の横顔がスッと黒岩の視界に入り黒岩はすぐさま電柱の影に隠れた!

(!…ってぇ!…ビ、ビ、ビーナスぅ!ウウェ?)

それは紛れもなく寒空の中、じっと電柱の影から黙って張り込みをしている環の姿であった!

(え…な、何でッ…?あ、そうか!本当はここの張り込みは俺とビーナスが一緒にやる予定だったんだ!でも俺がダダをこね、こんな寒い所でじっと張り込みなんて嫌だァ~ッて帰ったからアイツ今の今までずっと一人で…ま、まじかよっ!別れたのは一昨日だぞ!それからずっとアイツ一人きりでここで張り込みを続けていたというのかっ!)

No.84

>> 83 💄3💄

黒岩は自分の無責任さに改めて事の重大さを痛感していた…

(ハァ…俺は何て馬鹿な男なんだ…新人の刑事に辛い仕事を任せて自分は悠々とパチンコ三昧…ビーナスのヤツ怒ってるだろうな…)

電柱の影で黒岩はじっと環の後ろ姿を眺めて何と言って謝ろうかと冷や汗をかいていた…

(殺されるかな…だよなッ…こんな誰だって敬遠する辛い張り込み一人でさせたんだもんなッ…殺されても…仕方ないよな…どしよ…このまま帰って無かった事に…は出来ねぇっつうのッ!そういう所が卑怯なんだよ俺はいつもッ!)

黒岩は自分を責めながらため息をつくと声をかけるしかないよなぁと決心してまたゆっくりと張り込みを続ける環に近付いた…

(殺さないで…お願いッ…どんなに卑下されても構わないから命だけはッ!)

悲痛な面持ちで黒岩は恐る恐る環のベージュのロングコートの肩をポンッと叩いた!

『あ…ッ…あ、あん…あんのォ…か、かっ、…ビ、ビ、ビナ…ビィ…ナナナナナナッ…ッあ、あ…』

いきなり肩を叩かれびっくりした様子て環は振り返った!

『!…ア…アァ…!』

『!…なぁんだ、黒岩刑事でしたかッ!びっくりシタァ~フフフ…』

(お、怒って…ない…の?)

No.85

>> 84 💄4💄

『あッ…ビ、ビーナス…わ、悪かった…あ…そのぅ…』

黒岩はシドロモドロになりながら環に頭を下げ、一人にさせた事をただひたすら頭を下げて謝った…

『?…どうして謝るんですか?黒岩刑事ッ…』

環のキョトンとした笑顔は黒岩にとって余りにも意外な結末だった…死をも覚悟していた謝罪を環は何の文句も言わず受け入れたのだ!

『ど、どうしてって…俺は職務をサボってお前を一人にしてッ…その…つまり…ずっとパチンコをしていた挙句に家に帰って寝てたんだぞっ!それも連日徹夜続きのお前の事も放っておいてだッ!そんな無神経極まりないこんな俺の事、お前は怒らないのかッ?ってゆうか、怒ってくれッ!ほら、殴りつけてくれたっていいんだぞッ、ほらッ!』

黒岩は自分の顔を環の前に出し、しきりに頬をぶて!と誘ったが環はただ優しく笑いかけるだけだった…

『フフフ…いいですよ…黒岩刑事…人にはそれぞれ事情があるんです…刑事だって人間…たまには休みたい事だってありますよっ!ねっ…あ、私は平気ですからッ…こう見えて結構体力あるんですッ…ヘヘ…』

飾り気のない環の優しい言葉が黒岩の胸にズキュンと突き刺さった瞬間であった!

(アッ……ほ、惚れちまった…アァ…)

  • << 87 💄6💄 『さっき迫田巡査部長の言った事…気に…しないで下さいね…』 張り込み当番の刑事に申し送りを受けた環と黒岩は容疑者宅が一番見渡せる向かいのマンションの螺旋階段に腰を下ろした…環の言葉に相変わらず黒岩は無反応でさっきからずっと地面ばかり見ていた… 『……寒い…ですね…今夜も…こんな日は暖かい肉まんなんか…フフフ…最高ですよねッ!』 長い沈黙が続き何も話そうとしない黒岩に環は号をにやすように静かに話しかけた… 『……』 『うん…!そうですよ…誰だって失敗はありますって!…私なんかずっと失敗ばっかで周りの人達に迷惑ばかりかけて来てるんですからッ!…あ、ハハ…自慢にならないですよね…』 黒岩の唇は少しだけ動いた…近くにあるラブホテルのネオンがやけに眩しく顔に当たる… 『…前向きなんだな…ビーナスは…』 黒岩が初めて口をきいた… 『前に向かなきゃ…やってられませんからッ…立ち止まると凹んでばかりで…』 環は手袋の両手を口に当ててハァ~ッと息を吐いた… 『そっか…フフフ…』 『あ、黒岩刑事、今日初めて笑ったぁ!…フフフ…やっぱり黒岩刑事はその笑った顔が一番です、あとフィギュア見てニヤついてる顔とねッ!』 『…馬鹿…』

No.86

>> 85 💄5💄

『バッキャヤロー!てめぇ刑事の仕事をナメんじゃねぇぞッコラァッ!!』

次の朝一番に機動捜査一班の部屋でニックの雷が落ちた…

『……す、すみ…ません…』

昨夜からすっかり落ち込んでいた黒岩に先輩のニックが追い討ちをかけている…

『まあまあ…過ぎた事だ…許してやれ…』

ポルノ雑誌を読みながら倉本はニックに言った…

『!てゆうかコイツは前々から気合いが入ってないんっすよボス!…何かあればすぐに仕事をサボろうサボろうとしやがるッ!で、きちんとビーナスに謝ったんだろなっ!?』

『迫田巡査部長ッ…も、もういいんですッ!…私ならホント大丈夫ですから!』

黒岩に掴みかかるニックに環は間に割って入った…

『ん、んまぁ…ビーナスがいいってんなら今度ばかりは許してやる…けどな、次はないから覚えとけッ!分かったら早く張り込み行ってこいッ!』

黒岩はニックに背中を向けると肩を落としながら部屋を出て行った…後を追うように環も椅子にかけてあるコートを取るとニックを一度見つめてから足早に黒岩の後を追った…

『ったく…28にもなってまだ半人前なんだからしょうがねぇやッ…』

ニックのため息が漏れた…

No.87

>> 85 💄4💄 『あッ…ビ、ビーナス…わ、悪かった…あ…そのぅ…』 黒岩はシドロモドロになりながら環に頭を下げ、一人にさせた事をただひた… 💄6💄

『さっき迫田巡査部長の言った事…気に…しないで下さいね…』

張り込み当番の刑事に申し送りを受けた環と黒岩は容疑者宅が一番見渡せる向かいのマンションの螺旋階段に腰を下ろした…環の言葉に相変わらず黒岩は無反応でさっきからずっと地面ばかり見ていた…

『……寒い…ですね…今夜も…こんな日は暖かい肉まんなんか…フフフ…最高ですよねッ!』

長い沈黙が続き何も話そうとしない黒岩に環は号をにやすように静かに話しかけた…

『……』

『うん…!そうですよ…誰だって失敗はありますって!…私なんかずっと失敗ばっかで周りの人達に迷惑ばかりかけて来てるんですからッ!…あ、ハハ…自慢にならないですよね…』

黒岩の唇は少しだけ動いた…近くにあるラブホテルのネオンがやけに眩しく顔に当たる…

『…前向きなんだな…ビーナスは…』

黒岩が初めて口をきいた…

『前に向かなきゃ…やってられませんからッ…立ち止まると凹んでばかりで…』

環は手袋の両手を口に当ててハァ~ッと息を吐いた…

『そっか…フフフ…』

『あ、黒岩刑事、今日初めて笑ったぁ!…フフフ…やっぱり黒岩刑事はその笑った顔が一番です、あとフィギュア見てニヤついてる顔とねッ!』

『…馬鹿…』

  • << 89 💄8💄 『昨日パチンコでスッちまったから一個しか買えなくてよ…いいから食えッ…腹ペコだろ?』 頭をかきながら黒岩は恥ずかしそうに答えた… 『有り難うございます…じゃ遠慮なく…』 吐く息を曇らせながら満面の笑顔で環は肉まんを半分に割った… 『!…ん?何だ?』 『はい!…これ黒岩刑事の分ッ!一緒に食べましょ!』 環は半分に割った肉まんを黒岩に差し出した… 『……い、いいの…に…』 頂きま~すと肉まんを頬張る環の整った綺麗な横顔を見つめながら黒岩はまた胸がキュンと鳴るのを覚えた… (お、俺はホントにかの、ビーナスに惚れちまったのかッ!) 心の中で何度も自問自答しながら黒岩も肉まんを頬張った…深夜零時を過ぎても容疑者宅に動きは無かった… 『なかなか姿を現しませんね…』 『………なぁビーナス…お前どうして刑事になんてなりたかったんだ?一流のファッションモデルだったんだろ?パリコレとかも常連の…』 『……ハハ…さすが黒岩刑事!芸能界通ですね…おっしゃる通りです…』 環は半分の肉まんを食べ終えるとパンパンと手についた粉を払い手袋を付け直した… 『う~ん…どうしてって聞かれても困るんですけど…きっと運命だったんですよ…』

No.88

>> 87 💄7💄

『でも黒岩刑事とこうして二人で仕事するの初めてですよね…』

『…そうだな…どうだ?少しは慣れたか?…この仕事…』

『全然ですよ…いつも悩んでます…自分のしている事が本当にこれで良かったのかどうか…毎日勉強の連続です…』

環の長い髪が時折北風にサラリとなびく…シャンプーのほのかな香りが黒岩の鼻を包み込む…螺旋階段は風を防ぐ壁すらない吹き晒しで冷え込みは今夜もきつそうだ…

『…寒いか?』

『え?…あァ、い、いえ、大丈夫です…ハハ』

環は小刻みに何度も頷くとまた視線を容疑者宅の文化住宅に向けた…

『ち、ちょっとトイレ行ってくらぁ…』

『あ、はい…!』

『大丈夫だって!…そんな心配そうに見つめんなよッ!もう家に帰ったりしないから…』

黒岩は苦笑いしながらコンビニにトイレを借りに行った…暫くして黒岩はトイレから帰って来ると環の隣にヨッコラセと座った…

『ほい…土産…』

『え?…お土産ッ?』

黒岩はコンビニの袋を環に手渡した…中にはホカホカの肉まんが入っていた…

『ウワッ!…美味しそぉ~…って、これ頂いていいんですか?』

環は思わぬ黒岩からのプレゼントに喜んだ…

No.89

>> 87 💄6💄 『さっき迫田巡査部長の言った事…気に…しないで下さいね…』 張り込み当番の刑事に申し送りを受けた環と黒岩は容疑者宅が一番見渡せる… 💄8💄

『昨日パチンコでスッちまったから一個しか買えなくてよ…いいから食えッ…腹ペコだろ?』

頭をかきながら黒岩は恥ずかしそうに答えた…

『有り難うございます…じゃ遠慮なく…』

吐く息を曇らせながら満面の笑顔で環は肉まんを半分に割った…

『!…ん?何だ?』

『はい!…これ黒岩刑事の分ッ!一緒に食べましょ!』

環は半分に割った肉まんを黒岩に差し出した…

『……い、いいの…に…』

頂きま~すと肉まんを頬張る環の整った綺麗な横顔を見つめながら黒岩はまた胸がキュンと鳴るのを覚えた…

(お、俺はホントにかの、ビーナスに惚れちまったのかッ!)

心の中で何度も自問自答しながら黒岩も肉まんを頬張った…深夜零時を過ぎても容疑者宅に動きは無かった…

『なかなか姿を現しませんね…』

『………なぁビーナス…お前どうして刑事になんてなりたかったんだ?一流のファッションモデルだったんだろ?パリコレとかも常連の…』

『……ハハ…さすが黒岩刑事!芸能界通ですね…おっしゃる通りです…』

環は半分の肉まんを食べ終えるとパンパンと手についた粉を払い手袋を付け直した…

『う~ん…どうしてって聞かれても困るんですけど…きっと運命だったんですよ…』

No.90

>> 89 💄9💄

『私の父は刑事で埼玉県警の巡査部長でした…けど私が高校2年の時…他界しました…ある銀行での籠城事件で容疑者の放った無差別発砲で…その流れ弾に当たったんです…』

暫く沈黙が続いた…

『けど父が死んだその半分は…私にも責任があったんです…』

その瞬間、黒岩は肉まんをクワえたまま微動だにしなかった…

『…え?…責…任?』

環の顔はいきなり曇り、まるで当時の辛い出来事を搾り出すかのように淡々と話し続けた…

『その日の朝…私は雑誌モデルのオーディションに行く日でした…けど父は昔から私がモデルになる事は反対で…その朝もろくに口も聞いてくれない父と大喧嘩したんです…父は一人娘の私を警察官にさせたかったらしく、ファッションモデルのような華やかだけど何処か泥臭い職業は絶対させたくなかったみたいで…』

暗く冷たい空からチラチラと雪が降って来た…

『後から母から聞いた話なんですが前の晩父はその事で一睡もしていなかったらしく…いつもなら絶対しない忘れ物とかして…何かその日は上の空で…だから…普通なら冷静沈着で慎重な父が…流れ弾なんかに当たる訳ないっ…きっと父が死んだのは私が父を困らせたからなんだって…』

黒岩は夜空を見上げた…

No.91

続編待ってました☺これからも頑張ってください😁

No.92

>> 91 応援有り難う✨中学生62君☀これからどんどん面白くなるからね💖💄麻生環💋✨

No.93

>> 92 💄10💄

2月の深夜2時の横浜は人影もマバラで歩いているのは電気工事の作業員とバカ騒ぎしている数人の若い男女だけだった…

『……お前のせいじゃ…ない…』

『…え?』

『…っと、あ、お、俺はそッ…そう思う…』

環に返す言葉が見付からず黒岩はただ意味のないセリフを口走った…

『お、お前が今までどんな人生送って来たのかは俺には分かんねぇけど…けど…あんまり自分を責めんなよな…あ、はい…これ…』

黒岩はスーツのポケットから熱い缶コーヒーを取り出すと環の座る横に置いた…

『フフ…もう誰にも言わないぞって心に閉ざしてたのに…アハハ…私ったら…駄目ですね…お喋りで…あ、黒岩刑事は御家族は?皆さんお元気ですか?』

環は置かれた缶コーヒーに礼を言うと手袋の中で使い捨てカイロがわりにじっと持っていた…

『え?…うち?…ウチは…ハハ…ま、まあ元気だけど…まあそれはまたおいおいなッ!』

『あぁ!…ンモ!人の事だけ喋らせてズルイですよォ~!』

環はさっきの憂鬱な顔とは180度うって変わり、いつものスマイルに戻っていた…そのハニカム笑顔をみる度に黒岩の中で何かがみるみる音を立てて膨れ上がってくるのを感じていた…

No.94

>> 93 💄11💄

『フゥ…結局ヤツは家に帰って来なかったか…ご苦労さん!』

一夜明けて署に戻って来た黒岩と環は倉本に昨夜の張り込みの申し送りをした…

『引き継ぎの捜査2課の御前崎巡査に家屋の裏手の張り込みも依頼しておきました…容疑者は裏手から侵入してくる可能性もありますので…』

環は自分なりにまとめた調書を倉本に渡すと警戒体制の強化を提案した…

『よし、完璧だ…フフ…しかしビーナスも段々と刑事って職業が板に付いて来たようだな…様になって来てるぞ!』

倉本は環を誉めたたえた…

『ホントですよ…新人の刑事がこんなにしっかりしているのに…フン…この男は一体何してんだか…』

吐き捨てるようなニックの冷たい言葉に隣にいた黒岩は黙ってうなだれた…

『あ、さ、迫田巡査部長ッ!黒岩刑事だって昨夜はきちんと職務を全うされました…だからあんまり責めてあげないで下さいッ!』

環がすかさずフォローの言葉を投げ掛けたが黒岩はただじっと黙ったままだった…

『…期待していいんだなッ?…黒岩ッ!』

倉本のゲキが飛んだ…

『……お、お疲れ様でした…』

黒岩はそれだけ告げると部屋をスゴスゴと後にした…

『あ!…く、…』

『ビーナス、放っておけッ!』

ニックの声が響いた…

No.95

>> 94 💄12💄

《どうやら俺はガラにもなくビーナスの事を…アァ…少なくともこれまでの俺の人生のうちであんなに魅力的な女には出会った事がない…初めは容姿淡麗で美人なのを鼻にでもかけようものなら一発ビンタでも嚼ましてやろうと思ってはいたが…ビーナス…いや、麻生環って女はそれとは180度違っている女だった…誰よりも優しく誰よりも真面目で華やかなモデルという世界にいたとは思えないくらい、いい意味で古風で繊細な気の効く女だという事が昨日ずっと一緒に居て分かった…密かに異性として意識しだした今朝なんてまともに顔も見れやしない…ったく…ゾッコンだぜ…でもあんな容姿も性格も100点満点のイイ女のビーナスの事…きっと背後にはイカした彼氏なんかがいるんだろうな…いや、居なきゃおかしいだろ…絶対いるッ…明日思い切って切り出してみるか…いや、やはり怖い…けど何もしないうちから白いタオル投げ入れるのも何か違う気がする…思い切って…よし!明日…》

『ちょっと作治ッ!アンタさっきから風呂の中で何ブツブツ言ってんのさ!早く出ないとノボセちまうよ!』

突然の母親の声に黒岩は膝くらいまでしかない深さの風呂釜の湯船で溺れそうになった…

No.96

>> 95 💄13💄

『…今日も動きはないようですね…』

螺旋階段に腰を降ろし今日も昨日同様環と黒岩は真っ直ぐ容疑者宅を見つめていた…

『はい…黒岩刑事ッ…!』

『ん?…何?』

環は小脇に置いていた小さな紙袋を黒岩に渡した…

『昨日の…肉まんのお礼です!』

環はハニカンだ…

『少し…恥ずかしかったんですけど…オタクの街に足を踏み入れたのは初めてだったんで…』

『!…こ、これは!…ミライ・ヤ○マの私服限定フィギュア!…ビ、ビーナス、お前ッ、こ、これッ!?』

環は口に手を当て恥ずかしさをこらえるように遠慮しないで、と黒岩に言った…

『…ハハハ…前から欲しかったって言ってたから…今日の朝から並んで買って来ました…限定50体ですって!昼間には100人以上の人が列を作ってましたよ…』

『ビ、ビーナス…お前…』

『黒岩刑事に少しでも元気になって欲しくて…ヘヘ…若い男女にサイン頂戴って取り囲まれましたけど…ヘヘ…まだ私の事知ってる人いるんですね!』

(そ、そんなリスク冒してまでッ!…それにこれはそんな安い買い物じゃないのにッ…クッ…ビーナス…お前ってヤツはどこまでイイ女なんだぁ~!!)

黒岩はミライ・ヤ○マのフィギュアを握り締めながら震えた…

No.97

>> 96 💄14💄

昨夜よりか幾分冷え込みはましとはいえ、今夜も足の先からシンシンと寒さが突き刺さる…

『俺は…』

『!…はい?…何です?』

『俺は何故刑事なんて職業になっちまったんだろ…』

黒岩は煙草に火をつけた…

『……なりたくて…なったんじゃないんですか?…黒岩刑事は…』

環は動きのない容疑者宅のアパートをじっと見つめ、耳だけ黒岩に傾けていた…

『ウチの家は代々医者の一族でよッ…じっちゃんも親父もお袋も兄貴達もみんな医者になったんだ…だけど俺だけは医者になれなかった…つぅか、なりたくなかったんだ…親や一族の人生のレールに従う事は自分を失う事になる…そう思って意気張ってたんだな…』

環はチラリと黒岩の顔を見た…

『……今…実家の方とは連絡取り合ってるんですか?』

『…フフ…いや、勘当状態さ…医者になれなかった俺なんか一族の面汚し以外の何者でもないしさッ…まあ俺だって気楽なもんだけどよ…その方が…』

黒岩はフゥ~と息を吐くと環の顔を見た…

『!…ハハハ、大丈夫だって!ビーナスが心配する事じゃねぇだろ…』

黒岩は平静を装おっていたが環の心には彼の一抹の淋しさが手に取るように判る気がしていた…

No.98

>> 97 💄15💄

【どうだ?…変わりはないか?】

環の携帯に倉本から連絡が入ったのは午前一時を回った頃だった…

『はい…容疑者の木内はまだ現れません…このまま張り込みを続けます…』

環は携帯の通話を切ると一度大きく背伸びをしてまた座り直した…

『……なぁビーナス…』

『?…あ、はい…なんでしょう…』

黒岩は目線を何故か宙に浮かせたまま言いにくそうに切り出した…

『お、お、お前~…そ、そのぅ…かッ、かッ…かれ、彼氏…と、とか…い、いるの…のん、のん、か? 』

『……え?…』

いきなりの予想外の黒岩の質問に環は狐に摘まれたような顔つきになった…

『……あ、いや、す、すまん!…別にいいんだ…気にしないでく、く、くれ!』

黒岩は自分が言い放った言葉の恥ずかしさにただただ忘れてくれと環に手を振って空を見た…

『……いません…』

『!…えッ?』

『今は彼氏は…いませんよッ…ってゆうか彼氏なんて作ってる暇もありませんしね!』

意外な明るさで環は黒岩に返した…

『そ、そ、そうなんだ…ハハハ…』

『黒岩刑事はどうなんです?今彼女とか好きな人はいるんですか?』

環の屈託のない笑顔が黒岩の目の前にあった…また黒岩の鼓動が早くなった…

No.99

こんばんは
作品、全部読ませてもらってます!
今回もめちゃめちゃ面白いですo(≧∀≦○〃
続き、楽しみに待ってます(((o*VωV)o

  • << 101 💄17💄 『だ、駄目ですよ黒岩刑事ッ!ここはちゃんと上司である倉本警部補の指示を仰がないとッ!』 環が必死に説得を試みるも黒岩はただ環を制止させたまま容疑者宅を睨みつけていた…その目は明らかに自分を見失っている怒りの目に環には見えた… 『…俺だって…俺だって一人前なんだって所、ボスやニックに見せてやるんだッ!』 『まだあの時に言われた事気にしてるんですかッ!気を落ち着けてよく考えて下さい黒岩刑事ッ!今我々に出来る事は容疑者の確保ではなく応援を呼んで周囲を包囲する事ですッ!個人的感情に走って派手な立ち回りをすべきじゃありませんッ!目を醒まして下さい、黒岩刑事ッ!!』 環は冷静さを失った黒岩のコートの袖を両手で掴むと必死に黒岩に訴えた… (…いい所見せなきゃ…好きな女の前でいい所見せて俺の株を上げなきゃ…見てろよ、ビーナス…い、いや、俺の女神、麻生環ッ!) 黒岩は環の制止を振りきると一直線に容疑者の木内のアパートの玄関めがけて走り出したッ! 『アァ!駄目ぇぇ~ッ!黒岩刑事ッ!戻ってッ!』 悲壮な顔付きで環も仕方なく黒岩の走る後を追うように走り出した!

No.100

>> 99 💄16💄

『お、俺は…さ、最近…ごく…ゴク最近…一目惚れした女が…い、いるッ!』

黒岩は恥ずかしそうに宙を見上げた…

『ヘェ~!誰ですかッ?ってゆっかどんな感じの人なんですか?教えて下さいよ、黒岩刑事…』

環は黒岩の脚をツンツンと可愛らしくこついた…

(ほ、惚れるやろォォォォォ!惚れてまうやろォォォォ!…ってそんな仕草が俺のアドレナリンをグングン刺激するんだよッ!麻生環ッ!お前最高だッ…同僚じゃなかったら俺は…俺は…アァ素敵だぜッ!)

黒岩は顔を真っ赤にして環を見た…環はそんな黒岩を見て何恥ずかしがってるんですかッ!っと笑って手を叩いた…その時突然張り込みを続けていた容疑者宅に変化があった!

『!あッ…黒岩刑事ッ…木内ですッ、木内が帰って来ましたッ!』

二人のニヤケた間抜け顔が一瞬のうちに刑事の顔に変わった!

『間違いないか、ビーナス!』

『はい、間違いなく容疑者の木内、確認しましたッ!』

二人は互いに顔を見合わすと音を立てないようにゆっくり迅速に螺旋階段を掛け降りた…

『ボスに連絡して指示を仰ぎますッ!』

環が携帯を取り出した瞬間、黒岩はそれを制止した…

『ボス達の助けはいらない…俺達だけで何とかする!』

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