あの日…そして君

レス9 HIT数 1195 あ+ あ-


2007/05/22 21:24(更新日時)

過去を忘れよう………………………………………忘れようとする度、思い出は蘇る。楽しかった日々を………もう帰らないあの頃。

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No.476209 (スレ作成日時)

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No.1

今年も、桜の季節がやって来た…………………。           君とよく、この公園を歩いた。        君は、桜の花みたいに、いつも微笑んで、ぼくを見ていたね。                あの日、この公園で待ち合わせをして、君を待っていた。       いつもなら、君がぼくを待っていた…が、あの日は、違った。     めずらしいなと、思いながら、ぼくは、君を待った。30分が過ぎ1時間が過ぎ……2時間が過ぎようとする頃、着信音が鳴り響いた。

No.2

携帯の相手は、君の妹の京子さんからだった。声がそっくりだった為、最初は、君の冗談だと思った。だけど……違った。           京子さんは、ぼくにこう言った。『お姉ちゃんが、死んだ…車に跳ねられた』と……………信じられなかった、つい3時間前に電話で、話をしたばかりだったのに、ぼくは、駆け出した。君のいる病院に………。

No.3

病室に着くと、君の御家族が、ぼくを迎えた………お母様がぼくに告げた。『貴方が、娘を殺したのよ❗貴方がいなければ、娘は、死なずにすんだのよ❗人殺し❗娘を返して』と、叫び泣き崩れた。          お父様が、『娘にあってくれ』と、ぼくを彼女のベッドに誘った。   どこにも、外傷がなく、綺麗な遺体だった。  君は、笑みをたたえたまま、眠っていた。   お父様がぼくの傍らで、『娘は、君とのデートを大変楽しみにして、出かけて行った……門を出てすぐに、ドンと言う音と、急発進する、タイヤの音を聞いた……胸騒ぎがして、私と家内は、急ぎ外に出て驚いた、娘が倒れていた。すぐに病院に運んだが、遅かった……即死だった』と…

No.4

お父様の話を聞いても、信じられなかった、いや、信じようとはしなかった。         『お父様までぼくを担ごうとして、鈴香🎵冗談はよせよ…寝てるだけなんだろ❓』いつまで、待っても返事はない、あるはずがない…死んでいるんだから。ぼくは、泣かなかった。        病室をいつ出たんだろ❓気づけば、待ち合わせ場所にいた。ぼくの君との時計は、止まったままだ。          【二度と動かない時計】君から、もらった腕時計『ひかる(ぼく)いつも遅れて来るから、これ着けて🎵』と、君がぼくにくれた、ペアウォッチ。 ぼくは、君が逝った時間に時計を合わせて、バッテリーを抜いて、君の思い出の詰まった。2人だけの宝箱に、時計を封印して、1年が過ぎやっと、君の墓前に手を併せる事が出来た。     あの日公園で、2度目の着信音が響いた、『ひかるさん…お父様が、お姉ちゃんの葬儀には、参加しないでくれって、家の門も、潜らせないって…』京子さんからの電話に、力なく『…わかった、ありがとう』とだけ答え電話を下げた。この時ぼくは泣いていた、電話の向こうにも、聞こえていたかもしれない。

No.5

君が、いなくなってからの、ぼくは、抜け殻のようだった。食事をする気力もなく、なにもする気もなく、ただ何もない空間を見つめ、話しかけ、笑いかけ、手を伸ばして、泣いていた。    そんなぼくを、現実に引き戻したのは、京子さんだった。鈴香に渡していた、アパートの鍵を返しに来た時、ぼくは、鈴香が帰って来たと、錯覚した。気力を振り絞り立ち上がり、鈴香を抱きしめて、『おかえり🎵』と、告げてキスをしようと、顔をよくみたら、京子さんだった。      まだ、高校1年生だった京子さんは、突然の出来事に固まっていた。

No.6

>> 5 抱きしめていた、手をぼくは、離して、謝った。京子さんは、ぼくに鍵を渡して、『今のひかるさんを、お姉ちゃんが見たら、ガッカリすると思うよ、いつまで泣いているの‼犯人はまだ、捕まっていないのよ‼』と、叱咤した。3つ下の京子さんに怒られた、そんな自分が情けなく、『ありがとう💧…………警察が見つけられないなら、ぼくがみつけるよ。きっちり復讐してやる』と、ぼくは、部屋を飛び出していた。京子さんは、そんな気持ちで言ったのでは、なかったらしいが、それが、ぼくを復讐の鬼に変えた一言だった。

No.7

その日から、毎週末には、京子さんが、ぼくの部屋を訪れるようになった。と…言っても、男と女の関係になったわけではない。ちゃんと食事をしているか、洗濯や掃除をしているか❓を、気にして、週末に来て、鈴香がしていた事をするようになった。                  月も終わりに近づき、ある事に気がついた、鈴香が跳ねられたのは、家のすぐ近くの有料駐車場の前、その駐車場に設置されていた防犯カメラに、さっそく、駐車場のオーナーを訪れカメラの録画を見せて、貰う事にした。ちょうど、事故の時間に2台の車が出庫していた。ナンバーも写っていた。ナンバーを頼りに、相手を探して、事情を聞き出そうと思った。犯人かもしれない、又は、犯人に関わる情報を持っているかもしれない。

No.8

>> 7 ナンバーを頼りに、所在を割り出して、所有者に会う事が出来、車も見せてもらった……が、どちらも、犯人である証拠もなく、事故に関しては、知らないとの事だった。警察も、この2人に目をつけたが、証拠がなく、警察は、1人の警察官を除いて、捜査を打ち切ったようだった。    その警察官は、鈴香の同級生で、ぼくの学生時代の後輩;寺島 圭一と言い、責任感の固まりのような奴だ、たまたま、この事故の担当になったのが、彼にとっての不幸と言えよう。この半年後に事態は急展開を見せる事になる。誰もが、予想していなかった事態に…

No.9

>> 8 ぼくは、犯人を捜す為に会社をやめた。    もう一度、現場周辺の聞き込みから、始めた。            2、3日過ぎた頃、一件の駄菓子屋の前で、小学生に声をかけられた、その子が言うには、事件のあった時、一台の赤い車が、交差点を猛スピードで、左折して行ったと言う。貴重な証言を得て、ぼくは、喜び思わず、その子を抱き締めていた。

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