未来観測

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作家志望さん
2024/02/12 09:34(更新日時)

「ねえ、笠見クン。私に付き合ってくれる？｣
、、、。は？陽キャの貴方が空気みたいな僕に話しかけてくると思ったら。
　他のクラスメートはとくに帰っている時間だった。
「じゃ、今日の10時にサクラ公園ね」
そういって帰ってしまった。今日は推しのソラちゃんの配信がある日、、。行くか。行かないか。僕なんかを呼ぶくらいだからすごいことがあるのかな。
　推しか。期待するか。今回は特別に期待に賭けてみようかな。
「母ちゃんごめん、散歩してくる」
母の心配する声を振りほどきながら、サクラ公園についた。
　少し遅れてしまった。陽キャの花崎さんは何やら機具の準備をしていた。望遠鏡？あと、ノート。何を見せたいんだろう。
「信じてもらえないかもだけど、」
彼女が口を開く。
「私、生まれつき星を見ることで未来が分かるの」
成る程。厨二病か。アホらしい。帰るか。
「待って。例えば今から20秒後。緑のボーダーのジャケットの黒と白の自転車の人が貴方の後ろを通る！」
チャリン、、。確かに20秒後だった。予言通り。彼女は望遠鏡以外何も見ていなかった。まさか。
「まだ信じられないけど、これがなんなの？」
カッと花崎さんの顔が赤くなる。
「これ、じゃない。この力は未来観測って言うの。この未来観測を持って生まれた限り18歳までしか生きられない」
よく分からない。現実にあるのか？そんな力が。
「星を見るたび脳にあらゆる未来の情報が流れ込んでくる。全部当たった」
悲しげな表情を見せる。
「そして生まれた時から女神様に言われたの。『汝の命は18まで』ってね。嘘っておもえなかった」
花崎さんのこんな顔見たこと無い。涙が溢れている。見てられない。絶対、本当だ。信じる自分はバカだと思ったが本能が訴えかけてきていた。
「だから、もし私を救ってくれるのであれば、私にときめきを、嬉しい楽しい気持ちを教えて」
花崎さんによると未来観測があるせいで生まれてからプラスな気持ちになったことがないらしい。本当に心から感じられたら力は無くなるが感情が理解出来るようになると言うのだ。じゃあ、今まで見てきたのは偽物の笑顔か。悔しい。そんなことも分からなかった自分が。
「分かった。僕は一人の人を救う為に、やるよ」
　次の日から毎日会うようになった。推しなんて忘れていた。ただ毎日ゲームして偽物の笑顔で笑って。そんな日々がくりかえされるあまり
「ぜんっぜん出来てない！なんで、救うなんて言ったくせに！」
と自責の念にとらわれ、枕を殴るしか出来なくなっていた。

誤字脱字があるかもです。4さつめくらいまで書くので、楽しみに待っててください。

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No.3981238　2024/02/11 03:16(スレ作成日時)

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No.1 2024/02/12 09:34
作家志望さん0

しかしそれを花崎さんは優しく
「いいんだよ。笠見クンが私の為になにかやってくれることだけで嬉しいし」
と言った。それもウソ。嬉しい、なんて。そうか。まだ自分はなんにもしていないだけなんだ。18歳まであと8ヶ月。花崎さんの誕生日がだいぶ先なことだけましだが。如月の月かあ。
　じゃないじゃない。
「それで？今日はナニする？また、ゲーム？」
聞かれて咄嗟にでた言葉は、オタクならではのはやさで、かつとっても長かった。
「今日は空を見ましょう。綺麗だなあって。人が死ぬとか涙を流すとか色んな情報が来るんでしょうけど此処に僕という救世主がいるのである。、、安心して。｣
空を見上げながら言う。
「あと、未来が見えるから救わなきゃとか思ってないで気楽に行こうよ」
花崎さんが目を大きく見張る。
「なんで、分かったの？」
あ、やべというように僕、笠見は教えた。
「実は僕人の考えを読み取れる能力なんだ。僕の誕生日は1月だから花崎さんより1ヶ月はやく居なくなるね」
花崎さんはひどく落ち込んでいた。だって、自分と同じ境遇で自分より速く死ぬ人に自分が死なないよう頼んでいたんだから。
　この能力を使うと3秒前までの記憶が無くなる。だから、不本意にこの能力を使うことはなかった。
　でも、今、知りたい。花崎さんの全てを知りたい。ねえ、教えてよ。花崎さんの負の気持ちを、ねえ。救ってあげるから。全部知りたい。