記憶～過去～現在

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寡黙な人さん
2020/09/03 19:20(更新日時)

私は13歳の時、従兄弟（4歳）に、「僕の名前は○○（従兄弟の名）と言います。4歳です。○○幼稚園に通ってます。好きな歌手は吉永小百合です。お願いします。」と言うように指示をした。私は録音の用意をし、従兄弟にGOサインを送った。従兄弟はラジカセのスピーカーに向かって、私の指示通りにセリフを言った。吉永小百合は女優なのに、何故か私は歌手と言わせてしまった。

その頃人気があったのは、岡田有希子、菊池桃子、少年隊、吉川晃司、C‐C‐B、中森明菜、おニャン子クラブ、安全地帯、斉藤由貴、本田美奈子、荻野目洋子、中山美穂らで、これらの歌手についてはよく知っていたが、当時、中1だった私は、吉永小百合については名前を知っているだけで、どんな人物なのか？何をやっている人なのか？についてはよく分からなかったのだ。後に日本を代表する映画女優である事を知るのだが。

そして30年以上経った今、従兄弟はアラフォーになり、基本的には悪い人間ではないのだが、時折、嫌な言動を露にする男になった。顔はイケメンなのだが。

あの頃は想像できぬ未来があった。5年後の自分はどうなっているだろう？10年後の自分は？もしかしたら大金持ちになっているかも？社長になっている？など。若い時は僅か5年後の事さえ想像つかない。若年者に取って5年というのはそれだけ長いのだ。今は想像できる未来（消化試合）しかない。中年の凡人が5年後に大金持ちになっているわけもなく、宝くじにでも当れば別の話だが、そんな奇跡的な「もしかして！？」論に期待する年代でもない。

かつて想像もできぬほど遠くにあった60歳が近い将来に迫っている。60歳といったら定年の頃である。今が再雇用制度で65歳まで働く人が増えたが、それでも正社員雇用から嘱託雇用に切り替わり、給与は下がる。実質的には現役世代とは言えないだろう。