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🎭ある暗黒卿の気紛れな呟きⅡ🎵＋⚡✒🐱

No.182　19/07/23 01:38
ﾒｯﾃﾙﾆﾋ=ﾊﾟﾚｵﾛｺﾞｽＡＵＴ ( 40代 ♂ MLdWxe ) あ+あ-

これはモーツァルトが悪いと言うより、当時のフランス革命前の貴族がパトロンを独占した音楽界の問題だが、とにかく作曲家は人気あるうちに、どんどん新作を発表し、一つの作品を様々な角度から推敲したり書き直したりする時間が全く足りなかったのだ。

しかもピアノ協奏曲は、貴族の広い庭園での茶会やパーティーの為のバックミュージック扱い。
つまり聞きながら貴族らは自由に歩き回り、お喋りに耽り、そうした雑音の中、ピアノ協奏曲が演奏された。

独奏者は勿論、作曲者自身。また、あの時代の協奏曲は規模やスタイルから言ってオーケストラが小編成で、普通は作曲者であるソリストが指揮も兼ねた。

つまり余りに深い内容の作品は、却って貴族らが聞き耳を立て出し、せっかくの社交が途絶え勝ちになったりするから、却って敬遠される場合さえあった。酷い時代だ！

で、モーツァルトより前のヘンデルの作品や、同時代のハイドンの交響曲なども、こういう扱いを受けていたのだ。

バッハの場合も、管弦楽組曲やチェンバロ組曲などは同じ扱い。

ただ彼には宗教音楽やオルガンがかなりあるから、これらは一応、教会で演奏され、聞く側も割合静かだったと想像される。しかしオルガン作品については、難解過ぎると非難されたり、とにかくバッハの作品は分かりにくいとかで、生前は余り評価されなかったのだ。

まあその分、イギリス王室に仕えたヘンデルと違い、地味にザクセンで生活したから平均律曲集からフーガの技法まで、オタク的な偉大な遺産を残せたわけだが。