激安バスパックの話

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おしゃべり好きさん
2023/01/11 07:39(更新日時)

去年の暮れに、激安バスパック（バス＋宿）を使った。

東京→大阪で、宿付きで4980円。
バスはこれでもかっていうくらい乗客がぎゅうぎゅう詰め。トイレも無し。まあ、仕方ない。激安だし。

大阪に着き、向こうで所用を済ませて、夜に指定された宿に移動。繁華街から離れたオンボロの民宿。しかも相部屋だという。

チェックインを済ませて部屋に向かう。一応、ドアをノックする。返事はない。
鍵を差し込み、部屋に入ると六畳ほどの和室で布団が二組。
１つは敷かれていて、隅にキャリーパックが置かれていた。

ところで、キャリーバックがピンク。
えっ？相部屋って女性！？まさかな…。
バスには結構若い女性も乗っていて、１人で来てる人も多かったように思えた。
これはもしかしてもしかする？いや、そんな馬鹿な話がある訳ない。

色んな妄想をしながら布団を敷き、荷物を片付けていると、鍵がガチャガチャなり、いよいよ相部屋の相手とご対面。

「あら？相方さん？」と言い、入ってきたのは60代くらいのおばちゃん。

ん？？民宿の掃除のおばちゃん？？が第一印象。
いや、それにしては風呂上がりらしく、さっぱりしている。

あ、どうも。と一言挨拶し、再び荷物の整理を始めた。

だよな…若い女の訳がない。というか、おばちゃんならOKなのもおかしいだろ？どうなってんだ、このバス会社！？

「私ね、このツアー３回目なのよー」とおばちゃんが話し始めた。

いや、聞いてないし。そこからおばちゃんの話が延々と１時間。
ようやく話が途切れたところで、風呂行きますと逃げるように部屋を出た。

はあ…しんどい。風呂に浸かりながら、またあのババア…いや、おばちゃんの話聞きながら寝なきゃいけないのか…。

しかし、部屋に戻るとカーテンで寝床が仕切られていて、おばちゃんはイビキかきながら寝ていた。

もうあのバスパックは使わん。