゚:。+悲観+。:゚
―夢の無い、悲観的なモノの見方しか出来ない少女、香(キョウ)。
今回も、香の冷たい一言が突き刺さります…。―
こんにちは☆夜宵と申します!!
なんだかんだで……とうとう3作目です(* ̄O ̄)ノ
では始めます☆
よろしくお願いしますヾ(≧∇≦*)〃
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>~第1話~
「ねー凌ー今日、転校生が来るんだってさー。」
「転校生?」
「うん。このクラスに。女の子だってよっ?彼女が出来るチャンスだよ!」
「本当にそうなったら良いなぁ…。」
転校生話に花を咲かせてる二人組。
寒河江 凌(サガエ リン)と、色槻 光一(イロツキ コウイチ)。
「はーい、席座って。」担任が慌ただしく教室に入って来る。
「皆、知ってるかもしれないけど、今日このクラスに転校生が来るから。」
担任はそう言うと、転校生を教室に入れた。
転校生を見た瞬間、教室は一気にざわついた。
「キレーっ」
「背高ーい」
そしてその転校生は自分の名前を黒板に書いて自己紹介した。
「初めまして。斑鳩 香(イカルガキョウ)です。」
黒い、カールした長い髪が揺れる。
「凌、凄い綺麗じゃね?あの子。」
「ああ…高嶺の花って感じ…。」
二人がそんな会話をしていると、香が二人の所に近づいて来た。
「えっ…?」
香は、優しく笑って言った。
「私、二人の席の後ろだから、よろしく。」
香は二人の後ろにある空いた席に座った。
「凌…もしかしたらいけるかもよ…?」
光一が小声で言った。凌は、「そんなわけない。」と口では言っていたが、内心ドキドキしていた。
>~第2話~
休み時間。
このクラスの、不良グループが香に近づいた。
「かわいーね!俺等と話さないっ!?」
「え…?」
香は、迷惑そうな顔をしていた。
「良いじゃん!!」
「お話しよーよ!!」
凌と光一は香を助けられる状況ではない。
「どうする凌…」
「絶対無理…」
香は暫く黙っていたが、とうとう言い返した。
「うるさいな…向こう言ってよ。」
「えー何でー?」
「ちょっとくらい良いじゃんっ!」
香は、とうとうスイッチが入った。
「黙れよ不良ども。」
「はっ…?」
「その外見どうにかしたら?その格好意味分かんないよね。成績下がったり絡まれたり、良い事無い格好じゃん。それとも、制服もちゃんと着れないわけ?」
「何だと…?」
香はブチッと切れた。
「邪魔なんだよ!自己中!興味本位で私に近寄らないで!!」
香の言葉に、教室はシーンとなった。
「凌…あれって…?」
「夢か…?これは夢なのか…?」
>~第3話~
いや、夢ではない。
香は教室から出ていってしまった。
「怖い女…。」
キーンコーンカーンコーン
「凌ーっ屋上行こー!」
凌と光一は屋上に向かった。
ドアを開けると、誰かが寝ていた。
「ねぇ…凌、あれってさ…」
「斑鳩…?」
二人は、香かどうか確かめる為に近づいた。
「やっぱ斑鳩だ…。」
「うるさいなぁ…。」
香は、パチッと目を開けた。
「あれ…?あんた達…」―まずい…―
「ごめん…起こしちゃった…。」
「良いよ、別に。横になってただけだし。」
香は起き上がった。
「あんた達、名前何?教えてよ。」
―え…?―
凌と光一は、思わぬ一言に驚いた。
「…寒河江 凌と…色槻 光一…。」
「へぇー、凌に光一か、よろしく。」
香はそういうと、屋上から出ていった。
「光一…今のは何なんだ…?」
「さぁ…?」
二人は、香の行動が理解不能だった。
>~第4話~
休み時間が終わり、二人は教室に戻った。
香の席を見ると、香がいなかった。
―初日からサボりか…?―
凌は、香のある意味勇気有る行動に驚いた。
だが、少し経って凌も教室から出ようとした。
「あれ…凌、何処行くの?」
「次の時間歴史だから俺はパス。」
「あーそうか、いってらっしゃい。」
「ああ。また後で。」
凌は教室を出た。
一方、香はと言うと…
「あーあ、暇だなぁ。」香は階段に寄りかかっていた。
「…斑鳩…。」
「ん…?あ、凌。どうした?」
「サボり。」
「へぇー凌そんな事しちゃう人なんだ。てっきり真面目君かと思ってた。」
「斑鳩こそ、こんな事する奴だとは思わなかった。」
凌はそう言って香の隣に座った。
香は、ボソッと否定的な事を呟いた。
「勉強ってさ…やる意味分かんないよね。」
「え?」
「日常で使わない事を勉強して、余計な知識を増やしていく。意味不明な漢字、数式。知らなくて良い、歴史上の人物。使う事なんて殆ど無い英語。何の意味があるんだか。」
「確かに…。」
凌は、香の言う事に思わず納得してしまった。
>~第5話~
―は…違う、違う!!―「そんな事無いって!勉強は意味があるからやるんだよ!!」
「そう言うけど、凌だって意味無いって思ってじゃん。」
「え…?」
「こうやって授業サボってるって事は、勉強なんてやっても意味無いって思ってるからでしょう?」
香の言葉に、凌は何も言い返せなくなった。―怖…。―
「お前…夢なさそうだな。見るからに…。」
「無いよ。有るわけ無い。夢なんて、持つだけ無駄。」
―うわぁ…―
香は、引くくらいに悲観的。夢の欠片も無い女。
「凌も、変な夢みない方が良いよ。散々な目にあうから。」
香は一言そう言うと、スッと立ち上がった。
「何処行くんだよ…」
「教室戻るよ。そろそろ授業終わるはずだし。」
香は、歩き始めた。凌も慌てて後を追う。
「待てよっ斑鳩っ…!」
>~第6話~
教室に戻る頃は、もう授業が終わっていた。
「あっ…凌と…斑鳩?」光一が不思議そうな目で凌を見る。
「あぁ…途中で会ったから…。」
「ふぅん。そうだったんだ。」
光一は、そう言って顔を机に伏せた。
「どうした?光一。眠いの?」
「何かねー最近頭がボーッとして、熱くなるんだよね。」
「風邪??」
「分かんなーい。」
光一は顔がほんのり赤い。
―変なの…―
だが、凌はあまり気にしてなかった。
放課後。
「光一、帰ろう。」
凌が誘った時、光一はボーッとして遠くを見ていた。
「光一…?」
凌は不思議に思い、光一の目線の先を見る。
「雛城…?」
光一の目線の先には、クラスのマドンナ的存在、
雛城 智彩(ヒナギチサ)の姿が。
「お前…雛城の事が好きなのか…?」
「えっ…?ち、違うよ!」―あぁ…図星か…―
凌は、光一の分かりやす過ぎる態度に驚いた。
>~第7話~
「雛城は難しいと思うな…。」
凌が率直な意見を言う。
「私もそう思う。」
いつしか、香まで会話に入っていた。
「二人には関係無いじゃん!俺は、見てるだけで良いの!!」
「そんな…」
凌が反論しようとした時、香が言った。
「そうだよね。光一にはそれがお似合い。」
「ちょっ…斑鳩っ!」
「だって相手はあんな可愛らしい子なんでしょ?臆病な光一には無理だって。」
「斑鳩ってばー!!」
凌は必死に香を止めようとしたが、もう止まらない。
「学生同士の恋愛なんて、半分以上遊び。変に傷つかないうちに、その片思いをやめるべき。見てるだけで良いなんて事言う時点で、それは恋じゃない。」
―い…斑鳩…。―
香の真剣な表情に、凌はもう反論出来なかった。
>~第8話~
「やっぱ…無理だよなぁ…。」
光一も、香の言葉を聞いて完全に自信喪失。
そして、香は教室を出ようとしていた。
凌は慌てて追いかけ、香に小声で問い詰めた。
「何で光一にあんな酷い事言うんだよ…!」
「良いじゃん。光一もやる気になったみたいだし。」
―え…?―
香は、教室から出ていった。
―何なんだよ…彼奴…―
「ねぇ!凌!!」
「え…?」
光一は、大声で凌を呼んだ。
「俺、頑張ってみる!当たって砕けろってカンジで!!」
「光一…本気か…?」
「だってあのまま斑鳩に馬鹿にされんのも嫌!!」
光一はそう叫んで凌の手をギュッと握った。
「なっ…!?」
「凌!手伝って!!俺達親友だろっ!?」
「そ…そうだけど…」
―こんな時だけ親友アピールか…?―
「じゃあ良いよなっ!?凌っ!!」
光一のキラキラした目にはさすがの凌もお手上げ。
「…分かったよ…。」
「ありがとう!凌!!」
凌は、完全に光一のペースに乗せられた。
>~第9話~
放課後。凌は憂鬱になりながら家に帰った。
「ただいま…。」
「凌、お帰り。今日お隣さんが挨拶に来たわよ。」
「え…?」
凌の家はかなりボロいアパートで、ここ数年で住人がどんどん減っていった。
―こんなアパートに入って来たんだ…。―
「ほら、これお隣さんがくれたのよ。チョコレート、凌も食べて。」
母はチョコレートが入っている箱を凌の前に差し出した。
「すっげー高そうじゃん。これ…」
「チョコレートが大好きなんだって。」
「へぇー…」
凌は、箱から一つ取り出し、食べてみた。
「甘…。」
凌は、この差し入れを見て、隣に引っ越して来たのは『上京したてで職を探している女の人』と言う設定になった。
―会ってみたいな…。一回で良いから…。―
凌は、挨拶しに行こうと思い、制服のまま隣へ行った。
>~第10話~
ピンポーンッ
凌がチャイムを鳴らすと、ガチャッと鍵を開ける音がした。
「はーいっ」
中から出てきた人は、目が大きくて長い茶色い髪の、綺麗な女の人だった。
―メチャメチャ綺麗…。―
凌は思わず見とれてしまった。
「あの…どちら様でしょうか…?」
凌はその言葉にハッとした。
―ヤバイッ…!!―
「あの…隣に住んでる寒河江と申します…。さっきはチョコレートありがとうございました…。」
「あっいえ!あんな物ですみませんね…。」
―あんな物…?凄い高そうに思えたんですけど…。―
その時、凌の後ろから声がした。
「何であんた此処にいんの?」
凌は不思議そうに振り返った。
「斑鳩っ!?」
凌の前には、香が立っていた。
「お前こそ…何で此処に…?」
「此処、私の家。もしかして、凌も此処に住んでるの?」
「ああ…」
「あ、そうなんだ。これからよろしくね。お隣さん。」
―何だ…?意外な反応…。―
凌は、てっきり香に
『最悪』と言われると思っていたので、意外な反応に驚いた。
゚:。+゚:。+゚:。+゚:。+゚:。皆さん、こんにちは。今日はちょっと暇なので……
今回の物語の中心的な人物、凌、香、光一の三人のプロフィールでも書きます!!☆♪(*^ ∀^*)ノ⌒☆
すみません、暇人なんでm(_ _)m
>寒河江 凌
性格は、きまぐれ。
基本的には、一人が好き。
無口であまり自分の話をしないが、光一には心を開いている。
>斑鳩 香
常に悲観的。
だが、密かにある夢を持っているらしい。(詳細はまだ謎)
表には出さないが、実はかなり涙もろい。
>色槻 光一
はっきり言うと、凌が大好き。
そして、かなり楽天主義。(なので香とは性格が合わない。)
実は、かなり勉強が得意。
あんまり役にたたない情報を読んでいただき、ありがとうございました(*・ω-)-☆゚:。*゚:。*゚:。*゚:。*゚:。
>~第11話~
「香、この子と知り合いなの?」
香は、この言葉で思い出し、凌を紹介した。
「私のクラスメート。」そして、香は凌にも紹介をした。
「この人は、私の姉の斑鳩 実乃(ジツノ)。ちなみに高三だから。」
「高三…?」
凌の想像していた『お隣さん像』が消えてゆく。
「じゃあ…両親は…?」
凌は遠慮がちに訊いてみた。
「いないよ。」
香は平然と答えた。
「何で…!?」
「私達、上京組だから。仕事を東京でするつもりだったから…学生のうちに東京に慣れとけって事で、姉妹で此処に住む事になった。」
香は、いろいろな事を凌に教えてくれた。
「あっじゃあ私、バイトの時間だから。じゃあね、凌。」
香は階段を下りていった。
「バイトなんかしてんのっ?」
「うちは仕送り一切無し!いろいろ大変なの!!」
そう言って、香は走っていってしまった。
>~第12話~
「じゃあ、そろそろ私も行こうかな…。」
「お姉さんも?」
実乃は笑って言う。
「やだなぁー実乃で良いよ、凌君。私もバイト行かなくちゃ。じゃあゴメンね、行ってきまーす。」
「あっ…行ってらっしゃい!!」
悲観的な態度の香に比べ、実乃はかなり明るい。
本当に姉妹なのか?と変な疑問が凌の頭をよぎる。
―ま…どっちにしても関わんないのが一番かも…。―
凌は自分の家に戻って、さっきのチョコレートをもう一つ食べてみる。
「やっぱ甘…。」
「何?凌そのチョコ気に入ったの?」
母が台所から料理を持って来ながら言った。
「違うよ。女ってこんな甘いの好きなの?」
「それは人それぞれでしょ。お母さんは大好きだけどねー。」
母はまた一つチョコレートを食べる。
凌は、見てるだけで苦しくなる。
―甘いのは俺には無理だ…。―
凌は、改めてそう思った。
>~第13話~
「凌ーお風呂入っちゃってー。」
夕食後。母が凌に言った。
「分かったー。」
凌は素直に母の言う事をきいて、お風呂場に向かおうとした時、凌の携帯が鳴った。
「誰…?」
凌が携帯を開くと、光一からのメールだった。
『明日から、雛城にアタックするから凌も手伝って!!』
「……………。」
凌は、ゆっくり携帯を閉じた。
―本気かよ…。―
凌は自分のしてしまった約束に後悔した。
―明日が来なければ良いのに…。―
だが、次の日は必ず来るのだ。
凌は仕方なく制服を着る。
そして朝食を食べ終えて、家を出た。
「あれ…?」
階段を見ると、香が歩いていた。
「斑鳩ー!」
「あっ凌、おはよう。」
凌は走って香の所へ行った。
「あれ…実乃さんは?」
「風邪ひいたーとか言って学校休んで家にいる。バイト頑張り過ぎなんだよ。」
「そうか…。」
香は、暫く黙り込んだ後、こう言った。
「あんたさぁー何で実乃だけ名前で呼んでんの?何か不自然。私の事も名前で呼んでよ。」
凌は、思わぬ言葉に驚いた。
「あ…分かった…。」
凌は、ますます香の事が分からなくなってきた。
>~第14話~
香は、また無口になってズンズン前に歩き出す。
「ちょっ…香、待てよっ!!」
「何?まだ話す事があるの?」
香の口調は、また気が強い言い方になっている。
「いや、無いけど…」
「じゃあ私先に行く。一緒に行っても意味無いし。」
―随分ズバッと言うなぁ…―
香はもの凄い早さで行ってしまった。
―何だったんだ…?―凌は仕方なく香と少し間隔をとって学校に向かう。
「凌!おはよ!!」
後ろからバンッと肩を叩かれた。
「こ…光一…。」
「凌、今日から作戦開始だよ!!」
―最悪…。―
光一に諦めるな的な発言をしたにも関わらず、やはり協力は気がひける。
―香の言う事は正しかった…。―
「ほらーっ!凌、ボーッと突っ立ってないで行くよー!!」
光一は、完全に浮かれていた。
凌の気持ちなど知らずに。
>~第15話~
「…で、作戦ってどういう事するんだ?」
凌が光一に質問した後、数秒間沈黙。
「…考えて無かった。」―やっぱり…。―
光一は、いつもノープランな為、事あるごとに凌を困らせる。
「じゃあさ…取りあえず雛城に声かけてみたら?」
「…出来ない。」
―お前…あの強気は何処行ったんだよ!―凌は呆れて何も言えなかった。
その時、後ろから声がした。
「色槻君、寒河江君、おはよっ!」
―!?―
雛城だ。紛れもなく雛城だった。
「あ…おはよ…。」
凌はなんとか挨拶したが、光一は驚いてそれどころじゃない。
凌ももちろん驚いた。―何で雛城が俺達に挨拶してくるんだ…?今まで一、二回しか喋った事ないのに…―
凌は不思議に思い、辺りを見回した。
その時、目があったのは…
「香…?」
ドアの近くに立っている香。その目は、何もかも分かっているような目だった。
―まさか彼奴が…雛城に何か言ったのか…?―
凌は、香のもとに駆け寄った。
>~第16話~
「香っ!お前雛城に何言ったんだよ…!」
凌は香を引っ張って人がいない場所へ行った。
「別にー。何にもー?」―絶対嘘だ…。―
「俺は、何を言ったか訊いてんだよ…!」
「ふぅん。そんなに光一が大事なんだ。」
「はっ…!?」
香は凌の瞳をキッと見つめた。
「そんなに聞きたいなら教えてあげる。私は雛城に『色槻ってモテるらしいね。』って言っただけ。」
―何だそれ…。―
「きっと雛城はモテる奴を彼氏にして自慢する性悪な女だよ。私の勘が正しければ。」
「嘘…あんなおとなしそうな雛城が…?」
「あーゆー天然系の女は怖いよ。分かんないもん、本気か計算か。」凌は香の言葉に思わず納得してしまった。
「光一の事を本気で親友と思うなら、今すぐやめさせな。雛城を好きになるのを。」
―え…。―
凌は香の言う言葉を信じたくなかった。
―せめて…もう少し…光一に夢を見させてあげたい…。―
凌は、香の警告を無視し、様子をみることにした。
>~第17話~
凌が教室に戻ると、光一はいかにも嬉しそうな顔をしていた。
「あーっ凌何処行ってたのーっ?」
「いや…ちょっと…」
「そっかぁーっ。」
凌の目からは、光一の周りに無数の薔薇が浮かんでいるように見える。
―とうとう目がおかしくなったか?俺…―
「凌ーっそろそろ授業始まるよーっ!」
光一の目は、少女漫画に出てきそうなキラキラな目をしている。
―今の光一には…絶対香のあの言葉を言わない方が良い…。―
凌は、自分に言い聞かせた。
それから、いつの間にか光一は雛城とよく喋るようになっていた。
凌は、それをただみている事しか出来なかった。
「凌は親友を見捨てるんだ?」
「香…。」
「可哀想。光一との友情もおしまいだね。」
「違う…!ただ俺は光一に幸せになって欲しいだけ…!」
「彼奴といても幸せにはなれないよ?」
―…。―
「まぁ凌の好きにしなよ。」
そう言って香は行ってしまった。
―じゃあ…どうすれば良いんだよ…。―
>~第18話~
「ただいま…。」
凌は、全身の力が抜けている。
「あっ凌おかえり!斑鳩さんが来てるよ!」
―斑鳩って…―
「凌君!こんばんは!」
「実乃さん!?」
「はい、凌君っこれお土産ーっ。」
凌の手にはシルバーのクロス形のネックレスが置いてあった。
「綺麗…。」
「凌君にあげるよ。それじゃあ、私は消えるわ。」
―え…?―
「実乃さん何しに来たの…?」
「ちょっとね。大した事じゃないよ。」
実乃はそう言って家を出た。
―…変なの…。―
このネックレスは何なんだろうか。
凌は不思議に思いながらもつけてみた。
―…もらっとこ。―
凌はそのネックレスをずっとつける事にした。
>~第19話~
翌日。凌は香と階段でバッタリ会った。
「香…おはよ…。」
「ああ、凌。おはよ。」
相変わらず話題の無い二人。
すると此処で香が呟いた。
「…昨日実乃が凌の家に行ったらしいね。」 「…あ、ああ。」
―何を言うかと思ったら…―
「悪いね。実乃って近所付き合い大切にする方だから、時々凌に迷惑かけるかも。」
「いや…別に…」
凌が言い終わる前に、香は歩き出した。
―人の話聞けよっ!―凌は、香に聞こえないように心の中で叫んだ。
「あ、そうだ。」
香はクルッと振り返った。
「さっさと光一に言いなよーっ。」
香はそれだけ言うと、スタスタ歩いていってしまった。
凌もようやく決心した。
「凌ーっおはよ!」
「光一…おはよ…。」
凌は、香に言われた事を告げる為に、光一を校舎裏の人のいない所に呼んだ。
「光一、ちょっとこっち来て。」
>~第20話~
「何~っ?」
光一は呑気な声をあげている。
「…やめろ…。」
「え?」
凌は叫んだ。
「雛城はやめろ!絶対良い事が起きないから!!」
「…何だよそれ…。」
光一は、凌をギロッと睨んだ。
「凌は、応援してくれないの!?何の証拠があってそんな事言えるんだよ!!」
「証拠は無いけど…。」
「だったらそんな決めつけやめろ!最悪だよ凌!!」
光一は、教室に戻っていってしまった。
―どうしよう…。―
凌は結局光一を怒らせてしまった。
それからも、光一と雛城はどんどん仲良くなっていった。
だが、凌と光一は仲が悪くなる一方だった。
そして数日経ったある日、凌は香に屋上に呼び出された。
「香…お前のせいで光一との友情が崩れた…。どうしてくれるんだよ…。」
「所詮、その程度の友情って事がなんじゃない?」
凌は、その言葉にキレた。
「開き直んなよ!もういい!!」
凌は、屋上を後にしようとした。だが香に腕を掴まれた。
「待って。」
「っ…何だよ!」
「確かに友情が崩れたのは私にも責任があるわ。だから、これ。」
香は凌にあるモノを渡した。
「何だ…?これ…。」
>~第21話~
凌が香に渡されたのは、カセットテープだった。
「これを校内全体に流して。」
「どうやって…?」
「放送室。誰もいないのを見計らって。」
―放送室…カセットテープ…―
凌は、放送室に向かって走り出した。
―香は一体何考えてんだ…?―
凌は、放送室に着くと誰もいないのを確認し、テープを校内に流した。
今は授業中。つまり、この放送をほとんどの生徒と教師が聞く事になる。
「よし…始まるぞ…。」
凌は、スイッチを押した。
ジリジリジリ…
暫くの間雑音が校内に響き渡る。
「何だ…?」
「授業中に放送…?」
校内には、疑問の声があがっている。
そして、10秒くらいの雑音のあと、声が聞こえた。
『ねぇ。本当に大丈夫なの??』
―女子の声だ…。―
それから、この放送により、大変な事が起こることになる。
>~第22話~
『このままじゃ、色槻君が可哀想じゃない?智彩ー。』
―色槻…?智彩…?―
「間違いない…。これは雛城達の会話…?香が盗聴したのか…。」
『いーのっ!色槻君が勝手に舞い上がってるだけ!』
―今のは…雛城の声だ…。―
『てゆーか斑鳩って奴の言う事信じた私が馬鹿だったー!色槻君がモテるなんて嘘じゃん!もう付き合う意味もないし!!』
「…雛城の奴っ…!」
凌は、今すぐ雛城の所に駆けつけて殴りたい気分だった。
きっと教室も今頃パニックだろう。
『もー智彩ってば酷いなぁーっ!』
甲高い雛城の友達の笑い声。凌はますます腹が立った。
―光一っ…何であんな奴好きになるんだよ…。―
そして最後に雛城が酷い一言。
『まぁ適当に貢がせたらサヨナラね。色槻君はの事は。』
ザーッ……
また雑音に変わった。―…終わったか…。―
凌は、もう立つ気力も無くなり、その場に座り込んだ。
「光一…ゴメン…無理矢理でも雛城と付き合うのやめさせれば良かった…。」
>~第23話~
「ほら。人は見かけによらないでしょう?」
「香…。」
香はドアの所に寄りかかって腕組みをしてりる。
「雛城って酷い女だよね。私の事を『斑鳩って奴』だって。最悪ーっ。」
香はわざと自分の話題をふっている。
―香なりに気遣ってくれているのか…?―
「香…サンキュ…。」
「別に。彼奴が悪いんだし、これは天罰。」
―相変わらず可愛げがねーな…。―
凌はそう思いながらも香に感謝していた。
「ほら凌!雛城の真っ青な顔を見に行くよっ楽しみーっ!」
香は凌の腕を引っ張って、座っている強引に凌を立たせた。
―香…。―
凌は、香の優しさにジーンとした。
その時、ドアから誰かが入って来た。
―あ…雛城…。―
「ちょっと…あんなの流したの寒河江君と斑鳩さん!?何でそんな事するの!?」
雛城はいつものおっとりしたキャラが完全に壊れていた。
髪はボサボサで、目は充血し、息も切れていた。
「どーゆーつもりよ!答えて!!」
その言葉を聞いて、香はとうとう口を開いた。
>~第24話~
「何自分が言った事棚に上げてんだよ!」
香がキツイ目で雛城を睨む。
「どーゆーつもりだぁ!?そんなの光一の為に決まってんだろ!」
「き…香…もう良いよ…。」
「良くないよ!凌だって光一の恋を成功させようとしてたじゃん!雛城のした事は最低だよ!」
「…。」
雛城は黙り込んでしまった。
香は、雛城のそばに行って一言こう言った。
「あんたこのままだとこの学校に見捨てられるね。まぁ仕方ないか。雛城のした事はそれだけ罪深いって事だもんね。」
雛城は、その場に座り込んでしまった。
「凌!戻ろ!!」
香が凌を手招きした。凌は、雛城の横を通る時に一言呟いた。
「雛城…これ以上光一を苦しめるな…。」
「…ご…ごめんなさい…。」
雛城は涙をボロボロこぼしていた。
―これで雛城も大人しくなればな…。―
凌はそんな期待をしながら、放送室を後にした。
>~第25話~
凌と香が放送室を出ると、廊下に光一が立っていた。
―光一…?―
「凌…。」
光一は、暫くの間凌を睨んでいたが、次第に涙で顔がゆがんでいた。
「うぇ…凌ーっ…ゴメンねっ…」
「こ…光一…?」
凌が光一を慰める前に、香がポンッと光一の肩を叩いた。
「光一、良い友達を持ったね。」
「い…斑鳩ぁ…。」
「ま、いつまでその友情を保てるのかは知らないけど。」
香は、意地悪く笑って教室に戻ろうとした。―慰めるなら最後まで慰めろよ…。―
凌は香の不可解な行動を不思議に思った。
「凌っ…ゴメンねっ…俺…」
光一は涙が止まらないようだった。
「もう良いよ光一…そんな泣くなよ…。」
凌は光一の背中をさすりながら、一緒に教室へ戻った。
「なんとなく行きづらいな…。」
光一が呟いた。
「…じゃあ…早退するか…?光一…。」
「え…?」
「一緒に早退しちゃおうぜ!責任は俺が取るし!」
凌はそう言って、鞄を教室に置きっぱなしのまま、光一を引っ張って外に飛び出した。
>~第26話~
着いたのは、学校の近くの公園だった。
凌は、芝生の上にゴロッと寝っ転がった。
「気持ち良い~っ。」
凌はスッと目を瞑った。
光一は、芝生に座り込んだ。
「凌…ありがと…。」
凌は、返答なし。
(寝たのか…?)
光一は凌の近くに寄った。微かに寝息が聞こえる。
「凌~…寝ちゃったのかよ…?」
光一は呆れたが、凌の寝顔を見てそっと呟いた。
「…凌が友達で良かった…。」
「…マジ?」
「えっ…?」
凌はムクッと起き上がった。
「今の言葉、忘れないよ?光ちゃん。」
凌はニヤッと笑って言った。
「起きてたのかよっ!」光一は真っ赤になった顔を俯いて隠した。―光一可愛いっ…―凌はフッと笑って言った。
「光一のリアクションは予想以上だね。」
「お前なぁ…。」
それからも二人は楽しい時間を過ごし、家に帰る頃にはもう夜の9時をまわっていた。
「凌!どーゆーつもりよ!?こんな時間までほっつき歩いてー!もしかして反抗期!?」
「ち…違うって…。」
それから凌は、母に滅茶苦茶叱られた。
>~第27話~
「大体あんたはいつもそうなのよそんなんだから成績も下がるし自分からは直そうとしてないしこれからはもっと真面目に…」
―早口で何言ってんだか全くわかんねーよ…。―
母の[早口説教攻撃]には凌も完敗だ。ただ黙って聞いてるしか道はない。
「よし、じゃあ今日はこれで終わらせるわ。でも次門限守らなかったらどうなるか分かってるわね?うちの門限は誰がなんと言おうが8時!!」
「はいはい…。」
―8時じゃロクに遊べねーよっ…!―
凌がそう思った瞬間、チャイムが鳴った。
ピンポーン
ピンポーン
「はーい。」
母がドアを開けると、香の姿が。
「あら、斑鳩さん。」
―っ…香!?―
凌は驚いて姿を隠した。
「こんばんは。あの、これ凌君の鞄です。学校を早退したらしくて置きっぱなしだったんで。」
「えっ…あ、ありがとう…。」
母は戸惑いながら鞄を引き取った。
母の目は完全に怒っている。
―やばい…。―
「それじゃ。」
香は、スッとドアを閉めた。
その途端、母の怒りが限界を超えた。
「凌…早退ってどーゆー事…?」
「えっいや…あの…。」
「凌!!いい加減にしなさい!!」
それから凌は母に2時間の説教をくらった。
>~第28話~
―香っ…最悪のタイミングで鞄持って来るなよっ…。―
凌は香の行動が理解出来なかった。
翌日。凌が家を出ると偶然香に会った。
「あ、凌おはよ。」
「香っ…昨日の鞄…」
「あー昨日大変だったよー。二人の鞄届けんの。」
「え…?」
「どーせあんたが光一に『一緒に早退しよう』的な事言ったんじゃないの?意外に不良なんだもんね、凌。」
―え…。―
香は、転校してきて直ぐ時話した凌の会話を覚えていた。
「授業よくサボるんだよね?凌って。だから早退だって簡単に出来るんだよね。」
「何でわざわざ突っかかる言い方するんだよ香は。あのままだったら光一が可哀想だっただろ?」
「そんなの私には関係ないね。変な女に引っ掛かる光一も充分悪いっての。」
「お前なぁ…。」
凌はそれ以上言葉が出なかった。
「ほら、さっさと行こうよ凌。」
凌は仕方なく、香に言われるがままについていった。
>~第29話~
「あーっ凌、斑鳩おはよーっ!」
二人が歩いていると、光一に会った。
「あれー?光一、もう吹っ切れたのー?」
香がニヤニヤしながら言う。
「ああ!今は何が雛城だふざけんなって感じ!」
「光一酷いーっ!」
二人は完全に雛城を悪者扱い。
だが、凌は何か引っかかった。
そして学校に着いた。教室を見回すと、やはり雛城の姿は無い。
―…。―
「ふっ良い気味ね、雛城の奴。いずれ転校する事になるわ。復帰の見込み無し。」
「香…。」
「雛城ってさ、馬鹿だよね。もっとちゃんとした事に気づけば私が悪いって事になるのに。」
「どーゆー意味…?」
「いくら雛城の言った事が悪いとは言え、私がした事は犯罪。盗聴したんだから。」
―あ…確かに…―
「人間ってさ、自分が悪い事したら相手がした事をちゃんと理解出来なくなっちゃうんだよね。冷静に分析すれば私のやった事の方が何倍も悪いのに。」
香は、そう言って教室から出ていった。
凌は、何故だか雛城が気の毒に思えてきてしまった。
>~第30話~
授業中。凌は先生の話を全く聞いていない。―暇、暇、暇、暇ーっ―凌はボーッと外の景色を見ていた。
その時、教室のドアがガラッと開いた。
「…雛城…?」
凌は、今目に見えてる光景が信じられなかった。
「り…凌…信じらんない…雛城来たよ…?」光一もかなり動揺している。
「有り得ねーっ!何で雛城学校来ちゃってんの!?」
「色槻が可哀想だろーっ!!」
「帰れ帰れーっ!!」
クラス中が雛城を追い出そうとしている。
凌は、チラッと香の方を見た。
―香…。―
香は、怪しい笑みを浮かべている。
「ふふ…もう此処にはいられないね、雛城。」―怖…。―
凌は、黙ってみてる事しか出来なかった。
放課後。凌は忘れ物を取りに学校へ戻って来た。
「あ~面倒~。」
凌はブツブツ文句を言いながら教室のドアを開けた。
「!?」
凌は、思いもしない光景に驚いた。
教室には、雛城が静かに座っていた。
―ひっ…雛城…?―
>~第31話~
凌は、どうにか冷静を装い、教室に入った。―気まずい…―
凌は、忘れ物のプリントを素早く机から取ると、さっさと帰ろうとした。
その時、ふと雛城を見ると、バチッと目があった。
「っ…!?」
雛城は、悲しそうな目
で凌を見つめる。
凌は戸惑ったが、雛城にこんな言葉をかけた。
「雛城…この前は言い過ぎた…ゴメン…。」 「な…何言ってんの!?寒河江君!!」
雛城は凌の言葉に滅茶苦茶驚いた。
「どう考えても私が悪いの!それに…今までも何回も男子を利用してたの!これは今までの私への罰だもん…。」
「確かに雛城のやった事は悪いよ…だけど雛城は逃げなかったじゃん!今日だっていろいろ言われるの分かってて学校に来たじゃん!それは凄い事だと思う…。」
「寒河江君…。」
―何で俺雛城を慰めてるんだろ…。―
凌は、自分自身が分からなかった。
「凌!何してんの!?」
ガラッと大きな音をたててドアが開いた。
―香…?―
香が物凄い剣幕で教室に入ってきた。
「凌…どうゆう事…!?何で雛城と一緒にいんの!?」
教室は、最悪の事態が起こった。
>~第32話~
「凌の裏切り者!光一の事何にも考えて無いじゃん!最低だよ!」香はそう言って教室を出ていった。
「…寒河江君ゴメンね…私のせいで斑鳩さんが…」
「…良いよ。」
「え…。」
「その代わり、雛城がちゃんと光一にした罪を償ってくれたらそれで良い。」
凌はそれだけ言うと教室を出た。
「寒河江君…ありがとう…。」
「あー香怒らせちゃった…。やばいなぁ…。」
凌は、かなり参っていた。
家に帰っても、香が気になる。
「そーとー怒ってるよな…香…。」
「たっだいまぁ~凌ーっ。」
母が帰って来た。
「ねーっ聞いて凌!今日久しぶりにお父さんが出張から帰って来るの!楽しみー!」
「結婚して何年も経ってるってのに…仲良いね…。」
凌の父は、出張が多い仕事でなかなか家に帰って来ない。
そのため、父が帰って来る日は母が必ずご馳走をつくる。
―じゃあ今日はご馳走だな…。―
凌は沈んだ気持ちを晴らす為、外の空気を吸いに家を出た。
>~第33話~
だが、こういうときに限って、一番会いたくない奴に会うのだ。
「凌…。」
「き…香…。」
階段を下りて直ぐに、凌はバイト帰りの香に会ってしまった。
「あ…バイト…?ご苦労様…。」
「いや別に…いつもやってる事だし。」
―気まずい!今までの15年間の人生中で一番気まずい!!―
凌はともかく逃げ出したかった。
「じ…じゃあ香…俺はこれから行かなきゃならないとこがあるんで…。」
凌は走り出そうとした。
「あっ…待って、凌!」 「えぇ…?」
凌は、突然呼ばれてドキッとした。
「凌…よく考えてよ…今のあんたは雛城と同じになってるよ?」―どーゆー意味…?―
「じゃあね、凌。私が前に言った言葉思い出せば分かるよ。」
香は走っていってしまった。
―何言ってんだ…?香の奴…。―
凌は、香の言葉の意味が全く分からなかった。
「今の俺は…雛城と同じ…?」
こんにちは!またレスしてしまいました、夏みかんです!
物語、様々な人間関係がすごくでていて、とてもおもしろくて、憧れてしまいます!Σ(≧ω≦)/
光一くんのことや、それに対しての香ちゃんの行動。
凄く現実的な香ちゃんがなんだか素敵…です!
それでは、これからも頑張ってください!私もこの物語を読ませて貰って、頑張ります!
>~第34話~
凌は暫く家の近くの公園で考えてみた。
「雛城と同じ…。同じって一体どーゆー意味なんだ…?」
凌は一生懸命香が言った事を思い出そうとしていた。
「…無理…。もう駄目だ…。」
凌は、諦めて家に戻ろうとした。
その瞬間、ふとひらめいた。
―あっ…!―
いきなり香の言葉が次々に蘇る。
「雛城と同じって…そういう事か…。」
―何故香はあの時教室にいたんだ?もう下校時間はとっくに過ぎているのに…。―
凌は冷静に分析した。そして、慌ててある場所に向かった。
向かった先は、香の家だった。
「香っ!いる!?香の言っている意味やっと分かったんだ!!」
凌はドアをバンバン叩いた。
「うるさいなぁ。こっちは疲れてんだよー…。」
香はクシャッと髪をいじりながら出て来た。
「香!俺、香が言った意味分かった!!」
凌は目がキラキラしていた。
「ほぉ。じゃあどーゆー意味だった?」
香はもったいつける言い方をした。
凌は、自分の推理を香に話し始めた。
>~第35話~
「香さ、前俺に言った事覚えてる?『人間は自分が悪い事したら相手がした事をちゃんと理解出来なくなっちゃう』って。」
「ああ、言ったよ。」
「俺は、香や光一に悪いと思いながらも雛城を慰めて香を怒らせた。そのせいで、俺は一方的に自分が悪いと思い込んでいた。だけど…」
凌は一度目を瞑って、自分の考えを整理した。
「香はどうして、俺と雛城の会話を聞いていたの?どうしてあの場所にいたの?」
凌は、香の瞳をジッと見つめた。
香は、やっと気づいたかと言う顔をした。
「凌、やっと私が言った言葉の意味が分かったんだね。」
香はフッと笑みを浮かべる。
「香、どうして?」
「まだ凌に言う必要はないよ。」
―はっ…?―
「何で…?」
「理由を教えるのは、もっと凌が私の事を知ってから。」
香はそう言ってドアを閉めてしまった。
「なっ…香っ!?」
―言ってる事無茶苦茶だよ香…。―
凌は、香の考えている事が全く分からなかった。
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