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ザッツだだーんその9

No.181　17/11/26 23:05
もうねる ( 40代 ♂ Tco31b ) あ+あ-

3 イモムシ

小学5年か6年か、その頃だったと思う。

うちの冬は寒かった。

節約節約でストーブなんて滅多につけないし、布団もたいして良い布団じゃなかった。

布団の中が寒かった。

だからいつも布団に入るとうつ伏せのまま、もぞもぞ体を動かしまくっていた。そしたらだんだん体があたたまって布団の中も快適になったんだ。

ある時から、それが気持ち良く感じた。それがなんなのか知らなかったけど、なんか癖になってしまった。
そしてその気持ちよさにはフィニッシュがあることを知った。
何となくそれはいけないことのような気もしたんだけど、それでもイモムシ状態をフィニッシュまでやり遂げることが日課になっていた。

それがある日、フィニッシュの時に何やら変な液体が出た。
知識のない俺は驚き恐怖した。
やっぱりこれはいけないことだったんだと。
俺はとんでもない病気になってしまったのかと。
とにかく怖かった。
しかし誰にもその事は言えなかった。

俺のいる二段ベットの向こう正面にはちょうど、早くに死んでしまってあんまり記憶のないお父さんの写真がかざってあった。

俺はベットの中からお父さんの写真に向かって手を合わせ、お父さんごめんなさい、守って下さい、守って下さいと怯えながら祈ったことを今でも覚えている。
とにかく怖かったんだ。

しかしまあ、子供ってのは順応性があるんだか、アホなんだかよく分からないけれど。

とにかくすぐ慣れる。
すぐ受け入れる。
ある意味それは子供の強さ何だろうな。

もう俺も慣れたもんで、しばらくしたら、お父さんごめん守って下さいと軽くお父さんに祈り、イモムシしてる日常になっていた。

とりあえず、パンツに丸めたティッシュでも詰め込んでおけば汚れることもないし。

そんなこんなで、やがて俺もそれが何なのかは知った。