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目が覚める瞬間に

レス5  HIT数 1246 あ+ あ-

汚れキャラ( ♀ )
16/06/29 16:24(最終更新日時)

うろ覚えな幼い日に聞いた話を書いたものです。


わたしはとてつもなく混乱している。いったい何をどこからどう説明したらいいかさえ、全く検討が着かない。

昨夜、妻と仲良くベッドに入ったのだけは鮮明に覚えているのだが、目が覚めると妻はいなかった。近所のコンビニにでも行ったかと、軽く考えていたのだが、事態は世界を巻き込む大変な騒ぎになっていたのだ。

いつもは夕食はわたしが、朝食は妻が作るのだが、待っても帰って来ないので、冷蔵庫のパンを口に家を出た。そのとき冷蔵庫の電気は消えていたのだが、古いから故障くらいに軽く考えてしまった。

電車に乗ろうと駅の改札に行けば、駅長が不機嫌な顔で切符を切っていた。いつも世間話をする掃除のおばさんはいなかった。

電車の中では皆がヒソヒソ話をしていた。駅で買った新聞には、世界中の至るところで、飛行機が雨が降るように墜落したのを報じていた。そして、わたしは聞いてしまった。

いったいあの人たちに何が起こったのかしら?との噂話を。

銀行に着く前の街頭テレビは、世界中で運転手が失踪したために自動車や船また電車の事故が起きてるのと、世界中の発電所が停止の危機にあるのを告げ、世界中の病院でオペ中のドクターやナースが失踪したのを告げていた。それどころか、世界中の軍で指揮官が失踪したため、世界中の国境や紛争地域が大混乱なのを告げていた。

わたしは心どころか魂の奥底から込み上げる不安を押さえて銀行に走った。彼女は来ているのか?。彼女が来ていれば、わたしの見たものは全て夢と安心できるのだと信じて・・・

銀行に着くと、いつも先に来て仕事をこなす部下たちは誰もいない。混乱の中、銀行閉店ではなおさら混乱するだろうと一人で開店したのだが、誰も来ない。従業員どころか、客の一人も、そして案の定、あの人たちの一員の彼女も来なかった。

やはり彼女は妻と共に失踪したと、わたしは確信した。そのときの不安と孤独感そして恐怖は言葉にできない。

気を紛らわせようとラジオをつけたのがいけなかった。不安が不安を、孤独感が孤独感を、恐怖が恐怖を呼ぶ内容だった。

政府の依頼だろうか、ある老牧師が話をはじめた。
「良く注意して、目を覚まし備えていなさい。主の時計がいつ動きはじめるかをあなた方は知らないのだから。その日、ある人は天に取られ、ある人は地上に残されます。しかし主は残された人のために使いを遣わされるので、そのときこそ改心しなさい。」そんな内容だった。

取り残された牧師のくせに何を言うかと腹が立ったのは覚えている。それが事実として、いまさら気をつけてもどうなるものでもあるまい。

夕方が近づき、結局、銀行に誰も来ないので、あきらめて家に帰った。そして酒でも呑んで気を紛らわせようしても全く酔えないのだ。ふと、わたしの近所の従兄弟もあの人たちの一員なのを思い出し、わたしは駆けって行った。頼むからいて欲しい。その一心だったが

彼の書斎には聖書が広げられ、わたしへのメッセージがあった。「今は恵の時で今が救いの日です」。開かれマーキングされた聖書には、「あなたは救おうとしたわたしの手を拒否した。だから、あなたの滅びの日にわたしはあなたを嘲笑う」とあった。

あの日、わたしは妻と彼に聞かなかった。もし聞いていたら違ったのか.....

激しい後悔がわたしを襲った。

No.2349097 16/06/29 09:39(スレ作成日時)  
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