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怪談’２０１４

No.18　14/07/06 20:39
名無し0 ( 40代 ♂ ) あ+あ-

こんばんは。主です。
それでは今夜も三話目です。

仕事帰りにＡさんが電車のドアに寄りかかり読書に熱中していると、目の端に揺れるものがあった。

ふと顔をあげると、一つだけ異様に揺れる吊革が目に入った。

その吊革を良く見ると、吊り輪のへりに、小さいピエロが座っていた。

『(え？なんだ!?フィギュアの忘れ物か？)』

不思議な事に、他の乗客はピエロはまるで見えてはいない様に一切気にする気配もなく、ブランコのように吊り輪に揺られていた。

Ａさんは何となくピエロを見つめていると、その顔は何処と無く死者を悼むような悲しい表情を浮かべていた気がしたという。

『キキキーーーッ!!』

直後、電車が急停車した！

一体何事かと思うと、車掌からの車内アナウンスが流れた。

その内容は人身事故を知らせるアナウンスだった。

Ａさんは直感的にハッと思った。

Ａさんピエロを見ると、今までの悲しみの表情が一変、ゾクッとするような笑みに変わる瞬間をＡさんは見逃さなかった。