タイムリミット⤵

小さい頃は勉強もでき、スポーツ万能な子だった。
いとこのお姉ちゃんはお家の中で着せ替えごっこや絵を書いて遊んでいたが、私は近所の男の子と虫を採ったり、鬼ごっこをしていた。
イタヅラもたくさんした。

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初恋は幼稚園。
みんなの人気者。
小学校五年生まで好きだった。片思いのまま終わった。

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中２の時、顔はよくないけど、面白くてスポーツ万能な男の子にチョコをあげた。それまでは毎日、仲良くお話ししてたが恥ずかしくて避けるようになってしまった。彼は変わらずちょっかいを出してきた。
ホワイトデーに彼の妹からキャンデーをもらった。自分で渡せよ！
その日から彼も私を避けた。

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両想いなのに…幼い私達はお互いに避け続け…中２のホワイトデー以来、一言も話すことなく卒業式を迎えた。

私は中学の時はサバサバした性格で男友達もたくさんいた。

卒業式の日、クラスのみんなと食事会をした。
不良と呼ばれる子達はお酒を飲んでいた。
私も仲良しの男の子に呼ばれ、お酒を飲んだ。
酔っ払って、仲の良い男の子とキスをしてしまった。これが私のファーストキス。Dキスだったので、気持ち悪かったのを覚えてる。

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それ以来、ファーストキスを奪われた（？）Ａ君が好きになった。我ながら単純だ。

高校は県内では有名な進学校に入学した。
入学してから、Ａ君に告白したが、あっさり振られた。
高校時代は勉強もせずに部活動に情熱を注いでいた。
高校に入ってからも仲の良い男の子が何人かいて、よく泊まりに行っていた。
今思えば…手さえ握られなかったのだから、よっぽど魅力がなかったのだろう。
高校時代も好きな人が出来たけど、恋より部活だった。

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高校では落ちこぼれだったけど、運良く大学に合格した。念願の上京。
２年間は寮生活。
19歳の時にボランティアでタメの社会人と知り合い、付き合った。
とても優しい人だった。

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その人の名はＮ君。
目のパッチリした可愛い感じの人だった。
寮に入っているため、門限があった。彼は真面目に門限の９時には車で送り届けてくれた。
彼との初キスは逢って３日目の海でのデートで。彼は震えていた。
週に１度逢って、いろんな所に連れて行ってくれた。

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Ｎ君は私の「結婚相手としかエッチはしない」と言う今では考えられない想いを尊重してくれていた。
付き合って８ヶ月。
寮を出て、ひとり暮らしをする事になった。
一週間後、彼が泊まりに来て「結婚しよう。愛してる。」
私は初めて、「愛してる」と言われ、嬉しかった。泣きながら、Ｎ君とひとつになった。
初めてなのに、痛くなかった。気持ちよくもなかった。
ただただ、彼の愛撫に幸せを感じていた。

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Ｎ君とは私が大学を卒業するまで半同棲な関係が続いた。
彼の優しさに甘えてワガママばかり言っていたが、いつも笑って許してくれた。
いつからかいつも優しい彼に物足りなさを感じて何度も別れ話をして傷つけた。
浮気もした。
彼が傷つくのを分かっていて「浮気をした」と報告した。

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私は最低だ…

最低な私に彼は「寂しかったんだね。ずぅが浮気しないように、もっと努力するね」…
と抱きしめてくれた。

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大学を卒業すると田舎に帰って就職した。
彼は毎日電話してくれた。週に一度は片道３時間かかる道のりを高速を飛ばして逢いに来てくれた。
私が就職したのは福祉施設。
慣れない心身ハードな仕事で私は500円玉ハゲができた。充実はしてたけど彼と一緒にいたくて辞めたくて仕方なかった。
ハゲができたことを彼に言うと、「もうちょっと待っててね」とワケの分からないことを言っていた。

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就職して３年経とうとしたクリスマスイブ。
彼の「結婚して下さい」とプロポーズ。
泣いて喜んで、「はい」と答えた。

その翌年の４月に仕事を辞め、彼と結婚した。
彼と出逢って５年の月日が経っていた。

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一緒に暮らしてるのに、毎晩ひとりで夕食をとった。
一週間帰ってこない日があった。
寂しいけど、大人しくお家で彼の帰宅を待った。でも、彼はいつも午前様だった。

ある日、友達から出会いサイトを教えてもらった。パソコンの中の顔の見えない人達は優しく感じた。
毎日、彼らとのメールのやり取りが日課になった。

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そのパソコンの中の人達とは自分は結婚しているから会えないと伝えてあった。怖いから会うつもりなかった。
だけど…満たされない気持ちがもうどうなってもいいと思うようになっていた。

Ｎ君とは付き合ってた頃は逢う度にエッチしてたけど、結婚してからは彼が帰宅時間が遅いこともあって１０日に一度あれば良い方だった。

それにバカな私は彼しか男を知らなかったから、他の人のエッチはどんなものかと興味があった。

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それでもやっぱり怖くて会いたいとかエッチな内容ばかり送って来る人とはメールをしなくなった。
ただひとり淡々と毎日の出来事、十年間同棲している彼女の愚痴や相談をしてくるＨさんとメールをするようになった。

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Ｈさんには旦那があまりお家に帰って来ないこと、田舎でひとり暮らししている母が心配なことなど相談していた。

いつも「俺なら寂しい思いをさせない」と言っていた。
でも10コ年上で彼女と同棲してるＨさんは恋愛対象外だった。

そう。そう思っていたはずだった。

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Ｈさんから「今日、仕事でアナタの住んでる最寄り駅に行くから少しだけ会えませんか」
とメールが来た。

どうしよう…
でも顔が見たい…
結局、悩んだ挙げ句食事だけならと会う約束をしてしまった。

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待ち合わせの時間は18時。この時、パートをしていので16時に帰宅。
シャワーを浴びて準備した。
もう苦しいくらいドキドキした。


そして、18時丁度に家を出た。
歩いて３分で着く駅までやっぱり会うのやめようかな…と思っていた。

でも彼はすでに来ていて、すぐに私に気付き近寄って来た。

「こんにちわ。Ｈです。」ニコニコして話しかけてくれた。
本木雅弘に似た素敵な男性だった。

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Ｈさん「この周辺は分からないのですが、どこか食事ができる場所ありますか？」
私も引っ越ししてきたばかりで分からないと言うことで旦那の車を運転してもらい、ドライブがてらレストランを探すことにした。

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でも車を走らせても牛丼屋やラーメン屋しかない。やっとゆっくりできそうなファミレスに入った。彼は生まれて初めてファミレスに入ったと言っていた。
何をオーダーしたのか覚えてない。
四時間くらい彼と旦那や彼女の話をした。
Ｈさんは「私は遊び半分であなたに会ったのではない。」と何度も言っていた。私は…遊びのつもりだった。その頃は寂しさを紛らせれば誰でも良かった。

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Ｈさん「また会ってくれる？」
私「うん…いいよ。彼女さんと別れたらね。」
10年も同棲をしている人と簡単には別れられないと思ってイジワルを言った。
そして、アパートの駐車場に車を止めてもらい、駅まで送っていった。
Ｈさん「またメールするね。今日は遅いから明日、彼女に別れ話をするから。」
私「…。気をつけて帰ってね。ありがとう。」
そう言って別れてアパートに戻ったら旦那がすぐに帰って来た。
旦那「どこか行ってたの？」
私「コンビニで立ち読みしてたの。」
平気で嘘がつけた。
旦那は疑うこともなく、お風呂に入っていった。

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旦那がお風呂から出ると顔も見ずに私もお風呂へ。湯船につかりＨさんの事を考える…
（本当に彼女と別れたらどうしよう…背が高くて格好良いいけど…私には旦那がいる。）
カラダを洗い、お風呂から出ると
旦那に「遅いよぉ～」と声をかけられた。

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いつもは午前様なのに…今夜はどうしたの？

私は旦那を裏切ってしまった罪悪感から
「明日も早いから寝るね」とベットに入った。

いつもならテレビを見ている旦那がベットに入ってきた。
旦那「ねぇ、しよ！」
私「…」
寝たふりをしたが、旦那はパジャマに手を入れてきて胸を揉み始めた。

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旦那はすでに息が荒い。寝がいりをうつふりをして手を振り払ったが、今度は私のパジャマをまくり上げ、乳首を舐め回した。さすがに寝ているふりを続けられず、
「Ｎ君…今日は眠い…」 と言うと
「寝てていいよ。ずぅのオッパイは俺の癒やしだから、ちょっとだけ触らせて」


ん…少し我慢してたが、私は胸が感じやすい…。Ｎ君の愛撫でイク寸前までになったこともある…。
（う…。ヤバイ…。今日はしたくないな。）

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「Ｎ君！今日はしたくない。」

Ｎ君は愛撫をしながら「今まで一度もしたくない日なんてなかったじゃん。」
パジャマを脱がし、下着も脱がそうとしてきたので頑なに抵抗した。

今のＮ君はいつものＮ君じゃない。
力任せに私を犯した。

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終わると
はっ！として、泣いてる私に「ごめん…」と言った。そして気まずそうに背中を向けて眠ってしまった。

私は眠れず、さっき会ったＨさんは紳士的だったな…と考えていた。

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眠れない朝を迎え、だるい体を起こし、旦那の朝食とお弁当を作っていた。
旦那が起きてきて、昨晩何もなかったように
「今日も朝ごはんいらない。コーヒーだけでいいよ。」
いつも用意してるが食べたのは2、3回だった。

（私って何？）
なんだかイライラしていた。

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でも、この時は旦那の事はまだ好きだった、と思う。


「今日も遅いかも。もしかしたら会社に泊まるかも。じゃ！行って来るね！」
「気をつけてね！」
キスをして送り出した。
窓から旦那の姿が見えなくなるまで手を振った。
さて、家事を済ませパソコンにむかう。
「あ！受信ボックスにメールだ！」
Ｈさんからだった。

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