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《漆黒の》感想スレ🔜

No.122 12/07/21 22:22
主 ( INTknb )
あ+あ-

≫121

A


目を覚ますと辺りは暗闇に包まれていた


体を起こし周囲を確認する


部屋は綺麗に片付けられ、暖炉には細かに火が灯る


ベットの横には小さな机があり
椅子や少ない家具たちも
修理され以前と同じ場所に収まっている


暖炉の灯りがぽつぽつと暖かさを伝え


俺はただ ぼんやりとそれを眺めていた


ガチャガチャ


重い鎖の落ちる音がしてドアがゆっくりと開いた

セスは何事もなかったように部屋に入り、重い弓矢を下ろし、腰に携えた二本の剣をドア近くの壁に立てかけた


そしてそのままワインが入っていたであろう瓶を胸元から取り出し
コルクの蓋をあける


ワイングラスに褐色の液体が注がれる


「飲め・・・温かいうちに・・」


差し出された腕を見て、体が自然と震える


彼はなにも語らず
静かに、ベットの横の小さな机にグラスを置き自らはドアの横の椅子に座った。


震える腕を押さえながら俺はただ、褐色の液体を見ていた


不思議と何も感じなかった
頭の中は空っぽで
景色としてグラスが映る

俺はそのまま、視線を窓の外に移した


ホーホーホー


森の奥で梟の鳴き声が聞こえる


闇に包まれ、今は生き物たちもそこに潜み
あるいは、光が届くまでしばし休んでいるのだろう


暫く眺めていると
部屋の隅からかすかに寝息が聞こえ始めた


振り返ると
入り口の椅子に腰掛けたセスが、壁に体を軽く預けた姿勢で腕を組み、目を閉じている


長い睫が彼の顔に影を落とす


それはチラチラと移ろい
暖炉の炎のかすかな揺れを映し出す


なにも感じない
なにも分からない


なにも考えたくない


炎は時間をかけてゆっくりと小さくなって消えていった

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