児頭骨盤不均衡による帝王切開

児頭骨盤不均衡について

児頭骨盤不均衡とは胎児の頭が物理的に母体の骨盤を通過することができない症状のことを指します。胎児の頭と母体の骨盤の相対的な評価で、児頭骨盤不均衡と判断されます。

児頭骨盤不均衡とは判断されない場合

日本産婦人科学会では、母体の骨盤を胎児が通過できない場合であっても、児頭骨盤不均衡とは定義しないという場合があります。例えば、明らかな巨大児や水頭症の場合はそれらの診断名が優先されます。また、低身長や骨盤骨の変形などによる胎児が骨盤を通過することが不可能な場合は、「狭骨盤」と診断されます。

児頭骨盤不均衡が疑われる場合

児頭骨盤不均衡が疑われる場合はいくつかあります。例えば、母体が150センチ以下のような低身長の場合、子宮底長が36センチ以上で巨大児が疑われる場合、初産婦であるにもかかわらず児頭の下降が見られない場合、有効な陣痛があっても分娩が全く進行しない場合などは児頭骨盤不均衡が疑われます。

児頭骨盤不均衡の診断

児頭骨盤不均衡と診断されるためには児頭と骨盤が不均衡であることを証明する必要があります。正確に診断を行う為にはX線骨盤測定を行います。グスマン法という側面撮影法とマルチウス法という入口面撮影法が行われ、さらに超音波検査を行い判断されます。何故2方向からX線の撮影をするかというと、骨盤は立体的な構造をしているので2方向から撮影する必要があります。

これらの撮影により骨盤骨と児頭の大きさの位置関係がわかります。そして、骨盤骨の特定の部位を測定することにより骨盤骨の大きさを狭骨盤、比較的狭骨盤、正常骨盤の3つに分類します。

分娩方法

狭骨盤の場合、物理的に児頭が骨盤を通りぬけることができないと判断された場合、児頭骨盤不均衡として帝王切開手術が行われます。比較的狭骨盤の場合、ぎりぎり児頭が骨盤を通り抜けできるかもしれない場合、経腟分娩に挑戦します。実際分娩の進行状況を見ながら、もし不可能な場合は帝王切開手術に切り替わります。

予定日すぎに児頭骨盤不均衡で帝王切開になる方も。心の準備が無かったときはショックですよね。

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一度児頭骨盤不均衡で帝王切開になった方で、帝王切開の傷みが辛かったと書いています。やはりできるだけ経腟分娩の方が回復のことを考えると良さそうですね。

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