むだい

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自由なパンダさん
24/08/03 15:21(更新日時)

僕の背中には羽が生えている。広げると二メートルぐらいあるから、まだ子供の僕にとってはちょっと大きい。本当は七歳の誕生日までに学校で飛び方を習うんだけど、僕の場合は少し違った。僕は生まれた時からずっと孤児院にいたんだ。仲間の皆んなは羽が折れたり、曲がったりしていたけど、僕の羽はかなりきれいだった。そういうこともあって、僕は孤児院の中でもずっと孤立していたんだ...。でも管理人のおばさんだけは僕のことを可愛がってくれた。そこで僕はおばさんから色々なことを学んだ。飛び方を学ぼうと思ったのも、おばさんが話してくれたからなんだ！おばさんは僕の目の前に立つと、本当は見せちゃいけないんだよ、と照れくさそうに笑うや否や、オレンジ色の羽を動かして部屋の中を飛び回った！それから他の子が来たので、おばさんはすぐに羽をたたんで着地して、僕の手を引いて誰にも言っちゃダメと僕の唇に指を押し当てて念押しした。僕はとてもドキドキしていて、おばさんに飛び方を教えてほしいと毎日せがんだ。それから毎晩、おばさんと特訓することになった。僕の背中に生えた羽は真っ白で汚れ一つなかった。他の孤児の子達に嫌がらせをされた時に強く引っ張られた部分にまだ痛みが残っていたはずだけど、飛べることになる喜びがそれを忘れさせてくれた。おばさんが僕の羽に触り、羽を動かすと僕の中で感じたことのない感情が込み上げてきた。毎日それを繰り返していると、ある日、突然僕は宙に浮いた。いや、飛んだ！僕の羽は銀色に変わっていた。おばさんが言うには銀の翼を持つ者はこの世界を救い癒す役目があるんだと。そしておばさんの判断で、僕は孤児院を離れることになった。初めての外の世界！僕と同じように飛んでいる人だらけと思いきや、ほとんどの人の羽は孤児院の子供達と同じように折れたり曲がったりしていた。そして僕は一人の少女と出会うことになる。

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