好きだった君に伝えたい

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通りすがりさん( 10代 )
24/08/04 22:05(更新日時)

失恋する淡い男の子の物語。

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No.4105064 24/07/28 01:03(スレ作成日時)

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No.1 24/07/28 01:06
通りすがりさん0 ( 10代 )

ずっと前。11年前。

僕は恋に落ちた。

まだ子供だったから、そのときはその感情に名前などつかなかったし、むしろ「君」が嫌いで仕方がなかった。

「君」は隣に越してきた女の子。

僕の初恋の幼馴染になる人。

No.2 24/07/28 01:14
通りすがりさん0 ( 10代 )

>> 1 「ママ、さーちゃん怖い。」

「君」の名は紗理奈だ。白鳥紗理奈。
そして僕の名は黒河憲吾。

君が越してきたとき、僕の方を見てそう言ったときはぶん殴ってやりたいほど嫌いになった。

No.3 24/07/28 01:19
通りすがりさん0 ( 10代 )

>> 2 自己紹介(名前だけだったが)をすると、「君」は目を輝かせた。

「えっ。黒っ!?じゃあさーちゃんの白とぱあとなあだねっ。」

きっと名字のことを言っているのだろう。
僕はその「君」の百面相に引き込まれた。

No.4 24/07/28 01:23
通りすがりさん0 ( 10代 )

>> 3 「あら、じゃあ二人で仲良くお話する?」

母達がそう言うと「君」は太陽のように明るく笑い頷いた。


そのあと「君」に聞いた。
「なんでさっき怖がってたの?」
と。無性に腹が立ったから。

No.5 24/07/28 01:26
通りすがりさん0 ( 10代 )

いや、分からない。
今でもあの頃の自分は分からない。

嫌いだった。確かに。嫌いだった。
でも、知りたくなった。
なんでだろう。

きっと「君」のすぐに態度が気に入らなくて、でもそこがいじらしくて、ヒトメボレだろうと父は言った。

No.6 24/07/28 01:31
通りすがりさん0 ( 10代 )

「君」はこう答えた。

「だって。男の子の友達は、初めてなんだもん、、、。」

「君」は頬を赤らめていた。
その瞬間、胸に何か刺さるような感じがした。
痛くなくて、あたたかい。

「僕も紗理奈ちゃんが初めて。」

No.7 24/07/28 01:34
通りすがりさん0 ( 10代 )

「そうなのっ!?」
「うん、、、。」

昔から僕はおとなしかった。でも「君」といると会話がはずむ。楽しかった。

そのあと、お互い自分の家に戻った。母はたくさん「君」のことを聞いてきた。

No.8 24/07/28 01:38
通りすがりさん0 ( 10代 )

「どう?『オトモダチ』になれそう?」
「『オトモダチ』になったら,,,」

母は「オトモダチ」という言葉を多用してきた。


その意味は最近知ったばかりだが絶対当時5歳の自分には分からなかっただろう。

No.9 24/07/28 01:44
通りすがりさん0 ( 10代 )

>> 8 全部の質問をテキトーにあしらってベッドに潜り込んだ。
そして

(あんなやつ嫌いだ。少し話したからって。)

と自分に言い聞かせ、その日はねむりに落ちた。

一週間後、母から大事なお話があると伝えられた。

No.10 24/07/28 01:48
通りすがりさん0 ( 10代 )

「ママね、憲吾にね、保育園に入ってもらわなくちゃいけないの。」

今まで保育園に入ったことがない僕にとって保育園は居心地が悪かった。

知らない子達と食べるご飯、難しい本が無いこと。
全部が厭だった。

  • << 14 「どうだったどうだった、保育園っ!」 保育園から帰ると、ずっと家に居ることができる「君」にそう聞かれた。 僕は厭な気分になった。 「君」に嫌味を言われたように感じたのだ。 「別に。」 僕は素っ気なく返事をした。

No.11 24/07/28 08:13
小説好きさん11 

突如2人の前に現れた男は灰島馨と名乗った。
さーちゃんは「君はグレーだから、きっときっと未来からきた私たちの子供なのね」と目を輝かせた。
それって僕とさーちゃんは結婚できるってことなんだと、なんだか思ったら恥ずかしくなった。

それからは3人でよく遊んだ。僕たちのお飯事を見ていた母さんは「あらあら、本当の家族みたいね」と微笑んだ。
なんだか意識すると恥ずかしくなる。
さーちゃんの無垢な笑顔は眩しかった。
馨は子役なのに、1番大人びていた。

  • << 13 ナリスマシヤメテネ、、、?

No.12 24/07/28 09:49
通りすがりさん0 ( 10代 )

>> 11 ???。どゆこと,,,(困惑)。

No.13 24/07/28 18:15
通りすがりさん0 ( 10代 )

>> 11 突如2人の前に現れた男は灰島馨と名乗った。 さーちゃんは「君はグレーだから、きっときっと未来からきた私たちの子供なのね」と目を輝かせた。 … ナリスマシヤメテネ、、、?

No.14 24/07/28 18:19
通りすがりさん0 ( 10代 )

>> 10 「ママね、憲吾にね、保育園に入ってもらわなくちゃいけないの。」 今まで保育園に入ったことがない僕にとって保育園は居心地が悪かった。 … 「どうだったどうだった、保育園っ!」
保育園から帰ると、ずっと家に居ることができる「君」にそう聞かれた。

僕は厭な気分になった。
「君」に嫌味を言われたように感じたのだ。

「別に。」

僕は素っ気なく返事をした。

No.15

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No.16 24/07/28 22:34
通りすがりさん0 ( 10代 )

「うっそだあ!」

と「君」は笑う。
とうとう怒りが我慢できなくなった。

「お前なんか⚪️ね!⚪️ス!」

気付くと「君」の頬が赤く腫れていて、それは自分が衝動でやってしまったときはもう遅かった。

No.17 24/07/28 22:39
通りすがりさん0 ( 10代 )

>> 16 「君」はもう泣いていた。

すぐに母達が寄ってきて、僕を叱った。
「ごめん」
とその後「君」に謝りに言ったけれど「君」からの返事は「うん」 だけだった。

次の朝、僕は心配だった。
「君」が一緒に遊んでくれるか。

No.18 24/07/29 00:57
通りすがりさん0 ( 10代 )

>> 17 やはり「君」は遊んでくれなかった。いつも母達と遊ぶようになってしまった。

僕は毎日がつまらなく感じるようになった。たぶん、寂しいの方が正解だ。

そこから約5ヶ月くらい立って、また母から大事なお話があると聞かされた。
厭な予感がした。

No.19 24/07/29 10:11
通りすがりさん0 ( 10代 )

「紗理奈ちゃん、憲吾の一つお姉さんだから、これから小学校に通うの。だから、今までみたいにいっつも遊べなくなっちゃうの。分かった?」

僕は状況が理解できなかった。
保育園行っていなかったから分からなかったけれど、「君」は同い年じゃなかったのか。
妙な喪失感と裏切られたというやるせない気持ちに襲われた。

No.20 24/07/29 22:29
通りすがりさん0 ( 10代 )

>> 19 しばらく話しかけられても無視しようと思ったが、すぐに話さない関係になっていたことを思い出し、考えるのを止めた。

ショウガッコウとやらに行き帰ってきた「君」は楽しそうだった。
僕と遊んでいたときよりも、、、。

No.21 24/07/29 22:33
通りすがりさん0 ( 10代 )

>> 20 僕はなんだかそれが気に入らなかった。。。

そんな僕を見た母は、
「お買い物、一緒に行こう。」
と言った。

家を出てそうそう、運悪く「君」と「君」の母親に出くわした。

そしてさらに運悪く、母達が立ち話を始めてしまった。

No.22 24/07/29 22:37
通りすがりさん0 ( 10代 )

>> 21 久し振りに見た「君」は僕と変わらないくらいだった背が大きくなっていた。

「久し振り。。。」

そう、久し振りなのだ。
どこか君の笑顔もよそよそしくなっていた。

「うん。」

とだけ返して涙を堪えるのに精一杯だった。

No.23 24/07/30 22:42
通りすがりさん0 ( 10代 )

>> 22 「ショウガッコウ、楽しかった。」
「ふうん。」

僕はぶっきらぼうに返すことしかできないのか。

「来年には憲吾も入ってくるね。」
「うん。」

哀しく思った。
また遊びたいなんて欲は抑えなければいけないのだろうか。

No.24 24/08/01 00:23
通りすがりさん0 ( 10代 )

>> 23 「この前、ぶっちまったの、ごめん。だから,,,また、遊びたい。」

照れながらも言うことができた。

「ほんとっ?良かったあ、さーちゃん嫌われてるのかと思ってたあ。。。」

前のような「君」の笑顔が輝いた。

No.25 24/08/01 00:27
通りすがりさん0 ( 10代 )

>> 24 どこに嫌われる要素があろうか。
いつでも「君」は僕の友達だ。。。そうありたかった。

それから毎日「君」のショウガッコウとやらの話を聞き、たまに縄跳びをして、また遊ぶようになった。

気付けば最近過ぎた春がまたやってきて、自分も小学校に上がる頃になった。

No.26 24/08/04 22:05
通りすがりさん0 ( 10代 )

>> 25 「憲吾は、ランドセル何色?」
ふと「君」に聞かれて答えたのは黒色だった。

でもまだランドセルなど買ってもいないので、「かも」と付け足すと、また「君」は天使のように笑った。

だけど小学校に上がるから買ってもらった辞書で「笑顔」と調べても「君」のことは書かれていなかったので、不思議に思った。

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