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初夏の午後の一人想い

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夜明け華( 30代 ♂ K7zcob )
23/03/25 01:51(更新日時)

初夏の午後は、真夏の暑さを持ってはいなくて、ただ日差しの柔らかな撫で付きを浴びながら一人で都の旧い小街を散策して、偶にも何となく何処かの何かに興味が生えているかどうかを分からなく暫らくの佇みをすると、お暇な人も、放課後の自由さで笑って遊び合う子供達も、街隅で小さな棚を立てる商売人も、皆はゆっくりと目の前に通って、ゆっくりと言っても止まりはなく、遂には新幹線で窓の外の遠くから見える村と山とのように消えていて、過去という暗闇の奥に融けてしまわなくてならないし、そう考える時には街行きの足音は今でも続いているのが聞こえながらも、それらの景色を見るのを私一人しかなさそうであろうという仄かな感じが何だか少し浮かび出すかもしれないか、また足を動かして歩んで進むほうが良いかと思い込み、日差しが何時ものような暖かさを連れてくれても、同じ街で起きた事のあるべき遠い昔の出会い別れも俄か雨で水を零す川の如く心の彼方此方を琴を引くように弄びながら、偶には小さな記憶の漣を広がらせて、それは多分戻ってはできない子供の頃の純粋な楽しみではないか、と言っても自分の迷い姿を何度も見返してもやはり社会人らしい墨染めが付き過ぎのようにしか見えないかな、哀れな感情が出てくるには間違いないが、世にも固より常なる事が甚だ珍しく、出会いの花は別れの凋み、別れの極めは出会いの種、そう繰り返しても終わりが何時だろうかも分からないし、
今外国で一人身を漂わせる自分の憂い心にも少しの慰めを貰いたいか、そうなると家族の望みを背負う勇気が再び出てくるかもしれない、という思いに耽っては間もなく夕を迎え、日焼け小焼けの旗雲には朧月の隠れているかの微かな光も少し伺えて、街並みを辿る夜風がなかなか涼しく、街隅の木には偶然空蝉の殻は一個垂れているのではないかと気付いているし、薄紫の中に或る仄かな輝きを放っている様子である。

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No.3760595 23/03/25 01:51(スレ作成日時)

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