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ずっと

レス0 HIT数 337 あ+ あ-

初心者さん
21/11/21 12:15(更新日時)

「どうしたの?」

「うるさいなぁ、黙っててよ」

「でも、ユカ悲しい顔してる」

「違うよ眠たいだけ」

「ユカ、僕はずっとそばにいるよ?」

「……っだから、何?僕のそばにいて何してくれるの?何も出来ないじゃんか!!」

「……ごめん、ごめん、ユカ、苦しんでるのに、なんもしてあげられなくて…」

「なんで、ユウが泣くの?」

「何も出来ないよ、僕には…ユカのそばにいることしか出来ない…」

「……うん、そうだね、そうだった。辛い時はいっつもユウがそばにいた。」

「うん、ずっといる、僕はユカのこと好きだから」

「はは、冗談言うなよ、ユウは……ユウは」

『僕なのに』

イマジナリーフレンドとい言葉を聞いたことはあるだろうか?
僕はイマジナリーフレンドの存在を信じていない。
あれは空想のもので、僕がつくりあげたもう1人の僕。
所詮は妄想だ。
でも…

「ユカ?今日は可愛らしい格好だね」

「珍しいでしょ!僕ね、やっぱりこういう女の子っぽい服好きだな」

「そっか、うん!良かった」

「?なんで」

「ユカ、男の子っぽくなろうとしていっつも好きでもない格好してたから…幸せそうなユカが見れてよかったって思ったの」

「ユウ…ありがと」

ユウは僕の欲しい言葉をくれる、欲しい反応をしてくれる。
自分で作りだしたならそりゃそうだ。
でも、たまに、自分でも思ってもいないような発言をする。
そういう時は本当にユウ意志を持っているような気がして、もしかしたら本当にユウは居るんじゃないかって思う。

「ユカ」

「?どした?」

「ユカの大切見つけられるといいね」

「…うん、でもさ、ユウ」

「?」

「僕の大切はユウだけでいいよ」

「……はは、嬉しいな」

ユウは困ったような顔をして笑った。
それに気づいて気付かないふりをした。
きっとユウには全部筒抜けなんだろうけど。

「聞いてるか?小野」

「えっ?あ、あぁごめんね、私ぼーっとしてた」

「いや、いいんだけどさ。どうかした?」

「うーん、別になんもないよwほんとにぼーっとしてただけ」

ある日ユウが見えなくなった。
声も聞こえない。
1人で帰り道、1人で座るベンチ、1人で食べるご飯、1人きりの部屋
不安でどうしようもなくて泣いたのにユウはやっぱり来なかった。

「由香!あ、あのさ」

「なに?あらたまっちゃって」

「結婚…してくれないか?俺と」

『ユカの大切見つけられて良かったね』

「!……」

「ゆ、由香?」

「…そっか、そっかぁ…ありがと…拓海」

「お、おう…」

「よろしくお願いします!」

もう何年も忘れていた記憶、私の中の唯一の"大切"は消えてしまったんだと思っていた。
でも、ユウはずっと居た。
約束通りずっと私の心の中に…

No.3418966 21/11/21 12:15(スレ作成日時)

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