注目の話題: 他界した高齢の姑に、生前夫や私が贈ってた品々; 女性の引越しについて; 恋人の返信が来ないのが気になる

小説　あの日、君は涙を流していた　T-1

レス5 HIT数 392 あ+ あ-

ゆえ（ ♀ RBxbob ）
21/10/22 22:01(更新日時)

バタッ
誰かにあしを引っかけられた。
転んでしまった。膝が痛い。
「は？なんで座ってんの？じゃまなんだけど」
誰が見てもわかる。

これはいじめだ。

キーンコーンカーンコーン
休み時間。
「千花。またいじめられてたみたいだけど」
「いつもの事だよ」
私は荒川千花。話しかけてくれた子は私の一人だけの友達、長谷川美海ちゃん。
「今日委員会の仕事あるんだ。遊べなくてごめん」
「いいよ。本借りたかったし」
「OK。じゃバイバイ」
ちょっと冷たかったかもしれない。と思いつつ、一人で図書館へいく。
すでにいじめっ子に目を付けられている。笑う者もいれば呆れる者もいる。

いつもこんなんだ。

本は無事に借りることができた。教室への帰り道が怖い。

どん！
誰かがぶつかってきた。…あぁ颯真さんか。
「何ぶつかってきてんの？迷惑なんですけど」
あなたがぶつかってきたんでしょうが。
「…ごめんなさい」
「ごめんなさいで済むと思ってんの？千花さん」
「じゃぁどうすれば…」
「土下座して」
え？
「早く」
みんな見てるし、恥ずかしいんだけど。
「早く！」
嫌だよ…！
「颯真さん、何してんの？」
知らない声…？
「なんだよ、祥太」
祥太…雨宮祥太さんのことか。あんまり人と話さないからな。
「千花さん、嫌がってるでしょ？やめてあげてよ」
「いや…祥太さん、私のことはいいから…」
「嫌じゃないの？」
「…嫌だけど」
「じゃあ、やめてもらわなきゃ」
「…今回は運が良かっただけだからな。千花さん」
颯真さんが去っていく。
完全に終わったんじゃないけど、私を助けてくれた。
なんの取柄もない私を。
いじめられる側の私を。
本当はどうでもいいはずの私を。
なんか嬉しい。

ああ。これが。
恋するってことか。

いつもは歌詞投稿をしているゆえです。今回小説を書いてみました。これから続けるつもりです。

21/10/21 21:06 追記
登場人物
荒川千花(あらかわちか)
長谷川美海(はせがわみう)
星野颯真(ほしのそうま)
雨宮祥太(あまみやしょうた)

これからゆるゆるでやっていきますのでよろしくお願いします(*- -)(*_ _)ﾍﾟｺﾘ