何がしたいのかわからない気持ちをつぶやいてみる

誰にも言わずにいた私

誰も知らない私

主人、息子と暮らしなに不自由ない生活
私も少なからず働いている

朝主人と息子を送りだし、私も会社に行く

数時間働いて一番に帰って来る私

少し休んで夕飯の準備だ

毎日の献立考えるのは本当に大変
朝は主人のお弁当も
時々何にも思い付かずスーパーをぐるぐるﾏﾜﾙばかり、怪しいおばさんです…

それが毎日毎日ひたすら続きます

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毎日同じことの繰り返し

体調悪い時があっても仕事には行ける
家事は手抜きをしてテキトーに
それでだれにも怒られない

これをこれからあと30年やっていくのかと考えると気が遠くなるのと同時に虚しい気持ちでいっぱいになった

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息子も手が離れて寂しいのか…
そんなに依存はしてないつもり

私は基本一人が好きだから、人といるのは少しの時間でいい

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みんないるのに寂しい、虚しい
そんなことばかり思う

このまま年とっていくだけ？
と思う焦る気持ち

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誰かと話したい

こんなモヤモヤを誰か聞いてくれないかな

軽い気持ちでメル友探しを始める

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あるメル友作りのサイトに登録した途端、男性からたくさんのメールがくる

サイトは初めてだったので戸惑うが、ここには同じような寂しさから話し相手を求めている人が大勢いると思った

色んな人と話してみよう

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とにかくわからないので、届くメールに一つずつ返信をする

どこの誰だかわからない、年も様々

気の合うメル友は出来るのかな

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返事をしてもしても、次々新しい人からメールがくる

これは大変だ
選別をしなくては

何となく文面で話しが続きそうな人を選んで話す

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途中からスルーをしてしまった人からメールくる

「私のことを無視するんですか？
ひどい人」

怖かった

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何日かやり取りをし、二人の男性と話すようになった

Aさんはフットワークの軽そうな、明るい年下男性
冗談いったり楽しいメールが続いた

Bさんはおとなしめ真面目そうな同い年の男性
ゆっくりポツポツのペースが心地良かった

程なく両方の男性からそれぞれ、携帯でのメールに変えないかと誘われる

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私はサイト内で話すことで何の不自由もなかったので、それぞれにやんわりと断りを入れる

Bさんはアドレスを教えてくれていたが、怖くなった私はメールを送ることなくサイトを退会した

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メル友作りのサイトなのに、まるで出会い系サイトのよう

というか、そんなことすらわからない私の方がおかしいのだ

そしてしばらくサイトのことは忘れていたが、１年ほどして舞い戻ってしまう

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ここにつぶやくことで、
自分が本当は何がしたいのか

どうすれば幸せを感じるのか

わかるかもしれない

こんなに恵まれた生活をして
どうして満足出来ないんだろう

今の私は壊れている

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仕事は楽しい
家族にも細かいことを言えば色々あるがどこの家庭にもあることだろう

しかし相変わらず虚しさは変わらない

１年ほどしてサイトを思い出す

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登録するとすぐに男性からメールが届きはじめる

夜勤やシフトのある仕事をしている人が多い印象

家族とすれ違いの生活で寂しいのか

家族がいても虚しい私と共通点があるのかな

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ここは出会い系みたいなものだ

話していけば必ず会う話になるだろう



それでも良かった

どうでも良かった

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私は住んでいる県を公開していた

当然同じ県の人から次々メールが届く

挨拶だけの人

何なんだ？
面白いか、それ？
無視無視

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しばらく色んな話をしていて、一人の男性と仲良くなった

真面目そう
家族とすれ違うシフトのある仕事をしている人だ

寂しいと言っていた

文面も丁寧で優しい

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決して私が嫌がるようなことを言わない

聞いたことには答えてくれる

でも深くは話してくれない

寂しくは思ったけど必ずメールには返信をくれ、私からのメールを楽しみにしてくれていた

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ほどなくメールアドレスを交換しないかと言われる

この人もか…

携帯メールでのやり取りに替えたらどうなるか

想像はついた

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私はアドレスを交換し、携帯にメールを入れた

それから１日に何通ものやり取りをする

仕事や家事の合間、携帯を開くと必ずメールが届いている

体を気遣ったりの優しいメールに私は癒された
私も彼に返信をする

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○○に行ってみたいね

○○一緒に食べたいね

二人の間に一緒にいる想像が含らむ

どんな人なんだろう

お互いの容姿をなんとなく話す

そして写真の交換をすることになった

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彼から写真が届いた

緊張した表情だった

やっぱり写真ではよくわからないな

私よりずいぶん背が高くがっちりして見えた

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私も写真を送った

自撮りの写真って本当に恥ずかしい

何枚も撮ってこれはと思うものを送る

何て思われるだろう

返信が途絶えるかも

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返信は途絶えなかった

なんとか受け入れてもらえたみたい

彼のメールの文面が変わった

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穏やかでおとなしめなイメージだったが、積極的になった

彼が休みの日を教えてくれて、会いたいと言われた

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あまりに急で、私も慌てた

「そんなに焦らないで
ゆっくりペースでお願いします」

会うのはしばらく先にした

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ちやほやされて嬉しかった

お世辞でも可愛いやら若いやら言われて嫌な気はしない

知らない人に写真を見せ、会いたいと言われる

まだ女として見てもらえた

嬉しかった

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何ヵ月かメールを続け、とうとう会う話になった

休みの日の夜
居酒屋で

一番やばいパターンとあとで知った

まあやばいことにはならなかったが

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駅の改札口近くで初めて会う

お互いの服装や持ち物を伝えていたからすぐにわかった

背が高い人

チビな私はそれだけでドキドキしてしまった

こんばんは
こんばんは

じゃ行きましょうと、
予約をしてくれていた居酒屋へ行く

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彼は慣れているのか？

スタスタあるいて居酒屋へ行く

私は走るようにあとを着いて行った

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個室を予約してくれていた

警戒する気持ちと、知り合いがいて見られては困る気持ちと両方あった

お酒と食べ物を頼む

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彼の顔を正面からまじまじと見た

写真とは違って、穏やか

話し方も優しい

お互いの家族の話などをしながらお酒が進む

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初めて会う男性と居酒屋

緊張する

なのに料理は美味しく、もりもり食べる

相手も美味しそうに食べている

現実を忘れ、二人の時間を楽しむ

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お互いの話の中に共通点がいくつかあり、親近感が湧く

相手も同じだったようだ

楽しい時間を過ごしその日は別れた

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家に帰りスマホを開くと彼からメールがきていた

今日はありがとう
楽しかったね
また会おうね


それを見て自分を必要としてくれることが嬉しく、

こちらこそありがとう
また会おうね

と返事をする

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それからも毎日何通もメールをする

今度休みが合った時にどこかに遊びに行こうと誘われる

独身同士のデートみたいだ

そんなことしていいのかな

でも行ってみたい

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しかも隣県の観光地

私なんかをわざわざそんな遠くに車飛ばして連れて行ってくれるって

男性に誘われてドライブ

こんなシチュエーションにドキドキしない訳なかった

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じゃあ休みが取れたらいってみよう

私は彼とのやり取りに夢中になっていった

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そしてお互いに休みが取れた平日

隣県まで出かけることになった

ドキドキする

彼もドキドキしていて


お互いに前日は眠れず、遅くまでメールのやり取りをした

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デート当日

私は仕事を休んだことを家族には言わず、家族がそれぞれ出かけた後に、急いで支度をする

皆が帰るまでには帰宅し、いつも通りに振る舞わなければ

色々先回りし考えて、

そして待ち合わせ場所へ向かった

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「これから向かうね」とメールすると

「待ってるよ」とすぐに返事が

彼はもう待ち合わせ場所に着いているみたい

急がなくちゃ

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「おはよう」

「おはよう」

彼の車に乗り込む

助手席に座るのは緊張する

ドキドキが止まらない

「じゃあ行くよ～」

行く場所は彼が考えてくれていたのでおまかせする

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最初に会った時から感じていたが、彼はそんなにおしゃべりではなかった

私もしゃべるのはそんな得意ではないからそれが心地良かった

けれど車の中ではなんか気まずいなぁ

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ポツポツとお互いのことを話してはシーンとなる

それを繰り返して目的地に到着する

長い運転をしてもらって申し訳ないねと伝えると

「大丈夫 すごく楽しいよ」
と彼は笑う

良かった

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目的地で何ヵ所か景色を見て楽しむ

前もって調べてくれていたお店に行き、美味しいものを食べたり飲んだりする

デートそのものだ

彼は訪れた土地をしっかり楽しもうとしている
こんなデートが久しぶりで私も嬉しくなった

楽しい時間はすぐに過ぎていく

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ひととおり堪能した
彼との距離が縮まっていく

「そろそろ帰らないとね」

やはり遠くまで出かけてきてるし、何があるかわからない

とりあえず早めに地元まで戻らなくては

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車に乗り、来た道を帰る

「楽しかったね」
「○○美味しかったね」

行きよりも会話が弾む

彼が運転しながら手を握ってきた

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この日までのメールで、ドライブのあとに2人きりになりたいと言われていた

それがどういうことかはわかっている

私は、良いよと返事をしていた

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手を握られるなんていつぶりだろう

緊張して手に汗をかく

彼も同じようで、2人で笑う

「片手運転、大丈夫？」

「大丈夫 危ない時は離すからね」


自分のこの状況があまりにも非現実的で、

この現実からかけはなれた世界にいることが

だんだん心地よくなっていく

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