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秘密の恋

レス0 HIT数 811 あ+ あ-

名無し
19/04/05 23:30(更新日時)

初めて書きます!よかったら感想聞かせてください🤗


俺には秘密がある。
誰にも言えない秘密が。


「翔太!翔太!!起きろよ!」
誰かが俺を呼んでいる。
目を覚ますとそこには拓美がいた。

「ん、あぁ、拓美か、おはよ…」
少し伸びをした後、俺は拓美に挨拶をする。

「おはようじゃねーよ。保健室で寝やがって…後半の授業くらいでろよな。用意してやるから」

拓美は優しい。
いつも俺を気にかけてくれるいいやつ。
俺の、好きなやつ。

この想いに気づいたのは確か高1のときぐらいだったか。

その時の俺は恋愛に冷めていて、恋人とかどうでもいいと思ってた。
俺と一緒につるんでた拓美もそうだと思ってた。その時までは。

「お前、好きなやつとかいんの?」
と、いつもは聞かないことを聞いてきた拓美を不審に思った。

「別にいねーけど。なんだよ、急に」
と聞くと、拓美は少し笑いながら
別にー?と答えた。

拓美の顔に目をやると、俺が一度も見たことのない顔で遠くを見ていた。
目線の先はクラスで一番モテる女だった。

なんだ。拓美もいんのか。好きなやつ。なんで、俺が見たことのない顔で…俺だってこんな顔されたことないのに…!

と、なぜか嫉妬心が湧いた。

その時、俺は気づいた。

あぁ…俺は拓美のこと好きなんだ、これが恋なんだ、と。

まぁ、そこからかれこれ3年くらい想いを伝えられないまま大学も一緒になった。

「あ、そーいや今日、本屋行きたいから付き合ってくれよ」
と拓美が言った。

「おーいいよー」
やった…拓美とデートだ。

午後の授業を拓美と一緒に受けて放課後、本屋に寄った。

「じゃ、ちょっとまってて!すぐ見てくるから!」
と拓美が言い、本を探しに言ってしまった。

暇だな…

(あ、これ…)

やはり気になってしまう。一般的にはボーイズラブといわれているこの本の存在を。

俺もいつか、こんな風に拓美とイチャイチャしたい。
こんな風に、想いを伝えたい。
こんな風に……

「なに見てんだよ」
と不意に拓美の声が耳元に聞こえ驚いた。

「なにお前?こんなのに興味あんの?」
と笑いながら拓美が聞いてくる。

やばい。誤魔化さないと。

「別に…」
誤魔化すと言っても流石に否定はできない。
否定をしてしまうと俺自身を否定しているようで嫌だったからだ。

「でもさぁーボーイズラブ?だっけ?男同士とかありえねーよなぁ…なんつーかキモいっていうかさぁ」
と拓美は笑いながら言った。

俺は頭が真っ白になり言葉を失った。

「翔太?どーした?ていうか、お前もそう思うだろ??」

ここで否定しないと怪しまれる…

「あ、あはは…そーだよな、き、キモいよな…」
言ってしまった。
俺は今、自分を否定したんだ。

「だよなー」

わかってた。
きっと理解されないだろうって。

わかってたけど。期待してた。


「悪りぃ…俺、体調悪いから先帰る…」

「え?翔太!?」

俺は走った。泣きながら。

なんだよ。男を好きになった俺が悪いのか?
だから報われないのか!?
どうして……!!!

無我夢中で走っていたら、前から歩いてきていた男とぶつかってしまった。

前の男は持っていた本をぶちまけた。

「ご、ごめんなさ…」

その時、
目に飛び込んできたのはさっき見たボーイズラブの本だった。

No.2827764 19/04/05 23:30(スレ作成日時)

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