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夢想転職 拳法やめたら無職だよ2

レス29 HIT数 1752 あ+ あ-

自由人
17/02/04 09:26(更新日時)

相談です。2ちゃんでパロディ小説の新スレが立てられないんですけど立ててくれる人はいないでしょうか?とりあえずこっちに投稿します。

前スレ:夢想転職 拳法やめたら無職だよ
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1480101517/
幻の暗殺拳□斗神拳の四兄弟が理想の職を求めて奮闘するパロディ小説。
誰か漫画化して。

No.2421034 17/01/14 11:54(スレ作成日時)

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No.1 17/01/15 08:28
自由人0 

「皆の者、よく聞け‼」
三輪バイクの後部座席の上にすっくと立ったスインは目の前に集まった数十台のけばけばしく装飾されたバイクと車の群れに向かって叫んだ。
「これから三隊に分かれる。一隊はオレと共にイユリアを探せ! もう一隊は木場とかいうビッグダディとガキどもの周りを嗅ぎまわれ! 残りのやつらは何でもいい、□斗のやつらがネタにしそうなものを探してそこら中走り回れ!」
スインの話を聞いているのはいずれも一目見てカタギではないと知れるふてぶてしい面魂と風体をした男たちだが、いずれもその外見とは不釣り合いな高性能のカメラを手にしていた。
スインはもう一度全体を見回してから号令をかけた。
「いけえ、進めえ!」
スインが自分の三輪バイクを急発進させると、他の車やバイクも遅れじとけたたましい騒音と金切り声を立てて後に続いた。
「ヒャッハ~~~!」
「□斗のやつらを出し抜いてやるぜ~!」

最後の将を除く○斗六聖拳の五人はメディア界で□斗に対抗することを決めると、すぐに共同出資して週刊○斗を創刊した。
特にスインの執念は凄まじく、不逞なモヒカンたちにカメラを持たせて瞬くうちにパパラッチの軍団を作り上げ、□斗新報打倒へと動き出した。
「オレのパパラッチ軍団で□斗神拳の秘密を暴いてやろうか?」
スインはイユリアの秘密を暴かれたことへの報復のために□斗神拳への潜行密着取材を考えたが、スアウザーもイユダも反対を唱え、スインも考えを改めた。
「いや、それはかえって猛虎を檻から出すことになりかねん。ルアオウはむしろそれをきっかけに□斗神拳を陽拳へと作り変える腹かも知れん」
「□斗神拳が我々と同じように表立って弟子を取るようになれば、○斗聖拳最大の危機が訪れよう。むしろ□斗新報を出し抜いてやつらが追う特ダネを先取りする方が、メディア界で成功したいやつらへの痛手になるはずだ」
「なるほど、よかろう。ならば□斗が追う特ダネはオレが先回りして全て奪い取ってくれるわ! やつらの全てを奪ってやる!」
かくしてスインのパパラッチ軍団は取材合戦に乗り出し、□斗新報と争うようにスクープを連発するようになったのだった。

No.2 17/01/15 08:31
自由人0 

>> 1 スアウザーとスユウが書く記事も、ルアオウの剛のペンとティオキの柔のペンを意識して、それに対抗するものだった。
スアウザーのコラム「退かぬ! 媚びぬ! 省みぬ!」は、後難を恐れず世を騒がす著名人を遠慮のない筆致で滅多斬りにして人気を博した。
スユウのコラム「今より輝こうとする光のために」は、現代日本の抱える難問の解決を真摯に考える未来志向の論調が、スユウの人柄と相まって、多くの読者の心を捉えた。
目の見えないスユウには情報収集や執筆にハンデがないか○斗六聖拳の仲間は懸念したが、問題はなかった。
「目は見えずとも心の目は見えているのだろう?」
笑ってそう聞くスアウザーにスユウは苦笑して答えた。
「いや、テキスト情報はパソコンの音声読み上げ機能を使えば問題ない」
スユウはパソコンにつないでいたヘッドフォンのコードを抜いて、ホームページのテキストの音声読み上げを○斗六聖拳の四人に聞かせてみせた。
「さらに高速読み上げをさせれば、お前たちが目で追うより早く情報を聞き取ることができるぞ」
スユウがマウスのホイールを回すと、読み上げの音声は聞き取れないほどに早口で高音になった。
「これを聞いて分かるのか?」
長年の友人でスユウのことは大概知っているつもりでいたルエイも、これには驚いたようだった。
「ふっ、目が見えるとかえって不便なこともあるようだな」
「だが記事を書く方はどうなのだ?」
興味津々といった面持ちでイユダが尋ねると、スユウはその問いを待ち構えていたというような笑みを見せた。
「目は見えずともキーボードの配列は完璧に把握している!」
スユウがタイプして見せると、その速さと正確さに四人は驚いた。タイピング検定一級を優に超えるスピードだった。
その反応を感じ取ってスユウは笑って珍しく冗談を言った。
「これがほんとのブラインドタッチだ!」
「おおーっ!」
スユウの技能に感嘆したルエイが提案した。
「ここはスユウに編集長を任せてみてはどうだろう?」
スインも諸手を挙げて賛成した。
「賛成だ。これだけの情報処理能力があれば編集長として申し分ない。オレも安心して外に出られるというものだ」
「私に編集長が務まるだろうか?」
不安を口にするスユウをスアウザーが励ました。
「心配するな。オフィスにいる時はオレも編集をサポートしよう」
イユダも横から口添えした。

No.3 17/01/15 09:04
自由人3 

>> 2 「ならば、スアウザーが副編集長だ。ビジュアル面は美と知略にあふれるこのオレがサポートするから心配無用だ」
「そうか、ありがとう、よろしく頼む」
こうしてスユウが週刊○斗の編集長に推され、スアウザーが副編集長兼取材記者を務めることに決まった。
スユウとスアウザーは編集でも論説でも活躍したが、スアウザーの取材はその性格がむしろ仇となって思い通りにはいかなかった。
建物から出てくる有名人への囲み取材では、スアウザーは持ち前の突進力を遺憾なく発揮し、常に取材相手の側について質問をぶつけることができた。
「何という踏み込みの速さ!」
その速さはケーンシロウさえも舌を巻くほどだったが、そこから先がダメだった。
「退かぬ!」
「だから、こっちは今時間が取れないっていってるでしょ!」
「オレは帝王! コメントを取るまで後退はないのだ!」
「しっかたないねえ、三分だけだよ……」
「媚びぬ!」
「……あんた他人が忙しい所を時間取ってやってるのに失礼だろ!」
「省みぬ!」
「すいません副編集長、もうちょっと推敲してもらえませんか? 誤字脱字だらけで無駄な繰り返しが多い原稿を締切りギリギリで持ち込まれるとすごく困るんですけど……」
「こっちも忙しいからそっちでやっといて」
「はあ……」
自然の成り行きとして、週刊○斗の力点はコラムを除けば取材記事よりもビジュアル記事に移っていった。
イユダがアートディレクターとしてビジュアル面の監修をすることになったが、週刊○斗のビジュアル面での花形の地位はヌードグラビアを企画制作、撮影までこなすルエイがさらった。
ルエイは新人を発掘して次々とヌードグラビアの撮影を承諾させ、本人が気付いていない美しさを写真に収める才能があった。
ルエイが撮るグラビアは週刊○斗の販売部数を上げただけに留まらず、それをまとめた写真集の売れ行きも好調だった。
イユダはそんなルエイがどうやってモデルたちを説得しているのか、その秘密を知りたい気持ちを抑え切れなくなって撮影現場に忍び込んだ。
今日もルエイは新人モデルを迎えて撮影していたはずだが、モデルらしい女はグラビア撮影には不似合いなビジネススーツに身を固めていた。
モデルの女は裸になるどころか写真のモデルになること自体乗り気ではない様子に見えた。
「あたしはとうに女を捨てたわ」
モデルの女は美しかったが、勝気な性格らしかった。

No.4 17/01/15 09:07
自由人3 

「あなたの目の前にいるのはただの企業戦士マアミヤよ!」
「ふっ」
マアミヤの話を聞いていたルエイは笑みを漏らすと両腕を上げた。
「シャオッ!」
「キャン!」
叫び声と共にルエイが目にも留まらぬ早業で両腕を華麗に動かすと、マアミヤが着ていた服は下着一枚を残して切り裂かれ、その美しい胸が露になった。
マアミヤは一瞬呆然とした表情を見せた後、裸にされたことに気づくと恥じらいの表情を浮かべて自分の胸を両手で隠した。
「女でなければなぜ胸を隠す必要がある?」
ルエイが問いかけると、マアミヤははっとした表情を浮かべた。
「マアミヤ、お前は美しい! その美しさでこのオレだけでなく世の人々を癒してほしいのだ!」
「そんな……ポッ」
それからルエイはマアミヤに近づいて、何事かを話していたが、しばらくするとマアミヤは可愛い女の表情で小さくうなずいた。
やがてルエイが笑顔を見せてカメラを手にすると、マアミヤはルエイの指示に従ってポーズを取り始め、そのポーズは次第に大胆な物になっていった。
イユダは最初のうちはその様子を熱心に見つめていたが、やがて見下したようにつぶやいた。
「ふむ、こういうものか……あの程度のこと、オレにもできる」
それから数日後、イユダもモデルと共に撮影現場にいた。
「美しい……オレに撮られる資格は十分にある!」
イユダはその気にさせようと相手を持ち上げたつもりだったが、モデルの女はせせら笑うばかりだった。
「ヒッヒッヒッ……」
「オレはお前のメガネ熟女ヌードが見たい!」
「ヒッヒッヒッ……」
煮え切らない相手を言葉で説得することに歯がゆさを感じたイユダはそういうなり身構えて、ルエイがやったように女の服を切り裂いた。
「ヒャハハ、切れろ切れろお‼」
「ヒーッ、お助けーっ!」
モデルの女は悲鳴を上げると胸を隠して現場から走って逃げ出した。
「あっ、ちょっ‼」
イユダは手を挙げて呼び止めようとしたが、もう遅かった。
入れ替わるようにルエイが撮影現場に入って来た。
「今のは何だ?」
「……あの女をヌードグラビアのモデルにしようと思ったが、逃げられた……」
「なに? あんなでかいババアをか?」
「それがどうした? メガネ熟女ヌードだ!」
「ヒゲの生えたばあさんのヌードなどお前以外に見るものはあるまい……」
「何だとおっ!」

No.5 17/01/15 09:09
自由人3 

そこにスユウも駆け付けた。
「イユダ、年配の女性が下着一枚でやって来てお前にセクハラされたと騒いでいるが一体何をしたのだ?」
「オレはただ写真を取ろうとしただけだ……」
「詳しい話を聞かせてくれ……」
撮影を注視してスユウと共に別室に入ったイユダは事情を説明した。その後悔しさの余りハンカチを口に加えて引きちぎらんばかりに噛んで叫んだ。
「キイーッ! なぜだぁ! 何が違うというのだ? なぜ同じことをしたのにルエイはよくてオレはダメなのだぁ!」
「セクハラとはそういうもの、相手次第なのだ……しかしルエイを恨むのではなく、自分のやり方で週刊○斗に貢献することを考えてくれないか……」
ルエイへの嫉妬ばかりに狂乱していたイユダは、スユウの言葉を聞くとはっとしたように顔を上げた。
「そうだ。お前にはお前にしかないよさがあるはずだ……」
「オレにしかないよさ……そうか、分かったぞ」
イユダは何か明暗を思いついたらしく、含み笑いを浮かべた。
イユダはスユウと話し合いをした会議室を出てしばらくたってから、ルエイが撮影に使っているスタジオへと足を運んだ。
「イユダ、オレに何か用か?」
新しいヌードモデルを撮影していたルエイは近づいてくるイユダに気付いたが、ファインダーから目を話さずに話しかけた。
「ああ、いい被写体が見つかったので教えてやろうと思って来てやった」
「ほう、どんなやつだ?」
「このオレだ」
そういうなりイユダはロングコートを脱ぎ棄てた。下にはふんどししかはいていなかった。
「どうだ、このオレの体。美しいだろう」
「……」
「このオレとしたことが、外に被写体を求めて、本当に大事なことに気付かなかった。そう、美しさはこのオレと共にあることを」
「……」
「そうだ、もう一人は紹介してやろう」
「……誰だ?」
「このオレだ」
今度はイユダの背後からスインが出てきて、ロングコートを脱ぎ棄てた。スインは下に何も身につけていなかった。
「さあ、好きなだけ撮るがいい」
「遠慮はいらん」
ボディビルダーのようにポーズを取りながら近づいて来る二人を見たルエイは恐怖した。二人を制するように片手を挙げてのけぞるように後ずさりした。
「い、いや、オレはいい……」
「なに、このオレの美しさが分からんというのか?」
「欲望が足りんな……」

No.6 17/01/15 09:11
自由人3 

「ふむ、悪くない」
「お前もなかなかの者だ」
「二人のセルフポートレイトも面白いかもしれん」
「よかろう」
イユダとスインが自撮り棒に付けたデジカメを取り出して他の誰も入り込めない世界を取り始めていると、ジヨーカーが現れて、スインの耳元でささやいた。
「なに、イユリアの居場所を突き止めただと!」
「はい」
「よし、オレ様が直々に捕らえに行こう。ルエイ、イユダ、聞いてほしいことがある。オレが戻って来たら話す」
それから二時間後、週刊○斗の応接室でスインとルエイとイユダがイユリアと対峙していた。スインのための雑用を務めようと、ジヨーカーが少し離れた所に立っている。日は既に暮れて、窓の外は闇に覆われていた。
「イユリア、お前のために我ら○斗聖拳が混乱に見舞われている。そのことは分かっているな?」
スインが熱を込めて語りかけたが、イユリアはスインと視線がぶつかりそうになると目をそらして苦しげに下を向いた。
「確かに迷惑をかけてしまいました。しかし……」
「分かっているなら話が早い。我ら○斗のためにほんの少し埋め合わせをしてくれれば、文句は言わん」
「何を……」
「ただ一肌脱いでくれればいいのだ。女性向け雑誌でファッションモデルとして人気を博してきたお前が巻頭グラビアを飾れば週刊○斗の販売部数が飛躍的に伸びるのは間違いない。女性の読者も手に取ってくれるかも知れん」
「そんなこと、いわれただけで死にたくなる!」
「ますます好きになる。オレはそういう強くて美しいものが好きだ。だがオレが望むのはお前の水着グラビアだけだ、ヌードとは言わん。そうだ、海外ロケに行こう。グアム、サイパン、ハワイ、どこでもお前の行きたい所へ。どうだ?」
「……」
「今度はだんまりか……ならば仕方あるまい。これを見るがいい」
スインは懐から一枚の写真を取り出してテーブルに投げた。目の前まで滑ってきた写真に目をやったイユリアは息を飲み、テーブルの反対側から身を乗り出しようにしてそれを見たルエイとイユダは驚きの声を上げた。
「こ、これは!」
その写真にはケーンシロウにお姫様抱っこされてはしゃぐイユダが写っていた。

No.7 17/01/15 09:14
自由人3 

「どうだ。お前とケーンシロウが□斗と○斗の掟に背いて駆け落ちしようとした時の写真だ。あの時オレが身を挺して止めなかったらお前たちは今ごろどこかでひっそりと暮らしているだろう。□斗神拳伝承者と人気ファッションモデルの今日があるのもこのオレのおかげという訳だ」
「わたくしだって恋愛くらいします!」
イユリアに口答えされたスインは一瞬悔しげに口を歪めたが、また皮肉な笑みを浮かべて懐に手を入れた。
「ふん、ならばこれはどうだ? お前たちを引き離した後オレが閉じ込めた高層ビルからお前は身を投げた。にもかかわらずお前は傷一つなく生き延びた。誰もが不思議に思っているその秘密を明かす一枚だ」
それを見たイユリアは驚愕を隠せなかった。
「こんなものを、いつの間に!」
「寄せて上げてるな……」
「思い切り当たってるのもやばいだろう……」
テーブルに出された二枚目の写真は巨大なワシの両脚につかまったジヨーカーが身を投げたイユリアを間一髪助けた瞬間を捉えたものらしかった。
写真の中のジヨーカーはワシにつかまって両手がふさがっているので、気絶しているように見えるイユリアの体に両脚を巻き付けて辛うじてイユリアを抱えている。
両脚でイユリアの胸を寄せ上げてしまっているせいか、それともイユリアの背中に股間が密着してしまっているせいか、ジヨーカーは柄にもなく赤面していた。
ジヨーカーがつかまっているワシが二人の人間の重さに耐えて必死の形相で羽ばたいているのも滑稽に見えた。
窓際に立っているジヨーカーは遠くからちらりとだけテーブルの写真を見た後、よそを見て知らぬふりをしたが、その時を思い出したのか、少しだけほほを赤らめた。
「……」
写真を見たイユリアも赤面したが、こらえて沈黙を守った。それを見たスインは鼻で笑って三枚目を取り出した。
「何枚目に脱ぐのかな?」
さすがのイユリアも怯えた表情を見せた。
「これは!」
スインが写真をテーブルに置くと、それをのぞき込んだイユダは驚愕の声を上げ、ルエイも当惑した表情を見せた。
「うわ、だっせ!」

No.8 17/01/15 09:16
自由人3 

写真にはジヨーカーと同じけばけばしい衣装に身を包み、ワシに捕まって高層ビルから降下する笑顔のイユリアが写っていた。背景には同じ服装をしたジヨーカーがイユリアの命綱をつかみバルコニーに立って笑顔で見送る姿が写っていた。
「助けられた後好奇心を抑え切れなくなったお前はオレの留守中ジヨーカーに頼み、自分自身でワシに捕まってハングライディングをやってみた、その時の写真だ。しかし迂闊だったな、八〇年代のあか抜けない衣装を着たこんな写真を見れば、お前を支持する上流志向の女性ファンもきっと愛想をつかすだろう……」
「くっ!」
イユリアはうめいたが、それでもスインに従うとは言わなかった。
(スイン様はオレのことをそんな風に思っておられたのか!)
ジヨーカーは内心衝撃を受けたが、沈黙を守った。
スインはあくまで屈服しないイユリアにさすがに苛立ったようだが、また残忍な笑みを浮かべてまた懐に手を入れた。
「ならば最終兵器を出すとしよう」
イユリアがごくり、と固唾を飲む音が聞こえた。
「イユリア、これを覚えているか?」
「何だこれは?」
「何をしているのだ?」
「……」
新たに出された写真を見たイユダとルエイは首をひねったが、イユリアは思い当ることがあったらしく、青ざめた。
その写真は数人の筋骨たくましい男たちが異常に肥満した巨漢を必死に運ぼうとする姿を上空から捉えていた。男たちに首と手足をつかまれて運ばれている男は上半身裸で丸坊主にヒゲを生やした異様な風体だったが、何よりもピンク色の巨大な腹が特徴的だった。
「どうやら見覚えがあるようだな」
スインは満足げに残忍な笑みを浮かべた。
「お前がオレの目の前で二度目に身を投げたあの時の写真だ。そしてこれがその決定的瞬間だ‼」
スインは三枚の写真を一枚ずつテーブルの上に並べていった。
それを見たイユリアは言葉を失い、イユダとルエイはあっと驚きの声を上げた。
「こ、これはグロい‼」
「これはやばい! やばすぎる!」

No.9 17/01/15 09:18
自由人3 

最初の一枚には白いドレスを着た女性が地面に横たわった先ほどの肥満漢の腹の上にうつ伏せに落下した瞬間が写っていた。
相当高い所から落下したと見えて、女性の全身は男のピンク色の巨大な腹に異常なほど深くめり込んでいた。
しかしそれを受け止める男は痛がるどころかむしろ快感を覚えたように、よだれを垂らしながら歓喜の表情を浮かべていた。
二枚目には女性が宙に浮き上がり、同時に肥満漢が起き上がる瞬間が下から捉えられていた。どうやら男の腹に落下した後女性の体がバウンドした瞬間と思われた。
その写真で白いドレスの女がイユリアであることが確認できた。
そして最後の写真ではあぐらをかいた肥満漢がよだれを垂らしたままの状態で笑顔を浮かべ、ぐったりしているイユリアを抱き抱えていた。
「この写真が世に出たらお前のファンはどう思うかな?」
イユリアは必死に抗弁した。
「この人は身を挺してわたくしの命を救ってくださったのです!」
「フフ、そう見えるかな?」
「ううむ、しかしこの写真だけを見るとグロさは否めないな……」
「やはりこのデブヲの卑猥な笑顔を見ると、人命救助とは思えん……」
第三者のイユダとルエイが口にする冷静な言葉が発揮する、悪意のある言葉以上の残酷さはイユリアを打ちのめしたようだった。
スインはさらに追い打ちをかけた。
「フフ、この写真はただでは出さん。ケーンシロウとのお姫様抱っこその他の写真と一緒に人気ファッションモデルイユリアの黒歴史として写真特集を組んでやる」
「そ、そんな!」
「フアートとの写真のタイトルは、そうだ、『イユリアはデブヲフェチ? 魔性の女が乗り換えた相手は超絶デブ!』とでもしてやろう。もちろんお前以外の被写体には目線を入れてプライバシーには配慮するつもりだ。フアートの卑猥な目つきを読者に見せられないのは惜しいがな」
「そんな変態写真特集が出ればファッションモデルのイメージを破壊するには十分な威力がありそうだな」
「ああ。女性ファンは耐えられないだろう」
イユダとルエイのコメントを聞いたイユリアは小声でつぶやいた。

No.10 17/01/15 09:21
自由人3 

「脱ぎます、水着まででいいなら……」
イユリアの言葉を聞いたスインは勝ち誇ったような笑顔を浮かべたが、まだ満足しできないらしく、わざとらしく耳に手を当てて、さらに言葉でなぶった。
「なあにい、聞こえんなあ!」
「脱ぎます、水着までなら! 一生どこへでも海外ロケについて行きます!……ただしビジネスクラス以上で」
イユリアは叫んだ後、両手で顔を覆った。
「フハハハハ、聞いたか! オレのために脱ぐとよ! 一生どこへでもついて行くとよ! 女の心変わりは恐ろしいのう!」
スインが勝利宣言をして高らかに笑っていると、上品なノックの音が聞こえ、ビジネススーツに身を固めた二人の男と一人の女が入って来て、イユリアの傍らに立った。
「何だ、お前たちは?」
不意を突かれたスインに、先頭を切って入って来た初老の紳士が答えた。男の眼光は鋭くがっちりとした体格だったが、声音は穏やかだった。
「突然失礼いたします。わたくし、イユリア様、いやイユリアが所属するオフィス五車星のルイハクと申します」
「なに! あの、世がバブルであれば万のタレントを縦横にプロモートする天才芸能マネージャーのルイハクかっ!」
イユダの言葉に気をよくしたルイハクは笑顔を見せた。
「ああ、あの頃は土地も株も給料も、どこまでも上がって行くように思えた、夢のある時代でしたなあ。デフレはいつ終わることやら……あ、いや失礼しました。押しかけて恐縮ですが、早速名刺交換をば……」
そういわれて○斗側も五車星側も名刺を取り出し、交換を始めた。
「オフィス五車星社長のルイハクでございます」
「同じくマネージャーのフウドウでございます」
「アシスタントマネージャーのティオウでございます」
「週刊○斗写真取材班長のスインです」
「ビジュアル担当のイユダです」
「グラビア担当のルエイです」
「スイン様の手下のジヨーカーでございます」

No.11 17/01/15 09:24
自由人3 

名刺交換が終わるとジヨーカーがイユリアを挟むように手際よく並べた椅子に五車星の三人が腰掛けて、面談が始まった。
「失礼ながら、先ほどから外でお話をうかがっておりました……」
ルイハクはそういいながら懐から聴診器を取り出してテーブルに置き、○斗側の四人を驚かせた。
「この業界と関わりをお持ちになられてまだ日の浅い皆様にはご存知ないかもしれませんが、弊社も色々と大人の事情や業界の決まりごとに縛られておりましてなあ。イユリアとMON-MOの契約も然り、MON-MO読者に違和感を持たれるような活動は一切しないことを弊社は固く約束させられておるのです」
ルイハクの口調は未熟な若者を穏やかに諭すようであった。
「○斗最後の将の一件は手前どもの奔走のかいあって先方の了解を取り付けましたが、水着モデルはMON-MOとの契約期間中はちょっと……それともう一つ」
ルイハクが目頭で合図すると、フウドウが口を開いた。
「恐怖の暴凶星ルアオウがイユリア様、いや、弊社のイユリアを狙っております。そのことは○斗の頂点に立たれる六聖拳の皆様もご存じのはず……」
「くっ!」
スインは不意に痛い所を衝かれたような表情を見せた。
「MON-MOとの契約上の制約もございますが、イユリアの水着姿を見ればルアオウがイユリアを奪おうと狂うのは必定(ひつじょう)。ルアオウの性格はスイン様もご存じのはず。イユリア様が心を開かねば、ルアオウは無言のもとに殺してしまうでしょう」
フウドウがそこまで話すと再びルイハクが引き取った。
「まあそういう訳でございまして、残念ではございますが現状では御社のご希望には添いかねる次第でございまして……」
ルイハクがそういいながら目くばせすると、フウドウとティオウは鎧兜を取り出し、ガシャッ、ガシャッと音を立てながらイユリアに装着し始めた。
「……」
それを見るスインの顔には深い失望が現れたが、ルイハクの言い分を認めたらしく、イユリアを無言で見守っていた。

No.12 17/01/15 09:26
自由人3 

「やはりこうしてほとぼりが冷めるのを待つよりほかないかと思われます」
イユリアの全身が○斗最後の将の鎧兜で完全に覆われるのを見届けると、ルイハクは話し続けながら立ち上がり、フウドウとティオウ、そして○斗最後の将となったイユリアも立ち上がった。
「ご期待に添えず誠に心苦しい限りではございますが、弊社も多彩なタレントを抱えておりますので、またご一緒させていただくこともあろうかと存じます。その時はよろしくお願い申し上げます。では」
ルイハクはそういいながらテーブルの写真を素早くかき集めて懐に収めた。
ティオウが先導してドアを開け、ルイハクがイユリアの背を押すようにして続き、最後にフウドウが一礼してドアを閉めて出て行った。
○斗の四人は呆然としてそれを見送った。
数秒が過ぎてからルエイがつぶやいた。
「ルイハクという男、噂通りの凄いやつだったな……」
「ああ……」
あっという間に五車星にイユリアを連れ去られたスインも茫然としていたが、やがて深い悲しみを面に湛えて立ち上がった。
「行ってしまった……イユリアはもういないんだ……」
スインの両目から涙があふれてほほにつたわった。スインは涙をぬぐおうともせず、バルコニーへと歩いて行く。
それを見たイユダとルエイはいぶかしげな表情でスインの後ろ姿をただ見送っていたが、ジヨーカーはポケベルを取り出して大急ぎでメッセージを送った。
「ナンカヤバソウスタンバイタノム」
「□斗との取材合戦も、S(ス)井野崎愛の水着グラビアも、S(ス)アアヤも空しいだけだった……」
焦りながらポケベルを握りしめたジヨーカーの手が汗で湿った。
「オレが水着姿を見たかったのは……」
ジヨーカーのポケベルが震え、メッセージが表示された。
「スタンバイカンリョ」
「イユリアだーーーっ!」
スインは絶叫すると同時に両腕を大きく広げてバルコニーから跳躍した。
「あっ‼」
驚愕したイユダとルエイは大急ぎでバルコニーへと駆け寄ったが、ジヨーカーは二人には冷静に告げた。
「間に合いましたので大丈夫です」

No.13 17/01/15 09:29
自由人3 

どういうことか事情が飲み込めないイユダとルエイがバルコニーから下を凝視し、その後ろからジヨーカーがのぞくと、落下するスインを待ち受けるフアートが地面に横たわっているのが見えた。
スインの体は両手を広げたままフアートの上に物凄い速度で落下し、その腹に深くめり込んだが、次の瞬間フアートの腹の弾力で勢いよく跳ね上がった。
バイーーーーーーーーン!
フアートは跳ね上がったスインの体が宙に浮いているうちに起き上がってあぐらをかき、落ちてきたスインをタイミングよく抱き止めた。
「ナイスキャッチ! スイン様、ご無事でよかった」
そういって微笑むフアートだったが、ぐったりとしたスインを抱きしめた笑顔はやはり何か卑猥なものに見えた。

No.14 17/01/15 09:31
自由人3 

その数時間後、□斗新報では一日の仕事を終えた四兄弟が会議室に集まって今後の方針を話し合っていた。
「ジェイギ、スインのパパラッチ軍団との取材合戦はどうなっている?」
ティオキ編集長の問いにジェイギは自信ありげに答えた。
「やつら、オレたちが立ち回りそうな所ばかり狙って先回りしようとしてやがる。だが、ライバルが出てきてかえって張り合いがあっていいぜ」
「いい根性だ。だが一人の仕事には限界がある」
「分かってる。これからは協力者をもっと活用するつもりだ」
二人の会話を黙って聞いていたケーンシロウも懸念を口にした。
「今はスクープ記事を取れて□斗新報自体はうまく行っているが、新聞購読者減少の流れは止められぬ。ホームページの広告収入も思うように増えないとなると、いずれじり貧になりそうで心配だ」
それを聞いたルアオウが大きくうなずいた。
「お前の懸念はもっともだ。活字メディアの既成概念を打ち破らねば今以上の発展は難しいだろう」
「ルアオウの兄者、ごもっともだがその既成概念ってやつを打ち破るにはどうしたらいいんだ? オレにも分かるように教えてくれ」
「いずれテレビは姿を消してパソコンに統合され、テレビの報道番組と新聞の垣根はいずれなくなる! ならば今の内にウェブサイトでのテキスト記事と動画ニュースの同時配信を始めて活字メディア読者とテレビ視聴者の双方を取り込んでおくことだ。適切な広告収入を得れば、活字メディアの衰退も恐れるに足らぬ!」
「そうするとこれからオレは写真だけじゃなく現場の動画も取らなきゃならねえってえことだな? オレたちの仕事の舞台も広がるわけだ」
ルアオウはジェイギの言葉にうなずいて見せたが、さらに含みのある笑みを浮かべた。
「そういうことだ。だがそれだけではないぞ。オレたちはもっと広い世界に出て行かねばならぬ!」
「えっ、どういうことだい?」
「ゆくゆくは□斗新報を多言語化し、グローバルに討って出る!」
「そいつはすげえ!」
「まずは日本から発信する情報の多言語化だ。世界は日本のことを分かっているようでまだまだ分かっていない。日本に来た外国人が自分のメガネで見た日本の情報を世界に送っているからだ。日本人が日本社会の文脈を十分にかみ砕いて発信するディープジャパンの情報は大きな価値を生み出すはずだ」

No.15 17/01/15 09:38
自由人3 

「へえ……でも世界といわれてもピンと来ねえなあ。外国に行ったこともないし」
そこでティオキが口をはさんだ。
「ジェイギもケーンシロウも今から外国語を学んでおけ。外国の情報に接しておくことが世界進出の第一歩だ。ルアオウと私はもう始めている」
「えっ、そうなの?」
これにはジェイギだけでなくケーンシロウも驚いたようだった。
「ああ。□斗新報を創刊してから今さらながら言葉の重要性に思い至ったのだ。言葉は一夜にして世界に伝わり、数多くの人の考えを変えることができる。ペンの力は一人の人間が振るう拳の力を遥かに超えることがあるのだと」
ティオキのその言葉を聞いたルアオウは立ち上がり、拳を天に突き上げて叫んだ。
「今こそ悟った! ペンは拳より強し! このルアオウ、言論の力で世界に覇を唱えて見せようぞ!」
三人の弟はルアオウを尊敬のまなざしで見上げた。
「ルアオウ、あなたらしい見事な心意気だ……」
「すげえ……」
「ルアオウ、にいさん……」
「いよっ、世紀末言論覇者、ペン王‼」
ジェイギの掛け声とティオキとケーンシロウの拍手にルアオウはこれ以上はないほどのすがすがしい笑顔を見せた。
と、その時―

ちゅどーーーーん!

世界は核の炎に包まれた。

「またしても核戦争かっ!」
核戦争に二度ならず三度までも夢想転職を打ち破れて、ルアオウは憤懣やる方ないといった表情で空をにらんだ。
「二度あることは三度あるってか……」
「……」
ティオキも意外な結末に驚いていたが、持ち前の冷静さですぐに気分を切り変え、声を励まして四度目の挑戦を促した。
「みんな、まだ三度目だ。ことわざにも七転び八起きというだろう。これしきのことで音を上げては□斗神拳の名が泣くぞ」
「ティオキ、よくいった。このルアオウとて成功するまで夢想転職をあきらめる気はない! 行くぞ、夢想転職! ぬううりゃああっ!」

No.16 17/01/15 09:43
自由人3 

□斗のケリ

二千年にわたり受け継がれてきた恐るべき暗殺拳と共に受け継がれてきた恐るべき足技があった。
その名を、□斗神蹴り!
天空に連なる七つの星の下(もと)でも、試合(ナイター)は、繰り返される……

YOUはKICK!
足で金が落ちてくる!
YOUはKICK!
オレの金が落ちてくる!
選手の足を鎖でつないだら
反則行為(ホールディング)だよ
邪魔する奴は足先一つで抜くのさ!

YOUはSHOOT!
足で鼓動速くなる
YOUはSHOOT!
オレの鼓動速くなる
ゴール求めドリブる心今熱く燃えてる
全てかわし華麗に蹴り込むはずさ!

オレへのパスを送るためお前は飛び出し
華麗なキラーパスで魅せた!
お前がくれたこのチャンス
ミスはできないさ
足を取り戻せ!

「さあ、Jリーグチャンピオンシップ、今話題沸騰中の□斗FCと大江戸FCの試合が間もなくキックオフです。晴天に恵まれたここ国立(くにたち)競技場を五万を超える観客が埋め尽くしています。解説のゴン太さん、それにしても今期の□斗FCの活躍にはただただ驚かされるばかりでしたね」
「ええ、全くの無名チームだった□斗FCがまさかリーグ戦全勝という大記録を打ち立てるとは誰も予想していなかったと思います」
「拳法界で幻の秘拳とされてきた□斗神拳の拳法家たちが中心となって結成された□斗FC、その人間離れした足技で他チームを圧倒し、瞬く間に熱狂的なブームを巻き起こしました」
「今日も個性的な選手たちの超絶足技が楽しみです」
「レフェリーのホイッスルが鳴り、□斗FCのキックオフで試合開始です。右のフォワードケーンシロウ選手から左のフォワードでキャプテンのルアオウ選手にボールが渡った。おっと、ルアオウ選手、いきなりドリブルで突進! 前に立ちふさがる大江戸FCの二人を吹っ飛ばした!」
「ルアオウ選手の突進力はいつもながら凄まじいですね」
「ルアオウ選手、早くもシュートレンジに入っている! ルアオウ選手の突進を食い止めようと大江戸FCのディフェンス陣が三人がかりで立ちふさがった!」

No.17 17/01/15 09:45
自由人3 

「ティオキ!」
「おっと、ルアオウ選手、右側を走る攻撃的ミッドフィールダーティオキ選手にパス!」
「猪突猛進タイプに見えて冷静な判断です」
「ボールを受け取ったティオキ選手、さらにゴールに迫るが、大江戸FCディフェンス陣が追いすがる!」
「ケーンシロウ!」
「ここでティオキ選手、さらに右前方にいるケーンシロウ選手に最終パス! ケーンシロウ選手、シュート態勢に入ったあ‼」
「おおおお! あーたたたたたたた……」
「ケーンシロウ選手、得意の超絶残像フェイントだっ! 無数に繰り出される蹴り足の残像でどの足が本物か、分かりません!」
「おわったぁ!」
「フェイントに惑わされて大江戸FCキーパーが態勢を崩したスキを狙ってケーンシロウ選手シュートを放った! キーパー反応できない!」
「□斗百烈蹴り!」
「決まったあ! ケーンシロウ選手のシュートが試合開始早々大江戸FCゴールの右上に突き刺さったあ!」
「□斗の蹴りは無敵だ……」
「ケーンシロウ選手、恒例のブルースリーのポーズだ! ああっ、ケーンシロウ選手の横にルアオウ、ティオキ、ジェイギの三選手も並んで□斗四兄弟で一緒にブルースリーのポーズを取った! □斗FCファンも大いに盛り上がっております!」
チームメイトに祝福を受けながら自陣に戻るケーンシロウは湧き上がる喜びと誇りをかみしめながら□斗FC発足までの日々を思い起こした。
「いったはずだ! おれはこのケリで天を握ると!」
「あ、あれ拳じゃなくてケリだったの?」
「だから老いたというのだ」
「ああそう……」
「□斗神拳の掟は拳を封じてもサッカー選手としてのキャリアまでは封じておるまい」
「それは面白そうだね!」
師父ルユウケンの快諾を得たルアオウは□斗FC設立とJリーグ参加に向けてティオキと共に驀進した。
□斗四兄弟の超人的体力と足技を知る門人たちはこぞって賛同し、その人脈を通じて多数の参加希望者が集まり、強力なチームが出来上がった。
チームが練習風景や練習試合を公開するとメディアがその超人的絶技を取材しようと殺到し、多数のスポンサーも現れた。
かくして晴れてプロサッカーチームとなった□斗FCはリーグが始まると予想に違わぬ圧倒的な強さを発揮して連戦連勝し、今日のチャンピオンシップを迎えたのだった。

No.18 17/01/15 09:46
自由人3 

今日はここまでざんす。また来週!

No.19 17/02/04 09:07
自由人3 

「さあ、大江戸FC、気を取り直して反撃のキックオフです。大江戸FCセンターフォワード二浦選手がドリブル開始」
「てえいっ!」
「おっと、そこに右の守備的ミッドフィールダージェイギ選手がスライディングタックル! そのこぼれ球を左の守備的ミッドフィールダーR(ル)ユウガ選手が拾った!」
「ルアオウ様!」
「ルユウガ選手、少しドリブルで前進して大江戸FC選手を引き寄せてから前方のルアオウ選手にパス! ルアオウ選手からゴールまでは二十メートルほど、ルアオウ選手なら十分シュートが狙える距離だ!」
「食らえ、我が無敵の蹴り!」
「ルアオウ選手、シュート態勢に入った!」
「天蹴奔烈(てんしゅうほんれつ)! ぬううりゃああっ!」
「大江戸FCキーパー菊石選手、必死にジャンプしてボールに飛びついた! ああっ、しかしルアオウ選手のシュートの余りの威力に吹っ飛ばされた! ゴ~~~ル! ルアオウ選手の弾丸シュートが大江戸FCゴールに突き刺さりましたあ!」

No.20 17/02/04 09:13
自由人3 

「再び大江戸FCのキックオフで試合再開です。大江戸FC、今度はパスをつないで□斗FCのスキをうかがいます」
「正しいアプローチだと思います。超人的な選手の集まる□斗FC相手に先ほどのような猪突猛進は危険と悟ったんでしょうね」
「しかし再び大江戸FCセンターフォワードがボールをキープ、□斗の守備的ミッドフィールダージェイギ選手とルユウガ選手が二人掛かりで襲います!」
「行くぞ!」
「おう!」
「あっ、ここで大江戸FCセンターフォワード高田選手、攻撃的ミッドフィールダー西澤選手にパス!」
「させるか!」
「ジェイギ、ルユウガ両選手、西澤選手に向かう!」
「なにっ!」
「しかし西澤選手、すぐに高田選手にボールを戻した! ジェイギ、ルユウガ両選手、高田選手をフリーにしてしまった! 高田選手、□斗ゴールにドリブルで迫る! しかしその前には□斗のディフェンス陣が立ちはだかる!」
「受けてみよ、蒙古覇極道(もうこはきょくどう)!」
「ああっ! □斗のセンターバックユーイグル選手、体重三百五十キロの巨体を活かした物凄いショルダーチャージで高田選手を吹き飛ばして難なくボールを奪った‼」
「全く凄まじい威力です」
「蹴(けり)王(おう)様あ‼」
「ユーイグル選手、自陣深くから約五十メートルの超ロングパスをルアオウ選手に送った! しかし大江戸FCディフェンス陣もルアオウ選手を囲みに行く!」
「ティオキ‼」
「おっと、ルアオウ選手、さすがに一対四は不利と見てボールを蹴り上げ前方に送るがミスキックか? ボールはサイドバーを越える高さで飛んで行く!」
「ナイス、ルアオウ!」
「いや、そのボールに向かってティオキ選手が跳躍、空中で追いついた! 凄いジャンプ力だ‼」
「いや~~~っ!」
「ああっ! ティオキ選手、オーバーヘッドキックの態勢でケーンシロウ選手が見せた超絶残像フェイントだ! キーパー菊石選手、無数に見えるティオキ選手の足に惑わされて動けない!」
「天翔百烈(てんしょうひゃくれつ)蹴(けり)‼」
「決まったあ! ティオキ選手のオーバーヘッドキックが大江戸FCゴールの右下に突き刺さりました! □斗FC、三点目です‼ ああっと、ここでホイッスル。前半終了です」

No.21 17/02/04 09:15
自由人3 

「……さあ、後半開始です。前半に三点先取された大江戸FC、後半のキックオフからは慎重なパスワークで□斗FCにボールを渡さず、相手のフォーメーションを崩しに行きます」
「やはり組織プレイは伝統ある大江戸FCに一日の長があります」
「そうですね。おっ、大江戸FC守備的ミッドフィールダー半田がドリブルで左サイドの突破を図ります!」
「中央が厚い□斗FCの布陣を考えれば妥当な攻め方です」
「しかしそれを□斗の右ウイングバック、ルユウケン選手がスライディングタックルで阻止! こぼれたボールを追いかけます、ああっ! ルユウケン選手、突然胸を抑えてフィールドの貴公子のように倒れました!」
「神よ、今一瞬の命を……」
「ルユウケン選手、大丈夫でしょうか?」
「ルユウケン、負けるんじゃねえ!」
「根性見せてくれ!」
「……」
「ルユウケン選手、ファンの声援にも反応しません! 大江戸FC側もボールをフィールドに蹴り出してプレイを中断し、そのフェアプレーにスタンドから拍手が贈られました。担架を持った救護スタッフが急いでルユウケン選手に駆け寄ります……」
「日本サッカー史上最高齢の選手ですから心配ですねえ……」
「ルユウケンさーん! 負けないでー!」
「あっ、ルユウケン選手、起き上がりました! 救護スタッフにも大丈夫だというように手を振っています」
「ありがとー子猫ちゃあん!マイラブ・フォー・ユー!」
「ルユウケン選手、スタジオに笑顔で投げキッス! 観客からの声援に答えているようです。少し離れた所から見守っていたルアオウ、ティオキ、ジェイギの三選手も笑顔を見せました」
「彼らとケーンシロウ選手の四人はルユウケン選手の養子ということですから、安心したでしょうね」
「兄者たち、親父がネットで何て呼ばれてるか知ってっか? 『フィールドの奇(き)行(こう)爺(じい)』だってよ」
「プッ……まあいい、好きにやらせておけ」
「ククッ……まあここは親孝行ということでいいではないか……」

No.22 17/02/04 09:18
自由人3 

「さあ、□斗FC右バックのB(ブ)アルガ選手のスローインで試合再開です」
「ワシに寄こせ!」
「ブアルガ選手にルユウケン選手が必死にアピール、ブアルガ選手、それに応じてルユウケン選手の足元にボールを投げました」
「行くぞクオウリュウ!」
「分かったルユウケン!」
「おおっ、これは□斗の両ウイングバック、ルユウケン選手とクオウリュウ選手のシルバーコンビが右サイドを並んで走る! 見事なワンツーリターンで大江戸FC選手を次々に抜いてゴールに迫っていくぞ! 二人ともとても七十代とは思えない超人的な身体能力です!」
「クオウリュウ、ここで決めるぞ!」
「おう!」
「シルバーコンビ、ペナルティーエリアに近づいてシュート態勢に入った! おおっ! ボールをはさんで二人とも□斗の超絶フェイントを始めたぞ!」
「トトトトトトトトトトトトトトトト!」
「トトトトトトトトトトトトトトトト!」
「無数に見える二人の足が物凄い速さで何度もボールを蹴りあっているようです! ボールは小刻みに宙を揺れ動いている! これは凄い、凄すぎる!」
「トトトトトトトトトトトトトトトト!」
「トトトトトトトトトトトトトトトト!」
「さあフィニッシュはどちらが決めるのか? ルユウケン選手か? クオウリュウ選手か? いや違う!」
「いけーっ!」
「二人同時のツインシュート炸裂! ゴール右隅へ飛んで行くぞ! しかしキーパー菊石選手も反応して横っ飛び! 届くか、ああっ、いや、届かない! ボールは菊石選手の手をよけるように変化してゴール右隅に突き刺さった! ゴ~~~ル! □斗FC、奇跡のツインシュートで怒涛の四連続ゴールだ!」
「いやあ、いかに幻の拳法の達人とはいえ、七十代の二人があの身体能力と、あのテクニック。全く奇跡としかいいようがありませんね」
「正に超人軍団といえましょう。さあ、大江戸FC、気を取り直してキックオフです」
「ここまで一方的な展開ですが、まずは何とか一点目を返して伝統あるプロサッカーチームの意地を見せてほしい所です」

No.23 17/02/04 09:20
自由人3 

「……□斗FCの四点目のゴールの後、大江戸FCが□斗FCを攻めあぐねていたずらに時間が経過しています。大江戸FCはますます慎重なパスワークで□斗FCにボールを渡しませんが、このままでは□斗のフォーメーションも崩せません」
「もうほとんど時間がないですから、大江戸FCは最後の賭けに出るしかないですね」
「大江戸FCはどうしたらいいでしょう? ゴン太さんならどういう作戦で□斗FCを攻めますか?」
「やはり□斗FCは両サイドが狙い目です。高齢の左右ウイングバックは疲労を隠せませんし、サイドバックのブアルガ選手とZ(ズ)アク選手もよい選手ですが、他のチームメイトのような超人技はなさそうですからね。サイドから斬り込んでセンターバックのユーイグル選手をどうにかしてセンタリングというのが一番可能性があるでしょう」
「なるほど。おや、ゴン太さん、どうやら大江戸FCはゴン太さんが今話した通りに仕掛け始めましたね。フォワードの高田選手からパスを受けた半田選手が左サイドにドリブルで切り込んで行きます。ルユウケン選手が追いすがろうとしますが、追いつけません」
「気持ちは焦っても疲労した体がついて行かないようですね」
「ルユウケン選手を振り切った半田選手、今度はブアルガ選手と一騎打ち! 抜いた! 半田選手、見事なテクニックでブアルガ選手をかわしてさらに深く切り込む!」
「ユーイグル選手が半田選手に釣られてますね。もっと引き付けてからセンタリングしたい所です」
「おっ、半田選手、ユーイグル選手を十分引き付けてからセンタリング! ボールはユーイグル選手の頭上を越えて逆サイドの高田選手に向かって飛んで行く! 高田選手、ヘディングしようとしてジャンプ! そうはさせじとズアク選手もシュートコースをつぶすようにジャンプ! キーパーも前に出ている!」
「二浦さん!」
「ああっ! 高田選手、シュートに行かずに、オーバーラップしていた二浦選手の足元にヘディングでボールを落とした! 二浦選手、がら空きになったゴールの左隅に向かってボレーシュート!」
「きええええー! 鷹(よう)爪(そう)三角(さんかく)脚(きゃく)!」

No.24 17/02/04 09:20
自由人3 

「おおっと! キーパーエイミバ選手、右のゴールポストを両脚で蹴って三角跳びでボールを追う! パンチングしようと必死に腕を伸ばすが、あと数センチ届かないぞ!」
「てやあっ!」
「あっ、これは! 何とエイミバ選手指先を伸ばして手刀でシュートを防ぎました! あーっ! 何ということでしょう! ボールがしぼんでいきます! エイミバ選手、手刀でボールを弾いたのではなく、突き刺していました!」
「プロサッカー選手のシュートを手刀で弾くだけでも大変な鍛錬が必要と思いますが、ボールを手刀で刺すとは、もはや神技ですね」
「オレは天才だあ!」
「リーグ戦でもその実力を遺憾なく発揮した天才拳法キーパーエイミバ選手、このチャンピオンシップでもさらなる絶技で観客を魅せてくれました」
「全く、□斗FCの実力は底知れないですね」
「さあ、新しいボールを受け取ったエイミバ選手のキックで試合再開です。おっと、ここで後半開始から四十五分が経過、ロスタイムに移行しました」
「蹴王様あ!」
「エイミバ選手が蹴ったボールはまっしぐらにルアオウ選手に向かって飛んで行きます。そうと知った大江戸FCディフェンス陣、必死にルアオウ選手を取り囲もうとする! おやっ? ルアオウ選手、なぜかボールの軌道よりも前に向かって走っているようです! このままだとボールを背で受ける格好になります!」
「何か狙っていますね」
「無想陰殺!」
「おおっ! 何とルアオウ選手、背後に飛んできたボールを見ることなく後ろ回し蹴りで捉えた! ボールは右前方をティオキ選手の頭上へと飛んで行く!」
「ジェイギ!」
「ティオキ選手、高くジャンプしてそのボールをジェイギ選手にヘディングパス! 大江戸FCディフェンスも跳んだが、ボールに全く届かない!」
「よし!」
「ジェイギ選手、ボールをトラップしてさらに右前方へドリブル! 慌てて追いかけてきた大江戸FCを見てセンタリングだ!」
「ケーンシロウ、これで決めろ!」
「ほわたぁ!」
「ケーンシロウ選手、ゴールに右側から近づいて強烈なボレーシュート! しかし、大江戸FCキーパー菊石選手は予期していたと見えて、タイミングよくジャンプ!」
「□斗豪掌波(ごうしょうは)あ!」

No.25 17/02/04 09:21
自由人3 

「ああーっ! 何だこれは! ケーンシロウ選手の放ったシュートは菊石選手がつかもうとした瞬間直角に方向を変えた! ああっ、何とっ! ボールがゴールネットを突き破ったあ! ゴ~~~ル! □斗FC、五点目も奇跡のゴールだぁ!」
「おっと、ここでホイッスル、試合終了! 今年のJリーグチャンピオンシップは五対〇で奇跡の新生チーム□斗FCが見事大江戸FCを降しました! 」
「いやあ、□斗FC、本当に大活躍の一年でした」
「そうですね、発足したばかりの□斗FCですが、超人的絶技の数々を駆使してリーグ全勝した上にチャンピオンシップも完勝しました。日本のいや、世界のサッカー史上に残る奇跡を次々に成し遂げたといってよいのではないでしょうか」
「しかし、このチームはまだまだ強くなりますよ」
「もっと強くなりますか……」
「ええ。今の□斗FCの強さは個々の選手が拳法家として編み出した絶技によるものですが、まだまだチームとしてのサッカーはできていません。組織だったチームプレイが加われば、超人的な選手たちの絶技はますます威力を発揮することでしょう」
「なるほど、これからの□斗FC、ますます目が離せなくなりそうですね……」

No.26 17/02/04 09:23
自由人3 


「もういいだろう」
スアウザーがリモコンのスイッチを押し、並んでブルースリーパフォーマンスをする□斗FCメンバーが写っていた百インチテレビモニターの電源が切れた。
○斗六聖拳は□斗FC設立を知ると直ちにこれに対抗するプロサッカーチームの設立に向けて準備会合を重ね、今日○斗聖拳本部会館で最終会合を開いていたのだった。
「□斗の蹴りがここまで世を騒がすとはな。いずれやつらは蹴りのみならず拳の世界でも表立って我ら○斗と争うようになるだろう」
スインが険しい表情でつぶやいたが、スアウザーは落ち着いた口調でそれに応じた。
「だからすぐに動いておいてよかったではないか。来期は我らの○斗FCも蹴りの世界に討って出る。これ以上やつらの思い通りにはさせん」
「□斗と拳ではなく蹴りで勝負か。面白くなって来たな」
「うむ。このオレの美と知略でサッカーの歴史を塗り替えてくれよう」
ルエイもイユダも乗り気だったが、やはり○斗随一の足技の使い手と自負しているスユウが誰よりもうれしそうだった。
「我が○斗白鷺拳の足技を存分に披露できると思うと、うれしくてたまらぬ」
「健闘を祈る」
最後の将もこの件については前向きに考えているようで、○斗FCへの出資者に名を連ねていた。
「では今日の議題に戻ろう」
スアウザーの司会で六人は準備会合を再開した。

No.27 17/02/04 09:24
自由人3 

拳法だけじゃ食ってきゃしない
修行をしてもお金は来ない
十一人で立つSILENT SHOOTERS
暗闇に揺れるゴールの中に夢を求め

SHOOT TO SURVIVE! 華麗なゴールを
SHOOT TO SURVIVE! 欲(もと)めて駆けてる
SHOOT TO SURVIVE! 地平線(はて)さえ見えずに
終わることのない競技場(ピッチ)の果てで!

「今話題の○斗FCと横須賀マリンとの試合開始まで後少しです。昨年彗星のごとく現れて全勝優勝を果たした□斗FCの後を追うようにして発足した○斗FCですが、勝るとも劣らぬ勢いで初のリーグ戦で連戦連勝、この試合に勝てば十戦負けなしです。○斗FCのこの勢い、解説のゴン太さんはどう思われますか?」
「○斗聖拳の存在は以前からよく知られていましたから拳法界での実力は理解していたつもりですが、やはり超人的な個人技には圧倒されるばかりです」
「そうですね。□斗FCも全勝中ですから○斗がこの試合に勝って□斗も次の試合に勝つと、いよいよ十試合全勝チーム同士の対戦になります」
「伝統ある□斗神拳と○斗聖拳は古くから互いに表裏一体と認めあっているという事ですから、因縁の対決ですね」
「楽しみですね。○斗FC、今日の試合も勝って□斗FCと全勝同士の対決となるか? さあ、今○斗FCのキックオフで試合が始まりました! おおっ、スユウ選手からボールを受けた攻撃的ミッドフィールダーでキャプテンを務めるスアウザー選手が高速ドリブルで横須賀マリンを中央突破!」
「いつもながら素晴らしい踏み込みの速さですね」
「意表を突かれた横須賀マリンのディフェンス陣がスアウザー選手をつぶしに行く!」
「スユウ!」
「ここでスアウザー選手、右フォワードのスユウ選手にパス! スユウ選手はゴールから三十メートルの位置にいるが、シュート態勢に入っている! 開始早々いきなりのヤマ場が来たーっ!」

No.28 17/02/04 09:25
自由人3 

「ほやーっ!」
「出たーっ! スユウ選手のホヤーショット! ゴール右上ぎりぎりに向かって飛んで行く! 横須賀マリンキーパー松島選手、必死にジャンプ手を伸ばす! ああっ、高速で突進するボールは松島選手の手を弾いてゴールに突き刺さった! ゴ~~~ル! ○斗FC、エースストライカースユウ選手のホヤーショットで早速一点目を挙げました!」
「威力とスピードも脅威的ですが、目が見えないのにあの正確なシュートを放てるとは正に奇跡です」
「盲目の闘将とあだ名され、拳法界では長らくその技のみならず人格面でも深く尊敬されてきたスユウ選手ですが、サッカー界でも奇跡を起こしつつあります」
「スユウ選手の○斗白鷺拳は○斗聖拳の中では異色の足技を多用する拳法だそうです。サッカーでもその秘技を活用しているようですね」

No.29 17/02/04 09:26
自由人3 

今日はここまでざんす。

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