心を解き放せ

　　【前置き】　　

　出会った頃は、思いもしなかった

まさか、こんな日が来るとは･･･


それぞれの道を歩んできたはずなのに

なにも共通点もない二人が親密な関係になるキッカケは何だったのか

• 共感0
• レスに返信

＊登場人物

伊織俊哉

早瀬咲樹

他
旅人

• 共感0
• レスに返信

伊織は、昔は札付きの不良だったが30過ぎた今では真面目に仕事をする普通の男

いまだ、独身なのも縁がないだけでなく
結婚なんて面倒なもん位に感じていた伊織は毎晩のように飲み歩いていた

• 共感0
• レスに返信

行きつけの店は狭くてこじんまりとしたバー【波瑠美】
店内は薄暗く8人くらいしか入れないカウンターだけの造りになっている

古びたドアを開けると

『いらっしゃい、伊織ちゃん』と明るいママの声
ママが一人で切り盛りしているから気楽で伊織には居心地の良い店なのだ

『伊織ちゃん、一人？』

『見りゃ分かるだろ』
伊織は、椅子にかけながらクスッと笑ってみせた

• 共感0
• レスに返信

伊織は、いつものジントニックを呑んでいた
つまみは、ひまわりの種とサキイカとクラッカーしかない

少し不満顔で伊織がつぶやいた

『なんか腹へったなぁ』

• 共感0
• レスに返信

その時、ママの携帯から着信音が鳴った

『あ、ちょっと御免なさい』と伊織に断りママは携帯を覗き、じきに話し始めたのだ

『今、どこにいるの？』

『じゃあ、何か食べるもの買ってきてくれない？お寿司とかピザとか頼むわね、はーい。なるべく早く来てよ』

伊織は電話の相手は恐らくママの妹だろうなと察知していた

• 共感0
• レスに返信

『伊織ちゃん、もう少し待っててね
咲樹が美味しいもの持ってくるから』と朗らかに笑うママ

伊織も笑って『咲樹ちゃん、ナイスタイミングだなぁ』
『俺、ついてるな　今日はいい日だ』

『いつも、こうだといいのにね』とケラケラ笑うママは本当に屈託のない人だ

• 共感0
• レスに返信

二人が、何てことない雑談をしているうち気づけば既に30分以上経過していた


『あら、美咲 遅いわね』とママが怪訝そうに時計を見る

伊織も『そうだな･･･どうしたんだろな
ママ、電話してみなよ』と促す

• 共感0
• レスに返信

訂正


間違えました　美咲ではなくて

咲樹でした

• 共感0
• レスに返信