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親が会社に挨拶、、

花火18話

レス0 HIT数 1033 あ+ あ-

作家
16/04/21 15:35(更新日時)

「検事。たまには、早く帰りましょうよ♪
サクラ咲く頃くらい~♪」

「そうね。これは、もういいわね。たまには、息抜きも必要ってことよね!」

事務官の佐方賢治は、もう、同時進行で帰り支度を始めている。
柚子は、内心、ヤレヤレと思っていた。

アイドルオタクで、最近は、やたらと早く帰りたがる。
まぁ、残業することが、必ずしも誉められたことではなく、かえって、仕事の処理能力に問題ありと思われるのだ。

柚子は、事務官の佐方に急かされるように、帰り支度をしてエレベーターに乗り込んだ。

「検事。このあと、御予定がなければ、僕と夜桜見物に行って、夜景と夜桜の競演を楽しむというのは、いかがですか?」

「予定?あるわよ。このあと、エベレストの映画を観るの。」

「独りで、ですか。それならば、僕とどうですか?桜は、まだ咲いてますし。僕も、ちょうど観たかった。山のやつ、山のですよね?」

「結構です。じゃ、また明日仕事で」

柚子は、検察庁の出入口で、佐方賢治に
素っ気ない対応をして別れた。
決して、後ろは振り返らずに。どうせ、佐方賢治は、柚子の後ろ姿に恨み節で立ち尽くしている。

柚子は、夕飯にはまだ、早いので久しぶりに、ウインドーショッピングをすることにした。映画を観ると言ったのは、嘘ではないが、今日でなくてもいいだろうと思ったのだ。

もう、春だなとサクラを見ては思い、春先の穏やかな青空と、微風を感じては、春物にしなきゃと思っていたのが、世間は、初夏になってしまったようだ。
葉桜になり、大型連休も終わる頃には、完全に、夏の始まりだ。

女検事も、オシャレにしなきゃ。

柚子は、建物の中に入った。
その時、背後から声をかけられた。

「ゆず。柚子じゃないか?」

スーツ姿の爽やかイケメンのような男が、柚子に近づいてきた。

「か、片桐くん。片桐くんじゃない?#%!?」

「柚子だろう。本当に、久しぶりに逢うな。大学以来かな。もしかすると。嬉しいよ!」

「うん。そ、そうだ、ね」

「あ、そうだ。立ち話しもなんだから。もう、開店しているだろうし、一杯、ひっかけようか?」

柚子は、佐方賢治の誘いは断ったのにね、と思いながら、片桐の後ろをついて行った。
少しだけ、歩くと、そこには立呑屋のワインバーがあった。
店に入り、片桐に注文を任せると、しばらくして、ワインに相性バッチリの美味しそうな料理と、片桐の選んだ赤ワインが運ばれてきた。

「まずは、カンパイ。」

柚子は、ワインと、料理をしばらく、堪能していた。こうして、二人でいると大学の頃の付き合いを想い出す。

「柚子は、今は、検事か。才色兼備は、相変わらずだな!」

「何、言ってるの。売れ残り、干物女よ。
片桐くんは何してるの?」

「俺は、会社員。事務員兼、外回り。」

片桐は、柚子に、なぜだか、詳しく仕事の説明をしたくなかった。元彼女が検事だからか。

「なぁ。・・・・・・・・・。柚子。・・・・・。こうして、再会したことだし・・・・・・、また、前のようには・・・・・・・・、無理か?な?」

柚子は、ほろ酔いの中で答えを探していた。





No.2324737 16/04/21 15:35(スレ作成日時)

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