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花火5

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小説家
16/01/03 23:46(更新日時)

俺と柳之助が、壮大な夢を描き、それに向かって、着実に一歩一歩、歩み始めていた頃、優等生の裕太もまた、医学の道を邁進していた。

「圭介、俺たち、そろそろ、デモテープを作って送ってみないか。そういうところにさ。まぁ、直接、持っていくでもいいけれど。」

「そうだな。送るとしたら、何の曲にしようかな?」

「あれだろ。アップテンポのノリがいいやつ。万人受けするようなやつだよ♪」

「あれは、どうかな。リズムがよくて、曲から先に出来て、ポジティブな歌詞をストレートにのせたんだけれど。自分的には、なんか違う。もっと他にも・・・」

「何を言っているんだ。ポップな派手な感じがいいんだよ♪」

最近、俺と柳之助の間で、曲調の違いで、揉めるみたいなことが増えたような気がする。進むべき道が決まっていて、見ている方向が一緒なのに、何が他にもあるんだろう。

まぁ、俺と柳之助が、それほど音楽が好きだということの証明だろうと思い、やり過ごしてはいるのだが、果たして、いつまで続くのだろう。

作詞は、ほとんど俺が担当しているし、作曲は、8割が俺で、2割は柳之助。

俺は、昔から、宇宙とか空が好きで、そういった世界観の曲に、人間味というかそれをプラスして、作っている。

しかし、柳之助が求めるのは、王道のポップミュージックであり、ストレートな歌詞。

柳之助の作った、アップテンポの曲に合わせて、柳之助から作詞を依頼されると、俺は、なるべく、その曲のイメージを壊さないように、柳之助から、こういう世界観でと言われると、その世界観を壊さないように言葉を選んで、紡いでいく。

結局、デモテープは、今まで作った曲の中から、明日への風に決まった。

風に色なんて無いから
明日にも色なんて、まだ、ついてないから
無色透明な風を
降り注ぐ太陽の下
高く高く
あの雲よりも
高く
吹かせよう
風は高い山だって越えていく
吹くところを選ばない

裕太は、一人、大学病院の中で、珈琲を片手に窓の外を眺めて考え込んでいた。

クリスマスに満月なんて、30何年かぶりらしい。

今頃、圭介もこの月を見て、同じ事を思っているだろうか。

この前、TVで観た、ホンモノの下町ロケット。植松電機と言ったかな。

子供の頃の夢は、諦めなければ、必ず叶うって。

この世の中で、絶望してしまわないように、夢を持ち続けるべきだって。

俺は、医者でいくべきか、それとも・・・」

No.2289577 16/01/03 23:46(スレ作成日時)

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