はぴ４（パピヨン）日記

ほとんど会話に参加しない。そのくせ、ほぼ毎日入室していて、みんなの会話はちゃんと読んでいて、ときどき「ふぅ…。」と言う。

あなたは毎日そんな感じでしたね。


話がめちゃくちゃな方向になりがちなチャットです。面と向かって話しては自らの品位を疑われるような話でも、顔が見えず、正体がわからなければ、ひょいひょいと言えるものです。下品に話し、差別用語を用いても、文字だけなら発言者の影さえ追えない。

それは、チャットの魅力でもあるのですが、そのころの私には心が削られるように響いていました。自分にかけられていない否定的な言葉が、全部自分に関わっているような気がしたのです。

簡単に言えば、私には、心の余裕がなかったのです。

その私がチャットを続けられたのは、あなたのおかげでした。


あなたがいた部屋、ルームNo.2は、一定の秩序がありました。

下ネタ、誹謗中傷はNG。
あなたはためらうことなく、これに合わない発言者をログアウトさせていましたね。

あまりの早さに他の参加者の賛否両論でしたが、私はあなたの作り出す場の雰囲気が好きでした。

一番はじめに好きになったあなたのポイントはここだったように、今では思い返されます。

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明日あなたとパンダを見に行けますね。久しぶりにあなたとあいますね。気軽にあえる距離でないから、いつになってもドキドキしています。


チャットは、あなたと出会えたチャットは気軽なものです。気軽に始めて気軽に終われる。
ヘビーユーザーもいますが、すぐに消えてしまう人も多いです。
同じ場所で１日何時間も話をして、それを3日続けたら、忘れられないひとになるかもしれません。
でも、チャットはただの文字を追っかけるだけ。昨日いたかどうかすらも怪しいメンバーがいて、なりすましのメンバーもいる。
考えてみれば複雑ですが、面と向かった関係に疲れた私にはちょうど良かったでした。

あなたはそこに２年間毎日いたそうですね。

特に話の中心になるわけでもなく、ただ「ふぅ…。」とため息をつくだけ。でも、ログインするとあなたはいる。

私があなたを気になり始めた理由は、そこでした。

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あなたの話の前に私の話を少しします。

チャットを始めたその頃私は、そこそこの大学にいるにもかかわらず、売り手市場と呼ばれた就活は上手く行かず、卒論の骨子にも行き詰まっていました。何社も内定をとり、卒論の中身も詰まっていく周りから、私は独り取り残された気がしていました。

同級生はきっと自分の思いをわかってくれない。でも、誰かに話がしたくて人恋しかった。
刹那的でいいからとにかく誰かと話をして、自分の現実を一瞬でも忘れたい。

とても大学４年にもなって考えるような人間関係観ではありませんが、当時の私はそうでした。

チャットは、そんな私を気軽に受け入れてくれました。チャットは気軽なのです。

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あなたと私の出会いは、ちょうど夏休みも終わる頃。
チャットルームの中でしたね。

私は、パソコンをレポートに使うくらいで、チャットは経験がほとんどありませんでした。

あなたは、ルームの主のような存在でした。いつ開いてもあなたがいました。でも、だいたい寡黙で、話題の中心に入らず、下ネタや荒らしを容赦なく斬り、さらさらとルームの環境を整えては、また寡黙になる。
ときどき流れに関係なく、いつも決まった灰色の文字で、

ふぅ。。

実際のあなたにあってから気づきましたが、特に緊張した時には、そうおっしゃいますね。

チャットを始めたばかりの私には、あなたは大きくて不思議な存在でした。
人と話したいからチャットにいるのに、なぜ寡黙なのか。ハンドルネームも替えられるのに、ゲスト４のままなのか。

私、ぱぴこには不思議な存在でした。

「あなたと親しくなりたい」と思った最初の理由は、このころ私の中で出来ました。


あなたへのマフラー、３段目の途中でした。
この後の時間はマフラーを編む時間に使うので、今日はここまで。

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