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17/07/10 05:36(更新日時)

主にライトノベル、小説、ドラマや映画のノベライズなど一冊やシリーズごとに紹介や感想を綴ります。
興味がありましたら書店や中古書店で見てみてください📖。
今日の一冊はなんでしょう。

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No.2406951 16/12/06 07:49(スレ作成日時)

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No.1 16/12/06 14:09
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世にも奇妙な物語(太田出版)

現在の『世にも奇妙な物語』は角川ホラー文庫から出ているがまだ通常ドラマ枠で放送されていた当時は太田出版からノベライズとして発売されていた。
もともと当時のドラマとしてのインパクトもあるなかノベライズ版もまたインパクトあった。
テレビドラマとして放送された数本、これらもまた一部結末などが異なりまたノベライズのみに収録されている小説オリジナルがたいてい二本とけっこう読みごたえあるシリーズ。

No.2 16/12/06 14:40
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機動戦士ガンダム/富野由悠季(角川スニーカー文庫)

全三巻と短い構成ながらアムロ、ハヤト、カイがはじめから連邦軍人候補生として登場しまたガンダムを動かす際にフラウ・ボゥたち民間人がいる居住区を結果的に連邦ジオン共々巻き込んでいることにアムロが憤る場面が印象的📝。
物語が進むにつれアムロとセイラが恋人関係(肉体関係)になることやまたシャアも愛人的存在がいたり描写のいくつかはかなり大人的に書かれている。
物語の結末についてはハヤトが死亡、またアムロもシャアの意図があらかじめセイラから伝え聞いているはずなのに戦争の激化から感情が激昂し敵パイロットシャリア・ブルを撃破し誤解の最中、アムロも若きジオンのパイロットルロイ・ギリアムにより撃破され死亡という結末。
最後のアムロの意思は宇宙を飛んで“ギレンを討て”という意思を連邦ジオンに関係なく伝えてゆく。物語内ではかろうじてキシリアが勘に近い挙動で聞いている。
ほんの少し彼の意思はルナツーにいてカツ、レツ、キッカの世話をしているフラウにも届く。
その後シャアと同盟を組んだブライトたちホワイトベースたちによってギレンやキシリアは殺されジオン公国は崩壊。
ランバ・ラルなどの描写もテレビとは異なることも付け加える。

またこの物語自体は続編の『Ζガンダム』などとは一切つながらない。

No.3 16/12/06 18:33
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マリア様がみてる/紺野緒雪(集英社コバルト文庫)

ガンダムシリーズ以外で長くハマッたのがマリア様がみてるシリーズ。
女子高、山百合会、スール制度に学園のマリア像などほぼ登場人物が女性だけというまさに女性だけの園。一部は祐麒くんや柏木さんなど男性キャラもいるが基本的に物語の流れにあまり絡まない。
個人的に好きなのは聖・志摩子の白薔薇姉妹。これはアニメの影響も多々あると思う。
シリーズが進むにつれサイドストーリーによる短編集があってそちらはあまり内容入っていない。だけど可南子ちゃんが祐巳ちゃんに初めて出会った物語は好き。
シリーズ後半の瞳子ちゃんを妹にするしない問題は彼女自身の生い立ちもあって内容はそれなりに重たい。だけどちゃんと祐巳ちゃんと和解するのは○(まる)。
いまちょっと黄薔薇革命を読み返しているけど由乃ちゃんがすごい。
後に乃梨子ちゃんではないけど「うそ〜!?」と言いたくなるのもわかる(笑)。

No.4 16/12/08 05:53
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伝説の勇者ダ・ガーン(上)(下)/鷹見陸(角川スニーカー文庫)

アニメ『伝説の勇者ダ・ガーン』のノベライズ。基本的な物語はテレビ版のまんまだけど小説上下巻という短いので細かい点は端折られている。
だけど地球の生命がいきるテーマ、主人公星史とダ・ガーンたち勇者の信頼関係。身近なヒロインひかる、地球と心を通わす桜小路蛍、いきなり現れるヤンチャー。
高杉親子の父と母はふだんは息子である星史をほったらかしにしながらも愛情がある場面は涙を誘う。
プラネットエナジーや伝説の力を狙う巨悪な存在たるオーボス。
暗躍するビオレッツェ、不遇な運命に遭うレディピンキー。テレビとは異なり改造されるデ・ブッチョ(テレビでは改造されるがちいさく分裂した一体だけ生き残る)。
捕まるセブンチェンジャー。

この小説のおすすめは本編もだけど下巻のあとがき。テレビシリーズ本編のある秘密が書かれていること。
懐かしき90年代の勇者シリーズが好きな人にはおすすめ。

No.5 16/12/08 06:40
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私が愛したウルトラセブン/市川森一

かつての特撮ドラマ『ウルトラセブン』に関わる俳優たち脚本家、スタッフたちをフィクションと一部ノンフィクションを合わせたNHKスペシャルドラマのノベライズ。
この作品では市川森一を香川照之、金城哲夫を仲村トオル、上原正三を佐野史郎が演じまたウルトラ警備隊メンバーのなかに後に『ウルトラマンダイナ』でコウダ副隊長を演じる布川敏和(フッくん)が出演。
また現在はハリウッド女優になった田村英里子がアンヌを(作品中で菱美百合子と呼ばれる場面はわずか)、松村雄基がモロボシ・ダンを演じる。
田村英里子が演じるアンヌは本来は別の女優が演じるはずだったが事故により彼女は演じることができなくなりアンヌがスカウトされるところから物語は始まる。
またダンも婚約者がいながら役者業を優先したことにより結婚はなかったことにされる。
物語は『ウルトラセブン』撮影当時を再現しながら彼らが生きた時代を青春モノのようにうつす。『AlWAYS 三丁目の夕日』シリーズに近い雰囲気。
それぞれダンやアンヌ、金城哲夫、上原正三、市川森一、円谷英二たちの視点で『ウルトラセブン』が作られるぞというところで物語の前半は終わり。

後半は『セブン』の撮影が終わりに近づきそれぞれの役者たちは別の仕事へお願いしたり躍起になるなかアンヌだけは夢のなかに生きているようにまわりから思われる。
そんななかかつてダンのもと恋人がベトナム戦争をしたくないという米軍兵士をかくまう。
彼の扱いに困りながらもダンやアンヌはセブンのスーツアクターの協力を得ながらなんとか最終回の撮影にかこつけ逃がそうと奮闘するも撮影先で米軍兵士は捕まる。
またこの話の前後にも脚本家をつとめる金城哲夫がウルトラセブン自身に自分を重ねたのではと上原正三から諭される場面がある。
撮影は終わるなかアンヌだけは皆がたき火のまわりで終わるなか物語は終わりを告げる。
米軍兵士の話はあきらかにフィクションではあるが『ウルトラセブン』が実際の物語のなかで何が正義か悪かで揺れる当時の物語をありのままに近い形で市川森一さんなりに投影したと思われる。

本自体は市川森一にとって『ウルトラセブン』(もしくは関わった『ウルトラマンA』までが)青春だったと思われる。

No.6 16/12/08 15:27
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鉄人28号/原作:横山光輝 著:重馬敬

アニメ『鉄人28号』一作か四作目か映画『鉄人28号 白昼の残月』のように戦後から数年後の日本東京を舞台にした物語。時代的には『三丁目の夕日』のやや前でしょうか。
戦後復興から立ち直るなかでのロボット犯罪を解決する少年探偵金田正太郎そして鉄人28号。
警察として大人として協力するカイゼル髭の大塚署長。
かつては金田博士の弟子であった敷島博士。
この両者の協力を得ながら今日も事件を解決する正太郎。
その正太郎の前にあらわれる謎の美少女レナーテ。レナーテを見守る謎の怪男(実は鉄人シリーズおなじみの不乱拳博士)。
正太郎の出生の秘密、なぜ少年探偵をして鉄人を正義のために動かすのか?など一部はアニメ四作で語られたところも重複すると思うがこの小説は戦後復興時の“空想科学小説”として書かれているのがミソ。
正太郎とレナーテの出会い、また正太郎が孤児院をたずねる理由などいくつかかつての戦争が時代に残した痕をたどりながら正太郎とレナーテは悩み葛藤する。
また不乱拳博士がブラックオックスを最強のロボットとしてつくりながらも完璧であるが故に犯した成功と失敗という科学の危うさと素晴らしさ。
帯にはTVアニメ『鉄人28号』プロデューサー大月俊倫氏の言葉がこうある。
『ここにこそ正義の心が生きている!』
と彼は絶賛している。
興味がある方はお探し読んでみてください。

No.7 16/12/09 15:36
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本をめぐる物語 一冊の扉/ダ・ヴィンチ編集部 編

本を買っているとたいして興味はないはずなのになぜか本に惹かれるということはありませんか?
というのは私が読書をしはじめてからの気持ちのひとつ。
いつも読んでいる本ではなくてたまにちがう本に手を出していることありませんか。
この本もその一冊。
タイトルに惹かれたかあるいは中身だったかはわかりません。つい最近に購入したばかりだから(笑)。
内容は小説をつくるひと、本に出会うひとなど様々な本にまつわる物語が七つ収録されている。
二次創作が好きなひとは「メアリー・スーを殺して」を読むとたぶん考えたり悩むと思うそんな一編。私もいま悩んでます。
あと七つ目の物語はつい最近ドラマ化された「校閲ガール」が短編ですが収録されています。
興味がある方は手に取って読んでみてください📖。

No.8 16/12/10 17:14
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天空の城 ラピュタ(前編後編)/原作・絵:宮崎駿 文:亀岡修(アニメージュ文庫)

アニメージュ文庫より発売されたスタジオジブリ作品小説。
アニメ映画にはない物語のプロローグ、エピローグまた映像では読み取りにくい人物の深い描写が表現され人物や世界観に深みが出ているのが特徴。
また冒頭には宮崎駿自身が『ラピュタ』について思いを込めた文章が前編後編ともにある。冒険活劇でありながらふるきよきSF時代を思わせる宮崎監督の文章が印象的。
またイラストも魅力。

No.9 16/12/10 17:22
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サマーウォーズ クライシス・オブ・OZ/原作:細田守 著:土屋つかさ イラスト:杉基イクラ キャラクター原案:貞本義行


かの映画『サマーウォーズ』の前史にあたる小説ならではのオリジナル物語。
ネットと現実世界を行き来するカズマが出会った女の子と共に青春映画や推理もののようにふたりが活躍してゆく。
また映画に登場した夏美や大おばあちゃんなども登場し物語に一花を添える。
カズマが強くなろうとする過去のいきさつも語られたりヒロインと共に苦難に遭いながら成長してゆく。
現実とネット世界を行き来することで冒険してゆくのを堪能できる一冊。

No.10 16/12/11 06:16
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神様家族/桑島由一(MF文庫)

神様見習いの神山佐間太郎と天使のテンコちゃん、もと悪魔の久美子ちゃん、佐間太郎の家族たちを交えてのハートフルコメディ感動ラブコメ。
ひとがなんのために生きるのか悩むのか葛藤するのかを神様見習いの佐間太郎を通して神様見習いも悩み人間も悩む姿から生きる道を描いている。
悩むことから逃げてはなにも解決しないとシリーズ通して示していると思う。
だけど弱い心や悪魔の誘惑は誰にでもあるということもまた書いている。
『神様家族Z』には嫌な思い出の裏側にはいい思い出もあるとある。
シリーズが短いぶん読みやすい作品。

No.11 16/12/11 17:52
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お遍路ガールズ/又井健太(ハルキ文庫)

“人生、悩んでますか?今を楽しんでますか?
人生は報われないことだらけだけど、お遍路は、頑張ったら必ず報われる----。
いざ、四国巡礼へ。
20代〜40代の女たちそれぞれの旅が、いま、始まる。”(帯より)

物語はブラック企業につとめてしまったヒロイン柿下千春がひょんなことからお遍路に向かうところから始まる。
かつての親友への思いを悩みながら出会う女性高松琴美。共に歩いたり仲たがいしながら四国四県88ヵ所を歩く。
もうひとりの安川優奈ははじめは“おもてなし”に甘えたことやそれまでの人生にあきらめがあったことを真由美という女性に出会い反省し高知まで来たのに再び一番札所から歩くことになる。
お遍路の道中にはいいひと悪いひとなど多くのひとたちがいる。
それらから何かしら得られるものがある。有形無形のひとのつながり、御霊返りのふしぎな話。
お遍路に興味ある方にはおすすめの一冊。

徳島、高知、愛媛、香川の各札所はもちろんだけど四県の観光地や名所なども適度に紹介されている。

No.12 16/12/12 09:06
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超時空要塞マクロス(テレビ版)/井上敏樹(スーパークエスト文庫)

テレビアニメ『超時空要塞マクロス』小説版。
基本的な流れはテレビ版そのまま。ただし細かい物語はカットされ第27話『愛は流れる』までと本来の物語に沿うようにされている。
またこの当時の井上敏樹さんの表現が平成ライダーシリーズの脚本などとはちがい表現がつたないことを付け加える。
表現はつたないものの輝、ミンメイ、美沙など人物の表現はじんわり伝わる。
講談社キャラクター文庫の井上敏樹氏が書かれた平成ライダー小説と比べてみたらおもしろいかも📝。

No.13 16/12/13 08:16
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GEAR戦士 電童 輝く銀河 光の北斗(上巻)/原作:矢立肇 文:浅野智哉(集英社スーパーダッシュ文庫)

同名ロボットアニメのノベライズ。
スーパーロボットらしいティストを持ちながら中身は一部『エヴァ』。
機械帝国ガルファの侵略を受ける地球。迎え撃つは地球防衛組織GEAR。
互いに見知らぬ少年ふたりがひょんなことから戦いに巻き込まれながらスーパーロボ電童に乗り込み悩み葛藤しながら成長してゆく。
正体を隠しながらふたりをサポートするベガは実は主人公のひとり北斗の母親織絵。
敵味方ともに奪い合うデータウェポン。
遅々として進まね侵略にアルテアを送り出すガルファ。
アルテアの正体に揺れるベガ。
スーパーロボットモノと従来のサンライズ系ロボ作品のふたつの“お約束”を盛り込んだ作品。
謎が謎を呼ぶ展開はアニメそのままに楽しめる。

下巻や外伝についてはまた別の機会にします。

No.14 16/12/13 13:40
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ときめきメモリアル/花田十輝 山田靖智 あおしまたかし(電撃文庫)

かの有名な恋愛シミュレーションゲームのパイオニアの同名小説。
全六巻、メインヒロイン藤崎詩織をはじめとしてゲームでお馴染みの人物たちの小説ならではの恋愛模様を書いている。
藤崎詩織以外の人物は主に一編のみだが彼女のみ一巻の最初と六巻の最後でヒロインをつとめる。
ちなみに書き手にはここ数年アニメの『けいおん!』や『ラブライブ!』などで活躍している花田十輝氏が参加している。

No.15 16/12/14 06:50
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GEAR戦士電童 北斗の叫び 銀河の涙(下巻)/原作 矢立肇 文 浅野智哉(集英社スーパーダッシュ文庫)

同名アニメの小説下巻。
螺旋城を撃破したGEARだが、新たな敵スバルとゼロの登場。さらに電童や鳳牙だけでなく六つのデータウェポンでなく七体目のデータウェポンの存在と謎。
スバルの孤独と彼に操られながらも一時は敵に身を置いた北斗との触れ合い、敵になった北斗と戦う銀河の苦悩や葛藤。
道を示すかつての敵アルテア。
明らかになるガルファの真相とアルテアとベガの故郷アルクトスが自然を取り戻していたこと。
戦いが激化するなか物語の真相が明らかになる息をのむ展開。

機械の反乱が結果的に惑星に自然を取り戻してしまうのはタツノコプロの『新造人間キャシャーン』などでも語られるがなんとも皮肉なこと。
コンピューターや機械に身を委ねると人間は彼らに反旗を翻させられるという重たいテーマではあるが『電童』は北斗や銀河、スバル、エリスなど若き少年少女たちが未来を担うことを作品内で示している。
その辺もまた本作の魅力である。

No.16 16/12/14 08:55
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チーム・バチスタの栄光/海堂尊(宝島社文庫)

記念すべき海堂尊作品第一作。ドラマや映画にもなった本作。
主人公田口公平はさえない中年医師、平々凡々と不定愁訴外来ををしてきたはずがひょんなことから病院長の命によりバチスタ死亡事件の一件を調査する。
桐生恭一をはじめとした“グロリアスセブン”を調査するものの事故か事件か一向に判明しない。
田口先生の調査の特徴のひとつに相手の名前の由来を聞くこと。これにより相手の心のハードルを下げることができることが語られる📝。
『バチスタ』以降のシリーズにもこの手法は用いられる。
しかし調査は行き詰まるなか現れたのは厚労省の通称“火喰い鳥”こと白鳥圭輔。
厚労省の白鳥さんが介入したことで事件性が帯びてくる。
ただ白鳥さんの強引なやり方に田口先生はついていけないながらもいろいろ推理する。
明らかになる桐生恭一の秘密、義弟との関係。
バチスタ手術で犯人はなぜ殺人の証拠がないのか。
しだいに明らかになる事件の真相と犯人。
最終的に医療ミスそのものではないものの“グロリアスセブン”は解散し舞台である東城医大から桐生恭一たちは去っていく。

田口公平自体はドラマで演じた伊藤敦史さんが演じましたが原作小説だとなおさら強調されている。だけど何かしらひととしての魅力や本人さえ自覚してない才があるのではと思わせる。
対して白鳥圭輔はドラマで仲村トオルさんが演じましたがこちらはドラマとちがいギャップありすぎ。だけどやることは変わらない。
さえない中年医師と厚労省のつまはじき者のコンビ。
この作品をスタートに架空都市桜宮市から少しずつ海堂尊先生による『桜宮サーガ』がスタートしていく。

余談、バブル三部作にあたる『ブレイズメス1990』には若き日の桐生恭一が少しだけ出ている。彼が心臓手術を志すことがわずかに語られる📝。

No.17 16/12/14 14:06
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機甲戦記ドラグナー/園田英樹(角川スニーカー文庫)

同名アニメのノベライズ全一巻。
基本的な流れはテレビアニメと同じだが全一巻という構成から駆け足でもあるが小説ならではのアレンジが加わっている。
『ガンダム』の二番煎じ的な一面は否めないが、小説には敵側ギガノス帝国にギルトール皇帝の息子クレスタが登場しネタバレになるが、実は彼が全てに近い形で歴史を操り人の心をゲームのように弄んでたのが最後にわかる。
またなりゆきから三機のD兵器(ドラグナー)のパイロットになった主人公ケーンたちもまた歴戦先輩パイロットから拳や彼の戦死をまじえまたヒロインリンダは戦いのなか失明しまたライバルパイロットマイヨが兄であることを知り苦悩し葛藤する。
ケーンの母親は生死不明、また地球にいた元カノと再会するが別れることになる。
小説は両者の勝敗は書かれないまま月での決戦におもむくところで終わる。

小説のあとがきにはロボットアニメのパイオニア『マジンガーZ』の生みの親の永井豪氏が書かれている。永井豪自身は小説『ドラグナー』と自身の作品を解説し歴史を裏で操る者たちを許すことはできないと語っている📝。

No.18 16/12/14 14:50
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ルパン三世 カリオストロの城/原作 モンキーパンチ 著 山崎晴哉(集英社文庫・コバルトシリーズ)

同名劇場アニメのノベライズ。
基本的な流れは同じだがただしこの本は劇場版脚本のプロット検討用がもとなため細部はちがう。
またクラリスと庭師が救出前に物語の途中で一度再会するなどいくつか異なるところがある。
銭形警部も深く描写されており中間管理職的な立場に挟まれながらカリオストロ公国への捜査に失意断念するも部下である警官隊との関係が浪花節なみに描写され笑いと感動を誘う。
いろいろ異なるところはあるがこれまた『カリオストロの城』の一作品である。
ルパン三世好きなら探してみるのもおすすめ。

No.19 16/12/14 22:19
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極北クレイマー(上下)、極北ラプソディ/海堂尊(朝日文庫)

海堂尊先生による地方地域医療に踏み込んだシリーズ。
極北市民病院に飛ばされた損な主人公今中先生。
タヌキの院長からはいろいろなあだ名をつけられ個性ある看護師たちには振り回され後輩である後藤先生には騙されたりいろいろ災難続きだが、彼なりに病院の環境を変えていこうと奮闘する。
院長からはリスクマネジメント委員会などをまかされるがなかなかうまくいかない。
病院が赤字経営なのは市役所側の対応なども挙げられるなど現実にある問題を浮き彫りにする。また役所ばかりが問題にされるわけではなく患者のなかには診療費を払わない人物がいることも記す。
舞台である極北市民病院が経営がやっていけたのは人徳ある産婦人科医の三枝先生によるところが大きいが後にかつての妊婦死亡事件をとある救急隊員に訴えられる。
あれやこれや病院経営を建て直そうとタヌキの病院長は画策するが看護師たちの反対にあい失敗に終わる。
三枝先生の逮捕、また市役所から予算獲得をできずに経営危機に陥るがその最中市長は亡くなり実は愛人の息子だった後藤先生に言葉を残す。
市民病院がつぶれ皆がいなくなるなか今中先生は残ることを決意する(『極北クレイマー』)。

一度はつぶれた市民病院に残り新たに病院債権人の世良雅志病院長と共にに働く今中先生だったが前作で積み上げた人間関係や信頼などを世良先生により霧散となる。
気落ちしながらも世良先生はマスコミ対応や患者対応には線を分けた対応をしていき少しずつでも黒字をうんでゆく。
しかし世良先生を残したまま今中先生はドクターヘリがある隣の市の救命救急センターに派遣され市長の対応によってあまりに違う医療環境に考え悩む。
センターの面々によって充実した医者として生活を送るが彼は結局かつての極北市民病院にとんぼ帰りする。
本作においてはシリーズ中盤のドクターヘリの活躍や運用性、またヘリパイロットの育成の難しさなどが語られる。
ドクターヘリの活躍が読めるのは本作ならでは。
市民病院に戻った今中先生は世良先生の思惑がわからないままドクタージェットのトライアルに参加し神威島で彼の過去の一端を知る。
そして落ち着く場を見つけた世良先生と花房看護師。
本作は現状の問題が解決しないまま物語が終わる(『極北ラプソディ』)。

No.20 16/12/15 06:59
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GEAR戦士電童外伝 天空の乙女(ベガ)蒼天の騎士(アルテア)/原作 矢立肇 文 吉野弘幸

同名アニメ原作本編の前史(プロローグ)にあたる小説オリジナルの物語。
中世の雰囲気や制度を持ちながらその一切をコンピューター“ガルファ”に任せている惑星アルクトス。
王族の王子である兄アルテアその妹ベガ、この兄妹は星中の誇りや希望であった。
故地巡礼から戻ったのはお供の竜のみ。
行方不明となった兄を探すため供を連れ旅に出る妹ベガ。
自然の管理をガルファに任せてあるはずだがなぜか自然のままの森がありのまま存在しひとの手が入っていない自然を目の当たりにする彼女たち。
そして代々コンピューターを管理している一族のもとへ向かうがかつての親しきひとたちのもとにいる見慣れない謎の人物。
また人々の生活を守っているもうひとつのコンピューターメテオは実は何者かが入れ替わっていた驚愕の事実。
謎の人物の暗躍、すでに亡くなっていた一族の者たち。
そして起こるガルファの反乱。ヒトを滅ぼせば宇宙は自然のままありのままと宣言するガルファ。アルテアとベガを要求するガルファ。
ガルファが恐れるのは伝説のギア“電童”そして七つの聖獣(データウェポン)。
反旗を翻したガルファは人々を襲い逃げやられる人々。
立ち向かうアルテアの鳳牙と騎士たち量産型ギア。だがひとりまたひとりとやられ散ってゆく。
ベガも騎士や侍女をなくしながら本物のメテオがいる唯一残された宇宙船“メテオ”。
ガルファにせめてもの一矢報いるため戦うアルテアは妹を守る思いのみが力となる。
悲しみに暮れるベガは涙のなかひとり惑星アルクトスから脱出する。
メテオが向かったのは太陽系第三惑星地球。
そこで新たに人生を踏み出したベガ=織絵。
織絵は圭介と共にささやかながらちいさなしあわせと子という生きる希望を授かる。
地球ではじめて見た北斗七星と同じ名をつけられたのは草薙北斗。
ふたりの兄妹を中心に繰り広げられる兄妹のほのかな物語と悲劇に向かう冒険、機械の反乱を描いたひとつの惑星の物語。
『GEAR戦士電童』ファンは読みごたえある一冊。

またあとがきには著者いわく女子高生の織絵と家庭教師の圭介のいちゃいちゃ恋愛話を書きたかったそうだが本書はそこまで書かれなかったという。
本編の裏設定を構築した物語。

No.21 16/12/15 09:00
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猿蟹合戦/芥川龍之介

芥川龍之介による寓話『猿蟹合戦』の後日談の短編裁判。
猿が悪いのか騙された蟹が悪いのか。蟹に協力した臼やハチたちの顛末や背景などを裁判仕立てで語っていく。
仇討ちが正しいか否かなど世相を反映したかのような顛末。

余談、NHK Eテレで『昔ばなし裁判』のもとになったのではないかと思われる。真相はわかりませんが(苦笑)。

No.22 16/12/17 20:48
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機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(全三巻)/富野由悠季(角川スニーカー文庫)

『逆襲のシャア』から数年後の世界を書いた物語。
シャアの反乱に関わったことでアムロやシャア、クェスといった戦争の犠牲を何の反省もしない連邦政府の腐敗に反連邦組織「マフティー・ナビーユ・エリン」を率いマフティーとして挑むブライトの息子ハサウェイ・ノア。
連邦首脳会議へのテロに臨むハサウェイの前に現れるかつてのクェス似た少女ギギ・アンダルシアと後に敵となるケネス・スレッグ大佐との出会い。
偽のマフティーを名乗るテロ集団を地球に戻る途中に出くわしケネスと共にに倒し連邦からマークされてるかもしれないと疑いながらなんとか組織と合流するハサウェイ。
クスィーガンダムの地球降下が開始され機体を回収するが仲間が人質に取られ苦戦するもからくもいちおうの勝利をおさめる。
連邦首脳会議にテロを仕掛けようとするなか思い出の中のクェス、現実のギギに悩み葛藤するハサウェイは戦いのなかギギと再会する。
ケネスたちは“勝利の女神”とするギギがいないままだがケネスはマフティーがハサウェイでないかと疑いながらも指揮官として戦いに臨みとある作戦を敢行する。
しかし連邦首脳会議は極秘裏に行われ連邦政府の腐敗さにケネスはいささかマフティーに同調する気持ちを揶揄する。
そうとは知らないマフティーたちは作戦を開始する。クスィーガンダムと兄弟機であるペーネロペーと戦いケネスのバリヤー作戦にかかり奮闘するもハサウェイ、組織マフティーは敗退。
ハサウェイはケネスのもとで死刑となる。父であるブライトはその時点で知るよしもないが悪辣な連邦政府により知らされマスコミを通し利用されその後は退役したとされる。
ケネスは軍を退役、ギギは戦いを前にパトロンであった主と別れており彼と共に旅に出る。
旅が始まるなか地元新聞を通しマフティーの意思を尊重し連邦政府への反発を示す市民たちの投書の記事をふたりは見る。
物語は彼の母方の祖先がいた日本を遠くにあるのを見て終わりいつかマフティーのような組織がよみがえるのをふたりは願いを託す。

著者である富野由悠季さんは本物語を書き終えた後に涙したという。
ガンダムシリーズに悲劇的な出会いはつきものだが本物語はそれをハサウェイに最後まで背負わせている。
考えさせられ泣ける物語。

No.23 16/12/23 10:03
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イノセント・ゲリラの祝祭/海堂尊(宝島社文庫)

『田口白鳥シリーズ』四作目でしょうか。
Ai推進のため策略策謀が渦巻く霞ヶ関、厚労省が舞台となる。
若手官僚たる火喰い鳥の白鳥圭輔が東城医大から田口公平が招聘するところから物語が始まる。
官僚たちの会議が実は中身がない脱け殻の会議であることが本物語内で早くも露にされながら、白鳥はAiを公に認めさせるために房総救命センターからスカラムーシュ(大ボラ吹き)彦根新吾を誘う。
Ai推進派と反対派がぶつかりあう会議。田口は不安なまま後輩、彦根新吾の作戦に乗る。
彦根新吾はダミーに桧山シオンの名前を使う。
会議が開かれるなかAiの運用性を田口先生は説くが、官僚や会議出席者たちはなかなか耳を貸そうとしない。
このままだと脱け殻の会議になってしまう危機のなかシオンではなく彦根自ら姿を現す。
彦根はAiは医療のためであり官僚や警察のためでないと言う。
また彼は自らイノセント・ゲリラもしくは右翼や左翼でもない医翼と名乗る。
そして医療庁の旗揚げを宣言するが、火喰い鳥白鳥によって程よく阻まれるなかAiを提唱し認めるなか会議は終わる。
実は彦根と白鳥は互いに通じておりふたりの思うままに進んだことが明らかになる。
田口はやや煙に巻かれたようだが、Aiの有用性は認めている。
Aiが公に認められるまでの物語ととらえた方がよい。

本物語は霞ヶ関や官僚の実態を描きながらそこで奮闘する白鳥や彼に協力する田口や彦根の物語でもある。
必ずしも官僚が推進することが国民にとって正しくないあるいは利用されている現実を示唆をしている(たとえばメタボ)。
『バチスタ』『沈黙』は医療サスペンスだが、本作品は霞ヶ関を舞台にした官僚や医療従事者たち会議における戦いの物語と言える。
彦根新吾の医療庁の旗揚げ発言は『ナニワ・モンスター』以降につながる伏線でもある📝。

個人的には霞ヶ関を舞台にした硬派な一面がある作品として私は読んでいる📖。
好きな一冊。

No.24 16/12/23 10:32
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仮面ライダーJ/上原正三(小学館スーパークエスト文庫)

昭和仮面ライダーシリーズ最終作品の映画本作のノベライズ版。
本作は映画では語られなかった裏設定が多く書かれなぜヒロイン加那が敵フォッグに狙われまた仮面ライダーJが持つ“Jパワー”とは何かがより具体的に語られている。
加那の正体、敵フォッグの謎、映画本編に登場しなかったもうひとりのライダーフォッグライダーとの熾烈な戦いと悲哀。
また特徴的なのはウルトラシリーズや戦隊シリーズ、『仮面ライダーBLACK』前半に関わった上原正三さんらしく小説においてではあるが、地空人(カナン人)が過去の仮面ライダーの存在に触れている📝。だが、1号からZOまでと思われる仮面ライダーではフォッグに勝てないと示唆されているのが興味深い。

本作品は前作『ZO』以上に地球自然と環境破壊をテーマにしよりヒーローらしく書かれている。

No.25 16/12/23 15:08
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マーズ1 サイレントクライシス
マーズ2 サイレントハルマゲドン

原作:横山光輝
著:十川誠志(朝日ソノラマ文庫)


横山光輝原作の漫画をオリジナルビデオ制作当時の現代、1994年当時に据え置いてリメイクしたアニメのノベライズ。
ただしオリジナルビデオアニメは前半のみを作られただけで後半は未完に終わるが、ノベライズは最後まで書かれている。
物語は大平洋から突如、海底火山が噴火しそこにできた島にいる少年“マーズ”を見つけるところから物語が始まる。
当初、マーズはなにも語らないがヒロイン山口玲子ら日本政府の人間に保護され彼女の姪の春美とのコミュニケーションにより少しずつ人間的なコンタクトや表情を見せるプロセスがある。
そこで少年の正体が実は遠いむかし地球に来訪した異星人がつくった人間らしいことが少しずつわかりはじめる。
後にわかるがマーズと共に覚醒したロボット“タイタン”を自衛艦が破壊したことにより六人の監視人によりマーズへの地球破壊への意思を確かめんとすることがわかる。
たびたび危機に陥るマーズそして彼を守らんとするガイアー。
ガイアーのなかに地球を爆破する起爆装置がありマーズもガイアーも守らないといけないなか六人の監視人、六体の神体は絶え間なく彼らを襲う。
ようやく最後の監視人や神体を倒すことになるが、日本政府や国連はマーズの抹殺を命じる。
またマーズも何十億すべての地球人類を信じることは不可能に近いが親身に接していた玲子や春美には限りなく信頼することを示す。
日本政府の悪辣な企みに倒れる春美の同僚たち。
銃がマーズや春美たちに向けられるなか彼はガイアーのなかにある起爆装置を止めた。
だが、日本政府の人間はこの期にも嘘を吐きながらマーズや玲子たちを射殺する。
実はマーズの死にはもうひとつ仕掛けがあった。
六人の監視人が持っていた柱時計にも実はガイアーと同じ起爆装置があり、その年の夏のある日……地球は爆発し宇宙から姿を消すのだった。

原作漫画と基本的なくだりは同じだが、本作は自衛隊シミュレーションとして書かれている。
またマーズの保護から六人の監視人や神体が襲い、最後は原作同様に地球爆発と救いないラストである。
これは作り手がお気楽な作品でないという自覚があったためと思われる。
興味ある方はお探しください。

No.26 17/01/04 20:46
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ブレイズメス1990/海堂尊(講談社文庫)

海堂尊によるバブル三部作の真ん中に位置する作品。
たびたび各作品ごとに名前が出てくる天城雪彦先生の登場編。
冒頭一章二章のフランスを舞台にした物語がまるで『ルパン三世』を読んでいるようなオシャレかつ海外を読者に感じさせる。
天城雪彦の華麗な登場と手術を目の当たりにする若き世良先生。
しかし日本に戻り天城先生を招聘したことへの高階権太先生をはじめとした反発、佐伯病院長のたくらみなど錯綜してゆく。
医療とギャンブルを等しく語る天城先生の考え方は思考停止していないことに気づく世良先生。
本作は公開手術と一般の我々が普段は目にすることがない手術を読むことで体験する。
医療における命やお金のあり方を物語内で問いてゆく。
ただし厳密にいえば『ブレイズメス』は問題提議の物語であって命やお金については天城先生が説き公開手術という形ではひとつの証明にいたるがこの本自体は解決編ではないことを留意。
医療にとって命やお金がいかなる意味を持つか考えるにいたる一冊。

No.27 17/01/05 18:27
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ミラーマン 鏡の黙示録/著:野添梨麻 イラスト:岡本英郎

70年代特撮モノが群雄割拠したなかで奮闘した同名特撮ドラマの続編小説。
本編は主人公ミラーマン=鏡京太郎が鏡の国へ帰った数年後から始まる。
御手洗博士の娘の御手洗朝子、そして彼女が義理の妹にしたひかりを視点に物語は見る。
そしてインベーダー“レギオン”に魅入られたとある大学生をとおして……。

平和な地球を舞台に再びミラーマン、朝子たちかつての『Science Guard Member』通称『SGM』の面々が新たな戦いに身を投じる。
そこで語られるインベーダー“レギオン”の真相。鏡の国においても鏡の国の住人たちは個々の名前は持たないものの個々の区別はつくという。
インベーダーの襲撃から一度は滅びた鏡の国だが、実は生き残りがおり少しずつ鏡の国は復興へ向かうなか地球での経験を生かし京太郎はミラーマンとしてインベーダーの残党と戦う。
戦いのなか後に“レギオン”を名乗るインベーダーを捕らえ話を試みる。が、彼は地球へ脱出しとある大学生へと憑依してしまう。
なぜ戦うのか、と問う京太郎にレギオンは言う。『みんなが戦っていたから』
つまり同胞が戦っていたから戦っていた。いわば平和というものを知らないあわれなテロリストしか生きる道がなかったと思われる。
また大学生とインベーダーの分離を図ろうとするが、大学生の彼の意思がレギオンの意思の共鳴が強すぎたために通常なら可能な分離が不可能なことを知る。
大学生の彼は破壊がしたいのではない。創造したいのにレギオンの力は破壊にしか働かない。
最後の戦いはやむなく大学生そしてレギオンを倒すことになる。

京太郎は戦いに勝つものの大学生の彼を助けらられなかったことに悔やむ。

そして、京太郎は朝子と再会しながらも再び鏡の国へ帰る。
その姿をひかりは目撃する。
ミラーマン、だと。


平和に生きる地球と平和と戦いを知るミラーマン=鏡京太郎、戦いしか知らないテロリストであるインベーダー。
そこに人物たちの邂逅や恋愛を織りまぜながら展開してゆく物語。
隠れた円谷特撮ヒーローの名作物語。
『ミラーマン』が好きな人は探してみてください。

No.28 17/01/06 11:32
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火花/又吉直樹(文藝春秋)

芸人又吉直樹ではなく“作家”又吉直樹の名を世間に広めた一冊。
物語自体に派手さはなくどこか写実的か映画的な芸人の生き方を描いた物語。
とはいえ私自身は一回くらいしか読んでないのはカバー本だからか。
文庫本なら何度も読むのだろうけどカバー本だとちょっと私的には読みづらかった。
しかし内容は又吉さんが芸人だから書けたと思われる内容はあると思う。
芸人の人生が売れる売れないで左右される毎日が瀬戸際の一日。売れる芸人いれば売れない芸人や主人公たちもいる。
だけど芸人として笑いを取るために何をしてもいいわけではない、と最後に先輩芸人に諭す主人公の場面は芸人の本質や一端を垣間見ることができる。
ある意味、芸人になりたい若者は読んでみて真剣に芸人について考えてみるにいい一冊と思われる。
派手な物語を期待するひとは向かないと思います。

No.29 17/01/06 14:51
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ゲゲゲの女房 人生は……終わりよければすべてよし!!/武良布枝

国民的「ゲゲゲ」ブームを巻き起こした、感動のベストセラー自伝 スペシャルメッセージ 松下奈緒・向井理
ドラマ、映画に続き、待望の舞台化!(帯より)


NHK朝の連続ドラマ小説や同名の映画や舞台となった本書。
水木しげるさんへ嫁ぐ前の武良布枝さんの若い視点から綴られ田舎の鳥取県から戦後の東京へと舞台を移しながらふたりで長い貧乏生活を経ての出産、子育て、『悪魔くん』実写化や『ゲゲゲの鬼太郎』アニメ化への動きなどをさらに経て金銭的にもしあわせになるがまたそこへ紆余曲折な水木ファミリー。
貧乏時代などはなんとかふたりで食べていける生活なものの出版社からは規定通りにはお金がもらえない日々があるなか少しでもふたりで美味しいものを食べようとするさりげない工夫など。貧乏だけど互いに愛情や信頼を紆余曲折をしながら築いていくのは涙モノ。
また作品が売れるようになって水木しげるさんが忙しくなり布枝さんや子どもに余裕もって接することのない隠れた苦悩。
金銭面で困ることがなくなるのがはたしてしあわせなのか、と問う。
貧乏時代は食うのに困り、金銭が入れば家族に対して気持ちもって接することができなくなる家族同士の心の隔たり。
だけどケンカしたり適度にぶつかることで離れてはくっついての繰り返しをしながら夫婦や家族のつながりを強くしていく。
妖怪がいないのでは、といまは亡き水木しげるさんの苦悩。だけど、世の中には誰かは信じてくれる。娘だったり荒俣宏さんだったり。
鳥取県境港市の方々も協力してくれ『ゲゲゲの鬼太郎』の銅像をつくり町おこししようと手を差し伸べる。
貧乏神もいれば妖怪もいつの世にはいるのでは、と思わせる本書。

なにがしあわせかわからなくなってひと向けの本ともいえる一冊。
迷った時や悩んでる時に読んでみるといいかもしれない。

No.30 17/01/21 17:32
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仮面ライダーZO/著:射口巌 原作:石ノ森章太郎 イラスト:雨宮慶太/スーパークエスト文庫(小学館):絶版

当時の仮面ライダー生誕20周年を記念して作られた同名ノベライズ。
映像ではカットされたNG設定や敵ドラスの生い立ち、望月父子を通して書かれる“家庭”。
また主人公麻生勝がかつての本郷猛と同じく改造人間になった者の苦悩や葛藤などを物語を通して書かれる。麻生勝が本郷猛をイメージされているのは有名な話。

映像ではドラスの細胞から生まれたコウモリ男やクモ女だが、小説内ではドラスの細胞に憑かれた不良や宏少年の担任女性教師が変異し疑似ネオ生命体に近い設定とされる。いわば改造人間であり彼らは同族として書かれている。
“仮面ライダー”であることの同族を倒すことへの葛藤を踏まえている。

またドラスの少年体が顔は少年なのに身体は女性というのも望月博士の亡き奥さんを模したことなども語られドラス=ネオ生命体(少年)がギリシャ神話の仮想空間を用いて望月博士を苦しめる描写などあり知性の高さと少年としての本来の子どもらしさのアンバランスさを兼ね備えた生命であるというのも興味深い。
本書は“仮面ライダー”をややグロくホラー的にも扱っていることも追記する。

No.31 17/01/23 10:41
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小説 JIN-仁- 原作:村上もとか/著:日下部匡俊/集英社

同名漫画のノベライズ。
現代の医師南方仁が幕末にタイムスリップをして勝海舟、坂本龍馬と知り合い歴史を変えて行く歴史ロマンでありまた一方では武士の娘である橘咲、花魁の野風、市井の人々と知り合い現代の医療で人々を救っていく物語。
現代の医療が歴史改変に挑む壮大な物語であるが、咲や野風との淡い恋愛を書いた物語。

完結編については現在、読書中であるため別頁に譲ります。

No.32 17/01/25 05:56
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小説 JIN-仁- 龍馬、最期の日/原作・絵:村上もとか 著:日下部匡俊 集英社 JUMPJbooks

同名漫画のノベライズ完結編。
山田純庵や野風、役者澤村田之助などの出逢いを経て幕末の激動期の江戸で仁友堂を設立し生きてゆく南方仁。
野風は囚われた仁や咲を救うために外国人ルロンに救いを求めるなか彼こそが花魁でもなくひとりの女性としての自分の居場所であると確信する。
自分のためにルロンに嫁ぎ、仁にそれとなく自分や咲の女心を諭す野風。
咲や江戸時代の人々とふれあうなか変えられることがあるなか咲にようやく自分の身を明かす仁。

だけど物語は刻一刻と龍馬暗殺の日が近づく。
なんとか龍馬を暗殺から救わんとする仁だが、暗殺の日が遅れただけで龍馬が殺されることは変えられなかった事実。
しかし龍馬の命を救わんとする治療のなか過去と未来を行き来する不思議な体験。
かつて現代で自分が治療した包帯の男もまた仁である真実。そして謎の胎児腫瘍は龍馬である事実。
龍馬もまた死ぬ間際の意識に現代の日本をかつての佐久間象山のように見てすべてがわかり納得する。
そしていつかふたりの仁のループは永遠ではなく江戸時代に残る仁もいつかはループから離れることを知る。

ドラマでは仁が歴史が変わった日本に舞い戻りすべてを知ることで終わるが、小説ではとりあえず仁が現代に再び戻ることを龍馬が示唆しているだけで彼は龍馬から時代の後を託された形で終わる。
もしかしたら咲と結ばれたかもしれない。

漫画『JIN-仁-』を読んだひとはなおさらドラマをみた人にもおすすめのシリーズ。

No.33 17/01/28 08:49
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ゴジラvsキングギドラ/田中文雄/朝日ソノラマ

平成ゴジラシリーズ同名のノベライズ作品。
同名の小説作品ではあり大幅な物語のほぼ同じだが、冒頭に未来人たちが金星に行きキングギドラの細胞を採取するところから始まるが本作品においては間接的に昭和ゴジラとのつながりを匂わす。
たびたび地球がキングギドラにやられた、という台詞からかつての昭和ゴジラシリーズ後期あるいはキングギドラ襲来からが未来においての物語ともとれなくない。
物語を現代に移しライターの寺沢健一郎は“恐竜を見た”という池畑益吉に取材を申し込むなか東京にUFOがあらわれ眠りについたゴジラとの関係が明らかになる。
寺沢たちは池畑と共に恐竜を見た新藤靖明に出会い戦時中の南方ラゴス島での出来事や恐竜を知りある仮説を立てる。
ラゴスの恐竜が実は水爆実験により誕生したゴジラではないか?と。
UFOから現れた未来人たちは寺沢やゴジラ対策室の三枝たちに政府を通してコンタクトを取り彼らと共にに過去に向かう。
そこで未来人たちの提案により過去のゴジラザウルスを現代にタイムスリップさせることでパラドックスにより現代のゴジラは消滅する。
一見、平和になったと思いきや今度はゴジラに代わりキングギドラが襲来!日本を襲う。
実は未来人の企みは未来で膨れ上がった日本や日本経済を潰すのが目的であった。
キングギドラに対抗する手段がないが、現代の核=新藤が保有する原潜で恐竜であったゴジラザウルスをゴジラにしようとする。これは米軍により阻まれるが結果的にゴジラは現代の核エネルギーで復活。
あいまみえるゴジラとキングギドラ。敗北するギドラ。
未来人たちの企みは阻止されるがゴジラの猛威は止まらない。
そこでギドラを未来人の技術でメカギドラにして対抗する。
新藤は暴れるゴジラにかつての恐竜への思いを馳せながら散る。
日本がこれまでか、と思った時にメカギドラが復活!
両者の戦いは東京を破壊しながらも辛くもメカギドラの勝利。だけどゴジラは眠りについただけで完全な勝利とは言いにくい。

本作品はタイムトラベルもの、日本のバブル経済期の象徴でもある。
ゴジラ誕生に焦点をあてたことや小説ならではでの昭和シリーズとのつながりを匂わすなど注目点あり。
現代人の主人公と未来人のヒロインが実は○○であるなどオチが利いている。

No.34 17/01/28 13:56
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アドバンス オブ ゼータ ティターンズの旗の下に(上巻)(下巻)/今野敏/メディアワークス文庫

グリプス戦役、そして軍事裁判。若きパイロットの二つの戦い。(上巻帯)
ティターンズであること以上に小隊の仲間が誇りだった。(下巻帯)

アニメ『機動戦士ゼータガンダム』では敵側であったティターンズ側のテストパイロットのひとりを主人公に据えた物語。
主人公エリアルドが所属したのはかつてのソロモン、現在はコンペイトウと名を変えた小惑星に所属するテストモビルスーツ部隊。
物語は『グリプス戦役』中と戦後を交互に描写しながら彼が所属したティー3部隊が行った任務やまた開発されてた新型ガンダムに裁判な焦点があてられる。
エリアルドを弁護するコンラッドはあらゆる手を用いて彼を無罪にしようとするがティターンズがガンダムを開発してた事実を抹消しようとする連邦もまたあらゆる手を尽くそうとする。
エリアルドのかつての仲間を監視があるなか可能な限りあらゆる法律や手段を用いて弁護し反撃してゆく。

従来のガンダム小説は戦争中が主に舞台になるが、本作は戦後と裁判にも焦点があてられてるのが特徴。
また敵であるジオン側パイロットのゾラという人物にも焦点があてられ一部は彼の物語でもある。
興味深いのは敵味方問わず等身大の人物として誰もが書かれ登場し戦いを生き抜き戦後、もとティターンズというだけで生きにくくなってしまった人物たちもいること。
戦争の残痕を背負いながら生きている人間がいてなおかつ権力による戦後裁判があるという事実。
筆者が硬派な作風を書いているのが伝わる作品。

No.35 17/01/28 19:32
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G-Taste1 至福の一瞬
2 ひそやかな悦楽
3 みつめる瞳
原作 八神ひろき
作 セクシーファンタジィライティングスタッフ/講談社マガジンノベルス

かつて一世を風靡したフェチ漫画『G-Taste』のオムニバス小説。
人物たちの日常と非日常のえっちを文章で表現されているのが魅力。
ただし官能小説ほどではなくあくまでヒロインたち側の心理や精神面を書いている雰囲気。えっち度はほどほど低めかも。
フェチ的なひと向けと思われます。

No.36 17/01/28 19:56
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スーパーロボット大戦
1マジンガーvsゲッター
2ゲッターvsゲッター
3マジンガーvsマジンガー
著 団龍彦
画 石川賢&ダイナミックプロ

スーパーロボット大戦とあるが正しくは『マジンガーシリーズ』と『ゲッターシリーズ』のみ共演を描いたかつての東映アニメ版及び劇場映画の続編であり『ガンダム』など他シリーズは出ませんのでご了承ください。
物語は『UFOロボグレンダイザー』及び『ゲッターロボG』終了後の世界観で主人公は主に『マジンガーZ』の兜甲児、ヒロインに弓さやか。グレートマジンガー剣鉄也らとゲッターチームは物語のなかでさやかと共にタイムトラベルを経験しタイムスリップした甲児や未来人たちを助けていく。
物語は光子力エネルギーの力を使いクロノレプトン(時間移動させる粒子)を発見したライオネル博士と弓教授たちの実験から始まり未来にタイムスリップした甲児とさやかから始まり未来世界は恐竜や機械巨人たちが支配する世界であった。
そして未来人たちの言い伝えにより封印されてた鉄の城マジンガーZ。
Zと共に未来人を救う甲児だがさやかは行方不明。
しかしピンチのなか現れたのはグレートマジンガーやゲッターロボGたち。そしてさやか。
明かされる未来世界の謎。
クローンの武蔵や旧ゲッター、誕生していないゲッターロボゴウや真ゲッターロボの脅威にさらされながら苦戦する甲児たち。彼らの前に現れたのは鉄也の宿敵闇の帝王ギャラハン。
闇の帝王に乗っ取られたグレンダイザー。
闇の帝王に反逆するパリアッチョ=あしゅら男爵。しかしあしゅら男爵は自らつくったデビルマジンガー=ドクターヘルに敗れる。
物語は最後は現代に戻り激突するデビルマジンガーに対するは生まれ変わった現代のマジンガーはゴッドマジンガー(マジンカイザー)。

本作品はどちらかというと東映アニメ版寄りな作りだがマジンガー、ゲッター両シリーズが時間移動を兼ねながらフォローされている。
乗っ取られたグレンダイザーの本来のパイロットはシオン・フリードというデュークの子孫が未来の地球に駆けつけたが彼は闇の帝王に敗れたらしいことが語られる。
また本作品のイラストは亡き石川賢氏が描かれ迫力あるものに仕上がっている。

No.37 17/01/29 20:22
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手塚治虫cover【タナトス編】より 火の鳥 アトム編 著:二階堂黎人

未完に終わった火の鳥シリーズは本来は未来編とアトム編が融合した物語だったらしく未来世界の地球と別次元の地球を入れ換える電子コンピューターだったが失敗に終わる。
アトムはお茶の水博士、天馬博士の協力のもとなんとか阻止しようてするが彼の存在をもってしてもすべてが滅んでしまう。彼がいた地球は無と化してしまい火の鳥はアトムの願いを叶えるという。
人間でも神でもいいからなりなさいとやさしく諭すがアトムは拒否する。
人間は愚かと諭す火の鳥にアトムは言う。
もう一度人間にチャンスをください、と。
火の鳥はアトムの願いを聞き入れ地球をゆっくり静かに再生されてアトムの涙から緑が生え地球が再生されるところで物語は終わる。

短い短編ではあるが火の鳥とアトムの物語を融合させうまくまとめてある。
だけど未来編での電子コンピューター同士の争いは旧式であるアトムでは止められないまま滅ぶ。
余談、NHK『100分で手塚治虫』によると手塚氏が度々作品で人間のいない滅んだ世界を書くのは戦争体験によるらしいことかららしい。
天馬博士はこの作品では理屈抜きに「マンガ小説だから」ということで難しい理屈は抜きにされた存在になってる(笑)。
だけど興味深いのはアトムが生みの親の天馬博士、育ての親のお茶の水博士の両者の力を借りている点。ウランなど他キャラは出ませんが。
だけど人工生命体=ロボット=被創造体が自然生命体=人間たちに慈愛を持つ点もまた興味深いところ。
天馬博士により生まれお茶の水博士に育てられたアトムだからこそやさしい心が宿っているのかも知れません。

No.38 17/01/30 21:20
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GATCHAMAN ガッチャマン
1《火の鳥、翔ぶ!》
2《シンデレラ作戦》
3《さらば!コンドル》
著:柿沼秀樹/ソノラマ文庫

本作品は70年代の初代『科学人じゃ隊ガッチャマン』を90年代にリメイクされたオリジナルビデオアニメ版のノベライズ。
一巻はサブタイトルこそちがうがオリジナル第一話同様に「ガッチャマン対タートルキング」のリメイク小説版。
全三巻の短い構成からキャラクターの背景や活躍は比較的に絞られているものの一巻の時点でジョーが敵ギャラクターに復讐を誓う背景や旧友トッド(実はギャラクター幹部)の再会と戦い、二巻でジュンが人助けから変身ブレスをなくすものの実は爆発事故を起こした建物にはギャラクターに加担する企業の実体そしてピンチの科学忍者隊の前に現れるレッドインパルスとその隊長(主人公大鷲の健の父)、三巻でジョーに焦点が絞られ記憶再生により亡き両親の仇がベルク・カッツェと知り勇み足から単独行。
それ故に三巻ではジョーはほとんど終盤まで四人と合流しない。
また総裁Xについては他銀河系からやってきた超コンピューター知性体とされ地球を他銀河系の戦争に取り入れ人的資源から地球そのものの資源すべてを吸い尽くす驚異的存在に改変されている。
余談ながら科学忍者隊のブレスレットやメカなどのオーバーテクノロジーは総裁Xと対になるもう一方の存在から送られ可能な限り実現されたものとされている(OVA版ではガッチャマンたちに酷似した鳥の人みたいな姿とされる)。
全三巻と短いもののオリジナル作品105話すべての再現ではないが要所にガッチャマンらしい魅力が詰まった作品。
またOVA作品と比べてみるのも一興である。

No.39 17/02/01 05:16
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小説 仮面ライダー龍騎/井上敏樹/講談社キャラクター文庫

同名特撮ドラマのノベライズ。
願いを叶えるため、それぞれの正義に戦う仮面ライダーたちの物語。
ただし小説版ではOREジャーナルの存在や人物はなくなり代わりに主人公城戸真司(龍騎)の背景が田舎の村に置き換えられ彼がなぜ人助けをするか語られる。
もうひとりの主人公秋山蓮(ナイト)については基本的にテレビ版と変わりないが、物語のヒロイン神崎優衣と肉体関係となり共にしているアダルトさを醸し出している。
ライダーバトルそのものについてはテレビ版とほぼ同様だが“仮面ライダー”の力は変身ヒーローより魔法や魔術などに近いアレンジ。
また物語全体はテレビ版と映画版『エピソード final』の折衷的物語。
それゆえに『final』のヒロイン霧島美穂(ファム)が真司に深く関わる。
『仮面ライダー龍騎』好きはおすすめ。

No.40 17/02/02 07:39
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書店ガール(原題:ブックストア・ウォーズ)/碧野圭/PHP文芸文庫

舞台は吉祥寺にあるペガサス書房店につとめる理子と新婚の亜紀を中心に大型書店の物語。
書籍、コミック、文芸書など売ったり編集者との交流があるなどを書いている。
その都度、理子と亜紀はぶつかりあうものの互いり理解を深めていく。
しかし店員たちからのやっかみや妬みなどもあり必ずしもうまくいかない。
そんななか自分たちの本屋が本社からつぶされるというのを新店長になった理子は亜紀たちに知らせ奮闘してゆく。
理子は店長になったばかりの日に父が倒れまた新婚の亜紀も旦那とうまくいかない日々が続き悩む。
が、それらも少しずつ改善されてゆく。
しかしお店の売り上げは伸びたものの現在の社長からはお店はつぶされてゆくのが決定する。
電子書籍部門の担当にならないかと社長から誘われるが理子は断る模様。
ラストは店を共にした亜紀や仲間たちと共に門出を祝って終わる。

ドラマ『恋する書店ガール』では理子がちいさな本屋をかまえて亜紀が時おり顔を出してエンディングだったと思いますが、これはドラマの改編だったと思われる。
※ドラマ『恋する書店ガール』の原作と思われます。

No.41 17/02/02 20:09
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小説 仮面ライダーEVE
1 誕生編
2 哀哭編
原作 石ノ森章太郎
ストーリー 早瀬マサト
イラスト 紺野直幸
出版社 講談社

物語は200X年8月静岡県西部に発生した地震により富士山麓を訪れたFBI捜査官滝二郎(漫画版における滝和也の役割)が山麓にあるショッカー基地を調査し生き残った記憶喪失の門脇純の人生や記憶、過去の喪失などの孤独を経ながら進み滝とともにかつての“仮面ライダー”たちの戦いを知りながら居場所を探し“仮面ライダー”として生き戦う物語でもある。
戦いのなかショッカーに居場所や愛情を求めながらも平和に生きるかつての同級生やその愛娘との出会いを経て愛車マシンクルセイダーを得てさらなる戦いに臨む。
しかしそんな中に再会する父親ジェイド。
父親からの誘いに迷いを見せながらも戦う姿勢を見せながらある容疑から純は警察に逮捕勾留される。
2号ライダー一文字隼人からは敵視されまたライダーマン結城丈二から警察から救われ結城からかつての戦いを聞いたことにより失意から立ち直り隼人と和解する。
また立花藤兵衛はいまの戦いの最中、孫娘かもしれない如月恭子と出会う。
しかしショッカーの野望はとどまることを知らず徐々に世界征服、ジェイドと純に隠された秘密が明らかになる。
激しくなる戦いのなか甦る仮面ライダー1号本郷猛。そして集結する10人の仮面ライダー。

本作品は石ノ森章太郎の漫画版「仮面ライダー」と「V3」〜「ZX」までの特撮版の折衷した世界観となっている。
が、主人公門脇純が使用するマシンクルセイダーについては「ファイズ」のスマートブレイン社製とさりげなく平成ライダーとつながりがあるようにほのめかされている。
如月恭子、そして進藤晶このふたりは「キカイダー」のミツコマサル姉妹、カメレオン怪人は「アマゾン」のモグラ獸人「009」の007グレート・ブリテンへのオマージュがあると思われる。
物語のクライマックスには滝二郎が10人ライダーと「サイボーグ009」が兄弟であるかのようにメタフィクション的に示唆されている。
物語のエンディングは本郷猛は再び眠りにつくなか残された9人ライダーや滝二郎は純の生存、そして仮面ライダーの存在意義を問う。
そしてラストに本郷邸を訪れたのは……。
昭和仮面ライダーが好きな人におすすめ。

No.42 17/02/05 13:01
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相棒 season5(上)
第三話 「犯人はスズキ」
あらすじ
柳瀬町という町で喧嘩が起こりたまきから知らせを受けて右京と薫は捜査におもむく。
すると町の誰もが「鈴木」なる人物を口にし捜査してゆく。
たまきもまた「鈴木」なる人物を目撃していた。
しかしふしぎなのは子どもたちにさえ防犯ブザー所持させてる犯罪防止意識の高い町なのにと違和感をおぼえる右京。
後に「鈴木」の正体は江島という男と判明。
しかしその江島なる人物は自殺したという。
あらためて事件で「鈴木」なる人物を口にしたのは正しくは町の誰もがではなく長く町に住んでいた五十代以上の人物に特定される。薫は偶然では?という。
そして薫は過去のアニメキャラのグッズをみつけ過去の事件と合致することにふたりは気づく。
ことの真相は町会長たちによる町ぐるみの狂言だった。
江島に金を握らせ「鈴木」を演じさせたまきを目撃者にさせること。
白坂、江島に子どもをかつて殺した男を殺したことを隠すために「鈴木」をでっちあげていた。
しかし町会長を含め鈴木をでっちあげた人たちはいつの間にか「鈴木」がいるように呟く。
江島を殺したのは彼から真実が漏れるのを防ぐために殺人を犯してしまう。

基本的に町の住人たちは善人として演出され書かれているが最後は町会長含めみな「スズキ」を信じてしまう妙なオチ。
たぶん右京と薫が過去の事件に気づかなければ『世にも奇妙な物語』みたいに「スズキ」がいたと錯覚させる面白さがある物語。
個人的にはニュアンスとしては『世にも奇妙な物語』に近い感想を持つ📝。

No.43 17/02/06 07:22
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サイボーグ009 完結編 conclusion GOD’S WAR 1 FIRST
原作:石ノ森章太郎
著:小野寺丈
出版社:角川文庫

亡き石ノ森章太郎氏のライフワーク『サイボーグ009』の完結編。
生前に石ノ森氏はなんとしても完結させたかったが病に伏せながらアイデアノートをしたためながら息子丈氏に託した作品の一巻目。
冒頭驚きなのは生前の作者石ノ森先生の前に001イワンの力を借りて現代に現れたギルモア博士と対面する。
そこで聞かされたのは9人の若者がサイボーグにされたこと。サイボーグたちが幾多もの悪と戦ったことなど。
ギルモア博士は言う。
イワンのテレパシーを石ノ森先生が受け取り彼の感性がサイボーグ009という作品にあらわれたと。
ギルモア博士は『天使編』『神々との戦い編』が未完なままを問う。
サイボーグたちはそれぞれ神の存在を確信してるともいう。
しかし石ノ森先生も彼に問う。
彼が持ってきた全集に『完結編』がないことに気づく。
ギルモア博士はなぜかぼかすように言い消えてしまう。
一巻では001から004までの物語を個々に描きそれぞれのサイボーグが“神”と称す存在に出会いなにかが動き出してるふしぎかつ世界になにかが起こり出している雰囲気。
イワンでさえ怯え、ジェット・リンクは探偵稼業のなか遭遇しフランソワーズもふしぎな体験をしハインリヒは過去を繰り返すかのような体験。
謎が謎を呼ぶ展開になっている。
ちなみに002ジェット・リンク編『摩天楼の底』のみは生前石ノ森氏が第一稿のみあったらしく小説化に至った模様。

No.44 17/02/07 07:22
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サイボーグ009 完結編 conclusion GOD’S WAR
1 FIRST
2 second
3 THIRD
原作:石ノ森章太郎
著:小野寺丈
出版社:角川文庫

00ナンバーのサイボーグたちとギルモア博士が相対する“神”もしくは“天使”との出会いから始まるそれぞれの物語が発端となる。
物語は少しずつ謎を呼びながら日本に集結するかつての仲間たち。
“神”にやられてゆく00ナンバーたち。
しかし更なる蘇生と改造手術を施すギルモア博士。葛藤する00ナンバー。つけいる“神”。
イワンの覚醒により更なる進化するジョーたち。
すべてを語るイワン。
“神”と呼ばれる者たちは別次元の超過去からの存在であり“善”。
しかし彼らに相対する存在が生まれ“異端児”は“悪”だった。
“悪”と戦うには“神”たちが選んだのは“悪”に憑依すること。そして流刑地に送ること。
その流刑地こそ地球だった。
人が生まれながらにして“善悪”ふたつの心を持って生まれるのはふたつの存在がはじめから内に存在していたという真実。
しかし“神”が“悪”を滅ぼすにしてもふつうに生きる人々を苦しめてまでも戦うのは“善”や“正義か”と葛藤する。
彼らは人がふつうに生きることができる平和な世界を願う。
“神”にできるわずかな隙をつくほんの一瞬だけが希望。
そして世界は変わる。

エピローグで石ノ森章太郎先生からのメッセージ。
二〇一X年、ギルモア博士と石ノ森先生らしき男性は再び出逢う。
生まれ変わったのか平和に生きる9人の戦士たち。

一巻から二巻までは個々に00ナンバーが活躍する姿は漫画『仮面ライダーSpirits』序盤に似るがスケールがまた違う。ジョロニモは精霊と会いブリデンは劇場を舞台にと様々。
三巻になりようやく“神”と戦うがジョーたちが負ける描写がさすがにこれはないんじゃない。
後半はほぼ哲学の域に達してるんじゃないか思う展開。

石ノ森章太郎作品が好きな人にはおすすめのシリーズ。
壮大すぎる。

No.45 17/02/11 07:10
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機動警察パトレイバー TOKYO WAR(前編)(後編)/押井守/富士見ファンタジア文庫

もしも平和な日本東京が戦争になったらの架空戦争シミュレーションという本作品。
同名アニメ劇場映画二作品目のノベライズ。
小説では著者があとがきでも述べてるように紛れもなく本作品は『パトレイバー』であるということ。そして小説版では映画では出番が少なかった旧特車二課の面々に触れられ各々が短いながら活躍している。
しかし平和に生きるなかベイブリッジ爆撃事件を目の当たりにする南雲。そして南雲と後藤の前にあらわれる謎の男荒川。
過去と対面する南雲。
さらに“敵”は更なる手段を用いて先手先手を打ってゆく。
対立する自衛隊と警察。
“敵”に乗せられてるとはわからない警察上層部。
そして事態は最悪の方向へ。
“敵”が自衛隊内にいるならば見分けはつかない。盗人をそのまま招き入れるものと知らず。
自衛隊出動を命じるが政府を相手にしたものなら“敵”の勝ちだが、彼らの狙いは日本を戦時下に置くことで“戦争”を知らせることが狙いなことに最後に気づく。
ヘリに橋を落とされ通信網さえ遮断され孤立する都内。特車二課も戦力をやられるがまだ戦う手はあるという後藤。
集められる旧第二小隊。
そして大人として立ち向かう野明、遊馬たち。
最後の出動をする旧第二小隊と南雲。
物語は南雲と敵であった柘植の再会をもって終わり後藤隊長はフラれる……(?)。

東京を戦争シミュレーション下に置く本作品であるが『パトレイバー』なことを確認させるのがノベライズかも知れない。
だけど映像では語られない自衛隊や自衛隊が出動した時における事情やリスクなど後編になり記されているのも魅力。
地味ではあるが戦争をするという行為はお金だけでなく人員や食料などが疲弊する現実的な事実もある。
そしてそれらが尽きた時には戦えることさえできなくなる。戦争をした時の最大の欠点を後編は如実に記している。

No.46 17/02/23 17:48
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∀ガンダム/福井晴敏/ハルキノベルス

ガンダムファンを自認している福井晴敏氏による∀ガンダム小説。
基本的な物語の流れは概ねアニメや角川スニーカー版と同じだが描写やディテールは細かく奥深い。
人物たち敵味方それぞれの流れもアニメとは異なる展開であり主人公ロランをはじめ皆戦争という時代に流されてゆく悲哀がある。
また月にむかい黒歴史の真相を知る際、初代『ガンダム』から『Vガンダム』までは立体映像として流れる描写があり本作品が宇宙世紀から連なる作品であると知らされる。
また“ニュータイプ”“ガンダム”という名称も多用されているのが特徴。
しかし人物ひとりひとりに触れると物語のなかに翻弄されていく感じは半端ない。
ただ戦争が終わる頃には皆なんらかの形で間違いを心から思い知り大半の人物は改心する機会や日常を取り戻すきっかけが一部の人物たちを除き与えられる。
ただ主人公ロランにいたっては物語終盤でかなり疲弊していて涙を誘う。
しかし彼にも物語の最後は救われる。
ふこうな出逢いはガンダムシリーズ定番であるが今作品は救いは与えられている。
しかしディアナやグエン、ハリーなどいくつかの人物はふこうな末路をたどる。
その辺はまた考えさせられるところ📝。

No.47 17/06/15 15:17
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小説 おジャ魔女どれみ(全七巻)/栗山緑/講談社キャラクター文庫

テレビアニメ・OVA『おジャ魔女どれみ』の続編。
物語は高校生になったどれみちゃんたちの成長物語。
同窓会から物語が始まり晴れて高校生になれたどれみちゃんたち再び大阪からやってくる瀬能あいこちゃん。
かつてのMAHO堂の前を通りかかるとマジョリカやララたちと再会しMAHO堂を再び三人でやることに。
しかしおんぷちゃんは芸能界からも失踪扱い。
はじめは魔女見習いをすることに躊躇いや葛藤あるもののどれみちゃんたちは復活。オヤジーデの協力もあり北海道におんぷちゃんがいるのがわかる。
おんぷちゃんの悩みを聞きながらどれみちゃんのおじいちゃんのいる地を訪ねて漆塗りの職業と芸能界での自分を重ねるおんぷちゃん。
その後復活してゆくおんぷちゃん。
だけど彼女は魔女見習いについては保留。
その後一巻ラストに飛鳥ももこちゃんが魔女見習い姿で登場。
その後も二巻から高校生活の物語をいろいろ絡めながら悩み葛藤し挫折もあったりしながら成長してゆく。
主は五巻までしか読んでないので六巻七巻の内容は知りません。
『おジャ魔女どれみ』が好きな人はおすすめ。

No.48 17/06/26 05:43
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水木サンの幸福論/水木しげる/角川文庫
ゲゲゲの女房/武良布枝/実業之日本社文庫

生き方に迷っている人たちに是非読んでほしい

No.49 17/07/01 09:47
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宇宙刑事ギャバン THE Novel/小林雄二/朝日新聞出版社

一条寺烈、蒸着!
映画『宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』に連なる新たな物語、誕生!
伝説のヒーローが完全オリジナルストーリーで小説に!
父と子の絆を守るため、レーザーブレードで
悪を斬れ!!
(帯より)

物語は映画『ゴーカイジャーvsギャバン』の後日談より始まりギャバン・烈の一人称で主に語られ舞台は地球と異なるアーム星。
アーム星で新たな相棒をシェリーにし向かうがアーム星は様相を変え烈がかつて鍛えた弟子ジュリアは敵に寝返っていた。
またジュリアの弟ハクは勇者であり父の息子の素性を隠し敵に囚われていた。
物語はギャバン・烈を通しジュリアとハク姉弟の星を守る物語。
たが悪でエゼキエルはかつてのマクーとドン・ホラーに魅せられしジュリアとハクたちを苦しめ星に復讐する悪の科学者として烈、シェリー、ジュリアとハクに立ちはだかる。
雰囲気としては『宇宙刑事ギャバン』そのままに悪にやむなく寝返ったジュリアや弟ハクが勇者になる物語などは80年代ヒーローを彷彿させている。
『ギャバン』好きは読んで損がない一冊。
また物語の最後に二代目ギャバンとなる人物に触れらている。

No.50 17/07/10 05:36
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密会 アムロとララァ/富野由悠季/角川スニーカー文庫

『機動戦士ガンダム』のノベライズは先に全三巻でやや設定や物語がアニメとは異なるものがあるが『密会』はアニメに準拠している。
アムロ、ララァ、シャアの三人の出会い戦い別れに物語が焦点になっている。
ニュータイプの在り方をアムロとシャアはララァとの出会いや別れで体現しアムロはニュータイプの在り方をテレビ最終回と同様に示す。
ララァ視点の物語を冒頭や最後まで持っていき彼女の視点で読める点がこの作品の特徴。

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