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沙耶香の女装官能小説(女装モデル編)

No.492 17/12/04 14:38
作家
あ+あ-

ゲラ刷り。
本が発行発売される直前の試作本。ほんの少し紙が堅い感じだが内容が変わることはほぼ少ない。私が手にするのは四度目。表紙に“沙耶香の小説、初めての女の装い”とややちいさいが目に映るようには文字がある。
「ほんとひとが仕事した結果なんだから有り難く思いなさい」
はい、と受け取る私に麗奈は嬉しそうだけどなぜかどこか寂しそうは気のせいだろうか。ぱらぱらと頁をめくり体験談や小説はだいたい本の真ん中や後半。
“初めての女の装い”
作者に私の名前があり前三回で載ったモデルのうちのプロフ写真がなぜか一年前ほどなのに古く見えた。イラストは美麗な感じで美化されている。
ほんの五、六頁ほどの短編のなかに女装に魅入られた主人公が異性や洋服に興味をおぼえ母親のランジェリーに密かに手を出しオナニーをし少しずつ女装を手探りでおぼえていくところで物語は終える。
「どう?自分の物語は」
「……うん。こんな風に載るんだ」
「それだけ」
「いまはなんとも言えないだけ。ルイさんたちも読んでくれたかな」
瞬間彼女の表情がハッとし変わった時にインターホンが鳴り宅配便が来て便を見ると“EYE”からだった。
近くなのにわざわざ宅配便と思い開けると中には欲しかったランジェリーがマネキンの胴体付きで入っていた。
「お祝い?」
あれから数日が経っていたがお祝いにしては妙に他人行儀な感じがした。そこへ麗奈がおそるおそる口をはさむ。
「あの」
「なあに」
「実はヒトミたちこの街から離れたらしいの」
冗談のように聞こえた。
「ヒトミたち性転換したお父さんを探すために離れたの。沙耶香によろしく、て。生まれてくる子どもたちは大切にするからて」
「な、冗談でしょう」
いったんベランダから丘にある“EYE”を見るが夕闇でわからず私は思わず麗奈が呼ぶのを無視し走り出した。
途中住宅地を行き交う車に当たりそうになりながら“EYE”を見つめた。
そこには二階建てのお店兼住宅にはわずかに綺麗な看板が残り明かりはひとつもなくインターホンから音も消えていた。
あまりにあっけない別れに私は「なんで」を繰り返す。麗奈が追いつき私を抱き締めた。
その様子を三人の美しい影がマンションの屋上から見つめる。
別れ言いたかったな
ちゃんと言ったわ
さようなら
三人の美姉妹は姿を消していった。

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