消えたかった頃の話

私は数年前から、ストレスにぶつかり始めた。小学6年生だった。

ストレスの原因は、隣のクラスの先生だった。その先生はお気に入りの生徒とそうじゃない生徒との差が激しかった。

嫌いな生徒には、毎日毎日怒鳴っていた。「毎日疲れないのかな、この人」とか思いながら怒られないように、目立たないように生きていた。

ある日、ついに私が怒られた。
学校が忙しくなってきて、その先生はすごく苛立っていた。

そんなときに、私のクラスに「時間にルーズなところをなおそう‼」という貼り紙をすることになった。

私はその紙を貼る係だった。そこにその先生が通りかかってしまった。

「高学年なのに、こんな初歩的な事をクラスに貼るな。誰かに見られたら恥ずかしくないのか。(指導がなってないと思われるだろ。)恥をかかせるな。」

といった内容を怒鳴っていた。
あまり覚えてはいないけど。

ただ、目の前にいる男が怖かった。小さい頃、怒鳴って私を叩いてきた父親とそっくりだった。

トラウマを思い出した私は、怒られた次の日から学校に行くのが怖くなった。
毎日、逃げ出したくてたまらなかった。

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学校に行きたくなくなった私に、
追い打ちをかけるかのように、私はある男の人に裏切られていた事を知った。

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その人は、低学年の頃の担任だった。

その担任は、人当たりが良く教育に熱心だとかで保護者からの信用がすごくあった。

私も、その担任が大好きだった。

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私は小学6年生にもなり、思春期に入る。
性的な知識が増えていった。

ある時、「痴漢」という言葉の意味を知った。

勝手に体を触ったりするらしい。
ひどい。最低だ。

あれ？
私も触られた事、たくさんあったよな。

私の中で、ある疑問ができた。

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調べていくうちに、疑問が、疑惑が確信に変わっていく。

私は低学年の頃の担任に、わいせつ行為をされていた。

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その担任は、私を膝の上に座らせて服の中に手を入れて、私の身体を触っていた。
小さかった頃は、その行為の意味を知らず、なんなのかよく分からないまま過ごしていた。

あれは、最低な行為だったんだ。
大好きだった先生が、気持ち悪くて仕方がかなくなった。吐きたくなった。

裏切られていたのか。
信頼を踏み潰された。

そいつは今、何十歳も離れた女性と結婚して県外に移動したと噂で聞いた。

本当かは分からない。
もしかしたら、バレたのかもしれない。
でも大事にはされていない。

今でもいい教師だったとまわりは言っている。
本当は、ぜんぜん違うのに。

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その事実を知ってから、視界が急に色褪せていく。

怒る教師と、叩く父親と、蹴ってくる妹と、私を取り巻きの駒にしか思っていない友達と。

まわりには味方が一人もいなかった。
孤独だった。

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世界の汚い部分を知るのが、きっと遅すぎた。
もっと早く気付いていれば、何か変わったのかもしれない。
でも遅かった。
こんなことならいっそ、気付きたくなかった。
記憶の中くらい、綺麗なままが良かった。
悔しかった。

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私はたぶん、鬱に近い状態だった。

皆に私は嫌われている。迷惑ばかりかけて、逃げ場もなくて。
私は私が嫌いだった。
今でも好きじゃないけど。

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10月の半ば。
私はその日も人に迷惑をかけた。
帰ってきてから、毎日泣いていたのに。
その日は泣くことすらうまくできないほど疲れていたみたいで。

気付けば手にはハサミがあった。

腕には大切な血管があると聞いたことがあった。

私は気付いて欲しかったのかもしれない。俗にいうかまってちゃん、とやらだ。

それでもよかった。
気付いて欲しかった。
助けて欲しかった。

変えたかった。

私は、自分を傷つけてしまった。

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ハサミでは思っていたより傷かつかなくて、小さい円の形をした傷口(4ヶ所)から血が少し流れただけだった。

出血も多くなく、幸い命にかわりはなかった。

でも、少し変だった。
傷口が痛いはずなのに、心臓がもっと痛かった。

お母さんに見つかって、手を切ったことを伝えた時の表情を、たぶん私は、一生忘れない。

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母は私より泣いてくれて、抱き締めてくれた。
私は一人じゃないと教えてくれた。

その日は母と一緒に寝た。
暖かくて、安心した。

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それから少しずつ、日常を取り戻していった。

中学受験をしたり、ショッピングに行ってみたり、少しずつ、環境を変えてみた。

それがいい方向に向かい、私は小学校を卒業するころには、また元気になっていた。

受験した学校は私に合っていたらしく、友達も好きな人もできた。
大切な人ができた。

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それから私も成長して、大切な人に今まであった事を話すか悩んだ。

そして今は、まだ話さない事にした。

ただ、どこにも吐き出さずに生きていけるほど私は強くない。

だから、ここに書かせてもらった。

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もし、このスレを見てくださったなかに、辛い状況の人がいるのなら。
助けを求める事を諦めないで欲しい。
電話やメールで、正しいところに助けを求めたり、切手のいらない専用の紙に相談をして送ると、返事をくださるところがあります。

怪しいところではなく、信用できる所に。

こんな私がいえることではないのかもしれないけれど。
生きる意味を見つけられる所はきっとあります。きっと、それを探すのが人生です。

だから、生きることをどうか諦めないでください。
お願いします。

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ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。

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