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みそらと愛梨

レス33 HIT数 3575 あ+ あ-

らぴ( ♀ SfIaob )
20/07/17 09:04(更新日時)

中学に入学し。一年生 二年生とただ同じような生活を繰り返し。気がつけば私は中学三年生になっていた。それまでの日々で親友と呼べる者もなく。今までただのクラスメートとして接してきた同級生達なのだ。三年に進級してもきっと何にも変わらないのだろう。。と、
私は机の傷を撫でながら。少しもの悲しい気分に浸っていた。
知っている顔。知らない顔。数十人の生徒が
狭い教室の扉から一気に押し寄せ。
これまで静かだった教室は。瞬く間に色んな声で溢れかえった。
私はまた机の傷を眺めながら。これから一年間過ごしていくクラスメート達の声に埋もれながら。肩を丸めていた。
私はマジ友がいないのではなく。作らないのだ。中学でできた友達なんか。きっと高校に進学したら。お互いの事なんか忘れてしまうし。連絡も取れなくなってきっとただの思い出に変わってしまう!そんなのが嫌だから私はマジ友を作らないのだ!

何分過ぎたのか。私の中では数時間位は経過した感覚だったのだけど。後ろの席から背中をトントンと叩かれ私は気がついた。

「なぁなぁ、アンタ『みそら』やろ?」

その声はあまり馴染みのない声で。言葉もまた馴染みのないものだった。

「うん。。」

私はゆっくり振り返り。声の主に向かって戸惑いながら答えた。

「やっぱりそうか~、」

彼女はどうやら私の事を知っている様子だったのに、私の方は全く彼女の事を知らなかった。

「なんで知っているの?」

当然だけど。私は尋ねた。

「あ、ゴメン、あたし『愛梨』二年の終わりにこっちに転校してきてん。」

彼女の答えは私の質問の答えになってなかった
けど。お構い無しに話し続けた。

「いやぁ転校三回目なんやけど。中々友達出来なくてなぁ、『みそら』の姿見つけたらなんや
嬉しくなって~』


いくら『愛梨』の話を聞いてても。私の欲しい答えたにどり着ける気配はなかった。

「あ。あの。。」

勇気を振り絞って『愛梨』に同じ質問を問いかけようとした瞬間。先生が教室に入ってきて
ショートホームルームが始まり。その件はうやむやにされてしまった。

こうして。友達をつくらない『みそら』と
友達をつくれない『愛梨』との物語が静かに始まっていった。


つづきは。。
共感があったらねー 笑。

No.3093587 20/07/03 16:18(スレ作成日時)

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No.1 20/07/03 16:55
らぴ ( ♀ SfIaob )

作。月夜リズ
さくじょ決定だなー 笑。

No.2 20/07/03 19:17
らぴ ( ♀ SfIaob )

>> 1 始業式もおわり。先生が教室を出ると。
すでに数人のグループができていて。みんな新学期が楽しいのか。声をあげてはしゃぐ男子や早速LINE交換する女子で教室は賑やかになっていた。
私の足はその横を通り過ぎ。教室をはや歩きで出て靴箱に向かっていた。

「みそら~!ちょっと待ってぇな~」

私が靴箱に着くと。遠くの方から今日存在を知った同級生が駆け足で追い付いてきた。

「はぁはぁ、、」

そいつは息を切らしながら私の肩に手を置き
すーっと。息を整えて話しかけてきた。

「なぁ、一緒に帰らへん?」

そんなことのために息が切れるまで走ってくるなんて。私には信じられない光景だった。
けど。私の口からでたのは素っ気のない返事で。今思うと恥ずかしくなる言葉だった。

「なんで?」

だけどそいつはへこたれなかった。

「ええやんか~、一緒に帰るくらい、それにな、朝の『なんで知っているの?』の答えまだやん?」

そいつは笑顔で私の顔を覗きこんだ。
私はもうその事はどうでもいいと思っていたのに。フイに知りたい衝動にかられ一緒に歩きだした。

暫く沈黙が続き。重い口を開こうした瞬間。先に口を開いたのはそいつだった。

「あ。。」

「なぁみそら、なんで一人で教室出たん?皆LINE交換したり、話したりしてたのに、なんでなん?」

私はその時イラッとして、そいつに言ってやろうと身構えたけど。それを割って入ったのは馴染みのある。。あった声でした。

「みそらー、久しぶりじゃーん!友達できたんだねーバイバーイ」

私は愛想笑いと腰辺りで手を振り

「うん。。バイバイ」

と答えた。

それを見ていたそいつは。私の心情も知らず質問をかけてきた。

「アレ友達なん?」

私は何故か口が開いた。

「友達。。だったかな?」

「かな?」

その時私は悲しかったのか。悔しかったのか。気づけばそいつに昔の事を話していた。

「さっきの子。小学校の時ずっと一緒でさ。『私達マジ友だよね?中学行ってもマジ友でいようね』って言ってたのにさ。中学入ったら急に別の友達作っちゃって。私とだんだん遊んでくれなくなって。だから私マジ友作んないって決めたんだよ。」

何で私こんな話をって思い。我に反ってそいつの顔を見ると。そいつは真剣に聞いていて
くれた。

「ダメやん!」

「はぁ!?」

思わず私は叫んでしまった。

No.3 20/07/03 22:15
らぴ ( ♀ SfIaob )

>> 2 「ほんまの友達って何?ずっと一緒におったらええの?」

そいつは怖い顔で睨み付ける私とは逆に。悲しそうな顔で話してきた

「・・・・・」

私は直ぐには言い返せなかった。

「その子だって、みそらの事を嫌いになって別の友達を作った訳やないと思う!別に友達作って遊んでくれなくなったから友達止めるんは、みそらが拗ねてるだけやん!」

「違う!」

「違わへん!」

私はもう泣きそうだった。下校する生徒達に見られてる恥ずかしさと。会ったばかりのそいつに見透かされてる恥ずかしさのために。だけど私は負けずに言い返した。

「違う!高校生になったら本当の友達に出会えるし!だから今は友達いらないの!」

「今のまんまやと出会えへん、もしな~出会えてもその友達が別の友達と遊んでたら、またバイバイするん?」

私はまた言い返せなくなった

「あたしは、、友達とは会ったり会わへんかったりもあるど、肝心な時におってくれるんがほんとの友達やと思う」

そいつが言うことは。心の中では分かっていた。

「何よりな~、怒ってくれたり、一緒に笑ってくれたり、泣いてくれたり、そう言うんがほんまの友達やん、、何泣いてんの~、あたしも泣きそうやわ」

私とそいつは。校庭で向かい合ったまま。ただ時が過ぎるのを待っていた。




「なぁみそら?」

「。。。なに?」




「恥ずかしいけど言うわ」

そいつは視線を逸らしながら私に言った。








「あたしと、友達になってくれへん?」

そいつは真剣顔で私に呟いたが。私はまた素直じゃない言葉を発してしまった

「。。裏切るよ」

流石に呆れられると感じた私は。そいつを通り過ぎようと二。三歩歩きだした

「裏切らへん!あたしは一生みそらを裏切らへん!」

普通。男子に言われたら飛び上がる程嬉しい言葉だけど。何故かそいつに言われて嬉しかった。そして時間が流れた。




「きもー。。」

「ええやん!キモくても」


「あのさー。。さっきの女子に言われても嬉しくないんですけど」

私は嬉しさを誤魔化すので精一杯だった

「えーと。。愛梨」

「やっと名前で呼んでくれた~、嬉しいわぁ、愛梨ちゃんでもええよ、」

「呼ばん。それよりさ。。」


「『何で名前知ってるの?』やろ?一緒に帰ったらわかるわ」

そういうと、私と愛梨は家に向かって歩きだした。

No.4 20/07/03 22:27
らぴ ( ♀ SfIaob )

>> 3 写すのたいへん(*´-`)ワラー

No.5 20/07/04 00:25
らぴ ( ♀ SfIaob )

>> 4 バスに揺られながら。私と愛梨はLINE交換をした。

「友達。。か」

「ん?どしたん?」

「なんでもない。。んふ」

私は堪えきれなくなって。少し声を漏らしてしまった。本当は愛梨にも聞こえたはずだけど。愛梨は聞こえなかったふりをしてくれたらしい。

バスに揺られて暫く行くと。私の最寄りのバス停が見えてきた。

「あ。私ここで降りるんだけど」

私は言葉と共に降車ボタンを押すと。『一緒に帰ればわかるよ』の意味を考えていた。

「あたしもここでええよ」

愛梨は私の顔をみつめると。腕を軽くにぎると。まだ停車しないバスの先頭に私をうながした。愛梨の行動に私は益々混乱した。

バスから降りると。何故か愛梨は私の家の場所を知ってるかのように。その方向へと歩きだした。暫くすると私の家に到着した。

「愛梨。。。?ちょっとよく分かんないんだけど。」

「まだ分からへん?ここなぁ、あたしの家やねん!」

そういうと。愛梨は私の家の向かいにあるお洒落な家を指差して見せた。

「ここ?えー!!ここ愛梨の家だったの?」

「そやねん、引っ越して来てなぁ初めてみそら見かけて、同じぐらいの子がおんねんなぁって思ってたんよ、それでな、たまたま学校で見かけて、聞いてみようとしてたんやけど中々勇気でんくてな、他の子に聞いたら、名前教えてくれたんよ、でもなぁ三年生になって、一緒のクラスになれるなんて~、ほんま軌跡やったわ」

愛梨は信じられない早さで喋り始めた。

No.6 20/07/04 00:31
らぴ ( ♀ SfIaob )

>> 5 もうげんかーい
今日はうつせなーい(*´-`)

No.7 20/07/04 14:21
らぴ ( ♀ SfIaob )

>> 6 「なぁみそら?後で遊びに来てもええかな?」

愛梨は照れ臭そうに私に言った。

「うん。いいよ」

私は戸惑いを隠せないでいた。それもそのはず。友達が部屋に遊びにくるのって。。いつ以来だろう?そんな考えが頭をよぎったからだ。

「ほんまに?嬉しいわぁ」

愛梨は満面の笑みを浮かべ。私の両手を握りしめた。

「ほな、着替えてくるわぁ」

そう言ったのも束の間。愛梨は振り返り自分の家へと入っていった。

「あ!待って!」

私の声はもう届かない。

「ヤバい。部屋散らかってるし。急いで片付けなくちゃ!。。愛梨はジュース何が好きかな?お菓子は?」

「。。。私浮かれてる?」

私は服や雑誌で散らかった部屋の。鏡に写る自分を見つめポツリと呟いた。





「よし!これで片付いたように見える」

私はとりあえず。散乱した服や雑誌を本棚やタンスに押し込んだ。
そうしてる内にチャイムの音がなり。愛梨が現れた。私は出迎えると。
二階にある部屋へと愛梨を案内した。

「ここがみそらの部屋やねんな、なんかドキドキするわぁ」

「なんでよ 笑」

「いやなぁ、あたし~友達おらんかったから、友達の部屋遊びに行くのって夢やってん、ありがとな~みそら」


愛梨は私の部屋の前で感嘆にふけっていた。

「大げさだよ愛梨は 笑」

「ほんまやねん!」

私は感嘆にふける愛梨の腕をつかみ。ドアを開けると。部屋の中に招き入れた。

「散らかったとるわぁ」

「うっさいなー! 笑」

「嘘やて、あはは!」

愛梨は初めて入る私の部屋を見渡すと。冗談交じりに言い放った。

「愛梨ー。どっか適当なとこに座って。今ジュース持って来るから。」

「おお~ありがと~」

私が一旦部屋を出てジュースを持って部屋に入ると。部屋の真ん中でこっちに向かって正座で座ってる愛梨がいた。

「何してるの?」

「いやなぁ、あちこち見んのも悪い気がしてな~、」

「あんたは初めて家にきた男子か 笑」

私は思わず吹き出してしまった。
それをきっかけに。私と愛梨は小学校の時の話やうちの中学に転校して来た話。それに下らない話を暗くなるまで話した。

No.8 20/07/04 15:23
らぴ ( ♀ SfIaob )

>> 7 「そろそろ戻らんと~」

「そうだねー。」

愛梨は立ち上がり。ドアの方へとゆっくり歩きだす。私もまた愛梨を追うようにゆっくりと。

玄関に向かう愛梨の背中を眺めながら。さっき聞いた愛梨の話を思い出していた。愛梨は結構それでいて人見知りだったり。以外と頭が良かったり。ホラーが好きだったり。野菜が嫌いだったり。ホントにくだらない話が多かったけど。『大切な思い出になった』と言ってくれたりしたことを。

「じゃあ帰るわ」

「うん。」

「みそら、ほんまに明日から一緒に学校行ってくれるん?」

「あたりまえー」

後。。。以外と心配性だったり 笑

「約束やで!」

「わかったー 笑」


愛梨はそう言うと。笑みを浮かべながら帰っていった。
次の日。私達は一緒に学校に行った。
その次の日も。その次の日も。その日を境に毎日一緒に登下校するようになった。





愛梨と出会ってからなのか私の友達への概念はすっかり変わり。いつしかクラスメートとも打ち解け。夏休みの遊び計画まで参加出来るようになっていた。

「楽しみだね」

「そやな~、でもその前に~テストで赤点取らんようにな~ 笑」

「そうだった! 泣」

夏休み目前の憎きテストさえ。その時は楽しんでいれた。

「なぁみそら~、、」

「なにー?」

「んー、、」

愛梨がその時何か言いたげなのはわかっていたが。私はどうせ『私の成績』の事で心配しているのだろうと思い。軽くあしらった。

「なによ」

「んー、、あんなぁ、、、」

「?」

「夏休みまでもう少し、勉強しよか?」

「嫌だけど仕方ない」


その日から。夏休み遊びまくり計画を実現させるめ。私と愛梨の勉強会が始まった。
夏休みまで後一週間!






だけど私には。その一週間が最悪なシナリオへのカウントダウンだったとは。知るよしもなかった。

No.9 20/07/04 21:02
らぴ ( ♀ SfIaob )

>> 8 1日目。私と愛梨は約束通り。勉強会を始める事にした。勿論場所は私の部屋と言う事で決定したが。本音は愛梨の部屋で勉強会を開きたかったのだ。愛梨は恥ずかしいって理由であまり部屋には入れてくれなかった。

それもそのはず。愛梨はその性格からは到底考えられないほど可愛い物好きで。部屋はピンクコーデで揃えられていて。まさに女の子って言った感じの部屋だった。

「夏休みまで一週間って言っても、テストまでは4日しかあらへん!それまでに何とか赤点にならへんくらい頑張ろかぁ?」

愛梨はかなり本気だった。

「がんばるよ!」

私は愛梨につられてやる気を見せた。
まず苦手な教科から始めると。また以外な事に。愛梨の教え方のうまさに驚いた。

「凄い愛梨!めちゃ分かりやすい!」

「やろ?」

愛梨は得意気な表情を見せた。

「それだったら良い点取れそうだよ!」

私は少し受かれながら。愛梨に詰め寄った。
暫くすると私達は本気になったのか。話す事もなく。ただただ問題集を解くことに没頭し始め。部屋には鉛筆のカツカツカツって音と時折私が質問する声だけが響いている。
時間は始めてから三時間は過ぎていた。

「ねえ愛梨ー。ちょっと休憩しない?」

「そやね、結構頑張ったからなぁ」

愛梨は両手を上げ欠伸をした。私も愛梨から欠伸を貰ってしまった。

「真似っこし~」

「しょうがないじゃん!。。なんで欠伸ってうつるのかな?」

「あ!それテストに出るって言ってたやんか?調べたほうがええんちゃう?」

「うそー!?」

「嘘~、笑」

こんなくだらない話を。勉強の合間にやり。その日は夜中一時まで続いた。

「もうこんな時間だよ?。そろそろ終わりにしようよ!」

私は携帯の時刻を愛梨に見せた。

「せやなぁ、そろそろみそらの恋バナでも聞かせてもらおうやないの 笑」

女子が集まると。二人でも結構この展開になってしまうと言うあるある。

「恋バナなんかないよ!笑」

私は笑って誤魔化そうとしたけど。愛梨はしつこく質問を浴びせてきた。

「嘘やん、一つくらいあるやろぉ?言うてみー誰が好きなん?」

私は危うく言う所まで追い詰められたが。何とか危機を乗り切る事に成功した。
こうして1日目の勉強会は終わっていった。

夏休みまで後6日。。

No.10 20/07/04 22:18
らぴ ( ♀ SfIaob )

>> 9 2日目。私は愛梨と一緒に帰ろうと愛梨の姿を探していた。

「あれ?愛梨は?」

私は同じく帰り支度をしている同級生のリズに。愛梨の事を聞いてみた。

「え、愛梨?何か教室から出ていったみたいだけど?」

「そっか。ありがとう」

私はどうせ緊急事態でトイレに駆け込んだのだろうと。あまり気には止めなかった。それは良くある事だから。
それでも私は。教室の窓から顔を覗かせローカの奥のトイレの方を見てみた。

すると。先生と目が合い。面倒くさい事に。職員室に授業で使った道具を返す用事を頼まれてしまった。

「めんどー。。」

私はその事を愛梨にLINEで伝えたが。直ぐには既読にならず。トイレ。緊急の緊急なのか!?と思いつつ。用事を早く済ませるため職員室に向かった。

ガラガラガラ

「あれ?愛梨ー!」

私が職員室のドアを開けようとしたら。中から愛梨が出てきた。

「うひぁ!」

愛梨は大げさに驚いている。

「愛梨?なんで職員室に?」

「ちょっと用事があってなぁ、みそらの方こそなんでなん?悪い事したん?」

「しないよー」

私は私に用事を押し付けた先生を腹立たしく思っていたが。愛梨とあってそんな考えはどっかに吹き飛んでしまった。

「みそらの用事済んだん?」

「うん!」

「ほな、いこか」

私達は学校を後にし。その夜。2日目の勉強会を始めた。またカツカツと本気をだし。夜中12時を過ぎた頃。愛梨がまた何やら妙な事をやりだした。

「みそら~、目ぇ閉じて~」

「なんで?怖いから嫌だよ!」

「ええから~頼むわぁ」

私は愛梨の強引さに押され渋々目を閉じた。






「ええよ、開けて」

私は言われるまま目を開けた。

「!?なにこれ?」

私が目を開けると。目の前には小さな箱が置いてあった。

「開けてみ~」

愛梨は笑顔で私に目の前の箱を開けるよう促した。

ガサガサガサ

「これ。。?」

「あたしとお揃いのペンダント、今日誕生日やろ?」

私は驚いて指が震え。少し黙りこんでしまった。

「気に入らんかった?」

「ううん。。ありがとう。。。めちゃ嬉しいよ!!」

私は嬉しさのあまり涙ぐんでいた。
その夜は。その後ペンダントを着け。二人で写真を撮り。愛梨のリクエストの恋バナで盛り上がった。


夏休みまで後5日。。

No.11 20/07/04 23:36
らぴ ( ♀ SfIaob )

>> 10 3日目。いよいよ明日はテスト本番。私達はお互い顔を見合せ軽く頷いた

「でもさー。今日やる教科の勉強って。実は私の一番得意教科なんだよね!」

「そ~かぁ?前のテストん時、ギリやったんちゃう?」

「違うよ!半分はいけたんだから!」

「自慢出来る点数やない」

「え~。。でも大丈夫そうでしょ?」

愛梨は少し不安そうな顔をしたけど。直ぐに笑顔になった。

「まあ、ええか?後少しだけ勉強したら何とか安心出来るやろな?」

「ですです」

「調子ええわ 笑」

二人の足は話ながらも家の方に向かっていた。家に向かう途中。私はある事を実行しようと愛梨に提案した。それは昨日の愛梨のサプライズ的なプレゼントのお返しの意味も込めての大切な案件。愛梨は気持ち良く受け入れてくれるかは分からなかったけど。とり
あえず言って見ることにした

「愛梨。。今日さ家に来る時ちょっとだけ遅れて来てくれないかな?」

「ん?何々?何かあるん?」

「ひみつー! 笑」

「うん、ええよ 笑」

愛梨は少し勘ぐったけど。了承してくれたらしい。そうしてる内に。二人は家の前まで来ていた

「じゃー。また後でね」

「またなぁ~」

二人は各々の家へと入っていった。
時間にしてあれから二時間、既に7時をまわっていた。







「そろそろ、ええかな?」

あたしは、みそらに言われた通り、約束の時間より少し遅れて行った、
玄関のチャイムを押すと~、みそらと一緒にみそらのパパさんが出迎えてくれた。

「あ、こんばんみぁ、、わぁ」

あたしは緊張して、思わず噛んでしまった。

「なんで緊張してるの?」

みそらはエプロン姿で笑っている、
あたしはそれを見て全てを理解した、

「上がって上がって!」

みそらは屈託のない笑みで、あたしの手を引っ張り、テーブルの方へ連れていった、
そこには案の定何種類かの料理が並べられていて、曲がりなりにも美味しそうとは言えへん代物やったけど、恐らくみそらが一生懸命作ってくれたもんやとは、すぐに分かった

「ジャーン!今日は私が夕御飯作ったの!どうかな?」

「めっっちゃ美味しそう!」

そう言うしかなかった、
席に座ると、早速三人で食べ始め、他愛もない会話が飛び交い、暖かい空気に包まれた、
時折みそらのパパさんが気分悪そうにしてたんは、分かる気がする、あたしもやから。笑

No.12 20/07/05 13:13
らぴ ( ♀ SfIaob )

>> 11 一時間程団欒が続き、あたしはそろそろ勉強せなと思い、みそらの方に視線をやった、みそらもそれを察したのか、後片付け直ぐに済ませるから、先に部屋に行っててとあたしに促した、

「ほな、先に行ってるわ」

「うん。」

「皿~割らんようにな 笑」

「大丈夫だよ!」

そういうと、みそらは手慣れた様子でかたしだした、あたしはみそらに促されるまま部屋に入り、テーブルの上に教科書を広げ勉強の準備を始めた、 ガシャン
遠くの方で何かが割れる音がした、

「おまたせー」

暫くすると、みそらが部屋に入って来た、みそらもまた、テーブルの上に教科書を広げ勉強の準備を始めた、

「みそら、、」

「ん?なに?」

「ありがとう」

「どうしたの急に?今日のは昨日のプレゼントのお礼だよ。」

みそらは、笑顔で返した。その瞬間、何故だかあたしの目には、涙が滲んどった、

「ちゃうねん、、あんなぁ、、」

「!?」

みそらはその異変に気付き、訝しげにあたしの顔を覗きこみ、心配そうにしてた、その顔を見た私は一瞬目を反らし咄嗟に嘘をついてしまった、

「ほんま楽しかったわぁ、団欒もたまにはええなぁ」

「何だ~ビックリした~!そう言ってくれると。私も嬉しいよー」

何とか誤魔化せたみたいやった、

「ほな!頑張ろか!明日は本番やし!得意言うても本番どうなるか分からん!」

「お。おー」

私は精一杯の作り笑いをして見せた。
カツカツと何時ものように勉強は始まり、みそらも一生懸命問題集に没頭し、いつしかあたしはそれをぼーっと眺めていた、

「愛梨?」

みそらの声であたしは我にかえった、

「ほんとにどうしたの?変だよ?」

「なんでもない、笑、今度はこの問題集やってみ~」

あたしは、側にあった問題集をみそらにスーっと差し出した、
みそらは、首を傾げたけど、直ぐに問題を解きにかかる、



「あかん、、今日はあかん、、」

みそらに聞こえへんように呟いたはずやけど、みそらには聞こえたようで、直ぐにあたしの方に目を向けてきた、

「愛梨やっぱり変だよ!顔赤いし。涙目だし、今日はもう休んだ方がいいよ!」

普段なら大丈夫やからと押しきるんやけど、
あたしはみそらの提案に乗る事にし、この部屋から出る事にした、そうしないと今にも号泣してしまう自信があったからや


夏休みまで後4日。。

No.13 20/07/05 14:27
らぴ ( ♀ SfIaob )

>> 12 今日はテスト本番1日目!私は少し早めに起きて身なりを整えた。

「よし!忘れ物はないよね?」

私は愛梨の昨日の様子が気になり。普段朝にLINEする事はなかったけど。送ってみることにした。




「あれ?既読にならない?もしかして風邪ひいちゃって動けないのかなー?」

私は心配になり。愛梨の家に様子を見に行く事にした。いつもなら私が待たせる方で。愛梨がそうなる事はなかったからだ、

リーン!

「はーい」

「あの。おはようございます。あの、みそらです!」

呼び鈴に出たのは愛梨のお姉さんだった。

ガチャ

「おはようみそらちゃん、愛梨迎えにきてくれたん?」

「あ。はい・・あの。愛梨さんは?」

「ゴメンなさいね、愛梨熱だして寝てるんよ、今日テストやけど休まそ思うて」

「そうなんですか!?やっぱり?昨日変だったんです!」

私は愛梨のお姉さんに昨日の勉強会の事を話した。

「そっか……あの子はもう…」

「・・・・?」

愛梨のお姉さんは。何か言いたげだったけどこれ以上話さなかった。

「まあ、しょうがないけど2、3日休ますわ、みそらちゃんゴメンなぁ」

「・・・いえ、愛梨にお大事にって伝えてください、」

「うん、伝えとくわ」

そう言うと私は一人で学校へ向かった。





キーンコーン

テスト教科。今日は3教科だけ。愛梨が教えてくれた問題が見事的中!『やったー!!愛梨のお陰だよー!ありがとー!』って。直ぐに喜びあいたかったけど。そこに愛梨の姿がないのは寂しかった。

「愛梨風邪大丈夫かなー?ちゃんと安静にして早く治して欲しいなー。じゃないとつまんないよ。」

私は。朝預けた携帯を受けとると。校則で禁止されてる校内での携帯使用禁止を破り。愛梨にLINEしてみた。。。。だけどやっぱり既読にはならなかった。

「また。寄ってみようかな?。。でも無理して起こしてもらっても愛梨可哀想だし。でも。。でも。。」

私の葛藤は家に着くまで続いた。

「そうだよ!今日のテスト愛梨のお陰で良い点数採れそうだよって。LINEしとこう。。だめだよ。。無理して携帯いじったら悪化させてしまうかも知れない。」

私の葛藤は家に着いても続いた。ご飯食べてても。お風呂入ってても。こんな調子で明日の予習など手につくはずもなかった。


夏休みまで後3日。。

No.14 20/07/05 20:28
らぴ ( ♀ SfIaob )

>> 13 テスト最終日、、あたしは今日も学校を休んだ、

「体がダルい……言うこと聞いてくれへん、みそらからのLINE、スルーしてもうた………なんでなん?なんでいつもこうやねん」

あたしはベッドに寝っ転がりながら。携帯を眺めていた、

「もうテスト終わってる頃やな…みそら大丈夫やろか…緊張してミスせぇへんかったやろか?」

あたしは携帯を無造作に置き、みそらとお揃いのペンダントを指で摘まみ眺めた、

「変に思ったやろなぁ、急にLINEスルーされたら誰でもそうやろ………みそらになんて言おう、なんでスルーしてしまったんかを、」

あたしは寝返りをうち、体を窓の方に向けた。その窓の向こう、体を起こせばみそらの家が見える……あたしはそう思いながらこれからの事を考えていた、

「あかん……ちゃんと説明せな、このままやったら、みそらに顔合わせられへん、みそらの友達失格になってまう…」

あたしは無造作に置いた携帯を拾い上げた、

「………………………………………………………………」

長い沈黙が続き、気づけば夕方になっていた

「ちゃんと説明したら、みそら何て言うやろ?もう友達やないって言う、それでも友達って言ってくれるん?………」

あたしはまた、答えの出ない長い自答自問に落ちてしまった、

コンコン ガチャ!

「?」

あたしが携帯を眺めて自答自問していると、姉ちゃんが入って来た、

「愛梨…もう夜やで?」

「姉ちゃん…」

「みそらちゃんには、まだ言うてへんの?さっきも来てたで」

姉ちゃんはベッドの端に腰掛け携帯を眺めているあたしに言った、

「姉ちゃん……あたしどうしたらいい?みそらは、ほんまに初めて出来た大切な友達やねん!あたし…もうわからへん!!」

「…愛梨、ホンマに友達や思っとるんやったら、ちゃんと説明せなあかん、大丈夫、みそらちゃんはきっと分かってくれる」

「姉ちゃん…」

それだけ言うと、姉ちゃんはこれ以上何も言わず部屋から出ていった、小さな声で『ゴメンね、力になれへんくて…』と呟きながら、

あたしは姉ちゃんから勇気を貰えた気がした

「もう0時過ぎや、今夜、、、全てをみそらに話そう、そやないとほんまにみそらの友達失格になってまう」

あたしは決心した、



夏休みまで後2日、、

No.15 20/07/05 22:56
らぴ ( ♀ SfIaob )

>> 14 「。。空が曇ってる」

私が朝。登校しようと外に出ると。空はうっすら雲っていた。愛梨は昨日も学校を休んだ。LINEしても読んでくれないし。家に行っても会わせてもらえない。本当に体は大丈夫なんだろうか?

「それにしても。昨日のお姉さんの様子も少し変だった。『愛梨は……今…大丈夫やから』?もしかして嫌われたのかな?私」

私は何とも言えない疎外感に刈られた。

「私。何かしたのかな?嫌われる事したのかなー?」

私は、疎外感に包まれたまま。学校へ向かった。途中。何度も何度も携帯を眺めては。愛梨にもう読んで貰えないかも知れないLINEを送ろうか迷っていた

「この角を曲がったら。送ってみよう。でも読んで貰えないかも」

私は自分で決めた決心の『角』を曲がったけど。やっぱり次の曲がり角でと。先伸ばしにし迷っている内に校門をくぐっていた

「今日の夜。確かめてみよう」




あたしは朝、部屋の窓から、登校するみそらを見送っていた

「みそら、、寂しそうやった、あたしが連絡とらへんから。きっと嫌ってしまったんやなぁ、自業自得や」

あたしは、みそらの姿が見えなくなるまで窓から眺めていた、

「どうせ嫌われるんやったら、あの時言っとけばよかったわぁ………って言える勇気があるなら、今すぐにでも会って話してる」

あたしはカーテンを閉じると、思わず外に飛び出した、やけど、みそらの姿はもうそこにはない

「もし、みそらがあの角を曲がって引き返してきたら、ホントの事を言おう、あの角を曲がって、」

あたしは暫く眺めていた、

「あと少し、あと少し、」

そうしてる内に時間は過ぎ、学校の始業時間になっていた、

「やっぱり、昨日決心した通り、今夜全てをみそらに話そう」






みそらと愛梨…………










二人の運命の夜が









訪れる………………………








その夜…………………

「やっぱりやめようかな?きっと私の思い過ごしだよ。まだ体調が悪いだけなんだよ」

私は自分に言い聞かせた。




愛梨
(みそら…いる?)

私は突然の愛梨のLINEに驚いた!

No.16 20/07/06 13:38
らぴ ( ♀ SfIaob )

>> 15 作者逃亡中。。(*´-`)

No.17 20/07/06 20:36
らぴ ( ♀ SfIaob )

>> 16 みそら
。。うん。いるよ




                愛梨
            なんか……久しぶり




みそら
うん。。







                 愛梨
          テスト……どうやった?





みそら
うん。。まぁまぁかな?
愛梨のお陰だよ。   





                 愛梨
                そっか……




みそら
ねぇ。。愛梨?





                 愛梨
             んー…なぁにー?





みそら
。。。ごめん!





                 愛梨
            …なんでみそらが
             あやまんねん!





みそら
私。。愛梨に
嫌われちゃったよね?





                  愛梨
            ちゃうねん!
            あたしの方が先に
            謝らんといかんね
            ん!ゴメンなぁ!





みそら
怒ってないの?





                愛梨
            なんで怒んねん!
            みそらの方こそ
            怒ってへん?




みそら
怒ってないよ!









私と愛梨の手は。暫く止まっていた。
どんより雲り星さえ見えない夜の空だったけど。何時しか晴れて月明かりが差し込んでいた。







                  愛梨
             なあ、みそら?





みそら
うん。なに?






                  愛梨
             ベランダ………
             出てこーへん?
             お月さん……
             綺麗やで




みそら
お月様?



私は愛梨に誘われ。ベランダにでた。愛梨が言うように。外は柔らかな月明かりに包まれていた。

No.18 20/07/06 22:00
らぴ ( ♀ SfIaob )

>> 17 ベランダに出ると。私は手すりにもたれかかった。月明かりが灯ってるって言っても。人の表情が確認できる程ではなく。時折雲に隠れては。ぼんやりと照らす程度の明かりだった。私は向かいの愛梨の部屋に視線を向けた。愛梨はベランダに。私に背を向けるように佇んでいた。月明かりはそんな愛梨の姿をぼんやりと浮かびあがらせていた。







                  愛梨
               上……見てみ





みそら
ホントだ。綺麗






                  愛梨
                 やろ?




みそら
うん。。





                  愛梨
          みそらと。。お月さん
          見んの初めてやなぁ




みそら
そうだっけ?笑





                   愛梨
             そうやって 笑




みそら
それなら今日が
お月見初記念じゃん!





                  愛梨
             せやな…
             他にもまだ
             初なもんめちゃ
             あるやんな?




みそら
あるよー!
まだ映画も見に行ってない
ディズニーにも行ってないし
プールにも。海にも。
バーベキューもしてないし
花火もしてない
お化け屋敷で驚いたりも






                  愛梨
         冬になったら一緒に
         はぁってやったり…
         文化祭の準備して
         夜遅くまで頑張ったり
         お正月には初詣行ったり
         バレンタインには
         一緒にチョコ作ったり
         また…二人で勉強して
         同じ高校行ったり…





みそら
愛梨?






                  愛梨
            あんなぁ…みそら





みそら
…なに?










                  愛梨
             あたしなぁ…
             転校すんねん…


私は。暫く返事が出せなかった。

No.19 20/07/06 23:23
らぴ ( ♀ SfIaob )

>> 18 ドクドクドク。。。心臓の鼓動が聞こえる。愛梨にも届きそうな程。私は自分の胸を締め付けた。





みそら
嘘。。だよね?






                  愛梨
              ゴメン……
              ほんまやねん





みそら
私。。信じない







                  愛梨
             ずっと…言おう
             思ってた………
             やけど
             言えんかった!
             今まで黙ってて
             ゴメン!





みそら
なんで。。?
愛梨言ったよね?
一生友達だって!






                  愛梨
               みそら………






みそら
。。。嘘つき







                  愛梨
           ちが…う………ちがう
           ちがう!!!!!




私はLINEを止め。愛梨に直接電話を掛けた

No.20 20/07/06 23:52
らぴ ( ♀ SfIaob )

>> 19 みそら
愛梨?どうして
出てくれないの?





                  愛梨
             …………めやねん





みそら
。。。。。






                  愛梨
           ダメやねん……
           声にならへん……
           泣きすぎて
           上手く喋られへん!




                  愛梨
              みそら~?





                  愛梨
              みそら~~






                  愛嘘
          嘘ちゃうねん…………
          ほんまやねん……
          ほんまにみそらと
          一生友達になりたか
          ってん………
          あたしなぁ……あたし
          初めて本当の友達に
          出会えてん……
          みそらが……
          ……………初めてやねん
          上手く説明できひん
          頭おかしく
          なりそうやわ…………
          みそら~~~





                  愛梨
             みそら~~~!



私は。暫く返事が出せなかった。正しくはどう返せばいいのか分からず。ただベランダ越しに愛梨の泣き崩れた背中を見ていた。

「ホントにどうしていいか分かんないよ!一生友達だって。。裏切らないって。。でも居なくなるんだよ?私の前から!離れちゃうと。心も離れちゃうよきっと。。」

私は葛藤した。






                  愛梨
              ゴメンなぁ……




愛梨のこのメッセージで。私の心の何かが切れた気がした。その瞬間。私はさけんでいた


「あいりーーーーーー!!!!私達友達だよー!遠くに行って会えなくなっても!!」


愛梨は振り返って号泣している。微かに見える口元が「有り難う」って動いた気がした。

私もその夜は。。。朝まで泣いてしまった




夏休みまで後1日。。


No.21 20/07/07 21:42
らぴ ( ♀ SfIaob )

>> 20 あまり眠れなかった。。今日は終業式かぁ。。愛梨はちゃんと出るのかなぁ?」

私は体を起こすと。身支度を整え始めた。

「そういえば。愛梨から聞いてない。何処に引っ越すんだろ?。。寂しくなるけど。いつか会えるよね。。きっと」

私が身支度を終えると。パパがテーブルで朝御飯を食べていた。

「おはよう」

「おはよー」

「トーストでいいかい?」

「うん。」

何時もの会話だ。
朝御飯を食べ終へ。私は鞄を肩に掛け昨日の愛梨との会話を思いだしながら外に出た。

「行ってきまーす。。」

私が玄関から外に出ると。そこには愛梨が立っていた。

「愛梨。。」

「おはよぉう、みそら」

愛梨は一晩中泣いていたのか。目は赤く腫れ上がり。涙の痕がうっすらと残っていた。

「愛梨。。今日の終業式。。」

「ゴメンなぁ、、先行っててくれへん?あたし、ちょっと用事を済ませてからいくわ」

愛梨はそう言うと。軽く手を振り私を見送り出した。

「はよ行かんと、遅刻するで~」

「う。うん」

私は愛梨の方を何度も振り返り。手を降った
何時もは数十分で着く道程が。何時間にも感じた登校でした。

学校に着くと。クラスの皆は明日からの夏休みの話題で持ちきりなのに。私は皆と同じようにはしゃぐ事は到底できなかった。

私が皆の思い思いのはしゃぎ声を聞いていると。時間になったのか。先生が教室に入ってきて。何時ものように教壇についた。

「えー、今日は終業式です、明日から楽しい夏休みですが、その前に報告しなければならないことがあります。」

私は愛梨の事だと言うのは。直ぐに分かった

「足立愛梨さんが、親御さんの都合で転校する事になりました。」

クラスメートはどよめいていた。

「静かに、えー、本当ならばここで足立さんに最後の挨拶をして貰いたかったのですが、本人希望で無しと言う事になりました。」

私とクラスメートは更にどよめいた。

「愛梨?来ないの?」

「なんでも、皆に見送られると辛くなるからって理由なので、皆分かってあげて下さいね、、、確か、今頃の便だったような気がします。窓の外見て飛行機が飛んでたら、友達として手を振ってあげましょう、」

「なんで?なんで?後から来るって言ったじゃん。。。せ。先生……」



気づくと。私は仮病を使い。保健室に行くと行って学校を抜け出していた。



  • << 24 私は力の限り走った。先生が言ったように。ホントにもういないのかも知れない。でも。私は走った。 髪が乱れても。スカートの裾が捲れても。 「愛梨。。なんで?…ハァハァ」 普段通り慣れた道程も。今は知らない町並みの様に私の横を通り過ぎていく。 「ハァハァ…ハァハァ……」 私はこんなに走った事はなかった。 数本の曲がり角を曲がると。後は家へと続く直線道路がある。私は不安でしょうがなかったけど。少しの期待も抱いていた。 「着いた。。ハァハァ」 私は息を整える間もなく。愛梨の家の呼び鈴を押した。………………………反応はなかった。 「ハァハァ。。。ははは……そうだよね?もういないよね?………バカ」 私は玄関ドアの前で座り込んでしまった。 「みそら……」 「!?」 幻聴だったのか。一瞬愛梨の声が聞こえた気がして。私は辺りを見渡した。 「うえ……」 今度は確かに聞こえた。私は声の聞こえた方に振り返った。そこには二階のベランダから下を覗き込む愛梨の姿があった。 「愛梨!?」 「待っといて、今降りてくるから、」 「う。。うん」 私は待った。…………ガチャ 「みそら、また嘘ついてゴメンなぁ」 「ひどいよ!愛梨!私にも黙って行くつもりだったの!?ひどいよー!」 「ちゃうねん!………みそらだから、みそらだから……見送られるのが嫌やねん!他の人ならどうでもいい、一番みそらに見送られるんが寂しいんよ!!せやから……会わんように行こ思ったのに、できひんかった……」 「愛梨!!」 私は気が付けば。震える愛梨に抱きついていた。 「大丈夫。大丈夫だから。最後なんかじゃないんだから。寂しくないよ。きっとまた会えるから。」 私は震える愛梨に呟いた。 「みそら………ありがとぉう」 愛梨の震えが止まった気がした。 暫くすると。愛梨のお姉さんが車で迎えに来て。愛梨を連れて行ってしまった。 最後じゃないと言った私は。。まるで自分にも言い聞かせているようでもあったが。それは確信でもあった。なぜなら。愛梨が『ありがとぉう』って言った後。こう言ったんだもん。 『またなぁ、みそら』 明日から… 愛梨のいない夏休みが始まる

No.24 20/07/08 13:35
らぴ ( ♀ SfIaob )

>> 21 あまり眠れなかった。。今日は終業式かぁ。。愛梨はちゃんと出るのかなぁ?」 私は体を起こすと。身支度を整え始めた。 「そういえば。… 私は力の限り走った。先生が言ったように。ホントにもういないのかも知れない。でも。私は走った。
髪が乱れても。スカートの裾が捲れても。

「愛梨。。なんで?…ハァハァ」

普段通り慣れた道程も。今は知らない町並みの様に私の横を通り過ぎていく。







「ハァハァ…ハァハァ……」

私はこんなに走った事はなかった。
数本の曲がり角を曲がると。後は家へと続く直線道路がある。私は不安でしょうがなかったけど。少しの期待も抱いていた。





「着いた。。ハァハァ」

私は息を整える間もなく。愛梨の家の呼び鈴を押した。………………………反応はなかった。

「ハァハァ。。。ははは……そうだよね?もういないよね?………バカ」

私は玄関ドアの前で座り込んでしまった。










「みそら……」

「!?」

幻聴だったのか。一瞬愛梨の声が聞こえた気がして。私は辺りを見渡した。

「うえ……」

今度は確かに聞こえた。私は声の聞こえた方に振り返った。そこには二階のベランダから下を覗き込む愛梨の姿があった。

「愛梨!?」

「待っといて、今降りてくるから、」

「う。。うん」


私は待った。…………ガチャ

「みそら、また嘘ついてゴメンなぁ」

「ひどいよ!愛梨!私にも黙って行くつもりだったの!?ひどいよー!」

「ちゃうねん!………みそらだから、みそらだから……見送られるのが嫌やねん!他の人ならどうでもいい、一番みそらに見送られるんが寂しいんよ!!せやから……会わんように行こ思ったのに、できひんかった……」

「愛梨!!」

私は気が付けば。震える愛梨に抱きついていた。

「大丈夫。大丈夫だから。最後なんかじゃないんだから。寂しくないよ。きっとまた会えるから。」

私は震える愛梨に呟いた。

「みそら………ありがとぉう」

愛梨の震えが止まった気がした。
暫くすると。愛梨のお姉さんが車で迎えに来て。愛梨を連れて行ってしまった。

最後じゃないと言った私は。。まるで自分にも言い聞かせているようでもあったが。それは確信でもあった。なぜなら。愛梨が『ありがとぉう』って言った後。こう言ったんだもん。


『またなぁ、みそら』








明日から…
愛梨のいない夏休みが始まる

No.25 20/07/08 16:21
らぴ ( ♀ SfIaob )

>> 24 まだ終わんないんだって(*´-`)

No.26 20/07/08 21:07
らぴ ( ♀ SfIaob )

>> 25 向日葵咲き乱れる炎下の夏。心にポッカリと穴の開いた私には。外の暑さなど感じない程冷たい空気に覆われていた。いや。私だけではなく。少なくとも多少交遊のあった複数人のクラスメートは。私と同じ思いをしていたのだろう。

私は心の穴を埋めるべく。とにかく勉強することで寂しさを埋めようとし。夏休みの間は図書館に通う事にしたが。その途中ある桜並木道を通っては。愛梨の事を思いだしていた


「そういえば。桜が満開になったら一緒に歩きたいねって言ってたな。。ダメダメ!また会えるんだから。我慢我慢!」

    桜の葉は緑に生い茂っていた。


二学期が始まり。久しぶりに顔を合わせるクラスメート達。もちろんその中に愛梨の姿はなかったが。その話題を口にする者はあまりなく。それが私には救いだった。

勉強や学校行事に追われていると。季節はもうすっかり秋めいていて。時折吹く風はひんやりとしていて。肌寒さを感じる程になっていた。私はまたあの並木道を通って図書館に通い始めた。

    桜の葉は紅葉に燃えていた


「ハァ……寒いよ…」

毎日勉強に没頭していると。季節は冬に変わっていた。愛梨が居なくなってもう半年。最初は届いていた愛梨からのLINEも。日増しに少なくなって来た。

「信じてるよ……」

私は図書館での勉強を終えると。再びあの並木道を通って家に向かった。

    桜の葉はすっかり散っていた



年が明けると。すっかり受験ムード一色で。私が受ける志望校は少し偏差値の高い高校で。先生達からは。志望校を変えた方がいいなどと言われていた。

「絶対受かってみせる!」

私がそこまで固執するのには訳があった。それはうちの学校から受ける生徒が少ないって言うことだ。私は私の事を知らない人の所に行きたかった。

「さあ。追い込みだ!頑張ろう!」

私は最後の踏ん張りで図書館で猛勉強した。アナウンスが流れ。私が帰り支度を始め図書館を出る頃には外は雪が降っていた。


   桜の木の枝には雪が積もっていた


時は流れ。。私は志望校に合格することが出来た。晴れて四月から高校生になるわけだ。新しい生活。新しい出会い?だけど私の胸は踊らないでいた。


    桜の木は蕾をつけ始めている

No.27 20/07/08 22:41
らぴ ( ♀ SfIaob )

>> 26 まだ肌寒い新緑の春。私は高校生になった。真新しい制服に袖を通し。新しい鞄に。新しい靴。そして新しい今日。私は誓っていた。

「新しい生活の始まりだ。しっかりしなくちゃね!」

新しい通学路。私と同じ制服の生徒達。これからは顔見知りになるのだろうか?私は一人呟きながら学校へ向かった。
私が学校へつくと。上級生の先輩達が校門の前で新入生を出迎えてくれていた

胸にリボンをつけてもらい。体育館へと誘導され。沢山の父兄や先生達が見守るなか、入学式は行われた。

「やっぱり。何かがたりないなー…」

私のため息とも思える呟きを。後ろの席にいた女子生徒が拾った。

「みそら……みそら」

「ん?」

声の主は同じ中学から来た元クラスメートの
リズだった。

「また同じクラスだね~、よろしくね」

「う。うん」

「これ終わったら、教室移動なんだよね?何かワクワクするね?新しい友達ってさー」

「……うん」

「あ、そろそろ終わりだ!じゃあ教室でね」

リズが言う通り。校長先生の話は終わり。各自教室に戻ってのオリエンテーションが割り当てられた。

教室では。中学と同様。自己紹介を含め出身校や趣味。抱負などのスピーチをさせられ。私は仕方なく皆と同じようにやった。

キーンコーン

「。。終わった」

私は安堵のため息を漏らした。先生が教室から出ると。教室は騒ぎ出す生徒やLINE交換する生徒が入り乱れた。

「…何かあの時と似てる」

私はそう呟きながら教室を出ようとすると。後ろからリズに呼び止められた。

「あ!みそら、ちょっと話が大切な話があるんだけど、靴箱のトコで待っててくれないかな?」

「んー……分かった」

リズとは中学の元クラスメートと言っても。それ程仲良しって訳ではなかったので。私は驚いた。

「なんだろ?」

私は靴箱の前でリズを待った。

「なんの話だろ?」

暫く考え込んでると。後ろから両手で目隠しされ何も見えなくされた。

「リズでしょ?。止めてよねー?目隠しするために呼び止めたの?笑」

私はその手を振り払おうと。両手で触れた。

「あれ?」

何故か知ってるような感覚。知ってるような匂い。私は勢いよく手を払い後ろを振り返った!



「ただいまぁ」

そこには……そこには……この世界で一番会いたかった…愛梨の姿があった。







「………おかえり」

  • << 33 愛梨 (あんなぁ……みそら) みそら (なに?) 愛梨 (ただいまぁ) みそら (さっき聞いた) 愛梨 (何回でも言うわ 笑) みそら (もういいよ) 愛梨 (なんで色々聞かへんの?) みそら (いいよ別に) 愛梨 (なんでー?) みそら (だって。これから) (時間いっぱいあるし) 愛梨 (せやなぁ) みそら (それより。あの約束) (覚えてる?    ) 愛梨 (あの約束?) みそら (ひでえ。) 愛梨 (嘘やて、笑) みそら (あのね……) 愛梨 (ほんまはなぁ、もう) (できへんって思ってた) みそら (私は信じてたよ) 愛梨 (ありがとぉう、やっと) (叶うんやなぁ、、、 ) みそら (うん。やっとだよ) 二人は。離れていたこの数ヶ月を埋めるべく。途切れる事のない会話をずっと続けた。 何処からともなく。柔らかく。暖かい匂いが漂って来る。 みそら (やっとこれた) 愛梨 (約束通り二人でなぁ) 二人がたどり着いた先。約束したいつかの 桜並木の道。。。満開の桜はどこまでもどこまでも続き。二人はまた終わることのない話をしながら。ゆっくりと歩き出した。 愛梨 (ほんま綺麗やわ) みそら (じゃあ行こう) ゆっくりと。ゆっくりと。 桜は二人を包みこんで行く。。。。一部完

No.31 20/07/09 17:41
かのん ( 20代 ♀ rHIaob )

>> 30 愛梨可愛い😏ww

No.33 20/07/12 08:54
らぴ ( ♀ SfIaob )

>> 27 まだ肌寒い新緑の春。私は高校生になった。真新しい制服に袖を通し。新しい鞄に。新しい靴。そして新しい今日。私は誓っていた。 「新しい生活… 愛梨
(あんなぁ……みそら)












みそら
(なに?)











愛梨
(ただいまぁ)











みそら
(さっき聞いた)










愛梨
(何回でも言うわ 笑)











みそら
(もういいよ)









愛梨
(なんで色々聞かへんの?)









みそら
(いいよ別に)










愛梨
(なんでー?)









みそら
(だって。これから)
(時間いっぱいあるし)








愛梨
(せやなぁ)








みそら
(それより。あの約束)
(覚えてる?    )








愛梨
(あの約束?)








みそら
(ひでえ。)









愛梨
(嘘やて、笑)










みそら
(あのね……)










愛梨
(ほんまはなぁ、もう)
(できへんって思ってた)








みそら
(私は信じてたよ)









愛梨
(ありがとぉう、やっと)
(叶うんやなぁ、、、 )







みそら
(うん。やっとだよ)















二人は。離れていたこの数ヶ月を埋めるべく。途切れる事のない会話をずっと続けた。

何処からともなく。柔らかく。暖かい匂いが漂って来る。










みそら
(やっとこれた)

愛梨
(約束通り二人でなぁ)





二人がたどり着いた先。約束したいつかの
桜並木の道。。。満開の桜はどこまでもどこまでも続き。二人はまた終わることのない話をしながら。ゆっくりと歩き出した。



愛梨
(ほんま綺麗やわ)

みそら
(じゃあ行こう)



ゆっくりと。ゆっくりと。
桜は二人を包みこんで行く。。。。一部完

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