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私と私と私たち

レス2 HIT数 233 あ+ あ-

小説家( 匿名 )
19/07/22 08:14(更新日時)

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「死ね」

低く、静かな声でそう言うと男の両手が私の首を絞めつけた。

馬乗りになっている男の顔を見上げた状態の私は、無言のまま目を吊り上げて睨みつけた。
男は私のその目が気に食わなかったらしく、眉をひそめた後、首を絞めつけたまま私の頭をぐっと持ち上げると、そのまま床に落とすように叩きつけた。
ゴン、…
鈍い音。
首を締める手には更に力が入った。
ゴン、ゴン…
床に頭を叩きつけることもやめない。



息が…できない。
苦しい。


意識が遠くなっていく。




ああ、私、殺されるんだ…

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No.2883941 19/07/18 09:58(スレ作成日時)

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No.1 19/07/19 10:55
小説家0 ( 匿名 )

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=一年前=


「迫田真帆と申します。一生懸命がんばりますので、どうぞよろしくお願いします」
事務机が所狭しと置かれた会社に初出勤した私は、緊張の面持ちで簡潔な挨拶を終えると、ギシっと音を立てるパイプ椅子に座った。
すぐに隣に座っていた派手な化粧を施した40才くらいの女性が立ち上がって、私に続いて自己紹介をしている。

雑居ビルの2階にその会社はあった。
8坪ほどの狭い部屋にスチール製の長テーブルが2つ、向かい合わせに置かれている。
その向こう側には古びたそのソファーと小さなテーブルが置かれて、そのスペースが応接セットだと主張していた。

起業したばかりの【good job】は、中小企業向けにコピー機を販売、リースする会社だ。

中卒の私はいろんなバイトを転々とし、21才になった今やっと、正社員としてまともな就職が決まった。
以前、バイトではあったが健康食品販売の営業経験があって、自信があった。
なんといっても数字さえ上げていれば至って自由な営業職が私は好きだ。

私を含めて7人、女性ばかりが採用されたようだ。

社長は若く、34~5才に見える。
背が高く、はつらつとした喋り方で「浅野恭一です。のびのびと働いてもらえる環境を作る努力をしますので、これからよろしく」と、清々しい声で言った。
副社長という吉村省吾は社長と同年配に見えるが、軽いノリで「よろしくねー」と挨拶の最後を括った。
社長はベージュのスーツを着いて、その服の上からでもわかるくらい胸板が厚く、スポーツマンっぽい爽やかな印象だが、副社長の吉村は毛先を金色に染めていて、ネクタイも派手でチャラい感じ。
二人が並んで立つと、対照的だった。


ともかく、ここが私の新しい職場だ。
新しい日々の始まりに、私の胸は高鳴った。




No.2 19/07/20 12:22
小説家 ( 匿名 )

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「ね、お昼どうするの?」
声がした方を向くと、隣に座っている化粧の濃い人だった。
「えっと…」
「私、森島。森島美津代」
「あ、迫田です。よろしくお願いします。お昼は…どんな感じかわからなかったから用意してません。コンビニでパンでも買おうかなって思ってます」


全員の挨拶が終わってから、営業マニュアルと担当地域がそれぞれに割り当てられた。
各自、マニュアルや担当区域が印刷された用紙とゼンリンの住宅地図とを睨みつけているところだったが、気が付くと時計の針は正午を指していた。

「そう。じゃあ、一緒に行きましょ」
そう言うと森島美津代はさっさと立ち上がった。

私はあわてて目の前の書類や住宅地図を重ねて簡単に片付け、立ち上がるとパイプ椅子の背もたれに引っかけていたバッグを持って森島美津代の後を付いて行った。


公園のベンチで買ってきたパンを食べ終えると、「いい天気ねー」と言いながら森島美津代は自分のバッグからタバコを取り出し、1本くわえると百円ライターで火を点けた。

私はタバコの煙が鼻と口から吐き出されるのを少し不快な気分で見た。



時は平成3年。
喫煙者が肩身の狭い思いをすることが無い時代だ。


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