🎭ある暗黒卿の気紛れな呟きⅡ🎵＋⚡✒🐱

🎵話変わって、14歳の頃、教授に<やらされた>シューマンのピアノソナタ２番ト短調,Op.22を数百年ぶり、あ、いやそれじゃシューマンが作曲してからの時間の勘定が会わないから、百数十年ぶりに３日前から練習してみた。

ベートーヴェン｢ハンマークラヴィーア｣やラフマニノフ協奏曲３番の指ならしに。

当時は余り好きでない曲でやる気無しで、同じシューマンの謝肉祭Op.９に熱中したものだが、今ならこのソナタ２番の良さが分かる。

とは言え、常に３番｢グランド･ソナタ｣が上には変わりないが…

さてこの２番のソナタ、全音を見たら星６つ、つまり最上級になっていて驚いた。ショパンのスケルツォやバラードより上か？

ただ私はドイツ音楽を大抵、ヘンレ版で練習するから全音の楽譜の中身まで見てはいない。

この曲には、最後の第４楽章に元々のバージョンがあり、こちらはかなり難しく格好よく、これを第４楽章として弾くなら星６つも問題なく納得。

ただ後の妻、クララがこの第４楽章を難し過ぎて嫌がり、優しいロベァートはわざわざ技巧的に易しく、短めの第４楽章を新たに作曲、今日ではこちらが正式な第４楽章として演奏される。

クララは結構、彼女が弾きづらい曲を嫌い、例えば夫の傑作であるソナタ第３番｢グランド･ソナタ｣は弾いた形跡が無いし、後には弟子同様だったブラームスの難曲｢パガニーニ変奏曲｣を魔女の変奏曲と呼び、何とかもっと易しく出来ないかブラームスに問い詰めたが、いくらクララを慕うブラームスも自作を曲げる気は全く起きず、そのままを押し通して、結局クララは初演できずブラームスとリスト最高の弟子だったタウジヒが分業であちこちで初演した。
↩

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>> 251 ではシューマンのソナタ２番、一応第４楽章を改作した正式バージョンで弾くなら、どうなのか？ 難しいのか？
勿論、ショパンの幻想即興曲などよりは数段難しいが、いわゆる数ある難曲の部類に入るかどうか？

これは微妙。まずテンポによる。この曲を才能ある小学生や中学生が弾く動画があるが、やはり大きな大人の手でないとプレストは無理。

ただ私はかつてアルゲリッチの速すぎる爆演奏を聞いているから、遅いテンポだと特に第１楽章と第４楽章がツェルニーの練習曲みたいに聞こえてしまう。

いや実際にこの曲の落とし穴はこれだろう？

かといって速すぎも、シューマン独特の細部を飛ばした粗雑な演奏に聞こえる。

つまりテンポのバランスが大変難しいと思う。

これはショパンのスケルツォ１番にも少し共通した問題だが、遅いと曲の全体的な凄まじさが台無し。
だから遅いよりは、速すぎる方がまだマシ。

で第４楽章を旧版と普通版を比較すると、やはり旧版がいい！

実は私、16歳の頃、教授に単独でこの旧版だけ独立した作品として練習させられたが、この時は夢中になれたのだ。

で、思うに、もし第２番と続けて第３番｢グランド･ソナタ｣を弾くならば、普通版の第４楽章を取るが(旧版はグランド･ソナタに似た雰囲気を持っているから)、シューマンのソナタは２番だけ弾くリサイタルならばやはり第４楽章には旧版を弾きたいものだ！

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>> 252 こういう普通バージョンと異なる、元バージョンを弾いたり、ソナタ３番｢グランド･ソナタ｣なら出版されなかった手書きの原稿だけ発見されたスケルツォ楽章を加えて全体を５楽章にしたり、第３楽章の変奏曲にこれまた出版されなかった２つの変奏を加えたり、こうした試みは20世紀末から、世界の若手ピアニストによって次々に行われ始めた。
それまでは20世紀初頭の即物主義の影響で、なるべく出版された作曲者の最終決定版を尊重し、しかもテンポや強弱などとにかく楽譜に忠実に弾く主義が、ずっと20世紀末までピアノ界を支配していた。

だが最近は演奏者は単なる作曲者が書いた楽譜の再現者に留まらず、創造性を要求される存在に変化してきた。
これは大変喜ばしい事である！

モーツァルトのピアノ協奏曲のカデンツァも、演奏者が従来のベートーヴェンその他が書いたモノに音を加えたり、場合によっては全く別の新たなカデンツァを作曲してそれを加えたり。

まあ、ある程度作曲能力があるピアニストなら、やり過ぎない程度にこういう創造性を発揮していいと思う。

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しかし私は何故、こんなにシューマンが好きなのだろう!?

少年時代から好きな作曲家だったが、やはり常に今までシューマンを嫌いになった事はない！

勿論、シューマンなら何でも好きとかシューマン作品を全て熟知している｢シューマニア｣とは違うから、大体、ピアノ曲、歌曲、交響曲、協奏曲、あとオーボエやチェロとピアノによる幻想的作品に限られるが。

ベートーヴェンは勿論、仮にその時に弾く、練習するレパートリーに無くても、ピアノ曲でなくて交響曲２、３、６番など聞けば多分、一生好きで居続けられる大作曲家。

あとリストは曲によるが、やはり好きな作曲家だ。

チャイコフスキーも。

あとはたまに冷淡になるが、ショパン、ドビュッシーも。
ラフマニノフはピアノ協奏曲と宗教音楽。やはりこの分野が彼に一番向いたのだろう？

シューマンの作品の特長は、単に技巧だけ上手く正しい音を出しても全くダメで、ロマン派的な音楽性の有無でハッキリいい演奏か、つまらない演奏か分かれる事。

存在の深淵を覗き見る、または感じる者だけが、シューマンの名演を出来るのだ！

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>> 254 具体的に大まかにシューマンの好きな作品と、そうでもない作品を挙げる。

作品１のアベッグ変奏曲は、普通。
作品２のパピヨン/蝶々は好き。
作品４のインテルモッツィも良い。
６のダヴゥッド同盟は大好き。
７のトッカータも同様。
９の謝肉祭は少年時代からの友。
11のソナタ１番は良い作品だと思うが大好きではない。
12の幻想的小品集は曲による。
13の交響練習曲と14のグランドソナタは一番のレパートリー。
15の子供の情景は弾くより聞く方がいい。
16クライスレリアーナは片思いで何か演奏が激しすぎなのか結果がイマイチ。
17幻想曲は結果が良いが、まあまあ好きという感じ。
18アラベスクも良い。
20フモレスケは大好きか普通か時期による。
21ノヴェレッテンは好き。
22ソナタ２番も最近好きになった。
26ウィーンのファッシングの騒ぎ、は好きだがもっと難しかったら更に良かったのに。
あとはロマンス２番とか、森の情景とか、作品111の幻想曲集が好きなピアノ作品だが、全集に目を通すとペダルピアノの為の作品とか、その他余り有名でない作品にも、ビックリするような魅力的な曲がある。

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>> 255 歌曲は全曲が大好きなのは、作品48の詩人の恋。
他は曲による。

交響曲は全４曲皆、大好き。オーケストレーションに文句言う人の意見は相手にしたくない。

協奏曲だが、ロマン派最高の名作とされるピアノ協奏曲、作品54は実は第１楽章カデンツァ以外、弾きたい程には好きではないのだ。

代わりに遺作のヴァイオリン協奏曲は大好き。

またピアノとオーケストラの１楽章のみの作品２曲も、どちらも好きだ。

あとオーボエとピアノによる幻想曲集。チェロとピアノの幻想曲集も大好きで、これだけは詩人の恋同様、喜んで伴奏したい作品だ。

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>> 256 つまりシューマンの魅力とは、真のロマン派でしかも深淵から涌き出るような音楽、加えて当時の音楽家では珍しく大学の法学博士号取ったインテリで作品にも知性や文学、哲学の知識が溢れている。
更に対位法の天才で、内声部も充実した作風という事だろう？

しかも多分全ての大作曲家の中で、一番内心、内面の自由があるという点も。

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>> 257 音楽家に音楽以外の学術の知識、知性は必要か？

大作曲家をまず見る。
シューマンとチャイコフスキーは共にドイツ、ロシアそれぞれの最高レベルの大学で博士号まで取っている。
ベートーヴェンは中退したが当時では珍しく大学に行った。
バッハは音楽教育がメインだったが、バロックでしかも宗教音楽を作曲し、名門合唱団の指導者となると、ラテン語、イタリア語、様々な歴史、神学の知識が必要で、実際に音楽と並んでラテン語を青少年に教えられたから就職できた。

モーツァルトは父親が音楽家で少年時代から音楽オンリーだったが、やはりヨーロッパ各地を演奏旅行し、宗教音楽を作る必要もあったから、ドイツ語以外にラテン語、フランス語、イタリア語が立派に出来た。他の学術については不明。

ただしバロックや古典派の大作曲家は、複雑な対位法や和声学、形式学をマスターした上で、毎日作曲し大量生産の義務を負っていたから、知能がかなり高くないと無理だった。

ショパンは音楽オンリー教育に近かったが、絵がなかなか上手かった。ただし一部の伝えによると父親がフランス人で、二十歳から39歳で死ぬまでずっとフランス生活していたのに、フランス語がネイティブほど流暢で無かったとか？
だが代わりにポーランドの愛国者だったからポーランド語は一生立派に出来たのだろう？

リストも音楽オンリー教育だったが30歳頃、音楽家に学問が必要と強く感じ、毎日狂ったように読書し勉強した。結果、40歳過ぎに真の大作曲家になった時には、文学、哲学、神学の造詣深い人物に変身していたのだ。

ブラームスは知能高かったろうが、ハンブルクの貧民の出で、ピアノ以外の教育を受けず、ピアノも少年時代に売春宿で弾いて生計立てていたくらい。
だから当時の音楽家には珍しく、ヨーロッパ共通語のフランス語が出来ず、代わりに港街ハンブルクに居たから英語は一応出来たのか？

ただ音楽の天才だったから、作曲も自力で習得し、音楽だけで後にドイツ語圏を代表する大家の地位を得た。

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>> 258 ワーグナーも劇団一家の出だったから、高等教育など受けず、しかし音楽の天才でゴリ押しの名人でもあったから、独学で作曲を学び、大作曲家になった。
また文学の才能もあったので、母語であるドイツ語を徹底的に究め、楽劇の台本を全部自分で書いた。こういう作曲家は珍しい。皆、オペラの台本は作家に書かせたものだが。
しかもワーグナー楽劇の歌詞は、立派な劇文学になるレベルだった。
また彼は十年以上パリで指揮者をやっていてフランス語が堪能。何だか教育受けなくても自力でどんどん吸収し、総合的な音楽、学術の大家に成っていった怪物みたいな人。
｢指輪｣を書くには古代ゲルマン神話に精通していなければならないし、｢トリスタン｣その他ではアーサー王伝説(ケルト伝説)をよく知らねばならない。
更に彼はショーペンハウアーの崇拝者で、インド哲学や仏教まで深く研究していた。

チャイコフスキーが法学博士だったのは書いたが、ロシアの作曲家はロシア自体が後進国でインテリが少なかったため、１人で音楽と学術両方の一流を兼ねるケースが多かった。
リムスキー=コルサコフは音楽家以外に医学者で、コルサコフ症候群などの発見者。
他にも主に理系の学者を兼ねた音楽家が多い。


ドビュッシーは音楽の英才教育だけ受けたが、成人してからは音楽家より画家や作家と親しく交流し、美術、文学の造詣深く、それが印象派音楽の開拓に繋がった。
生粋のパリジャンだったからフランス語には誇り持ち、立派な評論文章を書いている。
また年下の鬼才サティと親しかったので、結構オカルト等の知識も持ち(しかしサティみたいに秘密結社に入らなかったが)、互いにエスプリと皮肉に富んだ豊かなフランス語会話をしていたようだ。
あとドビュッシーにはドイツ語、イタリア語、英語がかなり出来た形跡がある。

20世紀以後になると、大作曲家だけでなく大指揮者、大ピアニストも学術を広く知る者が増え、仮に音楽の話を全くしなくても他の学問の話題だけで４～５時間は楽々喋れる教養ある者が真の大家という感じになってきた。

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>> 259 20世紀の芸術音楽は、特にシェーベルク以降、耳には聞き苦しいが、しかし作曲家の大半が他の文化や政治、哲学、数学などに関心持たないと作曲できない時代になる。

当然、ファシズムや共産主義に対する抵抗、または共産主義賛美、国粋文化賛美、また反戦主義、様々な現代哲学を反映させた作品が増える。

また20世紀では初頭に当たるロシア音楽では、スクリアビンが神智学協会(一種のオカルト結社)の会員で、その影響受けた作品を次々に発表、ストラヴィンスキーは斬新な世界の開拓。

他方ラフマニノフは、チャイコフスキー主義を守りつつ、近現代音楽の要素も取り入れていったが、基本的に19世紀の伝統を立派に維持したピアノ協奏曲、特に１、２、３番や、ロシア正教会の宗教音楽に芸術性を導入した。

ラフマニノフについては、彼の人生を沢山研究せねばならないが、特に悪い事もしていないし、善人でそれなりに信仰深かったようだから、彼の宗教音楽への貢献を合わせて、ロシア正教会で彼を聖人にしても良いかもと、私は思う。

あのニコライ２世を聖人にしてしまったのだから、ラフマニノフの方がずっと資格あるだろう？

カトリックみたいに聖人と認定するのに煩雑な手続きが必要でも無さそうだし。

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日本人はバブル崩壊以後、特に2010年以降、ますます島国メンタリティに凝り固まって来たように思う。
これは無意識に地位低下、未来への不安が、逆にホルホルを助長させているのだろう？

だがかつて共産主義末期の戒厳令下のポーランドを見た私は、今の日本人が当時のポーランド人にかなり似ているのを強く感じる。

つまりあと数年経てば、もう次第に諦め、現実を受け入れ、ホルホルすらしないでうつ向いた気持ちだらけになるか、または自暴自棄になり犯罪が増えるか、に大衆が２分されるだろう？

いや今も既にそういう兆しは見える。

私が来た15年前より明らかに民度が低下してきている。まあそれでも中国人などよりは遥かにマシではあるが。まだ今のところ。

と言うか日本人は最初から島国だったから、元々、日本が全世界だと錯覚し、真の国際感覚が理解できないのかも知れない。
しかも日本人自身はこう言われても、全くそれを意識していないから、何の事だかすら分からない。

まあイギリス人すら島国メンタリティが抜けないからな～
連中は地元ヨーロッパでは変わっている、島国独特の別世界なのだが、ただ日本と違うのはヨーロッパ外の世界各地に植民地作り、そこにイギリスのメンタリティを強制したから、今ではヨーロッパ以外ではイギリスのメンタリティが結構｢国際的｣とか勘違いされ、呼ばれている事だ(笑)

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しかし日本に住む欧米人にも程度低い連中が多い。
これはまあ明治時代から、お雇い外国人の大半が本国では３流だった時から、大差ないか(笑)

私が知る範囲では、日本在住の欧米人学生の大半は、欧州の大学では通用しないレベルの連中のみ。

また旅行者見ていると、大概はオージーかハワイまたは西海岸のアメリカ人、カナダ人ばかりで、これも全く交流したくない連中ばかりだ。

だからたまに年配のドイツ人団体旅行者などを見ると、嬉しくなる。ウィーンでは嫌われ者のドイツ人も、東京の外国人ではずば抜けて立派に見えるのだ。

彼らと話すのも楽しいし。向こうはオーストリアに何のわだかまりも無いから、突然、品川や東京で知り合った私と仲間みたいになり、一緒にビール飲みに行ったり。

あとフランス人か？
かなり会話が錆び付いたが、一応喋れる私が、連中にフランス語で話してやると皆、大喜び。フランス人は旅先でフランス語喋る人間に弱いのだ。
しかも今の世代のフランス人はもうオーストリアがドイツ以上にナチスだった事を知らないらしく、ドイツ人に対するような警戒(？)を全くしないから笑える。

ドイツとフランスは、ＥＵの中軸みたいな関係だが、内心では意外に相手を信用しないで、長年の敵対を解消しきれていない者が多いのだ。

オーストリアとフランスの対立の方が歴史的には長かったのだが、まあどちらも外交上手、また互いにドイツを悪者(笑)にして、シンパシー感じ合っている面が多い。

オランダ人はオーストリア人をドイツ人より警戒しているみたいだが？

まさか未だにアンネの嘘日記に拘って、ナチスのオランダ総督、ゲシュタポ支部長がどちらもオーストリア出身なのを、忘れていないのか？

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>> 262 とは言え、やはり日本人に顕著なのは反知性主義、自分が分からない話をただ否定したがるだけで、分かるレベルに自分を高める努力をしようとしない事。
特に女性。
だからいつまで経っても、日本に女首相は誕生しない。
男が女に知性を求めない風潮も悪いのだが、女の大半が馬鹿のままで安穏とし過ぎなのも問題。

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日本の一流大学、または大卒でも欧州では実質、中学生のまあ勉強できる連中と世界では同格にも及ばないのは、欧米中心のグローバル世界だから仕方ないとは言え……情けない。

人種問題を別にしても、子供時代からの環境が違い過ぎるのだろう。

例えば我々ドイツ語母語なら、英語は一番易しい外国語。実際にイギリス生活して毎日困らないような英語力(会話、発音等)は、日本のかなりいい大学出ても、すぐには苦しいのが実情。
だがドイツ語や北欧語が母語なら、遊んでいてもこのくらいなら自然に習得できる。

またラテン語。日本人にはその重要性さえ分かっていない大学生だらけ。
しかも佐藤優氏が言うには、日本人でラテン語マスターしているのは10人くらいだと。まあ少し甘くしても、30人くらいだろうか？

だが欧州ではラテン語が中学以上の必修科目の場合が多いから、極端に言えば中学、いや高校レベルのマトモなラテン語教師の数だけラテン語マスターしている者がいるのだ。

また仮に中学、高校でラテン語を取らなくても、自分の言語の学問用語は大概ラテン語だし(日本人にとって漢字熟語の大半が漢文つまり古代中世の中国語みたいな感じ)、また欧州の半分以上の地域はカトリックだから、教会に行けば必ずラテン語にぶつかる。

我々の世代と言うか、第２ヴァチカン公会議以後のミサを基本、各国語で行う時代でも、ウィーンなど古い伝統ある都会では、毎日ラテン語でミサ行っている教会が幾つもあり、そういう場所に行く人々も少なくない。

すると１時間強の式次第をずっとラテン語で聞き喋りしているから、当然、丸暗記してしまっている者も多いのだ。

これだけでも江戸時代の日本人が漢文に身近だった(？)以上に、我々はラテン語に身近。

とにかくこういう文化の基本は千年以上に及ぶから、どんなに変えたくても不可能。
いわゆる帰国子女も、ここまで欧州文化の根底には触れないで日本に戻る。

つまり日本の大学とは、無理にUniversitaetを根なし草みたいに植え付けたに過ぎず、本来は大寺子屋とでも名付けた方がいい、全く異なる中身の教育機関なのだ！

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最近、古代ドイツ語の文法書を取り寄せて少し研究している。
大体、オーストリアではドイツ語国語だが、古代ドイツ語なんて大学の独文科に入った連中しかやらない。

ドイツでもそうらしい。


古代と現代を結ぶ、中世標準ドイツ語は、ニーベルンゲンの歌やパージファル/パルチバールを一部読む授業がギムナージウム(高校)であった。

また近代初期ドイツ語は、ルターが16世紀に聖書をドイツ語訳してから、今日まで、互いに理解できないくらい違いはなく、大体はそのまま分かるレベル。

このような強い支配的宗教の聖典の言語はなかなか変化しないものだ。

日本なら戦国時代の日本語と現代日本語では全く違うだろうが、ドイツ語では日本の戦国時代と同時代のルターが開発したモノが今日でもそのままで大体分かる。
(更にラテン語なんか紀元前１世紀の文法、語彙がずっとそのまま有効だし)

さてしかしルター以前には、今日まで権威あるドイツ語聖書など無かったし(カトリック教会がラテン語以外、禁止していたから)、だから中世末期より古いドイツ語はもう今日では翻訳ないと分からない。


では古代ドイツ語とは何かと言えば、これはフランク王国時代にあったドイツ語であり、つまり今のドイツ語圏で使われた西ゲルマン語全てを含む。

だから当然、当時のザクセン語、アレマン語、低地ドイツ語、更にはフランク語も含まれるのだ！

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>> 265 つまり英語の先祖に近いモノも含む。

英語は６世紀頃、北ドイツのザクセン族の一部が隣のアンゲル族と共に海を渡り、ブリテン島に行き、地元ケルト系を支配、混血したのが始まり。

つまりもし後に、400年に渡るフランス系王朝の支配で別系統の言語であるフランス語が大量に入り、文法まで混乱する事が無かったなら、現在英語はドイツ語と余り変わらないモノだったのだ。

古代ドイツ語は、だから英語の先祖かそれに大変近い言語も含むと言ってよい。

フランク王国当時の英語は、ザクセン語と大差無かったのだから。

なお同じゲルマン系でも、北ゲルマン語(ノルト語)である古代北欧語や、東ゲルマン語で14世紀に消滅したゴート語(ゴティック)は、古代ドイツ語に含まれない。

ただしゴート語は東ローマ帝国と交渉があったため、聖書の翻訳断片などによりゲルマン語でもかなり古くから資料がある。

ゴート語の研究は、だから東ローマ帝国の実質国語だったギリシャ語が分かった方がやり易いのだが、この東ゲルマン語に属するゴート語研究も、西ゲルマン語の中ではドイツ語が一番近いから、やはりドイツ語の知識が要る。

英語からだと距離があり過ぎるのだ。


ただ私の、古代ドイツ語を少し調べ始めた理由も、ラテン語との関連、ローマ帝国時代のゲルマン語の像を知りたくなったのが一番。

あと古代から中世にかけて、勿論ドイツ語圏の上流階級はラテン語を使っていたのだが、それがドイツ語文法形成にどう影響したのか、を知るためだ。

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天皇が新たに変わり、日本では天皇制どうこう議論があるようだが、よく神武天皇(初代)から数えて２千６百年(？)云々の話は、強く否定する気が私には無い。

近代以降の歴史学や考古学などの科学によれば、16代だったかの仁徳天皇辺りから史実とされるが、様々な伝説やロマンがあってもそれはそれで面白い。

いや私は神武２千６百年をそのまま肯定しているのでは全くないが、こういう伝説の類いは世界中にあるし、それで特に害を被る立場にあるのは多分、近隣諸国の人々であろう？

例えば神武２千６百年を主張する者に耐えられないのは、韓国(日本が自国より古い事になるから)、中国(始皇帝の統一より日本の皇帝!?が早かったから)等のハズだ。

これは普通の日本人が、仮にインド人がインドの歴史は永遠の昔に始まると言っても余り気にならない。遠い国同士ではそんなモノだ(笑)

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>> 267 で天皇史とか天皇の存在問題はまた後に書くとして、神武２千６百年は大袈裟にしても、似たように科学検証に基づかない伝説は世界中にあり、更に悪い事にはそういう伝説を科学的史実に混ぜて本当らしく発表したり、逆に政治的に史実と言われるモノが捏造される場合が結構あることだ！

先に出たからインドを例にする。
インドの歴史が悠久の昔からあったと言うのは、勿論ヒンズー神話であるが、我々はインド文明は約５千年前にインダス川流域で始まり、それが４千年くらい前から白人系のアーリア人の北からの侵入で滅ぼされ、それから数百年経ってアーリア人のインド文明が始まり、それがヴェーダを生み、またガンジス流域まで広がったと、歴史で習うハズだ。

だが21世紀になると、歴史学でアーリア人が侵入してきた証明は無いし、本来のインド(インダス文明)がアーリア人の開いたモノで無かったと言う証拠も無いらしいと分かった。

つまりアーリア人と呼ばれる民族は元から北インドに居た可能性が高いのだ。

アーリア人がはるか北、まあ黒海やカスピ海の北から南下移住してインドを征服したとか言う説は、一見学術的な覆いに包まれているが、インドを植民地にしていたイギリス人らに都合よく作られた説だったようだ。

まあそこからインド哲学やサンスクリットを生み出したアーリア人が、今のバルト海からカスピ海辺りの発祥で、イギリス人含むヨーロッパ人の先祖(白人)らが元祖だ。そしてインド人が優れた文化を持ちつつ、肌が浅黒いのは先住民と混血してしまったからだ、と言う説明が成立する。

そんな説の中からナチスのゲルマン人こそが真のアーリア人で一番優秀、とか言う滅茶苦茶な神話が発生したりする。

実際にはアーリア人とは、あの浅黒いインド人や隣のイラン人の事であり、ヨーロッパ人の先祖らはアーリアとは関係無かったらしいのに！

ある学者が言っていたが、このアーリア人インド侵入説と言うウソのせいで、インド人らには大変申し訳ない事をしてしまった、と。

• << 294 話変わって、このレスに補足。 現代のインドを見ると、比較的北部の人間は色白で鼻が高く、南部にいくと浅黒く鼻が広くなる。 とか、カーストによって、割合上の方のカーストに色白が多い、とか言われる。 私はインドに行った経験が無いから、これは様々な人々から聞いた話に過ぎないが。 またインド映画界では色白で白人に近いような顔の方がスターに成れる、とも。 だがこういう話を以て、だからインドはヨーロッパから古代に侵入した白人(アーリア系)が中心の国だ、とか、カーストの上層部は白人アーリア系だ、とか言うのは全くの間違い。 現代インドで割合色白で鼻が高く彫りが深い人々は、実は17～18世紀にペルシャ(イラン)から移住してきた人々の血が多く入っているのだ。 当時のインドはムガール王朝で、皇帝や貴族らはイランや中央アジアから来たイスラム教徒。これが土着のヒンズー教徒の土豪や地主を支配していた。 それ以前にもイスラムの手は次第に北インドに伸びていたが、だからこそインドはイギリスから独立した時にヒンズー教中心のインドと、イスラム教のパキスタン、バングラデシュに分かれて対立するように成ってしまったのだ。 とにかくムガール王朝がインドを支配すると、イスラム文化としての先進地域であるイラン(ペルシャ)人は移住が歓迎され、かなりのペルシャ系がインドに移住して、インドのイスラム文化に影響与えたのだ。 現代インドに白人に近いようなタイプが居るのは、これが理由である。 3500年も昔にヨーロッパ系白人が侵入したとして、それが今までそのまま残っているものか！ カースト(ヴァルナ)制度を儲けた云々しても、地域によっては高いカーストに色黒で鼻が広い者も多いのだし、もしもそんな古代にヨーロッパ白人がインド侵入したとしても完全に原住民と混血してしまっている。 第一、2300～1900年くらい前に北インドを支配したギリシャ系なり、貿易でインドに一定数住んでいたローマ人でさえ、もうその子孫と言われる人々などインドには居ないでは無いか(笑)
• << 295 あと、このスレで約束した｢天皇｣に関して、全角度から考察は無理だから、２つ程度の角度から述べたい。 まず｢天皇｣は欧米で呼ぶならemperorエンペラーでなくTennoテンノーにすべき。既に欧州ではそう呼んでいる人々が以前から居る。 これはロシア皇帝がツァーリ、ペルシャ(イラン)皇帝がシャー、トルコ皇帝がスルタンと呼ばれたのと同じ。 エンペラーとテンノーは意味が異なるかのだ。 またエンペラーと皇帝も本来は意味が異なる。 皇帝とは秦王の政が中国統一して始皇帝を名乗ったのが最初で、彼は昔の伝説から皇と帝の名前を取り、繋げたのだ。 つまり皇帝とは、清までの中国の統一王朝の君主の意味。厳密には。 西洋のエンペラーを皇帝と訳すのは、便宜上に過ぎない。 ではemperorエンペラーとは何か？ これは紀元前27年に、ローマの内乱収め統一したオクタウィアヌスが、Imperatorインペラートルを名乗ったのが定着していったモノ。インペラートルはラテン語で、最高指揮官、指導者などの意味で、元々は軍の最高司令官を意味していた。 なお彼オクタウィアヌスは、同時にアウグストゥス(尊厳ある者)のタイトルも自ら加え、またカエサルの死後、養子としてキャリアをスタートさせたから、カエサル家の者でもあるのでカエサルとも名乗った。 このインペラートルがフランス語や英語でエンペラーなどの皇帝の語源に、カエサルがカイザー(ドイツ語で皇帝)、またツァーリ(ロシア皇帝)の語源になった。 なお、いわゆる西洋の初代皇帝であるオクタウィアヌス/アウグストゥスは、それまでの共和制の伝統を気遣い(でないと先代カエサルが独裁者丸出しで暗殺されたのと同じ運命になってしまう)、更に自らプリンケプス(第一の市民)をも名乗った。 このラテン語の単語は、後に英語などで校長なり、何かの組織の第一人者の語源に。 ↩

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>> 268 更に近代ヨーロッパ人らは、学術を隠れ蓑に、あのインドの古典語サンスクリットがギリシャ語やラテン語に似ていて、しかもそれらより古くから文法体系が完成していた、とか、やたらにインド史を手玉にとって利用した。

これは前のスレに書いたか貼ったハズだが、今日の歴史学で見れば、サンスクリットはギリシャ語の影響の基に作られた言語の可能性が高いのだ。

これはインド人自身が言う歴史年代は全く当てにならない事や、サンスクリットで書かれた石碑や文書がアレキサンダー大王のインド侵入より前には皆無であること。
またサンスクリットと呼ばれる言語は代々口づてに伝えられ、文書化したのが紀元前後あたりである事。
それからサンスクリット文学の全盛期が紀元後２世紀頃から始まる事などを見れば、大体理解されよう。

証拠なら他にも沢山ある。

このように、｢学術的に｣と言われた説も結構いい加減なモノが多い。

今夜は疲れたから、続きはまた後日かな!?

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🎵昨夕は日比谷に、日本語完全版のオッフェンバックのオペラ｢天国と地獄｣を見に行っていたのだ。
だから夜中も何か疲れが…

いや、普段なら夕方から夜にかけて、かなりキツい練習するから科学的(笑)にはその方が疲れているはずだが、やはり私の悪い癖でオペラとか見ると喜劇でもアレコレ深く考えてしまうからな～

まず日本語訳｢天国と地獄｣だが、20世紀前半に訳されたらしい。原作通りに訳すなら｢地獄のオルフェ｣。オルフェとはギリシャ神話のオルフェウスのフランス読み。
つまりあのオルフェウスの悲劇神話を基に、お笑い風な筋に変えているわけだ。

だから｢天国｣とあっても、キリスト教的な崇高で偉大(笑)な天国を想像しては間違い。オリュンポスの事に過ぎず、いや古代ギリシャ人には偉大で崇高だっただろうオリュンポスも、近代フランス人にはいくらお笑いネタにしても構わない、堕落した古代の異教世界の神々の世界なのだから。

だからもし｢天国と地獄｣と訳すのなら｢天界と冥界｣とした方が本質が理解しやすい。ただ哲学臭い、面白くない訳かも知れないが💦
↩

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>> 270 🎵で、まず序曲から。これは私がモーツァルト、ワーグナーやチャイコフスキー以外のオペラに全く詳しくないから仕方ないが、この序曲聞いていて、改めてロッシーニが音大時代に教授から｢君はもうオペラは書ける腕前だが交響曲書くにはまだ数年勉強が必要だね｣と言われて、｢オペラが書ければもう十分です｣と答えて退学してしまった逸話を思い出した。


つまり最近、私がエロイカ以外に更に前のベートーヴェン交響曲２番をリスト編を基にピアノ編曲したり、ついでに１番をリストのより軽く易しいペーター版を参考に編曲しているから、余計思ったのだろうが、何というオペラ序曲の軽さ、稚屈さよ！

ベートーヴェンの初期交響曲に比べても、全く単純なメロディと伴奏の世界で、多重なメロディやモチーフの重厚さ、作曲の醍醐味が全くない。まさに天国と地獄の差だ！

でつくづく思った。結局、オペラ(モーツァルト、ワーグナー、ヴェルディ等を除く)とは、１ヶ所でもブレイクするメロディがあれば大成功、名曲として後世に残るモノで、それ以外の部分は歌詞に合わせて単純に音を付けていればいいだけの代物なのだ、と。

まあ、そこに演出なりスター歌手なり、そこそこ面白い筋なども有名さを手助けする要素だろうが、何と言ってもカリスマ性あるメロディが１ヶ所あれば大成功。

仮に｢地獄のオルフェ｣即ち｢天国と地獄｣に、かのフランス風カンカンのあのメロディとダンスが無かったなら、全くの無名作品で終わったであろう!?

同じオッフェンバックの｢ホフマン物語｣も、あの舟歌あってこそ有名なのだ。

オッフェンバックはまだいい。成功者として今日まで残っているから。

19世紀には星の数ほども様々な作曲家によって沢山オペラが書かれ、その大半は一時ブレイクしても数年後には忘れ去られていき、今では上演どころか楽譜の断片しか残っていないモノが、膨大な数にのぼる。


まあ見方によっては、オッフェンバックみたいな作品が息抜きできて楽しく、これが代わりにワーグナーのトリスタンやムソルグスキーのボリス･ゴドノフだったら、前もって腹に力入れて覚悟決めて聞きに行くべきで、昨夕みたいに突然の大使絡みの誘いで行ったのでは大変な疲労感を味わう事に成ったであろう!!
↩

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>> 271 🎵オペラと交響曲などに関する掘り下げは、また今夜にでもやる積もりだが、今簡単に言いたい疑問は、しかしいくら古代の異教の神々だからと言って、本気でお笑いネタにするのは良くないな。

天国と地獄でも、本気でなく遊び心でふざけてネタにしていたのだろう(と信じたい)

私みたいに現代人の平均よりは、かなり正統派キリスト教(つまりギリシャ正教や古代のカトリック)の信仰が強い者から見ても、古代の異教の神々をバカにするのは倫理に反する、と思う。

大体、明らかに幼稚な迷信や原始宗教の動物を神々と崇めるようなモノは相手にしなくてよいが、古代の文明世界で尊重されていた神々(ギリシャ･ローマ、インド、また疑問符付きだが北欧神話の神々など)には、最低限、敬意くらい払うモノではなかろうか？

また音楽から話が逸れていったから、とにかく今はこれくらいにして、音楽の話は今夜にでも続けたい。

(他方、昨夜書いた古代インド史のヨーロッパ人による捏造や、天皇神話の問題は複雑だから、少し遅れて書く事に成るだろう)

• << 274 さて、オペラと交響曲に関してだが… オペラの方が歴史が長い。 と言うかオペラはオラトリオ等と並んでバロック時代にはしっかりあった。 宗教的(オッフェンバックの天国と地獄じゃなくて、キリスト教や旧約聖書に出てくる真面目な内容)の声楽作品がオラトリオで、世俗的な方がオペラ。 Operaと言う言葉は本来ラテン語のOpusオープスつまり仕事、転じて作品、の複数形なのだが、ここはやはりイタリア語の方が直接の出自だろう!? 他方、交響曲はバロック時代のイタリアでヴェネチア派が協奏曲の元祖みたいな形式(ヴィヴァルディの四季みたいな)、つまり１人が目立った演奏し、他のアンサンブルは伴奏みたいな形があったが、他方ローマでは１人を目立たせず皆で合奏するいわゆる合奏組曲が栄えた。 これが交響曲の元祖で、ローマ以外にも広まり、例えばバッハのブランデンブルク協奏曲やヘンデルの合奏組曲などもこのタイプだ。 とは言え、まだまだ形式が交響曲とは異なっていた。まあちょうどバッハやクープランのチェンバロ組曲と古典派以後のピアノソナタくらいの違いに対応する。 まあ、とにかく本格的な交響曲は18世紀後半のハイドンが元祖とされるのだ。 ここで言いたいのは、まだ音楽が貴族の慰めだった時代には、交響曲の原型はあったが、どちらかというと各地の大小貴族の屋敷専用の小編成なモノで、他方オペラの方は国王レベルが大規模に資金かけて上演させるモノだった。 当然オペラがゴージャスでメイン、人気も高かった。 あのモーツァルトでさえ、バックにオーストリア･ハプスブルクと言う皇帝家があってオペラを書き、交響曲よりオペラの大作曲家と当時(今もか？)評価された。 で正統派芸術音楽におけるオペラと交響曲の地位を逆転させたのは、他ならぬベートーヴェンであろう!? ↩

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メモ１…浪費癖や衝動買いは良くないが、しかしドケチはそれと同じか、いやそれ以上に良くない。醜い。

この点だけを除けば、私はベートーヴェン主義者で在りたい！
つまりウィーンの自然とGemuetlichkeitに浸り、ゲルマンの野生を持ちつつ、しかしローマ人的な倫理、偉大を重んじる。

ストア派的キリスト教徒。そして他の哲学にも寛容。
何にでも真剣で真面目で堅物で面白くない面もあろうが、他に生きようがないだろう？　自らの自然に従いそれを極める以外には！

他方チャイコフスキーは、かつてはゲイの疑いを強く持ったが最近では濡れ衣の可能性がかなりあると思う。
彼は当時の男性像から見れば、心優しく、傷付きやすく、弱者に同情し過ぎ、また他者の悲劇を聞いて激しく泣いた。
晩年は聾唖の少年に同情し、手元に置き優しく面倒見た。
こういう所がゲイ疑惑を生んだのかも？
確かに彼の心は乙女的であったかも知れない。
音楽にだけは厳しかったが、他には優しかった男。

まあ彼にはバレエとオペラ両方に名作があるが、バレエ関係の超一流(作曲家もダンサーも)は女っぽい面が強いのも一定の事実。
オペラは逆に異性を意識するタイプが一流になれる、とか!?

だからますます白鳥の湖なんかのイメージが彼のゲイ疑惑に重なるのだろう？

私はゲイでは全くないが(ゲイ差別も全くしないけれど)、時には涙もろくなったり気が弱くなったりはする。
この部分はやはりベートーヴェンや、古代ローマ人(都会の一部の堕落した貴族でない誇り高い将軍など)を見習い、もっと強くならねばいけないだろう!!

• << 328 メモ２…権力と権威の最大の違い 権威は、それを認めない者の前には全く無力である。 他方、権力はそれを認めようが認めまいが、有無を言わさず他者を従わせる｢力｣を伴う。 仮に認めない者の心まで支配は出来ないにしても、肉体、外面を支配し、強要する事が可能である👍

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>> 272 🎵オペラと交響曲などに関する掘り下げは、また今夜にでもやる積もりだが、今簡単に言いたい疑問は、しかしいくら古代の異教の神々だからと言って、本… さて、オペラと交響曲に関してだが…

オペラの方が歴史が長い。
と言うかオペラはオラトリオ等と並んでバロック時代にはしっかりあった。

宗教的(オッフェンバックの天国と地獄じゃなくて、キリスト教や旧約聖書に出てくる真面目な内容)の声楽作品がオラトリオで、世俗的な方がオペラ。

Operaと言う言葉は本来ラテン語のOpusオープスつまり仕事、転じて作品、の複数形なのだが、ここはやはりイタリア語の方が直接の出自だろう!?

他方、交響曲はバロック時代のイタリアでヴェネチア派が協奏曲の元祖みたいな形式(ヴィヴァルディの四季みたいな)、つまり１人が目立った演奏し、他のアンサンブルは伴奏みたいな形があったが、他方ローマでは１人を目立たせず皆で合奏するいわゆる合奏組曲が栄えた。

これが交響曲の元祖で、ローマ以外にも広まり、例えばバッハのブランデンブルク協奏曲やヘンデルの合奏組曲などもこのタイプだ。

とは言え、まだまだ形式が交響曲とは異なっていた。まあちょうどバッハやクープランのチェンバロ組曲と古典派以後のピアノソナタくらいの違いに対応する。

まあ、とにかく本格的な交響曲は18世紀後半のハイドンが元祖とされるのだ。

ここで言いたいのは、まだ音楽が貴族の慰めだった時代には、交響曲の原型はあったが、どちらかというと各地の大小貴族の屋敷専用の小編成なモノで、他方オペラの方は国王レベルが大規模に資金かけて上演させるモノだった。

当然オペラがゴージャスでメイン、人気も高かった。

あのモーツァルトでさえ、バックにオーストリア･ハプスブルクと言う皇帝家があってオペラを書き、交響曲よりオペラの大作曲家と当時(今もか？)評価された。

で正統派芸術音楽におけるオペラと交響曲の地位を逆転させたのは、他ならぬベートーヴェンであろう!?
↩

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>> 274 🎵ベートーヴェンは、一代前の哲学者カントが、音楽は文学や美術みたいに高度な芸術には成れず、単なるエンタメの域を出ない、とか言ういわゆる音楽最低論に激しく反発した。

まあ今でも音楽はエンタメだと感じてる人々が多いだろうし、実際、芸術性など殆ど無い音楽があちこち横行している。いや軽音に限らず、先に挙げた19世紀の人気オペラの大半だって真の芸術と言えるか怪しいもんだ。

だが文学にはエンタメ性もつ娯楽小説もある反面、ダンテやドストエフスキーみたいなのはエンタメと言っては失礼で高度な芸術作品だというイメージがある。
これは不公平ではないか？

美術はもう美術と言うだけで、とにかく普通の画廊や展覧会を飾る絵画や彫刻は芸術だと皆が思う。広義に美術としてエンタメとされるのは漫画、アニメ、ポスター、エロ写真、等々だろう？
しかしこれらとて、一部には芸術かエンタメかどちらか言い切れないモノがある。

まあ真の芸術はエンタメ性も当然含むが、しかし高度なカタルシスを与え、人類の磨きあげた到達点なり神と接する世界なりを見せるモノだ！

でベートーヴェンは音楽にはこういう面があり、実際に低俗なエンタメ専用の作品も多いが、例えばバッハやヘンデルの一部の作品やモーツァルトの器楽曲みたいな高度な芸術もある、と考えたのだ。
(だが面白い事に彼はモーツァルトのオペラを余り評価していない。真面目でストイックなベートーヴェンだから、オペラとは真面目で感動する題材でこそ芸術に成り得ると考え、モーツァルトのオペラは軽率な台本、粗筋が多いから失敗作だと考えた。まあドン･ジョバンニくらいか成功作は？
でベートーヴェンが苦心して唯一作ったオペラ｢フィデリオ｣だが、音楽はまあいいが筋も内容も楽しくない、ハッキリ言って詰まらない💦)
↩

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>> 275 🎵だがここで一つの、世界を変える大事件が起きる。

それはベートーヴェンの難聴の始まりだ！

もし彼が難聴に成らなければ…

彼の作品を年代順に追うと、難聴が始まるまでの31～33歳くらいまでは、やたらにピアノ作品が多い。32あるピアノソナタの半数以上がこの時期までに作られた。
実際、当時はまだ作曲家イコール演奏の名人だったから、バッハが生前、作曲家よりオルガニストとしてずっと有名だったように、ベートーヴェンも作曲家より大ピアニストだったのだ。

しかし難聴になれば、ピアノの生演奏はやり難くなる。作曲よりも。

作曲も並みの作曲家なら難聴に成れば殆どダメだが、ベートーヴェンくらいの怪物になれば全ての音が頭に入っていて、出来たのだ。

だが演奏は難聴だとミスタッチに気づかなかったり、合奏の時など全く他人と合わないから無理。

とにかく難聴が始まってからベートーヴェンにはピアノ作品より、交響作品など自分が弾かない器楽作品が急増した。

これはまあ難聴だけが原因でなく、大体、作曲家は初期にはピアノ作品や歌を沢山作り、円熟してくると多くの楽器による作品に進展していくケースがよくあるのも確かだ。

だがベートーヴェンには難聴と言う大ショックが大きく作用したのは間違いない事実。

ここでもしベートーヴェンが難聴に成らなかった場合の交響曲にその後について予想してみよう。
↩

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>> 276 🎵まあベートーヴェンは元々、二十歳過ぎにボンの田舎からウィーンに出てきて、ハイドンの弟子になったのだから、｢交響曲の父｣ハイドンと同じく、交響曲を重視していたのは間違いない。

だから軽率に管弦楽法を生かじりした青年時代には、交響曲を作らず、室内楽、ピアノソナタ、ピアノ協奏曲などで腕を磨き、30過ぎてやっと交響曲１番を作曲したのだ。

ハイドン･ファンの人には申し訳ないが、既にこの交響曲１番に、ハイドンの影響がありつつ、ハイドンにはない何か巨大で神聖なカリスマの予感がする、と私を虐待してピアノを叩き込んだ奴(まあ今は亡き親父)が、素人ながら言っていたが、これだけにはかなり同意だ。

もう古典派交響曲の名曲としての貫禄十分。

そして数年後の次の２番！

これはもうモーツァルト晩年のプラハなりジュピターと並び、しかも最終楽章まで素晴らしく書けている点ではこれらをも凌ぐ、古典派交響曲の大傑作。
(モーツァルトの40番,ト短調だけは一応別と考えたい。これは天地が逆になったような異例な傑作、とでも言うべきで、普通の古典派交響曲に並べて比較する意味が無いような…)

とにかく若い時から私はこの２番が大好きだった！

大蛇が死の苦しみと長く格闘しつつ、やっと最後に血を吐いて死ぬ、と当時の保守派に酷評された終楽章(第４楽章)。
確かにしつこいが、このしつこさがまた、いい味になっているし、古典派の先人(ハイドンやモーツァルト)の域をギリギリまで超えるパワーを聞くようで、素晴らしいのだ！

でこの２番が完成する頃、難聴の兆しが現れた。

古典派交響曲の最高峰は２番で到達している。

だがもし難聴になっていかなかったら、２番のようなギリギリ古典派の枠に収まるような交響曲の傑作を、手を変え品を変え、まだまだどんどん作曲し続けて構わないのでは？

実際、ハイドンもモーツァルトも、幾つか同じようなハイレベルな交響曲を作り続けたではないか？

その傍ら、室内楽やピアノ協奏曲、ピアノソナタを余裕で書いて、ピアニストとして脚光浴びればよい。

もし難聴にならなかったら…
↩

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>> 277 🎵だが難聴が全てを変えてしまった。

普通、難聴に成れば音楽家を続けられない。ベートーヴェンは全てを一挙に失う事になる。

音楽の才能ゆえにウィーンの貴族らの庇護を受け、かなり良い生活していたが、その生活を全部失う。いやそれ以上に音楽(作曲)が生き甲斐だったのだから、それを奪われる痛手に耐え難かったろう!?

彼は何度も真剣に自殺を決意した！
遺書も残っている。

だが…、死ぬ前に試す価値がある事に気付いた。それは内面から怒涛のように涌き出る音楽を書き留め、作品として完成する事だった。

死を掛けてやる事だから、自爆テロ、じゃ無かった💦が、とにかく全力でやって悔いはないだろう？

もう古典派の権威などどうでもいい、自分のやりたい世界を実現するぞ！


まあ、こうして死の苦しみを通りぬけて、死をかけて完成されたのが、いわゆる中期ベートーヴェンの世界、別名｢傑作の森｣と言われる作品群であり、その最初にして最大の作品こそ、交響曲３番｢英雄/エロイカ｣だったのだ！

２番は古典派の枠にギリギリ収まる、古典派の最高傑作。

だが３番エロイカは、完全に古典派の枠を超えた超大作。

だからと言って、このエロイカ含む中期ベートーヴェンの作品の大半が、ロマン派かと言うと、違う。

ロマン派の要素は豊富にあるし、ロマン派への道を開いたのは確かだが、ロマン派とは感情を重視しその為には形式を犠牲にしても構わない芸術運動。

だが中期ベートーヴェンは、ロマン派の激情を押し出しながら、古典派を独自に発展させたような見事な形式に支えられているのだ。

こんな事は他には誰にも出来ないから、一応これを古典派でもロマン派もない｢ベートーヴェン派｣とでも名付けるしかないだろう!?

とにかく明らかに古典派のハイドン、モーツァルトとは全く違う、ベートーヴェン独自の世界が出現した。↩

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>> 278 🎵この３番エロイカ以後、彼は最後の９番まで交響曲を作曲するが、特に５番、６番｢田園｣、７番、そして９番が大傑作とされる。

勿論、全ての方向を決定づけた３番エロイカは、９番に次いでベートーヴェン自身が自信持っていた作品である。

３番が偉大で有名過ぎて、２番や１番の影が薄く成りやすいが、特に２番は別の意味での偉大な傑作として、もっと評価すべきだと思う。

またこれはＣＤ等の宿命だが、よく１番と２番がカップリングされる。すると最初の１番は色々な意味で皆、注意深く聞くが、その後の２番では注意が散漫に成りやすい。

だからといって２番、１番の順と言うのもオカシイが、とにかく惰性で聞いていないで、作品ごとに休憩してから新たな気分で味わうようにすべきだろう。

まあ我々弾く立場ならば、２番から始めて、それに全力注ぐ事も可能だけれど…

とにかく、この難聴が契機で生まれた３番と、それ以後の複数の交響曲の大傑作群によって、交響曲の価値が劇的に高まり、交響曲、交響作品こそがベートーヴェンが主張した｢芸術である音楽｣を一番体現するモノと成ったのだ！


勿論、ピアノソナタも数こそ減ったが、ワルトシュタイン、熱情、告別、それにハンマークラヴィーア含む後期５大傑作など、内容が濃く、協奏曲や室内楽も同じく量より質に変わっていった。

実は中期ベートーヴェンの後、また一時スランプが訪れ、その後、今日まで音楽の最高峰だがまだ謎につつまれていて議論も多い｢後期ベートーヴェン｣が訪れる。

だがとにかく彼の傑作交響曲群の威力は大きく、同時期を生きたシューベルトもベートーヴェンに憧れ交響曲を９曲作り、次のロマン派ではメンデルスゾーン、シューマン、ベルリオーズ、リスト、ブラームス、それにチャイコフスキー、ドボルザーク、ブルックナー、マーラーと、とにかく交響曲がドイツ･オーストリアとそれより東の国々では、芸術的な音楽のメインとなるのだ。
成りすぎて、交響曲や交響作品が無い作曲家は一流では無いとの偏見まで生まれた。ショパン等は晩年、これに内心苦しんだようだ。

• << 281 🎵勿論オペラが廃れたわけではなく、オペラは交響曲ほど高度な芸術性や作曲家の天才を求められないが、大衆にはずっと人気あった。 特にイタリアはオペラの国で、他国が19世紀に交響曲なり器楽曲を発展させている間も、オペラがメインだった。 器楽ではヴァイオリンがイタリアのお家芸で、バロックのヴィヴァルディもそうだったが、19世紀初頭には何といってもパガニーニが大活躍した。 フランスも器楽が盛んになる傍ら、かなりオペラに拘った。 ドイツ･オーストリアでさえ、ウィーンなどオペラが器楽と並んで人気あったし、また各地のまあまあの都会には必ずオペラ座が存在した。 また数あるオペラ専用の、芸術性よりエンタメの比重が大きい作品ばかり書いて、一時ブレイクし、すぐに消えていった沢山の作曲家(イタリアやフランスに多かった)を別にしても、いわゆる芸術作品を書いた大作曲家も何かしらオペラを書く場合が多かった。 ベートーヴェンの真面目過ぎる苦心作｢フィデリオ｣にはもう触れたが、シューマンもイタリアやフランスの軽いオペラ作曲家らを軽蔑しつつ、四苦八苦し一曲オペラを完成したし、チャイコフスキーはかなりオペラを書き(オネーギン、スペードの女王以外、大半は余り有名でない)、あのドビュッシーらラフマニノフさえオペラを作った。 ただしモーツァルトより前の時代と異なり、大作曲家にとってオペラはメインで無くなり、余力あるから、または題材に興味あるから作ると言うケースが増えた。 ↩

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>> 279 🎵少し専門的だが、この３番(エロイカ交響曲)が何故、革命的であり古典派でないのか少し。

まず古典派、古典主義とはギリシャ･ローマの芸術(特に美術や建築)みたいな均衡美、形式美を尊び、きちんと整理された理論に基づく。

勿論、本物のギリシャ･ローマ世界とは違うが、18世紀の啓蒙思想の影響の下に大成された美術、文学、音楽の様式。

バロックみたいなド派手な飾りや、曖昧、不条理の要素を無くしシンプルな美を理想とする。
感情はあるが、あくまで形式の範囲内でつつしみ深く。

この古典派、当時はこの権威を破るのは不可能に近かった。今でこそ自由気まま、何でもあり、クソくらえやっている現代芸術家らも仮に当時生きて居たなら、古典派の規則を破る勇気など全く無かったろう!?

革命起こすのと似た勇気とリスクが伴うからだ。
実際、古典派、古典主義から次のロマン派への移行は、あのフランス革命が契機と成っている。

だからエロイカ交響曲も、フランス革命を大成したナポレオンへの期待と失望に関連づけられ、また実際に少しは関係もあった。ただナポレオンとの関連の過大評価は今では誤りと考えられる。


さてまず全体が45分という破格の長さ。これはベートーヴェンの全交響曲でも９番に次ぐ長さで、古典派交響曲では20分くらいが普通だったから、酷い型破り。

第１楽章。提示部より展開部が約1.5倍長い。普通は展開部は提示部の半分から４分の３。またコーダもかなり長い。

第２楽章。有名な葬送行進曲。古典派では交響曲は長調で始まれば２楽章を短調にしてはいけないのだが、これは堂々たる短調。
また単なる葬送行進曲ではなく一大作並みの長さと展開、巨大さ。

第３楽章。古典派ではメヌエットだがスケルツォ。これは既に前の２番で破っているが、全く舞曲であるメヌエットの影すらない。

そして第４楽章(終楽章)。ソナタ形式でもロンド形式でも無く、出だしは変奏曲形式だが、しばらくすると変奏曲のテーマから始まり形式が無い幻想曲みたいなモノがいくつも連ねられる

最後のコーダ以後は、それまでの管弦楽作品で未曾有の巨大で華麗な音響の連続で曲を終える。


大体以上。しかしそれにも関わらず、このエロイカ交響曲、古典派の作品よりも厳粛な形式みたいなモノを感じさせてしまうのだ！

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>> 279 🎵この３番エロイカ以後、彼は最後の９番まで交響曲を作曲するが、特に５番、６番｢田園｣、７番、そして９番が大傑作とされる。 勿論、全ての… 🎵勿論オペラが廃れたわけではなく、オペラは交響曲ほど高度な芸術性や作曲家の天才を求められないが、大衆にはずっと人気あった。

特にイタリアはオペラの国で、他国が19世紀に交響曲なり器楽曲を発展させている間も、オペラがメインだった。
器楽ではヴァイオリンがイタリアのお家芸で、バロックのヴィヴァルディもそうだったが、19世紀初頭には何といってもパガニーニが大活躍した。

フランスも器楽が盛んになる傍ら、かなりオペラに拘った。

ドイツ･オーストリアでさえ、ウィーンなどオペラが器楽と並んで人気あったし、また各地のまあまあの都会には必ずオペラ座が存在した。

また数あるオペラ専用の、芸術性よりエンタメの比重が大きい作品ばかり書いて、一時ブレイクし、すぐに消えていった沢山の作曲家(イタリアやフランスに多かった)を別にしても、いわゆる芸術作品を書いた大作曲家も何かしらオペラを書く場合が多かった。

ベートーヴェンの真面目過ぎる苦心作｢フィデリオ｣にはもう触れたが、シューマンもイタリアやフランスの軽いオペラ作曲家らを軽蔑しつつ、四苦八苦し一曲オペラを完成したし、チャイコフスキーはかなりオペラを書き(オネーギン、スペードの女王以外、大半は余り有名でない)、あのドビュッシーらラフマニノフさえオペラを作った。

ただしモーツァルトより前の時代と異なり、大作曲家にとってオペラはメインで無くなり、余力あるから、または題材に興味あるから作ると言うケースが増えた。
↩

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>> 281 🎵そんな中でワーグナーだけは、オペラであってオペラを超えた総合芸術を名乗る｢楽劇｣を沢山書き、それで音楽史や文化史、思想史に多大な影響を与えた。

彼の場合、ベートーヴェンの第９に感動し、作曲家を志すようになったのを象徴するように、自作のオペラ、いや楽劇はベートーヴェンの交響曲の正当な後継作品だと自認し主張した。

彼曰く、｢ベートーヴェンは最後の交響曲の終楽章で声楽を導入した。つまり究極の交響曲、芸術音楽とは充実したオーケストラに声楽が加わったモノなのだ｣と。

だからワーグナーの楽劇は普通の大衆作曲家のオペラに比べて、オーケストラ部分つまり曲自体が壮大な交響作品であり、超一流の芸術(当時は問題作でもあった)に成っている。そこにオペラみたいに声楽が入る。
だが普通のオペラのように、歌手が歌わず普通に喋る部分があったり、全力で歌った後に中断され聴衆の拍手が入るとか、そういう要素が全くなく、オーケストラ音楽が始めから終わりまで途切れないでずっと続く中、歌手が入れ代わりオーケストラに合わせて歌う。

また台本からセリフまで全部自力で書いたのもワーグナーの偉大な特長。それも大衆オペラと違い、セリフが立派な文学に成っている。

珍しく音楽と文学両方の天才を持ち合わせた人だったのだ！

ただこの楽劇こそベートーヴェンの交響曲の正当な後継作品だというワーグナーの主張には反発もあり、例えばブラームスに代表される一派は歌無しの厳格な交響曲の作曲を貫いた。
大半の作曲家はやはり交響曲とオペラをハッキリ分けていたのだ。

とにかくこのワーグナーを例外にすれば、オペラは(芸術)音楽のメインの地位を交響曲や器楽作品に譲った。しかしそれでもオペラ自体は、今日の映画みたいに沢山制作され、大衆最大のエンタメであり続けたのだ。

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楽器のプロ(多分、ピアノやヴァイオリンを想定しているのだろう)は、１週間に30時間、練習するものだ、とあるドイツの雑誌にかなり前に書かれていた。

つまり日割りで４時間強。

ただしこれも勿論、個人差がかなりあり、すぐ習得できる人や忘れにくい人は短めでいいし、伝説にあるらしい１日８時間なんてのは、よほど若くて必死な場合か、才能に乏しい者が辛うじてプロにぶら下がるべく必死にもがいている場合だろう!?

でピアニスト(今はヴァイオリンを脇に置く)の場合で、普通に才能ある者でも、毎日４時間を難曲ばかりフルパワーで練習するのは、不可能に近い。

この練習メニューの組み合わせ、本気度、モチベーションの組み立てが常に難しいのだ。

例えば最近、私は毎日の練習をベートーヴェンのエロイカ交響曲のリスト編を更に難しくしてオーケストラに近く響くようなバージョンと、ラフマニノフ協奏曲３番、この２曲を中心にしているが、エロイカのピアノ編曲版は多分ラフマニノフ３番より難しく(集中力、知性、体力が要求される)、とにかくこの２曲に全力でぶつかると３時間くらいになるが、それ以上やると却って疲労で指に良くないだろう？

実際に欲張ってベートーヴェン交響曲２番のリスト編をエロイカほど手を加えずにだが、練習につけ加えたら、バランスが崩れ始め、最後のラフマニノフ３番が途中から疲労が原因か惰性で薄い内容になり始めた💦

また私の主義は、１週間毎日欠かさず練習、ではなく、少なくとも週に１日は休む。

昔から強靭な指だと言われ続けたが、それでも上のメニューなら週１で休まないと疲労が溜まり、練習の内容が薄くなり成果が弱まるだろう。

とにかく悩むものだ。サッカー選手やボクサーが毎日トレーニングを如何に効果的にやるのか、と、いわゆるヘビー級の体力と超絶技巧を要求される曲を弾き続けるピアニストの練習。

しかもボクサーなんて40歳過ぎた人は居ないからな～

サッカーの三浦カズは偉い！

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>> 283 結局こういう事だ。

エロイカとラフマニノフ３番ならば、どちらも40分超える大作で、また力強い超絶技巧が共通している。

だからバランスが取れていた。

しかしベートーヴェン交響曲２番を加えると、単に体力だけの問題でなく、ベートーヴェンの２番３番の雰囲気がラフマニノフを圧倒してしまう。

だがベートーヴェン交響曲２番は、かなり前から大好きな曲だったから、今は素直にこれを練習し完成させたい。

幸いリストがベートーヴェン時代のピアノでも想像できなかった進化したピアノを使い、ほとんど全ての音をもらさずに編曲してくれているから、それに少し私の趣味で音を加えるだけで、立派なピアノ版に仕上がる。

すると難易度も多分、熱情あたりを超え、シューベルトの｢さすらい人幻想的｣も全体的に上回るだろう？

つまり十分、コンサートに耐える。

そして３番エロイカのピアノ版。これはリスト編にかなり手を加え、結局、壮大さと技巧ではハンマークラヴィーアさえ凌ぐレベルに成っている。
実際、今までで一応曲らしくなるように弾けるまで、一番手こずったモノだったと思う。

ハンマークラヴィーアもディアベリ変奏曲も、ラフマニノフ協奏曲も、ブラームスのパガニーニ変奏曲もこんなに苦労した覚えはない。

つまりこれはコンサートのレパートリーの中心に添えられる。

曲自体だってエロイカは、音楽史上、屈指の名作だ。

とにかく今は、私の自然な気持ちがラフマニノフよりベートーヴェンにかなり傾いているのだから、ベートーヴェンに集中すればいいのだ。

ラフマニノフは一応もう弾けたし、一先ず脇に置く。

どうせまた、長くない時期に取り出して演奏するようになるはず。
↩

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>> 284 それに日々の練習でも、編曲版エロイカやラフマニノフ協奏曲３番には、かなり際どい、極限までいった技巧があり、そういう部分は必ずしも指に良くない場合があるが、ベートーヴェン交響曲２番の編曲版ならば、程よいエチュードを兼ねる事にもなる。

一応、リスト編曲を基にしているから、リスト系のエチュードに近いだろう？


ピアノには２つの方向性がある。
一つは一台で理屈の上では、交響曲の膨大な音をほとんどもらさず弾くのが可能という事。

もう一つはピアノ独自の世界、音色の追求(ショパンやドビュッシーの作品みたいに)

後者は、まだ十年、二十年後でも十分出来る。

だが前者は体力、超絶技巧の関係で、やはり今やっておくべき事だろう。

だから今から十年は、作曲家の目で見た場合に、普通のピアノ専用曲では音が足りないと感じるのなら、協奏曲や更に交響曲のピアノ一台編曲をやっていく事に成るかも知れない。

近年は19世紀の様々な交響作品やオペラをピアノに編曲した技巧的な｢幻想曲｣がよく演奏される時代になった。

これらと比べて、ベートーヴェンの交響曲のピアノ一台編曲は、遥かに内容的にも意義深いモノだろうし、弾いていて満足できる。感動や新たな発見もあるし、とにかく楽しい！

こう割り切れば、昨日考えたアンバランスも解決できる。実際、昨夕はベートーヴェンの２番３番を中心に練習し、こうした解決の糸口をすでに理解したようだ。

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↑↑に書いた事、即ちしばらくベートーヴェンに集中するだろう事は、別に来年、ベートーヴェン生誕250年で彼の作品が普段より多く演奏されるから、ではない！
(あちこちで来年が生誕250年であり、既に作品の演奏も増えて来ているが)

単純に私は昔からベートーヴェンが大好きで、シューマンやリスト、チャイコフスキー等好きな作曲家の筆頭だった、心の底から尊敬し愛好しているから、に過ぎない。

これは今までに、このスレや他の自スレに何年も書いてきた断片を見て貰えば、分かるはずだ。


とは言うものの、ユングが唱えたシンクロ問題だの、集合的無意識だのが関係していて、昨年からここまで熱心にエロイカに拘り出したのかも知れない。

集合的無意識でなくとも、これは無意識にそうなのかも知れず、無意識ならば当然、自分では意識してはいないだけかも!?


似た問題が、ローマ教皇フランツィスクス１世が日本に来た事にも言える。
彼が来て翌日の日曜日(おととい)、長崎と広島を訪問し立派に素晴らしいスピーチをしていた日、私は午前中、教会に行き(カトリックでは無いが)、その後、夕方まで知人と会っていたのだが、胸にかつて1815年にオーストリア皇帝フランツ１世が制定した｢王冠勲章｣のレプリカをずっとペンダントとして着けて、外出していたのだ。

古風な十字架なり勲章のペンダントをよく着ける私とは言え、フランツ１世の王冠勲章は長く着けていなかった。

フランツはフランツィスクス(フランシスコ)のドイツ語名だ。勿論、オーストリア皇帝と、教皇の名前の契機となった中世イタリアの聖フランチェスコは別人。
だがオーストリア皇帝フランツ１世とて、名前の由来が聖人フランチェスコなのは同じだ。

まあ聖人としてカトリック信者が子供につけるフランチェスコ(独フランツ、仏フランソワ、英フランシス)は、アシジの聖フランチェスコ以外にもパオラの聖フランチェスコが居たりする。
(リストの名前フランツはこのパオラの聖フランチェスコから採られた)

だがとにかく現教皇と同じ名前の、しかも双頭鷲の中央部に｢Ｆ｣とハッキリ彫られた勲章を着けていたわけだ。

これも前日夕方からの教皇の日本訪問を意識したから、では全くない。

だがシンクロだったり無意識だったり、神の計らいだったりしたのかもしれない！
↩

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>> 286 ただローマ教皇に関して、一つ残念だったのは、あれだけ立派な人物が高潔な志しで長崎、広島にやってきて、核兵器廃絶を切実に訴えていた日(ちょうど日曜日)なのに、カトリックと派が異なる日本各地のキリスト教会の大半では、あたかも教皇の訪問など無かったかのように、この問題に説教なり他の場なりで触れなかった事だ！
(触れた教会もあったかも知れないが…)

ここは普段いくら、神学や教皇に関する見解が異なっていても、同じキリスト教徒として、高く評価すべきはするべきだったろう。
全く派閥とは面倒で嫌なモノだ。

まあ、翌日の東京の日本の首相との会談で、首相側が核兵器廃絶には触れず、単にヴァチカンと日本の親密な関係云々を外交辞令で述べていたのは、残念と言うより、教皇も予測済みだったはず。

何故なら核兵器廃絶を国の首脳に談判するならば、日本の場合、アベ首相よりも、アメリカのトランプ大統領と交渉するべきなのだから(笑)

また天皇との会談で、まあ通訳を日本側が付けるのは当然だろうが(現天皇、イギリスに一年だか留学していたとは言え、世界の教皇と対等レベルに英語など喋るのは無理。まあ皇后なら可能だったろうが…)

ただ最初に教皇の母国語であるスペイン語で、簡単な挨拶だけは暗記してしたらしい。
これは教皇の母語を気遣ったのだろうから、良いことだ。
本当は教皇相手なら、スペイン語よりラテン語が相応しかったが(暗記で短文くらいなら難しい文法知らなくても出来る！)、しかし政治的な実権持つエンペラーなら昔からの仕来たりで、エンペラーと教皇の二大権威の共通語がラテン語であったけれど、象徴としてのエンペラー、またヨーロッパのローマ皇帝を形式的に継いだ神聖ローマ皇帝では無い、欧州外のエンペラーなのだから、これは却ってスペイン語の挨拶の方で無難で良かったのかも知れない。

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🎵何か面白い現象😍

上に書いたように、２日間ラフマニノフ協奏曲３番を弾かずに、変わりにベートーヴェンの交響曲３番エロイカのピアノ編曲版(多分ラフマニノフ３番より総合的に難しい)に加えて、同じくベートーヴェン交響曲２番(リスト＆私編曲)と、１番(ペーター版＆私編曲)を練習したが、当然、ベートーヴェンは１番２番３番の順に、つまり次第に難しくなる順にやっていた。

だが全て終わった後に、半分懐かしくなり、ラフマニノフの協奏曲３番でなく２番(これはピアノのパートを殆どそのままで、それにオーケストラ部分を加えた私のバージョン。だから当然、ピアノに関しては原作より難しくなっている)を弾いてみた。

すると何たる事！
２番がやたらに易しいでは無いか!?
以前も３番の後に２番を見たら、かなり易しく感じた経験はあったが、今回ほどでは無かった。

何だか音大時代にベートーヴェンの悲愴ソナタに対して感じたみたいな、難易度感！

これは毎日、ラフマニノフ３番とベートーヴェン｢エロイカ｣をやっていたから感じる落差なのか？

まあラフマニノフ協奏曲の２番が３番よりはかなり易しいのは間違いないのだが、ここまでとは!?
(流石に第３楽章の一部は数日練習しないとスラスラ楽に弾けないだろう部分があったが…)

しかし全体的には、ラフマニノフ協奏曲２番より、リスト＆私編曲の新たに始めたベートーヴェン交響曲２番の方が難しいかも知れない、と感じた。

確かにベートーヴェンは密度濃くダイナミックで、しかもラフマニノフみたいに感傷的でないから、特に交響曲ともなれば無意識に負担が大きいだろう？

それともベートーヴェン交響曲２番は、まだ始めて幾日も経っていないから心身に馴染んでいなくて余計、難しく感じたのだろうか？

つまりこういう比較には、主観や先入観が大きいのかも？

だがラフマニノフ２番と言えどもかなりの難曲と一般に認められているのが、もし本当にかつて悲愴ソナタに感じたようにこの先、弾き続けられるのならば、これはこれで大変嬉しい進歩だ！

それだけラフマニノフ３番が難しいのか、またはベートーヴェン交響曲の難しい編曲を２番３番と続けて練習している効果なのだろうか？

リストでなくペーター版に手を加えた１番だって、普通にオーケストラが演奏するテンポで弾くなら、バカに出来ない難しさがあるからな～

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>> 288 🎵ただし、かなり易しく感じつつも思ったのは、ラフマニノフの協奏曲は２番と言えども、彼本人の巨体と巨大でマルファン症候群(!?)気味なかなり柔らかくしなる手、指に合ったような、独特な動き、技巧があり、やはりラフマニノフばかり練習していると手に良くないと言うより、技巧的に片寄るだろうな、と言う事。

つまり仮にエロイカ交響曲の編曲の代わりに、まあ総合的に少し楽でもほぼ近い労力要するラフマニノフ協奏曲３番だけを集中して練習していたら、この曲に関しては名人に成るだろうが、ピアノ全体としてはかなり片寄った、下手したらラフマニノフだけの専門家に成ってしまうかも💦

その点、リストの技巧は全てのピアノ技巧で一番偏りが少なく、これをベースに更に手を加えた、しかも音楽的にも最高のベートーヴェン交響曲を練習し出来るだけ高度に完成させた方が、音楽家として色々な面で遥かに良いだろう、と思う。

思えばベートーヴェンの交響曲がリストの編曲で、更に幾分難しかったり気に入る音響になるようにオクターブ等を増やして、練習できる事自体、凄く贅沢な事なのだ!!

勿論、ラフマニノフの協奏曲(４番以外)を愛し、常に取り出して弾く積もりなのに代わりはないが…

ベートーヴェンが偉大過ぎるのだ!!

• << 291 🎵ここで少しリスト版ベートーヴェン交響曲について、念のため書くと… ピアノの巨匠で大作曲家のリストが、ベートーヴェンの交響曲全９曲を１台ピアノ用に編曲したモノ。 (他にも２人で弾く、つまり４手用の編曲もしたが、今はこれには触れない) リストにしてみれば、最高と呼ばれた自分のピアノ技巧を駆使して、何とか原作の交響曲の音を洩らさずそのままピアノに移し、更にピアニスティックに成るように編曲してある。 これは無論、リスト自身が弾いて皆に聞かせる為でもあったが、19世紀半ばの当時、まだレコードも何も無かったから人々はベートーヴェンの交響曲を生演奏で聞くしか無く、そうするとある程度の都会の上手いオーケストラを聞きにいくしか無かったのだ。 スコアなんて買っても、作曲家か指揮者くらいしかスラスラ読めないから、やはり愛好家は生演奏聞くしか手がなく、すると大都会の市民以外、そう頻繁に聞くわけにもいかなかった。 しかしピアノに編曲すれば、リストの弟子レベルならば演奏できて、それを皆で聞く事が可能だし、またオーケストラよりテンポがずっと遅いなら一応かなりピアノを学んだ人々でも、つっかえながらゆっくり弾いてベートーヴェン交響曲という最高の音楽に触れる事が出来た。 つまりリスト版には、この皆に聞かせたい、広めたい目的もあった為、本来のリストの腕ならもっと難しく華麗に出来ただろう部分を、わざと少し楽にしている所があるのだ。 と言ってもリストの作品で言えば｢波の上を歩く聖フランチェスコ｣くらいの技巧レベルをスタンダードとし、大作である３番｢エロイカ｣や何よりも９番の終楽章など、相当な難曲になっている部分もある。 まあそれだけ原作の音が多く、複雑な対位法など使われていたわけだ。それを洩らさずピアノに移すのだから… ↩

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何々？ ロシア、またまたドーピング疑惑で、東京オリンピック含む今後４年間の国際大会に場合によっては出場できなくなる可能性だってェェェー

もし本当に懲りずにドーピングばかりやっていたなら、悪質を通りこしてバカだか狂気の沙汰であるが、もしかして西側(ＥＵやアメリカ)のロシア苛めの要素も有るのか？

全くのでっち上げは無理としても、ロシアの一部のドーピングを誇大に騒いでいる、とか？

しかし余りロシアを故意に追い詰めると、マジで核戦争の可能性も否定できなくなる😱

ローマ司教またはローマ総主教(我々オーソドックス/ギリシャ正教信徒から見たローマ教皇の事)が、懸念している問題が現実になるのか？

ただ一部で言われるファティマ予言どうこう、は誤り。
あれは確か20世紀初め、第一次大戦末だかにポルトガルのファティマに聖母マリアが現れ、それ以降の世界の動きを少年らに告げたと言われるモノだが、そこで出てくるロシアは、いかにも無神論で反キリスト教国家ソ連のイメージ。

まあ第一次大戦末期なら、すでにロシア革命が起きてロシアが無神論の共産党独裁国家になっていたわけだからね。

しかし今のロシアは、核大国ではあるが、無神論のソ連ではなく、却って大衆は西欧よりキリスト教(ロシア正教)に熱心なキリスト教国。

だから予言の後半は明らかにハズレ。

ただロシアの民衆も、いやプーチンすら熱心なキリスト教徒であっても、ロシアが追い詰められた場合の最終手段は核兵器だろうし、大衆は単に愛国心から｢強いロシア｣を叫ぶだけだとしても、核兵器を使う決断は政治家の手に握られているからな💦～

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>> 289 🎵ただし、かなり易しく感じつつも思ったのは、ラフマニノフの協奏曲は２番と言えども、彼本人の巨体と巨大でマルファン症候群(!?)気味なかなり柔… 🎵ここで少しリスト版ベートーヴェン交響曲について、念のため書くと…

ピアノの巨匠で大作曲家のリストが、ベートーヴェンの交響曲全９曲を１台ピアノ用に編曲したモノ。
(他にも２人で弾く、つまり４手用の編曲もしたが、今はこれには触れない)

リストにしてみれば、最高と呼ばれた自分のピアノ技巧を駆使して、何とか原作の交響曲の音を洩らさずそのままピアノに移し、更にピアニスティックに成るように編曲してある。

これは無論、リスト自身が弾いて皆に聞かせる為でもあったが、19世紀半ばの当時、まだレコードも何も無かったから人々はベートーヴェンの交響曲を生演奏で聞くしか無く、そうするとある程度の都会の上手いオーケストラを聞きにいくしか無かったのだ。

スコアなんて買っても、作曲家か指揮者くらいしかスラスラ読めないから、やはり愛好家は生演奏聞くしか手がなく、すると大都会の市民以外、そう頻繁に聞くわけにもいかなかった。

しかしピアノに編曲すれば、リストの弟子レベルならば演奏できて、それを皆で聞く事が可能だし、またオーケストラよりテンポがずっと遅いなら一応かなりピアノを学んだ人々でも、つっかえながらゆっくり弾いてベートーヴェン交響曲という最高の音楽に触れる事が出来た。

つまりリスト版には、この皆に聞かせたい、広めたい目的もあった為、本来のリストの腕ならもっと難しく華麗に出来ただろう部分を、わざと少し楽にしている所があるのだ。

と言ってもリストの作品で言えば｢波の上を歩く聖フランチェスコ｣くらいの技巧レベルをスタンダードとし、大作である３番｢エロイカ｣や何よりも９番の終楽章など、相当な難曲になっている部分もある。
まあそれだけ原作の音が多く、複雑な対位法など使われていたわけだ。それを洩らさずピアノに移すのだから…
↩

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>> 291 🎵で、現代ならＣＤでこれらを弾いている代表は、カツァリス、シチェルバコフあたりだろう!?

どちらも超絶技巧が売りのピアニスト。ただシチェルバコフの方はリスト版にかなり忠実。カツァリスは部分的に音を独自に加えている。
(私のはまたカツァリスと全く異なるやり方で、特にエロイカにはオクターブやトレモロ、またリスト版にあるオクターブを更に広げたりトレモロの回数を増やし-速度を上げた-り、その他、かなり難しくしてある)

他方、リスト版でも上級者でないとまあまあの演奏は難しいから、20世紀に入ってペーター版からこれより技巧的に易しいモノ(全９曲)が出た。ただしこちらは、弾きづらくなる部分は原作の音を抜かしている場合も多い。
ベートーヴェン交響曲をピアノで弾いてみたい、と言う人で、まあ｢悲愴｣､｢月光｣、ショパンの｢即興曲集｣やリストの｢愛の夢｣あたりが一応きちんと弾けるくらいのレベルの人には、このペーター版が向いているだろう。

それでも曲によってはオーケストラのテンポで弾くのは、難しいだろう？
それには｢熱情｣くらいがシッカリ弾ける技量が要ると思う。

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>> 292 🎵忘れていた💦
あのグレン･グールドがリスト版の５番と６番を弾いた録音を、もう25年くらい前に聞いた。

ただグールドらしい遊び(意外な所で音を加えたり、激しくテンポ上げたり…)は全くなし。人によると、流石のグールドも弾くのに手一杯で、そんな遊びをする余裕が無かった云々。

まあグールドは元々｢リスト弾き｣では全く無かったし、リストに限らずロマン派をほとんど弾かず、ショパンやシューマンの録音も私の記憶では無い。
ブラームスは晩年の渋い小品集(Op.116～119までの一連の)を中心に弾いているが。

彼は何といってもバッハ弾きであり、バッハのいわゆる名曲なら殆ど弾いているし、鬼才的名人芸を発揮していた。

ベートーヴェンもピアノソナタなら幾つか弾いていて、これも変化弾だ。協奏曲もあったかも知れない。

あとは意外なところでワーグナーの｢指輪｣の一部編曲とか弾いていた。

ラフマニノフ協奏曲などは無論、弾いていない。彼の演奏スタイルから見れば全く正反対の世界だったろうから、当然か(笑)

リスト版ベートーヴェン交響曲は、音はベートーヴェンでもピアノ技巧がリスト的だから、余り弾かなかったのだろう？

それでも当時は、オーケストラみたいなテンポで５番と６番だけでも弾いていて、オーケストラでは聞けないピアノならではのハッキリしたベートーヴェン和声に触れ、なかなか感心したものだ。

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>> 268 で天皇史とか天皇の存在問題はまた後に書くとして、神武２千６百年は大袈裟にしても、似たように科学検証に基づかない伝説は世界中にあり、更に悪い事… 話変わって、このレスに補足。

現代のインドを見ると、比較的北部の人間は色白で鼻が高く、南部にいくと浅黒く鼻が広くなる。
とか、カーストによって、割合上の方のカーストに色白が多い、とか言われる。

私はインドに行った経験が無いから、これは様々な人々から聞いた話に過ぎないが。

またインド映画界では色白で白人に近いような顔の方がスターに成れる、とも。

だがこういう話を以て、だからインドはヨーロッパから古代に侵入した白人(アーリア系)が中心の国だ、とか、カーストの上層部は白人アーリア系だ、とか言うのは全くの間違い。


現代インドで割合色白で鼻が高く彫りが深い人々は、実は17～18世紀にペルシャ(イラン)から移住してきた人々の血が多く入っているのだ。

当時のインドはムガール王朝で、皇帝や貴族らはイランや中央アジアから来たイスラム教徒。これが土着のヒンズー教徒の土豪や地主を支配していた。

それ以前にもイスラムの手は次第に北インドに伸びていたが、だからこそインドはイギリスから独立した時にヒンズー教中心のインドと、イスラム教のパキスタン、バングラデシュに分かれて対立するように成ってしまったのだ。

とにかくムガール王朝がインドを支配すると、イスラム文化としての先進地域であるイラン(ペルシャ)人は移住が歓迎され、かなりのペルシャ系がインドに移住して、インドのイスラム文化に影響与えたのだ。

現代インドに白人に近いようなタイプが居るのは、これが理由である。

3500年も昔にヨーロッパ系白人が侵入したとして、それが今までそのまま残っているものか！

カースト(ヴァルナ)制度を儲けた云々しても、地域によっては高いカーストに色黒で鼻が広い者も多いのだし、もしもそんな古代にヨーロッパ白人がインド侵入したとしても完全に原住民と混血してしまっている。

第一、2300～1900年くらい前に北インドを支配したギリシャ系なり、貿易でインドに一定数住んでいたローマ人でさえ、もうその子孫と言われる人々などインドには居ないでは無いか(笑)

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>> 268 で天皇史とか天皇の存在問題はまた後に書くとして、神武２千６百年は大袈裟にしても、似たように科学検証に基づかない伝説は世界中にあり、更に悪い事… あと、このスレで約束した｢天皇｣に関して、全角度から考察は無理だから、２つ程度の角度から述べたい。

まず｢天皇｣は欧米で呼ぶならemperorエンペラーでなくTennoテンノーにすべき。既に欧州ではそう呼んでいる人々が以前から居る。

これはロシア皇帝がツァーリ、ペルシャ(イラン)皇帝がシャー、トルコ皇帝がスルタンと呼ばれたのと同じ。

エンペラーとテンノーは意味が異なるかのだ。
またエンペラーと皇帝も本来は意味が異なる。

皇帝とは秦王の政が中国統一して始皇帝を名乗ったのが最初で、彼は昔の伝説から皇と帝の名前を取り、繋げたのだ。
つまり皇帝とは、清までの中国の統一王朝の君主の意味。厳密には。

西洋のエンペラーを皇帝と訳すのは、便宜上に過ぎない。

ではemperorエンペラーとは何か？
これは紀元前27年に、ローマの内乱収め統一したオクタウィアヌスが、Imperatorインペラートルを名乗ったのが定着していったモノ。インペラートルはラテン語で、最高指揮官、指導者などの意味で、元々は軍の最高司令官を意味していた。

なお彼オクタウィアヌスは、同時にアウグストゥス(尊厳ある者)のタイトルも自ら加え、またカエサルの死後、養子としてキャリアをスタートさせたから、カエサル家の者でもあるのでカエサルとも名乗った。

このインペラートルがフランス語や英語でエンペラーなどの皇帝の語源に、カエサルがカイザー(ドイツ語で皇帝)、またツァーリ(ロシア皇帝)の語源になった。

なお、いわゆる西洋の初代皇帝であるオクタウィアヌス/アウグストゥスは、それまでの共和制の伝統を気遣い(でないと先代カエサルが独裁者丸出しで暗殺されたのと同じ運命になってしまう)、更に自らプリンケプス(第一の市民)をも名乗った。
このラテン語の単語は、後に英語などで校長なり、何かの組織の第一人者の語源に。
↩

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>> 295 ともかくエンペラー(西洋の皇帝)の起源である人物アウグストゥスは、君主というイメージを出さない努力をし、大体、終身大統領みたいな感じを始終させた。

実際にこの後、続いていく帝政ローマでは、エンペラーが世襲になりやすい傾向(皆では無い。優れた者を養子にし次のエンペラーに指名したり、暗殺や政変で全く違う家系の者が次のエンペラーになるケースの方が多かった)が、大統領と違うだけで、基本的にその権力はアメリカやフランスの大統領と似たものだった。

逆に言えばアメリカやフランス、ロシアの大統領はローマ皇帝並みの権力を持ち(ドイツやオーストリアの大統領は単なる象徴で、実権は首相)、ローマ皇帝との違いは任期制である事くらい。
とは言えローマ皇帝も半数以上は暗殺や戦死しているから、実際には終身だった者の方が少ない…

とにかくローマ皇帝(インペラートル/エンペラー)は、最高議会である元老院の承認が必要だったり、常に元老院との関係を気にしていた。
建前上あくまでプリンケプス/第一の市民、であり、元老院議員の筆頭だったのだから。


まあローマ皇帝も300年以上経つと、次第に第一の市民よりも絶対君主のイメージになってゆく。
こうしてローマ帝国が攻め寄せるペルシャやゲルマン諸部族に対抗上、東西に分かれると、西ローマ帝国は５世紀後半に滅亡。
東ローマ帝国はまだ千年、15世紀にトルコに滅ぼされるまで続いた。
だが完全に皇帝が独裁的権威を持った東ローマ帝国でさえ、形式的に元老院は存在し続け、形骸化された｢皇帝は第一の市民｣すら続いたのだ。
↩

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>> 296 天皇と皇帝/エンペラーの違いの続き

さて、５世紀に滅亡した西ローマ帝国は、大体、今の西欧に相当する地域。

帝国が無くなり蛮族が交互に争っては消える繰り返しで、誰も西欧全体を把握できない中、ローマ司教の権威が高まり次第に名実共にローマ教皇になる。

で遂に９世紀初め(紀元800年ちょうど)、教皇がかなり西欧の統一に成功していたゲルマンのフランク族の王カールに、西ローマ皇帝の冠を授ける。

東ローマ帝国は、教会の司教に過ぎないローマ教皇が勝手にエンペラーを作り出したのだから、違法だと抗議。
だが結局、交渉でカール１代に限り、西ローマ皇帝のタイトルが認められた。

その後フランク族の帝国は解体、東西に分裂。東フランクがドイツ、西フランクがフランスの基に。

百年あまり経ち、東フランクつまりドイツの王オットーが、アジアから西欧を侵略したマジャール族を破り(彼らはハンガリー人の祖先でハンガリーに落ち着く)、イタリア遠征し、ローマ教皇から新たに西ローマ皇帝に戴冠される。

今回はオットーの努力もあって、息子を東ローマ皇帝の親戚の女性との結婚に成功。
何とか西ローマ皇帝が世襲できる道を開いた。
これが｢神聖ローマ帝国｣の始まりである！

ここで元祖ローマ帝国や東ローマにも共通する帝国や皇帝の概念が西欧にも定着する。
即ち皇帝/エンペラーとは①複数の国々や複数の王を支配する者であり(オットーの場合、ドイツが基盤だがイタリア、東欧スラヴの一部等を支配)、
②世界中で東ローマ皇帝、西ローマ(神聖ローマ)皇帝の２人しか存在しない、
との原則が。
↩

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>> 297 これはずっと19世紀のナポレオン登場まで守られ続け(つまり西欧から見れば千年の伝統)、西ローマつまり神聖ローマ帝国ある限り、フランス、スペイン、イングランド等々、仮にどんなに強力になっても、君主はエンペラーを名乗れず国王どまり、国も王国どまりであったのだ。

その後、神聖ローマ帝国のエンペラーはオットーのザクセン家からザリエル、シュタウフェン家を転々とし、次いでオーストリアのハプスブルク家、バイエルンのヴィッテルスバッハ家、ボヘミアのルクセンブルク家などが争った結果、最終的には15世紀から19世紀の滅亡までオーストリア･ハプスブルク家の世襲になる。(これらは皆、ドイツ系の家系。ボヘミア王なんて場所はチェコだが当時はドイツ系が支配していた)

他方、東ローマ帝国は15世紀にオスマントルコに滅ぼされて無くなったが、後に東ローマ帝室の子孫を妃に迎えたロシア(モスクワ大公)が東ローマ帝国の後継者として勝手にエンペラーを名乗り、初めはヨーロッパで全く相手にされなかったが、18世紀以降ロシアが大国になると西欧諸国も次第に｢ロシア帝国｣や｢ロシア皇帝/ツァーリ｣を認めた。

また面白いところでイスラム教国であり、キリスト教のヨーロッパ諸国から完全にアジア人扱いだったオスマントルコの君主/スルタンも、東ローマ帝国を滅ぼした後、その皇帝位を自らのタイトルに加えた(笑)
ルム(ローマの意味)･カイサリ(カエサルつまり皇帝)と名乗る。

他方、西欧の神聖ローマ帝国の方は次第にドイツ系民族の諸王諸侯国だけの支配に縮小されたが(主にライバルのフランスの粘り強い政策による)、それでもエンペラー＝ドイツ民族(ドイツ系でも複数の国々であったし)という感覚は定着した。
今でもヨーロッパでは、ドイツをライヒ(ドイツ語で帝国)とも呼ぶ事があるし、第一次大戦終了までドイツ語でエンペラーを意味するカイザーはカイゼルと他国から呼ばれた(カイゼル髭云々)
↩

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>> 298 つまり皇帝/エンペラーや、帝国に成れる国や民族は、中世末以降ドイツ、ロシアに限定されたのだ。

ナポレオンが19世紀に神聖ローマ帝国(ドイツ帝国)を滅ぼした時、それゆえ皇帝だったハプスブルク家のフランツ２世はそのままオーストリア帝国の皇帝フランツ１世に成れた(オーストリアは神聖ローマ/ドイツ帝国の中心地だったし、当時はベルギーや東欧、バルカンの多民族を支配していたし、問題なし)

他方ナポレオンも自らフランス皇帝に成った。だがこれも見かけ程の暴挙ではなく、フランスも元を辿ればカールのフランク帝国の西半分だったわけで、中世にも神聖ローマ皇帝の地位を巡りフランス王が立候補する権限があった。

ナポレオンの暴挙とされるのは、家系が全く高貴でない平民出身なのに皇帝になった事。だから彼は箔をつける為、オーストリア･ハプスブルク帝室から妃を迎えた。


ナポレオン帝国は十年で解体したが、その後も19世紀半ばに今度はナポレオン３世がフランス皇帝になるし、また当時、オーストリア帝国、フランス帝国とドイツ統一巡り争い勝利したプロイセンがオーストリアを排除してドイツ帝国を誕生させたが、これもドイツは元々、帝国、皇帝を生んで構わない国だったから、全く問題なしだった。

同時期、世界では大英帝国と呼ばれ、強力だったイギリスは、ヨーロッパ内の伝統による君主は国王どまり、皇帝には成れなかったのだ。
(代わりに植民地のインドの皇帝を名乗った)


以上のようにエンペラーとはヨーロッパの東ローマ、西ローマにゆかりの土地や家系に限られたのだ。


で、ヨーロッパ外のイラン、エチオピア、インド、中国(清)、日本などの君主がエンペラー(英語)、カイザー(ドイツ語)等と訳され始めたのは、明らかにダブルスタンダードであり、要は彼らが国王と呼ばれて居なかった事、それからある程度以上の広さの国の君主だったから、に過ぎない。
(タイは王国を名乗ったから、君主はキング/国王)

とは言え、トルコのエンペラーがスルタン、イランのがシャーと呼ばれたように、天皇も頻繁にミカドとも呼ばれた。
↩

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>> 299 何だか天皇とエンペラーの違い、天皇は正しくはTennoと呼ばれるべき事の理由の一つにレスを使い過ぎたかも知れない💦


私個人としては、天皇制なり君主制(北欧や中東など)は、国民の過半数がそれで大変迷惑かかるので無いなら、反対すべき問題ではないと思う。

｢今まで試みられたシステムでは、一番<悪くない>だけに過ぎない｣とチャーチルが言ったらしい民主主義、まあ最善かどうかは分からないが現代の我々は民主主義社会に居るわけだから、もし天皇制なり君主制がダメならば自然に崩壊するであろう。
国民の人気なり支持を失えば、或いは滅亡すべき時期ならば自然に衰退するハズだ。
だから今、国民の過半数が反対しないのであれば、君主制や天皇制はあって構わない。

もう一つ、EmperorとTennoの違い。それはエンペラー/皇帝は、もしヨーロッパ限定と言う問題を除いても、武力と財力で多民族支配を行う。
他方、第二次大戦後の天皇は象徴であり、一種の神官(？)でもあり、自らの財産をイギリス王室その他みたいに持たず、また近衛兵や護衛兵も自前で持たない。

これは誰かが建てた天皇が必要か否かのスレの終わりの方にあったレスで、天皇は自由意志さえ持てない可能性云々あったが、こうした面から考えるなら、自由の少ない国務大臣みたいな存在(かつての自由党の小沢氏の発言)と言うのも、全く否定し切れまい。

最後に一部の都市伝説にある、｢今、世界にエンペラー/皇帝は天皇しかいないから、天皇は各国の国王より偉く、地位が高い。天皇と並ぶのはローマ教皇だけ｣云々、も全くの誤解だとつけ加える。

世界の君主間に基本的に地位の上下は無い。
主権国家の概念が17世紀に生まれて以来、まずヨーロッパで神聖ローマ皇帝と他国の国王の間で、上下の差が消えた。

それ以降問題となったのは、単に君主と共和国の元首(大統領)等の関係だが、それもフランスやアメリカの共和制が19世紀以降、他の国々で当然のように見られ、また第二次大戦後、アメリカが世界的大国に成った事で、君主が大統領より上とかの概念は、全く消え失せたのだ。


また他に言及すべき事が出てきたら、続きをレスするようになると思うが、今回は一応これまで👍

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