🎭ある暗黒卿の気紛れな呟きⅡ🎵＋⚡✒🐱

↓↓↓のスレの続編。

あっ、忘れてた。
ジーク･ハイル⚡⚡

あれ、だけどこれ英語で何て言うんだろ？

無理すればヘイル･ヴィクトリーかな？
でもアメリカ映画でも、ドイツ軍はジーク･ハイルで通ってるし…

流石に今時、コチコチのネオナチでもハイル･ヒトラーなんて言わないよ😄

でジーク･ハイルにしとくけど、私ジョン･スミス(独名ヨーハン･シュミット)は何と｢高い城の男シーズン３｣で大ナチス帝国のアメリカ東部で親衛隊大将から上級大将になり、何とアメリカで一番偉い元帥にまで出世してしまった！

いやあ、嬉しいな～

でもない。病気の息子を失い、妻と２人の娘は家出して行方知らず😢

全てナチスの障害者遺伝子排除政策が悪いのだ💢

だがそれを言ったら私の首が危ない。少なくとも今はまだ言うべき時では無いのだ！
我慢、我慢。

しかしナチスって、NSDAP国民社会主義ドイツ労働者党の政敵からの蔑称なのに、何で自らグレート･ナチ･ライヒとか名乗ってるんだ？

流石アメリカ映画だな、全く。

これ我々とアメリカを分割した設定になってる大日本帝国を、グレート･ジャップ･エンパイアーと呼ぶのと同じヘマでは無いか？

とにかく昇進おめでとう🎁🎂
いや、有難う😉👍🎶
取り敢えずな🍷

でもやはりパレオロゴスの方がいいハンネだな。ジョン･スミスなんてアメリカじゃ田中太郎みたいなもんで、どこにでも居る奴、つまり名無し野郎みたいな意味だしな～💦

では前スレが🈵に成り次第、こっちに映ります。
宜しく⚡⚡


http://mikle.jp/thread/2420136/?guid=ON

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先ず最近やっと私の思索の断片が繋がってきたので、それをまとめる。今後の方針に成るであろう！

①目下、我々が憂慮すべきはリベラリズム(無神論含む)とイスラム原理主義である。だがイスラム原理主義、過激主義は我々の外面の見える敵なのに対して、リベラリズムは我々の内面に巣を作り、知らないうちに我々を内部から蝕む。故にリベラリズムがより危険なのだ！

②リベラリズムはかなりアメリカ主義、アメリカニゼーションと重なる。そしてこれは、グローバリズム、各国の伝統やアイデンティティー喪失、また古代教会用語におけるギリシャ語の｢カトリコス｣とは違う意味での悪しき｢普遍主義｣に重なる。

③リベラリズムを言語で見た場合、その元凶は英語である。だが我々は、英語が母語の人々を責めない。彼らには英語が表現手段であるし、またアイデンティティーなのだから。
問題は英語が母語でない人々の場合。
日常生活に支障ない表面的なレベルまで出来れば十分であろう。
(この日常レベルとは日本人のスタンダードではなく、もう少し上の各国の人々と基本的な討論が出来るレベルを指す)

特にドイツ語圏の者にとって、気をつけるべきは、英語はドイツ語等の劣化語、シンプルで愚民化した言語だから、余りに慣れるとドイツ語の簡略化、劣化を招く。ドイツ語母語でも英語に慣れてしまうと、ドイツ語が面倒臭い事態も生じる。一度、軽音ピアノ演奏に慣れるとクラシックが面倒に成るように。

④リベラリズムの対極にユーラシア主義がある。
つまり西欧はリベラリズムに毒され過ぎて、自力でそれからの自浄を行うのが困難な現状であるから、まだリベラリズムが余り浸透していないロシア等と協力し合う必要があるのだ。

これはウィーンを中間地点に、ベルリン、モスクワ、ブダペスト、更に場合によっては脱イスラム化するならコンスタンティノープルの結び付き、枢軸により実現するだろう。
↩

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>> 2 ⑤宗教で見た場合、ローマ･カトリック、いやそれ以上にリベラル化した欧州プロテスタンティズムに、対リベラリズムを期待は出来ない。
もう既にリベラリズムに相当毒されている。

つまり我々は元祖で真に豊かなキリスト教である正教に回帰すべきなのだ。正教こそ最後の砦！

西欧における過去のビザンティン観は間違いであり、これは中世に西欧が本来のキリスト教ローマ帝国である東ローマ/ビザンツ帝国から軽蔑された劣等感の裏返しである。
そしてこのビザンティンに対する誤解、偏見から、近代西欧の世俗化、戦争、その他様々な悲劇が生じ、最後にアメリカを産み出し、リベラリズムに自ら侵される事態に成ってしまったのだ。

⑥ユーラシア主義は正教の伝統と同じく、各国の文化、伝統、アイデンティティーの横並びの同盟、連合である。
中央集権的でも、特定の国や地域が中心になって覇権主義、同化主義を展開するのでは全くない。
これではリベラリズムの特徴の一つであるグローバル主義と変わりないでは無いか!?
我々はこれを忘れず、また常に警戒すべき。

だから例えば独墺の人間が露その他の人間を個人レベルで愛したり、互いを同化し合う必要は無い。無論、自然に強制なく関係が深化していくなら素晴らしい事だが。
しかしあくまで各国のアイデンティティーを保持しつつ基本で協力し合う理念が重要だ。

⑦例えば音楽を例に取れば、ベートーヴェン(墺)、シューマン(独)、チャイコフスキーやラフマニノフ(露)の作品と比べてリベラリズムの本拠地である米の芸術文化は何と貧しい事か!!

リベラリズムは、結局、綺麗で甘く安易な言葉を囁き、人類の偉大な伝統、文明を破壊するモノである。
↩

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>> 3 ⑧最後に。
仮にリベラリズムの背後に、陰謀論者が言うように一部ユダヤ組織が有ろうと無かろうと、我々のリベラリズム全般との戦いにおいて、まずそれは我々の毒された内面との戦いを優先し、あくまで正教の精神に乗っ取り隣人愛、非暴力、聖化を努力すべき処から始まる！

つまりリベラリズムの結果の一環である同性愛やフェミニズムに対して、過激に否定するのでは無く、それらの人々個々に対しては、理解に基づく寛容で接するべき。
特に同性愛者については、医学的に生まれつきのモノであるとの近年の解明があり、そうならばこれは人種の差異と同じく個々のアイデンティティーと見るべき。
即ち同性愛者が我々、異性愛者に同性愛を強制するのは極力阻止するが、そうでないなら同性愛者を攻撃するのは間違いだ。暴力を以てなど論外。

フェミニズムに対しても、ある程度の理解は示すべき。

重要なのは、先ず自分自身の内面から変えていく事なのだ！
もし我々自身が、より良き人間となるなら、それが毒されていく世界を変える基と成るであろう！

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🎵最近のピアノ練習メニュー。

リスト(タウジヒ編曲)：交響詩｢レ･プレリュード｣

シューマン：グランドソナタ,Op.１４

ベートーヴェン(リスト編曲プラスα)：交響曲３番｢エロイカ｣,Op.５５

ラフマニノフ：ピアノ協奏曲３番,Op.３０


さて、数日これらをかなり集中してやり、僅かだが手首が痛いので、今日は仕方なく大事をとり、休む(泣)

やはり、いくら頑丈な手でも慣れてくるまで、このメニューではキツイか？


難易度だとこうなる。

レ･プレリュード＜＜グランドソナタ＜＜ラフマニノフ３番≦エロイカ交響曲。

リスト編曲の楽譜通りなら、逆にエロイカ＜ラフマニノフ３番だろうが、私はこれに、かなりオクターブやトレモロ、重音を加えたから、総合的にラフマニノフ３番より難しくなった。


多分、このベートーヴェン｢エロイカ交響曲｣が私の最高のライフワークに成るかも知れない。

原作自体が圧倒的な名曲なのが一番の理由だが、リストと私の編曲により、現代ピアノで十分の効果を発揮できる。

ベートーヴェン後期のピアノ超大作｢ハンマークラヴィーア･ソナタ｣や｢ディアベリ変奏曲｣でも、当時のピアノに合わせた面があり、現代ピアノだと思い切った効果が出ない部分があるのだ。

因みにシューマンでは、｢グランドソナタ｣は一つ前の作品番号である｢交響的エチュード｣よりダイナミックであり、やはり演奏効果抜群。
Opus/作品11から22までのシューマンは傑作揃いであるが、特に難易度高く、効果抜群なのは14のグランドソナタ、次いで13交響的エチュード、17幻想曲あたりか？

また、ラフマニノフ協奏曲３番は、内容でエロイカ交響曲と比較は流石に酷であろう(エロイカと並ぶ傑作なんて全音楽史で十曲も有るまい！)

ラフマニノフ３番もピアノ作品としては最上の部類で、実際にこれを弾き終わった時の充足感は、圧倒的なモノがあるのだ♪

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>> 5 この中でシューマンが少し異質か？

私はシューマンをロマン派で一番高く評価しているかも知れないし、特にグランドソナタは好きな作品である。
ダイナミックで技巧も内容も大変豊か。
出だしなんか、サン･サーンスのピアノ協奏曲２番のバロック風な幽玄な始まりが突然平凡で安っぽいオーケストラ和声で台無しにされるのと比べて、シューマンのは幾分バッハ的な出だしを受けて、下降する主題部分がずっと緊張と不安定さを保ち、全く違和感なし。

サン･サーンスもオーケストラ開始部分でこのグランドソナタか、またはリストのロ短調ソナタを見習えば良かったと常々思うのだが、しかしこれは職人と真の芸術家の違いで、所詮職人には越えられない壁だったのかも知れない。


とにかく素晴らしいシューマンのグランドソナタだが、ただ全般的に悲劇的。
ダイナミックだが悲劇的。

第３楽章のクララのテーマによる変奏曲なんか、葬送行進曲風に始まり、後はひたすら激しい哀歌。

ショパンのソナタ２番の葬送行進曲は肉体の空虚と魂が天に上る対比を表しているようだが、ここまで生々しい絶望感を持たない。

ベートーヴェン｢エロイカ交響曲｣の葬送行進曲なんて、悲しみ以上に偉大さ、壮大さが前に出て、まさに｢英雄の葬送｣を想像させる。

シューマンの極めて個人的、内面的な深さは素晴らしい要素であり、これこそがシューマンをロマン派最高の作曲家にしているのだが、ただし｢エロイカ｣とラフマニノフ｢協奏曲３番｣を練習している時期にグランドソナタだと、何か合わない。

ただ、元々リサイタル用に、前半がグランドソナタ＆何か一曲(目下リストのレ･プレリュード)、後半がエロイカ交響曲のピアノ版を考えていたので、リサイタル用のコントラストには最適かも知れない。

ただ同時期に協奏曲としてラフマニノフ３番を練習していると、何かシューマンが異質に感じるのだ。

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>> 6 他方、リストのレ･プレリュードは、シューマンと逆に楽天的と言うか美し過ぎ。

リストは50歳くらいまで、比較的悩みが少ない人生を送り、しかもピアノの大スターで女性にモテモテ、さらに性格も善良だった。

だから作品にもそれが反映されて、レ･プレリュードもそうだが、巡礼の年２巻の｢婚礼｣とか、詩的で宗教的な調べの｢孤独への神の祝福｣とか、現世の醜さと全く無縁な美しい世界を自然に描いている。

勿論リストには、違うタイプの作品もあり、それは、

・演奏技巧の派手さを狙った作品群(20～40歳までに多い)

・巨大で斬新な形式による作品群…ロ短調ソナタ、ダンテ交響曲、ファウスト交響曲など

・死や悪魔をテーマにした作品群…死の舞踏、メフィスト･ワルツ、葬送曲

・晩年の斬新な和声と内心の複雑な絶望(？)または宗教心を表した作品群…巡礼の年３巻、悲しみのゴンドラ、凶星、十字架の道、その他


ただレ･プレリュードや婚礼、孤独への神の祝福など美しい作品は、他の作曲家にはない、とにかく美しさそのものなのだ♪

• << 17 🎵１週間くらい前からシューマンとリスト(自作)をメニューから外し、 ・ベートーヴェン｢英雄交響曲｣/リスト編曲を私が更に難しくしたヴァージョン ・ラフマニノフ｢協奏曲３番｣…原作版と、かつての２番みたいに原作のピアノをそのままで出来る限りオーケストラ部分も加えたヴァージョンの２通り ・ベートーヴェン｢ピアノソナタ29番<ハンマークラヴィーア>｣ ・ベートーヴェン｢32の変奏曲｣ ・ショパン｢ノクターンOp.６２-１&２｣、｢マズルカOp.４１-１&４｣ 最後のショパンの４曲だけは息抜き(失礼、くつろいだ瞑想と楽しみ)に弾いているが、後の曲はまあキツいハズ。 弾いていてキツい実感湧かないのは、気候が丁度よく体調も絶好調で、余り負担を感じないからか？ ｢32の変奏曲｣も、夏から秋のリサイタルで最初にウォーミングアップ兼ねて弾く想定だから、その意味でこれを９分足らずで楽々弾くのは簡単では無い！ ｢英雄交響曲｣と｢ハンマークラヴィーア｣。パワーでは流石に｢英雄｣が上回るが、中期と後期の大作同士、複雑さでは後者が難しい。 終楽章のフーガを指定テンポ守り、第１楽章もなるべく指定テンポに近づけるとなると勿論だが、とにかく｢英雄｣はいくらリスト＋私の編曲で派手にパワーと技巧で暴れても｢ハンマークラヴィーア｣程、神経を消耗させない感じ。 傑作なのは両者同じ。いや今の私には｢英雄｣の方が好ましいか？ でも何かいい感じじゃん？ ｢英雄｣は編曲だが、ラフマニノフ３番とハンマークラヴィーア(フーガを指定テンポ通り)と言ったら、ピアノの最高峰！ もう15年後(?泣)には弾けなくなる可能性大。 つまり何時弾く？ 今でしょ!? (テレビをロシア･ワールドカップ以降全く見ない生活だが、あの塾講師まだ売れてるの？ てかあの塾の宣伝を街で見たが、講師によって正論も暴論もあるな。 ある英語講師の授業風景。オーソドックスとカタカナで英語の解説していたが、ギリシャ正教と全く関係ない。いくらキリスト教国でない日本でも、英語でオーソドックスと言ったらまず正教だと教えなきゃ!? 他方、正論だと思ったのは<限界だと思う事って、やってみると意外に限界じゃ無い>等。 これ今の私の練習メニューを考えれば、同感できる♪)

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ところで、特別に手が小さくないピアニストに、何故ラフマニノフ協奏曲３番が弾けない人が居るのだろう？
怠慢か、運動オンチなのか、または虚弱体質？

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私にとって、長年謎なのは、何故ベートーヴェンの交響曲９番が、日本で人気あるか、だ。
特に年末になると、アチコチでアマチュアのオーケストラやコーラスがこれを頻繁にやる。

名曲を好んでくれるのは、良い事だ。だが本当にこの作品を理解しているのか？

全曲通せば最低で70分。日本人にメガロマニアな者は少ないハズ。ショパンやドビュッシーの短い曲が大好きと言うなら、分かる。

まあ交響曲９番がベートーヴェン後期の作品でも、ピアノソナタ29番｢ハンマークラヴィーア｣より大衆に分かりやすく作曲されているのは認める。

それにしても、例えば第２楽章のポリフォニーや、第４楽章のテーマ以外の様々な部分(フーガ含む)等、理解するにはかなりの長い音楽家経験が要るハズなのだが…

私は最近、50歳近くなるまで、この曲を敬遠していた。エロイカ交響曲でさえ(９番の次に長大)、数年前までは今みたいに夢中に成れなかった。
まあこれは私個人の性格が原因かも知れないが。

ただし、ブルックナーやマーラーの交響曲にもベートーヴェン９番並みの長い大作はあるが、ベートーヴェンの作品みたいに密度が濃くない。
後期ロマン派特有の、引き延ばしがある。
ワーグナーの長大な楽劇もそうだ。全体像を把握すべきモノであり、数時間の一瞬全てが密度濃い集中ではない！

イタリアン･オペラなんか、長くても半分娯楽みたいなものだし。

つまりベートーヴェンの大作みたいに、聞く側も弾く側も常に集中し、かなりの精神力を要求されるモノでは無い。もし真に理解しつつ聞く、または弾く場合。

また長大で合唱含む作品ならば、バッハのロ短調ミサ等も偉大な名曲なのに、ベートーヴェン９番より遥かに日本では演奏されない。

つまり少し手厳しく言えば、こういう事か？
第４楽章に合唱が入っているから、アマチュアのコーラスがよく分かりもしないで、やりたがる。
またオーケストラや、聞く側も、何か凄い大作だと言う事で、よく分かっていなくても自己満足する。
つまりこういう要素が強いのだろうか？

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>> 9 まあしかし、ブルックナーの交響曲マニアも居る事だし(マーラーの方が私には納得できるが、しかしアレも時々メガロマニアな感じの部分がある)。

要はベートーヴェン９番を、音楽家みたいに集中して理解しつつ聞かなくても、各人でそれなりの味わい方があると言う事だろう？

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🏠一度何かで著名になると、学者というモノはその後、滅茶苦茶な著作を書いても、それなりに売れるらしい。

一例…大澤 〇幸なる元京大教授。アチコチの分野に著作を出しているようだが、物理関係者が言うには、彼は全く物理を理解していない、と。

同じく私は言う。彼は宗教を全く理解していない、と。

私が目を通した彼の少ない著作の一つ、｢世界史の哲学-中世編｣にしても、この著作全体の根底をなす最初のギリシャ正教とローマ･カトリックの相違からして、全く完全に180°間違えている。

彼曰く｢ギリシャ正教は子も聖霊も父から発するとした為、父(神)の権威が大きく、三位一体と言うよりイスラムみたいな唯一神の概念に近い。
他方ローマ･カトリックは、聖霊が父と子から生まれる、とした為、父と子の２つの最高権威があり、それが教皇と皇帝の並立という西ヨーロッパの基礎を築いた｣と。

だが真実は、ギリシャ正教では三位一体の日本語訳を｢至聖三者｣と言うように、１より３を強調するのに対して、ローマ･カトリックでは逆に１を強調するのだ。こんな事はキリスト教神学の基礎。

しかも本来の正統派教義ではハッキリ｢聖霊は父から発する｣と明記されていて、ローマ司教(教皇)もそれを熟知していたのに、西方のフランク王国の教会が勝手にラテン語で｢父<と子>から発する｣に変え、その圧力に教皇が屈したので、ローマ･カトリックでは<子から>が加わるのだ。

父<及び子>からの< >内をラテン語でフィリオクェと言うので、これをフィリオクェ問題と呼ぶが、明らかな捏造である。

この経緯も先の学者は全く知らないらしい。

実際には１を重視したのはローマ･カトリックの方であり、だからこそ教皇中心のピラミッド型の統一組織を作ったのだ。

他方、１より３を強調するギリシャ正教では各国毎に組織のトップが居て、教義問題はトップらが対等の立場で合議制で話し合う。


しかし件の学者は、完全に間違えた事実からスタートして、中世の西欧史や哲学を全て偽物の基盤から見事に勝手に飛躍させつつ論じているのだから、そのコジツケ能力は一流だと言ってよいだろう(笑)

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🏠投稿エラーでダブったか!?

まあインチキ学者は世界中に沢山居る。ただ日本の場合、一度名が売れると何書いても、差別問題等に触れない限り、厳しい反論が出にくい欠点が目立つ。

さてバカげた話題は止めて、しかし最近改めて思うのだが、仮にローマ司教区が正統派教会連合つまり正教会(ギリシャ正教と呼ぶのは便宜上理由)から分離しローマ司教を神の代理人(教皇)とするローマ･カトリック教会を作ったりしなければ、ルターの宗教改革やプロテスタントは生まれなかったのだ！

まあローマ･カトリックが正教会から分離した背景には歴史の必然(まだキリスト教布教地だった西欧に正教流のシステムは会わず、ローマ司教が全権把握する必要があった等)がある。しかし元々、ルターが16世紀にローマ･カトリックと分かれ独自の教会(プロテスタント)を作ったキッカケは、カトリック側の教皇絶対主義から来る様々な腐敗、特に免罪符(正しくは贖ユウ状と呼ぶ)に対して意義申し立て、それに対して横暴なカトリックがルターを異端者と決めつけ破門したからである。

仮に当時のドイツがローマ･カトリックの代わりにギリシャ正教であったなら、免罪符(贖ユウ状)など存在しなかったし、その他、分離前の段階でルターが批判したような問題は全く無かった。
故にルターの離反は起きなかった。
(聖書のみ云々はカトリックと関係修復が不可能に成ってからルターが強調した事柄で、またルターは聖書のみと言っても今のプロテスタント聖書原理主義者と全く違い、かなりカトリックの儀式や伝統を取り入れている)

もしルターの離反が無いならばプロテスタント自体が存在しなかった可能性が極めて高い。カルヴァンらも当時のカトリックに疑問持ち、ルターの離反に勇気得て更にラディカルな主張をしたのだから。

すると、キリスト教とは殆ど正教会連合組織のみ。

まあ広い世界だから、必ず極端な派は生まれたかも知れないが、それは三位一体/至聖三者を否定するユニテリアンだったり、エホバ証人やモルモン教だったり、更に無神論や秘教などであろう。

だがこれらは最早キリスト教では無い！


以上、社会学や経済史抜きで純粋に宗教や哲学だけを考えた場合の、私の考え。

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🏠以上、２つ(エラーで３つか💦)のレスが難解に思われるなら、↓↓↓の前スレを参照。


http://mikle.jp/thread/2420136/?guid=ON

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現代の世界の統計見ると、宗教を人生で大切だと考えてる人のパーセンテージが高い国ほど途上国(てかイスラム系の国)で、低い国ほど先進国である<傾向>だ。

だがこれはあくまで<傾向>であり、先進国でもアメリカは割合、宗教重視率が高いし、反面、日本が低いのは当然見ていて分かるにしても、中国なんか日本より更に低い！

主な国を見ると、低い方から順に中国、日本、フランスとなる。
インドネシアみたいなイスラム国家はダントツに高い。

これ見て考えさせられたのだが、ヨーロッパに関してはこの<傾向>が大体当たっている事。先進国、途上国と言うより平均年収が多い国、少ない国と言う意味。
(ただしチェコは、決して豊かでは無いが無宗教、無神論の比率がやたらに高い。これは長かったソ連の共産主義支配が原因。ただ同じソ連圏だった国でも、ポーランドは西欧よりかなりカトリック熱心だし、旧東ドイツも旧西ドイツ地域より無宗教的だが、しかし統一されて30年近く経つから東西の差は余り無い！
てかドイツ自体がフランス程で無くても近年、無宗教化の傾向が著しいし。)


またイスラム諸国に宗教熱心な人が多いのは、イスラム教自体が教義がシンプル、個人の頭や心より外面の行動(一日５回の礼拝、ラマダーン、豚肉など禁止、メッカ巡礼)で他人の目によく見える、かなり社会的、共同体的宗教で、また辞めると死刑とか厳しいから、当然だ。
つまり先進国が無宗教化するほど、移民として来るイスラム教徒によって、イスラムが有力に成りやすいって事。

ところで私の考えでは、宗教をある程度重視する人々は、かなり無教養で単に地域社会の伝統に盲従しているか、逆にあらゆる哲学を学び最後に人間の無力を悟り神に全て任せる心境に成った人、のどちらかだろう!?

つまり知性に関して、底辺層とインテリ層(ただし哲学的な関心を持つタイプのインテリ)が宗教重視なワケで、中間層が無宗教、無神論なのだろう。

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>> 15 ただ日本に関しては、まず強烈な伝統宗教(一神教のような)が無かった事、また３度の伝統宗教が受けたダメージ(江戸時代初期のキリシタン禁止の為の寺受け制度により仏教が高等宗教と言うよりも単なる葬儀宗教化した事。
明治維新により廃仏棄釈が起こり、また国家神道が生まれ、結局、仏教も神道も中身が衰えた事。
第二次大戦敗戦とアメリカ化により、物質重視、拝金主義社会になり、ますます伝統宗教が弱まり、代わりにカルト系が増えて、宗教＝カルト＝いかがわしいモノというイメージになった事。

これらの点ではかなり特殊な環境だったかも？

ただし日本人は無宗教と言いながら、結構、自覚しないで宗教儀式やっている。
お盆とか彼岸とか、初詣とか…

あと占い等にも凝っている。(これはヨーロッパ屈指の無宗教国家チェコでも同じ傾向)

まあ流石に日本のクリスマスやバレンタイン、最近一部やり出したカーニヴァルについては、遊びだから無意識な宗教儀式とまでも言えないが。
(カーニヴァルなんか、キリスト教の国や地域でもカトリックだけのモノで、プロテスタントとか｢あんな迷信が！｣と一切相手にしていないのだけど)

このように、無宗教と自負している日本人の方が実は、ヨーロッパの無宗教てか無神論者より遥かに宗教に関わっているのだ。

無神論者となると、絶対に宗教行事には加わらないか、宗教的な建物も単に観光用物質/建築物としか見ない。


加えて先の世界の統計で、あのイスラエルが意外に宗教重視している人が少ないのに驚いた。
やはりユダヤ教とイスラム教は似ているようで、本質的に違うようだ。

この辺りは今後の研究課題♪

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>> 7 他方、リストのレ･プレリュードは、シューマンと逆に楽天的と言うか美し過ぎ。 リストは50歳くらいまで、比較的悩みが少ない人生を送り、し… 🎵１週間くらい前からシューマンとリスト(自作)をメニューから外し、

・ベートーヴェン｢英雄交響曲｣/リスト編曲を私が更に難しくしたヴァージョン

・ラフマニノフ｢協奏曲３番｣…原作版と、かつての２番みたいに原作のピアノをそのままで出来る限りオーケストラ部分も加えたヴァージョンの２通り

・ベートーヴェン｢ピアノソナタ29番<ハンマークラヴィーア>｣

・ベートーヴェン｢32の変奏曲｣

・ショパン｢ノクターンOp.６２-１&２｣、｢マズルカOp.４１-１&４｣

最後のショパンの４曲だけは息抜き(失礼、くつろいだ瞑想と楽しみ)に弾いているが、後の曲はまあキツいハズ。
弾いていてキツい実感湧かないのは、気候が丁度よく体調も絶好調で、余り負担を感じないからか？

｢32の変奏曲｣も、夏から秋のリサイタルで最初にウォーミングアップ兼ねて弾く想定だから、その意味でこれを９分足らずで楽々弾くのは簡単では無い！

｢英雄交響曲｣と｢ハンマークラヴィーア｣。パワーでは流石に｢英雄｣が上回るが、中期と後期の大作同士、複雑さでは後者が難しい。
終楽章のフーガを指定テンポ守り、第１楽章もなるべく指定テンポに近づけるとなると勿論だが、とにかく｢英雄｣はいくらリスト＋私の編曲で派手にパワーと技巧で暴れても｢ハンマークラヴィーア｣程、神経を消耗させない感じ。
傑作なのは両者同じ。いや今の私には｢英雄｣の方が好ましいか？

でも何かいい感じじゃん？
｢英雄｣は編曲だが、ラフマニノフ３番とハンマークラヴィーア(フーガを指定テンポ通り)と言ったら、ピアノの最高峰！

もう15年後(?泣)には弾けなくなる可能性大。
つまり何時弾く？
今でしょ!?

(テレビをロシア･ワールドカップ以降全く見ない生活だが、あの塾講師まだ売れてるの？
てかあの塾の宣伝を街で見たが、講師によって正論も暴論もあるな。
ある英語講師の授業風景。オーソドックスとカタカナで英語の解説していたが、ギリシャ正教と全く関係ない。いくらキリスト教国でない日本でも、英語でオーソドックスと言ったらまず正教だと教えなきゃ!?
他方、正論だと思ったのは<限界だと思う事って、やってみると意外に限界じゃ無い>等。
これ今の私の練習メニューを考えれば、同感できる♪)

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最近、古典ギリシャ語のレベルアップを考え、再び勉強し始めた。

寝ていて夜中に目覚めた時、ちょっと気になった文法や単語をノート開いて調べたり。でまた寝る、とか。

私のラテン語のレベルより、古典ギリシャ語を上にしたいんだが、やはりなかなか難しい。
生まれ育った環境と教育で、ラテン語の方が楽だし、何となく分かる場合も多い。

古典ギリシャ語がラテン語よりかなり難しいのは、間違いない。
でも最近、少し光が見えてきた。
ただ古典ギリシャ語って、読むだけになるけど。

ラテン語の場合は、会話とかもヨーロッパでは本が出ていて、やろうと思えば出来る。

古典ギリシャ語会話が無理なのは、現代ギリシャ語のせいだろうな!?
現代ギリシャ語は、発音が古典とかなり違うけど、現代ギリシャ人らは古典も現代風発音で読むから。

彼ら曰く、いわゆる古典ギリシャ語の発音とかされてるモノは、近代にドイツやイギリスの学者らが推定で作り上げたそれであり、歴史的な証拠は無い(そりゃ録音なんて無い時代だからな！)
それに同じギリシャ語(笑)なんだから現代ギリシャ語の発音でいいんだ、とか何とか💦

ラテン語は西ヨーロッパの別々な国々の共通語になった事と、地元イタリア半島では俗語をラテン語と呼ばずにイタリア語として別個に扱ったから、今でも古代、中世のラテン語がそのまま独立した言語として存在し、会話まで出来る。

ギリシャ語は中世に東ローマ(ビザンツ)帝国が強大で、それの独占言語で、周りのブルガリアだのロシアだの文化格差ありすぎて、ギリシャ語圏に成れなかったのが、現代ギリシャと古典ギリシャ語をどちらもギリシャ語と呼ぶ原因だな。

でなければ、ラテン語とイタリア語くらい違うのだよ、古典ギリシャ語と現代ギリシャ語は！

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🎵今日は午後から、またいつものメニューを弾いた♪

日曜日の午後、または前日の土曜日の夕方だけは休む。

何故なら私はオーソドックス(ギリシャ正教信徒)であり、日曜日の聖体礼儀(カトリックのミサ、プロテスタントの礼拝に一応相当)に行く場合、まず他のキリスト教の派より儀式が長く、２時間半くらいあり、また基本的にその間、ずっと立ったまま。(ギリシャ系教会には椅子等もあるが、軽く肩や手を持たれ掛ける感じ)
更にユーカリスト(聖餐)を受けたい人は、日曜日の夜中０時から基本的に飲食禁止。つまり日曜日の午後１時過ぎにユーカリストを受けるまで、12時間以上、断食する。
更に４月末の復活祭まで約２ヶ月、大斎があり、肉、卵、乳製品等を食べられないのだ。

これは昔、カトリックや主な伝統プロテスタントにもあったモノだが、彼らは20世紀以降、かなり軽減させた。
プロテスタントは事実上、ユーカリスト前の飲食禁止が無くなり(カトリックは一時間前から禁止)、大斎も無し、てか個々の意志に任せる(カトリックは復活祭前の金曜日などに肉食禁止だけ)。

だが19世紀までは正教会と全く同じであり、つまりバッハやベートーヴェン、リスト、ドビュッシーの時代には、こういうキリスト教背景が強かったのだ。

これを知るだけでも、大作曲家の生きた時代のイメージが大部、変わるのでは？↩

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>> 19 とにかくだ、流石に12時間以上の飲食無し(水も含めて)、加えて３時間近く教会に立ちっぱなしなので、その前日か、その後かどちらか、かなり体力要る曲の練習は休まないと疲れる、てか健康に良くないだろう？

２ヶ月の大斎期間、ずっと肉、魚、卵、乳製品を経つのは、一種アスリート並みのピアノ練習には無理だから、適宜、最低限これらを食べている。

だが大斎とは、何かを我慢する意味もあり、実際に菜食家なら上の規定は全く普段の生活と変わらないワケだから、人によってはアルコール好きなら飲酒を経つ、煙草好きなら禁煙する等も有効。

で私は特にアルコールもニコチンも必要ない毎日だから、あれこれ考え、ピアノで苦行しようと思ったのが、そもそも｢英雄｣と｢ラフマニノフ３番｣に｢ハンマークラヴィーア｣まで加えた理由でもあった。

だがどれも体力、精神力を使うが、それ以上に力を貰えるような素晴らしい曲なので、あまり苦行的な苦や疲れが無い。

だがこれらを真面目に努力して磨く事が大斎の意図に叶うと思っている。
でこの為に、時々、肉、魚、卵、乳製品の禁を破り、弾く体力をつける。

何だかニワトリが先か卵が先か、またはメビウスの輪(？)みたいな変な話のような気もするが、仕方あるまい😓

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ニュージーランドの、まさかのモスク乱射事件！

あの温和なニュージーランド人が？と一瞬思ったが、やはり犯人はオージーだった😱

まあオージーもアメリカ人よりはマッタリしているが、ワイルドと言うか粗暴な環境に釣り合ったような人間も居るからな。


モスクの人々には同情する。正教も随分イスラムに苦しめられたし、今でもシリア等中東でイスラム過激派に迫害されているが、しかし今回の被害者らが殉教者みたいに天国行くのを望む！

さて、すぐに連想されたのが７年くらい前のノルウェーの乱射事件。あれも平和なノルウェーでまさかの事件であり、今回のに似ていた。

ただノルウェー人とニュージーランド人(犯人はオージーだが場所も衝撃受けた人々もニュージーランド)はかなりメンタリティが異なり、ノルウェー人はとにかく勇敢、未だに隠れたヴァイキング。

たった500万の人口なのに、冬のオリンピックでは金メダル獲得数が常に上位で、大国のドイツやロシアを抜く年もある。

また南極点初制覇のアムンゼン、北極探検の大物ナンセン等、皆ノルウェー人である。

だから彼らは普段大人しいが、何かやる時はやる！

これがニュージーランド人との大きな違い。ニュージーランドは、羊の方が人間より多い、のどかな国。

しかし何で毎回、あのノルウェー乱射男も、今回のオージー犯罪者も、日本や韓国みたいな単一民族、移民が少ない国が理想だと言って、間違えたアジアの美化をするのか？

日本は他のアジアからの労働者、移民等の人口が、実は世界で第６位なのを知らないのか？

日本人も知らないらしい。だが１億３千万も人口があれば、確かに移民数６位もオカシクない。また日本の人口が大きいから、移民が余り目立たないのだろう？

• << 23 ここにも書いたように、アメリカ人と言うと暴力的、支配的、傲慢、銃社会など余り良くないイメージを持っていたが、最近、新たな発見。 黒人や黄色人系はどうだか分からないが、白人の場合、英語圏の国では意外にドイツ語に関心持ってる、ドイツ語をクールだと思って勉強して片言話せる連中が居るのだ！ これはオージーやニュージーには無い傾向。カナディアンにも少ないだろう？ まあトランプがドイツ系だとか、白人至上主義者がナチスに憧れる等が理由では困るが、しかし母語に好感持ってくれる人々が一定数いると知って、この点だけではアメリカ人を見直したわ😍 (何か節操が無いな、頑固な私にもここが弱点だったのか？)

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プーチンがロシアの財界人らの集まりで演説し、｢日本との平和条約交渉はリズムを失った、もし日本が日米安保を破棄するなら領土問題も譲歩できるが、現状では仮に日本があそこに米軍基地を置かないと約束しても、アメリカが置きたければそれに全く逆らえないのだ！｣
と。

このリズム失った、の意味だが、こういう事では？

今ロシアはヨーロッパ側でアメリカにジワジワ首絞められている。
それは長年、ギリシャと対立していたマケドニアが、今年になって国名を北マケドニアに変更しギリシャとやっと和解、そして咋月、さっそくNATO入りが決まり、更にＥＵにも入る事に。

ロシアにとってバルカン半島は外堀みたいな地域で、既にギリシャとトルコがNATOなのが痛いのに加え、セルビアとアルバニア以外の国々が皆、ＥＵとNATOに入る傾向は耐えられない状況だろう？

まあＥＵ入りは経済問題で、貧しいバルカンの小国らが単独では生きられず、ＥＵに入り安心したい気持ちなのだが、これは実はドイツとその仲間(オランダ、オーストリア)の経済植民地に成る事でもある。

更にNATOはアメリカ中心の軍事同盟。かつて共産圏(ソ連の同盟国)だった東欧、バルカンの国々がどんどんアメリカ側に入っていく。

結局、中立国であるオーストリア、スイス、スウェーデン、フィンランドみたいにNATOに関わりない国が、ロシアには安心できるという皮肉な結果に。

加えてロシア正教会を通じて、正教諸国に影響力行使したかったロシアが受けた大打撃は、ついにコンスタンティノープル総主教庁が正式にウクライナ正教会のロシアからの独立の認可書にサインした事(背後にアメリカの斡旋あり)。
これは単にウクライナが完全にロシア離れするだけでなく、ロシア正教会のルーツであるキエフ教会が、ロシアから離れる事、つまり最悪、ロシア正教会の正統性を揺るがす問題であり、勿論、セルビア以外のバルカンの正教会もロシア離れする可能性が増えた。

つまりこんな時期に、更にアジアでも北方領土返還して、あそこに米軍基地置かれたら、もうロシアは目も当てられない不利な状況になる。

日本側(外務省)にこれを読んでいた人は居たハズだが、とにかく日本は交渉の時期を誤ったのだ。

例えば欧州情勢が一段落してから交渉でも良かったのだ。

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>> 21 ニュージーランドの、まさかのモスク乱射事件！ あの温和なニュージーランド人が？と一瞬思ったが、やはり犯人はオージーだった😱 まあ… ここにも書いたように、アメリカ人と言うと暴力的、支配的、傲慢、銃社会など余り良くないイメージを持っていたが、最近、新たな発見。

黒人や黄色人系はどうだか分からないが、白人の場合、英語圏の国では意外にドイツ語に関心持ってる、ドイツ語をクールだと思って勉強して片言話せる連中が居るのだ！

これはオージーやニュージーには無い傾向。カナディアンにも少ないだろう？

まあトランプがドイツ系だとか、白人至上主義者がナチスに憧れる等が理由では困るが、しかし母語に好感持ってくれる人々が一定数いると知って、この点だけではアメリカ人を見直したわ😍

(何か節操が無いな、頑固な私にもここが弱点だったのか？)

• << 26 このレスだけだと変な誤解生むかも知れないから、他の人のスレにレスしたのと殆ど同じ内容のを、ここにも書いておく✋ そのスレは、 ギリシャ　ナチス で検索し、スレ主は<スポーツ大好き> いわゆるギリシャの経済破綻問題と、ＥＵ親分のドイツとの当時の確執がテーマ。 で以下が、皆の対話がかなり横道に逸れて来てからの、私のレス↓↓↓ ナチス(政敵からの蔑別だが)てユニーク(笑)。白人至上主義を露骨に唱えながら一番沢山白人を殺した。黒人や黄色人の被害者ほとんど無し。 てかヒトラーて黒人や黄色人差別は口だけで(それもチャーチルやルーズヴェルトよりマシ)、憎悪してなかった。 黒人アメリカ兵もドイツ軍の捕虜にされた方がアメリカに居るよりも黒人としての差別が無かったと。 当時ドイツ国民だった黒人なんか、｢黒人はユダヤ人みたいにゲシュタポに捕まる事は無く、ナチ党員は黒人をバカにしてはいたが、空襲があると一般ドイツ人と一緒に防空壕でパンを分けてくれた｣って。

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🎵ハンマークラヴィーアだが、ウィーン音大時代に教授から勧められたが、当時は余りに終楽章の譜読みが面倒なのと、まだこの作品の真の価値を理解していなくて終楽章がやたら難しい割には魅力ないと思い、あれこれ言って逃げ回っていた。

十代前半でベートーヴェン･ソナタ全集を聞いた時には、これとソナタ32番に一番関心持ったけれど、弾くとなると32番はこちらから申し込んだくらいだが、ハンマークラヴィーアは敬遠していた。

で、その後、卒業して独立してから自力で一度徹底的に練習し、一応指定テンポで完成させた。

ただ、このレベルになると、指定テンポかそれに近い速度で実際に弾いた経験ある教授から、指使いを習わないとダメ。
ウィーン音大教授なら皆、この曲を弾いた実力は持っているが、しかし一流ピアニストでもベートーヴェンの指定テンポで弾くのは速すぎて、かなり落として弾く人が大半だから。

指定テンポで弾いた経験者でない人だと、微妙に遅くて一般的な指使いに基づく教授方法に成ってしまう。
しかし当時、指定テンポで弾いたピアニストなんてグルダかアラウ、アシュケナージ、エッシェンバッハ、近いテンポがポリーニくらいしか居なかったし、これらの人々に習いに行くのは面倒てか簡単ではない💦

で、楽譜にこれを解く鍵がある。

それはペーター版のアラウの指使いが細かく書き込まれた方の版だ！

楽譜自体はまあヘンレ版が一番いいかも知れないが、ヘンレの指使いは参考程度と言うのは通説。

他方アラウ指使いのペーター版は、練習始めてゆっくり弾いている内は、何たる変わった指使いと思うだろうが、次第にテンポ上げて、最後にベートーヴェン指定テンポに近づくと極めて納得できるのだ！

まあ私は最初に完成させた時には、これで無くてヘンレ版とウィーン原典版で練習していて、速い部分は自分で勝手に指使い変えて弾いていた。

ペーター/アラウを真面目に見たのはその後。
↩

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>> 24 だが少なくともハンマークラヴィーアに関しては、アラウの指使いがかなり参考になる。

ただし、勿論このレベルになると、もうツェルニーや他のエチュード(リストの超絶技巧エチュードは除く。これはやはり曲によって伝統的でない指使いが必要。別にリスト自身が書いた<マゼッパの指使い>の話ではなくて、その他の曲について私は言っている)の伝統的、正統的指使いなんて止めて、自分の手にあった自分だけの指使いを行うべき。

アラウと言えども、あくまで良い参考で、全て彼の通りに弾くのは余り意味がない。

どんなに変わっていても、自分が弾きやすい指使いが望ましい。(これも以前と、ラフマニノフ３番と並行して練習している今ではかなり違う部分がある)

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>> 23 ここにも書いたように、アメリカ人と言うと暴力的、支配的、傲慢、銃社会など余り良くないイメージを持っていたが、最近、新たな発見。 黒人や… このレスだけだと変な誤解生むかも知れないから、他の人のスレにレスしたのと殆ど同じ内容のを、ここにも書いておく✋

そのスレは、

ギリシャ　ナチス

で検索し、スレ主は<スポーツ大好き>

いわゆるギリシャの経済破綻問題と、ＥＵ親分のドイツとの当時の確執がテーマ。

で以下が、皆の対話がかなり横道に逸れて来てからの、私のレス↓↓↓


ナチス(政敵からの蔑別だが)てユニーク(笑)。白人至上主義を露骨に唱えながら一番沢山白人を殺した。黒人や黄色人の被害者ほとんど無し。
てかヒトラーて黒人や黄色人差別は口だけで(それもチャーチルやルーズヴェルトよりマシ)、憎悪してなかった。
黒人アメリカ兵もドイツ軍の捕虜にされた方がアメリカに居るよりも黒人としての差別が無かったと。

当時ドイツ国民だった黒人なんか、｢黒人はユダヤ人みたいにゲシュタポに捕まる事は無く、ナチ党員は黒人をバカにしてはいたが、空襲があると一般ドイツ人と一緒に防空壕でパンを分けてくれた｣って。

• << 32 失礼。 レスの名前、間違えた。 アメリカ人 先住民 で検索し、スレ主は 情報通 だった💦 まあ、間違えた方のギリシャとドイツの確執スレも、なかなか興味深いけれど。

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今日は夕方から｢エロイカ交響曲｣と｢ラフマニノフ３番｣を練習し、しばらく休んでから｢ハンマークラヴィーア｣の前に久しぶりにショパン･エチュードのOp.25の６(三度)、８(六度)のまあ難しいのを練習してみた。
右手４と５の指の強化の為に。
最初はバッハ:ゴルトベルク変奏曲の第28変奏のトリルをやってみたが、これだと４と５のトリル部分が３と５でも弾けてしまうから止めた。

他方シューマンのトッカータOp.７は今の他の大作の途中で練習するには、キツイと言うかショパンみたいな絶妙な柔らかさが足りない。
何だかシューマン｢トッカータ｣が昔からロマン派で一番難しいエチュードと言われていた理由が分かったような。

ショパンは自身ピアノの名人だったからエチュードも無理なく絶妙な技巧の安定を図るように作られているが、シューマンは本人が無茶して指を壊したような人だからトッカータもそれ自体、すでにエチュードより曲としての難曲であり、これではラフマニノフ３番等を更に安定させるエチュードには成らない💦

で結局ショパンの２曲を、他の遅いエチュード(Op.10の６)等を入れて休みつつ練習してみたが、改めてラフマニノフの技巧ってショパンの影響が強いと感じた。

逆に言えば久しぶりのショパン･エチュードが予想よりスラスラ弾ける。Op.10の７なんて昔はかなり弾きづらかったのに軽くいくでは無いか！

まあ考えたら、当然だ。ラフマニノフ３番やってるのだから。

とにかく三度と六度のエチュードは、続ける必要があるだろう。ラフマニノフを更に磨く為にも。

でこれらを練習してから、ハンマークラヴィーアに入ったら、第１楽章に関してはショパンの三度と六度のエチュードと共通した技巧が結構あるのだ。
つまりショパンのこれら２曲のエチュードは、ハンマークラヴィーア(第１楽章)の安定にも効き目あるって事。

まあ第２楽章以降は余り関係ないようだ。

また当然、ラフマニノフやハンマークラヴィーアに必要なリストのエチュードについては、既に毎日、最上最難なのを弾いている(笑)

即ちリスト編曲＋αの｢エロイカ交響曲｣がそれだ😄

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ところで私は馬鹿なのか!?

いや、多分誰でも実際に弾いてみないと理解できない事なのだろう。

例えばショパンのピアノ協奏曲１番が、かなりベートーヴェンの｢皇帝｣に重なる面がある、等。
これなんか、無論、表面的にはショパン協奏曲はフンメルやカルクブレンナーの協奏曲の影響受けたとされているが、もっと深い部分では｢皇帝｣の影響がある、と感じられるのだ。

これはかなり前に感じた事だが、両方弾いた経験ないとなかなか分からないのでは？

同じく最近強く感じるのが、幻想ポロネーズはハンマークラヴィーアの第４楽章の冒頭の半ページくらいの影響を受けている事。

-ハンマークラヴィーアは普通４楽章制のソナタとされるが、実は最後の第４楽章がゆっくり始まる幻想的な序奏部と、しばらくして始まる速く長大なフーガを２分して、全体を５楽章制と考える説もある。

これだと全体がヨーロッパ人好みのシンメトリーに成る。即ち長く深遠な第３楽章を中央に、両脇に雄大な第１楽章と第５楽章(終楽章のフーガ)、そしてスケルツォ的で短い第２楽章に対比するのが第４楽章(終楽章の幻想的な序奏部分)。

ピアノをある程度やった人には常識だが、ソナタの楽譜はどの曲も楽章ナンバーなど書かれていない。
Allegro、Lento、Presto等、普通、楽章の最初にイタリア語のテンポや表情の表記があるだけ。

だから明らかな楽章間の断絶がある場合には、別々の楽章だと明白だが、そうでなく楽章同士が連続している場合など、これを別々の楽章と見るか、同じ楽章の序奏と主要部と見るか、曖昧な場合もある。
↩

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>> 28 例えば連続していても、｢熱情ソナタ｣の場合、変奏曲の第２楽章と、ソナタ形式の嵐のような第３楽章は明らかに別々。

だが｢ワルトシュタイン｣の場合など、第１楽章が終わった後の、へ長調の遅く即興的部分は次のハ長調の大ロンドの序奏とされ、全体が２楽章制てのが定説だが、別にへ長調の部分を序奏と見ないで第２楽章と見ても良いのでは？
すると全体が３楽章制になる。

｢ワルトシュタイン｣の遅いへ長調部分は、｢告別ソナタ｣の第２楽章や、ピアノ協奏曲４番の第２楽章と、内容で大した差はないのだ。

ただ｢告別ソナタ｣はベートーヴェンがこれを｢不在｣、連続して続く早い部分を｢再会｣と書いているから、別々の楽章だとなるし、ピアノ協奏曲４番の場合は、一応、遅い即興的部分と、その後の早い部分の間に休みがあり、連続していないから、遅い部分を第２楽章と考えるワケだ。


とにかく楽章分けはベートーヴェンでは既に絶対ではなく、これが更にリストのソナタや協奏曲になると、様々な解釈の相違が生まれるのだ。

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>> 29 で話を元に戻すと、以外に｢エロイカ交響曲｣と｢ハンマークラヴィーア｣にも共通性が見られる。

今までは全く考えもしなかった事だが…


中期の傑作｢エロイカ/英雄｣しかも原作はオーケストラ作品と、後期の巨大ピアノソナタ｢ハンマークラヴィーア｣だが、まず第１楽章が実に雄大で、また長い序奏など無い。
｢エロイカ｣は変ホ長調の和音の強烈な２連打の後、すぐテーマに入るし、｢ハンマークラヴィーア｣に至ってはピアノソナタとして化け物みたいな大作なのに、全く序奏なしでいきなりテーマ。

更に終楽章がどちらも対位法的。ハンマークラヴィーアの主要部分は(幾分自由とは言え)フーガだし、エロイカの場合も変奏曲が出る度に自由な対位法作品になっている。

またエロイカの第２楽章｢葬送行進曲｣とハンマークラヴィーアの第３楽章は、深遠さにおいて似ている。

-実は古典的な交響曲やソナタではエロイカみたいに第２楽章が遅く、それは第５や第７など中期作品ではずっと守られた。

遅く深い第２楽章とスケルツォ的な第３楽章の入れ替えは、後期のハンマークラヴィーアで初めて為された革命で、その数年後書かれた｢第９｣でもそうなっている。

まあだからハンマークラヴィーアと第９が互いに深い部分で似ているのは、誰が聞いても分かる事なのだが、しかしエロイカかハンマークラヴィーアのかなりの共通点を見つけるには、両方弾かねば、多分分からなかったろう!?

しかもエロイカはオーケストラでなく、ハンマークラヴィーア同様にピアノでないと。

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>> 30 ところでショパンが意外にベートーヴェンの影響受けている事を先に書いたが(彼のピアノソナタも、やはり２楽章がスケルツォ的で３楽章が遅い点も、ハンマークラヴィーアによるベートーヴェンの<革命>の成果をそのまま行くモノだ。)

ただショパンはかなりオリジナリティに拘った。
だから幻想即興的が生前発表されず、死後ノートの間から偶然発見された理由も、もし幻想即興的の短調部分をゆっくり弾くなら、ベートーヴェンの｢月光ソナタ｣の第１楽章と全く同じ部分があると気付き、これゆえにショパンはこの作品を封印したと理解できるだろう？

バラード１番のコーダ部分が、月光ソナタ終楽章のコーダに似ている、くらいはまだ許容範囲だったのだろうが、さすがに全く同じメロディ(仮に偶然だとしても)について、ショパンは耐えられ無かった。

まあ他の作曲家はここまで細かくない。ギリギリのパクりまでやってる大作曲家も意外に多い。

その話はまた後日👍

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>> 26 このレスだけだと変な誤解生むかも知れないから、他の人のスレにレスしたのと殆ど同じ内容のを、ここにも書いておく✋ そのスレは、 ギ… 失礼。
レスの名前、間違えた。

アメリカ人 先住民

で検索し、スレ主は 情報通 だった💦

まあ、間違えた方のギリシャとドイツの確執スレも、なかなか興味深いけれど。

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🎵やはりラフマニノフ３番よりリスト編曲｢エロイカ交響曲｣の方が全体的に難しい感じ。
まあリスト編曲版にかなりトレモロやオクターブを加え、第１楽章と第４楽章はリストのラプソディー９番の分厚い難しい部分をずっと弾いている感じにしたから、仕方ないか？

とにかく今までで、こんなに時間掛ける割にまだ楽々弾けない曲は、初めてだ、全く。

ラフマニノフ３番の方がずっとピアノ向きと言うか、何ヵ所か難しい部分があっても弾きやすい。

ハンマークラヴィーアも、第３楽章が表現を深めねばならないが、技巧的に休めるので、エロイカより楽。

エロイカはやはり元々が交響曲の大作だから、常に弾くべき音が多いし、多分、大作曲家でも一番知能が高かったベートーヴェンの恐ろしさを体感する。

いくらベートーヴェンでも、ピアノソナタはやはりピアノ向きに作っているが、交響曲は全く妥協なく全ての能力を出し切っているからな～

カツァリスとシチェルバコフが、リスト編曲のベートーヴェン交響曲を全曲録音しているが、私は持っているがわざとカツァリスを聞かない。
彼も葬送行進曲などで、色々リスト版にない音を加えているらしいが、まだ影響されたくないのだ。

今はとにかく自分のバージョンを作り、たまにヨッフムやカラヤン指揮のオーケストラ原作を聞くのみ。
楽々弾けるように成ったらカツァリスのを聞きたい。

他方シチェルバコフのエロイカは、最初の２分くらい聞いたが、ほとんどリスト版そのまま。アルペジオが単音なら、それをわざわざオクターブや六度にはしていない。
まあ全曲は聞いていないが。

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🎵音大時代にラフマニノフ協奏曲に縁が薄かったのは、確か前のスレに書いたと思うが、とにかく当時はまだオーストリアではロシア音楽は好かれていない、または敬遠されていたからだ。

最初の教授は、ベートーヴェン｢皇帝｣かラフマニノフ２番どちらかやりたい、と言ったら、｢皇帝にしよう、君はセンチメンタルな性格じゃないから｣。

また２年くらい経って何かラフマニノフやりたいと言ったら、｢ではパガニーニ狂詩曲か、協奏曲３番にしよう｣と。
当時、私はパガニーニ狂詩曲を余り好きで無かったし(第18変奏が無かったら全くつまらない作品だと思っていた)、他方、協奏曲３番なんて難し過ぎて嫌だったから、結局、断った。

次の教授。またまた｢君にはロシア音楽(チャイコフスキーやラフマニノフ)は向いてない。君はライオンか虎みたいで男性的過ぎるから｣。つまり超肉食系だったのだろうか？

でもその後、隠れて一時期、ラフマニノフ２番と３番を練習していたら、たまたま全く別の教授が聞いていて、｢不思議な事に３番の方が上手いってか、合ってるね｣と言われた。

今ならこの意味が分かる。

２番と３番の難易度の差は、ベートーヴェンの｢悲愴｣と｢熱情｣くらいあるだろう。いやもっと差が大きいか？

ただ２番は、全体がセンチメンタルで、ほとんどリストみたいなシャープな音で高音部の超絶技巧を見せる部分が無い。
美しく哀しく、そして渋いのだ。

対して３番は、１楽章の巨大な方のカデンツァみたいに重く熊(笑)みたいな部分もあるが、かなりシャープな音色で高音部の華麗な技巧を見せる部分も多い。

２番より３番の方が上手い(表現で)と言われるのは、嬉しいが、反面、２番のセンチメンタルさが上手いとも言われたい！

君はラフマニノフ２番より、プロコフィエフ３番などの方が音色的に合っている、と以前言われた事もあるし。

でも私は<ロマン派>だから、現代音楽は嫌なのだ！

ロマン派とセンチメンタルはまた、全く別物。だから正統ロマン派のシューマンやリストの演奏、表現は常に良い評価を受けてきた。

ショパンもだが、私はショパンを和声以外、ロマン派より古典派だと考えているから。

実際、思想や形式では、中期から後期ベートーヴェンの方がショパンより余程ロマン派だと思う。

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ガッカリ😫💨💨
イタリアが中国から大量の経済援助受けて、見返りに中国経済圏に入る💢

ＥＵのシステムは、確かにドイツ、オーストリア、オランダ等、ゲルマン組が儲かって、南欧のラテン組やギリシャ等が損する部分が問題なのは事実だが、せっかくドイツ、フランス、つまりＥＵ中核国が中国離れしてきたのに、イタリアが裏切るのか？

まあイタリアの裏切りは何時もの事で、特にオーストリアは過去にクリミア戦争、イタリア統一関係で２回、第一次大戦、第二次大戦と、これだけでも５回裏切られてきた。

逆に言えば、イタリアと同盟結ぶ国は最後滅びる、敗北する運命だから、この法則通りならば中国の没落も近く、目出度い😆

そしてイタリアは、同盟結ぶ国を必ず没落させ、その頃には敵側に寝返り、いつの間にか勝ち組に入っている。
シタタカで恐ろしい(笑)国！

だがマクロンもイタリアの中国経済圏入りを何とか止めようとしているし、もしドイツやフランスが止めても効果ないならば、もう真面目に南ティロール(チロル)を返してもらう運動をまた始めていいだろうな!?

あんなに中国をバカにしていたのに、カネ欲しさに寄りによって中国の子分に成るなんて、イタリア人やイタリア政府を強く軽蔑するわ！

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>> 35 しかし何故、私はロシアなら良くて(このスレの冒頭に書いたように)、中国なら悪い、嫌いなのか？

やはりまずロシアはソ連を辞めて、伝統宗教を尊重するが、中国は共産主義で無神論、宗教弾圧している事が大きい。

またロシア人には音楽や文学のワールドクラスが居るが、中国人には古代に文学で居ただけで、今はその古代中国とは全く別の国、そして民族。
音楽は常にダメな国だった。

最近、中国人にもヨーロッパ音楽をやる人々が生まれたが、やはり彼らのは技巧だけのサーカス。体操競技と変わらない。

ロシアの音楽家も技巧が凄いが、芸術性も持っている。

また、ロシアは伝統的に欧州をリスペクトしているから、ロシアと接近しても西欧諸国なら常に対等でいられる。東欧の国々は知らんよ。ロシアの外堀、いや植民地みたいにされるかも(笑)

他方、中国はあの人口で、とにかくアメリカに変わって世界の中心になり、世界覇権も企んでいる。
昔の中華思想からして、連中には他国との対等関係がよく分かっていない。

まあこれがロシアをまあ好きで、中国を嫌いな理由だろうな!?


でもいいか♪
イタリアと組む国は、必ず没落する法則があるから、中国の傲慢も長続きしないだろう😄

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🎭ベートーヴェンとヒトラーについて(笑)

いや、２人がオーストリア人かドイツ人か、て話だけど。

ヒトラーについては、今は論じない。オーストリアのドイツとの国境街ブラウナウで生まれたが、リンツ、ウィーンに出て、失敗だらけ。20代前半にドイツに移住。ただ40代で総統になる少し前まではオーストリア国籍だった。だからドイツ人は未だに彼をオーストリア人扱いするのだ。

あれ、結構論じてしまったではないか💦


で本題のベートーヴェン♪

ズバリ、彼はオーストリア人なのだ！
彼をドイツの作曲家とか書いたり言ってる人は皆、間違っている。

これには複雑な経緯があるのだ。

彼は現在のドイツ領ボンに生まれ、20代前半からウィーンに移住、50代後半の死まで、ずっとウィーンで住んだ。

これ表面的なプロフィール。

だが彼をオーストリア人とする真の根拠は…
↩

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>> 37 ①彼のボン時代の作品には、今日普通に知られた名曲が全く無く、天才の香りはあってもまだ未熟な作品だらけだった。
ベートーヴェンの作品のほとんどはウィーン時代に書かれたモノで、事実、彼自身が作品番号Op.を付けたモノは全てウィーン時代の作品。
Op.１のピアノ三重奏からしてウィーン時代の作品。
ボン時代の習作には作品番号がない。彼自身、重要視して居なかったのだ。
つまり<大作曲家>ベートーヴェンはウィーンで生まれた。

②ベートーヴェンと言う苗字自体、オランダ語であり、ドイツ人らもそれ認め、彼はオランダ人またはオランダ系などとよく言っている。
これは彼の祖父が、今日のベルギーのオランダ語(フラマン)地方出身だから。
その祖父は、仕事の為に当時ケルン選帝侯の領地だった田舎町ボンに移住して来たのだ。

③ではベートーヴェンはオランダ系ベルギー人なのか？
オランダ人はともかく、ベルギー人がベートーヴェンをベルギーの作曲家だと言うのを聞いた事ない。

またベートーヴェン時代には、今と全く国の概念が異なり、ベルギーは独立国ではなく、ベートーヴェンの祖父が生まれた頃、スペイン領からオーストリア領に変わった。(スペイン継承戦争の結果)

だから彼の祖父は子供時代、ずっとオーストリア人だったわけだ。

④また、ドイツという国も当時は無かった。代わりに<神聖ローマ帝国>があり、オーストリアの領主であるハプスブルク家が、事実上、皇帝を世襲していた。
つまり<神聖ローマ帝国>内の沢山の大小の諸侯(大体、今のドイツに重なる)は、名目上、オーストリア君主で神聖ローマ皇帝だったハプスブルク家の家臣だったわけ。

だから祖父の問題を除いても、ベートーヴェン自身、ボンで生まれたと言う事は、当時の感覚なら究極にはオーストリア君主ハプスブルクが皇帝である<神聖ローマ帝国>で生まれた事であり、その時点でオーストリアまたはハプスブルク帝国の国民だったのだ。
↩

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>> 38 あれ、⑤以下を書いたのだが、コピーが消えている(泣)

だから記憶を頼りに。

⑤モーツァルトやベートーヴェンが自身をドイツ人と言っていたとしても、これは今日のドイツ国家の人間と言うわけでは全く無く、<神聖ローマ帝国>の中のマジョリティであったドイツ語母語の人間と言う意味。(当時それをドイツ人と呼んだ。ウィーン人すら自分らをドイツ人と呼んでいた)

だがオーストリア君主が皇帝を務める<神聖ローマ帝国>は、ベートーヴェンがウィーンに移住してから約十年後、ナポレオンの侵略によりオーストリアとプロイセン以外(大体、今日のドイツと重なる地域)は、フランスの子分国に纏められてしまった。

そこで<神聖ローマ皇帝>だったオーストリア･ハプスブルク家は、帝国を解散し、代わりにオーストリア支配下の東欧の広大な地域を纏めて<オーストリア帝国>を作り、自らオーストリア皇帝に成った。

だからこの時、既にウィーンに十年近く住み、これから更に死まで二十年以上ウィーンに住み続けたベートーヴェンは、近現代的な国家観から見ても正式にオーストリア人に成ったのだ。

祖父の件や、ボン生まれについては<神聖ローマ帝国>の国民であり、帝国の皇帝がオーストリア君主のハプスブルク家だったから、と言う、幾分、前近代的な概念だったが。
↩

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>> 39 ⑥ナポレオンが没落した後、ヨーロッパ政治を牛耳ったのはウィーン会議開いたメッテルニヒを外相とするオーストリア帝国だったが、もう神聖ローマ帝国の再興は行わず、代わりに大小の諸侯国に分かれたドイツ語圏地域に<ドイツ連合>を作り、議長をオーストリア皇帝が務める体制に。

だからナポレオン没落後のベートーヴェンや、他のウィーン市民らも、自分らをドイツ人と呼んでいた。ドイツ語話すから。またウィーンこそドイツ語圏全体の中心地だったから。

しかしそれから半世紀後、<ドイツ連合>の大小諸侯地域(大体、今のドイツに重なる)の統一支配を巡り、オーストリア、プロイセン、更にフランスの三つ巴の争いが起き、勝利したプロイセンがドイツを統一支配し、それが今のドイツ国家の基。

その際、<ドイツ連合>議長国オーストリアは、統一ドイツから除外され、ここにオーストリアは完全にドイツと別な国に成った。

(ナチス時代、ヒトラーにより再びドイツとオーストリアの統合が行われたが、敗戦で再び別々の国に)


とにかく、これでベートーヴェンがオーストリア人だと言う根拠の大半を示せた♪

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🎵さてでは、ラフマニノフのピアノ協奏曲３番の弾き方のヒント、注意点などを、これから30レスくらいに分けて、順番に書くべきかな？

以前のスレで、ブラームス｢パカニーニ変奏曲｣や、ショパン｢24のプレリュード｣について書いたように。

ラフマニノフ２番でもいいが、これは昨年半ばまで集中し練習していたから書けるが、やはり３番の弾き方解説の方がレアだろうから。
てか今まで３番について、弾き方を解説した参考書なんて世界中でも見たことないわ！

ここに書いても殆ど誰にも役に立たないだろうが、いつか一人でも練習している人のヒントになれば、それだけで十分だ。

まあ気長に、下手したら１ヶ月くらい掛けて、一応、全曲のピアノパートの主な部分について、つたない言葉で解説して見よう♪
(と言う予定)

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>> 41 🎶ただ、この曲の楽譜は、元祖のイギリスのBOOSEY＆HAWKES社の版以外には、多分アメリカのSCHIRMER版しか出ていないだろう？

で後者は前者のコピーに近いと思う。私は元祖BOOSEY＆HAWKES版しか普段使わないからSCHIRMERを細かく見たことないが。

ただどちらの版も困った事に小節数が書かれていない。だからページ数を表示して解説する事になる。
どうせ上記２社の版以外無いのだし、弾く人ならこれらのどちらかを見て練習するのだから。

パガニーニ変奏曲やショパン･プレリュードみたいに、何番とか書けば分かる問題ではないし、かと言って提示部の第２主題の少し前だの、展開部の両手が単音になる部分だの書くより、ページ数の方が実践的だろう？

全くドイツ系のヘンレ版その他みたいに小節数が書かれていないのは、呆れるべきと言ってもいいが…

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>> 42 🎶では第１楽章に入ろう✋

２ページ(以下、ページをＰと表記する)から始まるのだが、２と３Ｐについては、音出すだけなら初心者や子供でも弾けるだろう？

つまりベートーヴェンの｢皇帝｣以後、通例となった、ピアノの開始部が何らかのヴィルトゥオーゾの要素を持つ伝統が、全く裏をかかれたワケだ。

まあラフマニノフ協奏曲だから、昔初めてこれを聞いた人々も、どうせこのままじゃ終わらない、何らかの難曲に発展するのは予想できたろうが、しかしまさか史上一番難しい協奏曲になるとは予想していなかったのでは？

しかし史上一番難しい協奏曲が、多分史上一番易しく始まるとは、ラフマニノフのユーモアセンスも凄い。

まあしかし、この一見易しい２つのページ/Ｐも、やはり実力ある人の演奏と、初心者とでは違う。

ただ３番が弾けなくても、２番、チャイコフスキー協奏曲１番、いやシューマンの｢子供の情景｣が一応弾けるレベルの人でも、この部分は十分、芸術的な演奏が可能。

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>> 43 🎶４ページ/４Ｐに入ると、突然、技巧が始動する。

ただ４と５Ｐはラフマニノフ的センチメンタルなメロディや重音とは全く違い、バッハやヘンデルに近い。

これを左右の手で絶妙に繋げて歌わせるわけだが、無理すれば片手でも弾けるだろう。(不幸にして片手を失ったピアニスト等の場合)

基本、16分音符が上向いている部分は右手、下向き部分は左手で弾くのだが、しかし時にはこれに拘らず、弾きやすい手を使って構わない。

これは、この協奏曲全体について言える事だ。

とにかく４と５Ｐの難点は、易しかった２と３Ｐから突然速い精密なバロック的パッセージに代わるから、十分余裕で弾けないと本番でも練習でもコケやすい事。

またオーケストラとピッタリ合うテンポ設定。何故ならピアノのパッセージがオーケストラのメロディと重なる部分が多いから、少しでもズレると、バレバレになるからだ。

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>> 44 🎶６Ｐからは、まあかなり難しくなる。
ただ６Ｐ２段目の第２小節のm.d.と矢印で書かれたｂの音は、右手にしないで左手のままでも構わない。

もうこの辺りはショパン･エチュードやリストの高音部が細かいパッセージの曲に慣れた人でないと弾けないだろう？

そして８Ｐに入ると、いよいよラフマニノフの手のデカさを生かした技巧が現れ、特に２段目と３段目を見事に弾くには、広い音域のアルペジオを弾ける技巧が必要。無理すると既にここらで筋を痛める人もいるだろうから、とにかく柔軟で広く開く手と手首の妙技が必要だ。

２段と３段はピアノソロだから、上手い人なら自由に飛ばしたテンポで構わない。

４段目から10Ｐ冒頭までは解説要らない。オーケストラだけの部分あり、またピアノパートも弾ける人なら普通に弾ける。

まあ９Ｐのピアノ部分は、幾分ふざけたように、スケルツァンドの精神を忘れなければ、尚更いい。

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>> 45 🎶10Ｐから始まるリリックな第二主題。
これはシューマン等を上手い人なら説明なし。ただシューマンより音域が広いだけ。
また楽譜通りに左右の手に分けなくて、部分的には右手と書いてあっても左手の方が弾きやすい部分がある。

11Ｐの２段３小節からラフマニノフ炸裂(笑)に成ってくるが、和音含む右手オクターブを十分歌わせる、また常に右手のメロディ(大体５と４の指で取るが他の指が忙しいので５だけで行く部分が出ても問題なし。)

とにかく元祖版には、指使いが殆ど書かれていないし、たまにラフマニノフ自身が指使いを入れている部分あるが、これも彼の並外れた巨大な手を前提にしていたりするから、あくまで参考に。

第二主題のリリックな部分は13Ｐ３段目から左手がかなり弾きづらくなるが、広音域の和音をバラして弾く場合、少し早めに始めるとか工夫しよう。

幸いオーケストラは大人しい伴奏だから、ソリストが多少、間を取っても問題なし。

13Ｐ最後の２小節と14Ｐ最初の２小節は、もう手首を柔軟に、ラフマニノフが書いた指使い方はあくまで参考に、とにかく弾きやすい指使い方で弾く。

３小節目以降から14Ｐ終わり(つまり提示部終わり)までは、何の苦もなく弾けるハズ。
ただ正確に。オーケストラと合わせるのが重要だから。

これにて第１楽章提示部が終了！

(この調子だと、何だか百レスくらい必要になりそう💦)

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🎶展開部に入る。

17Ｐまでで解説必要なのは、16Ｐ１段３小節目から２段全部、そして17Ｐ１段３小節目から４段１小節目まで。
これはこの曲を練習するレベルの人には今更だろうが、右手は親指、左手は５の指を軸にした回転運動を考えて弾く。

17Ｐ４段の２小節目からはエチュード的な技巧になり、かなり右手５と４指の強さが必要。
ロマン派独特の５や４の指に肩からの力を加え、工夫する。

19Ｐから20Ｐ３段２小節終了まではラフマニノフ好きなら全く問題なしでないと…

20Ｐ３段３小節から始まる左右の広音域の単音同士の部分は、どんなに変わった指使いでも綺麗にメロディと神秘性出して弾ければ構わない。

ただ伴奏するオーケストラを考え、余りテンポ揺らしたり過剰なルバートは避ける。

そしていよいよ、23Ｐ２段目からカデンツァに突入。

私は最初、学生時代、隠れて練習していた時には、普通の小カデンツァを弾いていたが、その後すぐに大カデンツァに変え、今も大カデンツァでやっているから、小の方は解説しない。

大カデンツァは迫力でかなり上だし、難しいから格好いい！

まあ小の方が全曲に対するバランスが良いとか言う声もあるが、どうせ全曲がユーラシア大陸北部の野生の巨大な叫びみたいな作品だし、ここで大カデンツァでそれに輪を掛けても問題なし。
また近年は、これ弾くピアニストなら大概、大カデンツァを使う。

では、そろそろ練習の準備の時刻だから、今はここまで✋

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>> 47 🎶さて大カデンツァに入る。
元々、普通の楽譜より音符の印刷を小さくし段を増やして紙数を節約しないと、買って弾く人が少ないラフマニノフ３番だが、特に大カデンツァは小カデンツァの上にOssiaと書かれ並行して印刷されているから、更に音符が小さい。

つまり目が少し悪い人には練習していて読みつらい。

とにかくこの難しいと評判な大カデンツァであるが、まずpからffまたはfffまでのデイナミークをハッキリ付ける事！

元々メガロマニア的なカデンツァだからfやffが多いが、だからこそ全体をfで弾きたい傾向を抑え、楽譜にpとある部分は忠実に守る。

また唯々技巧だけ見せるサーカス化に陥らないように気をつけ、難しいが壮大な大地の叫びみたいな歌を芸術的に歌わせる。
(この歌/メロディは小カデンツァでも出るが、全く違ってスケルツァンドになる)

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>> 48 🎶23Ｐ２段から始まる大カデンツァだが、まず24Ｐの２段目くらいまでは、自然に手の構造からfやffが弾きやすく出来ている。
24Ｐ２段目４小節辺りから、人によってはかなり弾きつらくなるだろう？
だが手の大きさが十分で技巧も十分あるなら、まだ問題でもない。
そして25Ｐ２段目のPrerto.からいよいよ難易度アップ。体力が足りない人はこの辺りで限界に来るかも!?

そして４段目のAllegro molto.からこの大カデンツァの醍醐味(難しさ)がマックスになる。

ここを苦しいからと言って、ただ機械的に全ての音をただ同じような音量で弾くのは単なるサーカス屋。
各小節に４つずつある高音部のメロディ部分と、低音部をハッキリ分け、メロディを壮大で悲壮感持って歌うのが真のヴィルトゥオーゾであり芸術家なのだ！
(例えばロシアのアシュケナージやベルマンはそれが出来ているが、中国のランラン等は凄まじい表情する割に、ここが遅いし全く芸術的に弾き分けていない)

この部分が更に次第に盛り上がり、遂に26Ｐ３段目からは大小の両カデンツァ共通になる。
大カデンツァを弾いてここまで来た人は、少しここで弾く音の数が減り圧力が減った感じを味わうが、しかしすぐに来るクライマックスの為に次第に再び音量が増え、飛ぶ音域も増えるので、余り気にならないハズ。

そして５段目a tempo.でクライマックスに達する。ここから27Ｐ２段目半ばまではfffであり、ラフマニノフ炸裂(笑)だ！
全力で弾く部分。

そして27Ｐ２段目から少しだけ引いて、３段目のffまで落ちる。
４段目の終わりまでが、いわゆるソロのカデンツァで、その後はピアノは装飾になりオーケストラがメロディを奏するわけだが、３段目から29Ｐ冒頭までの技巧に苦労するなら、残念ながらこの曲は向いていない。

ここは大カデンツァの余韻として、軽々余裕で退きながら、自ら雰囲気を味わう部分なのだ。

私も学生時代にはそれが出来ず、意外にここの余韻部分のパッセージで苦労と言うか、ここに集中せざる得なかった経験がある。

だがここはラフマニノフ３番としては、易しい部類に入る部分であるべきなのだ。

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>> 49 🎶29Ｐの１段目に少し盛り上がりがあって、またまたソロで２段目から再現部の第２主題を兼ねた部品が始まる。

これが次第に高まり、５段目の第２小節からppで始まるが、結構細かく弾きにくい、リスト風パーセージの先程と趣が違う華麗なカデンツァを形成。
30Ｐ３段の最後まで続く。
４段目以降は手が大きいなら問題ない余韻となり、30Ｐの最後にオーケストラが加わり、長かった大カデンツァ＋再現部を終えるのだ。

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>> 50 🎶31Ｐから再び冒頭のメロディと易しいユニゾンに戻るが、ここからは第１楽章のコーダと見るべき。

32Ｐの最後から、手が小さい人では全く弾けない９度含む重音トリルが来る。

ここはいくら手が届かないからと言って、９度をバラす時間と余裕は無かろう。
だから９度が楽々掴めない人は、残念ながらこの曲を諦めるか、邪道であるが９度の部分を上だけ弾いて下を抜かす。

幸いここはピアノパートがpで、オーケストラのメロディに少し隠れる。ただ生演奏見られたり、また余程耳がいい人に聞かれたらバレるから、私はその責任を負いません(笑)

33Ｐ２段目から３段目の第１小節にかけて、またピアノパートがメインになりオーケストラが伴奏。ここは正確にハッキリメロディ出して弾くのが少し難しい。
その後の２段は特に問題なく、次第に音量を下げつつ、第１楽章を終える。

しかし大カデンツァが無ければ、全３楽章中、第１楽章はまだ一番易しいからな!!

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🎶第２楽章以降は、また今夜か明日書くとして、ラフマニノフ３番全般について。

ラフマニノフの全作品中、多分最も一般に知られているのは協奏曲２番だろう？

この２番にはまだ幾分<青い>部分があると評論家らは言うが、しかし理屈を超えた文句無しのカリスマ的な美しさがあるのは、間違いなかろう!?

だから２番が一番好きと言う意見を私は理解するし、若い頃は私もそうだった。

ただし作曲家ラフマニノフの最高傑作となると、やはり２番より十年くらい後に書かれたこの３番や、前後の作品である｢死の島｣、｢晩祷｣等であろう？

大体、３番が書かれた1909年くらいから数年がラフマニノフの作曲家としての絶頂期だったと思う。

で、｢晩祷｣や｢聖体礼儀｣はまた正教会音楽として偉大な傑作であるが、もしラフマニノフの傑作から一曲しか選べないなら、大半の評論家はこのピアノ協奏曲３番を選ぶのではなかろうか？

ピアノパートが２番より数段複雑で難しくなっているだけでなく、それ以上にオーケストラ部分が２番より遥かに充実している。

これは２番に少し見られるピアノ中心の協奏曲(ショパンの協奏曲みたいに極端で無いにしても)とも、オーケストラにピアノが隠れるピアノ付き交響曲みたいなブラームスのピアノ協奏曲とも違い、ピアノ、オーケストラそれぞれがマックスな可能性を引き出し、その上でほぼ互角にしてしかも調和している。

ただやはりピアニストにとって、ピアノパートの難しさに気持ちが集中してしまい、十分にオーケストラとの相乗効果を楽しみつつ、演奏できるピアニストは稀なのだ。
大ピアニストの大半もやはりどうしても、これが出来ない💦

また、発表当時は全体で約45分かかる為、長すぎるとの批判もあったが、今日でこんな事言う人は居ないだろう？

だが同じく長いブラームスの２番を除けば、ピアノ協奏曲なら40分くらいのベートーヴェン｢皇帝｣と、ショパンの１番が例外で、後の殆どの協奏曲は30分前後なのも事実。

他方、45～50分かかるベートーヴェンのエロイカ交響曲も、かつては長すぎると批判した評論家が居たし、とにかくラフマニノフ３番は演奏するピアニストから見れば、全く長く感じない作品なのだ♪

• << 54 🎶昨夕は疲れたので、少しだけ第２楽章について。 まずＰ34は冒頭から６段目の最初までオーケストラ。 協奏曲２番に比べて、オーケストラが単なるピアノの序奏ではなく、独立した主題を演奏する交響曲みたいに成っているのが３番の特長。 つまりピアノとオーケストラによる総合芸術なのだ。 まあこの素晴らしいオーケストラ部分は、ピアニストには如何とも出来ず、単に優れた指揮者とオーケストラを期待するしか無い。 だからアマチュアやボンクラな楽団の演奏でも、２番ならまあある程度、ピアニストの腕次第で成功するが、この３番には一流のオーケストラと指揮者が要る。 ラフマニノフのアメリカでの初演の３度目だったか、ニューヨークフィルをマーラーが指揮し、ピアノをラフマニノフ自身が弾いたが、やはり作者(ラフマニノフ)もマーラー指揮に大満足したらしい。 マーラーもこれをロシア音楽の傑作と扱い、よく理解できていない楽団員を徹底指導した。 その前の２回のアメリカでのコンサートでは、オーケストラがイマイチで、唯々ピアノの難技巧のみ目だったらしいのだ。

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>> 52 🎶ところでカデンツァで悪戯を思いついた！

カデンツァとはモーツァルトの協奏曲時代には楽譜に書かれていないで、ソリストがオーケストラを休ませて、１人で数分間、妙技を伴う即興演奏する部分だったが、ベートーヴェン以降、作曲者が何通りか楽譜を書くように成った。
即興演奏が下手なソリストが増えて来たからだ。

或いはベートーヴェンでも最後の５番｢皇帝｣みたいに特に独自のカデンツァを持たず、カデンツァめいた部分をオーケストラと合わせて弾かせるケースも現れた。

ショパンの２つの協奏曲も皇帝と同じパターン。

他方シューマンやグリーク、チャイコフスキーの協奏曲には作曲者が書いたカデンツァがある。

大作曲家が自ら書いたカデンツァを演奏者が変えて弾いても構わないが、普通、大作曲家自身のカデンツァを超えられないから、滅多にこれをしない。

で、ラフマニノフ協奏曲だが、２番にはカデンツァが無い(皇帝やショパン協奏曲と似たパターン)。

だが１番と３番にはある。

３番のは先に触れたように、大小２通りのカデンツァをラフマニノフ自身が書いた。

そこでだ！

３番のカデンツァの部分が来た時に、如何にも大カデンツァを超人的技巧で弾くような顔と身構えをしつつ(ランランみたいに中国人受けするような観客意識した曲芸師みたいな、いささか滑稽な顔をしつつ)、しかし大カデンツァの冒頭の左手の半音階上昇だけ弾いて、後はカデンツァが大小同じになる部分まで、またはオーケストラが加わるまでの数分間の部分を、全く勝手にふざけたような簡単な技巧の即興演奏にする。

または喜劇的なモーツァルトかロッシーニ、オッフェンバック辺りのメロディをふざけて弾いて済ませる。
どうだろう？

まあ、流石に私にはそんな勇気ないけどね(笑)

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>> 52 🎶第２楽章以降は、また今夜か明日書くとして、ラフマニノフ３番全般について。 ラフマニノフの全作品中、多分最も一般に知られているのは協奏… 🎶昨夕は疲れたので、少しだけ第２楽章について。

まずＰ34は冒頭から６段目の最初までオーケストラ。

協奏曲２番に比べて、オーケストラが単なるピアノの序奏ではなく、独立した主題を演奏する交響曲みたいに成っているのが３番の特長。

つまりピアノとオーケストラによる総合芸術なのだ。

まあこの素晴らしいオーケストラ部分は、ピアニストには如何とも出来ず、単に優れた指揮者とオーケストラを期待するしか無い。

だからアマチュアやボンクラな楽団の演奏でも、２番ならまあある程度、ピアニストの腕次第で成功するが、この３番には一流のオーケストラと指揮者が要る。

ラフマニノフのアメリカでの初演の３度目だったか、ニューヨークフィルをマーラーが指揮し、ピアノをラフマニノフ自身が弾いたが、やはり作者(ラフマニノフ)もマーラー指揮に大満足したらしい。
マーラーもこれをロシア音楽の傑作と扱い、よく理解できていない楽団員を徹底指導した。

その前の２回のアメリカでのコンサートでは、オーケストラがイマイチで、唯々ピアノの難技巧のみ目だったらしいのだ。

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>> 54 🎶さて34Ｐ６段目からピアノが加わるが、このPiu mosso.の精神分裂的な部分が意外に弾きにくい。

左右のリズムがバラバラな上に、各々の手の中ですら異なった重音を弾かされる。

そして35Ｐ２段目から、オーケストラが弾いた短調の哀愁あるテーマを、ピアノが長調で壮大に奏でる。

ここの表現をオーケストラの短調演奏とどう対比させるかで、ピアニストが芸術家か単なる曲芸師かが決まる。

４段目以降はまた広音域のパッセージになるが、ここは熟練すればラフマニノフに普通にあるレベル。

36Ｐ２段目からピアノが今度は短調でテーマを弾くが、例えば２小節目の右手出だしのasの音を２の指で取り、次のcを親指で取るなりして、その後すぐ来るffのメロディを弾きやすいような指使いを工夫する。

37Ｐ１段目の右手重音トリルが人によっては難しいかも？

２段目以降は普通ならOssia.でない一般の方を弾くが、とにかく左右の半音階が滑らかに弾けて、しかもメロディを歌わせつつ半音階の伴奏がメロディを煽るようにクレシェンドやディミヌエンドを行う技巧と芸術的センスが必要。

このままずっと39Ｐまで来て、１段目第３小節からは、協奏曲２番の第３楽章の第２主題などで盛り上がる部分と似た技巧になるが、これを苦労なしに弾く技量が３番には必要。

何故なら、ここが次第に盛り上がり４段目以降になると、２番には無かった複雑な技巧に発展していき、ますます難しくなるのが41Ｐ４段目最初まで続くから。

この部分、例えば40Ｐ２段目の第３、４小節、及び続く５段目の１、２、３小節の各々冒頭の左手などは、出来ればバラさずに一度に弾けるだけの手の開きが欲しい。

これをバラさず弾くだけでも、かなり余裕が出るものだ。

41Ｐ１段目第３小節からの第２楽章クライマックス部分は、もう熟練したピアニストしか弾けないだろうし、アドバイスも何も必要ない。
ここはショパンの舟歌や幻想ポロネーズのクライマックスに似て、かなり不協和音で濁るが、これらショパンの晩年の大作のクライマックスを更に難しくした感じだ。

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>> 55 🎶42Ｐ２段目から全く曲想が変わり、ピアノも高音部でリストを弾くような技巧に変わる。

今までスラヴ的(ロシア的、或いは晩年のショパン的)に重く濁った感じが、ハッキリ透明に速い単音を見事に聞かせる技巧に変わるのだ。

ここは45Ｐ２段目冒頭まで続くが、まあ時にはラフマニノフ的なデカい手が弾きやすい部分があるが、全体的にはリストの技巧の応用である。

そして45Ｐ２段目から再びスラヴ的なラフマニノフに戻り、３段目半ばでピアノは役を終える。

後はまた冒頭同様、オーケストラの哀歌が始まり、指揮者と楽団に期待するしかあるまい。

だが…

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>> 56 🎶46Ｐ３段目から、次の第３楽章への接続部が始まり、ここと、それから繋がる第３楽章冒頭の47Ｐから48Ｐ終わりにかけてが、この協奏曲３番の一番の難所だと言うピアニストもよくいる。

まあ第３楽章は全般的に難しいわけで、どこが一番弾き難いかは個人差で決まると私は思うが、しかしこの第２楽章最後の46Ｐ３段目から第３楽章の49Ｐ２段目３小節終わりまでが、相当難しいのには異議を唱えない。

47Ｐからの第３楽章を今は解説しないから、46Ｐ２段目からの第２楽章最後の部分のみ言うが、とにかく２段目の第２小節から３段目の第１小節終わりまでは、ゆっくり、また速く、またゆっくりの練習を丹念に繰り返し、自然に考えなくても手の運動神経に馴染ませる以外に、作戦はあるまい!?

ここが大して練習なしに楽々弾ける人がいたら、まさに技巧の怪物だ。

対して４段目の第２小節から５段目終わり、つまり第２楽章から第３楽章への連結部分の最後は、この曲を弾く積もりのレベルの人なら、大して難しくない。

自然に手が動くだろう!?

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>> 57 🎶これ書いた後、思いついたのだが、46Ｐ３段目の第２小節の第３音から第３小節終わりまでの両手で３オクターブを弾く部分、楽譜みたいに左右の手でオクターブと単音を器用に分け合うから却って難しいのであって、オクターブをずっと右手か左手のどちらかに統一して弾き、もう片方の手が単音を弾くようにした方が、腹をくくれば弾きやすいかも。

さっそく私も今夕、試して見るか！


これは例えば、昔、初めてチャイコフスキーのピアノ協奏曲１番を練習した時、第１楽章の255と256小節の両手の２重オクターブを、オーケストラのテンポに合わせて弾く場合の速さに、恐れをなしたモノだが、慣れれば弾けるし、また弾かねばならない、と言うケースに似ているとも言えるか？

更にチャイコフスキー協奏曲のピアノをなるべく変えずにオーケストラを盛り込むピアノのソロバージョンを作った時、この255と256小節は１拍目と３拍目にオーケストラ部分を入れる為、全くピアノパートだけの時みたいな一瞬の息継ぎが無くなるが、それも練習と腹をくくれば弾けたものだし。

とにかくラフマニノフ３番に限らず、こうやって書いている事がキッカケで思わぬ発想の転換が起き得るものだ！

また他のピアニストは勿論、アマチュア･ピアノ奏者の意見も参考になる時があるものだ。
流石にラフマニノフ３番はアマチュアでは弾かないが、ベートーヴェンのハンマークラヴィーアなどの難曲でもドイツあたりの愛好家は、テンポ遅くとも一部だけでも弾いて楽しんでいる場合があり、そういう彼らから思わぬ弾き易い方法を学ぶ事もある。

アマチュアだと軽く見ないで、各々の音楽愛好家を仲間と見て、常に謙虚で多角的な探求、開かれた目が必要なのだ！

• << 63 🎶いよいよ第３楽章。 まず出だしの47Ｐ１段目第３小節からだが、ここは９度が楽々届かない人には、左手が無理。 バラしたり音抜いたりはバレるから、左手のｈを右手で取る等、苦労してキチンと弾く。(私は楽譜通りの左右の手に分けたままで大丈夫だから、この右手で左のｈとる苦労を想像するのみ) ２段目第２小節も同様。今度は届かない人は左手ａを右手にするか。 他方、１段目第４小節や２段目第１、第４、第５小節冒頭の左手10度は、先の９度の部分と違い、和声決定の重要要素含むから、10度か11度が届いてもバラしたて確実にアクセント付けて弾く方が良い。 手が大きい人でも、シューマン｢交響的エチュード｣のフィナーレのテーマ部分の左手が10度で上がってくる所をバラすのと同じ理屈だ。 とにかく第３楽章は冒頭から49Ｐ２段３小節終わりまで、様々な技巧を使いつつ、しかしハッキリとシャープなタッチで弾く部分が続く。

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😱先ほど、ロシアがウクライナの首都キエフと、ポーランドのNATO基地に核を打ち込んだというニュースが入ったから、今日は練習どころでは無さそう!!

第三次世界大戦の始まりか？
もしそうなら、新元号は永遠に使われずに終わるかも？

とにかくヤバい😱😱😱

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↑↑↑これ、解ってる人はもう居るだろうが、エイプリルフールの悪戯話だから。

そうとは知らずに、しかし大変な事件だと感じなかった人が仮に、仮に、もしも、もしも居たなら、そっちの方がホラーだし、日本の未来は暗い。

もしこれが本当だったら、アメリカはNATOの威信に掛けてロシアに報復するだろうし、そうなればアメリカと猛烈に対立してる中国は当然ロシア支持。

すると日本国内の各地の米軍基地がある街にも、ロシアか中国か、または北朝鮮(笑)の核ミサイルが降り注ぐ。

仮に中国がロシア寄りでも傍観したとして、でもロシアの核ミサイルを日本に防ぎ切る力あるか？

欧州も中立国以外のNATO加盟国には、核ミサイルが落ちる。逆にロシアもアメリカやイギリスの核で滅茶苦茶。

アメリカ本土も北朝鮮ならいざ知らず、ロシアの核ミサイルならあちこちの街が確実に崩壊する。

かくてこれだけの核ミサイルを撃ち合えば、地球の環境が滅茶苦茶になり、人類の未来は無い!!

ここまで推理できない人なら、危機察知能力が欠けているわけで、そういう人が多い国は滅びやすい。


さてこのレス自体がまたエイプリルフールかどうかの判断は、もう見た各人に任せる。

とにかくもし明日の夜まで日本が無事だったなら、｢第３｣次世界大戦ならぬ、ラフマニノフ３番の｢第３｣楽章の解説、いくからね👍

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ところで令和(新年号)自体がエイプリルフールだ、とある情報筋からの知らせがあった！

もしそうなら、あのしかめ面の管、ユーモアセンスの欠片もない安倍および安倍政権にしては、最高の上出来⤴

多分、安倍政権最大の快挙、功績だろう？

アベノミクスの失敗、トランプの飼い犬、様々な疑惑事件や失政を補って余りあるとまでは、流石に言わないが(笑)

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もう４月２日になったからマジな話をするが、２月後半、スペインのマドリードにある北朝鮮大使館が４人くらいの武装集団に襲われ、大使館員は皆、縛られて暴行受け、更に大使館の極秘情報詰まったＰＣや他の貴重品を奪われ、様々な部屋が荒らされ設備を破壊され、最後は大使館内にあった高級車２台で犯人らが逃走する事件があった。

これはすぐ数日後に開かれた米朝首脳会談にタイミング合わせた事件らしく、犯人らは脱北者の組織及び韓国にある北朝鮮を韓国に統一したい組織の関連らしい。

と言うのは北朝鮮側はずっとこの事件を３月後半まで隠していたが、上記の組織が犯行声明出し、更にアメリカ側に得た情報を提供したが、肝心のトランプが自身のロシア疑惑捜査中だったゆえに、北朝鮮との会談で完全に上の空。犯人グループはアメリカに裏切られたと怒っているらしい!?

なおスペイン自体は2017年まで北朝鮮大使館の存在を認めていたが、2017年に突如、北朝鮮はヤバい国だと思ったからか、大使館の国外撤去を命じていた。
しかし北朝鮮側がこれに従わず、またスペインも失業者だらけのダラダラ国家だから、断固とした処置をしなかった模様。

だから逆に大使館の守りが隙だらけで、狙われたのだろう？

しかし余程重要な情報が入っていたと見られ、だから却って困惑した北朝鮮政府は事件を隠蔽し続け、犯人グループ及びスペイン･メディアから事件の情報が世界に拡散したので、渋々認めている感じ。

最近、ピアノ三昧の私もこの事件を知らず、息子がＥＵのＧ７の国の駐日大使館勤務で教えてくれた。
この事件受けて、息子が勤務している国の大使館も、日本とは同じ陣営だが、とにかく少しセキュリティを強化したらしい。

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>> 58 🎶これ書いた後、思いついたのだが、46Ｐ３段目の第２小節の第３音から第３小節終わりまでの両手で３オクターブを弾く部分、楽譜みたいに左右の手で… 🎶いよいよ第３楽章。

まず出だしの47Ｐ１段目第３小節からだが、ここは９度が楽々届かない人には、左手が無理。

バラしたり音抜いたりはバレるから、左手のｈを右手で取る等、苦労してキチンと弾く。(私は楽譜通りの左右の手に分けたままで大丈夫だから、この右手で左のｈとる苦労を想像するのみ)

２段目第２小節も同様。今度は届かない人は左手ａを右手にするか。

他方、１段目第４小節や２段目第１、第４、第５小節冒頭の左手10度は、先の９度の部分と違い、和声決定の重要要素含むから、10度か11度が届いてもバラしたて確実にアクセント付けて弾く方が良い。

手が大きい人でも、シューマン｢交響的エチュード｣のフィナーレのテーマ部分の左手が10度で上がってくる所をバラすのと同じ理屈だ。

とにかく第３楽章は冒頭から49Ｐ２段３小節終わりまで、様々な技巧を使いつつ、しかしハッキリとシャープなタッチで弾く部分が続く。

• << 74 🎶この第３楽章の出だしだが、思うに手が小さい人は、左手９度の和音をバラして(短くアルペジオみたいに)弾いても構わないだろう。 ただし右手の一番高い音(メロディになる)をよりハッキリと弾く事が前提になる。

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>> 63 🎶続いて今度は和声系の重音連打による別の難技巧に移る。
特に右手はかなり力と熟練した技術が必要。
左手も時には普通の曲と比べて驚くような広音域を飛ぶのが繰り返される。
(この部分はエロイカ交響曲のリスト＋私のピアノ編曲バージョンに慣れてかなり弾きやすくなった。向こうの方が更に濃いから)


51Ｐ２段目からのPiu mosso.とそれに続く部分も、技巧的にはその前の部分に似ている。

但しリズムが大きく変わり、テンポも上がるから、ここを速すぎるくらいに弾いたら、名人芸発揮で格好いい。
ただ音楽的には残念ながら、私がこの作品で一番感心しない(共感できない)部分かも。

ラフマニノフ本人も意識して作ったらしいが、アメリカ的(20世紀前半の)過ぎる曲想なのだ。何か安っぽい。
だからこそ、わざとふざけた感じで弾くか、猛烈なテンポで弾いてアメリカ風とは違った感じを出す努力をする。

私の偏見も含まれるだろうが、アメリカ風と言うのは、20世紀前半のモノなら、もう20世紀後半には古い、アナクロニズムを感じてしまうし、現代では20世紀後半のモノにも同じく古さ、ダサさを感じてしまう。

フランスやイギリスの音楽や美術、または映画では、そういう古い＝ダサい、とは成らない。やはり時代を問わず、芸術やセンスに重みや渋さがあるからか？

とにかく昔(二十歳前)、ベルギーのエリザベート国際コンクールだったかで、本選に残った１人がこの曲を弾き、他の１人がベートーヴェン協奏曲４番を弾いたのを聞いていて、やたらにラフマニノフ３番第３楽章が安っぽいアメリカ音楽的に聞こえた記憶が、今でも残っている。

これより百年以上前に作曲されたベートーヴェン４番の方は全く古いとか時代を感じさせなかった。

やはり真の高度な芸術や文化は時代を超え、常に新しい新鮮味を失わないのだろう？

なんか悪口書いたが、しかし53ＰからのMeno mosso.以降は最後にこの作品全体のクライマックスになる部分のメロディの初の出現であり、見事にロマン派を難技巧と共に歌い上げた部分となる。

ここからは、また今夜か明日にしよう♪

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>> 64 🎶このアメリカ風と私が名付けた部分に一言。

ここのリズム、音型そのものは、ショパンのソナタ２番｢葬送行進曲付き｣の第１楽章の第１主題の影響であろう？

同じ影響がラフマニノフの協奏曲２番の第３楽章の展開部などにも見られ、ラフマニノフはこのショパンのソナタを大好きだった跡が見られる。

実際にこの３番作曲から約十年後、ロシア革命でアメリカに亡命してから、作曲家よりピアニストとして活躍するが、自作以外で特に芸術的理解に優れた演奏はまさにショパンのソナタ２番、それからシューマン｢謝肉祭｣だったらしい。
(この２つは偶然、私が14歳の時、自発的に夢中で練習した作品でもあり、するともしかしてラフマニノフに通じる音楽性を私は元々持っていたのだろうか？)

とにかくこのショパンのソナタ２番のモティーフ同様に、いやそれ以上にラフマニノフが多用したモティーフに、グレゴリオ聖歌のレクイエムのディエス･イレ/怒りの日がある。

これは様々な作曲家が作品に取り入れているが、特にラフマニノフの場合、多用と言うより執着または強迫観念に近い感じを受ける。

で、こうした執着の一つとしてのショパン｢ソナタ２番｣のモティーフをリズムに使いつつ、しかもショパンとは全く逆に20世紀初頭のアメリカの雰囲気出しつつ進むわけだ。

なおこの51Ｐ第２段２小節目から第３楽章の第２主題が始まると言ってよい。

53Ｐ第１段２小節目以降はこの荒っぽくリズミカルな主題のメロディをリリックに変えた一種の変奏。
とにかくこの２つの部分が第２主題を形成し、最後のコーダで融合しクライマックスに達するのだ。

またアメリカ的な第２主題前半だが、実際に弾いていると技巧とリズムの面白さに気をとられ、ほとんど安っぽく感じないと分かった。

Ｐ53からのリリックな変奏部分はしかし技巧的にはリズミカルなその前より難しいと感じる人が多いのでは無いか？

ただこの部分は美しく感動的に盛り上がるから、チャイコフスキーやラフマニノフが好きな人なら、技巧の難しさに押されず、自然に力が湧いてくるから、それほど恐れなくていい。

こうして弾きにくい部分をクリアしつつ、Ｐ54の４段目第３小節で提示部を終える。

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>> 65 🎶続く展開部は、ベートーヴェンの作品等とは全く違い、緻密なモティーフの組み合わせと言うより、即興的でまたピアノ技巧の展示会みたいな趣。

だから昔の録音では、長さの問題を解決する為に、一部カットしても知らない人には余り違和感なかったのだ。(ラフマニノフ自身の録音も一部カットされている)

Ｐ55の５段目からまず第１の展示が始まる。だがここは技巧派なら問題あるまい。

次いでＰ57の２段目から、これの変奏兼ねた、細かいアルペジオが始まるが、ここは楽譜に書かれたラフマニノフの指使いを見て実践すれば分かるように、とにかく絶妙に難しく、しかも必然的に芸術的理由で難しくしているのではなく、技巧の誇示、ピアニスト虐めの要素がある。


次の第３の部分、Ｐ58の３段目から始まるが、ここは普通。

オーケストラで２小節息継ぎした後、Ｐ59３段目第３小節からロマンティックなメロディと広音域の左右の手による伴奏が重音伴い始まる。
これはＰ62の１段目最後まで続くが、手が小さい人にはまあお手上げ(笑)だろう？
何とか弾けてもラフマニノフの虐めにヒシヒシと疲労と混乱を感じるハズ。

そうでなくても、これだけ長くて複雑でとにかく音が滅茶苦茶多くて、技巧も難しいとなると、ピアニストのコンディションによっては頭が混乱して来る。

よく同じくらい長いブラームス協奏曲２番で、途中から混乱してしまうピアニストの話を聞くが、このラフマニノフ３番も同様なハズ。

ただブラームス２番の方がトライする人が多いはずだから、器量が足りなくて混乱するケースが多いとは想像できる。
ラフマニノフ３番は手の大きさや、作品の傾向から、初めからマジで弾く積もりになる人がブラームス２番より少ないだろう？

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>> 66 🎶さて、技巧あるピアニストでも思わず一息つけるのが、続くＰ62第２段からの和音のエチュードみたいな部分。
ここは技巧も単純だし、何より音楽性に余り気遣う必要ないのが助かる(笑)

そしてＰ63の２段目から第１楽章の第２主題の断片が始まる。ここもＰ64の２段目開始までは楽。ただメロディを芸術的かつ即興的に弾く芸術家の資質が問われ易いか？

次いで第２、第３段でこれが拡大し、またＰ62の第２小節以前みたいに成って終わる。

だが間髪入れずに始まるＰ64の４段目からＰ65の終わりまで、ここをハッキリ、真に完璧に近く演奏しようと思うなら、展開部最難かも知れない。

幸い左右共に高音部で音が多いから、ショパン･エチュードみたいな緻密さで無くても、リストの派手な高音部パッセージみたいに弾けば多少楽になる。

Ｐ66以下、Ｐ67の３段目の展開部終了までは、全く技巧で問題を感じてはいけない！

Ｐ67の１段目だがOssia.があり、こちらの方が難しいが、これは第１楽章の大小２つのカデンツァみたいなハッキリした相違が音楽的には無いから、普通は弾かない。

もしまだまだ技巧が有り余り、誇示しないとストレス感じる人はぜひOssia.の方を弾いたらいい。


これにて第３楽章展開部終了まで解説、終了！(笑)

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>> 67 🎶先に進む前に。

これ第２楽章の時に言っておくべきだったが、第２楽章のテーマを特にピアノソロで弾く部分、何かダンディーでマッチョ、男の渋さとエレガンス、哀愁がスペイン音楽と共通して無いか？

またラフマニノフの前奏曲の有名なOp.23-5にしても、あれをスペイン作曲家のグラナードスの作品だと言われても違和感ないだろう？

何故、ロシアのラフマニノフが、ヨーロッパで一番遠いスペイン音楽に似ている所があるのか？

これは勿論ラフマニノフが協奏曲２番で一躍有名になった後ヨーロッパ各地で活躍し、フランスやスペインの作曲家らと親しくなったのも原因だろうが、しかしドイツやオーストリアの作曲家はどんなにスペイン作曲家と親しくなっても、スペイン風の作品は作らない、作れない場合が殆ど。

ラフマニノフ等ロシアと、スペインの共通性を探るのに、歴史の知識が必要になる。
(一流の音楽家には相当、世界史や哲学などの深い知識、教養が必要)

ロシアとスペインの共通点。

まず、どちらもヨーロッパの端に位置し中世にイスラムに支配された過去を持つ事。

スペインがあるイベリア半島が８世紀から15世紀まで、イスラムに支配されイスラム世界の一部だったのは有名だが、ロシアも13～15世紀、200年以上モンゴルのキプチャク･ハン国に支配された。このキプチャク･ハン国はイスラム教の国。(モンゴル人よりトルコ系が多かったのと、モンゴル人の支配階級がすぐイスラムに改宗したから)

次に、このヨーロッパ辺境地域でイスラムの影響受けた以外に、両者を結ぶ要素はジプシー(ロマ)。
彼らは定住しない民としてヨーロッパ各地に住み着き、独自の社会と文化を保持した。
音楽に優れ、特にロシア、ハンガリー(ルーマニア含む。ルーマニアの大半は長年ハンガリー領だったから)、スペインに強い影響を与えた。

ハンガリーはリストのハンガリー狂詩曲やブラームスのハンガリー舞曲がモロにジプシー音楽であり、後にバルトークらが真のハンガリー(マジャール系)音楽と、これらジプシー音楽を分けたが、ロシアやスペインではジプシー音楽の要素がそのまま溶け込んだ印象が強い。

つまりイスラムとジプシー(ロマ)。これがロシアとスペインの共通点で、音楽がダンディーで渋いエレガンスと哀愁持ったモノに成るのだ。

ギター風のアルペジオや、何より楽器の名人芸的要素も。

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>> 68 🎶多分今夜で第３楽章の解説を終えられる、と思う。

再現部はオーケストラのppで始まり、何か様々に暴れた(笑)展開部のピアノを休ませ、背後から再現部が現れてくる感じ。

ここの曲作りは上手い！

そしてピアノはＰ68の４段目から加わるが、同じテーマでも第３楽章冒頭より遥かに軽く、高音部でテーマを軽快に弾く。

とにかく再現部全般が、提示部より易しく軽やかな技巧を使っており、まあ弾きにくい部分も提示部にあったものと同じ。ただ勿論、調性が違う。

Ｐ71第３段から始まる第２主題(アメリカ風)も、今回はバスが飛ぶ先がＢ音つまり黒鍵になるから、提示部より弾きやすい。

Ｐ73からのリリックな変奏も提示部よりリズムが単純で、その後は左右の和音を重複させるだけで、かなり楽。

さしてＰ74２段目からコーダが始まるが、この先、まず難しいと言う人もいるはずのＰ75全体も、もし第１楽章で大カデンツァを弾いたならば、似たような技巧が続くだけで特に難所ではない。

で無くても、ブラームス｢パガニーニ変奏曲｣第２巻のフィナーレの似たような部分を練習した経験あるなら、ここはそれより少しレベルアップ程度だから、十分弾ける。

Ｐ77第１段だけは第３楽章の短いが派手なカデンツァで、ここは手が小さい人にはかなり苦しいかも知れない。
だが終わりの３オクターブのユニゾンが２オクターブになる部分は、現代ピアノ(ベーゼンドルファーのインペリアル等)なら可能な限り３オクターブのままで最低音を弾いて構わない。

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>> 69 🎶そして全体のクライマックスが来る。

ピアノは体力とチャイコフスキーやラフマニノフの雰囲気出すのが上手いロマン主義者ならば、全く問題ない。
大いに観客に感銘与え、泣かせたらいい(笑)

音楽的にはこの部分、第２主題の後半のリリックな変奏部のメロディを巨大に再現したモノだが、リズムは第２主題の前半のショパン｢ピアノソナタ第２番｣第１楽章のテーマのリズムを使い、両者の混合体である。

これはラフマニノフ協奏曲２番のやはり最後のコーダのクライマックスで、第３楽章第２主題のメロディと第１主題のメロディを上手く混合させているのと同じ。

そしてクライマックス終えた後のコーダ中のコーダ部分、Ｐ79第１段であるが、ここはOssia.があり少しだけ普通のバージョンより難しいが、どちらを弾いてもリズム的に後への繋がりが良いから、弾きたい方を弾けば良い。

２段目第３小節からのPresto.は油断せず最後の集中力と体力(笑)で、ミスしないで豪快に弾いて、最後はオーケストラとピッタリ合えば、オーケストラに助けられるから、あまりムキに力込めずに終える。

まあ今までの気分の締めくくりに、自然に力がこもるのが普通だが。

こうして史上最長、最難のピアノ協奏曲を終えるのだ！


もし何かまた気づいた部分があったら、後でその部分についてレスする積もり♪

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>> 70 🎵この３番は、２番の拡大されたリメイク版とか、そこまで言わなくとも２番を元に全てを拡大した作品とも言われてきたし、確かにそう思われやすい部分も幾つかある。

ただし２番の、長い鬱または強度のノイローゼから、自分の未来を成功してゆく音楽家になるか、良くてピアノ教師で終わるか、の瀬戸際に命運かけて作曲された、必死でひたむきな作風とは異なる。

２番の良い意味での灰色かかったロシア的な暗さも少ない。

結局３番は、２番で成功し国際的な音楽家と成ったラフマニノフの、その後十年近い体験と円熟、そして余裕が生んだ大作であり、全体的にはセンチメンタルな悲哀より、近代的な作曲技法も取り入れた幸福感溢れるクライマックスを形づくる作品と成った。


なお久しぶりに(と言ってもまだ半年も経っていないが)、２番の楽譜出して眺めたら、スカスカと言うか音が少なくて驚いた。

２番が名作なのは勿論だが、やはり３番の難しさ、複雑さとこんなに隔たりがあるのか!?

まあこれは、ベートーヴェンの熱情ソナタを弾いている人が、悲愴ソナタを眺めて抱く気持ちに似ているだろう。

同じく、３番が２番の拡大した焼き直しバージョンと思う意見も、熱情を悲愴の拡大した焼き直しと思うくらい、見当違いなのかも知れない!?

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🎭思うに、カルトと言われる宗教は、経験者らの話を聞く限り、金銭トラブル、信仰の強制、信者でない人々に暴力振るったり無理やり改宗させようとする、その他様々な原因で最終的に信者を不幸にしたり、精神的な障害を負わせたりするから悪いのであって、もしそういう弊害が無いのであれば、どんなに荒唐無稽な事を信じようが、各人の自由だし、それでその人の心が幸福になるなら問題あるないのでは無いか？

何故こう考えるかと言えば、私は二十歳頃には既に伝統宗教(キリスト教のカトリック)に疑問持ち、仏教や他のインド哲学、ニーチェの哲学、老子や荘子に魅力を感じ、色々研究した。

そしてこれらはキリスト教より死の問題について論理的であり、より真実なように思われた。

自我自体が無く、今ある<私>とは<私>以外のモノがあるから意識されるモノに過ぎず、しかし<私>と言う意識自体、独自に存在せず、無意識の世界では自然そのものと繋がっている、云々。

上手く言えないが、この<無我>を理解すると、死の恐怖が消えていくように感じたものだ。
(続く)

• << 88 🎭やはりカルトに関わった者は、精神的に救われないくらいのダメージを負ってしまうものだな⤵ これから１週間毎に来る｢２つの復活祭｣(意味わかる方は居ますかな？)を前に暗い話も何だが、例えば、 キリスト教の人をどう思いますか の誰かが何年も前に立て、放置状態のスレだが、最近、ミミズク(笑)とか言う者がしきりに暴れていると聞いた😁 彼なんか元エホバに加えてモルモンにも入っていて、本人曰く完全に精神をやられた、とか？ ただ私は以前、彼とレスのやり取りしたが、何度か彼のレスを見ていると支離滅裂で、これはもしかしてまだ現役エホバかモルモンかも知れない、と思ったりする。 他方、余りにアスペルガー丸出しの片寄ったレス(特に彼自身のスレである、 聖書 で検索すれば確か出てくるモノ。数年前にやたらスレ立てていたが、数個の自レスだけで常に中途挫折の繰り返し…)ばかり。 気の毒だが最早、私には何とも出来ない。 アスペルガー、精神疾患(統合失調、偏執など)に加え、昨日だか私がここにレスした悪霊に取り付かれているようでもある。 最早ああなった者とは、｢絶対に議論しない｣と言うのが、以前から正教会やカトリックでは強く薦められている事なのだ。 相手にとって無益なだけでなく、こちらも悪に引き込まれ易いから。 これは聖職者に強く言われている事であるが、聖職者自身でさえ殆ど聖人レベルに成っている人でないと、ああいう者との対話は避ける。 いわゆるカルトの中で具体的に何が行われているのか、経験者以外、知る方法も無いが(書かれたモノをいくら読んでも体験にはならない)、やはりカルトとは恐るべく害悪なのだろう。 そして、いくら気の毒に思ってもカルトで心身をやられ、悪霊(？)まで背負い込まされた者に対して、安易に同情して近づくのではなくて、そちらの専門家に任せるべきだ。 これは鉄則だと思う！ 国家ももっとカルトに対する厳しい対応をすべきなのだが、日本の場合、まあ色々とそれ出来ない与党の事情があるからね💦

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>> 72 🎭だが、確かにこの考えは論理的で理性を納得させるモノであっても、受動的な態度を人間に与える事にも、近年気付いて来た。

個人差であろう？
仏教や荘子で救われ心が充実し枯れるのが合っている人なら、それはそれで良い。

だが、私は長年批判的だったキリスト教にある意味、一部仏教やインド哲学に近い面を持つギリシャ正教がある事をかなり前から知っていたし、実際に正教を研究し教会にも行き、よく分からないながら儀式、典礼を体験していくうちに、こういう要素を持ったキリスト教なら悪くない、と感じるように成ってきた。

さらにこれはカトリック等も同じだが、論理的には飛躍し過ぎている、魂だけが行く天国では無い、未来における<肉体を伴った各人の復活>の教義に、生々しさを感じ、余りの非論理性ゆえに逆に凄いインパクトを感じた。

で、その後、単に傍観者で外から正教を研究している人々で居るのでなく、実際に中に飛び込んで、正教信者と成った(二十歳以前にカトリックで洗礼と堅信を済ませていたから、正教では再度の洗礼、堅信は無く、改宗/帰正式だけ受けた)。

あれからもうかなり経つ。

決して模範的信徒では無く、全く教会に通わない時期もあった。

だが少しずつ体験と勉強を重ねて、今現在は心の平安を得られている。

私の場合、もし仏教や荘子思想のままだったら、ベートーヴェンのエロイカ交響曲をピアノ編曲したり、ラフマニノフ協奏曲３番を弾いたり、とにかく緊張と体力、限界まで自己の能力に挑むような気力は起きなかったと思う。

このように人間には、各人の個性、特質に応じて、それぞれ合った哲学や宗教があるわけで、自分に合ったモノを正しいと赤の他人に押し付けたり、確信持って説教するのは良くないと思っている。

各人がそれぞれ心の平安、内面の幸福に必要な教え、哲学、宗教を見つけられたら、それが一番いいだろう。

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>> 63 🎶いよいよ第３楽章。 まず出だしの47Ｐ１段目第３小節からだが、ここは９度が楽々届かない人には、左手が無理。 バラしたり音抜いた… 🎶この第３楽章の出だしだが、思うに手が小さい人は、左手９度の和音をバラして(短くアルペジオみたいに)弾いても構わないだろう。

ただし右手の一番高い音(メロディになる)をよりハッキリと弾く事が前提になる。

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しかし何ともなあ～💦

息子の奴、まだ20代半ばに成るか成らないかの歳のくせに、職がらから、職場の大使に招かれて、日銀総裁、何のポストかは知らないらしいがよくテレビに映る大臣、アメリカ大使、フランス大使、イギリス大使、ギリシャ大使(金借りに来たのか？)等と間近で同席だからな！

何だか少し満風過ぎて、不安になるし、少しばかり嫉妬。あの年齢で!!

まあ一歳くらいの時には、公園でワルトハイム氏(元国連事務総長、元オーストリア大統領)が偶然近づいてきて、頭撫でられたし。

何だかんだ言って運がいいのかな？

ピアノも趣味だが、15歳くらいまで殆ど弾けなかったのに、急にやる気出したら、３年後にはリストの愛の夢３番や、リゴレット･パラフレーズをアマチュアなら最高レベルで弾き、一昨年は遂にメフィスト･ワルツ１番、そして先日は若いリストの技巧炸裂の｢ニオベ大幻想曲｣-ライバルのタールベルクとの公開ピアノ対決の為に作曲された音楽内容はともかく技巧がド派手な曲。リストの中でも最高段階の一つ-をアマチュア･ピアニストの集まりで弾いて大成功。


ただまあ、古典や大曲(長大なソナタ等)の経験ないし、多分、ラフマニノフ協奏曲３番は一生ダメだろうな(笑)

まさか、いつか弾いたりして😱

まあこの世にも、色々信じられない事が満ちているから、もしかして…

ま、普通に考えたらアマチュア出身で20代半ばの今の弾きかたを私が見るなら、ラフマニノフ協奏曲３番や、ハンマークラヴィーアは常識で考えたら、彼には一生無理！
(と信じたい💦)

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🎵片やベートーヴェンのハンマークラヴィーア･ソナタについては、前に述べたクラウディオ･アラウの指使いが書かれたペーター版と、和訳もあるヨアヒム･カイザーの解説本などを読めば(バドゥラ･スコダの解説本も確か和訳されているハズ)、十分だろう。

ただ流石のカイザーも大ピアニストでなく、ドイツ最高の評論家だったから、幾つかハンマークラヴィーアについて、間違えている箇所があるので、それはまた後日、語るとしよう✋

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>> 76 🎵一例だが、カイザーの著作<Beethovens 32Klaviersonaten und ihre Interpreten>(和訳版:ベートーヴェン 32のソナタと演奏会たち)の下巻に、ソナタ29番としてハンマークラヴィーアが細かく解説されている。

そこの譜例83だが、その２小節目についてカイザーは、｢ここは右手でトリル弾きつつ16分音符のパッセージも弾くわけで、この部分を速いテンポで弾けなかったり(中略)そういう人はハンマークラヴィーアへの希望を捨てるべきだ｣云々書いている。

だが確かに楽譜では右手(上段)の部分にトリルと16分音符パッセージが書かれているが、ここはトリルを普通、左手で取る。
アラウの指使い見ても、そうなっているし、このトリル部分は左手(下段)に全く音が無いのだから、優れたピアニストなら一瞬で２オクターブ跳躍してでも、このトリルを問題なく左手で弾けるのだ。

こういう問題はやはり実際にこれをかなり高度に弾くピアニストと、ＣＤ(当時はＬＰか)と楽譜だけ詳しくて判断する評論家や学者の違いであろう。
(今みたいな弾いている映像が簡単に見られる時代なら、また別かも知れないが)

ただし全般的にはカイザーの解説は大変優れていて、ハンマークラヴィーアについて演奏する者は、ぜひ一読するべき著作なのは間違いない！

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チラッと思った事。
<トルコ分割>😞

昔々、東欧に割合大きなポーランドと言う国があった。だがプロイセン、オーストリア、ロシアの近隣の３列強の利害が一致したので、ポーランドはこの３国に分割され、国を失なった。

20世紀に昔よりかなり小さいながら甦ったのは、たまたま第一次世界大戦でドイツ(プロイセン)、オーストリア、ロシアの３帝国が皆、滅び、独墺は敗戦により領土減らされて共和国に、露は革命でソ連とか言うゲテモノに変身してしまったからだ。

で、トルコだが、第一次世界大戦の敗戦国であったのだが、その結果、大量の領土失い下手したらトルコ自体滅亡しかねないセーヴル条約の規定を、見事にはね除けて今のトルコ共和国の領土を確保したのは、ひとえに偉大なアタテュルクの業績による！

アタテュルクは軍事的にセーヴル条約実現目指し侵攻してきたギリシャ軍を破り、また巧みな外交とトルコの西欧化(文字をアルファベット化する事と、イスラム教の国でありながら政教分離を実現させた)で、セーヴル条約を覆したのだ。

だがしかし現大統領エルドアンはことごとく百年前のアタテュルクの業績と反対の政策を取り始めている。

となると西欧、アメリカにとってセーヴル条約的な状態のトルコが望ましくなるわけで、更に同じトルコ系民族のウイグルを弾圧してトルコと対立している中国、また黒海南岸に拠点が欲しいロシア、この３者の思惑が一致するなら、トルコ分割も有り得るかも。

西欧＆アメリカ、中国、ロシアが一致して決めた事を覆す勢力は地上には無い。

つまりイスタンブール含むヨーロッパ側トルコ領＆その延長上の地域、エーゲ海沿岸はＥＵ(とアメリカ)勢力圏のネオ･ビザンツ帝国または共和国に、ロシア支配下の黒海南岸トルコは黒海共和国に、内陸アナトリアは中国傀儡のトルコ人民共和国に、そしてクルディスタンは独立。

なんて未来が、起こらないとは限らないのだ。

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他方、日本は米露中に囲まれているが、意外にしぶといと言うか幸運というか、将来、分割など起きない気がする。

ただし米が完全に、西太平洋の覇権を中に奪われてもどうにも出来ない時代が来たりしたら、米の勢力圏から中のそれに移される可能性はある。

まあ中も米も嫌いだが、世界的に見たら仮に中が米に取って変わろうが、単に欧州伝統言語(ラテン、フランス、ドイツ語等)の劣化と冒涜に過ぎない英語が、これまたお笑いみたいな中国語に次第に取って変わられるだけで、ドイツ語など欧州伝統言語至上主義者にとっては、どうでもいいわい👍


あとイギリスは間際でグズグズしてないで、早くＥＵから出ていけよ！

全く常に最後は米との絆を絶てないで、欧州に楯突く英なんて、単なる足手まとい以外の何物でも無いから😜

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以前のように多彩な映画やフットボール、またはエロい話もやりたいが、なかなか適切な題材が浮かばない💦

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🎵今までで多分、一番手こずった曲-ベートーヴェン交響曲３番｢エロイカ｣のリストによるピアノ編曲を更に私自ら難しく、派手で重厚に響くように手を加えたモノ-がようやく曲らしく成って来た😆

まあこれが滅茶苦茶難しい理由は、原作が交響曲で様々な対位法を駆使しており、本来ピアノで弾く事をベートーヴェンが全く考えておらず、ピアノだとギリギリ指が足りないかどうかのレベルなのに加え、ベートーヴェン時代に比べ、20世紀以降の名オーケストラは技術の進歩からやたらテンポ速く演奏する事。

つまりカラヤンもヨッフムもサヴァリッシュも、皆、速い。一流オーケストラに弾かせるから割合容易く出来る事なのだが、しかし聞く側もこの速めのテンポに慣れてしまっている。

だから大体、一流オーケストラのと同じテンポでピアノ１台でこれを弾くのが、かなり難題であるわけだ。

だがやっと全体が仕上がって来ると、やはり技巧的に特に難しいのは第１楽章と第４楽章。

第３楽章はエチュードみたいだが短いからまだ助かる。

第２楽章の偉大な葬送行進曲も易しくは無いが、まあ第１や第４楽章より楽。
しかし葬送行進曲一つをこんなに発展させ、大作に仕上げてしまうベートーヴェンは今更ながら恐ろしい。

ドビュッシーが言ったと思うが、ベートーヴェン唯一の欠点は、聴衆の時間の概念を忘れて長大な作品に仕上げてしまう事(笑)

いや確かに聴衆が付いて来ようが関係なく、深く高く発展させてしまうのがベートーヴェンの特長だが、だからこそ最も偉大な作曲家なのだ！


ともかくこのピアノ版エロイカ交響曲と、ラフマニノフ協奏曲３番、最終的にどちらが難しいか、何とも言えない。
それぞれ次元が違うとしか言いようが無い。

敢えて言うなら、ワルトシュタイン＋熱情ソナタ、と、ショパンのバラード全４曲、どちらが難しいか、と問うのに似た質問だろうか？

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しかし前日夕方、目一杯練習した翌日の、正教会の聖体礼儀は疲れるな！
一部の国の人々みたいな途中から参加とか、ユーカリストを月に一度くらい受けるとか、そういうバルカン的(笑)やり方が理に叶っているな。

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昨日ドイツ人の知り合いから、旧約聖書のギリシャ語権威版Septuaginta(七十人訳)の特別大型印刷版を受け取った。
私が知る限り、もう普通の大きさの版は長年ドイツ聖書協会から出ているが、全体を大きくした版は、多分今回が最初の発行だろう？

とにかく普段、余りに細かい楽譜を読んでいるから、ギリシャ文字は大きい方が色々助かる(笑)


さて、新約聖書の原典がギリシャ語なのは普通に知られているが、実は新約聖書が書かれ編纂された時代(紀元１～４世紀)の頃、一般に旧約聖書と言えばヘブライ語版ではなく、この七十人訳ギリシャ語だったのだ。

他方ヘブライ語版(マソラ版)が確定したのは６世紀より後。

では何故、近年の各国語聖書は旧約がヘブライ語版から翻訳されるかと言うと、この前例をルターが作ったのが大きい。

当時(16世紀)はまだ歴史学、文献学が発達していなかったから、ルターは単にヘブライ語版が一番古いオリジナルと考えて翻訳した理由が大きかったろう？

それ以来、各国語への聖書翻訳は、ほとんどルターに始まるプロテスタント諸派が行ってきたから、旧約はヘブライ語版から訳され39書が定着。

カトリックは長年ラテン語のウルガタ版から他の言語への翻訳を許可しなかったし、19世紀後半に徐々に許可し出した時もヘブライ語やギリシャ語を参照しつつ、あくまでウルガタ版に沿った翻訳だったので一般に旧約が46書ある。

フランス語や英語のエルサレム版聖書や、日本語訳の講談社バルバロ訳など。

フランシスコ会訳の、多分日本語では一番優れているとされる聖書も、旧約部分はヘブライ語やギリシャ語から訳されているが、やはり旧約がカトリックの伝統通り46書だったはず。

元祖のラテン語ウルガタ版自体が５世紀にヒエロニムスによりギリシャ語と断片的だったヘブライ語から訳された時、旧約聖書についてまだ当時は正統派教会がどの書をカノン(正典)にすべきか完全に確定していなかったので、ウルガタ版もプロテスタント聖書の旧約39書よりかなり多くの書を含んでいる。

同様に正教会(東ローマ帝国の国教となった正統派)では、旧約についてはギリシャ語七十人訳をそのまま正典として受け入れたから39より多い。

後にブルガリアやロシアに布教の為、教会スラヴ語に訳したモノを私は詳しくないが、多分、七十訳を基準にしたハズ😉

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>> 83 イスラムの場合、コーラン(アル･クルアーン)はアラビア語原典のみが正式に有効で、他国語へ翻訳したモノは良くて単なるコーランの解説書扱いで、礼拝では使えない。

聖書の場合も本来なら旧約新約共にギリシャ語でも良かったのだが、既にローマ帝国西部ではラテン語訳され、他にエジプトではコプト訳、シリア等でも現地語訳されたから、イスラムの場合と全く異なり、翻訳が普通化してしまった。

それはそれで良い面もあるが、しかしコーランにおけるアラビア語みたいに、聖書の場合ギリシャ語(現代ギリシャ語ではない！)、次いでラテン語等は、長い伝統と著者(訳者)の魂が込もっているから、一種の霊的な力があるだろう？

故に勉強するのは自由だが、できれば信仰ある者が襟を正して触れるべきで、みだりにあれこれ精神的に不安定な者がいじくったりすると、危険な場合がある。

これは私の迷信ではなく、一応確固なる根拠に基づいて言っているのだが、しかし今の時代、霊的と言う言葉はまだ霊性に置き換えたりすれば理解が得られても、悪魔とか悪霊等の話をすると、何かアニメ的(？)な安易で低俗な迷信と誤解され易いから、この話はまたいつか、慎重にゆっくりすべきであろう!?

まあ原典と言うのをやたら難しいと思うのは日本人、或いは翻訳に慣れた世界の一般キリスト教徒の特長であり、イスラム教、ユダヤ教、あとチベット仏教、ヒンズー教の多数派では、儀式初め翻訳を使わないのが普通であり、何も特別な事ではない！
仏教でも、真言(マントラ)などそうだ。


特別なのは、原典には翻訳出来ない単語だけでなく、強い霊性が宿っているから、襟を正す、強く祈る、または霊的に豊かな師の指導の下で深く研究し論じるべきだという事！


でないと、誤解を恐れずに言えば、悪霊に取り付かれるかも!?
特に精神が不安定でマニアックな輩の場合、目も当てられない状況に陥る場合が多い…

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パリのノートルダム聖堂が火災でかなり壊れた💦

もはや信仰を失った市民らも、街のシンボルがダメージを受けた喪失感が大きいだろう？

東京なら浅草の寺院が焼け落ちたみたいな感じか？

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>> 85 ✒ノートルダム聖堂と言えば、フランスの文豪ヴィクトル･ユゴーの｢ノートルダム･ドゥ･パリ｣。

これ｢ノートルダムのせむし男｣等と映画版では訳されるようだが、私はユゴーの原作を十代に読んだ。

とにかく長い。いくつかの章は全く本筋に関係ない当時のパリの風景描写だったり…

だが押さえるべき所はしっかりしていて、映画版等には無いホンモノの質を持っている。
映画でもディズニーなんか、かなり筋を改変して、ハッピーエンドにしているが、原作は生々しい悲劇なのだ！

ともかく、これなんか大作と言ってもまだ短い方で、同じユゴーの｢レ･ミゼラブル｣はずっと長いし、大体、文豪の作品(代表作)なんて、どれもやたら長いのだ。

で、作家や文学評論家は別にして、普通の人が限られた一生にどれだけ一流の文豪の名作を読む時間があるのか？

仮に西洋(つまり西欧にロシアやアメリカ等も加える)文学だけでも古代から20世紀までの主な作品を読もうと思っても、バカにしてはいけない。
大量すぎて殆ど不可能。

ではどうする？

まず今の十代、二十代にはなかなか無理だろうが、とにかく十代から何かしら読む癖を付ける事。

そしてダイジェスト版等を見て、読みたい著作の方向を大体決める事。

あとは運(笑)
下手に自分に合わない文豪の大作を読んで、もう大作なんて嫌だ、に成るかも知れない💦
↩

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>> 86 ✒因みに私だってごく一部しか読んでいないのだ。

翻訳も含め一応、全部読んだのはホメロスの｢イリアス｣と｢オデュッセイア｣、ダンテ｢神曲｣、ユゴー｢ノートルダム･ドゥ･パリ｣、｢レ･ミゼラブル｣、ゲーテ｢ファウスト第一部｣、トルストイ｢戦争と平和｣、｢復活｣、あとウェルギリウス｢アエネーイス｣は途中挫折、シェークスピアの戯曲は短いから主なモノは読んだり観たり、トゥルギェーニェフ(ツルゲーネフ)のも長くないし十代には大好きだったから大半を読んだ。

ドイツ系文学は長いのを避け、戯曲やカフカの短編など。まあニーチェの｢ツァラトゥストラ｣は全部読み、ショーペンハウアーの大著は第４部だけ。

エドガー･アラン･ポーは短編を全て、それから無理して長編(彼の本領は短編だから長編は傑作ではない)も読んだ。

まだまだあるが今パッと思い出せるのはこんな感じ。

つまりドストエフスキーや、スタンダール、モーパッサン、トーマス･マン、プルースト等が入っていないし、セルバンテス｢ドンキ｣(笑)も無い💦

大体、激しい練習で疲れた後に、重苦しい長編など読む気に成れない。

聖書は一応文学と分けているとは言え、私はプロテスタントの原理主義者じゃないから旧約の半分も読んでいない。
新約は短いから全部読んだが。

あとコーランも一応、全部読んでみた経験あり。

アッラーフ･アクバル、かな!?(笑)

｢我が闘争｣は勿論、途中挫折した😉

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>> 72 🎭思うに、カルトと言われる宗教は、経験者らの話を聞く限り、金銭トラブル、信仰の強制、信者でない人々に暴力振るったり無理やり改宗させようとする… 🎭やはりカルトに関わった者は、精神的に救われないくらいのダメージを負ってしまうものだな⤵

これから１週間毎に来る｢２つの復活祭｣(意味わかる方は居ますかな？)を前に暗い話も何だが、例えば、

キリスト教の人をどう思いますか

の誰かが何年も前に立て、放置状態のスレだが、最近、ミミズク(笑)とか言う者がしきりに暴れていると聞いた😁

彼なんか元エホバに加えてモルモンにも入っていて、本人曰く完全に精神をやられた、とか？

ただ私は以前、彼とレスのやり取りしたが、何度か彼のレスを見ていると支離滅裂で、これはもしかしてまだ現役エホバかモルモンかも知れない、と思ったりする。

他方、余りにアスペルガー丸出しの片寄ったレス(特に彼自身のスレである、
聖書 で検索すれば確か出てくるモノ。数年前にやたらスレ立てていたが、数個の自レスだけで常に中途挫折の繰り返し…)ばかり。

気の毒だが最早、私には何とも出来ない。

アスペルガー、精神疾患(統合失調、偏執など)に加え、昨日だか私がここにレスした悪霊に取り付かれているようでもある。

最早ああなった者とは、｢絶対に議論しない｣と言うのが、以前から正教会やカトリックでは強く薦められている事なのだ。
相手にとって無益なだけでなく、こちらも悪に引き込まれ易いから。


これは聖職者に強く言われている事であるが、聖職者自身でさえ殆ど聖人レベルに成っている人でないと、ああいう者との対話は避ける。

いわゆるカルトの中で具体的に何が行われているのか、経験者以外、知る方法も無いが(書かれたモノをいくら読んでも体験にはならない)、やはりカルトとは恐るべく害悪なのだろう。

そして、いくら気の毒に思ってもカルトで心身をやられ、悪霊(？)まで背負い込まされた者に対して、安易に同情して近づくのではなくて、そちらの専門家に任せるべきだ。

これは鉄則だと思う！

国家ももっとカルトに対する厳しい対応をすべきなのだが、日本の場合、まあ色々とそれ出来ない与党の事情があるからね💦

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🎥話変わって、昨夜遅くまで見ていたDVD-クリント･イーストウッド主演の、第二次大戦中、ドイツ軍に支配された東フランスの街の銀行に莫大な金塊を奪いに米兵らが取りに行く話、確か和訳が｢戦略大作戦｣-だが、予想より大作で、それなりに面白かった。

まあ現実には上層部に隠れて莫大な金塊を十数人で分けても、どうせ追及されればバレて没収だろうし、その他、例によって米兵がスーパーマンでマシンガン対決で１人で軽く５､６人のドイツ兵を倒すとか、いつもの戦争映画の｢お約束｣があるが(笑)

しかし今回のは、若いドナルド･サザーランドがなかなか好演していたし、とにかく大して期待していなかっただけに、見て得した感じ⤴

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＋これより幾つかのレスは、かの、かつて誰かが立てた、

キリスト教の人をどう思いますか

スレの最後のミミズクへの回答に当てる。

スレの流れが悪くなるが、ほんの数レスの我慢だ💦

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>> 90 まずかの者のレス397は、一般のキリスト教に少し詳しい人にも重要な問題かも知れないから、後に回し少し詳しく回答する。

それ以外のかの者のレスに、簡単に回答するが、あくまで悪に囚われた者と対話はしない積りゆえに、こちらのスレに回答だけ書く。

まず、かのミミズク(笑)は視野が極端に狭い。
私は彼のレスをチラとしか見ていないが、彼は余程孤独なのであろう？

仮に、千歩譲って彼が言うように私が古代ギリシャ語が全く出来なかったとして、しかし私には人脈がある。

ギリシャ人の知人５人、まあ彼らは現代ギリシャ人だから古典ギリシャ語を普通、出来ないが、中に１人だけ精通してる者が居る。

また正教会の神父。古典やコイネー専門の人が日本人にもいる。むしろ現代ギリシャ語が苦手。

更にロシア人神父にもコイネー･ギリシャ語の知識ある者がいるし、何よりドイツ人プロテスタントの牧師や宣教師なら当然分かる。

つまり少し思いついただけで、私は彼らに聞けばいいワケだ(笑)

そこに思い当たらないとは余程、独断的な頭なのか、琉球のエホバだかモルモン(本人が言った言葉だ)で孤独な独学ばかり続けてきた哀れな者か、どちらかだ。

次に彼には古典やコイネー･ギリシャ語が何か魔術の如く凄い難しい言語かも知れないが、ドイツ語が母語の私には同じヨーロッパ系言語であり、格変化も呼格除けば４格、冠詞の格変化もあり、動詞の人称変化も同様で、日本人が思うほどには難しくないのだ。

まあ英語が母語の人には変化が大変だろうが…

ヨーロッパ人には大変な魔術である漢文のお経も、日本人にはそれほどでも無いだろう。般若心経を暗記している日本人も結構いるようだ。

私は以前サンスクリットで暗記したが…

アヴァロキテシヴァロ ボッディサットヴォ(観自在菩薩)…で始まり、

イハー シャーリプトラー ルーパム シュニヤター シュニヤタイヴァ ルーパム(シャリシ、色即是空 空即是色)…

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>> 91 第３に主の祈りやニケア･コンスタンティノープル信条。特に主の祈りなど私は毎日、ドイツ語、ラテン語、ギリシャ語で唱えているが、彼は無知なのか、ドイツ語はともかくラテン語、さらにギリシャ語には発音体系が幾つもある。

元の文字は同じでも、例えば、私が唱えるギリシャ語、
パーテル ヘーモン ホ エン トイス ウラノイス
ハギアステートー ト オノマ スウ
エルテートー へ バシレイア スウ…

で始まる読み方は大体、古典(紀元前４世紀アッティカ/アテネ方言)を一部、紀元前２世紀頃のコイネーに妥協させたモノ。


紀元後の新約聖書時代は少し読み方が異なる。
例えばΘ(ラテン文字でTHを当てる)だが、古典時代ではトゥ、だが新約時代ならス。つまり<神>のギリシャ語の単語冒頭がこのΘゆえに、<神>をテオスと読むかセオスと読むか違いが生じる(正しくはどちらも日本語には無い音。ドイツ語でTHを発音する場合が前者に近く、英語の場合が後者に近い)。

同様にΦ(PH)。古典ならプ、コイネーならフ。
だから<哲学>は古典式ならピロソピア、コイネー式でフィロソフィアになる。

で更に近代、現代ギリシャ人となると古典だろうがコイネーだろうが現代ギリシャ語式に読んでしまう。

だからΒベータがBよりVに近い発音になるし、古典やコイネーにあった文頭の母音の前に書かれるアクサン記号に似た気息記号(ｈの音の有無を表した)も全く無駄で、現代ギリシャ語ではｈの音が完全に欠落しているのだ。

これはフランス語やイタリア語などラテン語から生まれた現代語にも共通の現象で、言語学的には興味深い。
英語やドイツ語などゲルマン系には、全くｈの音が無くなる兆候は無い！

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>> 92 ともかくヨーロッパの高校(少なくともアルプス以北のドイツ語圏や英語圏)では、古典式ギリシャ語の発音を学ぶのが基本であり、コイネーは最後に新約聖書を少しかじる場合、参考程度に習う発音。
現代ギリシャ語は全く別の言語扱いだから、現代式に古典やコイネーを読んだら落第⤵

私は最初に習った古典式にやはり誇り持つから、Φ以外の文字は古典式に読む！

なお現代ギリシャ人らは、いわゆる古典だのコイネーだのの発音とされてるモノは、近代にイギリスやドイツの学者らが推理から作り上げたモノで、全く根拠が無いと主張するが、別に経済破綻している国の主張だからではなく、とにかく世界的には無視されている。

ラテン語もドイツ式(学術式)かイタリア式かを巡って揉めているが-キケローかチチェロか、カエサルかチェーザルか-、今は詳しく論じない。


さて、かの者には判別出来ようか？
私が書いたサンスクリットやギリシャ語の読み方のカタカナだが、本当に知っていて(暗記していて)書いたのか、参考文献の丸写しか、またはギリシャ語やサンスクリットに通じたインテリ美女学者に枕元で聞きながら書いているのか、の判別が(笑)

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＋さて本題のレス397に入る。どうも私はお喋り過ぎるな💦
でもこれでもドイツ人には負けるが(笑)

さてまずミミズク(笑)が言う<信仰義識>は<信仰義認>の間違いでは？

もし間違いなら、よくよく彼は人類が言語を生み、文字を生み出したお陰で、不幸になった者の典型だ。

何でいくらルターに関わりある単語とは言え、ドイツ語母語の私より琉球人のミミズク(笑)が日本語間違える？

さて、この<信仰義認>説は、特に500年前の西欧の宗教改革時代、ルターがカトリックに対峙して使った新約聖書のパウルスの言葉(パウロと書くのは私の立場では気持ち悪いから、もしギリシャ語原典でないならせめて西欧共通語ラテン語の主格形にして貰いたい！)

さてこれはパウルスのローマの信徒への手紙に出てくる一文で、簡単に言えば、人は行いではなく信仰によって(神の前に)義とされる、という意味。

ただし例によってミミズク(笑)はコンテキストや歴史を全く無視し、これだけ抜き出してきて、現代に誤解を与えている。500年前のドイツ中部(ザクセン地方)ならいざ知らず…

まず背景説明の前に、正教会の立場を言うなら、もし寝たきりで何も出来ないような人なら信仰義認に反対は無い。むしろ賛成だ。

ただし同じパウルスがコリントゥス前13で言っているように、｢山を動かす程の強い信仰があっても愛が無ければ我は無と等しい｣
。

成る程ね、まあ確かに神を信じるだけなら、人間以上に悪魔は神の存在を知っていて信じている、からね😉

｢人は信仰によって義とされる｣と言ったパウルスが、今度は｢愛が無いなら信仰など無意味だ｣とも言っている。

さてどうする？


ここにルターの信仰義認説を説くには、500年前の西欧(傲慢で単独の宗教権力だった当時のカトリック。今のカトリックとはかなり違う)の背景理解なしには、全く不可能。

免罪符とよく言われる贖ユウ状などが飛び交う中で、この信仰義認説はルターの口から叫ばれたのだ。


さらに…

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>> 94 ＋ルターは贖ユウ状問題で当時のカトリックと対立するまで、長年、カトリックの修道士として戒律が厳しいアウグスティン修道会に入っていた。

そこで人一倍、厳しい戒律を守ったが、どうしても罪から自由になった気持ちが味わえなかった。

そんなある日、聖書を読んでいてパウルスの件の部分｢義人は信仰によって生きる｣を見て、ハッとなったと伝説は言う。


だがこの修道士を長年やっていても罪から解放された気分が全く味わえなかった、と言う事自体が、当時のカトリック修道会の問題、限界であったのだ。

同じ修道院でも正教会のならば、全くアプローチ、つまり罪とは何か、救いとは何か、が当時のカトリック修道院とは異なっていたから、ルターのような疑問が生じる余地はほとんど皆無だったろう？

これは世界の正教会の学者、識者らが皆、同意見。


つまり簡単に言えば、正教会は性善説、中世カトリック(とそこから生まれたプロテスタント)は性悪説なのだ！

原罪に対する概念からして、相当異なる。

カトリックやプロテスタントでは、人は生まれつきアダムの原罪を背負い、罪深いと考える傾向。

正教会ではアダムの罪は遺伝などしていないから、人は無垢な存在として生まれる。罪とは人が成長する過程で、自由意志で神から遠ざかる事である、とされる。

つまり本人次第で神に近付き、罪より義、神に接する喜びに満たされるのが修道生活なのだ。


｢正教とは復活の福音に異ならない｣と良く言われる言葉を、私見含め極端に解釈すれば、人の罪など<キリストの復活>の力、輝きが呑み込んで余りあるモノなのだ！

つまり基本が性善説でオプティミズムである正教から見たら、人が義とされるのは信仰か、行いか、そんな些細な事で争わないで、まあ信仰、愛、希望、知恵、知識、忍耐、従順(ケノーシス)、勇気(アパテイア)、どれも大切だが、どれかが出来ない環境なら仕方ないし、どれかを出来ないからその人を非難するのではなく、復活の力、輝きで人間は自動的に義と成ってしまっている、と考えた方がいいかも。

その前提で更に自ら高める目的で、上に挙げた様々な徳が必要なのだ。

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>> 95 ＋まあカトリックも現代では500年前とは全く変わって、原罪を強く言わなくなったし、禅などの体験すら取り入れている。

ある日本福音ルーテル教会の信徒が言っていたが、何だかいつの間にかルーテル教会の方がずっと昔にしがみついていて、保守的(悪い意味で)に取り残されて来たのかなあ、と。


確かに正教会は元々懐が深いし、カトリックもどんどん変革している。
プロテスタントの方が中世カトリックの影を引きずっている何て事も、無いとは限るまい!?


カトリックとは、最早現代ではローマ教皇/法王の首位権を認める事、だけが特徴化している感がある。

例えばウクライナやベラルーシに行けば、東方典礼カトリック教会があり、ローマ教皇の首位権を認めるが、それ以外は神父の妻帯や儀式のやり方など、正教会と全く変わらない。


また東方典礼でない、普通(笑)のローマ典礼カトリックでも、怖い話だが、神父の中には教皇不要説唱えたり、中には教皇暗殺を目論む者も。
修道士は基本、教皇に従順だが、一般の神父はそうとは限らない、とある年配の神父から告げられた時には驚いた。

あと保守、富裕層を代表するオプス･デイもあれば、逆に南米の解放の神学もあり、エリート養成のイエズス会もあれば、ローマ大学にはエクソシスト育成部もある。
エクソシズムはヴァチカンの厳格な精神鑑定等でどうしても説明つかない場合だけ行われるが(ヴァチカン公認)、もしイタリア警察に見つかれば虐待としてエクソシストらは逮捕される。

とにかくカトリックとは一枚岩どころか、数ヵ国合わせたより多様な世界なのだ😄

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さて、エクソシズム兼ねて(笑)、お堅い話が終わったので、明日かまたは来週くらいから映画の話でもやるか？

一応題材として、

・スパイ･ゾルゲ

・荒鷲の要塞

など如何？

ゾルゲは最近DVD見たのだが、何だか15年以上前の公開時、賛否両論だったらしいじゃん？

どちらかというと、駄作だとボロクソに言われたケースが殆どのようだが…

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まず荒鷲の要塞だが、これは後でもう一度書こう。

とにかくＣＧなんて皆無の時代に冬のオーストリア･アルプスに登って撮影したスタッフや俳優が凄い。

クリント･イーストウッドも普段慣れたウェスタンと違い、足場が悪いし、とにかく撮影や演技自体が｢荒鷲｣だったと言っていたくらい。

これは単なるアクションではなく、巧妙なスパイ戦の話でもあるが(以前見た時から月日が経ちすぎて細かい部分を忘れていた)、ただし現実にはまず不可能なフィクションのスパイ戦である。

その点、現実の事件を元に制作された｢ゾルゲ｣の地味さとは全く違って当然。

で、｢スパイ･ゾルゲ｣だが…

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>> 98 私はこれを１週間の間に、DVDで２度見た。

１回目だけでは何か物足りなくて。

で、２回見た感想だが、私にはこれが良い映画なのか、駄作なのか、結局分からなかった。

素直に印象に残った部分を書けば、途中で３回くらいバックで流れるベートーヴェンの｢英雄交響曲｣のインパクト。素晴らしさ！

今まさに、毎日これのピアノ１台版を弾いているのに、こうして映画で流されると新たに感動してしまう。

特に出だしのテーマの部分、あの絶妙なオーケストレーションは何て素晴らしい！

この曲は間違いなく、世界の音楽史の少なくとも５指に入るだろう!!

いや３指でもいいのだが、ベートーヴェンの第９を入れたがる人がいるだろうし、それはそれで当然だから、さすがに３指のうち２曲がベートーヴェンでは困るだろう、と考えて。

ある種の勇気を持って第９を除く人々も、代わりに第５を入れそうな予感がするし(笑)

とにかく｢エロイカ･シンフォニー/英雄交響曲｣-原題ではイタリア語式にシンフォニア･エロイカとなっている-が一番、｢スパイ･ゾルゲ｣で印象に残った😒


次いで様々な人々のレヴューを読むと、最後のジョン･レノンのイマジンに違和感あった、あれは要らない等の意見が多く、私の印象と全く同じ。

↩

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>> 99 次に｢スパイ･ゾルゲ｣は半ドキュメンタリー映画であり、ゾルゲのプロフィールも大体映画のままで正しいだろう？

19世紀末、父ドイツ人、母ロシア人で現アゼルバイジャンのバクーに生まれた。

だがしばらくして父の国ドイツのベルリンに移る。

正式名はリヒャルト･ゾルゲ。ドイツでは特に変わった名前でもない。

まあ彼は幼少期だけロシア帝国支配下のアゼルバイジャンに居たから仕方ないが、大体、すぐ隣のグルジアではスターリンが生まれ、少年期から神学校に入ったが、不満で無神論者になったり、またロシアの奥地では異端派とは言えラスプーチンが現れたり、全くあの時代のロシア正教会の教育機関は一部のエリートだけ特別扱いし、残りにはロクな教育もして居なかったのだろう!?

名だたる共産主義者や無神論者が皆、ロシアやその支配地域から出ている当時の状況を見れば、全く酷いモノだ。

皇帝の専制政治、貧富の凄まじい格差などに、教会も権力側に付いているだけで、何ら改善しようとしなかったのだろう？

つまり古代末期から中世に大繁栄した東ローマ(ビザンツ)帝国の国教として、大いに発展し栄えた正教会だが、帝政ロシアみたいな半途上国では洗練され過ぎた宗教はダメって事かね？

他方、知識人には正教が良い影響を与え、例えばドストエフスキー等を産み出したのだ。


ゾルゲについてはまた後ほど👍

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>> 100 あらら久しぶり(笑)

｢ゾルゲ｣の続きだが、この映画は幾分(またはかなり)左翼共産主義マンセー思想に固まっている点を除くと、監督の主観を交えないリアリズムに徹した映画なのかな、と思う。

だから、監督の主張が足りないとか、登場人物の掘り下げが弱いとかの批判があるのだろう？

まあ私は映画ド素人だから、映画に独自の主張があるべきか、またこの映画が駄作なのかは良く分からないけど…

ただ、映画だけ見てるとゾルゲや仲間らが正義を行ってるように勘違いしやすいのは問題。

ゾルゲは人類平等の共産主義の理想に憧れつつ、結局、独裁者スターリンの犬に過ぎず、スターリンの横暴を沢山知っても激しく彼を批判しない。
却ってスターリンとソ連の為に、日本人の仲間を時の内閣に送り込み、彼から日本政府が北進策(ドイツと協力してソ連を攻める)でなく南進策(インドシナ等に進攻し英米と戦う)を決断した事を聞き、大喜びし、急いでそれをスターリンに知らせる。

結果、ソ連が極東に配備していた軍勢をヨーロッパに回して、モスクワをドイツ軍から救えたと言われるが、真相は分からない。
私見ではチョビ髭(ダース･アドルフ卿)の奴がドイツ陸軍の作戦に滅茶苦茶な口出しし、それが独ソ戦一番の敗因に思われるが。


とにかくゾルゲはソ連に貢献しただけであり、日本にとってはもしかしたら仲間の内閣に深く関わった日本人(尾崎だったか？)を使い、南進論を煽らせた可能性もあるかも知れず、日本が英米とくにアメリカ相手の悲惨な戦争に巻き込まれた事に一枚絡んでいるかも知れないのだ。

少なくともそちらを望んでいたのは間違いない！

つまり日本側から見たら、単純に悪党。これドイツから見ても勿論そう。

更にゾルゲ逮捕(これは当時の日本の秘密警察がかなり優秀だったのだろう？)の後、ソ連はゾルゲなど知らない、彼はナチスのスパイだと言い張り、見せしめにソ連にいたゾルゲの妻を粛清までしている。

これに対するゾルゲ本人の対応(苦悶、絶望など)が全く描かれていない点は、さすがに人物の描き方が浅すぎるとの批判を食らっても仕方あるまい。

とにかくエンドクレジットに出るイマジンやジョン･レノンの言葉と、ゾルゲが身を捧げたソ連共産主義が全く異なるチグハグな感じも、確かにこの映画の違和感の一つであった。

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>> 101 あとまあ、ゾルゲは一応有名になったスパイだが、しかし裏を返せばゾルゲやマタハリみたいな有名スパイとは、スパイ行為が当局にバレて逮捕や処刑などされたから有名なのである。

ゾルゲ逮捕には、当時の日本の秘密警察の並々ならぬ能力があったのも事実だが、しかしゾルゲがソ連のスパイだったなら、アメリカやイギリスのスパイも当然、日本に居て日本政府や軍部の出方を探って本国に報告していたパズである。

そして、見つからず従って歴史に名前を残さない無数のスパイの方が実は優秀だった、と言うパラドックスがスパイの世界では成り立つのでは無いか!?

実際、ルーズベルトは真珠湾攻撃を事前に知っていて、重要な戦艦や空母を退避させていた、と言われる。
彼は知っていながらワザと日本側に奇襲させて、アメリカ国民の戦意を煽ったのだ、とも。

ならばこれをルーズベルトに知らせた、アメリカのスパイ(一味の何人かは日本に居たろう？)は、ゾルゲ以上に優秀なスパイとなろう。

これにてゾルゲ関係の話題を一応終える。また何か思いついたら書くかも知れないが(笑)

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アレクサンドロス大王とジンギスカン✋

征服者としてどちらも有名。しかもナポレオンみたいにヨーロッパ限定でも無ければ、最後は敗れて惨めに終わった征服者でもなく、２人共、大成功者だ。

一部の学者に言わせると、アレクサンドロスは天才に有りがちな狂気と紙一重だったのに対して、ジンギスカンは戦争や征服の才能は豊かだったが、人物としては意外に常識人(？)に近かった、とか。

だがジンギス君、宴会の席で、人生最大の楽しみがテーマに挙がった時、自分の楽しみは沢山の街を征服し、殺戮しまくる事だと堂々と言った話も伝わっており、ならばやはり常識人では無かったな!?(てかサイコパスじゃん？)

他の武将らが美女に囲まれる事とか、豪勢な生活とか、長生とか、多くの部下に慕われたい等と、極めて人間的な欲望を次々に述べている最中にだ！


ただ私の言いたいテーマはこれでは無い。

英雄の評価にも運が大きいかな、って話だ。

一応、世界一般の評価では、アレクサンドロスは偉大な征服者で古代ギリシャ文明とオリエント文明を融合させた文化人にして、世界史の大貢献者。つまりポジティブ⤴

他方ジンギスカンは残虐な野蛮人で数多の国々や繁栄していた街を破壊し尽くした、非道の征服者。ネガティブ⤵

母国モンゴルや一部のアジアで英雄として評価されていても、世界全般から見たらまあこんな評価だろう。

史実として、これが真実か否かは関係なく。


幸運なアレクサンドロスの方は、後に本家ギリシャ(マケドニアとか書くとまた現代マケドニアと混乱が生じギリシャ人らに殺されかねないから一応ギリシャにしておく)、それからローマを通してヨーロッパ全域で偉大な英雄扱い。
だけではない！
いわゆる欧米世界でのみ彼は尊敬されているのでは無いのだ！

イスラム教でも何がどうなったか、多分アラブの民間伝説からだろうが、彼アレクサンドロスは神(アラー)に選ばれ、世界を征服した善の英雄とされ、彼をイスラムの預言者の一人と扱う場合すらあるのだ。
↩

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>> 103 アレクサンドロスのアラビア語での名前はイスカンダル、またはイスケンダル。
何でもアラビア語の冠詞al(アル)が、たまたまアレクサンドロスの名前の冒頭と混乱され伝わり、アレクサンドロスからアルを除いたエクサンドロスがエクサンドル等を経てナマってイスケンダルに成ったらしい!?

とにかくアレクサンドロスはイスラム世界である中東からインドネシアまででも尊敬されている。

彼に滅茶苦茶にやられ、当初は彼を憎んでいたペルシャ/イランすら、後にイスラム化したから彼アレクサンドロスを英雄として受け入れざる得ない始末。

このように、アレクサンドロスとジンギスカン。本物の人物がどうだったかに関係なく、ハッキリとポジティブとネガティブにイメージが分かれた😒

これがヨーロッパでアレクサンドロスが敬愛されていたから、ってだけなら、欧米以外の地域は、欧米の価値観の押し付けナンタラ言っていれば済むだろうが、ヨーロッパ世界と関係ないイスラム世界でも英雄になってヨーロッパに負けず劣らず敬愛されてしまっているからね(笑)

お手上げと言うか、この２人の評価を完全に分けたモノは何なのだろう？

なかなか難しい謎だ💦

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久しぶりにラフマニノフ自演版のＣＤから、ピアノ協奏曲２番と３番を聞き、ショックを受けた⤵


上手すぎるのだ！
まあ作曲家＆ピアニストの場合、自作は自然に自分が弾きやすいような技巧で作られる傾向があるものだが、それを差し引いても60代後半のラフマニノフの超絶技巧が凄くて段違いで、自分がつくづくボンクラに思えたわ😢

改めて世界の現役の大ピアニストらのアンケートで、ダントツに史上最高のピアニストにラフマニノフが選ばれた理由に納得。
(因みに２位はアルトゥール･ルービンシュタイン、３位がホロヴィッツだった)

でまあ、こんな化物と自分を比較して落ち込んでいても仕方ないから、気持ちを取り直して３番を更に上手く弾く工夫しつつ練習した。
等身大で結構！
それでも工夫次第でベターになる部分はすべきだろ!?

でまたまた改めて発見。

いわゆる難曲、まあある程度以上の力量が要る作品となると、単純にレベルに甲乙つけ難いモノだと言う事を。
↩

• << 107 この｢上手すぎる｣だが、まず技巧が物凄くて、現代の技巧派ピアニストよりテンポが速く、しかも的確で内容も伴っている！ まあラフマニノフは身長２ｍを超える巨人で、手も大きく12度(ドからオクターブ上のソまで)が楽々届き、しかもマルファン症候群で指が常人では不可能なタコのように自由に柔らかく曲がったらしい。 だから元々、身体的に他のピアニストより圧倒的に有利な立場にあったのだ！ また20世紀前半の録音ゆえにレコードに収まる長さを考えたのか、２番も３番もとにかく速い。 ３番なんかそれでもＳＰに収まらなかったからか、所々カットされている。 ３番のカット部分は残念だが、カット無しの２番の速さとパワーが物凄く、これなら３番弾くくらい難しいでは無いか、と思える演奏。 あと十分芸術的な表現はしているが(オーケストラもフィラデルフィア管弦楽団で指揮者オーマンディやストコフスキーだし)、過剰にセンチメンタルでもロシア的でも無い演奏。 ↩

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>> 105 例えばベートーヴェンのワルトシュタイン･ソナタ。まあ大体｢熱情｣に近い難易度で、ハンマークラヴィーアだのラフマニノフ３番よりはかなり楽なハズ。

実際２～３日弾いて、古典的指慣らしに使ってみた。内容は名作だが、取り敢えずこれを近々人前で弾く予定なく、一応敬意を払いつつ指慣らしにね😉


ところがだ！
昨夕はいつもよりワルトシュタインが上手くいかない💦

何かやる気が起きない、手に力が入らない、乗り気になれない、とまあ負の連鎖…

それでも一応全曲弾き(指慣らしとしても異常に速いテンポで弾いているから、弾きづらかったのかも？)、何か落ち込んで他の曲を練習するか、休むか、ため息と共に考えながら、何気にラフマニノフ３番を始めたら、何だか割合上手く流れていき、気力も段々みなぎり、ワルトシュタインの不調から見たらウソのように弾けるでは無いか！

ラフマニノフの後は、余勢をかってリスト＆私編曲版のベートーヴェン｢英雄交響曲｣もまずまず良く力がみなぎり弾けた！

これは明らかにワルトシュタインより遥かに難しいハズなのに。

つまりこういう事か？

ある程度以上の内容と技巧を伴った作品になると、曲によって弾く側のギアも変わるし、またその日の気分や年齢に合うか合わないかも、満足にいくかいかないかの鍵になる。

ワルトシュタインを弾く時の心構え(ギア)と、ラフマニノフ３番の時では無意識レベルからして完全に違うし、こうした要素全てが関係あるのだ、と。


確か以前のスレに書いたが、ラフマニノフ３番よりもモーツァルトの協奏曲が難しい場合もあるのだ。

全く奥が深いわ、芸術の世界は！

(と詰めが甘い私は、今更ながら思ったのであった😅)

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>> 105 久しぶりにラフマニノフ自演版のＣＤから、ピアノ協奏曲２番と３番を聞き、ショックを受けた⤵ 上手すぎるのだ！ まあ作曲家＆ピアニス… この｢上手すぎる｣だが、まず技巧が物凄くて、現代の技巧派ピアニストよりテンポが速く、しかも的確で内容も伴っている！

まあラフマニノフは身長２ｍを超える巨人で、手も大きく12度(ドからオクターブ上のソまで)が楽々届き、しかもマルファン症候群で指が常人では不可能なタコのように自由に柔らかく曲がったらしい。

だから元々、身体的に他のピアニストより圧倒的に有利な立場にあったのだ！


また20世紀前半の録音ゆえにレコードに収まる長さを考えたのか、２番も３番もとにかく速い。
３番なんかそれでもＳＰに収まらなかったからか、所々カットされている。

３番のカット部分は残念だが、カット無しの２番の速さとパワーが物凄く、これなら３番弾くくらい難しいでは無いか、と思える演奏。

あと十分芸術的な表現はしているが(オーケストラもフィラデルフィア管弦楽団で指揮者オーマンディやストコフスキーだし)、過剰にセンチメンタルでもロシア的でも無い演奏。
↩

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>> 107 で先ほどアレクサンドロスとジンギスカンの比較したから、今度はバカらしいかも知れないがラフマニノフとラスプーチンの比較を思いついた！

どちらも19世紀後半のロシアに生まれた、分野は全く違うが怪物(肉体を含む)。

まあラフマニノフは貴族の出で教養あるロシア正教徒、ラスプーチンは無学な農民出のカルト宗教の修道僧。

だが人並み外れた肉体や怪物性には、共通性があろう？(と無理やり持っていく💦)

で今日の一般の評価。
ラフマニノフは大作曲家で史上最高のピアニスト。ピアノ協奏曲の特に２番や３番は人気が高く、他に宗教音楽にも優れ、とにかく立派な偉い人。半ば聖人に近いような…

他方ラスプーチン。実際には無学なりに平和主義者で、皇帝に第一次世界大戦参戦を止めさせようとしたが、最後は反感持つ貴族らによって暗殺され、そこにまた普段の噂の怪僧ぶり発揮の、青酸カリ飲ませても死なず銃で撃ってもダメ、剣で刺してもダメ、最後は皆でカーテンでグルグル巻きにして冷たい川に錘を付けて投げ込み、やっと死んだらしい、と。

で未だに帝政ロシア末期を陰で牛耳った悪の怪僧のイメージが消えず💦

まあこの２人に関しては、名曲残し人柄も悪くなかったラフマニノフが善扱いなのは当然にしても、ラスプーチンに対しても再評価すべき部分はしてやらないと、可愛そうな気がする。


ジンギスカンはモンゴルでは偉大な英雄扱いらしいから、もう今更、他国で｢名誉回復｣してやる必要も余りないと思うのは、私の偏見か？

如何かな、同志諸君!?(笑)

-｢同志｣だが、元祖マルクスのドイツ語｢ゲノーセ｣よりロシア語の｢トビャリシチェ？｣が共産主義者のイメージにピッタリくるようだ。
同様に右翼というかナチスの場合は、ドイツ語のカメラート(戦友)が一番ピッタリくるとのステレオタイプがある。以上、豆知識👍

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近年は専門家の中にはアレクサンドロスを批判する学者もいる。
まあ大概は、結果的に文化に貢献したにせよ、あれだけ戦争し敵を殺した、いわゆる征服者だから、ってのが多い。

ただ中にはアレクサンドロスに殺された者は敵のペルシャやインド人より、味方のギリシャ、マケドニア系が多かった。つまり彼はかなり粛清を実行していたのだ。
とか、
アレクサンドロスは邪悪さにおいてヒトラーに似ている、等、酷いものまで。

また、確かに彼は英雄だったが、現代に彼みたいな英雄は要らない。英雄がいない平和な世界が一番素晴らしいのだ。

という意見も。

他方、アレクサンドロスを称賛する学者も当然いる。
戦争の天才だった、単なるリアルな政治家で妥協せず最後まで夢と理想を追い求めた希に見る情熱、精神力、云々。


で、これはまた後に書くだろうが、私がアレクサンドロスを問題にしているのは、ベートーヴェンの英雄交響曲のピアノ版を弾く時に、英雄とは何か、英雄と戦争の悲惨さの関係、これらをどう捉えどう表現するか、に関わるからだ。

英雄交響曲は細かい経緯を省くが、元々ベートーヴェンの頭にナポレオンがあったわけではない！

たまたまナポレオンに献呈してみないか、と在オーストリアのフランス大使に勧められ、まあ本人もまだ皇帝なんかになる前のナポレオンに好意を寄せていたから、一時献呈しようと考えたのだ。

まあナポレオンが皇帝に成って、怒ったベートーヴェンが献呈を取り止めたのだけは有名な話だが…


でこの曲はオーケストラで弦楽器が円やかに奏でる時以上に、ピアノ独奏版だと戦争的な雰囲気が出て、特に第４楽章の終わり近くなど、ベートーヴェンが夢想だにしなかった第一次世界大戦以後の空爆の雰囲気さえ出しうる。

こうした悲惨、悲劇を、しかし最後は華麗なファンファーレで英雄らしく終えるわけだが、こうした部分の表現を皮肉交えたモノにすべきか、いやアレクサンドロスの理想像みたいに英雄は戦争の惨劇より上の次元に居る、と表現すべきか、迷うのだ。

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映画｢アンダーワールド｣シリーズ全５作を数年ぶりに、２日で全部見た。
スタイリッシュでなかなか洗練されているのは確かだ。

ただ作品ごとに過去の年代についての話が矛盾するのと(同じ逸話が600年前だったり1400年前だったり)、あとハリウッドお決まりのエンタメ性→興行収入重視の為のシーンが、所々見え見えだったのが、残念な点かな？

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>> 110 まあこういうハリウッド映画は有名だしド素人の私があれこれ書いても余り意味ないが、ならば十年(？)くらい前のロシアのＳＦ映画(ヴァンパイアや魔女も出る)｢ナイト･ウォッチ｣＆｢デイ･ウォッチ｣。

一応２編の別々の映画だが、それぞれを前編と後編と見るのが普通だろう。

まずロシア映画と言う物自体、余り沢山見ていないし、大概はハリウッド映画を安っぽくパクったようなモノだらけ(最近のは知らん！)

その前のソ連時代の映画は、大体常に独ソ戦を舞台にロシアの若者が純愛、祖国愛、そして社会主義への愛に殉じて、悪いドイツ兵(笑)に殺される悲劇を描いたワンパターン物が目立った。

ジュード･ロウ＆エド･ハリスのイギリス映画｢スコープの中の敵｣/日本版では｢スターリングラード｣は、こうしたソ連映画の定番をパロディー化したというより、虚構を暴きつつ質を高めたモノと見ていいだろう？

で｢ナイト･ウォッチ｣＆｢デイ･ウォッチ｣だが、珍しくロシア映画の安っぽさが余りなく、それなりに質が高いＳＦとして見れる。

アイデアも悪くなく、この世を善と悪の霊的軍勢による戦いと見る点など、ロシアで支配的なハズのキリスト教のロシア正教と全く異なったゾロアスター教の影響が濃厚。

まだプーチン権力が固まっていなかった時代だから、出来たのだろうか？
近年のロシアなら難しいか？
または中国などと違い、ロシアにはこのくらいの表現の自由は当たり前なのか？

見て損する映画では無い。
ただ個人的には、例によって突然論理が飛躍したり変なバカ騒ぎが始まったり、幾つか突っ込めば話自体が破綻しているようなロシア独特の世界-これはエンタメだけでなく、ゴーゴリの文学やムソルグスキーの音楽にもよくあるロシア特有の文化、芸術か!?-が少し違和感あった。

逆に、人によってはもっとロシア的な雰囲気出して欲しいと思う人も居るだろう？

(失礼💦
ソ連時代には偉大なタルコフスキーが居たわ。｢ソラリス｣等は名作。彼は…例外だな)

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🎵もう少なくとも６～７年ぶりにヘンデルの｢チェンバロの為の８つの大組曲｣を聞いた。

20代後半には一時ヘンデルに凝り、チェンバロでなくピアノでこの中から組曲１～５、更に別の曲集から｢シャコンヌと21の変奏｣など熱中して弾いたものだ。

ただ当然ながらピアノの鍵盤はチェンバロのより遥かに重いから、チェンバロの名手を真似ても速く巧みな装飾音が苦しかったり、速い曲もチェンバロ並みに飛ばすのはかなり難易度高いし、逆に遅い曲はチェンバロならではの幽玄さがピアノでは出ず(音色の理由)、余り遅いと幼稚な練習曲に聞こえたり…

まあこれはヘンデルの大組曲を知らない人でも、バッハのゴルトベルク変奏曲などを想像すれば分かる事と思う。

なおヘンデル(バッハやラモー等も)のチェンバロ作品はバロック特有の、楽譜は見取り図であり(フーガなど緻密な作品を除いて)、演奏者が勝手に装飾を加えたり、音を変えたり、繰り返しで変奏曲みたいにしたり、とにかく一種の即興演奏能力が必要。

チェンバロ奏者なら一流と呼ばれる人なら皆、これが出来ないとダメ。

私は元々、作曲が副業みたいなモノだったから、ピアノでもこれが出来るが、大半のピアニストはこうしたバロックの｢即興｣が苦手で出来ない。一流ピアニストでも出来ない人が大半。中には出来る人も少し居るが…

パイプオルガンもヨーロッパの大教会などのオルガニストなら、同様に即興演奏に長けているが、日本に来て驚いたのは日本人オルガニストは作曲が出来ない⤵

まあ宗教的背景が全く違うから、オルガン自体の伝統がなく、大半のオルガニストはピアノ科崩ればかりだからだろう、日本の場合。

とにかくヘンデルのシャコンヌや組曲の一部はずっとレパートリーとして弾いて来たが、久しぶりに一流チェンバロ演奏で大組曲８曲全部聞いて、やはりいいものだと思った。
↩

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>> 112 私が聞いたＣＤはイギリスのチェンバロ奏者のモノ。
速い曲が少し速すぎると思うが、それ以外は装飾や変奏の作り方も上手いし、一流だ。

ヘンデルの８つの大組曲には、組曲５(有名な｢調子のよい鍛冶屋｣を含む)などが他より少し易しいが、全体的にはバッハのパルティータのレベルには十分達していると言ってよい。

そしてヘンデルは現代においては、バッハの陰に隠れ過ぎていて気の毒。
バッハは無論、凄く偉大だが、ヘンデルの天才もほとんど負けず劣らず恐ろしいモノだ！

実際、バッハが評価され出したのはロマン派時代からで、それ以前のバロック、古典派時代にはヘンデルの方が遥かに評価が高かった。
明確な和声、力強いメロディーなどがバロックや古典派には受けたのだ。

他方バッハはバロック時代には難解過ぎると思われたり、実際、半音階的な和声進行が多かったから、逆にロマン派から現代までは圧倒的に評価されている。

ヘンデルだと明確すぎてロマン派の作曲家らに余り魅力無かったのだろう？

また概してバッハが宗教的、真面目、内面的、複雑で理論的なのに対して、ヘンデルは華麗、外向的、遊び心あり、あまり全集とか理論の追求に拘らないで(バッハの平均律とかフーガの技法みたいに)、豊かな才能をそのまま惜しみ無く発揮して次々に作曲していった傾向。

だからバッハの上に挙げた平均律やフーガの技法、ゴルトベルク変奏曲など複雑に凝った作品はヘンデルでは少なく、またバッハの２つ残された受難曲やミサ曲ロ短調みたいな集中度が極めて高い、一種の集大成みたいな作品にも凝らなかった。

だが、例えば合奏大組曲集にしても、変な力みが無く、貴族的雰囲気持つバックミュージックとして流していても肩凝らずに聞き流せ、それでいてこれを細かく分析しても対位法など実に優れているのだ。

水上の音楽などもそう。

そしてチェンバロ/ピアノならば、８つの大組曲始め、他の幾つかの組曲なりシャコンヌなりがそれだ！
↩

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>> 113 なおヘンデルはバッハと同じ年に、同じく中部ドイツに生まれたが、途中でイギリスに移住しイギリス国籍を取ったから、イギリスではイギリスの大作曲家扱い。
日本ではドイツに習い、ドイツの作曲家とされているようだが!?

まあ傑作、名作の大半はイギリス移住後に作曲されたが、彼の芸術家としての泉がドイツにあるのも、また事実だろう？

なお当時のイギリスはドイツつまり神聖ローマ帝国のハノーファ選帝侯と同君連合だったが、それでもドイツ/神聖ローマ帝国とイギリス/連合王国は別々の国扱いだったから、オーストリアとドイツみたいにどちらも神聖ローマ帝国でオーストリア側が皇帝家だったケースとは違い、ベートーヴェンがオーストリア人かドイツ人かを論じるのに比べ、ヘンデルについては結構シンプル(笑)

ドイツ人はドイツの作曲家だと言い、イギリス人は勿論、イギリスの数少ない貴重な大作曲家だと主張する。

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🎵ヘンデル以上に、最近、練習の合間に聞くのが、ベートーヴェンの晩年の弦楽四重奏曲。
私にとってベートーヴェンの主なジャンルでは、一番馴染みが薄かった。理由はピアノソナタやピアノ協奏曲は勿論、交響曲や序曲などもピアノで弾けるが、弦楽四重奏だけはなかなかピアノと縁が薄いからだろう？

まあ幾つかは以前からよく知っていたが、改めて12～16番を通して３回くらい聞くと、やはり好みは13番の本来の終曲だった｢大フーガ｣、それと14番全体(特に第１部と最後の第７部)。

｢大フーガ｣だけはヘンレ版から２台のピアノ用編曲が出ているが、いつかこれを誰かと弾くかどうかは分からない。

ただこの曲や、14番の第１＆第７部を聞いていると、とにかくベートーヴェンは死の直前まで、闘い、斬新な世界を追求し、どんどん霊感が湧いてくる、そんな巨匠だったとよく分かるのだ！

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突然、映画の話から入る。
最近見たＤＶＤ、｢パラドックス｣と言うメキシコ映画。

内容はある日突然、数人が脱出出来ない空間-出口が無い階段で１階まで降りると地下が続くがそれが実は９階で、とにかく上下とも無限にこれが続く。終わりが無いと言うか円みたいな世界。同様に別の数人は階段の代わりに大草原の道路で同じような状況に。
ただどちらの場合も食べ物が置いてある棚や店があり、これが食べるとまた先に行って同じ棚や店があり、食べる前みたいに満タンに成っているから飢える事はない。
そうやって数人の人々が、階段世界でも、大草原の道路世界でもそれぞれ35年間、閉じ込められる。怪我すれば死ぬのと次第に(正常に)年を取って老人になっていくのだけは、我々の世界と変わらない。

まあ一見、かつてのキューブなどソリッドスリラーかと思うような映画だが、根本的な違いは危険や恐怖が余りなく、またソリッドスリラーに比べ筋は退屈だが、アチコチの映画祭で賞を取っていること。
つまりエンタメの要素より何らかの哲学的要素が強いと言う事だ！

まあ１回見ただけでは、私の正直な意見だと退屈で、何か深いメッセージなり謎解きなりがありそうな感じがしただけ。
謎解きと言っても、以前どこかでレスしたリンチ監督の｢マルホランド･ドライブ｣ほど難解でも無いだろうし、魅力的なワクワクさせられる謎解きでもなさそうだが(笑)

ただ私がこの映画を語るのには、全く別の理由があるからだ。それは…

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>> 116 この映画のテーマ音楽に、何とシューマンの交響曲４番の第１楽章(というより全体の)メインテーマの一つが使われ、それがアチコチで流れる事だ。

階段世界の方ではいかにもチンピラ風なチョイ悪ラテン系髭男が、何とイヤホンでこの曲を聞いているところから始まる。
全く場違いでビックリ。
まあ私の癖で、映画が始まって余り時間が経っていなくても、素晴らしい音楽が流れ出すとそちらに集中し、映画の内容を追えなくなる。
これは｢スパイ･ゾルゲ｣の時の英雄交響曲でもそうだった。今回はシューマン４番。
だが別にクラシックの名作で無くとも、映画音楽でも初めて聞く音楽でも、魅力的ならばそちらに自然に聞き入ってしまう。
音楽家の宿命か？

たまに音楽なんて嫌いだ、と思うくせに、やはりいい音楽からは自由に成れない本性なのだろう？

さてこのシューマンの交響曲４番のメインテーマ、階段でない大草原の道の方の出だしでは、何と家を出る前にまだ10歳くらいの男の子がピアノで遅く拙いながらも、オーケストラのポリフォニー含むメロディー、和声を大まかに弾いているではないか!!
しかも楽譜無しに。まあシューマンの交響曲４番のピアノ編曲楽譜なんて私の記憶範囲なら、存在しない。
だから実際には映画の音楽担当係がテーマ部分だけピアノに編曲したわけだが、しかし映画の中みたいにこれを楽譜無しにオーケストラ版だけＣＤ聞いて、ピアノに編曲できる少年がいたら作曲の天才だろう？ 間違いなく。

ともかくピアノで弾かれる遅く拙い演奏にも、私は凄く心を惹かれた。


で何故、監督はこの閉ざされた空間を描く多分哲学的(自然科学つまり物理をテーマにしたＳＦでは無いはず)の映画に、シューマン交響曲４番を持って来たのか？

映画の作風から言って、全く意味など無いハズは無い。まあ多少、監督が好きな曲だったのはあるかも知れないが、全く無関係に入れた感じでは無い。

メキシコみたいな国ではインテリと大衆の知的格差が物凄く、普通のメキシコ人にシューマンの交響曲など全く無縁だろう？
まだラテン系のイタリアやスペインのクラシック名曲ならともかく、彼らに難解で異質なドイツのシューマン、しかもトロイメライとか予言の鳥でなく交響曲４番！


私には多分、その理由が分かる。そしてそれはかなりの確率で当たっているだろう？

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>> 117 それは…、第一にシューマンの交響曲４番は４つの楽章間に区切りが無く、かといってメンデルスゾーンのヴァリオリン協奏曲みたいに単につながっているのではなく、一種のロマン派が生み出した循環形式と言う有機的な全体のつながりを持っている作品である事だろう？

まあ既にベートーヴェンの第５交響曲で第１楽章と第３楽章が同じモチーフを使っていたり、第９交響曲の第４楽章初めに第１から第３楽章までの断片が現れたり、次第に交響曲やピアノソナタなどの楽章間が有機的につながり出したわけだが、シューベルトの｢さすらい人幻想曲｣などソナタ風な幻想曲を経て、この傾向は更に強まり、シューマンにいたり４つの交響曲のうち、４番は楽章が全てつながり更に幾つかあるモチーフがアチコチの楽章に現れる。

これが、この映画の閉ざされた循環する世界に、ピッタリなのだ。

また単に循環形式の交響曲やソナタならば、更に後にリストがシューマン４番を遥かに超えた有機性を完成する(ピアノソナタ,ロ短調、ピアノ協奏曲とくに２番、ダンテ＆ファウスト交響曲、その他の数多の交響詩)が、リストの作品はもっと大スペクタクルでエキセントリックな映画に似合い(神と悪魔の戦い、まさにダンテやファウストみたいな世界)、日常世界の中に潜むゾッとする恐怖や謎、暗部にはシューマンがより似合うのだ。

美しいロマンチックな旋律の陰に潜む暗く不気味で謎と哲学と狂気の世界、ホフマン的世界、これぞシューマンの素晴らしさ！

私には特に中でも、交響曲４番やヴァイオリン協奏曲、またピアノ作品ならグランドソナタやクライスレリアーナが魅力的だ。

だが謎と不気味さを映画で表すのに、クライスレリアーナの冒頭では観衆に難解過ぎるだろう？
だから先に挙げた循環形式の問題と絡めても、交響曲４番は最善の選択に見える。
(あと私の好みを言えば、ヴァイオリン協奏曲もそうだろう。ただヴァイオリン協奏曲の方が評価が分かれる。他方、交響曲４番はロマン派交響曲の傑作で定着している。１番｢春｣や３番｢ライン｣をより好む人々も多いが、やはり専門的には４番が一番優れていると見てよい。あと２番もまあ玄人好みかも!?)

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>> 118 実はこのシューマン交響曲４番、作品番号Opが120に成っているが、Op.38である交響曲１番｢春｣と同じ時期に書かれた、シューマン交響曲としては初期に属する。

ただし｢春｣が割合好評だったのに対し、この元４番は余り人気が出ず、シューマン自身、約十年後つまり２番、３番が書かれた後にかなり改訂して４番として、再度発表したモノ。

今日、普通に４番と呼ぶ場合はこの改訂版のOp.120を指し、１番｢春｣と同時期に発表された方の楽譜はブラームスが保管していたお陰で、今日では知ることが出来る。

でこの珍しい元４番の方を、ニコラウス･アーノンクールが指揮してＣＤを出している。
聞いてみると、まあシューマン交響曲全般に言われがちなオーケストレーションに華やかさや絶妙さが欠け、音がくすんでいる点が、特に元４番では顕著なようだ。

だがその問題を抜いても、アーノンクールの指揮が下手過ぎる。とにかくやたら速すぎるのだ。私はオーストリアの音楽家の文句を余り言いたくないが、アーノンクールだけは昔から指揮が好きに成れない。
原典発掘者としての彼は素晴らしいが、指揮は私の好みでは無い。
オットマール･スウィトナーの方がずっといい。

と言うのは元４番を聞いた後に、普通の４番(改訂版)はスウィトナー指揮で聞いて比較したので、彼の名前がここに出たのだ。

ドイツのヴォルフカング･サヴァリッシュの指揮だったら更にいいだろう？
昔、良かった記憶がある。

まあ指揮の比較は止めて、作品の比較だが、成る程、かつて元４番を聞いた時より今回注意深く聞いてみると、一応４つの楽章がつながっていて現４番の元として十分でありながら、やはり繰り返しや無駄なモチーフが多く、全体的に改訂版の方がコンパクトで盛り上がる。
元４番のままだったら、やはりロマン派の傑作とは成らなかったろう？
あと幾分、改訂版ではオーケストレーションも響きが良くなっているようだ。

とにかく改訂してくれたシューマン先生に大感謝！

またオーケストレーションが何だかんだ言われ易いシューマンの交響曲は、反面、指揮者にとって演奏効果を挙げるのが難しいから、指揮のコンクールなどで格好の課題曲になる。

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>> 119 つまりシューマン交響曲がかなり魅力的に指揮できたら、それは名指揮者だ！

で名指揮者らによるシューマンの４つの交響曲を聞くと、４番が一番私好みではあるが、４つ全て平均して優れていて、とにかく私はシューマン交響曲が全て好きなのだ。

まあオーケストレーションに関して、交響曲の定番名作曲家であるモーツァルト、特にベートーヴェン、あとブルックナー、マーラー、チャイコフスキー、(ベルリオーズもいたが彼のは幻想交響曲を除くと今度はオーケストレーションだけ見事で曲想やメロディーに魅力が乏しいからな～)、また交響曲では無いが交響作品のリムスキー･コルサコフ、ドビュッシー、ラヴェル等よりシューマンに問題があるのは事実だろうが、でも私はオーケストレーションが優れ内容的にも名作揃いと言われるブラームスの４つの交響曲よりはシューマンの４つの方が好きだ。
ブラームスのはハッキリ言って私には退屈。ハイハイ、ブラームス･ファンは私を素人扱いして下さって結構ですよ(笑)

音楽なんてとにかく広すぎて深すぎて、クラシックだけでも全てに通じてる人なんて居ないのだから。
まあ中にはヨアヒム･カイザーみたいな巨人も居るが、珍しいし、彼にだって穴はあるのだ！

• << 122 このオーケストレーションとシューマンの関係についてやはり一言。 シューマンのピアノ曲や交響曲を見ると、気付くのが凄く対位法的と言う事。 同時代のショパンなどが、ピアノ曲の場合、大体右手で美しいメロディー(大概、単旋律)、左手はそれを斬新な和声で伴奏するタイプなのと、かなり違う。 そう、シューマンはロマン派時代のバッハなのだ！ 生まれもザクセンだし、やはりあの辺りにはバッハと言うより対位法の伝統的土壌がありそう(もう一人の対位法の巨匠ヘンデル、また隠れた対位法の達人だったワーグナーも皆、あの地域出身。) ロマン派のバッハとはどういう事か？ バッハが宗教音楽以外、特にピアノの前身チェンバロを使って対位法の極意を極めていき、最後に音楽の捧げ物やフーガの技法に行き着いたのは有名だが、彼のチェンバロ作品はたまたま楽器でピアノみたいに両手で何でも弾けて、対位法作品が自由に弾けるゆえにチェンバロを選んだのであり、最後のフーガの技法など楽器の指定が無い。 つまりチェンバロでなくても室内楽、声楽、オルガン、何で弾いても構わないのだ。 何で弾いても、バッハが到達した深遠なフーガの世界は表現できるのだから。 あたかも真の音楽は、楽器に縛られない絶対的な数学みたいなモノだと言っているようではないか？ そしてバッハのチェンバロ作品の場合、平均律でも、いやインベンションすらどの楽器で弾いても絶対的な偉大さ、美しさは変わらない！ でシューマンの場合にも、少し似た事が言えるのでは？

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>> 120 他にＤＶＤ映画の話題と言えば、サイレント/沈黙(遠藤周作原作)、ボーン･アイデンティティ(マット･デイモンのはシリーズ全部見たが、実はマットのより15年くらい昔、リチャード･チェンバレン主演のテレビ映画｢ボーン･アイデンティティ｣があり、テレビ映画とは言えマットのに負けず劣らず魅力的なのだ。この比較もしてみたい。)

大体こんな感じ？

ただこれらを論じる前に、1980年頃流行った映画｢オーメン･シリーズ｣の３を見ていて、悪魔または悪魔教の音楽とされているモノが、リスト晩年の名作｢哀しみのゴンドラ、特に２番｣にそっくりだと発見。特に和声進行が。

リストと言えば、題材には悪魔等を頻繁に使ったが、カトリックの信仰篤く、修道士に成っていた時期もある、いわゆる｢神側｣から悪魔を見て描き、最後は神側の華々しい勝利が定番で、悲劇や悲哀、不安が根底にあるショパンやシューマンと違い、力強くベートーヴェンに似た闘争を得て勝利に至る、がモットーの作曲家の代表格だ。

ただ晩年作品だけは異質で、悲哀や虚無感を感じさせるモノが多い。とはいえ、悪魔側だの悪魔教に寝返った形跡も雰囲気も一切ない。
むしろ真に悪魔的で危険なのはスクリアビンみたいな音楽。

ドビュッシーは、カトリック神父らの中に嫌うのが居るが、それは彼の作品が天真爛漫なエロティックな要素を持つからで、我々から見たら健康で実に豊かな魅力的な善の世界だ(笑)


とにかく言いたいのはオーメンの悪魔的音楽なんて、悪魔的でも何でもなく、あれより百年以上前にリストが到達した神秘的な世界の音楽。

まあ映画音楽作曲家は、チャイコフスキーやショパン、ドビュッシーだけでなく、リスト、ワーグナーの研究も欠かせないって事。
てか連中とっくに研究していたハズ。

(シューマンはユニークな天才過ぎて、映画の中で使ったりシューマンを題材にした映画はよくあるが、彼の作品に似せた映画音楽の作曲は無理だろう!?)

• << 125 映画｢サイレント/沈黙｣。 私は遠藤周作の原作を半分くらいしか読んでいないし、もうかなり昔読んだからよく憶えていない。 ただ映画について言えば、神の沈黙、殉教者を助けない、更にはこの世で悪人がのさばり善人や信仰者が苦しみ矛盾、こうした問題については主役のカトリック神父も、私みたいなオーソドックス/正教信者も区別なく、身近で深刻な悩みである。 信仰の試練についても。 また終わりの方で先にカトリックを棄てたフェレイラ神父(リーアム･ニーソン)が言う、キリスト教も仏教も、同じ道を別の方角から説いているのだ、と言う風な話もよく分かる。 まあ私は若い時から仏教やインド哲学、更に後にはイスラムについてもかなり勉強したし、頑迷なキリスト教原理主義者では無い！ それに敢えて主人公らポルトガルのカトリック宣教師と、正教会の信徒の違いを言うなら、カトリックは迫害と言う過去を殆ど持たず、むしろ十字軍やインディオ殺害、異端審問など迫害する側に立っていた歴史が多い。 古代ローマ時代の大迫害とよく言うが、あの時代は正教会とカトリックが分かれて居なかったし、むしろキリスト教徒の本拠地から見ればキリスト教とは正教会であったのだ。 だからカトリックが被った一方的大迫害は、沈黙の時代の江戸時代初期の日本が最大のモノだったかも知れない。 それにあの時代、ポルトガルやイタリアはほぼカトリック一色だったが、ドイツなどカトリック対プロテスタントの三十年戦争があり、互いに日本の迫害などより遥かに酷い殺戮をし合っていたのだ。

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>> 120 つまりシューマン交響曲がかなり魅力的に指揮できたら、それは名指揮者だ！ で名指揮者らによるシューマンの４つの交響曲を聞くと、４番が一番… このオーケストレーションとシューマンの関係についてやはり一言。

シューマンのピアノ曲や交響曲を見ると、気付くのが凄く対位法的と言う事。

同時代のショパンなどが、ピアノ曲の場合、大体右手で美しいメロディー(大概、単旋律)、左手はそれを斬新な和声で伴奏するタイプなのと、かなり違う。

そう、シューマンはロマン派時代のバッハなのだ！

生まれもザクセンだし、やはりあの辺りにはバッハと言うより対位法の伝統的土壌がありそう(もう一人の対位法の巨匠ヘンデル、また隠れた対位法の達人だったワーグナーも皆、あの地域出身。)

ロマン派のバッハとはどういう事か？
バッハが宗教音楽以外、特にピアノの前身チェンバロを使って対位法の極意を極めていき、最後に音楽の捧げ物やフーガの技法に行き着いたのは有名だが、彼のチェンバロ作品はたまたま楽器でピアノみたいに両手で何でも弾けて、対位法作品が自由に弾けるゆえにチェンバロを選んだのであり、最後のフーガの技法など楽器の指定が無い。
つまりチェンバロでなくても室内楽、声楽、オルガン、何で弾いても構わないのだ。
何で弾いても、バッハが到達した深遠なフーガの世界は表現できるのだから。
あたかも真の音楽は、楽器に縛られない絶対的な数学みたいなモノだと言っているようではないか？

そしてバッハのチェンバロ作品の場合、平均律でも、いやインベンションすらどの楽器で弾いても絶対的な偉大さ、美しさは変わらない！

でシューマンの場合にも、少し似た事が言えるのでは？

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>> 122 まず彼の交響曲を見ると、対位法的過ぎるゆえに単なる交響的な音響が表せない場合が、よくあるように思う。
つまり対位法的過ぎて、オーケストレーションが一部十分に発揮できないか？

まあバッハだって小規模なバロック･アンサンブルしか無かった時代に生きたから問題無かったが、どんどん大規模化するオーケストラによる交響曲を作曲すべき19世紀に生きていたら、オーケストレーションの名人だったかどうかは誰にも分からないだろう。


シューマンのピアノ曲にも似た事が言える。
確かにシューマンは、ショパン、リストと並んで、ピアニストにとって最も重要なロマン派作曲家である。

ただし、ショパンやリストがピアノの音色を気遣ったり、音の高低に応じてメロディーや装飾技術を変えたのに比べて、シューマンには余りそうした配慮が少ないと感じる。

その代わり、彼はショパンなら絶対に書けないような対位法の妙技をピアノ曲で、ことごとく毎回発揮した。

つまりシューマンの場合、ピアノだろうとオーケストラだろうと、音色よりもまず音楽の絶対的な美しさ、深みを優先させている。

実際、交響曲４番をもしピアノで弾いたとしても、あの美しさ、素晴らしさはオーケストラの場合と大差ないのでは？

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>> 123 作曲家によっては、使う楽器で作品の価値が決定的に変わる場合が多い。

例えばショパンのノクターンを、ピアノでなくてオーケストラやブラスバンドで弾いたら、もう生命を失うのでは？

あのベートーヴェンですら、ピアノ作品はショパンほど絶対にピアノの音色でないとダメと言うほどでは無いけれど、交響曲に関してはオーケストラ楽器を恐ろしく絶妙に使う。

英雄交響曲の出だしを聞く度に、私はオーケストラによる何とも言えない絶妙でゾクゾクする感じを味わう。
第５交響曲だってそうだ。
第６｢田園｣もやはり出だしからしてオーケストラが素晴らしい。

皆はよくコルサコフやラヴェル(またはベルリオーズ)をオーケストラの魔術師と呼ぶが、ベートーヴェンこそがその元祖なのだ！


ともかくシューマンに帰ると、彼の音楽の美しさ、深さ(これこそシューマンの最もユニークな点で心の深い部分、陰も含めて音楽で一番絶妙に表現した作曲家だったろう)は、ある意味で楽器(の音色)を超えた所にあるのだ！

この意味で彼はロマン派における、バッハ最大の後継者だったとも言えるのだ。

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>> 121 他にＤＶＤ映画の話題と言えば、サイレント/沈黙(遠藤周作原作)、ボーン･アイデンティティ(マット･デイモンのはシリーズ全部見たが、実はマット… 映画｢サイレント/沈黙｣。

私は遠藤周作の原作を半分くらいしか読んでいないし、もうかなり昔読んだからよく憶えていない。

ただ映画について言えば、神の沈黙、殉教者を助けない、更にはこの世で悪人がのさばり善人や信仰者が苦しみ矛盾、こうした問題については主役のカトリック神父も、私みたいなオーソドックス/正教信者も区別なく、身近で深刻な悩みである。

信仰の試練についても。

また終わりの方で先にカトリックを棄てたフェレイラ神父(リーアム･ニーソン)が言う、キリスト教も仏教も、同じ道を別の方角から説いているのだ、と言う風な話もよく分かる。

まあ私は若い時から仏教やインド哲学、更に後にはイスラムについてもかなり勉強したし、頑迷なキリスト教原理主義者では無い！

それに敢えて主人公らポルトガルのカトリック宣教師と、正教会の信徒の違いを言うなら、カトリックは迫害と言う過去を殆ど持たず、むしろ十字軍やインディオ殺害、異端審問など迫害する側に立っていた歴史が多い。
古代ローマ時代の大迫害とよく言うが、あの時代は正教会とカトリックが分かれて居なかったし、むしろキリスト教徒の本拠地から見ればキリスト教とは正教会であったのだ。

だからカトリックが被った一方的大迫害は、沈黙の時代の江戸時代初期の日本が最大のモノだったかも知れない。

それにあの時代、ポルトガルやイタリアはほぼカトリック一色だったが、ドイツなどカトリック対プロテスタントの三十年戦争があり、互いに日本の迫害などより遥かに酷い殺戮をし合っていたのだ。

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>> 125 つまりあれがドイツやオーストリア出身の神父なら、また違った対応もあり得た可能性が大きい。


他方、正教会は古代ローマ時代の迫害、イスラムが興ってから絶え間無い国境戦争、更にはカトリックの十字軍に攻められ迫害受け、そして沈黙の時代にはロシア以外の正教地域は皆、イスラムのオスマン･トルコに支配され、２級市民扱い受け、理不尽な突発的な迫害も度々受けた。

更に沈黙の時代より後には、次第に弱るトルコの支配を次々に脱したと思ったら、ロシアに共産主義革命が起き、ソ連政府が生まれ、ずっとソ連によるロシアと東欧の正教会に対する迫害がゴルバチョフ時代まで続いた。

つまり正教会こそがカトリックやプロテスタントより遥かに過去に迫害を受けてきた教会であり、沈黙に描かれる問題もずっと切実だったのだ。

だから正教会は、迫害を切り抜ける知恵を自然に身に付けていった。

まず住む地域の多数派である宗教とは揉めないで、なるべく彼らの風習を理解し取り入れ、平和的にやってゆく。
だからこそ、正教会はイスラムのオスマン朝のスルタン(皇帝)の為に儀式の度に祈り、現代日本では天皇の為に祈りを捧げている数少ない(と言うより唯一の)キリスト教のメインな派である。

他の宗教とは言い争いをしない、イスラム教徒がイスラムによって天国に行けると主張したら反論せず、正教徒には正教があり、正教に従い神の国を目指す。
イスラムや他の宗教の事はそんなに詳しく分からないのだから、彼らは天国に行けるとか行けないとか考えず、敵対もしない。

まあサイレント/沈黙は、まだまだ考えさせられる事が多い映画で、一回見ただけでは語れない部分も多い。

日本にはキリスト教は根付かない、日本はそうした宗教を根から腐らせてしまう泥沼みたいな国だと、日本の奉行が言った事も、なかなか深い。

• << 129 この原作-遠藤周作の｢沈黙｣が発表されたのは、1960年頃か？ とにかく50年以上前だろう。 そして当時は、カトリック信者でもあった遠藤が、最後に神父が役人の前でキリストの像を踏む事(その時、内部で｢踏みなさい、私は常にお前やお前の苦しみと共にいたのだ｣とのキリストの声を聞く)について、これの翻訳を読んだ欧州やアメリカでは衝撃が走り、また日本でも遠藤はカトリック教会から嫌われ、一部の神父らは異端視したらしい。 当時のカトリックの考えでは、どんな事があってもキリスト像を踏んだりして棄教すれば地獄行き、唯一正しい行いはそれゆえに自分含め何人が殺されようが踏まずに、キリストの十字架刑に倣って殉教する事だったのだ。 多分、まだ第２ヴァチカン公会議も終わっていない、数百年前から頑固に中世のままを貫いていたカトリック教会だったからだろう。 まあプロテスタントとの同居が現実問題で、またニーチェなど無神論の著作を体験したり世界大戦でナチス問題と深く接したドイツやオーストリアでは、一概に遠藤を非難したり、異端視するばかりでは無かったが。 しかしカトリックが唯一の強力宗教だった南欧等や、プロテスタントもかなり多いアメリカでは、｢沈黙｣を異端的だと考えたり、また日本人の思考、キリスト教理解はユニークで我々には理解できない世界だ、とか言われたらしい。 ただここで笑えてしまうのが、カトリックならともかくプロテスタントがキリスト像や絵を踏んだ事を非難するのは、本質的にオカシイのに、何故非難する？ プロテスタントの大半にとっては、十戒の一つである偶像崇拝禁止が重要な教義であり、つまり500年前に始まった宗教改革からその後の欧州でのカトリックの壮絶な宗教戦争を通して、ずっとキリストやマリア、聖人の絵や彫像は偶像崇拝の異端だと主張し、見つければ破壊し続けて来たのだからね。 つまりプロテスタントなら、むしろ喜んで絵なりキリストの彫像を踏む、力強く何度も踏んで破壊し、日本の役人さえ驚かせ、何かヤバい奴と思わせる行動が当然だろう!? それを何で遠藤を非難した？
• << 131 このレスに書いた最後の部分、｢日本にキリスト教は根付かない｣云々から先について考察。 幾つか根拠があろう。 まず一番単純明快なのは、もう17世紀とも成れば、余程の文明が遅れた地域を除いて地球上、皆それぞれの高等宗教圏に分けられていて、そこに他の宗教が入って取って変わるのは不可能だから。 例えば中東はイスラム圏、そして日本は仏教圏。 まあ儒教は形而上学伴う高等宗教では無いから、中国や朝鮮の儒教徒が近代にキリスト教徒に変わるのは可能だった。 同様にもし日本に仏教が無くて神道だけだったら、やはりキリスト教に取って変わられる可能性が大きかった。 ただ、大衆は知らずとも、日本の当時のインテリは仏教に詳しかった。そして仏教は形而上学、哲学理論においてキリスト教に負けない、人類史上でも屈指の高度な宗教だったから、キリスト教に可能性は少なかったのだ。 日本だけではなく、タイ、ミャンマー、スリランカなど伝統仏教国はキリスト教化されなかったでは無いか？

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>> 126 ところでこの映画は、実際には英語を使われている部分がポルトガル語と考えればいいのだが、それでもやはり言葉にはそれぞれ雰囲気があり、何かイメージが湧きにくかった。

まあ私はスペイン語(正確にはカスティリア語、あの国にはバルセロナ中心のカタロニア語もあるから)とポルトガル語は、殆ど分からないが。

イタリア語やフランス語に似ている部分があると言っても、やはり違う言語だし。

ただ英語の部分が、当時の国際語ポルトガル語だとしても、あんなに沢山の日本の役人や農民が何故流暢にポルトガル語を話せる？


それより英語で思い出したのは、｢スパイ･ゾルゲ｣。これは情けない。

本来はドイツ語、ロシア語で会話されている筈の部分が皆、英語⤵

主役が英語圏の人間だから、皆(ドイツ、ロシア、日本の俳優まで)英語に合わせたのだろうが、主役が全く出ないクレムリンの奥でスターリンが側近と喋っている場面すら英語⤵

あそこくらいロシア語にしたら良かったのに。どうせ日本映画だから英語でもロシア語でも、皆、字幕が付くのだし。

それにゾルゲは駐日ドイツ大使館の準外交官で、ドイツ人だと思われていたのだから、ドイツ大使との簡単な会話くらいドイツ語でやれば良かった。雰囲気が全く変わるのに。

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>> 127 因みにボーン･シリーズではアメリカ人のボーンが数ヵ国語を流暢に喋る設定だから、マット･デイモンも何ヵ所かでなかなか綺麗なドイツ語を喋っていた。
加えてロシア語も！


ハリウッドには俳優にそれをやらせるだけの資金と力があるが、日本の映画会社には英語圏の二流俳優に片言のドイツ語やロシア語を喋らせる実力も無いのか？

または日本人の悪い特長で、欧米人が絡む場合、何でも英語だと安易に考えているのだろうか？

だとしたら、酷いものだ。

あとゾルゲの部下のクロアチア人共産主義者が日本女性と結婚するシーンで、まずニコライ堂の外観が映り、内部を写したシーンでは全く別のカトリック教会だった。

まずニコライ堂は正教会で、あの場合ならセルビア人で無ければおかしい。クロアチア人はカトリック教徒。セルビア人とクロアチア人を区別するのは正教徒かカトリック教徒か、この一点のみ。
言葉は全く同じセルボ･クロアート語。人種も全く同じ。

それに当時コチコチのヨーロッパの共産主義者がキリスト教で結婚式などやるものか？

まあ身分を欺く目的だったと、ここだけは大目な見てやってもいいが。

何だか｢スパイ･ゾルゲ｣の悪口になってきて、本筋から外れたから、ここで止める✋

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>> 126 つまりあれがドイツやオーストリア出身の神父なら、また違った対応もあり得た可能性が大きい。 他方、正教会は古代ローマ時代の迫害、イス… この原作-遠藤周作の｢沈黙｣が発表されたのは、1960年頃か？
とにかく50年以上前だろう。

そして当時は、カトリック信者でもあった遠藤が、最後に神父が役人の前でキリストの像を踏む事(その時、内部で｢踏みなさい、私は常にお前やお前の苦しみと共にいたのだ｣とのキリストの声を聞く)について、これの翻訳を読んだ欧州やアメリカでは衝撃が走り、また日本でも遠藤はカトリック教会から嫌われ、一部の神父らは異端視したらしい。

当時のカトリックの考えでは、どんな事があってもキリスト像を踏んだりして棄教すれば地獄行き、唯一正しい行いはそれゆえに自分含め何人が殺されようが踏まずに、キリストの十字架刑に倣って殉教する事だったのだ。

多分、まだ第２ヴァチカン公会議も終わっていない、数百年前から頑固に中世のままを貫いていたカトリック教会だったからだろう。

まあプロテスタントとの同居が現実問題で、またニーチェなど無神論の著作を体験したり世界大戦でナチス問題と深く接したドイツやオーストリアでは、一概に遠藤を非難したり、異端視するばかりでは無かったが。

しかしカトリックが唯一の強力宗教だった南欧等や、プロテスタントもかなり多いアメリカでは、｢沈黙｣を異端的だと考えたり、また日本人の思考、キリスト教理解はユニークで我々には理解できない世界だ、とか言われたらしい。

ただここで笑えてしまうのが、カトリックならともかくプロテスタントがキリスト像や絵を踏んだ事を非難するのは、本質的にオカシイのに、何故非難する？

プロテスタントの大半にとっては、十戒の一つである偶像崇拝禁止が重要な教義であり、つまり500年前に始まった宗教改革からその後の欧州でのカトリックの壮絶な宗教戦争を通して、ずっとキリストやマリア、聖人の絵や彫像は偶像崇拝の異端だと主張し、見つければ破壊し続けて来たのだからね。

つまりプロテスタントなら、むしろ喜んで絵なりキリストの彫像を踏む、力強く何度も踏んで破壊し、日本の役人さえ驚かせ、何かヤバい奴と思わせる行動が当然だろう!?

それを何で遠藤を非難した？

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>> 129 まあ踏むと言う行為を通じてキリスト教を否定した、と言うのが問題なのだろうが、しかし｢沈黙｣当時のプロテスタントならば日本の仏教や神道以上に、同じキリスト教のカトリックが憎むべき敵だったわけで、実際に島原の乱の時など、プロテスタントのオランダ船が島原のカトリック農民らを、沢山の大砲で砲撃、殺戮している。(江戸幕府はこれを見てオランダに好意持ったとか)


だが遠藤の勇気ある発表の時代には、プロテスタントもそんな過去を忘れ｢沈黙｣を非難したりユニークだとからかったり。だがそれから半世紀以上経ち…

今日ではカトリックは大きく変わり、禅を取り入れたり、他の宗教を頭から否定しないで良い面を研究したりするようになり、遠藤の思考もかなり理解されるようになった。

要は踏んでも、またキリスト教を棄てると言っても、重要なのは心の中であり、常にそこで神やキリストと接するのを止めないならば、キリスト教を棄てた事にも神に背いた事にも成らない、という考え方だ！

原理主義者から見たら、甘ったれた現代に迎合した思想に見えるだろうが(笑)

まあ、遠藤の思想や映画｢サイレンス/沈黙｣の世界を肯定的に考える、のを、ある意味、カトリックよりプロテスタント的な世界に近いようにも思える。

ただしプロテスタントは数千の全く異なる派に分かれ、全般的傾向では形式より内面重視とは言え、その内面が原理主義的な場合が多いのだ。だから一概に沈黙の世界をプロテスタント的とも言えない。

これはむしろ、現代の互いに他の宗教や文化を尊重する姿勢に通じるモノと考えたらいい。

また形式主義も原理主義も捨てて、真のキリストの愛に生きると言う意味でもあろう？

ただ現存するキリスト教の中では、第２ヴァチカン公会議以後、改革されたカトリック、更には正教会の中でも原理的な人々でなく寛容で真にケノーシス/謙遜、テオーシス/神化を実践すべく生きている人々に近いと言えよう。

あと私みたいな、ダラけていい加減な信徒(笑)の世界にもかな？

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>> 126 つまりあれがドイツやオーストリア出身の神父なら、また違った対応もあり得た可能性が大きい。 他方、正教会は古代ローマ時代の迫害、イス… このレスに書いた最後の部分、｢日本にキリスト教は根付かない｣云々から先について考察。

幾つか根拠があろう。

まず一番単純明快なのは、もう17世紀とも成れば、余程の文明が遅れた地域を除いて地球上、皆それぞれの高等宗教圏に分けられていて、そこに他の宗教が入って取って変わるのは不可能だから。

例えば中東はイスラム圏、そして日本は仏教圏。

まあ儒教は形而上学伴う高等宗教では無いから、中国や朝鮮の儒教徒が近代にキリスト教徒に変わるのは可能だった。

同様にもし日本に仏教が無くて神道だけだったら、やはりキリスト教に取って変わられる可能性が大きかった。
ただ、大衆は知らずとも、日本の当時のインテリは仏教に詳しかった。そして仏教は形而上学、哲学理論においてキリスト教に負けない、人類史上でも屈指の高度な宗教だったから、キリスト教に可能性は少なかったのだ。

日本だけではなく、タイ、ミャンマー、スリランカなど伝統仏教国はキリスト教化されなかったでは無いか？

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>> 131 これに関しては、近年、欧州のカトリックの高位聖職者が面白い発言をしている。

｢キリスト教にとって最大の脅威はイスラムでは無い。イスラム移民が欧州で増えてもインテリ層はイスラムには走らない。
むしろ脅威というよりキリスト教のライヴァルに成り得るのは仏教である！｣


私はこれをこう考える。
元々キリスト教が高度な神学を備えるようになったのは、古代にヘレニズム(ギリシャ哲学など)を自然に理論体系に取り入れたからだ。
イスラムもギリシャ哲学を取り入れたが、キリスト教の姉妹宗教だからキリスト教徒にとって魅力ある宗教では無い。

他方仏教だが、これはインドで発生し、当然インド哲学の一つであるが、同時に体系化する段階で、インドに侵入したアレキサンダー大王とその後継者らがもたらしたギリシャ人らの数百年間の北インド支配を経て、ヘレニズムの影響を強く受けている。
つまり仏教哲学とはインド哲学、ギリシャ哲学、更に日本に入る前には中国の老荘哲学の混合で成り立っている。
だからヘレニズムの部分でキリスト教と共通点があり、更にキリスト教にはないインド哲学と中国唯一の形而上学である老荘哲学も入っている。(日本仏教の場合。中国を経由していない仏教の場合は、インド哲学だけ、またはインドとヘレニズムの混合のみ)

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>> 132 とにかく仏教は高等宗教である。他方キリスト教もヘレニズムを自然な形で取り入れたのは正教会だけであり(だから正教会をギリシャ正教とも呼ぶ)、カトリックは11世紀に正教会と分裂した頃までにヘレニズムの記憶があやふやに成っていた。
プロテスタントに至っては、ほとんどヘレニズム抜きでヘブライズムだけの派も多い。


なおまた正教会は、ローマから北インドにまで広がっていたヘレニズムを自然に取り入れたから、仏教含むインド哲学の要素も持つ。

だから先のカトリックの高位聖職者の発言は、インド哲学の影響が殆どか全く無かったカトリックとプロテスタントにとって、仏教が最大のライヴァル(インテリ限定だが)に成り得る、と言ったのだ。

正教会の場合は、そこまで仏教がライヴァルでは無い。仏教的要素も含むから。

とにかく17世紀にも成れば世界の高等宗教の住み分けは定着している。

アラブの大半やイランがキリスト教を受け入れないのと、日本でキリスト教が根付かないのは同じ理由。

これを覆すには、武力による完全な侵略しか無いが、それさえも結果的に、高等宗教分布図を殆ど変えなかった。

イスラムのトルコに支配されていたギリシャやバルカンは、アルバニアとユーゴの一部だけイスラム化したが、他はずっと正教のままで生き残ったし、ミャンマーやスリランカもイギリス植民地だったが仏教国のままだ。
オランダ植民地だったインドネシアも大半はイスラムのまま。

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>> 133 ｢日本にキリスト教は根付かない｣云々の、他の理由の考察はまた後ほど✋

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>> 134 しかしこれは考えて見ると、殆ど無い。残念ながら💦

｢日本は外国から入った宗教や文化を何でも日本式に変えてしまう｣と一部でよく言われる事も、論拠には成らない。
何故ならこういう傾向は世界の殆ど全ての国や地域にあり、日本だけの特長では無いから。むしろ例外の国や地域があったら知りたいくらいだ。

大体、日本は仏教をインドのオリジナルと全く違うモノに変えたと言っても、これを日本以上に行なったのは中国であろう。
その中国化された仏教が日本に入ってきて、まあそこで更に少し日本化したろうが、とにかく日本に仏教が入った時、既にそれはインド･オリジナルとはかなり違っていた。

インド内でさえ、原始仏教と大乗仏教はかなり異なり、原始仏教にヘレニズムやヒンズー教が強く影響して大乗仏教に成ったのだ。


キリスト教も同じ。日本どうこうの前に、既に｢沈黙｣に出るポルトガル人宣教師らのキリスト教は｢中世カトリック｣であり、本来のキリスト教とはかなり違うのだ。

もし今、まあ手軽に元祖キリスト教に一番近いモノを見たかったら、ギリシャかキプロスに行き、ギリシャ正教会をよく見て研究するのが一番。これは学術的に見てもそう。

同じ正教会でもロシア正教会やセルビア等のいわゆるスラブ系正教会は、根本教義はギリシャのと同じだが、雰囲気や歌などがかなり違う。

同じく西方に発展していきカトリック教会となったモノは、中世にかなりゲルマン化した。

クリスマスもサンタクロースも、日本が表面だけ商業主義で軽く取り入れたどうこう言う前に、如何に古代の姿を後のカトリックやプロテスタントが自分らの地域文化に合うように変えたか、を知るべきである。
そしてそれが西欧やアメリカ経由で日本に入ったのだ。

｢商業主義｣が出たついでに言えば、日本人は商業優先で宗教の形而上的世界より現世利益のみに関心持つ、と言うような話も、日本人全員でも無ければ、日本人だけの特長でもない。

確かにフランス人や現代ギリシャ人は、日本人より遥かに政治に関心持ち、カフェで政治議論で熱くなるし、ドイツ人は日本人よりずっと理論や分析を好む。

だがこれらは程度の問題で、日本にキリスト教が根付かなかった決定的理由には成らないだろう。

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>> 135 で結局、私が考えられる範囲だと、ある民族が商業民族か、農耕民族か、遊牧民族か、等の違いは宗教の選択にまあ影響する。

例えばこういう話がある。

オスマン･トルコが初期に、次第に強くなり東ローマ(ビザンツ)帝国を脅かし出した時、ビザンツ側はトルコ人らを正教(キリスト教)に改宗させて、難を逃れようと考え、宣教師らをトルコ側に送った。
するとトルコの王は彼らを丁重に迎え話を聞いたが、最後にこう言った。
｢残念ながらそれは出来ない。我が民は馬に乗り戦闘と遊牧をし、夜、月を眺めながら剣を抜いて気持ちを高める。イスラムが我々には一番合っているのだ。｣と。

まあイスラムは元々はアラブの商人の宗教だったが、とにかくアジアの遊牧民族は、多神教や仏教だったモノがイスラムを知ると、殆どがイスラムに改宗したのは歴史的事実だ！


だから日本にも合う宗教、合わない宗教が当然、存在しよう!?

ただしここで言うべき事だが、日本が全くキリスト教を受け入れないタイプの国だ、とは言い切れない。

仮に６世紀に大陸から仏教の代わりにキリスト教が入って来たとしたらどうだったか？
仏教の場合も、神道(多神教)派の豪族と、仏教派の豪族に分かれて激しい争いがあったと聞く。
結果的に仏教派が勝利し、上手く神道を仏教に融合させ、日本宗教の基本が出来上がった、と。

ならばもし仏教の代わりにキリスト教が入り、神道派とキリスト教派の豪族が争い、キリスト教派が勝利した場合、やはり次第に円満に神道はキリスト教に取り入れられ、日本的なキリスト教が誕生しただろう？

キリスト教は多神教を全部破壊すると言うのは、間違った理解であり、それは一部の原理主義派や戦国時代にやってきた宣教師らの傲慢な連中の場合であり、一般に正教会やカトリックはキリスト教化した地域の、元々いた多神教の神々をキリスト教の天使や聖人に変えて祀る事が多かったのだ。

日本に布教に来た｢沈黙｣時代の宣教師はそうでなかったようだが、同時代、大国だった中国に派遣された宣教師らは、中国人が孔子像を拝むのを否定せず、孔子をキリスト教の偉大な聖人として教えたらしい。

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>> 136 またもっと近代、日本が第二次世界大戦に敗戦した時、一部の噂によると昭和天皇がマッカーサーに会って、今後、日本の宗教をキリスト教にして欲しい、と言ったとか言わなかったとか!?

だがマッカーサーの方で色々検討し、それを断った、とか!?(迫るソ連共産主義の前に、そんな事している時間は無いと判断したのか？)

あくまで噂だから、神道派の方々は激昂しないでね😅

でも仮に、この話が本当でマッカーサーも承諾して、アメリカによる日本のキリスト教化が行われたならば、日本は勿論、日本的ではあるが神道や仏教を捨ててキリスト教国に成っていた可能性も高い。

あれだけ敵だった米軍やアメリカの統治に、円満に従い、戦後驚くほどアメリカ化した日本だから(皮肉では全く言っていない)。

とにかく言いたいのは、理数系で無い問題の場合、何でも答えが一つと言う事は無いし、また日本人は良くも悪くも日本が世界でも稀に見るユニークで特殊な国と思いたがる傾向があるが、それも余り思い込み過ぎるのは間違いだろう、と言う事。

確かにユニークな面が多いのは認めるが、それはユーラシア大陸の東端の、周囲の波が荒くて古代中世には簡単に近付けない島国だったから、と言う理由が大きい。

もし日本が地中海の中に横たわっていたなら、全く違った歴史、文化を持っていたろう。

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さて、｢サイレンス/沈黙｣は一旦置き、｢ボーン｣シリーズに入る🎥

まずマット･デイモンのシリーズの方だが、見る順番なら
・ボーン･アイデンティティー
・ボーン･スプレマシー
・ボーン・アルティメイタム
・ボーン･レガシー(マットは出ない)
・ジェイソン･ボーン

だ。
(しかし改めてタイトルを書くと、英語ってラテン語無しでは全く存在できない感じじゃん!?
ジェイソンだけは古代ギリシャ語でギリシャ神話の英雄ヤーソンの英語読みだが。
ドイツ語もかなりラテン語からの外来語があるが、ここまで極端では無い。)


さて、まず私の定例に従い音楽から。

常にエンドクレジットで流れるポップスだが、意外に私はこの曲が気に入っている。
まあ曲だけならありふれているが、歌う男の軽く風邪ひいたような鼻が詰まった声がいい！

作品全体に関して。

最後の｢ジェイソン･ボーン｣は最初の三作の二番煎じだとの声もあるが、私はまあシリーズ全部なかなか面白く、緊張感を持ちつつ見れた。

この作品群には、ダラダラした感傷が無く、とにかくスピード、サスペンス。そしてアクション系より知的なタイプのマットが派手で素早く賢い格闘、行動する部分が魅力的。

ただどの作品にもあるカーチェイス、お約束のバイクの危険走行は、少し長すぎ私には飽きる部分。

目立った欠点はそれだけか？

あとはまあ現実にウィキリークスやスノーデン事件があるくらいだから、アメリカの情報機関が相当エグいのは分かるが、毎回少しＳＦじみた陰謀を強調し過ぎ。

あそこまで薬物で兵器化された人間や、殺し屋が世界中至るところに充満しているのは、映画ならではのフィクションだ！

まあマット演じるボーンみたいのが居たら、これはもうゴルゴやエージェント47のレベル。

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>> 138 舞台はマットが出ないスピンオフ作品｢ボーン･レガシー｣だけ、アジア(マニラ)が登場するが、他は主にアメリカの大都市、パリ、ベルリン、ロンドンとなる。

かと言って観光地を見せる目的は無く、あくまで筋の為のロケーション。

あとチューリヒ、モスクワ、アテネ、マドリード、タンジール、ベイルート、またドイツやフランスの地方都市が出る。

チューリヒやベルリンでは、マットがなかなか綺麗なドイツ語を喋るシーンがあるし、モスクワ等ではロシア語も喋る(上手いかどうかは私には分からない😞)

あとフランス語やスペイン語を喋るシーンもあったと思う。


共演女優は、第２作の途中で死ぬ役のドイツ女優フランカ･ポテンカが、｢ラン･ローラ･ラン｣時代より色っぽいドイツ美人になった。

特に第１作｢アイデンティティー｣より、数年後撮影された第２作｢スプレマシー｣の方が美人。

また第２と第３作、スピンオフの第４作にも少し出る、情報部の女部長役の女優もなかなかいい。

もう一人の第５作で殺される役の女優も１～３にも出続けだが、上の２人よりイマイチ。ただし第５作で野心持ち、情報部幹部に上りつめるハイテク女よりは余程いい。

対する情報部長官役の悪役男優らは、何人か個性的だった。缶コーヒーのＣＭに出てる彼(名前忘れた)も、その中の一人。

またボーンのライヴァルの殺し屋連中は概して一見して近寄りたくないタイプが多く(いかにも悪人面で)、あれでは現実世界なら目立って暗殺者には向かないだろう!?

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>> 139 対して、日本では余り知られていないマットのより15～20年前のアメリカのテレビ映画｢ボーン･アイデンティティー｣。

主役のボーンをリチャード･チェンバレンが演じている。
こちらはマットとは全く違い、如何にもロマンチックなハンサム(イケメンて言葉は安っぽくて似合わない)で女にモテるタイプの色男な紳士。
日本でもリチャード･チェンバレンは、アメリカ映画｢ショーグン｣で有名か？

しかし｢ショーグン｣の按針役みたいなイカツさ、泥臭さはボーン役の時には全く無い。
(だが実は彼、ゲイだったのであり、カミングアウトしている)

とにかくこちらの｢ボーン･アイデンティティー｣も素晴らしく、もしマットの方が第１作だけ、つまり｢ボーン･アイデンティティー｣だけだったら、私はリチャードの方をより上に見たい！

作風がアクションだけでなくロマンチックで、またラブシーンの音楽もロマン派的ななかなかいい曲。
だがそれだけでなく、筋もいい。

最初の地中海で船から落ち記憶を失う所から、チューリヒ経由でパリに行くまでは、マットのと大体同じ流れだが、より丁寧。

その後の展開は全く変わる。マットの方では結局悪の黒幕だった情報局長の男が、リチャードの方では育ての親だったり。

またマットのボーンは、まあ騙されたにせよ、始めから自ら殺し屋になる志願をしたのに対して、リチャードの方は国際的テロリストを炙り出す目的で、育ての親がそのテロリストに似せた殺し屋にボーンを育て上げ、偽の記憶を埋め込む。

ロマン派好みならば、マットの第１作よりこちらの方が、美しく悲しくロマンチック。そして景色も筋もなかなか良い。

共演女優が私の好みだと少々安っぽかったのが残念。ミシェル･ファイファーみたいだったら最高だったろう♪

マットの方の良さは、まずシリーズ化した事、それからロマンチックな要素をカットし、ある意味、現代的で乾いた世界を描き、その中でひたすら戦う主人公の哀しみが見える点。

あとは特にシリーズ第５作ともなればスノーデン事件より後の世界であり、ボーンがよりハイテク化した敵の監視システム(衛星監視も含む)と至難な戦いをしなければならない、際どいサスペンスだろう!?

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やはり私は映画に関して素人だな💦

マットのボーン･シリーズの女優も悪役のボスらを演じた男優も、聞いたら結構有名な俳優が多かったのに、ほとんど知らなかった。

第２～第４作に出る女部長パメラ役なんか過去にアカデミー賞貰っていた大物らしい。だから中年でも魅力的なオーラを放っていたのか!?

と言うわけで、映画の話は恥さらすだけなので止めて、音楽、宗教、歴史以外に得意な分野である言語(と言っても主に印欧語、特に西方系)について少し。

まず今回は幾つか印欧語について勝手に問題提起したい。

サンスクリットの期限や文法完成が、通説どおりにギリシャ語やラテン語より古いのか、に対する問題提起は過去にしたから、もう余り書かない。
簡単に言えばインドは歴史の年代が全く掴み難い国なので、古典語のサンスクリットも実は親類とされる古代ギリシャ語やラテン語より古いのではなく、その文法整備もアレキサンダー大王のインド遠征以後、ギリシャ人か更に数世紀後にローマ人により、ギリシャ語かラテン語を模範に行われたのでは、という新説だ。
確かにこの説の方が様々な問題がスッキリ解決する。

で今回はまず英語。

英語は言うまでもなく、印欧語の西方系の更に西ゲルマン系の中の一つ。一応、アングロ･サクソン語が母体。だからアングロ･サクソンの故郷である北ドイツとの関係から、ドイツ語、オランダ語、フリジア語と同じ西ゲルマン語に属するのだ。

だが英語は古英語と中英語の間に凄い断絶があり、更に中英語から現代にかけて、またまた急激に変化してしまった。

まあ古英語はドイツ語に当然似ていたのに、それをぶち壊した犯人は第一にイギリスを荒らしたヴァイキング(特にデンマーク人の先祖)と、フランス化したノルマン人(ノルウェー人の一部)だ。
↩

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>> 141 11世紀半ばから15世紀半ばまで、イギリス(イングランド)はフランス語を喋る王朝に支配された為に、かなりの単語や文法がフランス化した。
フランス化とはつまりロマンス語化、言い替えれば崩れたラテン語化したと言う意味。
まあ英語の中に沢山あるラテン語起源の単語は、フランス語からだけではなくて、ルネサンス時代以後に直接ラテン語から取り入れたモノだが。
同様に古典ギリシャ語起源の単語も、ラテン語を通して入った。

まあこうした言語的にも文法的にも滅茶苦茶な侵略や取り入れをやったために、大きな弊害が次第に生じた。

それは…
古代エジプト文字や漢字は、発音でなくて意味を伝える表意文字だから、文字見れば意味が分かる反面、どう読むかは勉強し暗記するしかない。

他方、ギリシャ文字やアルファベット(ラテン文字)、アラビア文字等は意味でなくて音をストレートに表す表音文字だ。
だから規則さえ理解すれば誰でも読めなければ困る。

(で当然、漢字などの表意文字は読み書きが、聞き分けより重要になり、アルファベットなど表音文字は聞き話す音を単に文字にしただけだから書くのは易しく、聞く話す方に重点が置かれる)

ところが、だ。せっかくの表音文字であるアルファベットを使っているのに、英語は発音と綴りの差が酷い。しかも一見似たように酷く見えるフランス語には、規則があり、それさえ覚えたら複雑なアルファベット配列も正しく読める。
だが現代英語にはこの規則さえ無い。てかあやふや。

これでは何の為のアルファベットなのか？
何の為の表音文字を使っているのか？

正直言って、このような合理性に欠ける言語が、単にアメリカが超大国だからと言う理由で世界の共通語みたいに成っているのは、不合理極まる。人類の知的悲劇でもある。

一部で英語の発音と綴りの距離をグンと縮める改革をしようとの動きがあるが、目下全く実現していない。↩

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>> 142 まあ英語には反面、印欧語が伝統的に持っていた名詞や形容詞の格変化、動詞の複雑な人称変化がほとんど無くなり、これがヨーロッパ語系を話す人々以外に、学習にかなり負担が少なくなった、との長所に見える部分もある。

ただしこれは印欧語なのに、中国語などに構造上近づいた事を意味し、格変化、人称変化がほとんど消滅した代わりに、語順の自由が失われた。
何故なら英語や中国語で語順を自由にしたら、何が主語で何が目的語、述語か全く分からなくなってしまうから。

そうした英語の対極にあるのが、印欧語の少なくともヨーロッパ側言語で最も文法と表音文字の規則が模範的に整っているラテン語である！

印欧語では無いが、日本語も単語の後にテニヲハを付ける事で語順が英語よりはるかに自由である。しかしラテン語の自由には遥かに及ばない。

またラテン語同様、発音と綴りが一致していて、格変化や人称変化が複雑なスラヴ系のポーランド語やロシア語であるが、ラテン語と比べて芸術的とも言える文法の規則性は無いし、全く不規則だらけの変化をする。

つまり原始(古代)の印欧語をそのまま引きずっている。

ラテン語も古代には文法の整備が不足だったろうが、ローマがどんどん拡大し、帝国になる頃には完璧に整備された。

あたかもローマ人が得意とした道路、インフラ、法律、戦術の徹底整備みたいに。

それにまたスラヴ系言語は、印欧語を西方系、東方系に分けた場合、ペルシャ/イラン語、インド諸語などと同じく東方系に属する。

西方系はギリシャ系、ラテン系(ラテン語以外にそれが崩れて生まれたイタリア、スペイン、ポルトガル、フランス、ルーマニア語など)、ゲルマン系(ドイツ語、オランダ語、フリジア語、英語など西ゲルマンと、デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、アイスランドなど北ゲルマンに分かれる)、ケルト系(スコットランド、アイルランドなどで元々使われていた言語)。

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>> 143 実はラテン語にも、見習うべき先進言語、先進文化があり、それが古典ギリシャ語であったのだ。

ただしギリシャ語から多大な語彙を借用しつつ、ギリシャ語の文法を解説する言語はラテン語なのだ。

つまりラテン語は、人類によって最も整備された言語と言ってよい。

ただしラテン語には明らかにギリシャ語からの借用語がかなりある。

と言う事で、一応それ以上遡らなくていいオリジナルに完結した言語は、古典ギリシャ語である！

ギリシャ語にも古代オリエント諸語起源と思われる単語が当然あるが、しかし古代ギリシャ人らは希に見る、他言語をギリシャ化する能力に長けていたから、もう専門の言語学者でもないと、ギリシャ語に入った外来語の元の形が分からないくらいになっている。

一例を挙げれば、ペルシャ語のクシャルシャ→クセルクセス、古代エジプトのクフ(王)→ケオプス(王)、ヘブライ/アラマイ語のヨシュア→イエスース、同じくメシア→クリストース(メシアの意味をギリシャ語に翻訳しそうなった)。最後の２語は当然ながら、ラテン語でイエスス･クリストゥスになり、それを通して綴りはラテン語と同じく
JESUS CHRISTUS なのに、英語では不規則にジーザス･クライストと読む⤵

ドイツ語はラテン語と殆ど同じ読み方をする。

日本語ではイエス･キリスト。

つまりラテン語が十分に模範的で基準の言語であるが、さらに高み、奥義まで究めたいならギリシャ語を学ぶ必要がある。
ここまで。それより古い言語はもう学者の専門世界だし、またギリシャ語より古い言語でギリシャ語ほど豊かな文化を持つ言語は無い。

人類最高の叡智はギリシャ語に詰まっており、それを一般化したのがラテン語である。
(もし悟りとか内面探求に関してなら、印欧語の東方系の古典語であるサンスクリットの知識も必要になるが)

片方にギリシャ語、ラテン語、(サンスクリット)がある。

もう片方の極端に現代英語がある。

そしてドイツ語、フランス語はその中間である。
まあ幾分、ギリシャ語ラテン語寄りではあるけれど。

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>> 144 ところで現代ギリシャ語だが、これはもう便宜上、古代(古典)ギリシャ語と別の言語と扱っていいだろう。
(実際にはそう単純でないが💦)

簡単に言えば、さすがに二千年以上経過しているので、聞くだけでは古典ギリシャ語と全く別の言語と思うくらい発音が異なる。

ただしそれに合わせて綴りも変えてあり、その点ではフランス語が読まないのにも関わらずラテン語の名残と言うべき綴りを残していたり、更に英語が全く読み方が違うのにフランス語やラテン語の綴りを無駄に残しているようなケースとは違う。

まあ古典ギリシャ語と現代ギリシャ語の関係は、ラテン語とイタリア語の関係に似ている。ただしまだしもラテン語とイタリア語の方が互いに近いとは思うが…

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>> 145 次にフランス語について触れたいが、余り言語の話ばかりでもマニアック過ぎるから、今は簡単に。

まあこれほど、インテリや美人が喋れば美しく、逆に男女問わず教養ない人々が怒鳴ったり罵ったりすれば醜く聞こえる言語も珍しいだろう？
いや、どの言語でもそうだが、格差の凄さと言う点で。

また中にはフランス語の発音が難しいと考えてる人々が日本などに居るが、実はフランス語とドイツ語の発音は意外に近く、例えばドイツ語母語の者にはフランス語の発音はそんなに難しくない。
逆もそう。まあフランス人が余り真剣にドイツ語の発音を練習しないで喋れば、フランス人だとバレバレになるが(逆のパターンも然り)、しかし互いに発音は通じるレベル。

まあ言語系統は違う(ロマンス語とゲルマン語)が、フランク王国が東西に分裂し、西はフランス、東はドイツに成ったのだから(笑)
フランス語を学ぶならば、英語が母語または堪能な人より、ドイツ語が母語か堪能な人の方が楽だろう。

また欧州には独仏のバイリンガルの人々がかなり多い。どちらも方言だがスイス人で両言語圏の境界地域に住む人々、またルクセンブルク人やアルザス人、更にはオランダやベルギーにも独仏バイリンガルが居る。

またＥＵの関係もあり、独仏互いの国民もかなり相手の言語を勉強する。
だから片言ならドイツ語が理解できるフランス人も結構いる。
ドイツ語圏側でも、英語、フランス語、ラテン語のうち、中学(ギムナージウム)時代には既に最低２言語が必修。
勿論、日本の高校くらいの年齢になれば３つ授業を取っても構わないし、またラテン語を習っていた生徒は古典ギリシャ語を習い始める。

なおフランス語は全ての名詞に男性と女性の区別があるので、指示代名詞を使った場合、それがどの名詞を指すのか、英語よりはるかに明確になる。
故に国際条約などの文書では、フランス語の方が誤解や曲解の余地がかなり減る。

フランス語同様、名詞が男性と女性に分かれるのは、イタリア語はじめラテン語が崩れて生まれたロマンス系言語の大半がそう。

対するラテン語は男性、女性に加え更に中性名詞がある。

これは古典ギリシャ語も同じだし、ドイツ語もそう。

またポーランド語やロシア語などスラヴ語もそう。当然、かなりスラヴ語との関係が深い(と一応言われる)サンスクリットも同様。

• << 168 言語の話に戻って、一番難しい言語は何だろうか？ これには相対的な難解言語と、絶対的な難解言語の２種類が存在する。 相対的な難しさとは、例えば平均的アメリカ人(英語話者)から見た場合、中国語や日本語が一応、最難言語だと統計があるように、母語から他の言語を見た場合だ。 逆に日本語が母語の人から見たら、本当に一番易しいのは朝鮮語で、中国語は音の高低が難しいが同じ漢字文化圏なので、ヨーロッパ系言語が母語の人ほど苦労しない。 他に本来なら日本人が割合楽な言語にトルコ語やモンゴル語がある。 英語はかなり遠い系統の言語だから、ヨーロッパ系言語では一番易しいとは言え、日本人は苦労するのだ。 オランダ人や北欧人、またはドイツ人なら、日本人が十年かけて出来るレベルの英語を半年も勉強すれば十分出来るようになる。 例えばドイツ人にとって一番易しい言語は、一種の方言と大差ない言語であるオランダ語を除けば、英語であろう。 逆にイギリス人やアメリカ人にとって、まあまあの頭脳ならばドイツ語はフランス語やスペイン語、オランダ語に次いで楽。 ただしドイツ人が英語をやる程、楽ではない！ 互いに近い系統の言語にも文法の複雑か単純か、の違いがあるからだろう？ まあどの言語でも、一流文学を書くレベルになったら難しい。 また途上国の中でも超マイナーな言語を取り上げて、最難とか言うのは、その言語の発想が極端に他と異なっていたりするからであり、大体において途上国のマイナー言語は、それだけでは日本の中学生以上の数学も科学も、政治経済や哲学(倫理など)も単語が無くて出来ない。 だから彼らは昔の植民地宗主国の言語(フランス語、英語、スペイン語など)で学校教育を受けているのだ。 だからこういう種類の言語を最難とは言えない。 ↩

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ところで私もかなり以前に作曲したモノを、単に頭の中に閉まっているだけで、楽譜化していないのが沢山ある。

全く面倒だが、やはりそろそろ、少しずつ楽譜に書かないと💦

でもピアノが主、作曲が副である私の場合、仮に作曲で成功したとしてもピアノは止めたくない。

ラフマニノフ３番やハンマークラヴィーアと言う頂点まで達したのだから、止めたら全く勿体ない！

ただ思うのだ。ピアニストは儚く悲しい。
もし１週間練習しなければ、もうラフマニノフ３番だのハンマークラヴィーアだののレベルの曲なら、かなり下手くそに成ってしまう。

まあ元に戻すのは数日で可能だが、しかし言いたいのは、作曲家みたいにくつろいでヴァカンス取っていても、常に頭に曲が浮かべば作曲できる、１週間作曲しないからって作曲力が衰えるワケでは無いのと違い、常に物理法則との毎日数時間の戦いを強いられる、って事だ！

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>> 148 作曲家は、ピアノ曲の場合なら普通、ピアノ弾きながら作曲するが、例えば交響作品や室内楽などは、ピアノ無しで頭の中で基本を作曲してしまい、後に和声の響き等をピアノで確かめたり、オーケストラバージョンを完成させる前に、ピアノ･ソロまたは連弾、４手等の版を書き、最後にオーケストラの肉付けをするのが普通である。

つまりピアノがかなり上手く弾けるのが、大半の大作曲家には常識。そうすれば、仮に屋外で何かピアノ曲でも交響作品でも浮かんできた場合、もう頭の中にピアノが入っているから、事実上、ピアノを弾きながら作曲しているのと同じ事になる。

まあモーツァルトみたいに、最初から交響曲作るのに霊感が湧くと、頭の中で全て完成されてしまい、楽譜書く時、スコアでなくても各パート(楽器)ごとに別々の楽譜を書くことが出来るような化け物も、希にはいるが。

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>> 149 ただしここに書いた、優れた作曲家の心得は、幾分シューマンが具体的に書いた事の影響を採り入れている。

私自身が全くこの通りなのではないし、シューマン以外の大作曲家にはピアノ叩きながら常に作曲していた人もいるのだ。

だからこの問題の分析(先に色々書いたシューマンの個性とも関連して)は、また改めて書こう✋

• << 152 シューマンは良い作曲家になるための心得を、結構書いている。 中でも特に印象に残るのは、 ・ピアノ無しでも、散歩などしながら頭の中で一曲完成させられるようでなくてはならない。 ・一応出来上がった曲は必ず楽譜に書く事。そうやって曖昧な部分が無くなり、真剣に形式などが確固たるモノになるのだ。 ・勉強に終わりはない！ さて、まず最初の文章だが、これがポップスや民謡でなくて、立派なクラシックの作曲ならば、まあ常に実行できるのは天才だけであろう？ いや大概の大作曲家は、屋外では常に五線紙を持ち歩き、何か曲が浮かぶと断片だけでもそれに書き込む。 これをスケッチと言うが、とにかくかなり重要な事と見なす作曲家が多い。 また弦楽四重奏や果ては交響曲まで、現代ではコンピューターの進歩で自宅で少しずつ試演させつつ作曲を進められるが、いわゆる大作曲家らの時代には基本を頭の中で響きを想像しながら作るか、たまにピアノを借りて和声など確かめるしか無かったのだ。 ただシューマンが、自ら書いたようにほとんどピアノに触れずに作曲していたとなると、それが彼のピアノ作品にモロに現れている。 つまり以前レスしたように、ショパンやリストならばピアノの音色や、音域の高低に配慮したピアノ曲を作ったが、シューマンの場合、そういう配慮より音楽そのものの絶対的な価値に重点を置いていた感じがする点。 これは彼の対位法や形式の素晴らしさによく現れているが、反面、ピアノの演奏効果から見ると発揮しにくい、ピアニストによっては何かショパン、リストよりシックリ来ない、イマイチとか感じてしまう事にもなる。 だから私としては、自分の経験から言えば、ピアノ作品を作曲する時はなるべくピアノを弾きながら、その都度、重要なモチーフなどをスケッチしていくのがいいと思う。 多分ショパンなどは、これが徹底し過ぎていて、逆にピアノ以外の楽器(協奏曲のオーケストラ部分など)の作曲もピアノで行ったのだろう？ だから彼の場合、当然、ピアノ以外の作品が少ないのだ。(これには他の理由、例えば二十歳でフランスに亡命して主にピアノ演奏、ピアノ教師として生計を立てねば成らなくて、じっくり交響曲など作曲している環境に無かった等の理由もあるが)

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その前に映画｢サイレンス/沈黙｣に関する最後の感想。

まずいくら何でも日本側の迫害も残酷過ぎ。まあ本場の欧州でのカトリック対プロテスタントの戦争や、異端審問の残酷さも全く酷かったけど。

次に今でも一部の日本人が信じている、当時のカトリック宣教は日本侵略が目的だった、と言うのは、当初はそうだったにしても、もう江戸時代に入れば、ポルトガルもスペインも侵略などとっくり諦めていた。

当時あんなに遠くて、途中で沢山の船が難破するような日本を武力背景に侵略は不可能だと、皆、理解していた。
フィリピンやインドネシアと日本では、根本的な武力が雲泥の差。

その証拠に唯一貿易を許されたオランダ人らは、日本に対しては内心はともかく、平伏し媚びていたのに、弱いインドネシアに対しては事もなげに侵略して植民地にして、現地人から好き放題搾取していたではないか？

また武力侵略されなくても、宣教師らやポルトガル、スペインが様々な陰謀を仕掛けてくる、という説ならば、何あろう、カトリックの危険性を誇張して日本に伝え、次いでに同じプロテスタントのイギリスまでも上手い事言って日本から閉め出し、200年以上、儲かる日本貿易を独占したオランダこそが、陰謀の張本人だったのだ！

近年、教科書から削除されるらしい｢鎖国｣という言葉だが、少なくとも自分以外の欧州諸国を日本から閉め出し、日本貿易独占をしたのはオランダの策略だ。

日本はかなりオランダの策略、陰謀にハマったのだ、と言うのも学術界では常識化している。

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>> 150 ただしここに書いた、優れた作曲家の心得は、幾分シューマンが具体的に書いた事の影響を採り入れている。 私自身が全くこの通りなのではないし… シューマンは良い作曲家になるための心得を、結構書いている。
中でも特に印象に残るのは、
・ピアノ無しでも、散歩などしながら頭の中で一曲完成させられるようでなくてはならない。

・一応出来上がった曲は必ず楽譜に書く事。そうやって曖昧な部分が無くなり、真剣に形式などが確固たるモノになるのだ。

・勉強に終わりはない！


さて、まず最初の文章だが、これがポップスや民謡でなくて、立派なクラシックの作曲ならば、まあ常に実行できるのは天才だけであろう？

いや大概の大作曲家は、屋外では常に五線紙を持ち歩き、何か曲が浮かぶと断片だけでもそれに書き込む。
これをスケッチと言うが、とにかくかなり重要な事と見なす作曲家が多い。

また弦楽四重奏や果ては交響曲まで、現代ではコンピューターの進歩で自宅で少しずつ試演させつつ作曲を進められるが、いわゆる大作曲家らの時代には基本を頭の中で響きを想像しながら作るか、たまにピアノを借りて和声など確かめるしか無かったのだ。

ただシューマンが、自ら書いたようにほとんどピアノに触れずに作曲していたとなると、それが彼のピアノ作品にモロに現れている。

つまり以前レスしたように、ショパンやリストならばピアノの音色や、音域の高低に配慮したピアノ曲を作ったが、シューマンの場合、そういう配慮より音楽そのものの絶対的な価値に重点を置いていた感じがする点。

これは彼の対位法や形式の素晴らしさによく現れているが、反面、ピアノの演奏効果から見ると発揮しにくい、ピアニストによっては何かショパン、リストよりシックリ来ない、イマイチとか感じてしまう事にもなる。

だから私としては、自分の経験から言えば、ピアノ作品を作曲する時はなるべくピアノを弾きながら、その都度、重要なモチーフなどをスケッチしていくのがいいと思う。

多分ショパンなどは、これが徹底し過ぎていて、逆にピアノ以外の楽器(協奏曲のオーケストラ部分など)の作曲もピアノで行ったのだろう？

だから彼の場合、当然、ピアノ以外の作品が少ないのだ。(これには他の理由、例えば二十歳でフランスに亡命して主にピアノ演奏、ピアノ教師として生計を立てねば成らなくて、じっくり交響曲など作曲している環境に無かった等の理由もあるが)

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>> 152 次の｢頭で一応完成させた作品は必ずすぐ楽譜化させる事｣。

これは、ハイごもっとも、と答え、怠惰な私自身をひたすら恥じるしかあるまい💦

最後の、
・勉強に終わりはない！

も全くもってその通り。イタリア･オペラの作曲家何人かみたいに、もうオペラで成功して金持ちになったら、作曲家を引退して悠々自適、なんてのは、芸術家の正しい生き方からしたら邪道なのだ。

ただシューマンの場合、皮肉にもこのモットーが自分自身を苦しめた面もかなりあったか!?

と言うのは、シューマンはロマン派の大作曲家である。ロマン派の中でも大胆に情熱と才能によって、名作を次々に生み出したタイプ。

大体ロマン派自体が形式や伝統より感情や個性を尊重する芸術運動だったわけだが、そのロマン派を代表するようなシューマンの場合、とにかく46歳まで生きた中でも20～30前半までのピアノ作品と声楽作品が、一番個性的な代表作とされている。

つまり長年勉強し続け、30代後半からやっと本物になるバロックや古典派とは全く逆なのだ。

極端に言えばロマン派とは、勉強の積み重ねより、ひとえに天才、霊感の閃きだ。

で、シューマンはその天才の閃きと高い教養により、個性的で優れたピアノ曲と声楽曲を30代初めまでに殆ど書き終えた。

それからは更に勉強し、室内楽や交響曲に踏み込むワケだが、こういう分野の勉強には古典派、更にはバロックの勉強が必要になる。全ての音楽の基礎だから。

だがシューマンはこれらを勉強すればするほど、曲作りの技術や理論を円熟させていったが、逆に若い頃の個性や無茶苦茶な情熱は丸くなり、失せていった。

それでも偉大な作曲家に変わりは無かったが、しかし他の作曲家に無くてシューマンだけに顕著なロマン派的長所というか、シューマンで無ければ聞けないという面は失せていったのだ(と乱暴に書く)。

つまり、｢勉強に終わりはない｣は、シューマンの場合には両刃の剣に成ってしまった可能性が大いにあるのだ。
(彼の晩年ひどくなった精神的疾患の問題を考えない場合にも)

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>> 153 ただ、バロックや古典派は子供時代から勉強続けて、傑作が書けるようになるのは30代半ば以降、つまりこの歳で初めて作曲のマイスターに成れる、と言うのは、バッハ、ヘンデル、ハイドン、ベートーヴェン等には一応当てはまるが、モーツァルトだけは特殊。恐ろしく早熟の天才！

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ところでキリスト教に少し話を戻す。
キリスト教、特に性善説が強いギリシャ正教では、宇宙の絶対者である神が全ての人間を無条件で愛し(アガペー)、罪を赦し、天国へ導く優しい父親のイメージが強い。
これは大変有難いが、我々はそれに甘えるあまり、これらが絶大な特典だと忘れがちになっていはしないか？

と言うのは、例えばキリスト教(正教)以前のギリシャ、ローマの多神教世界では、神々は優しくないから。
ゼウスやアポローンの一面として、天変地異(ゼウスは雷、ポセイドンは地震、アポローンは疫病)を起こしたり、人間を愛するというより失敗作だと考え憎み不幸にしたり(パンドラの箱などやトロイ戦争)、そういう神々を古代ギリシャ人らは畏れ、崇拝してきたのだ。
無論、ゼウスには正義の人の味方をする面がある。またアポローンも学者、音楽家、医者などを大切にした。
だが神話には、｢ある善良な若者がアポローンに気に入られ、最高の贈り物をやると言われた。その翌日、その若者は死んでいた。｣-つまり人生は苦だし(特に古代人にとって)、死は苦からの解放という意味。

また｢神々に愛された者は早死だ｣、と言う格言もある。

古代ゲルマンの神々だってオーディン(ヴォータン)もトールも、荒々しい神々だった。

人間はそういう神、または神々を畏れ、なだめる為に信仰し供え物をしたのだ。

いくら正教キリスト教徒であっても、こういう古代人の神々に対する原点と言うべき概念を忘れず、神に甘え過ぎずに、自分に厳しく生きる事を忘れてはならないだろう？

本来なら不幸や天変地異、理不尽などを神が起こしても我々には文句は言えないのだ。
むしろ我々を愛し、赦し、守るならば、それは神から絶大な特典を受ける事なのであり、こちらも絶大な感謝をすべきなのだ！

(余り哲学-形而上学-に踏み込まずに、一介の人間として単に神や信仰を見つめるならば、こういう事だろう)

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>> 156 勿論、｢神｣の問題を形而上学的にアプローチするなら、以下の他のスレにレスした私の文の一部を引用したように成ろうし、更にこの最後の部分を深く究めねばなるまい！

(前略)人は究極には、自分以外に他人や世界が存在するかしないか、分からないのだ。
全ては夢かも知れない。普通、夢見てる時これは夢だと思わないように。

更に古代インド哲学(特に仏教)や最新の脳科学では、自分という意識(自我)さえ本当は存在しない、と。脳科学によると自我とは、複雑な脳に入る情報処理が円満に進むために、脳が仮に作り出した幻想に過ぎない。
ならば、脳のこういう働き自体は自然の力であり、｢自分｣がそのようにして｢自我｣を作っているのだ、とは言えない。

とにかく自分さえ本当には存在していない、と言ってもよい。

で神についてだが、無神論とは神社や寺も単なる建物、文化遺産と見て、入っても絶対、神や仏に手を合わせない。占いもしない。宗教に関係ある行事は一切行わない立場。

日本人はよく無宗教とか神を信じないと言うが、あれは世界から見たら、様々な宗教行事に関わっているのだから違う。(初詣、困った時の神頼み、盆、仏式葬儀、キリスト教式または神道式結婚、その他まだまだ沢山)
つまり日本人は立派に十分宗教的なのだ。

なお上に挙げた無神論も、いわゆるＧＯＤの代わりに物理法則なり何かの思想(無神論の一つなら共産主義など)を信じているのだから、それが彼らの｢神｣だとも言える。
だからよく無神論者は哲学者にそこを突かれる。

だが絶対に何も信じない立場もある。全て疑うのは不可知論だが、これは有る無しが分からない立場だから、まだ違う。
そうでなくてニヒリズム/虚無主義を徹底させている立場だ。
神もない、世界もない、他人も自分も存在しない、と、何でも究極には無いと否定する。

だが逆説的に、仏教の中観派の｢空｣や禅や荘子などの｢無｣、またキリスト教の神学の一つである｢否定神学｣は、こういう立場を突き詰めてゆくものであり、全てを否定し去った絶対的な｢無｣が、実は｢神｣であるのだ！

このパラドックスを理解するのは簡単では無いが、そういう深く徹底した所まで行かないと、神は分からないと言う事。
勿論、仏教では神とは言わずに空や無と言う言葉を使うが。

(以上、引用ここまで)

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最近、数日かけてあの｢ロード･オヴ･ザ･リングス｣３部作を見た。(日本ではリングと単数だが実際は複数)

まあ21世紀初頭、かなり話題になった映画だし、私は余り関心なかったが一応内容くらい知って損は無いか、と思ったから。

いい点は、ヴィゴ･モーテンセンとユアン･マッケランが名演していた事！

あと原作にそってだろうが、不思議な言語や、また詩的に豊かな台詞が多かった事。

それ以外は…、余り名作と思えなかった。

あのシリーズには、世界中にオタクも多いとかで、私はそれの理解に苦しむのだが。
それが私の素直な感想。

幾つか問題点を挙げると、美しい風景や街、城などは皆ＣＧだが、オリジナリティに欠け、これより数年前に発表されたスターウォーズのエピソード１や２の影響、実際のモン･サン･ミッシェルなどの建築物を真似たモノが多かった事。

第２作｢２つの塔｣や最終作｢王の帰還｣で頻繁にあった戦闘シーンが、戦術的に見て低レベルだった事。
古代ローマ軍の戦術レベルよりずっと低く、監督やスタッフはもう少しそちらの方向を勉強すべきだった。

あれでは子供の童話レベル。

と言うか、戦術を抜きにしても、全体が子供や少年少女を相手にして作られたのであろう、と思われる内容。

見て損したとまでは思わないが、同じＲＩＮＧでも、ワーグナーの｢ニーベルンクの指輪｣と比較したら、芸術的にも内容的にもやはり雲泥の差だった。

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>> 158 この映画３部作みたいに、未成年用(？)の童話では無いが、現代から遥か離れた風景や衣装が出る作品として、まず思い浮かぶのは、ラッセル･クロウの｢グラディエーター｣、コリン･ファレルの｢アレキサンダー｣、プラピの｢トロイ｣か？

｢グラディエーター｣は｢ロード･オヴ･リングス｣同様、沢山の賞を受けたが、ただしこの作品は、70年代頃のソフィア･ローレンが演じた｢ローマ帝国の衰退｣(だったか？)のリメイクに近い。
マルクス･アウレリウス帝が死んで、息子のコモドゥスが跡を継ぐがこれが暴君で、結局、最後にコモドゥスを倒す、と言う筋は全く同じ。
むしろ昔のバージョンの方が多彩なストーリーで良かったかも。

全く賞を与える側の気持ちや基準が分からん！
政治と同じで裏取引が相当あるのは確かなのは分かっているが。

次の｢トロイ｣。これはプラピ演ずるアキレスが全く斬新に見える剣術(剣と楯)の使用が面白かった。
伝統的な神話のイメージなら、アキレスはむしろドルフ･ラングレンみたいな大男の強面で、人並み外れた力とスピード、格闘技とパワーを基にした槍術や剣術を扱う。
ブラピみたいにすばしっこく相手の意表を突いて勝つようなタイプでは無かったから。
↩

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>> 159 ただしこの映画は、ホメロスのイリアスを元にしているが、現代を象徴するかのように、原作に頻繁に登場し人間に干渉する神々が全く出てこない。

監督のヴォルフガング･ペーターゼンは代表作｢Ｕボート｣同様、目に見える世界をそのまま描くリアリズムに徹したのだろうが、神々抜きだとホメロスの詩的世界が全く失われてしまっている。

｢アレキサンダー｣は現実の歴史を描いた映画だし、とにかく上の２作より私はいいと思う。
ガウガメラの決戦の戦闘描写も見事だ！
戦術的にも実際のモノにかなり近く上手く描かれている。

ただ主役のコリン･ファレルが普段、比較的軟弱な雰囲気の役が多く、アレキサンダー大王役にしては少し？だった事、アレキサンダーが妻にしたペルシャ帝国北端のバクトリア土豪の娘ロクサネが黒人女優だった事(史実を考えたら彼女はイラン系なのだから、黒髪のコーカソイドで無ければ全くオカシイ！)、その他いくつかの点に違和感があった。

以上の３作は、今回初めて見た｢ロード･オヴ･ザ…｣と違い、公開当初、劇場で見て、またＤＶＤも当時買ったのを持っている。
(トロイについては数年後に監督がカットされたシーンを加えた完全版も)

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戦術の話が出たから少し書くが、まず真の強い軍隊とは集団戦術に優れ、徹底しているもので、一人の兵士なり騎士がスタンドプレーで英雄になるような軍は、基本的に弱く、未発達なのだ！

人類の軍隊の強さ、戦術の高度さ一度、古代のアレキサンダー大王時代、それから続くローマの全盛期に頂点に達したのであり、その後の中世、近代初期にはかなり落ち込んだのだ。

再びローマ時代の強さを取り戻すのは、18世紀後半、完全には19世紀前半のナポレオン時代を待たねばならない。

それ以後は、機関銃の登場、連発式のピストルやライフルの発達により、近現代の軍隊は古代のより圧倒的に強くなる。

では何故、中世が古代より落ち込んだのか？

まず古代のアレキサンダーなりローマ帝国の場合、一回の会戦に数万人の兵を動員し(ローマの場合、十万人超えも可能だった)、集団の大規模な作戦が出来た事。

対する中世ヨーロッパ。各国が小型化し、また経済的にローマと比べて相当貧困化した。
ゆえに軍隊とは数百人規模が普通で、また騎士の一騎討ちが流行った。
この時代、唯一、大軍を持ちプロフェッショナルな集団戦術が出来たのは、ローマ帝国の後継国家の東ローマ/ビザンツ帝国のみ。

まあ中世には、別に中央アジアの遊牧騎馬民族の強力な戦術が存在したが(フン族、アヴァール、マジャール、そして最後最大のモンゴル)、これらは既にスキタイ、パルティアなど古代にも存在し、勝利の目的が領土獲得より単なる略奪だった事などの理由から、かなりローマ軍などの戦術と異なっていた。

そのため、互いに戦えば噛み合わず、アレキサンダーやローマ軍もこれら遊牧騎馬民族相手には苦戦したのだ。

だが、それ以外に関して言えば、アレキサンダーやローマの軍隊は、専門家によるとナポレオン軍とほぼ互角に戦えるくらい強かった。

具体的にどういう戦術を持ち、そこまで強かったのか、については後に書こう。

ただ｢ロード･オヴ･ザ…｣始め、大体メルヒェン的な映画では、弱かった中世の騎士時代を更に下手にパクって弱くしたような戦術に基づく戦闘シーンを描く。(この方が何人かの個人がクローズアップされるからだろうか？)

真の強い軍隊とは合理的な集団戦術に徹し、いわゆるロマンチックな世界とは無縁なのだ！

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>> 161 専門的になるが、まずアレキサンダー軍の強さの基本は<ファランクス>。
これは重装備歩兵が皆、長い槍を持ち、縦横それぞれ十人ずつで１集団を作る。
これが何十、何百と横に並二重に並ぶのだ。

これは古代ギリシャの伝統戦術を改良、拡大したものだが、すでにアレキサンダーより150年前、アテネ軍はこれの小型版の重装歩兵戦術により、マラトンの野で侵略してきたペルシャの大軍を破っている。

この戦術は簡単に言えば、皆が隊列を乱さず、最前列は全員が槍を前方に向け、２列目以降は槍を斜め上に構えて、敵が近づいたら猛烈に皆で突進するもの。

敵が矢を放てば、全員が左手に持つ楯を斜め前方に構え、矢を防ぎ切る。

とにかく防御は固いし、皆が長槍を繰り出すし、敵にしてみれば巨大な針ネズミ軍団に、突撃を食らう感じだろう？

アレキサンダーの古代マケドニア軍は槍を更に長くして６ｍくらい、更に戦闘中に最前列の誰かが倒れたら、２列目が槍を前方に構え、倒れた前の兵士を踏み越えて、とにかく一列目の代役を果たす。

こういう10×10(場合によっては20×20)の集団が百以上並んで、楯で矢を防ぎながら敵に向けて進んでいく。
更にアレキサンダーは騎兵を重視し、とにかく騎兵軍団が戦闘開始と同時に、敵の比較的手薄な左翼を切り裂きながら、敵軍の後方に回ったり、敵軍の中を引っ掻き回し(これを指揮官アレキサンダー自らが先頭に立って指導したが、この騎兵による敵軍の弱点箇所を突く、また敵軍が混乱して退却できなくする部分、についてはアレキサンダーの天才による敵軍を見る目が重要な要素だった)

さてこうなると、敵は騎兵に乱され、背後を取られ、そのまま前進してくるファランクス軍団により、ことごとく串刺しになる運命。

最後は敵の指揮官が死ぬか逃げるか降伏し、戦闘はアレキサンダー側の圧勝で終わる。

この戦術を基本に、アレキサンダーは、自軍より十倍以上数が多かったペルシャ軍相手の何度かの会戦でことごとく勝利したのだ。

で次の時代のローマ軍もこのファランクスを参考にするが
↩

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>> 162 ローマ軍になると、槍を改良し、いわゆる古代オリエントの槍、滅茶苦茶長いが(笑)アレキサンダー軍の槍、また江戸時代の日本で使われたタイプの槍と似たモノも使ったが、それ以外に、戦場で長い穂先を本体に取り付ける持ち運び便利で、また穂先が折れても取り替え可能な槍も使用した。

また白兵戦に備え、剣もアレキサンダー時代のより丈夫に作り、また集団戦術を考え、中世ヨーロッパや日本の刀みたいな、やたらに長い剣よりも、やむなく至近戦になった場合、相手を数人で囲んで刺すのを目的とした重く、比較的短い剣だった。

実はローマ軍(全盛時代)には、至近戦になるのは同じローマ軍同士で戦った場合がほとんどで、オリエントの軍や、蛮族軍団相手の場合には、ナポレオン時代の大砲に匹敵する、焼けて敵地に着弾すれば炸裂する巨大な石/岩を数百メートル投げられる投石機が発達しており、これで敵軍の大半は崩壊した。

投石機は既にアレキサンダー軍も持っていたが、ローマはそれを改良した。

また、楯、鎧兜なども、重すぎず、しかし何ヵ所かある急所を守り切れるように作られていた。

まだまだローマ軍の優れた点を挙げれば切りがないが、特に私がかなり前に知って驚いた事は…
↩

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>> 163 異民族や蛮族の軍団相手に、平地の戦闘なら白兵戦になる可能性がほぼ無かったローマ軍(投石機、弓、槍などによる)だが、足場が悪い場所や、森林などの場合、白兵戦もあった。

その場合、ローマ軍は何と各百人隊内をそれぞれ３部に分け、それは敵と戦っている兵士(Ａ)と待機している兵士(Ｂ)と既に５分くらい戦い退いて、負傷部分や武具の不具合を直して貰っている兵士(Ｃ)から成っていた。

つまり隊長は笛を持ち、Ａ部隊が敵と５分くらい戦ったら笛を吹き、負傷があるなしに構わず最後方の治療＋休息所に回し、代わりに待機していたＢ部隊がＡ部隊の代わりに敵と戦う。
この時、Ｃ部隊は５分前のＢ部隊同様、待機に回る。
そして５分が経てば、また隊長の笛で戦闘中のＢ部隊は一番後方に下がり休息、今度は待機中だったＣ部隊が戦闘を行い、治療終えたＡ部隊が待機体制に。

これをずっと繰り返す。

敵にしてみれば、一人で長時間戦っているわけだが、相手のローマ兵は５分毎に交代していて、戦っては10分休むの繰り返しだから、当然、疲労の問題から戦闘能力が雲泥の差になり、敗北する。

更にローマ兵は、なるべく一対一の戦闘を避け、３人で敵１人に当たるよう指導されており、１人が敵の前方、他の２人は左右、または１人は背後から敵を攻撃し仕留める。

とにかく絶対に規律を守り、もしどんなに勇者でも勝手なスタンドプレーを行ったならば、厳しく罰された。(死刑もあった)


ここに書いた幾つかの事は、ほんの一例に過ぎず、とにかくローマ軍ともなれば、規律が行き届いたプロの軍団であり、異民族相手ならば仮に指揮官が無能でも、マニュアルさえ守れば大概は圧勝できるように組織されていたのだ！

• << 167 これに補足すれば、混戦の中でローマ軍は皆、同じデザインの兜、盾、剣など持ち、数百～数千人規模でこの交代を行うので、敵側はこの戦術を見抜けない。 同じローマ軍兵士らとずっと戦っているのだ、と思ってしまう。 長くローマに住み、ローマ軍を知りつくした者なら、これら全てを応用して自軍に採り入れ、またローマ軍の武器を奪ったり調達する事が出来れば、稀に勝つ事も出来た。 ただ１～２世紀のローマ全盛時代に、ローマの大軍に圧勝したのはゲルマン連合の族長アルミニウス(羅)/ヘルマン(独)だけである。 とかく部族単位で内紛ばかりしている周辺民族では、ローマ軍団みたいな大規模な軍に規律ある行動を取らせるのは不可能で(指導者の権力不足から)、仮にローマ軍の戦術を知っても白兵戦になれば唯々無茶苦茶に斧か長槍で暴れまくるスタンドプレーだらけだったのだろう。 ただし彼ら(特にゲルマン人ら)は徐々に傭兵としてローマ側に仕える者も増え、更に繁栄で軟弱化したローマ人の代わりに正規の軍に入る者も出てくる。 つまり３世紀以降のローマ軍とは、元々ローマ人だった者よりゲルマン系が多くなっており、まあこれが後の西ローマ帝国滅亡につながる一因になる。 他方、元々豊かでギリシャ、エジプトなど先進地域を持っていた東ローマ帝国は、６世紀にはイタリアや地中海地域の旧西ローマ帝国領を支配していたゲルマン諸族から領土を奪い返したり、ゲルマン以上に強敵だったペルシャを百年戦争の末に破る。

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１週間近く前に、ドレスデン･フィルの生演奏で、ブラームスのヴァイオリン協奏曲と交響曲１番を聞いた。

指揮者とソリストの名前は伏せる。批判する箇所も書くから、個人情報はマズイだろ？

まずヴァイオリン協奏曲だが、私は常々、この曲がかなり好きだが、とにかくこの曲は一流のヴァイオリニストとオーケストラが弾いても、演奏スタイルの好みが微妙で、大体自分にしっくりくる名盤に出会うには、ＣＤを十枚くらい買わないとダメ💦

これは各人の趣味に相性がいい演奏を選ぶと言う意味だから、私によい演奏が他人にも良いとは限らない。

この問題は特に第１、第２楽章に言える事。

つまりこの作品は、渋く哀愁漂う第１、第２楽章と、どちらかと言えば派手な第３楽章の断絶が問題であると、私は思う。

第１、第２を相性いい名演で堪能し、デカダン気分をじっくり味わった後だと、第３楽章が雰囲気をぶち壊してしまうのだ。


だが今回のコンサートでは、全く逆で第１、第２がソリスト、指揮者、楽団の性格から全く感じるモノを与えてくれなかった代わりに、第３楽章が華麗な名演で、私も今まで好きでなかったこの第３楽章の魅力を改めて味わえた。

つまりソリストのタイプ、感受性が、パガニーニやチャイコフスキーの協奏曲に向いているのではないか、と思う。

または指揮者が第１、第２楽章を速すぎるテンポを取ったから、こうなったのか？

と言うのは、後半のブラームス交響曲１番も全体的にテンポが速く、じっくり味わうという感じでは無かった。一緒に聞いていた息子など、何か現代音楽みたいだと言っていたし。

まあブラームス１番は、一つずつの和声はワーグナーやリストみたいに無調目指したモノとは逆に、むしろ古典的なのだが、次の和声との間隔を縮め過ぎれば(つまり速すぎるれば)、前の和声の余韻が残っているから、かなりの前衛的(笑)な不協和音の作品に聞こえるわけだ！

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>> 165 とにかく一流の演奏なのは確かだろうが、何かいかにも旧東ドイツ時代の演奏を連想させるような内容ではあった。

あとドレスデン･フィルのメンバーをチラと見て、とにかく外国人てか異民族、異人種が皆無に近い。
さすが外国人、移民、難民嫌いのザクセンだけの事はある(笑)

これでは近年少しずつ開放的になったウィーン･フィルよりも、昔のウィーン･フィルを見ている感じだった。
ただ勿論、楽団自体に自然に備わっている音楽性については、ウィーン･フィルの方がかなり上だが。


と言うか、一部の超一流の楽団を除くと、近年の生演奏は何か軟らかさが少なく、ＣＤのデジタル的な雰囲気の音と大差ない。

つまりこれなら、家で立派な装備でＣＤを聞いている方が、仕上げはより完璧だし色々選べるし、この方が良いくらいだ。

まあやたら音響にこだわるマニアならば、ＣＤも1990年代以降の録音でないと、生演奏と同じようには響かないが、しかし逆に(シューマンのところで書いたように-笑-)音響より表現力や内容重視ならば、有名曲に関しては昔の巨匠らの名演が揃っているわけで、新たにそれを超えるような名演をしかも生演奏で期待するのは、不可能に近い！

まあだからこそ、現代の指揮者らはあれこれ斬新さを求め、テンポを速くしたり逆に遅くしたり、ある楽器を特に強調したりするのだろうが…

あと軟らかい音色と味わいを備えた弦楽演奏に関して、全般的に近年、落ちてきているように感じる。

まあウィーン･フィル、ロイヤル･コンセルトヘボー辺りは健在だが。

またベルリン･フィルもそれなりに、総合的に見れば健在だろう!?

ただし街並みや生活スタイルの変化は、一流オーケストラの団員一人一人にも影響してきているわけで、もうブラームスのヴァイオリン協奏曲(特に第１、第２楽章)をそのまま自然体で感じさせるような、街並みはウィーンにはあってもベルリンには無い。

次第に世界は機械化、ＡＩ化していくのだ😢

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>> 164 異民族や蛮族の軍団相手に、平地の戦闘なら白兵戦になる可能性がほぼ無かったローマ軍(投石機、弓、槍などによる)だが、足場が悪い場所や、森林など… これに補足すれば、混戦の中でローマ軍は皆、同じデザインの兜、盾、剣など持ち、数百～数千人規模でこの交代を行うので、敵側はこの戦術を見抜けない。

同じローマ軍兵士らとずっと戦っているのだ、と思ってしまう。

長くローマに住み、ローマ軍を知りつくした者なら、これら全てを応用して自軍に採り入れ、またローマ軍の武器を奪ったり調達する事が出来れば、稀に勝つ事も出来た。

ただ１～２世紀のローマ全盛時代に、ローマの大軍に圧勝したのはゲルマン連合の族長アルミニウス(羅)/ヘルマン(独)だけである。

とかく部族単位で内紛ばかりしている周辺民族では、ローマ軍団みたいな大規模な軍に規律ある行動を取らせるのは不可能で(指導者の権力不足から)、仮にローマ軍の戦術を知っても白兵戦になれば唯々無茶苦茶に斧か長槍で暴れまくるスタンドプレーだらけだったのだろう。

ただし彼ら(特にゲルマン人ら)は徐々に傭兵としてローマ側に仕える者も増え、更に繁栄で軟弱化したローマ人の代わりに正規の軍に入る者も出てくる。

つまり３世紀以降のローマ軍とは、元々ローマ人だった者よりゲルマン系が多くなっており、まあこれが後の西ローマ帝国滅亡につながる一因になる。

他方、元々豊かでギリシャ、エジプトなど先進地域を持っていた東ローマ帝国は、６世紀にはイタリアや地中海地域の旧西ローマ帝国領を支配していたゲルマン諸族から領土を奪い返したり、ゲルマン以上に強敵だったペルシャを百年戦争の末に破る。

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>> 146 次にフランス語について触れたいが、余り言語の話ばかりでもマニアック過ぎるから、今は簡単に。 まあこれほど、インテリや美人が喋れば美しく… 言語の話に戻って、一番難しい言語は何だろうか？

これには相対的な難解言語と、絶対的な難解言語の２種類が存在する。

相対的な難しさとは、例えば平均的アメリカ人(英語話者)から見た場合、中国語や日本語が一応、最難言語だと統計があるように、母語から他の言語を見た場合だ。

逆に日本語が母語の人から見たら、本当に一番易しいのは朝鮮語で、中国語は音の高低が難しいが同じ漢字文化圏なので、ヨーロッパ系言語が母語の人ほど苦労しない。
他に本来なら日本人が割合楽な言語にトルコ語やモンゴル語がある。

英語はかなり遠い系統の言語だから、ヨーロッパ系言語では一番易しいとは言え、日本人は苦労するのだ。

オランダ人や北欧人、またはドイツ人なら、日本人が十年かけて出来るレベルの英語を半年も勉強すれば十分出来るようになる。

例えばドイツ人にとって一番易しい言語は、一種の方言と大差ない言語であるオランダ語を除けば、英語であろう。

逆にイギリス人やアメリカ人にとって、まあまあの頭脳ならばドイツ語はフランス語やスペイン語、オランダ語に次いで楽。
ただしドイツ人が英語をやる程、楽ではない！

互いに近い系統の言語にも文法の複雑か単純か、の違いがあるからだろう？

まあどの言語でも、一流文学を書くレベルになったら難しい。

また途上国の中でも超マイナーな言語を取り上げて、最難とか言うのは、その言語の発想が極端に他と異なっていたりするからであり、大体において途上国のマイナー言語は、それだけでは日本の中学生以上の数学も科学も、政治経済や哲学(倫理など)も単語が無くて出来ない。

だから彼らは昔の植民地宗主国の言語(フランス語、英語、スペイン語など)で学校教育を受けているのだ。
だからこういう種類の言語を最難とは言えない。
↩

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>> 168 対する絶対的な難易度とは、その言語を母語とする人が基本をマスターするのに、どれくらい苦労するか、時間が掛かるか、が目安になる。

これはデータによると、英語の場合は12歳で、一番では無いが比較的易しい方。
日本語も真面目に勉強する子なら常用漢字の範囲が基礎だから、大体12歳だ。

対して一番難しいのは、何とポーランド語であり、16～17歳。一応ポーランド語が出来る私にはその理由が分かる。
とにかく文法が滅茶苦茶、難しいのだ。アメリカや日本の大学生が難しくて引いてしまうロシア語よりも更に複雑で難しい。

(これはポーランドボールみたいにポーランド人はバカとは言えないな💦
或いは母語がこんなに難しいからマスター出来ない連中が多くて、結局、表現手段である言語が中途半端で終わる人が多く、バ●のままでいるのかも-笑-)

実際に日本人見ても、基礎的な日本語が出来ていない若者や大人がいるように、どの言語でもいくら母語でもよく出来ない人はいるものだ。
因みにドイツ語も、基礎というか中級をマトモに話し書き出来るには、ギムナージウム卒業(日本だと偏差値60以上の国語成績で高校卒業する)レベルでないとダメ。

この絶対的な難易度を無視すると、例えばフィンランド語やハンガリー語が超難しい、とか言う事になってしまう。どちらも印欧語では無いから、英独仏露など印欧系のメジャー言語が母語の人々から、難しいとレッテルを貼られるからだ。

同じく日本語もそう。中国語は私自身、全くやった事がないから何とも言えないが、やはり我々印欧系が母語から見て難しいのでは？

またロシア語のエキスパートから聞いた話では、ロシア語は文法(格変化、動詞変化など)が英語は勿論、ドイツ語より複雑だから、最初の２年くらいは難しいが、それを乗り切ればその後は自然に伸びていく、と。

逆にイタリア語は、最初はまあ英語よりは遥かに文法が複雑とは言え、フランス語より楽なはず。
しかし２年勉強する範囲ならロシア語よりずっと楽に思えても、それ以後が常に傾斜ある坂をずっと上り続けるような難しさがある、と。

私のイタリア語は最初の２年レベルを越えていないから(笑)、この経験をまだ味わっていない。
↩

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>> 169 ただしポーランド語に関しては、最初から難しいと感じたし、結局、２年弱のポーランド滞在中は文法(格変化)はいい加減でとにかく喋って、また聞いた。

幸いポーランド語は世界のメジャー言語でなく、現地人もこちらが喋るだけで驚き喜び、文法の細かい点を気にしなかったからこの方法で誰ともコミュニケーションが取れた。

ただ聞く方は最初、大変苦労したが、何とかテレビ見ても70～80％は理解可能になれた。


ポーランド語がある程度、話せて理解できると、便利なのはスラヴ系言語が自然に幾らか分かるようになる事。

チェコ語とスロヴァキア語がポーランド語同様、西スラヴ語で一番近いが、ただ連中はドイツ語がある程度出来るケースが多いので、こちらも楽してドイツ語のままでOK。

だが東スラヴのロシア語、ウクライナ語、また南スラヴのセルビア語、ブルガリア語など(クロアチアはセルビア語とほぼ同じ言語だが、クロアチア人にはドイツ語が通じる場合がかなりある)などを、聞いていると、最低限の部分はポーランド語の知識で何とか理解できる。

実際、最近喋ったウクライナ大使夫人とは、こちらはほとんどポーランド語使ったし。まあ大使本人ならドイツ語が出来るハズだけど。

つまり、やる気さえ起きればロシア語も最初の２年間の苦難が殆ど無くて済むって事だ♪


まあ目下は歴史が浅いキリル文字には関心持てず、どんなに難しい文法でも古代ギリシャ語の方を優先しているけれど。

因みにラテン語は、不良娘らであるイタリア語、フランス語、スペイン語などより遥かに文法が複雑だが、その代わり風格がずっと上。

大体ポーランド語並みの難しさだろうが、我々には単語などでずっと馴染み深いし、一応ギムナージウムで勉強させられたし、また歴史を考えたらずっと意義が大きい。

ただし現代での話者となると、約５千万のポーランド語に比べ、ヴァチカンの法王や枢機卿、エリート神父、また欧州各地のインテリのラテン語会話愛好家などしか居ないから、その点でとにかく外国語とはまず喋って自己主張したくて、文法をその為に覚えるタイプの私には、これ以上のレベルアップが少しキツイ。

だが古典ギリシャ語と比べたら、何とか喋る可能性が残されているだけマシだ！

(全く現代ギリシャ人らめ、ギリシャ語の発音を滅茶苦茶にしおって💢)
↩

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>> 170 ところでポーランドの隣にリトアニアがあり、リトアニア語が使われている。

これはスラヴ語とは一応別のバルト語の一派だが、元々スラヴ語とバルト語は近いし、またリトアニアは中世にポーランドと組んで、同じ国だったから、現在でもそれほどポーランドと離れた国というイメージは無い。(近い、イコール仲がいい、と言う意味でもないが)

でリトアニア自体は小国だが、同じくバルト３国の中のラトビアと共にバルト系言語を喋っている。
(一番北のエストニアはフィンランドの親戚で、本来アジア系言語)

このリトアニア語が20世紀後半から注目されるようになったのは、もしかして印欧系の欧州側の祖語(４千年以上前)に一番近いのでは無いか、と学者らが考えてからだ。

理由は１世紀頃、ローマ帝国が琥珀を求めて、その最大の産地である今のリトアニア(及び旧プロイセン)地域にローマ人の一隊を派遣したところ、そのローマ人ら(ラテン語話者)が現地人(リトアニア語話者)と、不思議なくらい互いに言葉が通じた、と記録にあった事から。

私はリトアニア語を知らないが、実際にラテン語や他の古い時代の欧州語と、共通点が多いらしい。

これは基本的にそうなのであって、英語みたいにずっと後に一方的にラテン語起源の単語を取り入れたとか表面的な話では無い！


ただし近年は、まあ欧州語の祖語めいたモノはあったかも知れないが、インドやイランまで含めた印欧語の祖語があったとの説を、疑問視する学者も出てきた。

またそもそも、サンスクリットを見て、文法がギリシャ語やラテン語に似ている面があるからと言って、印欧語と１括りにしてよいかどうかも疑問視されてきた。
↩

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>> 171 インド自体に高度な文明があったのは確実だが、インド人自身が年代を全く記していないで、歴史的事実に無関心だったので、仏陀がいた年代も前後200年くらい諸説あるし、中には仏陀自体の歴史的存在を否定する学者もいる。

同様にサンスクリットも、アレキサンダー大王のインド侵略以降、ギリシャ語の影響で整備され文法が出来上がったと考えても不思議では無い。

インドに与えたギリシャの影響は多大だったのだから。
例えばインドに欠かせない占星術は、ギリシャからもたらされたモノ。
また何よりも、バラバラだったインドに初の統一王朝が生まれたのが、アレキサンダーの侵略の影響。
これはインドとは逆に、歴史記述マニアで、自国だけでなく他国の歴史も細かく記述したギリシャ人らの文献にそうあるから、間違いない。
いわゆるマウルヤ朝だ。


後の問題は、印欧語説がイギリスの学者によって唱えられた時期が、ちょうどイギリスがインドを植民地化していく時代と重なる事、またアラビア語なども古典ヨーロッパ語やインドの言語に似た面を持つらしいが、憎いイスラム教徒(笑)の言語だから、ヨーロッパ語と全く無関係扱いしているのでは、との説もある。


こうなると政治が裏で絡んでいるわけだ。やはりな(笑)

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>> 172 という事で、一応相対的な難解言語は人口が圧倒的に多いヨーロッパ系言語話者と東アジア系言語話者の双方から見て、同等に難しいとされているアラビア語。

また絶対的な難解言語は、今では使われていないが重要言語として勉強されているモノも加えると、古代ギリシャ語となろうか？
(ホメロスから新約聖書までだけで千年間、ありとあらゆる偉大な文学や哲学を産み、単語だけでも英語が最大でも50万と言われるのに対して、古代ギリシャ語はその十倍の500万、また唯でさえ文法が難しいのに様々な方言で偉大な作品が書かれているから、これは多分圧倒的。更に４世紀のキリスト教公認までの神学、哲学書も大半がギリシャ語で書かれ、その後のビザンツ時代も加えたり14世紀まで様々な神学書が書かれている)

まあヨーロッパ系言語が母語の者には、古代中世のギリシャ語と共に中国語が難しいかも知れないが、中国語は多分、文法より漢字が問題でしかも現代の共産中国語のより、孔子から唐時代までの古典が難しいのだろう？

ただしヨーロッパ系言語話者は、実際より中国語や日本語を難解だと思っているところがあり(単なるステレオタイプゆえに)、例えば格変化や動詞変化が著しい言語の話者から見れば、少なくとも日本語の文法はそれほど難しくない！


ドイツ語や日本語は勉強すればモノに出来るが、ラテン語は無理だ、と言っているアメリカ人(実際にこれらを全て勉強した結果)もいると聞く。

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明日以降は少しポーランドのノーベル賞作家シェンキェヴィッチの代表作ＱＵＯ ＶＡＤＩＳ(正しい高貴なラテン語の発音だとクオ･ワーディスに近いが、別にクオ･ヴァディスでも間違いではない)について、またその後はモーツァルトのピアノ協奏曲でも語るかな？

それともヒトラー暗殺未遂事件を扱った｢ワルキューレ｣か、ハイドリヒ暗殺についての映画｢ハイドリヒを撃て｣(だったか？)にするかな…

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>> 174 ＱＵＯ ＶＡＤＩＳについてだが…

作者シェンキェヴィッチは、大体トルストイと同時代のポーランドの作家。
このネロ時代のローマ帝国について描いた｢クオ･ワーディス｣以外にも、｢火と剣｣(だったか？)三部作などの中世末期の大国だったポーランドが次第にスウェーデンやロシアとの戦いで衰退していく時代を描いた歴史大作もある。

トルストイは彼を評して、二流のホメロス、一流のデュマ、と言ったとされる。

つまり彼の歴史小説は、トルストイの｢戦争と平和｣みたいな哲学を含む作品より劣るが、一流のデュマと言う事は大衆文学の中では頂点にある、と言いたかったのだろう？

さて原作はポーランド語だが私は十代に独訳で読んだ。
一応筋立てはしっかりしていて見事。

ただ、これは作者が悪いわけではないが、この作品が大ブレイクしノーベル賞まで取ったので、その後、ローマ史専門家が口を揃えて、｢安物の小説や映画に限って、ネロとキリスト教徒迫害を描く｣と言われるようになる前例を作ってしまった。

かなり前のスレ(ローマ帝国 １、２、３のどれか)に書いたように、ネロの迫害はキリスト教の本質がローマの伝統文化を脅かすと考えた後世の迫害とは異なり、単にローマの大火の責任をまだ新しい宗教だったキリスト教になすりつける為で、単発的な深い理由もない迫害だったのだ。

ところでこの作品が、21世紀初頭、ポーランド/アメリカ合作で６話に分けたドラマ映画として、映像化された。
1950年代のハリウッド映画の方はかなりダサいと噂だが、こちらの新作は予想よりかなり良かった。
↩

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>> 175 驚いたのが、意外にポーランド人男優らがローマ人の役に合っていた事。

ただし女優陣は、いわゆるポーランドのスラヴ的に甘い美人が多く、イマイチ合っていなかった。

ヒロインのリギ族の王の娘リギアにしても、解説通りなら作者が暗にポーランド民族の先祖としたかったのと異なり、ラインとドナウを挟んでローマ帝国と対峙していたならゲルマン系つまりドイツ人の先祖の一つ。

だからリギア役も本当ならキリッとしたドイツ的美人の方が良かったのだ。

またローマ貴族の女達ならやはりイタリア女優が一番似合うであろう？

こうした問題と、予算の関係からか最後の第６話が原作と比べて駆け足になってしまった部分が、残念だ。

だが全体的には良かった！

ただこの作品、映画よりも特に原作の小説に顕著な問題がある。

それは…

作者は一応、ペトルスやパウルスまで登場させ、初期キリスト教世界の素晴らしさを、当時の堕落しているローマの異教世界に対比させて描いているのだが。

ただ原作を読んだ印象だと、ペトローニウスに代表される古代ギリシャ･ローマの異教的な美、芸術の世界(ネロやティゲリヌスの只々堕落してグロくエグい異教世界ではない)が、魅力的に生き生き描かれ、対する初期キリスト教の世界は単に教会の説教くさい、つまらない世界に成ってしまっている事。

つまり作者も無意識に、古代の異教的世界の美を高く評価し、憧れていたのかも知れない。
ただ勿論、ポーランドはヨーロッパ１カトリック熱心な国だし、キリスト教を善、対する異教世界は善の前に滅びゆくモノと形式的に描いたのは当然だったろう？

ドラマ映画版の方がキリスト教世界を感動的に描き、オーソドックス/ギリシャ正教徒である私もカトリックかオーソドックスかの違いを超えて時々感動のあまり、画像を止めてイコンに向かい十字を描いたくらいだ！

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>> 176 ただし、この古典古代(いわゆるギリシャ･ローマの多神教時代)とキリスト教の対立と言う近代ヨーロッパ人が葛藤した問題は、極言すれば西方教会地域(カトリックとそれから生まれたプロテスタント諸派)の問題であり、東方教会地域(ギリシャ正教や他のオリエント諸教会)には無いものである。

何故なら古典ギリシャ文化は、アレキサンダー以降、ヘレニズム文化に以降し、ギリシャ語圏(ギリシャ、エジプト、シリア等)がローマの支配を受け出してからも、ローマ文化(ラテン語文化)は表面だけで本来の実際はずっとヘレニズム文化とギリシャ語を保ったのだ。

そしてそれが次第にギリシャ語圏で広がるキリスト教に数百年かけて取って変わられてビザンティン文化になるわけだが、一部、その過程でキリスト教と多神教の葛藤はあったが、大概は思想的にヘレニズムのコスモポリタニズムや神秘主義が発展したモノを、キリスト教側も神学に受け入れ、ヘレニズム→ビザンティンの流れは円滑に進んだのだ。

故にビザンティン文化であるギリシャ正教は、古典古代(ヘレニズム)が変容した姿でもあり、近代になって今更、古典古代とキリスト教(ギリシャ正教)の葛藤など起きようが無かった。
(ロシアなんかは更に、古典古代に余り関心を示さず、彼らの古典なり模範と言えばビザンティン文化だった)

大体、西方のカトリック地域は古代末期に西ローマ帝国が滅亡してから、次第に古典文化(ヘレニズム)が薄れ、次第にキリスト教オンリーに成っていった。

それもビザンティン文化のキリスト教より、ゲルマン民族の影響を取り入れたキリスト教に。これが簡単に言えば、十字軍を送り出した中世カトリックであった。

それから数世紀が過ぎ、ルネサンスが起きると、急にビザンツ(東ローマ帝国)やイスラムから古典ギリシャの文献がカトリック地域に入ってくる。

まあ近代ヨーロッパの古典文化(ギリシャ･ローマ多神教文化)は、実物より遥かに近代ヨーロッパ化された形の理想像に変えて理解されたのだが。

ともかくそうなると、優れた古典文化が、キリスト教(西方キリスト教)と相容れない！
↩

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>> 177 それでもカトリックはまだ、絵画や彫刻にキリスト教だけでなく、彼らが理解するタイプ(笑)の古典文化をモチーフ化したり、高位聖職者や貴族らは熱心なキリスト教徒の仮面被りつつ、内心では古典文化に憧れていたり…

だがこの欺瞞をルターなどに突かれた。
プロテスタントは無数に派があるので、中には教養としての古典文化を黙認した派もあるが、他方、ヘレニズムはキリスト教の純粋さを汚すとして古典を排除し、原理主義化した派も多い。

概して、だからプロテスタントはキリスト教信仰を古典やヘレニズムの多神教文化と厳しく分ける。
寛容な派でも、後者は学術研究の対象だったり教養の範囲に留める。心酔したらもう正しいキリスト教徒では無くなる。


ここでQUO VADISの原作にも見られた作者の葛藤、キリスト教を善で正しいとしながらも、多神教の古典文化の美に抗えない姿は、とにかく中世の約千年近く、西方教会が古典文化と断絶していたからに他ならないのだ。
作者シェンキェヴィッチはカトリックだろうが、やはりこの問題からは自由になれない。

他方、ギリシャ正教つまりビザンティン文化は、古典ヘレニズムがそのまま変容し、全く断絶していない姿なのは、前のレスに書いた。

例えば先に言ったキリスト教は善、古典文化は美と言う矛盾自体が、ビザンティン文化には無い！

何故ならキリスト教は善であり美であるから。

この美の概念が、西方キリスト教には脱落しているように思う。美とは何か罪深いようなイメージか？

しかしプラトンも、また正教会が取り入れた新プラトン主義も、善と美は対立せず同じ至高なモノなのだ。↩

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>> 178 これには既にギリシャ語で書かれた旧約聖書である七十人訳自体にその概念がある。

創世記の初めを見ると、よく、｢神が何日目に何々を創造した。神はそれを見て満足した。何故ならそれは良かったからである。｣等と日本語訳だけでなく、ドイツ語ルター訳にも出てくる箇所。

だがギリシャ語七十人訳(紀元前２世紀にヘレニズムの下でヘブライ語から訳された旧約聖書)によれば、｢良かったから｣が｢美しかった｣になっている！

つまりこの七十人訳を旧約聖書と認めている正教会と、例えば５世紀過ぎに成立したヘブライ語のユダヤ教聖書(キリスト教なら旧約聖書に当たる)からの訳を旧約聖書と認めている、特にプロテスタントでは、当然、善と美の関係について異なってくるのだろう。

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ここ数週間、銀座のホールで毎週土日、全部で４週間つまり８公演でモーツァルトのピアノ協奏曲全21曲が演奏される催しがあり、私はその内、半分の４公演を見に行った。

まずモーツァルトのピアノ協奏曲は常識では全27曲のハズだが、何でも最近の研究で初期の６曲は、他の作曲家の弦楽四重奏などからの編曲で、正式にモーツァルト作のピアノ協奏曲は21曲らしい!?

まあ彼の41ある交響曲は、割合以前から父親が作ったモノ(２番、５番その他)やハイドンの息子が作った交響曲を借り前奏だけ付けて急場をしのいだモノ(37番)とか、判明しているが。


ピアノ協奏曲もそうだとは、最近まで知られていなかったような～


さて演奏者はアメリカ人、指揮者はカナダ人、オーケストラは日本人からなる小型オーケストラ。

一度に(１ヶ月)に21曲の協奏曲を弾くのだから、当然、質より量に成りがちだが、まあまあ質も良かった。少なくとも私が聞いた幾つかの名作では。

私が聞いた中で、特に作品自体が優れていたのは18、20、21、23番だろう？

まあ特に20と23はモーツァルトのピアノ協奏曲の最高傑作だろう!?

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>> 180 ただ自分でも気づいたのだが、私はモーツァルト等のピアノ作品を生で聞く時、ピアノ演奏家より作曲家の眼と耳で自然に聞いている！

つまりこれは、真の私の天分はまだ少年時代に教授が見抜いたように、やはり作曲家なのだろう？

ただ当時からピアノで難曲、大作がよく弾け、また作曲はどうしても後期ロマン派より新しいいわゆる近代、現代音楽が嫌いで、向いていなかったから、いつの間にかピアニストに成るべく、ウィーン音大のピアノ科に入り、それから今日までピアノが主職なのだ。

もし150年くらい早く生まれていたら、作風から言って二流のシューマンまたはチャイコフスキー辺りに成っていただろう、とは容易に想像できる。

自分で言うのも何だが、近年やたらとナクソスなどでＣＤ化されているゴドフスキーだのタールベルク、アルカン等よりは、魅力あるオリジナル･メロディと対位法が作れるのだから。


まあこの話は置いて、とにかく私はリストやラフマニノフの難曲でない限り、ピアニストより作曲家の眼で生演奏を味わう傾向のようだ。

さてそこで作曲家としてモーツァルトのピアノ協奏曲を眺めた場合…

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>> 181 これはモーツァルトが悪いと言うより、当時のフランス革命前の貴族がパトロンを独占した音楽界の問題だが、とにかく作曲家は人気あるうちに、どんどん新作を発表し、一つの作品を様々な角度から推敲したり書き直したりする時間が全く足りなかったのだ。

しかもピアノ協奏曲は、貴族の広い庭園での茶会やパーティーの為のバックミュージック扱い。
つまり聞きながら貴族らは自由に歩き回り、お喋りに耽り、そうした雑音の中、ピアノ協奏曲が演奏された。

独奏者は勿論、作曲者自身。また、あの時代の協奏曲は規模やスタイルから言ってオーケストラが小編成で、普通は作曲者であるソリストが指揮も兼ねた。

つまり余りに深い内容の作品は、却って貴族らが聞き耳を立て出し、せっかくの社交が途絶え勝ちになったりするから、却って敬遠される場合さえあった。酷い時代だ！

で、モーツァルトより前のヘンデルの作品や、同時代のハイドンの交響曲なども、こういう扱いを受けていたのだ。

バッハの場合も、管弦楽組曲やチェンバロ組曲などは同じ扱い。

ただ彼には宗教音楽やオルガンがかなりあるから、これらは一応、教会で演奏され、聞く側も割合静かだったと想像される。しかしオルガン作品については、難解過ぎると非難されたり、とにかくバッハの作品は分かりにくいとかで、生前は余り評価されなかったのだ。

まあその分、イギリス王室に仕えたヘンデルと違い、地味にザクセンで生活したから平均律曲集からフーガの技法まで、オタク的な偉大な遺産を残せたわけだが。

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>> 182 でモーツァルトに戻ると、ピアノ協奏曲20番みたいな暗く情熱的な傑作や、23番みたいな輝きに満ちたベートーヴェンの｢皇帝｣の元祖みたいな作品は、レベルの割に評価が足りなかったり、短調の曲など下手したら貴族らに批判されたり…

貴族らは気紛れで、18番の頃は大変持て囃したモーツァルトのピアノ協奏曲も次第に人気を失い始め、遂に26番｢戴冠式｣など名前だけは立派に付いているが、モーツァルトも23番みたいに本腰入れて作曲しなくなった形跡が見られる。

これはピアノ･パートのオリジナル楽譜が、演奏者モーツァルトにだけ分かればいいように、左手はじめ幾つかの箇所が全く書かれていなかったり(後に学者らがあれこれ争いながら補足)、せっかくの美しいモチーフを見事に展開させないで無駄使いしていたり、様々な部分に見られるのだ。

だがやはり200年以上経っても大衆の耳は、昔の貴族と大差ないようで、26番｢戴冠式｣が弾かれる日だけは会場が他の日の倍くらい混んでいたわ(笑)

全く音楽もロクに知らない小金持ちのオバサン、オジサンらが、今日はモーツァルトの｢戴冠式｣聞いてきたのよ、と他の俗物連中に触れて回りたいが為に😱


｢戴冠式｣とは別の意味で、いわゆる大傑作でないモーツァルトのピアノ協奏曲は、提示部をオーケストラが暗示してからピアノが始まる部分、カデンツァが始まる部分などがワンパターンと言うか、指揮者にも多少依るのだろうが、とにかく見え見えで、この点ではやはり後世の何度も推敲し考えぬいて作曲されたベートーヴェン以降のピアノ協奏曲とは違う！

まあ常に数日から１ヶ月以内に協奏曲を一曲作っていたモーツァルトの天才ぶりには脱帽するが、改めて次のベートーヴェンの凄さと背景にあったフランス革命の力を実感したわ！
(フランス革命により音楽家は貴族らの専属、家臣では無くなり、まあそれでも金持ち貴族や大ブルジョワの庇護は受けたが、かつての貴族に代わって力を持ち出したのが出版業者やコンサートの企画者、宣伝業者-新聞社含む-に成っていったのだ)

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>> 183 例えば連日、モーツァルトのピアノ協奏曲を５曲ばかり聞かされた後、家でチャイコフスキーの交響曲(まず５番を久しぶりに)を聞くと、密度や感情表現の濃さに感動する。

５番さえそうなのだから、数日後４番を聞いたら、感動を更に深めた。
(ただこの４番、戦後すぐ確か1949年にライプチヒで演奏され、翌年だかに演奏されたシューマン４番とカップリングされているＣＤを聞いた時は驚いた。第３楽章のピチカートなど速いし名人芸の極みでオーケストラの技術が超一流なのはよく分かったが、何というか指揮者のせいか、戦車がズンズンつき進むような演奏で、全くロマンチックまたはセンチメンタルな部分が無く-ムラヴィンスキとはまた違う意味で-、こんなに弾き方でチャイコフスキーがぶち壊れになるものか、と驚いた。
まあ戦後４年目だし、まだナチス風のロシア音楽理解または軽視から抜け出せなかったのか、あるいは祖国を東ドイツなんてゲテモノに変えてしまったソ連-ロシア-に対する嫌悪感からこんな演奏になったのか？
因みにシューマン４番の方はまあマトモな演奏。)

だがその後、スコア見たがらオーマンディとフィラデルフィアで聞いて、やはり４番はいいと納得。カラヤンとベルリンフィルまたはウィーンフィルが私には最高だと思われるが、今回はそれ聞く前にオーマンディ指揮の方にしてみた。

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>> 184 なお、クラシック音楽界も、ド・ゴールが言った｢ドーヴァーは大西洋より広し｣そのままでは無いが、やはり大西洋は広いものだ。

つまりヨーロッパ系の演奏家はヨーロッパやまあ中国、日本等やたら本家を有り難がる国々で多く活躍し、アメリカやカナダの演奏家は真の一流有名以外はヨーロッパでは無名で、演奏もほとんど無い傾向。

結果、以前から思っていたが、かなり優れたアメリカの演奏家がヨーロッパでは殆ど評価されていなかったり。
(まあバーンスタインだのアムランだのに成れば別だがね。しかし他のアメリカに住んだ20世紀の巨匠として名高い人々は皆、ヨーロッパ生まれだから。ルービンシュタイン、ホロヴィッツ、オーマンディ、クライスラー、ガーシュイン、それにあのラフマニノフまで)

アメリカの超有名でない演奏家は母国アメリカやカナダ、また日本などアジアを活躍の場にしているみたいだ。

ただヨーロッパとの間に見えないが浅くない断層があるのは、確かだ！

やはりドイツ語、フランス語、イタリア語がメインの地域と、それより軽いイメージのアメリカ英語がメインの地域とでは、互いに違和感があって当然だろう!?

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>> 185 ところで｢戴冠式｣が演奏された先週土曜日だが、この日、私は20代半ばの息子が運転する車で一緒に聞きに行った。

終わって少し雨が降っている中、少し離れた駐車場まで歩く時、隣を若い頃のファムケ･ヤンセン(オランダの女優。Ｘメンのウルヴァリン-ヒュー･ジャックマン-の恋人役ジーンと言えば分かるかな？)によく似た、しかし本物の18?cmより小柄で少し小麦粉色に日焼けした美人とずっと近くを歩く羽目に。

向こうもこっちが気にしていた、または少なくともこちらが向こうを気にしているのに気づいていた。

雰囲気は良く、また服も夏に合わせて軽装。だからフェロモンが直撃！

ただ私と息子が今回のモーツァルト･イベント関係で背広に着けていたドイツとオーストリアの友好国旗には関心なさそう。

て事は髪や肌の色から見て、南仏かイタリア系かな、最悪スペイン系かも、とか思いつつ、しかし息子の手前、何となく声かけるタイミングを失い…

そうしたら彼女、高級ホテルに独り入って行った。息子も気にしていたと見えて、｢結構金持ちなんじゃない？｣と言いおった。


さてその日の夜、ふと家の楽譜の棚を眺めていたら、チャイコフスキーの交響曲４、５、６｢悲愴｣のピアノ編曲版が目にとまった。安っぽく易しくした編曲ではなく、ロシアの作曲家かピアニストがガチで編曲したモノだから、原作の音は全て入っているし、割合難易度も高い。

で見ていて、何となく６番｢悲愴｣の一番派手な第３楽章を弾いてみたくなり、少し遅めに初見で音を取ってみたら、割合スムーズに行くでは無いか!?

で当然続けて、あの偉大な第４楽章(これは以前、単独でこの版に更にかなり音を増やし必要限度に難しくして弾いた経験あり)を久しぶりに弾いた。

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>> 186 驚いたのは、近年ラフマニノフ協奏曲３番や、リスト編曲版を１.５倍くらい難しくしたベートーヴェンのエロイカ･シンフォニーを弾いているからだろうが、以前ほど難しく感じられなかった。

だが目一杯、感動しつつ弾いてみた。

そしてその感動の中、自然に自問がやってきた。
もし午後、例のファムケ似と意気投合し、今まで付き合っていた場合と、こうして｢悲愴｣の第４楽章を感動深く弾けた場合のどちらが良かったろうか、と。

すると何の迷いもなく、間違いなく後者だと内なる答えが自然に帰ってきたのだ！

やはり私の天分はこちらなのだろう？

つまり音楽家の配偶者は優れた音楽作品なのだ！

かなり前に別れた元超絶美人妻(笑)の件はもうどうにもならないが、やはり私が今後、気紛れから付き合う、または結婚するかも知れない女性は、どうやら不幸になる宿命のようだな😞

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実際に弾かない、または弾けないで無責任な事を言ったり書いたりする人は多い。その一例。

｢ピアノ協奏曲に易しい曲など無い。中ではベートーヴェンの１番が最も易しいが…｣

何々？
まずベートーヴェンの協奏曲では２番が１番より早く作曲され、どちらかと言えば１番より技巧が易しいのだ。

次にベートーヴェン１番は、19世紀初頭、勿論ベートーヴェンのピアノと指揮で初演された時、評論家は｢ピアノパートはかなり難しい。ただ全体的に40分近くかかり長過ぎる。雰囲気も重すぎる｣と評したものだ。

ここで｢ピアノパートが難しい｣と言っているのは、勿論それ以前のモーツァルト等の協奏曲と比較してだが、つまりメインの作曲家に限ってもピアノ協奏曲入門に相応しいのは、20番とか23、24番などの大傑作でないモーツァルトの協奏曲であろう。例えば15番や17番など。

ベートーヴェン１番は、後の３番よりやや易しいか同レベルで、４番と５番｢皇帝｣よりは易しいだけであるに過ぎない。
弾いた人なら技巧面でモーツァルトのどの協奏曲よりも難しく、また第２楽章などまだ若いベートーヴェンながら巨匠の演奏解釈でもって安定して聞けるレベル。やはりベートーヴェンは巨大なのだ！

まあこういう、冒頭に挙げたような素人的な戯言は、特にネットが流行っている近年には溢れかえっていて、いちいち気にしたり反論するのは無意味だが、とにかく世の中、偽物で溢れていると言う事実を常に頭に入れておくべきであろう！

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モーツァルトのピアノ協奏曲ばかり聞いていて、余り関係ない(？)事に今更ながら気づいた。

それはまずモーツァルトの全21(27は古い情報らしい？)のピアノ協奏曲中、短調の曲が極めて少ない事。
有名な20番d-mollでさえ最後は長調に転調して終わっていたハズ。

なおモーツァルトの41(実際には35くらいか？)の交響曲でも短調は25番と40番の２曲のみ。ただこちらは古典派らしく終楽章も短調のまま終わっている。

なおベートーヴェンの９曲ある交響曲でも短調は５番と９番のみ。しかも出だしが短調なだけで、最後は長調で明るく勝利を暗示して終わっている。

彼の５曲あるピアノ協奏曲も、短調は３番のみで終了部は長調に転調。

他方ピアノソナタとなると、モーツァルトにも短調があり、最後もそのまま短調終結。
ベートーヴェンの32のピアノソナタも、長調が短調より多いが、短調に有名曲が多く、悲愴、月光、熱情、テンペストは皆、短調。
ただし最後の32番は短調で始まるが、終楽章が長調で終わる。

まあ短調の曲でも最後の和声だけは長調にする伝統はバロック時代に遡るだろうが、ロマン派を見ても、シューベルト(全部は暗記していない)の主な交響曲やソナタはやはり長調で終わる。
シューマンの交響曲もそう。ピアノソナタは２番だけ短調のままだが、３番なんて激しく悲劇的なのに、１、３、４楽章が全部短調なのに最後の最後で長調に転じて終わる。

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>> 189 ショパンには交響曲が無いからソナタを見ると、１、２番は短調で始まり短調で終わる。ただ３番は短調で始まるが最後に長調。

意外なのがもっと暗いイメージのチャイコフスキー。
交響曲で出だし短調はかなりあるが、最後が短調なのは確か６番｢悲愴｣のみ。

また彼の完成された２曲のピアノ協奏曲も長調で終わるし、ピアノソナタも同じく。

ラフマニノフすら、ピアノ協奏曲は皆、最後長調で終わっている。

まだまだ探せば例外があるだろうが、暗記している作品の主なモノだと、大体以上。つまり長調で始まり長調で終わる大作が圧倒的に多く、また短調で始まっても個人の独白みたいなピアノソナタ以外の、公的発言めいた交響曲では、長調で終えるケースが圧倒的。

つまりチャイコフスキー｢悲愴｣は、只でさえ遅く悲しい終楽章なのに、それを最後まで短調で貫いた、型破りの交響曲であるのだろう。

(ブラームスのは暗記していないから、後日、楽譜で調べてみる)

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>> 190 やはりな💦
モーツァルトのピアノ協奏曲24番を書き忘れていた。
これは短調で始まり短調で終わる。ただイメージとしては、ソナタに近い終わり方。

他方やはりあった。
根暗ブラームスの交響曲４番。復古趣味が高じて、遂に古典派を越えてバロックのパッサカリアを終楽章に添え、堂々短調で終結。

ただチャイコフスキー｢悲愴｣みたいな死に向かって消え去っていく雰囲気は無い。
まあブラームスは最後のピアノ小品を長調で初めて短調で終わらせるような、暗～い人だから、不思議ではないが、一応正しい知識は必要だからね✋

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最近(20世紀後半から)は、やたら速いテンポで演奏するオーケストラが増えたが、頼むからシューマンの交響曲４番だけは急がないで弾いてくれまいか!?

あの空回りするようなモティーフが速すぎると、循環形式の魅力が台無しになるから！

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ショパンのピアノ協奏曲１番は大変よい、指の為のエチュードでもある。

まあこの曲をショパン自身が弾けるようにエチュードOp.10の全12曲が作曲されたわけだから、当然優れた指のエチュードであるわけだ。

しかし協奏曲をピアノパートしか弾かないのでは、練習のモチベーションが下がるから、オーケストラのピアノ編曲部分も入れて弾く。
幸い、特にショパン１番はベートーヴェン皇帝やラフマニノフ２番と違い、割合ハッキリとピアノを聞かせる部分とオーケストラ部分が分かれているから、ピアノが無い部分で楽譜通りにオーケストラの編曲を弾いても余り問題ない。
これは同じショパンでも２番となると、そう単純ではない。
だがそれでもやはり幾つかの重要な音は、ピアノパートにオーケストラのモノを加えたくなる。
まあこれをしても、皇帝やラフマニノフ２番みたいに、途端にピアノパートが本来のより難しくなるわけでもないが、ただし第２楽章後半や、第３楽章の第２主題はピアノパートを右手だけで弾き、左手はオーケストラパートにするから、右手が６度やオクターブのかなり弾きにくい部分に成ってしまう。

あと内密にだが、ショパンの対位法の弱さが露呈してしまっているオーケストラだけが長々と演奏する部分を、何かベートーヴェンやシューマンみたいにモティーフの断片をあちこちに加えて、重層感出す試みもなかなか楽しい♪

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結局、有名なピアノ協奏曲では、技巧だけに関してならラフマニノフ３番が一応ダントツで、数段下がり２番、それからショパンの協奏曲が難しいのかも知れない。

まあベートーヴェンの４番、５番は絶対的な安定感がないとダメだから、余裕で弾くべきであり、そうなるとこちらの方がショパンより難儀か？

とにかくヴァイオリニストならば、滑らかな奏法、安定した技巧を身につけるのに、よくモーツァルトの協奏曲を推す人がいるが、ピアニストにとってはショパンの協奏曲、特に１番だな、指や技巧の安定の為には！

因みに２番は先に挙げたシューマンの交響曲４番みたいに、只々速く華麗に弾けばいい作品ではなく、むしろ遅めに弾いて、中に含まれる歌を十分に表現すべき作品だろう？

この意味でショパンの１番と２番を弾き比べると、技巧は１番が弾ければ２番は問題ないが、しかし先に作曲された２番の方が音楽的にドロドロしていて、ロマン派的なのだ。
これはシューマン的世界に近いかも知れないし、極端に言えばラフマニノフの世界にも繋がるかも。
あくまで弾いていての感想だが…

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ラフマニノフ協奏曲３番が弾く人の指なり手を壊しやすい、とか言う都市伝説は、半分本当である♪

と言うか、壊すような人はこの曲を始めて、ある程度の段階で壊すだろうから(そして脱落するだろうから)、かなり弾けるまで達した人はもう壊す心配はない。

むしろこの曲はかなり上手く弾けるようになったなら、余程無茶な演奏しない限り怪我したり腱鞘炎になったりする心配は全くないだろう。ただ、この曲を沢山弾き込む事で、手に一種の癖がつく可能性はあるか？

それはやたら手を広く開いてアクロバットみたいなパッセージを弾くために、例えば右手１→２→４→５で普通に弾くような曲が４＆５の代わりに３＆５で弾けて、その方が弾き易くなったりする現象とか!?

とにかく４の代わりに３の指で弾けてしまう曲が増える感じはある。

まあツェルニーのエチュード以外、普通のピアノ曲は上手く弾ければどの指使いでも構わないわけで、別に４＆５が普通な部分を３＆５で弾いても構わないのだ。

と言うか、近年はアマチュア等でまあまあ難しい曲を何とかやっと弾くような人が、今まで我々が考えもしなかったような指使い、または右手だけのパッセージで長年通用していた部分に左手を加え弾き易くしたり、等々の例を知る機会が増えた。

アマチュアからも学ぶ事は常にあるものだ！
これは以前にも書いた事だが(笑)

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何故か全音版のショパン･ピアノ協奏曲１番の楽譜を見たら、編集者のアメリカで研究したコバヤシとか言う日本人が、解説でやたらにショパンのオーケストラ部分を褒めている🌀

まあ自分が校訂、監修した作品は恋人みたいに欠点でも何でも褒めたくなるのだろうが、ショパン１番のオーケストラパートが特に対位法的に平坦で未熟なのは、事実なのだから仕方ない。

私は今までの人生を総合して見ると、ショパンはかなり好きな作曲家であり(時には様々な理由で背を向けた時もあったが)、全体的に鍵盤楽器の作品ならバッハよりショパンの方が好きなのだ！

だが彼のオーケストラ部分が未熟なのは作曲を知る者には事実だし、冷徹にそういう部分を認めるべきだと思う。

同様にバッハの平均律曲集は、ピアノで弾く場合、内容はともかく、ベートーヴェンからラフマニノフまでのロマン派ピアノ作品と比較して、音量、ピアニスティックなインパクトに欠けるのも、また真実なのである。

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ブラームスはピアノが大変上手かった。
何故なら自作のあの難曲である｢パガニーニ変奏曲｣をリスト最高の弟子で当時のヴィルトゥオーソだったタウジヒと分業で、初演したのだから。
確かブラームスがスイスで初演、タウジヒがウィーンとベルリンで初演した。
なおクララ･シューマンはこの曲が難し過ぎて弾けなかったので、当初ブラームスが予定した彼女による初演は実現しなかった。

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>> 197 また彼(ブラームス)は後に、これまたかなりの難曲であるピアノ協奏曲２番を、ハンス･フォン･ビュローの指揮で初演している。
これはビュローも当時の大ピアニストで、チャイコフスキーのあのピアノ協奏曲１番を初演し、その後もあちこちで弾いて回ったから、ブラームスの協奏曲に関しては１番と２番をブラームスと指揮、ピアノを交互に交代で担当し、ヨーロッパのあちこちで演奏して回ったのだ。

このように、パガニーニ変奏曲とピアノ協奏曲２番が堂々と弾けたと言う事は、当然ピアノが相当上手かったのだ。

またブラームスは新たなピアノ演奏テクニックを開発し、それは例えばパガニーニ変奏曲が難し過ぎて弾けない人にも、｢51の練習曲｣を見て一部でも試してみれば、理解されよう♪

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>> 198 さてしかしここで問題として、いわゆるコンポーサー･ピアニストと、ピアノ･オンリーのピアニストの違い、である。

世間ではよく前者のピアニストとしての演奏は、ピアニスト･オンリーと比べて演奏の細かい質が落ちると言う偏見があるが、果たしてどうか？

無論、リストやラフマニノフは例外と見なされたが。

私の考えはこうだ！
一概にコンポーサー･ピアニストに偏見持つのは間違っている。
例えば第二次世界大戦後、大体1950年くらいまでは、ベートーヴェンのソナタ全集を演奏し録音するのは、かのバックハウスを唯一の例外として、皆コンポーサー･ピアニストに限られる伝統があった。

シュナーベルもケンプも一応作曲家でもあったのだ。

恐らくベートーヴェン･ソナタ全集くらいになると、作曲が苦手なピアニストでは単に表面的に上手くても深い内容(形式､和声､対位法など)でコンポーサー･ピアニストで無いと理解が浅いと思われていたのか？

ただ反面ベートーヴェン･ソナタ全集を除いたケースでは、よくコンポーサー･ピアニストは自作のピアノ曲は上手くても、ピアニスト･オンリーの人と比べて他人の作品では演奏が劣るとも言われた。

確かにブラームスも自作以外の大曲、難曲はほとんど弾かなかったし、彼が初演したシューマンのグランドソナタ,Op.14はこの作品の評価が約百年後のホロヴィッツの画期的演奏までイマイチだった事を見れば、あまり良い演奏では無かったのかも!?

こうなるとヤハリ全般的に、自作を中心にしか弾かないコンポーサー･ピアニストは、他人の作品弾いて生計立てているピアニストより何か劣るのか？

リストもラフマニノフも、ピアニストである時は、他人の作品を沢山弾いたものだ。

まあリスト以前は、皆ピアニストは作曲家であり、普通は自作以外を滅多に弾かなかった。
リストは大作曲家でありながら、ピアニストとして他人の作品を沢山弾きまくった多分最初の本格派ピアニストだろう。

こうなると例えばショパンなど、ほとんど自作しか弾いていないから、真のピアニストとしてどれくらい評価できるのか、謎となる。
まあ彼の場合は自作の演奏の名人だったが、結核に悩まされ、どの道、演奏活動をコンスタントに続けるのは25歳以降、不可能であったのだが…。

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ただ言える事として、近年、特に21世紀に入ってから、デジタル化の時代を象徴するように、ピアニストらの演奏が表面的な完璧さに近付いた反面、内容的に落ちて来たように思う。
これは指揮者やオーケストラにも似た傾向が見られるようだ。

まあこう書く私も、いざ弾いたモノを後で聞いてみると、思いの外、やはり機械的だったりする💦

とにかく(私含めて)、現代の演奏には詩情や深い歌を伴う表現、或いは激烈で皆を感動させるような個性が欠けてきていると思う。

つまり演奏家は技巧レベルが上がった事に対応するのに追われて、却ってアマチュアが持っているような音楽の原点、感動を忘れてしまったのかも知れない!?

他方、音楽の魂を知るようなアマチュアは、今度は技巧がプロに比べて全く足りなくて良い演奏が出来ない。特に現代の視点からすれば技巧の欠如は致命的なのだ！

まあ音楽伝統国でない日本含むアジアでは、技巧がボロボロなのに知名度だけで売れているような老婆も居れば、また単に美人かハンサムだからアジアで人気集めているヨーロッパの演奏家もいる始末。

これは一部の真の音楽愛好家を除いて、アジアの人々が何十年もヨーロッパに住んで勉強しない限り、全く西欧クラシックなど分からないのは当然だから、仕方あるまい。

ヨーロッパ人が野球や空手、カンフーをアジア人に比べて全く詳しく知らないようなモノだ。(オランダ人だけ例外-笑？-)

問題は本場ヨーロッパの演奏家らがデジタル化してきた事である！
これはまだアナログと言うか良い意味で野性に近い、ロシアやウクライナなどの地域出身のピアニストに、かつてのホンモノに近い演奏を期待するしか無いのかも知れない!?


デジタル化、ハイテク化で人類の生活は便利になったが、反面失ったモノも多い！

これは音楽に限らず、理系以外の学問についても言える事だろう？
最近は勉強も効率化、分かり易さを追求する余り、学生が軟弱になり、かつてみたいに気難しい教授や彼が書いた参考書と必死に格闘する学生が減ったように感じる。

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音楽の話はしばらく置き、今度はキリスト教関係など。

何でも先日の関東地方を襲ったデカイ台風で、御茶ノ水のニコライ堂の事務所(本堂の手前。門を入ってすぐ左)の古いカワラ(？)の伝統的な屋根が吹き飛んだらしい!?🌀

まだ本堂でないから良かったものの、あれでも元通りの色彩を出すには結構、修理が大変なのでは無いか？

東日本＆東北大地震の時も東北にある正教会のかなりの数が被害受けたが、今回もまた！

何か正教会てイマイチ不運続きかな？

何でだ、一番正統派のハズなのに!!
歴史的にも十字軍に蹂躙されるわ、トルコの支配を数百年受けるわ、ロシア革命でソ連が誕生し東欧全体に宗教を虐待する共産主義が広がりギリシャ以外の正教会は迫害された。
最近はシリアなど中東の正教会がイスラム過激派の犠牲にされているし。

これは単なる地理的な理由からか、それとも解釈に拠っては正統派キリスト教会とはキリスト自身や使徒らみたいにこの世で苦悩を受けるのが本当なのか？

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>> 201 ところで正教会(オーソドックス)とカトリックの近くて遠い、または遠くて近い関係について、歴史的な理由などは確か以前にいくつもレスしたが…。

とにかく見た目に騙されてはいけない。正教会はギリシャ(と言うよりビザンツ/東ローマ帝国)を中心に中東からバルカン、ロシアまで弘まり当然、中東的(ロシアもアラブとは違う意味で、やはり中東的、モンゴルの影響に西欧が重なった東西の間の国と言えるだろう？)な外見だ。

他方、カトリックは西ローマ帝国が早々５世紀に滅亡し、後に続々侵入してきたゲルマン民族をローマ総主教(後のローマ教皇)が教化して西欧中心に弘まったから、スペインみたいに長年イスラムに支配されていた地域を除くと、全く中東とは無縁な外見をしている。

でルター以後カトリックから分かれたプロテスタントも、見た目についてはカトリック教会の影響を受け(他に誰の影響を受ければ良かったと言うのか!?)、カトリックを簡略化した方向に進んだ。

つまり見た目だけならカトリックとプロテスタントは近く、オーソドックスは両者と全く異なる感じがする。

実際、特にプロテスタントの人々は詳しい歴史や神学背景を知らなくて、こう思っているのも多いのでは？

だがカトリックの本音では、使徒伝承と言ってカトリック、オーソドックス、イギリス国教会だけがキリストの12使徒により祝福された司教らが代々受け継いできた正式な聖霊の力を持つ教会で、他のプロテスタントはハッキリ言ってしまえば異端、偽物なのだ！

これをハッキリ言って問題起こしたのが前教皇だったベネディクトゥス16世。
他の教皇や司教らも内心そう思っているが、争いを好まず本音をボカしてプロテスタントと仲良くしようとする。

なおベネディクトゥス16世はオーソドックスやイギリス国教会に対して、使徒伝承の正当性を認めるがローマ教皇の優越権(カトリックつまりローマ教皇のみがキリストに全権を託された使徒ペトルス/ぺテロの後継者で唯一の世界の教会の長だとする聖書解釈)を否定し、他の大司教/大主教らを12使徒の後継者であるからローマ教皇と同格だと考える点を取り上げ、不完全な教会と言い、オーソドックスらの反感を買った。

だがベネディクトゥス16世がどんなに嫌われた教皇だったにしても、彼の発言が正直にカトリックの立場を明らかにしている事は事実だ。
↩

• << 205 >>なおベネディクトゥス16世はオーソドックスやイギリス国教会に対して、使徒伝承の正当性を認めるがローマ教皇の優越権(カトリックつまりローマ教皇のみがキリストに全権を託された使徒ペトルス/ぺテロの後継者で唯一の世界の教会の長だとする聖書解釈)を否定し、他の大司教/大主教らを12使徒の後継者であるからローマ教皇と同格だと考える点を取り上げ、不完全な教会と言い… 上の部分だが、確かに新約聖書の福音書に依れば、キリストがペトルスに｢お前の上に私の教会を建てよう。お前が赦す者は天でも赦され、お前が罪人と定める者は天でも裁かれる｣と、要約すればこのような事を言い、ペトルスに全権を与えているような記述がある。 でカトリックの解釈だとペトルスは最後、ローマに行きそこでネロ帝時代に殉教したが、その前にローマの信者らの頭(いわゆる司教/主教)を決めて、その者を祝福した、と。 つまりペトルスが初代ローマ司教で、彼に祝福され司教になった者が二代目ローマ司教、そうやってローマ司教(教皇)が代々現代まで続いている、と考える。 対するオーソドックス(正教会)などの解釈では、ペトルスはイスラエルからローマに来る前に途中あちこち(主にギリシャ語圏の地域)を回ったわけで(飛行機もない当時、エルサレムからローマまで行くのはかなり大きな旅！)、立ち寄ったそれぞれ地域の教会で説教し布教活動し、その教会の頭を定め祝福したはずである。つまりローマはたまたまペトルスが殉教した地であるに過ぎず、彼によって祝福された他の地域の教会の頭(司教ら)も皆、ローマ司教と同等であろう、と考える。 更にキリストは弟子ら(特に12使徒)を平等に扱い、名目上ペトルスを使徒らの平等の中の第一人者にしていたに過ぎない、だから他の使徒によって布教し建てられた教会の司教らも、本質的にローマ司教と同等だとする解釈もある。 大体以上がローマ司教(教皇)の優越権に対するカトリックとオーソドックスの各々の見解だ。

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>> 202 で現実にカトリック教会は、ミサの一番肝心なユーカリスト(聖体拝領)をカトリック信者にしか許していないが、例外としてオーソドックス信者は許されている。
これはカトリックがオーソドックスに対しては、近い正統派だと考えている、或いはオーソドックスも現代ではカトリックの一部(笑)だと考えているからだろう？
後者の場合、オーソドックス側にとってはいい迷惑かも知れないが!?

他方オーソドックス側では、特に最高権威(平等の中の第一人者)であるコンスタンティノープル総主教や、ルーマニア総主教などがカトリックとの和解に積極的であるが、まだ自派(オーソドックス)信者以外にはユーカリストを認めていない！

しかも昨年の秋以来、コンスタンティノープル総主教とモスクワ総主教がウクライナ正教会の独立を巡り対立し、ロシア正教会(モスクワ総主教)側がコンスタンティノープル側と関係を絶ってしまった。

これは日本正教会(形式的にはロシア正教会の傘下)も含めて、世界中のオーソドックスがマイナーな地域の教会は曖昧な態度を取って実質どちらとも交流しているが、理論的には現状でオーソドックスが二分していて、ローマ教皇との関係もローマ、コンスタンティノープル、モスクワの三つ巴の複雑な駆引きに成ってしまっている。

コンスタンティノープルとローマ教皇の間では既に20世紀半ば和解が成立し、ヴァチカンの教皇選挙(コンクラーベ)にはコンスタンティノープル総主教もオブザーバーとして列席するくらい。

他方モスクワ総主教(ロシア正教会)はずっとローマ教皇と対立ムードだったが、近年、中東情勢や世界のリベラル化に対応すべく初めてキューバで会見し、相互協力の姿勢を打ち出した。

この段階でオーソドックスもカトリックも内実を知る者は、軽率なマスコミと違い、急に両教会の合一など有り得ないと分かっていたが、しかしそれでもコンスタンティノープルだけでなく正教会最大の信者を持つモスクワ(ロシア正教会)までもローマ教皇と対立を辞めたのは、いい兆候だとは思っていたはず。

しかし昨年の正教会内で、最高権威のコンスタンティノープルに対し、最大権力のモスクワが絶縁状叩きつけた為、またもや関係が微妙に成ってきた。
↩

• << 206 >>昨年の秋以来、コンスタンティノープル総主教とモスクワ総主教がウクライナ正教会の独立を巡り対立し、ロシア正教会(モスクワ総主教)側がコンスタンティノープル側と関係を絶ってしまった。 この部分。このモスクワ総主教(ロシア正教会)がコンスタンティノープル総主教(全正教会の名誉上の権威者)と絶交した件だが、これは前にも書いたように単に政治的理由であり、オーソドックスとしての教義はどちらも全く同じままであるから、宗教として見た場合、コンスタンティノープル側もモスクワ側も全く同じ派(オーソドックス/正教)であるのに変わりない。 こうした例は過去にも似たようなケースが幾つもあり、普通は一定期間が経過すれば互いに和解を模索し、絶交を解除、そしてまた普通に交流が始まる。 この点は、カトリックとオーソドックスの和解イコール全面的な合一では無いのと全く違う。 ただ危惧されるのが今になってオーソドックス内部の権威や権力争いが表面化し、権威は一番だが単にイスラム国家トルコのイスタンブールに細々と存在するだけのコンスタンティノープル総主教と、オーソドックス最大勢力であるロシア正教会の長であるモスクワ総主教、特に後者が近年、世界のオーソドックス全体のリーダーを露骨に目指し出した事への、コンスタンティノープルや他の伝統ある総主教らの反発が今回の絶縁の背景である。 つまり政治的にはローマ教皇との関係も兼ねて、三つ巴の複雑な駆け引きになる可能性が高いのだ！

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>> 203 ともかく、現状で理想だと考えられるのは、オーソドックス側はローマ教皇を古代に実際そうだったように、ローマ総主教として認める事(これは現実にかなり実現してきている)。更に一歩進めて、ローマ教皇を平等な総主教らの中の第一人者扱いくらいまで行けたら行っても良いのでは？

ただしこれはオーソドックスがカトリックの支配を受ける意味ではなく、ローマ総主教(教皇)側は今まで通りカトリック教会以外には口を出さない、オーソドックスはオーソドックスの総主教らで運用する。この点が重要。

またユーカリスト問題も、かなり難しいにしてもオーソドックス側も最初は予めカトリック側と打ち合わせ、当該するカトリック教会の神父に率いられた信徒のみにユーカリストを認める所から和解を進めても良いだろう!?
(オーソドックスのユーカリストは動作が単純でない為、予め動作について聖職者の指導を受けていないと現実問題として混乱を起こす点も考慮)

対してカトリック側は、現在の対応でかなり問題ないが、ベネディクトゥス16世みたいな思想を改め、オーソドックス各総主教や主教もキリストの12弟子(使徒)の祝福を受けた者から代々祝福を伝達された者だから、使徒の平等の中の第一人者ペトルス(ぺテロ)の後継者を自認するローマ教皇の傘下ではなく、互いに和解し連合作るような関係を結ぶべき者だと認める事だ！

あと頭を悩ませるのがウクライナやロシアにある東方典礼カトリック教会の問題だが、私はこちらについては深い知識に欠けるから論じない。
ただ良心的な解決案を見出して欲しいと思うだけ。

こうして東のオーソドックスと、西のカトリックは、合一とは成らないまでも、今まで以上に互いに近い、まあ一種の正統派連合みたいな関係が築ければ、一番良いのでは無かろうか？

東の性善説に対する西の性悪説とか、フィリオクェ問題などの神学的相違が存在するが、前者については近年のカトリックは積極的に他の宗教の美点を取り入れているから以前ほど問題では無くなった。
フィリオクェもギリシャ語原文には当然無いわけで、このギリシャ語原典版を十年くらい前、ローマ教皇とコンスタンティノープル総主教が合同で唱えたと言う事実は、カトリック側にも古代に正統派全体で定めた教義に還る用意が全く無いとは言えない、と考えたい！

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>> 202 ところで正教会(オーソドックス)とカトリックの近くて遠い、または遠くて近い関係について、歴史的な理由などは確か以前にいくつもレスしたが…。 … >>なおベネディクトゥス16世はオーソドックスやイギリス国教会に対して、使徒伝承の正当性を認めるがローマ教皇の優越権(カトリックつまりローマ教皇のみがキリストに全権を託された使徒ペトルス/ぺテロの後継者で唯一の世界の教会の長だとする聖書解釈)を否定し、他の大司教/大主教らを12使徒の後継者であるからローマ教皇と同格だと考える点を取り上げ、不完全な教会と言い…


上の部分だが、確かに新約聖書の福音書に依れば、キリストがペトルスに｢お前の上に私の教会を建てよう。お前が赦す者は天でも赦され、お前が罪人と定める者は天でも裁かれる｣と、要約すればこのような事を言い、ペトルスに全権を与えているような記述がある。

でカトリックの解釈だとペトルスは最後、ローマに行きそこでネロ帝時代に殉教したが、その前にローマの信者らの頭(いわゆる司教/主教)を決めて、その者を祝福した、と。
つまりペトルスが初代ローマ司教で、彼に祝福され司教になった者が二代目ローマ司教、そうやってローマ司教(教皇)が代々現代まで続いている、と考える。

対するオーソドックス(正教会)などの解釈では、ペトルスはイスラエルからローマに来る前に途中あちこち(主にギリシャ語圏の地域)を回ったわけで(飛行機もない当時、エルサレムからローマまで行くのはかなり大きな旅！)、立ち寄ったそれぞれ地域の教会で説教し布教活動し、その教会の頭を定め祝福したはずである。つまりローマはたまたまペトルスが殉教した地であるに過ぎず、彼によって祝福された他の地域の教会の頭(司教ら)も皆、ローマ司教と同等であろう、と考える。

更にキリストは弟子ら(特に12使徒)を平等に扱い、名目上ペトルスを使徒らの平等の中の第一人者にしていたに過ぎない、だから他の使徒によって布教し建てられた教会の司教らも、本質的にローマ司教と同等だとする解釈もある。

大体以上がローマ司教(教皇)の優越権に対するカトリックとオーソドックスの各々の見解だ。

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>> 203 で現実にカトリック教会は、ミサの一番肝心なユーカリスト(聖体拝領)をカトリック信者にしか許していないが、例外としてオーソドックス信者は許され… >>昨年の秋以来、コンスタンティノープル総主教とモスクワ総主教がウクライナ正教会の独立を巡り対立し、ロシア正教会(モスクワ総主教)側がコンスタンティノープル側と関係を絶ってしまった。


この部分。このモスクワ総主教(ロシア正教会)がコンスタンティノープル総主教(全正教会の名誉上の権威者)と絶交した件だが、これは前にも書いたように単に政治的理由であり、オーソドックスとしての教義はどちらも全く同じままであるから、宗教として見た場合、コンスタンティノープル側もモスクワ側も全く同じ派(オーソドックス/正教)であるのに変わりない。

こうした例は過去にも似たようなケースが幾つもあり、普通は一定期間が経過すれば互いに和解を模索し、絶交を解除、そしてまた普通に交流が始まる。

この点は、カトリックとオーソドックスの和解イコール全面的な合一では無いのと全く違う。

ただ危惧されるのが今になってオーソドックス内部の権威や権力争いが表面化し、権威は一番だが単にイスラム国家トルコのイスタンブールに細々と存在するだけのコンスタンティノープル総主教と、オーソドックス最大勢力であるロシア正教会の長であるモスクワ総主教、特に後者が近年、世界のオーソドックス全体のリーダーを露骨に目指し出した事への、コンスタンティノープルや他の伝統ある総主教らの反発が今回の絶縁の背景である。

つまり政治的にはローマ教皇との関係も兼ねて、三つ巴の複雑な駆け引きになる可能性が高いのだ！

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今度は語学の話題🎐

日本人の一部には、英語コンプレックスと言うか、語学イコール英語と考えている、偏った意見を持つ人が存在する。
(そうではなくて、日本語に誇りを持つ人々-単なる国粋主義者または英語コンプレックスの裏返しの者でなくて-は、多分尊敬に値するだろう)

ただ英語カブレの日本人がよく見落としている事として、欧米では英語は一番易しい言語の一つとされ、出来ても何も偉くなく、欧米諸国で真に格が高い言語はラテン語と古典ギリシャ語だと言う事だ！

この２言語だけは別格扱いであり(フランス語やドイツ語圏だけでなくスラヴ語圏や無論、英語圏でも)、出来る、または分かる者は真のインテリ、エリート扱いされるのだ。

まあどちらの言語も西洋文明の基礎であり、また文法が極めて難しく、習得に時間がかかる。私としては、古典ギリシャ語の方がラテン語より数段難しく感じるが、ラテン語とて現代の欧米諸語と比較したら一番難しい部類だ。(ヨーロッパ系言語の中でも文法が一番難しいとされるポーランド語やリトアニア語-ポーランド語と違い私はやった事ないし詳しくないが-と少なくとも互角だろう)


私は何も日本人に英語だけでなくラテン語や古典ギリシャ語をやれ、と勧めているわけでは無い！
真に西欧文化に関心持ち、それを極めたい人ならどの道、これらの古典語をやらねばならないし、自発的にやるだろう？
他のケースならば、ラテン語もギリシャ語も日本人の古典ではないから、誰も西洋で日本人がこれらを出来るのを期待しないだろうし。

ただし英語が全てとだけ思っていると、仮に西欧人と会話できても、それだけで終わり。薄っぺらい人だと思われるだけ。

因みにこのレスに書いたカタカナ英語や和製英語の単語も、本当は英語ではなくラテン語から来ているモノが殆ど！
ただしカタカナ英語も和製英語も、ラテン語オリジナルを一度英語の発音と言うフィルター通して日本語に入っているから、発音に関してはラテン語と余り似ていない。しかしアルファベットの綴りを見れば、ラテン語が分かる者にはハッキリ分かるのだ。

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>> 207 このラテン語&ギリシャ語の２語を別格とする考え自体、西洋の思想であり、これを全世界に主張する事は西欧植民地主義の名残だと考える者もいるだろう？

だが現状では西欧文明がまだまだ世界に与えている影響が絶大だから(生活スタイル、医学、他の学術、オリンピック、法律など殆どの文明生活の基礎)、こう主張する事もまた仕方ないだろう？

本当なら東アジアの古典は漢文(古代&中世の中国語)であり、更に仏教やアジアの東半分(インド圏も含める)についてなら、サンスクリットが漢文と並んで２大古典なのだ。
(中東イスラム圏ならやはりアラビア語か？)

だが漢文を古典とする世界や世界観は、まだ地球全体から見たらローカルなモノに過ぎず、サンスクリットは世界の精神世界(!?)や比較言語学では重要だが、インド圏や仏教圏以外では難解な古代語というイメージだ。
(ただしラテン語、更に古典ギリシャ語の専門家にまでなった者は西欧人の学者でもサンスクリットを-インド文化や仏教に関心なくても-、印欧語の古い形を研究する上で真面目で尊敬すべき言語と考える！)