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ゆう( 50代 ♀ zrS7h )
20/01/09 07:02(更新日時)

イオンのスーパーで10年以上働いてきた私。
けれども場所が田舎な為バスが年々無くなり、とうとう1時間に1本に。。。
そんな時、近所の小さなスーパーから声をかけてもらい働ける事に。。。
何より家から歩いて3分ぐらいと近く、規模も小さくほのぼのした中で働けるかと思いきや。。。
これがとんでもないブラック企業、店長はモラハラパワハラ当たり前。。
今思い出しても腹が立つ事がたくさんあった私の職場体験エッセイです

No.2739582 18/11/08 14:17(スレ作成日時)

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No.1 18/11/12 17:00
ゆう ( 50代 ♀ zrS7h )

そのスーパーは昔から近所にあった、地元のスーパーの支店でそれほど規模が大きくなくこじんまりしていた為、以前から働きやすそうだなと思い、人が必要になったら声をかけて下さいと店長に話していた。
だから急に人が必要になったから来て貰えないかと言われた時は嬉しくて小躍りして喜んだ。
その時は、店長に裏の顔がある事など知る由もなく、いつも人当たりがよく優しい人だと思っていた。
その頃、私より少し早くもう1人レジで雇われた人がいて、丁度店で買い物をした時にその人がレジを打っていたので、「私もここで働く事になったので、よろしくお願いします。レジの仕事、楽しいですよね」と言ったら、その人は少し悲しい様な困った様な表情をしていたので、その事に少し違和感を感じた。が、そんな事も初出勤の日にはすっかり忘れていた。

No.2 18/11/12 17:17
ゆう ( 50代 ♀ zrS7h )

私は短時間のパートだったので、午前中は9時から正午まで。午後からの時は正午から17時までの勤務時間だった。
ただ開店時間が9時なのに出勤時間も9時じゃ間に合わないだろうと思い、早めに出勤する事にした。その日は私が初めてだった為か、本来は交代で仕事をするもう1人の新人さんも来る事になっていたので、一緒に仕事をするのも楽しみだった。
ところが店に着いてすぐ私の耳に飛び込んで来たのは「馬鹿野郎!!そんな事やらなくていい!!」
今の何?誰?一瞬パニックになり、誰が声を発しているのかわからなかった。
恐る恐る足を踏み入れていくと次第に状況が飲み込めて来たが、それはいつも見る穏やかな店長とは別人の鬼の様な形相をした店長と新人さんだった。どうやら新人さんがレジにチラシを貼ろうとしていた時に、それを見た店長が怒鳴っていたらしい。でもなんで?

No.3 18/11/12 18:35
ゆう ( 50代 ♀ zrS7h )

その店で長く働いてる従業員の須藤さんに、その事を言ったら、須藤さんは、そうなのよと言う感じで「あの人は誰か1人ターゲットがいないとダメなの。彼女は聞かずに勝手に金券を現金で打ち込んだり、ミスも多いから余計店長の怒りを買っちゃったんだよね。
でも大丈夫。木村さんの事は私が縦になって必ず守るから。頑張ってね」
あまりの衝撃に言葉も無く、とんでもない所に来てしまったと、あれほどウキウキしていた気持ちも何処へやら。。
さっき来たばかりだと言うのに帰りたい気持ちでいっぱいになった。
しかしそんな事も言ってはいられないほど、朝はやる事がたくさんあった。小さい店で従業員が青果担当1人と店長、須藤さん、私ともう1人の新人さん。
前日の日付け切れの商品撤去、お弁当や商品の品出し。売り出しの日はポップを貼り、レジの釣り銭セット。今日はまだ新人さんがいてくれるけど、明日からは1時間は早く行かないと間に合わない。結果それから毎日、サービスで朝は1時間早く出勤して仕事をする事になった。

No.4 18/11/12 18:52
ゆう ( 50代 ♀ zrS7h )

しかしそれだけ早く行っても、商品が多い時は開店しても出し切れていないので、レジを見ながら品出し、電話がかかって来たら電話の応対。目が回る様な忙しさだったが、まだまだこんなのは全然序の口。後になればなるほど、深みにハマっていく地獄に比べれば、この頃はまだ働く時間としては、マシだった。しかし、店長の態度は酷いなんてもんじゃなく、気に入った客にはにこにこ優しいのに、気に入らない客には横柄な態度。
私に対しても最初は穏やかだったが、やはり気に入らない時には怒鳴る事も多かった。
一番辛かったのは朝の釣り銭が少なくて、千円札が1枚しかない時もあった事。一度100円が足りなくなって、店長に両替お願いしますと言いに行ったら「そんなもん、俺に言ってどうすんだ!!」と物凄い勢いで怒鳴られ、仕方なく自分の財布からありったけの100円玉を両替して乗り切った。
それからは毎日仕事が終わった後や、行く前に銀行へ行き、全種類の硬貨やお札を両替して持っていき、足りなくなったら、悪い事をしている理由でもないのに、こっそり店長の目を盗んでロッカーへ取りに行った。

No.5 18/11/12 19:02
ゆう ( 50代 ♀ zrS7h )

ある時は100円玉が底をつきそうになり、娘に電話して、100円玉貯金を持って来て貰った事もある。
もう1人の新人さんには大変な思いをさせたくなくて、交代の時にはお金を両替してから出る様にしていた。
でも彼女は店長の風当たりが一番強く、もう辛すぎて無理。。と言って突然店に来なくなった。その後に入って来た新人さんは、明るくて細かい事は全く気にしない人で、店長もわりと気に入ったのか、その人にはそれほど強く怒鳴る事はしなかったが、代わりに青果担当の女の子が今度はターゲットになり、朝は物を投げる音や怒鳴り声が絶えなかったが、その子は根性がある子で、怒鳴られながらも頑張って仕事をこなしていた。
店長が怒鳴るのは従業員だけじゃなく、業者さんに対してもなので、私が後で謝る事もたまにあった。

No.6 18/11/12 19:12
ゆう ( 50代 ♀ zrS7h )

朝、業者さんが私に
「すみません。他の支店の電話番号を教えてもらっていいですか?」と聞いて来たので、私がチラシを見せてここに載ってますよと教えてあげていたら店長が来て、
「いちいち聞かないで自分で調べろ!!」と言い、それに対して業者さんがすみませんと言いながらまた私に
「お電話お借りして宜しいですか?」と言うので、どうぞどうぞとかけて貰っていたらまたやって来て、
「電話使うなら貸してくれってちゃんと言え」と言い、それに対して業者さんが「言いました。」と答えるとそれに対しての捨て台詞が何故か「馬鹿野郎!」だった。
もう本当に申し訳なくて、どつしようもない親を持つ娘のように、「うちの店長が、本当にすみません。」と謝るのが常だった。

No.7 18/11/12 20:31
ゆう ( 50代 ♀ zrS7h )

>> 6 店長は相手がお客様でも容赦なく怒る事もあった。
ある時お客様が、
「お豆腐がほしいんですけど。。。」と店長に言うと、店長は値引きになってるお豆腐を指さして
「そこにあるでしょ」と。
でもお客様はそれを見て
「値引きになってないお豆腐はないですか?」と更に聞いてきた。すると店長は
「それなら買わなくてもいい!」と言い残して不貞腐れて奥へ。。
気に入ったお客様には、わざわざ本店まで取りに行ってあげる優しさもあるのに、どうでもいいお客様にはこの態度。
これは須藤さんから聞いた話だが、お客様が缶のお茶を箱で欲しいと言って来た時に店長は、
「ペットボトルにしな。缶はこぼれるから」でもお客様は缶のお茶が欲しくてもう一度「でも缶が欲しいんですけど。。」と言ったがそれでも店長が
「焼肉とかで飲むんでしょ?ペットボトルがいいって。缶は倒すよ。こぼれるから」
言われてお客様は
「じゃぁ、ペットボトルで。。。」と諦めて購入。

No.8 18/11/12 21:02
ゆう ( 50代 ♀ zrS7h )

あとで須藤さんが、
「店長、さっきどうしてお客様にお断りしたんですか?裏にあったでしょう?」
と聞いたら返事が
「めんどくさい」だったらしい。

でもこの店長がここまで酷くなったのは、この店がとんでもないブラックだったせいで、この人もある意味被害者だったんだと、後になって考える事も出来る様になったが、この頃の私にはそこまで考える余裕はなかった。
店長の毎日は、早朝から閉店の10時過ぎまで、いつ行ってもいるので、店長はいつ休んでるんだろうと思っていたら、驚いた事に店長の休みは年に1日。元旦だけだった。
一度上司に休みが欲しいとお願いしたら、「店長の癖に休みが欲しいなんて何事だ!」と言われ。その頃は奥さんもいて子供もいて、奥さんからもお父さん、たまには休めないの?と言われていたのに休みが貰えず。
それが原因かはわからないけど、奥さんとは離婚して犬だけが店長にとっての家族だった。

No.9 18/11/12 21:13
ゆう ( 50代 ♀ zrS7h )

店長は1日中休みもなく仕事に追われているせいで、お風呂になかなか入れないらしく、いつも酷い臭いがしていた。
しかもタバコも1日で灰皿が山盛りになるくらいのヘビースモーカーで、朝からお酒も飲んでる時が多く、それに加齢臭も加わり、それまで経験した事の無い臭いをさせていたので、初めはその臭いに慣れずに大変だった。
何よりも食品を扱うスーパーでこれはどうなんだ。と思ったがずっと一緒にいた須藤さんは、「大丈夫。みんな最初はそうだけど、時期に慣れるから。不思議と気にならなくなるよ」と言っていて、いくらなんでもそれはないだろうと思っていたが、しばらくしたら本当に気にならなくなっていて、自分でも驚いた。

No.10 18/11/12 21:24
ゆう ( 50代 ♀ zrS7h )

ある時、いつもの様に店に行くと、本店で人が足りないから数日だけ手伝いに来て欲しいと言ってきてるから、行ってほしいと店長から言われた。
店長から解放されるのは正直嬉しいけど、今でもギリギリの人数なのに、私がいなくなった後の事を思うと直ぐにはいとは言えなかった。
でも店長も須藤さんも、
本店から言われたら断れないから。こっちは大丈夫だから行って来て。と言うので行く事に。
私は短時間のパートだったが、本店では朝の9時から17時までのフルタイムで。と言われたので、まぁお金になるからそれもいいかとOKした。

No.11 18/11/12 23:46
ゆう ( 50代 ♀ zrS7h )

>> 10 本店へ行って驚いたのは、17時と言っても17時に帰れる訳じゃなく、17時にレジを閉めて事務所で精算をしてから帰るので、頑張っても20分から30分はかかること。
17時にレジを閉めるのも忙しい時は、ずれ込んで、なかなか直ぐに帰れない事もあり、その時にならないと何時に帰れるかわからない状態だった。
そんな中、本店の短時間のパートさん2人は13時丁度に毎日帰っていて、考えたら私も短時間なのに、長い時間にさせられて、応援呼ぶ前に短時間のパートさんに少し長く働いてもらう事を考えないのは何故なんだ。。と少し腹が立った。
しかも数日と言っていたのに1週間経ってもまた支店に戻っていいとは言われず、いつまでなのか聞こうと思っていたら本店の店長に呼ばれ、このまま本店て仕事をしてほしいと突然言われた。いやどう見ても本店なんて人が多いし、支店の方が大変だからと思って、また向こうに戻りたいですと言ったら、信じられない言葉が帰って来た。

No.12 18/11/13 00:11
ゆう ( 50代 ♀ zrS7h )

「木村さんが戻りたいと言っても、もう向こうでは新しい人が決まってるから、戻る場所はないんだよ」
と言われ、頭が真っ白に。。。
いつの間にそんな事に。。と思いながら
「本当なんですか?」と聞くと、
「そう。心配しなくても向こうは人員を確保してるから大丈夫だから。でもこっちで働くなら短時間じゃなくて長時間勤務になって貰わないと困るから。」と言われ、何が何だかわからない状態でOKしてしまった。
でもこの時、一度考える時間を貰って須藤さんと話をするべきだったと後になって思った。
その後、何故手伝いに行った私の代わりの人を、新しく支店に入れたのか話を聞こうと思って須藤さんの所へ行ったら、そんな話は全くないと言われた。
あの人は息をする様に嘘をつく人だから騙されたんだと。でももう決めてしまったなら戻れない。もう向こうの人だと言われた。

No.13 18/11/13 00:31
ゆう ( 50代 ♀ zrS7h )

本店は大きい店だから、レジと、たまにカウンターの仕事をするだけだから楽だったけど、休みは週1回のシフトとして渡される時と、なかなか決まらない時は急に明日休んでと言われたり、忙しい時は来週の休みはスルーで。と言われる事もあった。
スルーでと言われたらその週は休みがないと言う事だった。
年末の12月は最終の休みが12日とかで、あとは元旦まで休み無し。
そしてこの店では年に2回のキャンペーンがあり、夏はギフト商品やタバコ、ビール、米など。冬はそれに加えてお供え餅、クリスマスケーキなどを売らなければならない。しかもノルマは20万超え。最初見た時は桁を間違えたかと思ったほど。
しかもグループにして競わせるという悪どいやり方。それに加え、ここのスーパーは温泉も経営しているので、温泉のチケット1冊2980円を10冊。それも年に2回売らなければならない。私はイラスト付きで、人気の為残り少なくなってます。お早めに。とか適当に書いて、本当はダメだけどコッソリレジに貼ったりして売り捌いた。ビールやら米やら大きい物を売れと言って、配達は自分でやれと言う。車のある人はいいけど、車のない私はタクシーで運んだ事も。。それも休みがない時は仕事が終わった後で。
そんな中でも80万とか、物凄い金額を売る人もいたので、会社としては美味しくて止められないのだろう。今もまだ続いているけど、法律的にはどうなのだろう。

No.14 18/11/13 00:48
ゆう ( 50代 ♀ zrS7h )

よくわからなくて不思議だったのは、レジで割り箸がなくなってきて、資材を見ても全然無かったので、そういう時は支店では売り場から出してたので、自腹で割り箸を買ってレジに配ってたら、店の従業員に、
「その割り箸どうしたの?」と聞かれ、
「割り箸が少ないから買って入れてるんですけど。」
と言ったら、「なんで?お惣菜でお弁当作ってるみんなだって、割り箸無くても我慢してるんだよ。どうして我慢出来ないの?だいたいそんな売り場から出して、衛生的にどうなのかって話なの」
はっ?この人は何を言ってるんだろう。我慢するのはお客様だろう。。と思ったけどとりあえずはいはいと言って、割り箸は全部回収して持って帰る事にして、レジ同士で少ない割り箸を、やり繰りした。
別の日、他の従業員が「お花包む紙がないから何処?って聞いたら我慢してって言われたんだけど。何?我慢って」と怒っていて笑ってしまった。とりあえず同じ感覚の人がいてくれて良かった。

No.15 18/11/13 01:03
ゆう ( 50代 ♀ zrS7h )

レジには二人の小さい子供を持つ20代の若い女の子がいて、子供が小さいからあまり残業はしたくないけど、全然出来ないと言うと仕事をもらえないかと思い、出来ると言ってしまったがために、どんどん残業が増えて辛いと言ってる子がいて、ある日仕事に来た時に、実は夜仕事してる間に子供がお腹を空かせて何かを食べようとした時に火傷をしてしまったから病院に連れて行きたい。今日はこのまま帰らせてほしいと頼んでいた。
それは早く帰してあげないと。。と思っていたら、会社の対応は、今日は売り出しだからレジはやって貰わないと困る。
代わりに事務所の人を行かせるから、鍵と、何処に保険証があるか教えてと言っていた。
いやいや、それでなくても火傷して心細い思いで待ってるのに知らないおじさんが来て病院行くよとか怖いよ。第一、病院でどう説明するんだよ。

No.16 18/11/13 01:15
ゆう ( 50代 ♀ zrS7h )

その後もその子のシフトは残業が多いし、日曜、祝日の休みも全然なかった。
だけどいつも時間ギリギリに来て13時で帰る短時間のパートさんは毎週日曜日と祭日も休みをもらってる。それはあまりにも不公平ではないか。でも聞いた話によると、世間にはスーパーの悪い噂が広がり働く人がいないので、とりあえず来てもらうにはどんな条件でも呑むしかなかったのだとか。
過労で倒れて救急車で運ばれた人が何人もいて、トイレで自殺未遂を起こした人もいたり、奥さんが癌で危篤だから帰してほしいと言っても帰してもらえず、葬式の場でも「いつから働ける?」と聞いてくる様な会社だ。
どこからでも噂は流れていただろう。

No.17 18/11/13 01:36
ゆう ( 50代 ♀ zrS7h )

だけどやはり小さい子供の事を考えると、黙っていられなくて、私が一緒について行くから訴えに行こう!と私は彼女と一緒に店長の所へ行った。
そして、私は店長にこう言った。
「いくらなんでも残業が多すぎないですか。それに不公平すぎます。
毎週日曜日休んでるパートさん達に、そのうちの1日でも彼女に譲って貰うことは出来ないんですか?ここはスーパーですよ。日曜、祭日は忙しいのがわかってるのに、全部休みっておかしいじゃないですか?」
それに対しての店長の答えは
「それはあなたの考えでしょう?彼女達は日曜、祭日休みの条件で入ったんだから、それでいいんです。残業が出来ないなら、じゃぁ木村さんが代わりにやったら?」
もう終わってる。
正義っていったい何なんだ。。。
結局それから店長の思うつぼで、私のシフトに夜の時間も加わった。
それで少しは彼女の遅い時間のシフトは減ったけど、それでもしばらくして、やはり辛かったのだろう。彼女は結局仕事を辞めて行った。

No.18 18/11/13 01:52
ゆう ( 50代 ♀ zrS7h )

本店の仕事にも大分慣れて来た頃、私はまた店長に呼ばれた。
その内容は、元いた支店がやはり人がいなくて大変なので戻ってくれないかと言う話だった。こっちに来いとかあっちに行けとかどうなんだ、いい加減にしてくれと言おうとしたら、須藤さんがどうしても木村さんに戻って来てほしいと言ってると。。。
今思えばそれも本当なのか怪しい話だが、須藤さんがそう言ってるならと、元々私が居るべき場所だし、戻る事にした。

No.19 18/11/13 02:05
ゆう ( 50代 ♀ zrS7h )

支店の店長は相変わらずだった。
朝の釣り銭を入れる時になって、ああ、またこの生活が始まるのか。。。と思った。
まともな釣り銭が入ってるのは稀だった。
たまに店長あてに電話が来ると、留守だと言ってくれと言う時があって、須藤さんによると、どうやら携帯で競馬をやっていて、借金とりからの電話らしいと言う事だった。
以前黒ずくめの男の人達に車で連れて行かれた事があって、店長が連れて行かれた。どうしようと心配してたら、無事に帰って来た事があったとか。。
次連れて行かれたらもう無理かも。。。
須藤さんは何だかんだ言いながらも店長の事を心配していた。
店長がお風呂に入らず半年ほど経った頃には、店は私が見てるからお風呂に行って来て。と無理矢理行かせてもいた。が、身体は綺麗になっても服は洗濯してないから、やっぱり臭さは取れなかった。

No.20 18/11/13 02:19
ゆう ( 50代 ♀ zrS7h )

そんなある日、店長が珍しく
「1万円札あるか?」と聞いてきた。
私は両替しに行ってくれるんだ。珍しい事もあるもんだと思って、
「あります。両替ですか?よろしくお願いします」と言って3万円渡したら、
「ああ、行ってくる」と行って店を出ていった。
その後帰る時間になってもお金は戻って来なかったけど、まぁ、店長だし、あとで入れておいてくれるだろうと、一応点検を取ってから家に帰った。しばらくすると、須藤さんから電話がかかってきた。
「木村さん。あのね。3万円どうしたか知ってる?」
「3万円、店長に渡しましたけど、店長いないんですか?店長は何と言ってます?」
「わかった。木村さん。大丈夫だから。とにかく1回切るね。後で話すから」
私は何が何だかわからず、しかも今回はお金の事。他の事は我慢出来てもお金の事は我慢出来ない。落ち着かない状況の中で、私はひたすら須藤さんからの連絡を待った。

No.21 18/11/13 07:53
ゆう ( 50代 ♀ zrS7h )

その頃、店ではとんでもない事になっていた。店長の横領が見つかり、本店の店長らが嗅ぎつけてやって来たのだ。
その時に今日のレジの売り上げも見ていて、3万円が無いことを追求され、そこで私の名前が出たらしい。木村さんが知っているから聞いてくれと。。
でもそこに須藤さんもいたので、
「木村さんはそんな事しない!」と私をかばってくれたらしい。
その日から店長がいなくなり、しばらくして新店長がやってきた。
今度の店長は2週間に1度、半日の休みが貰えるようだった。その時だけ代わりに本店から夜間店長が来る様になった。
半日の休みってどうなんだ、と思ったけど前の店長の事を思えばずっとマシなのか。。
それからは以前の様に怒鳴り声が響く事もなく、ようやく穏やかな毎日を過ごせる様になった。と思っていたのだが、そう長くも続かなかった。

No.22 18/11/13 08:11
ゆう ( 50代 ♀ zrS7h )

店長がいきなり辞める事になったのだ。
他にやりたい事が見つかったらしい。
まぁ、ここの店長をずっとやっていく事を思えば、もっと休みもちゃんと貰える仕事を探した方がずっといいだろう。
本店からは、近いうちにまた店長になる人を連れて来るから、それまで須藤さんに店長の代わりをやってほしいと言われていた。しかし、支店の店長をやってもいいと言う人はなかなか現れず、そこから徐々に私達が追い込まれていく事になった。
須藤さんは今までの様に1週間に1度の休みが貰えず、2週間に1度、それも半日の休みしかもらえなくなった。それでも須藤さんは「木村さんの休みだけはちゃんと確保するから」と、私達パートの休みだけは入れてくれた。しかも本店の様に勝手にシフトを組むのではなく、なるべく希望を聞いてくれて、1週間に1度でも、出来るだけ休みたい日に休めるようにするから。とまで言ってくれた。
自分だって休みが欲しいだろうに、その事についての愚痴は言った事がなかった。
今でもその事には感謝の気持ちでいっぱいだ。

No.23 18/11/13 08:26
ゆう ( 50代 ♀ zrS7h )

その時の仕事の時間、本来なら9時から17時のところ、朝は7時半には出勤し、帰りは夕方須藤さんが本店に翌日の分のお肉を取りに行かなければいけないので、須藤さんが帰って来るまで店で留守番で、遅い時は19時を回る時もあった。差額は全てサービス残業でお金は入って来ない。
その全ての時間をお給料に換算するといくらになる事か。。。
初めの頃はいた青果担当の人も途中でいなくなり、最終的に店には須藤さんと私の二人になった。スーパーを二人だけでなんてやっていける訳がない。
須藤さんがたまに、以前務めていた人を手伝いで頼んだりしてくれて、そんな時は助かったがそれでも仕事はてんてこまいだった。
特に売り出しのタイムサービスがある時大変だ。

No.24 18/11/13 09:03
ゆう ( 50代 ♀ zrS7h )

例えば12時と午後3時にタイムサービスがあるとすると、まず午前中須藤さんが商品を本店に取りに行く。その間私はレジと電話対応。出来る時は賞味期限切れチェック、温度チェックなどもしていた。
須藤さんが帰って来ると急いで売り場に商品を並べる。そしてタイムサービスの時間。商品によっては混む時もあるが、売り出しの時は本店の方は混んで、支店はガラガラと言う時もよくあった。それでも次のタイムサービスの時間が近づくと、また商品を取りに行かなければならない。たまにお客様から欲しい物がないと言われたりした時は、須藤さんに電話をして、本店に行ったついでに持って来てもらう事もあった。本来仕事中に携帯電話を持つのは良くないが、須藤さんが配達などでいない時が多く、向こうから連絡が来る事もあるので、常に身につけていた。
そして須藤さんが次のタイムサービスの商品を運んで来ると、また2人で急いで並べる。
必死になって並べ終わって、さぁタイムサービスと言う時にお客がいないと、はぁ。私達は何をやっているんだろう。。と言う空気になる。それでもまた夕方になると、須藤さんはまた本店に肉を取りに行かなければならないのだった。

No.25 18/11/13 09:52
ゆう ( 50代 ♀ zrS7h )

そしてこのスーパーではもうひとつ、通常のスーパーの業務の他にクリーニングの受付も委託されていた。たまに3点で980円と言うセールをやっていて、その時はかなりのお客様が利用してくれていた。
でも1人の時にレジにもクリーニングにもお客様が。。。と言う時はかなりバタバタだったと思う。

そしてこの時よりもう少し早い時期だった気もするが、衝撃的な出来事が起こった。
以前の店長が自宅で亡くなっているのが見つかったのだ。
聞いていた話では電気やガスなどのライフラインを止められていて、その為ほとんど店で暮らしている状態だったと言っていたが、お酒もたくさん飲んでいたし、身体の状態も良くなかったのかもしれない。
思えば人生のほとんどをこのスーパーに捧げて、なんて可哀想な人生だったのだろう。
唯一、競馬だけが彼にとっての娯楽だった。
横領は確かに悪い事だけど、本来ならもらえる休みを年にたったの1日しかもらえず。
頑張っていても本店から毎回怒鳴られ、家族からも見放され、そんな状況の中でも希望を持って頑張れる人がどれほどいるだろう
このスーパーには定年が無い。
もう年だし、身体がしんどくなってきたから辞めたいと言ったら、死ぬ時はこのスーパーで死ねとまで言われた人もいる。
店長は、きっと真面目な人だったのだろう
もっと良い職場で働けてたら、全然性格も変わっていたかもしれない。最初の頃働いていた新人さんが一度店長に、「仕事って本来楽しいものじゃないんですか?」って聞いた時、「仕事なんて楽しいものじゃない。辛いだけだ」と答えていたと聞いた事がある。
その言葉を改めて思い出し、ただ、ただ切ない気持ちになった。

No.26 18/11/13 10:22
ゆう ( 50代 ♀ zrS7h )

それからしばらく経った頃、夜の高校生のバイトの子が奇妙な事を言うようになった。
仕事をしていると、耳元で声が聞こえると言うのだ。
よく聞いてみるとその声は年配の男の人の声で、いつも怒っていると言う。
このバイトの子は前の店長の事はいっさい知らない。
なので作り話とは思えないし、多分店長がまだ未練があってこの店にいるのだろうと須藤さんと結論づけた。
何とか店長に成仏してもらおうと、やり方がよくわからないながらも入り口に盛り塩を置いて、店長の好きだったお酒もお供えして須藤さんと一緒に祈った。
それを何日か続けてたのが良かったのかはわからないが、バイトの子がその話をする事はなくなった。
もしかしたら言わなかっただけかもしれないけど、せっかく自由になったのだから、仕事の事は忘れて成仏してほしいと心から思う。

No.27 18/11/14 07:29
ゆう ( 50代 ♀ zrS7h )

もうひとつ、大変だったのは、このスーパーでは無料で配達もしていた事に加えて、近所にお年寄りが多い事から電話での注文も受け付けていて、言われた商品を箱に詰めて配達をしなければいけなかったこと。
1人でいる時にこの電話が来ると、他の事が出来ない上に相手がお年寄りだから、マイペースで長々言って来る事もあり、レジに人が並んでないかも注意しながらなので落ち着かない。一度レジに人が並んでいても話が長くて、一度切らせて頂いてかけ直しても良いか訪ねたら凄くキレられた。
しかもみんなそれぞれこだわりが多い。
ポイントカードを預かっていて、その人の注文の時にはそのカードを通さないといけなかったり(これも一度忙しくて通し忘れたら後からクレームになった)
箱じゃなくて袋で配達の人がいたり。
でもその中でも一番気を使ったお年寄りが1人いた。

No.28 18/11/14 07:44
ゆう ( 50代 ♀ zrS7h )

いつも注文する物はだいたい決まっている
水が数本、おかず、お菓子、青いジュース
だいたいいつもこの注文。
おかずはこちらで3点ほど選ぶのだが、気に入らないものだと後で言われるし、毎回同じと言う訳にもいかないので、気を使った。
筑前煮が好きらしく、たまに具体的な注文で筑前煮と言われる事もあったが、その時はセンターから来た物ではなく、店で作ってる方の筑前煮じゃないといけないので、無い時は須藤さんに本店まで取りに行ってもらった。
お菓子と言うのは菓子パンの事で、これもこっちで適当に選ぶのだが、たまに変わったパンを入れてあげると喜ぶ時もあるが、あれはもう次からはいらないとかも言われるので、結局無難ないつものパンが多かった。
青いジュースと言うのはジョージアエメラルドマウンテンの事で、最初何の事だかわからず聞きまくりだった。
このお客様は配達の時にもこだわりがあった

No.29 18/11/14 08:03
ゆう ( 50代 ♀ zrS7h )

お水は持って行ったら蓋を1回全部あけて締めなおさないといけないらしい。
外にあるカゴの中のカラのペットボトルをよけてそれを入れる(この辺は詳しくは覚えていない)とか、細かいルールがあって配達が大変だと言っていた。
配達は量が多いので本店からも応援の人が来てくれていたが、その人がこのお客様の要望を無視して、何もしないで帰って来たとかで、お客様からお怒りの電話が来た時があった。その事を配達の人に言うとその人はその人で
「客は他にもいっぱいいて忙しいのに、そんな事いちいち聞いてられるか!」
と言っていたが、クレームの相手をするのはこっちなので、そこを何とかやってほしいと須藤さんからお願いして、聞き入れてもらった。それでもそのお客様はちょっとした事でもすぐ電話して来るので、その度に聞くのは大変だった。なんせ話が長くて切ろうとしてもなかなか切れない。あまりに長くて疲れるので途中で受話器を須藤さんと交代しながら聞いていた事もある

No.30 18/11/14 09:46
ゆう ( 50代 ♀ zrS7h )

冬になるともうひとつ、重労働の仕事が増える。雪かきだ。大雪の時は1日数回、駐車場の雪かきをした。大きな店なら業者に委託も出来たのだろうけど、小さい店なので駐車場もそれほど大きくはないのに、お金もかけられなかったのだろう。
大きい氷柱が下がって来ると、危ないので取り除かないといけない。落とした後の氷柱がまた重いので運ぶのが大変だった。
店内は長靴の裏の雪が溶けて滑りやすくなるので、モップで拭く作業も多くなる。
猛吹雪の中でも本店へ何度も商品を取りに行かなければならなかった須藤さんは本当に大変だったと思う
月に1回の棚卸しも大変だった。店内の商品全部を数えないといけない。二人じゃとても無理なので、須藤さんが友達や前のバイトの子に頼んだりして人員を確保してくれた。
新しい店長が来るまでの我慢だと頑張ったが、新しい店長はいつまで経っても決まらなかった。
店が暇な日に、須藤さんとぼんやり外を眺めていた時、須藤さんがポツリと言った。
「こうしてると、刑務所の中から外を眺めてるみたいだよね。ずっと出られない刑務所だよね」私はまだ朝7時半から夜は遅くても7時ぐらいには帰れる。閉店までの時は遅い時間から出勤出来たが、店長代理の須藤さんは、毎日朝から閉店まで。しかも休みは半日しかもらえない。それがどれだけ辛い事だったか。。

No.31 18/11/14 10:40
ゆう ( 50代 ♀ zrS7h )

そしてある時、限界がきた私達は一緒に辞める事を決めた。
どちらが先に言い出したのか記憶は定かではないけど、そう決めた時、晴れ晴れした気持ちになったのは覚えている。
そこのスーパーは辞める時には辞表を出さなければいけなかったので、2人で書き、本店に届けるメール便の中に一緒に入れた。
あともう少しで解放されるんだと思うと、仕事も頑張れたし、ことある毎に須藤さんは「木村さん。あともう少しだよ」と笑顔で言った。

辞表を見た本店の店長が来たのはその数日後だった。

No.32 18/11/14 11:30
ゆう ( 50代 ♀ zrS7h )

この少し前に、新しい店長が来ない代わりか本店から1人、レジの手伝いに回されて来てた人がいて、その人が来てからそれほど経っていないのにこの状況で申し訳なかったが、無理なら本店に戻してもらうから大丈夫。1人でやることはないからと言ってくれて、もう私達の決意はすっかり固まっていた。
最初に須藤さんが事務所に呼ばれた。
どのくらいの時間だったかわからないが、凄く長い時間の様に感じた。
そして、次は私の番。

店長が言いそうな事はわかっていたが、やはり思っていた通り、もう少し長く日にちを伸ばせないか、せめて日曜日だけでも出られないかと言う事だった。もう少しだけ考えてほしいとも言っていた。でももう限界が来ての結論なので、1日も伸ばす事は出来ないし、日曜日も無理。この考えは絶対に変わらないと伝えた。普通ならここまで言われたらそのまま諦めるのが当たり前の感覚だと思う。
ところがこの後、流石ブラックな会社だなと言う行動に出てくるのだった。

No.33 18/11/15 11:55
ゆう ( 50代 ♀ zrS7h )

次の日、職場に行くと、須藤さんと本店から来ていた布川さんが、2人で私の所へ来て
「木村さん、辞めずに日曜日だけ来る事になったって本当?」と言ってきた。
「は?そんな訳ないじゃないですか。誰が言ってたんですか?」と聞くと布川さんが、
「このままこの支店に残ってくれたら、日曜日だけは木村さんが来てくれる事になったから頼むって言われたんだけど。。。それで私もそれならいいですよ。って返事したんだけど。。。」
「いえいえ。。。日曜日だけって、そんな事ひと言も言ってないし、有り得ない。なんでまたそんなすぐ解る嘘をつくんだ!私、今日の帰りに店長の所に行って来ます」

心底腹が立っていた私は、仕事が終わった後、店長に嘘をつくな!と言う為に本店へ向かった

No.34 18/11/15 12:21
ゆう ( 50代 ♀ zrS7h )

「店長はどこにいますか?」
本店の事務所に入ってすぐ、事務所の人に聞くと、もう帰ったと言う事だった。
支店の店長は朝から晩まで休みなく働かせて、自分は早く帰るってどうなんだ。
店長の癖に休みがほしいとは何事だ!とか人には言ってる癖に、自分はしっかり休みも取ってるんだよね
そう思ったら益々腹が立ってきた
「すみません。紙とペンを貸してもらえますか?」
このままじゃ帰れないので、手紙を残しておく事にした。
私は紙とペンを受け取るとなるべく目立つように大きな字で、文章を書いた。
【日曜日に私が行く様になったとか、どうしてそんな嘘をつくんですか
どれだけ嘘をついたら気が済むんですか
私は辞めると言ったら辞めます
もういい加減にして下さい 木村 】
そして店長の机の上に、通る人みんなが見える様に広げて置いた
本人が居なかったのは残念だったけど、この行動でちょっとだけ気が晴れた

No.35 18/11/15 12:58
ゆう ( 50代 ♀ zrS7h )

次の日の昼過ぎに事務所の人が来たので、店長があの手紙を読んでたかどうかを聞いたら、朝、あの手紙を見た店長はそれをそのまま側にいた社長に渡し、2人でそれを見ながら呆然としていたようだった。
これでようやくわかったのだろう。。
それからは全く何も言って来なくなった
私と須藤さんは、毎日、あと何日あと何日と数えながら日々を過ごした
この時は気持ちも明るく、今までで一番楽しく仕事を出来ていたと思う
そんな中で、私達が居なくなった後この店をどうするのかが、少しづつわかってきた。
本店の夜間店長にこの店をまかせる事になったらしい。しかも店は夕方6時で閉店。毎週1日定休日にすると言っていて、これには須藤さんも私も怒り心頭。
6時で閉店とか、定休日とかあったらどれだけ楽だったか。。。私達が居なくなってからそうするってどういう事?!
ただ、後で聞いてみると、夜間店長は6時で支店のお店を閉めた後はいつも通り本店の夜間店長の仕事をやるみたいだから、結局長時間労働に変わりはなかった。
でも冷静にお客様の立場になったら、夕飯の用意で必要になった物を買いに来るのに、6時閉店は早すぎだろう。。
須藤さんがお客様の為に、たまには変わったお惣菜を持って行ってあげようと選んでいたら、文句を行ってくるくらいだから、支店のお客様の事なんて全く考えていないのだろう
結果的に私達が居なくなった後は、やはりそんなに長くは経営が続かず、この支店は閉める事になったが、その時も普通ならかなり早めに閉店のお知らせをするものだと思うけど、半月ぐらい前にいきなり閉めますと言って、バタバタ閉めていた
可哀想なのはお客様だった
お客様に対しては、本当に申し訳なく思う

No.36 18/11/15 13:05
ゆう ( 50代 ♀ zrS7h )

最後の日は、朝から須藤さんも私もハイテンションだった。
仕事が終わったら、以前のバイトの子や仲良くしてる本店の事務所の人等も呼んで打ち上げパーティもやる予定だった。
いろいろあったが、今日で何もかも終わる
ようやく解放されると思うと、嬉しくて仕方がなかった。
そして、お店の閉店準備をしていた時、ふと見るとそこに社長が立っていた

No.37 18/11/16 20:24
ゆう ( 50代 ♀ zrS7h )

社長は私と須藤さんの前に来ると、
「今まで本当に申し訳なかった。」
そう言って深々と頭を下げた

あの時、私達が社長に何か言葉を返したのか、何も言わずに頭を下げる社長をただ見ていたのか、今では思い出せないが、社長自ら頭を下げにくるなんて思ってもみなかった事なのでとてもびっくりしていた。

でもそれを差し引いても、今までの事は許せなかったので、社長が帰った後、私は須藤さんに言った。
こうなったら全部訴えましょうよ。
訴えたら絶対勝てますよ

No.38 18/11/16 20:43
ゆう ( 50代 ♀ zrS7h )

でも須藤さんから返って来た答えは意外なものだった。
「私もそう思ってた。許せない事はいっぱいあったけど、社長が頭を下げるのを見たら、もういいやって思えたよ。もういいの。
だってさ、店には従業員が多勢いるんだよ。
みんなひとりひとり生活がかかってるし、うちの店は定年がないから年配の人も多いでしょ?会社を訴えて店が潰れたら、その人達の生活はどうなるか考えたら、とてもじゃないけど出来ないよ。そこまで責任持てないもの」
そんなは事考えた事がなかった。
訴えるのはみんなの為になる事だと思っていた。
でも確かに、何十年もこの店で働いてる人の中には、こんなもんだと、全てを受け入れて働いている人もいて、そういう人からしたら、勝手に訴えた人の為に店が潰れて働く場所が無くなったら、恨みの矛先は訴えた人に向けられるのかもしれない。

No.39 18/11/16 22:01
ゆう ( 50代 ♀ zrS7h )

正義って何だろう。。
私はふと、本店で若い精肉のチーフから暴力や暴言を受けながら働いていたおじいちゃんの事を思い出した。私は怒鳴られてるのしか見た事がなかったが、胸ぐらを掴まれたり蹴られたり、かなり暴力もふるわれていたらしい。
一度肋骨を折った事もあるらしく、須藤さんが、こんなの酷いよ。相手を訴えたら?って言った時、自分はもう年だけど、相手は将来のある若者だから、将来の事を思ったら訴えられない。と言っていたらしい。
最終的には仕事を辞める事になったが、その時も、このままだと自分が相手を殺してしま
う。そうなる前に辞める事にした。と、どこまでも相手の事を気遣っていた。
やられた方が逃げるしかない世の中っておかしい。因果応報は無いのだろうか。
正義っていったい何なんだ。
正義が勝つのは結局物語の中だけなのか。。
だけど。。。
現実はそんなに単純じゃない。

No.40 18/11/16 23:48
ゆう ( 50代 ♀ zrS7h )

それぞれが、いろんな思いを抱えながら、それでもゆっくりと確実に、最後の時間が過ぎて言った。
みんなで乾杯して、ひとしきり楽しい時間を過ごし、さぁ、そろそろ帰ろうと言って、店中の電気を消し、みんなで揃って外に出た。
じゃ、お疲れ様でした。いつもの様に、明日も普通に仕事へ来るかの様に挨拶を交わして、私が先に歩き出した。
「木村さんの後ろ姿が、なんだか軽やかなんだよねー。良かったねー」
そんな声が後ろから聞こえて来た。
私は後ろを振り向きたいのを我慢して、そのまま歩き続けた。
もう、振り返ってはいけない。。。
明日からはもう、それぞれ別々の人生を進んでいくのだから。。。
ちょっぴり寂しい気持ちと、嬉しさと、複雑な気持ちを胸に、私はようやくこの店から解放されたのだった。

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