注目の話題
🍀語りあかそうの里🍀1️⃣0️⃣
がんばっても何も言ってもらえない会社
母親の誕生日プレゼント何が良い?

沙耶香の女装官能小説(女装モデル編)

レス500 HIT数 121613 あ+ あ-

作家
17/12/06 08:18(更新日時)

物語

わたし水越沙耶香(仮名)はある時に街を歩いていると女装雑誌『クロスドレッシングボーイ→ガール』の担当編集矢口麗奈にスカウトされる。
始まる彼女との女装生活やモデルとしての日々。
日々交わる麗奈や彼女のライバル早紀、彼女たちの社長である双星出版社社長の神無月舞、現れる謎の痴女性。
近所に住むランジェリーショップを経営する美人三姉妹……。

女装小説でありますが同性愛やLGBTなどではありません。
あくまで筆者が女性や女性的なものに外面や内面またフェチ的なものに憧れる女装官能小説です。
くれぐれも誤解なきよう願います。
ちなみに更新は遅め。

17/08/04 15:53 追記
感想スレにスレを作りました。
共感ボタンを押してくれた方や作品に興味ある女性の方よかったら書き込みください📝。
男性は感想スレ禁止とさせていただきます×。

17/12/06 06:19 追記
とりあえず今回の物語はここまでですが続編のスレは作りました。
感想共々再びそちらもごらんください。
ここまでお読みいただき読者の皆々様ありがとうございます。
そしてまたよろしくお願いします。

No.2484188 17/06/12 08:31(スレ作成日時)

新しいレスの受付は終了しました

投稿制限
スレ作成ユーザーのみ投稿可
投稿順
新着順
主のみ
付箋

No.401 17/11/16 15:24
作家 

白く清潔なベッドルームは淫靡なルイとは対照的に思うが彼女はここで自分たちが犯した被害者と身体を交わしていた。そんな風に見つめているとルイは私を見て意外なことを提案した。
「沙耶香さんの身に付けてるランジェリーと交換してしてくれない……」
「え、そんな」
「下着フェチな沙耶香さんに私のは相応しくない?」
そういうわけではなく互いに背を見せながら下着を脱いでいく。今日の私のランジェリーは比較的清楚な桃色のランジェリー、しかし少し後ろは少しキツめのTバックに近い。
「……こんなのでよかったら」
「少し私のには男の精液ついてるけど」
「……しかたないでしょう」
少しばかり紫紺のショーツのクロッチには他の牡の精液や匂いがありながらも身に付けた。ルイの温もりと他の男性の匂いが複雑な思えた。しかしそれでもランジェリー特有の感触や温もりは感じる……。
「どうかしら……」
「清楚なルイさん綺麗……」
「ありがとう……」
ベッドに座りながら私は彼女の花に耳を傾けた。はじめは風吹先生とレズ遊戯をしていたがさすがに男性器がないことにややストレスもあったがある時に患者とセックスしてみたらという提案があった。
「はじめはうまくいくか不安だった」
桃色のブラの胸元に手を置く彼女はまるで処女のようなウブさがあるようだった。話を続けていく……。
「患者の男子や男性たちはほとんど私たち姉妹を忘れながらも媚薬に苛まされセックス自体がトラウマのようになりそうだった」
「うん……」
「だけどゆっくり彼らと話をし接していくなかでこんな身体でも役に立てるんじゃないかと思い何人かと身体を交わした。さっきのように。見てたんでしょう?」
ええ、と頷くなかルイは私の身体に触れていく。
「沙耶香さんにも媚薬を使って酷いことをして……」
「……」
「はじめは……キスや愛撫からはじめてまるで初体験のような感じで患者に触れたの」
彼女から初体験という意外すぎる表現に内心疑うがそんな気持ちでも得ない限りはたぶん患者に触れることはできないだろう。
「ん……沙耶香さんの身体と私のランジェリーから匂いが混ざってる」
「それから」
「患者のぺニスははじめは本能のままに勃起してたけど……愛情を少しずつ持って感じて触れたの」
彼女の手は紫紺のランジェリーの私に触れて撫でていく……。

No.402 17/11/17 05:06
作家 

ふしぎ……。
自分のランジェリーを身に付けたルイは清楚な女神にも見えていた。彼女は語り続け股間をまさぐる……。
「はじめは失敗……。名器と自惚れたばかりに相手の気持ちや身体を考えられなかった。だけど丁寧に優しくすれば相手は心を開いてくれる……ン」
「そう……」
「相手をイカすことではなけ共にイク……んん」
「ルイさん……」
「なあに」
「イイ……触れられてるだけなのに」
ビクンビクンと紫のショーツから飛び出さんばかり私の淫棒は熱く堅くなっており彼女はまさぐり撫でる。
「沙耶香さんが私の下着のなかでコーフンして」
「はあ……ン。ルイさんも……」
ショーツの股布をじわりと湿らせながら私は意地悪し淫肉を食い込ます。成熟した淫肉から淫汁がとろとろ滴り陰毛が生えていた。
「ああ……やっ……いや…ン」
「私の下着を濡らすだけ濡らしなさい……」
マジックミラー越しに風吹先生と彼女付きの看護師たちは頬を赤くさせていた。私は知らなかったが風吹先生は色情狂でありレズだったと後に知る。
しゅっしゅっと股布と淫肉が擦れる音がしてルイはちいさく喘ぎ悶えた。
「ああ……ンン。虐めて……いじめないで……」
淫豆もまたクロッチに擦られ剥れて彼女は相反する喘ぎを漏らす。
「相変わらず大きなムネ……ン…ちゅう」
「あ…あ…ンン……」
「私のブラなのにはみ出してるわ……」
ルイのもともと発育がよく成熟し三姉妹でやはりアダルトな雰囲気を醸し出しフェロモンを発散している。これがもとからか成長過程からなのなかわからない。
「沙耶香は大きいムネがいいの?」
「大きさにこだわらないわ。ちいさくても形がよく……感度がいいのがいいわ」
「やさしいのね」
胸を愛撫する私の頭に触れて女神のような笑みをしていたが気づかない。そのまま私はおへそを指からそして舌で責める。
「んっ……くすぐったい」
「可愛らしい……」
ちろちろと綺麗なおへそを舐めていく。先ほどの女装美少年とのプレイでは責められてなかったのか汗や体液の匂いしかないようだ。
「んっ……ああ……おへそだなんて」
ふんわり柔らかいルイの髪はベッドの上でふわりと浮く。
「……美味しい」
「ン……」
「私の下着なのに」
ピンクのショーツの形を戻しながら淫部を掌で覆い触れていく。

No.403 17/11/17 09:22
作家 

ピンクのショーツの内でルイの下半身は以前より母性に溢れている感じ。以前はそれこそ精気が発散してる感じだったが落ち着きがある。そっと肉唇に上から触れてみると声を漏らした。
「ッ……んん」
「触れただけなのに」
「いじられるのもいいわ」
指で肉唇をそっと形をあらわすように浮き出させると膨らみがあり愛液が粘液のまま沁みとなる。そっと指につけ舐める。
「ん……なんで直接しないの」
「してほしい?」
「お願い……」
「淫乱なルイさんらしくないわ」
私はルイに膝で立つように示し顔面騎乗の姿勢をさせた。いわば和式トイレと同じである。
「あ……いや」
「ジェンダーアイの長女がなにを言うの?私に媚薬を盛ったくせに」
盛られたというが実際はほんの少量かつ二回程度。克服できただけありがたい。
しかしプライドあるルイに異性を跨ぎ相手の顔が女性器の下にあるのは羞恥心があるらしい。ショーツを脱がしていき片膝にかけた。
「ああ……そんな」
「凄い……花弁から蜜が流れてる。ッ……」
形の綺麗な花唇、淫豆もふっくら剥れている。成熟しているが匂いは若いニ十代女性のまま。歳は私や麗奈より少し上だけど。白い太腿を掴みゆっくり顔面に着座させ淫唇にキスをした。
「あ……いや」
「処女みたいなクチの聞き方ね。あれだけ私を求めたのに」
「……意地悪しないで」
太腿からぷるぷると肌が震えているようで支配的なセックスをしてた時とちがう。
ふと母の存在がよぎる。
こんな時に……。
「どうしたの」
「なんでもない。ぱっくり牡を求めてるのかしら」
「ちがうわ……」
私の誤魔化しに気づいたか定かではないが肉唇を指でそっと弄ると赤貝のような秘唇が見え奥から愛液が落ちてきてクチをつけた。
クチュクチュれろれろ。
「っ……気持ちいい……」
「これで私を苦しめたのよね……いいようにして」
「……ごめんなさい」
以前のルイならそれこそ卑猥かつ邪な花唇で支配しようとしたのに成熟してる花弁なのに処女のような初々しさがありいくら挑発しても無駄と悟る。やりにくいような複雑な気持ちが宿る。
「ほら、ちゃんと座って。私に食べさせて」
「はい……どうぞ。はしたないおま×こを……ん……」
ほとんど抵抗なくむしろ羞恥心ある表情で頬や耳が赤く髪まで湿っており陰毛に涙のように粒が浮かぶ。

No.404 17/11/17 14:44
作家 

少々戸惑う……。
いつものルイならそれこそ対等に身体を交じあうことができるのに少し気が引けてしまうようだ。
「ああ……ンン」
「……ん、れろれろ」
指でそっと襞の奥を触れて愛液を吸い上げるとルイは身体をくねらせる。
「んん……はしたないおま×こ……」
「……いえ…きれい」
マジックミラー越しに見つめる風吹先生と瀬能明日香は見つめふたりは淫部に手をやる。
それでいいのルイ……。
そんな呟きを私を知るはずもない。
「ああ……あまり…されるとイク……!」
腰を大胆にくねらせ跳ねるようにしながら彼女はアクメを感じる。
「イキそう?イキなさい……」
瞬間彼女は腰を大胆に跳ねるようにしながら噴水のようにイッた。オルガスムスに達したかはわからない。
しかし一瞬にして私の顔面に愛液とも尿ともつかない体液が覆ったことに驚き言葉を失った。
「……あ…」
「ああ……ごめんなさい」
秘部を離したルイは贖罪するかのように快感を放った液を拭うように舌をつけ這わした。
「……沙耶香さん。ごめんなさい」
舌をつけ這わせる姿を瞳に映しながらこのプレイはなんなのだろう。
「ごめんなさい……んちゅ……」
「ん……」
「……どうか抱いてやってください……」
呆然に近い私の陰部に手をやりながら快感を放った淫唇を近づけていく。しかし挿入しないことに気づき目をやった。
「どうか……やらしく淫らなここにオチ×チ×を……」
彼女はけっして柔らかくないベッドに仰向けになり瞳の色や髪が汗や体液て湿りながら足を開いていく。
「ん……本当にいいのね」
ハイとあまりにらしくない姿が鈴口をゆっくり女陰につけようとした時にわずかに躊躇いがあった。
また早くイッてしまうのでは。
女陰恐怖症ほどではないが自分も相手も傷つけるおそれがあったことを感じた。
しかしルイの瞳は慈愛に満ち溢れながらそっと優しく首に手をやり抱き挿入をゆっくりゆっくりそれこそ一秒でさえ長く感じるほどに……。
「っ……」
「そう……それでいいの……」
「っ……」
まるで私の方が初体験する童貞や処女のような気持ちが重なり根元に軽い痛みがあるようなないようなふしぎな感覚あった。
あたたかく優しい……。凄い……。
淫棒を包む襞は以前とちがい微妙に違う感があった……。まるで処女のよう……。

No.405 17/11/17 20:40
作家 

ふとこの感覚はなんだろうと脳裏をよぎる。
初体験。それもあるが最近だと美紀との性交を思い出させるあたたかさやぬくもり。
「ん……沙耶香さん」
「あ……」
「クリチ×コ……オチ×チ×……挿入(はい)った……」
彼女の言葉にふと射精してないまま挿入できたことに気づく。ショーツと膣内の感触にふしぎと安堵している。
「……好きに虐めてください……」
「ん……」
とてもルイとは思えない言葉にわずかに警戒心を持つが彼女は全裸に近く私は下着フェチなために胸にはブラウスやブラ、淫部にはショーツと何かできるわけもない。医療のためのベッドルームだし他に何もない。
「うん……ンン」
「っ……」
本当にあの彼女だろうかと疑いながらも互いに喘ぎ声は少ない。一見するとふたりとも不感症ではないかと思うくらいだが確実にルイの膣内は私の淫棒をくわえくちゅくちゅと音を立てている。
「っ……」
「突いて……虐めて……」
「なんなのよ……しおらしくして……」
つい私の中の“沙耶香”が本音のまま答えた。瞬間熱く憤る感情のまま襞に包まれ射精寸前のように肥大化したことを感じる。
イク!?と思ったがにゅるにゅると襞の方から少し離れたようだ。
え、と驚く私にルイは憂いを秘めた瞳から涙を少し流した。
「な、なんで泣くのよ……」
「いえ、不愉快にさせて私が申し訳ないばかり……んん……」
「な、なんなの……」
不可解な態度を怪訝に思っていると再び襞が淫棒を包み離さないようにしている。キツくなってきてあの名器の感触がきて締め付けてきた。
「あっ……ううう」
「ハアハア……申し訳ありません……」
「うっ……」
額に汗が浮かぶなかイクのを堪えようとすると再び膣内がそっとゆるんだよう。そっと前や後ろに動かすと彼女は額にシワを浮かべた。
「ああ……っン……」
処女のようでありながら名器を持つかつてのルイの二面性……?
「っ……え」
キュッでもなくぐぐぐと締め付けがありむしろキツさを感じた。しかも経験数の少ない女性の身体……。
「あ……ルイさん」
「満足していただけます……か……」
そっと下半身を離そうと試みるがまるで離そうとしない。根元からぺニスだけ抜けそうな奇妙な快感と葛藤。
もう、と私は覚悟を決めた。このまま犯してやる。しおらしい姿して。

No.406 17/11/17 21:05
作家 

しおらしい姿をして。
このまま私は彼女の快感に身をまかせることにした。するとまるで子宮の奥まで突いてるのではと思うくらいに挿入を繰り返していた。
「あ…ああン……」
「もう好きにしなさいよ。どうせ逃げられないんだから……」
「……ああ、ハイ……」
頷き喘ぐ彼女の表情はまさに従順そのもの。だが同時に膣内はキュッと締め付けて処女か経験の少ない女性のよう。
名器が治ったかどうかはわからない。胸に触れる手がわずかに震えながらも掴んだ。
「きゃ……。や、優しくして……」
「してあげるわよ」
「……んぅ……沙耶香さん…こわい」
しおらしい態度に憤りあるが冷静になりなさいと“沙耶香”がちいさくうながした。こんな女の思うとおりになるんじゃないのと伝えていた。
しかしこれは後に間違いだったと知らされるが性行為の最中に気づくわけはない。
「……唇ください」
「……ん……ちゅっ」
「ああ……愛してます……」
そう言いながらもけっして首や肩に手を回さないまま両腕はベッドから落ちないように押さえてる。
「ああ……ンン…いい」
「……はあはあ……」
私は身体を熱くさせながらも意識は沙耶香からの声を受け取る以外はほとんど混乱していた。
真っ白な意識のなかに沙耶香とルイしか見えていないようだった。意識のなかで沙耶香と彼女がせめぎあうみたいな奇妙な感覚……。
罵倒でもなければ穏やかな話し合いでもなく意識のなかで見つめあうか身体を交じ合わせるような……。
「っ……ハアハア」
「沙耶香さん……いつでもイッてください……」
「……」
揺れる髪から憂いを秘めた瞳から女心を感情とするが真っ白な頭のなかに考える余地はほぼない。ただ身体は熱く淫棒は膣内の襞に包まれ挿入を繰り返す。
くちゅくちゅぐちゅぐちゅぱんぱんと肌を打つ音が繰り返された。
さすがに気持ちも身体も何かが折れかける気持ちが芽生え始める。
「イッていい?」
「……ハイ……」
瞬間キュッと締め付けがあるかと思いないのかなと思った途端に名器に近い締め付けがあった。
しかし淫棒を襲うというよりやわらかく締め付けて睾丸から牡の樹液を吸い上げるみたいな感覚だった。バキュームフェラに近いがちがう。
「あっ……イク」
瞬間身に付けたショーツと彼女の淫唇が密着するような感覚が下半身にした。

No.407 17/11/18 05:18
作家 

気づけば意識を失いながらもショーツのなかで半勃ちしてる感覚があり自然と目が覚めるとルイの大人びた表情があった。
「ルイさん……」
「満足していただけましたか?」
「……どういうつもり。ネコをかぶったつもりでしょうけど」
するてフッと顔つきが処女のような幼さから麗奈のような成人女性を経て私が知ってる彼女の表情に戻った。そして意外なことを言い出した。
「なんだバレてたの。察しはついてたけど」
「どういうつもり」
「だけど私とセックスできたでしょう。名器でも使い方や訓練次第では処女や成人女性なみになれるわ」
意味がわからないという表情の私に彼女は端的に語る。ひとつは愛妹アイのため。
「アイちゃんのためですって」
「沙耶香さんはアイに思われてるのに家庭教師をしながら一方では傷つけ避けている。それは都合よすぎないかしら。処女を捧げようとする女性の気持ちがわからないなんてバカよ」
あからさまにバカと言われ目を向ける。
「それとも処女をもらうのがこわいのかしら。一度女陰恐怖症になってもアイは私たち姉妹のセックスしか見てない少女よ。だから私はあえて処女のような演技して少しばかりおま×こを使って懲らしめた。わかるでしょう?」
あのキツい女性器は処女をあらわしていたらしいのはわかる。ルイは意外にも頭を下げた。
「どうかアイの気持ちをしないであげて……」
「っ……」
「ほんと沙耶香さんて優柔不断。私はさっきのセックスであなたのなかの“沙耶香さん”とエアセックスも同時にしてたわ。誰とも向き合わない男でも女だなんて情けない」
「……よけいなお世話よ」
エアセックス。いわば空想オナニーに近い行為だがルイとのセックスの最中にたしかに“沙耶香”はいた。
良心的な解釈をしたら彼女はあの時に“沙耶香”と会話してたかもしれない……。
「麗奈さん早紀さん私たち姉妹と距離を取りながらもあなたも“沙耶香さん”も苦しんでるんでしょう……」
それについても何も答えられない。最後にルイはいまままでの贖罪を込めた行為なのに私から迷いを感じたと言う。
「ここのところヒトミからも聞いたけど誰かと避けてばかり。それでいいの」
「贖罪の気持ちを受け取る余裕さえ……いまはないかも。ごめんなさい」
「何をしてるの」
答えずにルイは言う。
いつかは私たち三姉妹の気持ちを理解して。

No.408 17/11/18 06:09
作家 

私のしてることに気づいたのはいちばん長い時間を過ごしている麗奈だった。
彼女は私のいないであろう時の隙を見て早紀とヒトミと共にそっと自分のマンションに入った。
「自分の部屋なのに」
「沙耶香さんはいま姉のもとで風吹先生のもとだからしばらく戻らないわ」
「わくわくしますね」
手分けして麗奈はリビングや洗濯機周辺、早紀とヒトミは沙耶香の男女それぞれの部屋を探した。
「手際がいいのよね」
秋の短い昼過ぎのなか洗濯物は干されておりいちおう性犯罪防止のためにベランダには男性下着がぶら下がっている。
リビングに向かいゴミ箱を漁ると相変わらず消しゴムのカスがあったが原稿用紙が何枚かあった。
「あった……」
早紀たちは呟きに聞こえなかったのか麗奈は目を通した。
『女性下着に手を触れた。あたたかかく柔らかく温もりがあった。○○はそれのクロッチにある尿や愛液の沁みを見つめ匂いを嗅ぎ勃起を感じ身につけたいと思いゆっくり足に入れ自らのぺニスと女性下着特有の柔らかい感じが触れた……』
とあった。
原稿?
どこかに応募するつもりかしら。すると部屋から早紀の声がした。
「官能小説多いですね。読書家なのはわかるけど。あ……」
早紀が見つけたのは官能小説にある雑誌社のしおりであるが中には作品応募が明記されたものである。
「しおり……ん?」
早紀が見つけたのは本棚に挟まっていた創作ノートである。そこには女装やセックスについての知識や専門用語、いくつかの実際のセックスとはちがう空想的なアイデアがばらばらに記されている。
男の部屋を探るヒトミはフィギュアやバイク、車関連の本がならぶなか鼻を嗅ぐ。男の匂いの沙耶香さん……。
生活感は女装の部屋に比べたら少ないがそれでも小さな箪笥の引き出しを失礼と思いながら開けると女性下着があった。
「男の時も女装を忘れないためかしら」
本棚を見ていくつか手に取ると女装漫画やランジェリー関連の漫画がありマニア買いをしてることに気づく。
「好きなのね」
三人はそれぞれリビングに集まり話し合う。
「原稿があったわ」
「どこかに応募でしょうか」
「女装やランジェリー関係の本もあったし」
麗奈は思う。
作家になりたいのかしら。もちろん女装作家がいないわけではない。だけど無理をしてないかと考えてしまう。

No.409 17/11/18 09:12
作家 

麗奈は思う。
早紀と共に再び職場に戻り沙耶香が捨てたであろう何枚かの原稿用紙に目を通した。
何が不満なのかしら。
もちろん男性として働いてないようなままの現状はよくないのは理解してるつもり。だけどこそこそやられるのは気持ちいいものではない。
しかし原稿用紙に目を通すと文章表現はさほど上手ではないがしっとりと感じる程度はある。ほどほどリアルであり体験談としてはまあ悪くない程度、小説としてはもうひとつふたつ表現力や展開は必要の手を加えるくらいはありそうというのが編集担当としての彼女の思いだった。
「沙耶香さん出ていきませんよね」
隣にいる早紀は不安げに聞いた。
「……そんなのわかるわけないわ」
今までの経験でも彼女のもとを去った女装男性はいた。しかし関係を濃くしたのは沙耶香を含め五本の指に満たない程度。
しかしもし女装以外の人生の道を見つけたら離れてしまう可能性はないとはいえない。沙耶香の人生は彼ないし彼女のもの……。
そんな思いに気づかずに三人がいなくなったマンションに戻りいくつかルイとの先ほどの会話をメモしたメモを手にしお茶を淹れゆっくりした後に着替えペンを持ち原稿用紙を前にした。
「年明け三月くらいまでできたらいいけど」
頬杖をしながら下着がルイのままなことに気づきムラムラと性欲がよみがえる。
妙にリアルな異性の匂い、香水やミルクみたいな母性の感触が匂いや肌感覚として伝わる。
「んぅ……」
そっと下半身に触れ紫紺の下着の匂いが指につく。大人ぽいルイの匂いが性欲をむくむくと内から芽生える。
はじめは指でショーツの脇から出したぺニスを出し撫でるが自分の指では興奮は一定に高まるもののイクという快感に達しない。
「ダメダメ、こんなことしてるから麗奈たちにも正面から向き合えない」
オナニーをしたからといって最後まですることは少ない。ちょっと触れたりランジェリーの感触に触れ満足な時もある。
私は資料としての官能小説を参考にしながら原稿用紙にペンを走らせる。
夕方に麗奈が帰るまでは自分の時間を大事にするようになっていた。
そして私と同じかそれ以上にこの時期に一生懸命だったのはアイだったかもしれない。
ひたむきでまっすぐな少女いや大人になろうとする彼女が机に向かう姿は真剣だった……。

No.410 17/11/18 12:18
作家 

忙しい年末が迫るなかでも麗奈は沙耶香を雑誌社のパーティーに連れ出さないといけない。
社長から念を押されたのだ。
『沙耶香さんは今年の前半を飾ったのだから担当の貴方と共に表彰したいの』と。
日曜の昼前にはお出かけしてなんとかドレス一着購入したいもの。夏に買ったのでもよかったがそれでは華にさえなれない。雑誌社のパーティーは編集担当はもちろん営業の女性たちもおしゃれをし女装モデルはなおさら。
「沙耶香」
「なあに」
ひとに隠れて原稿用紙に向かってるわりに人前では平静を装う。知ってるのに。
「お出かけしない」
「いってらっしゃい」
「沙耶香もいくのよ」
「忙しくないけどちょっと……」
下手なごまかし方で優柔不断な一面を見せるようになっていた。しかしそうこうしてても時間は過ぎる。無駄にできない。
「ランジェリー買ってあげるから。まず“EYE”に行きましょう」
口実は何でもいいのだ。“EYE”に行くとなれば少しでもメイクやおしゃれもいるのでいやいやのように見えながらさりげなく行くつもりになる。
“EYE”でランジェリーを購入すればデパートへ行ける。
「下着はいっぱいあるのに」
「いいから」
遠回りや多少面倒でも引っ張り回してやるつもりでないとこの人はパーティーには出ない。
いらっしゃいませ、と小高い丘にある“EYE”のルイとヒトミが挨拶をし日曜のわりに人は少なめ。沙耶香が来ることはふたりにあらかじめ伝えていた。本来なら忙しい時期だろうけど。ゴメン。
「今日はどうします」
沙耶香はヒトミの方に最近は気を許しているので彼女から接してきた。しかし答えさせるわけにはいかない。
「できましたらおしゃれでドレスの下に相応しい下着がいいのだけど」
「ドレスだなんて」
「それでしたらスリーインワン、ボディスーツ、キャミソールやコルセットなどのセットなどが似合うかと」
「高いのに」
煌めくようなランジェリーに囲まれ遠慮する口調ながら性的好奇心はあるように目をきょろきょろさせる。意外なくらいに根はおとなしい。
おとなしいぶんセックスやプレイになるとサドの感性が反動を含め芽生える。彼女なりに沙耶香の性格は把握していた。
「アイちゃんは」
「勉強中、これから塾よ」
「ちゃんと応えてあげてね」
ルイと沙耶香の話題はわからないまま下着を選ぶ。

No.411 17/11/18 13:31
作家 

ランジェリーをチョイスされながら奥の試着室に沙耶香をとりあえず放り込むように入れた。助けてという言葉さえ聞こえない。
「いいのね?」
「美人ふたりに囲まれたら何も言えないでしょう?ただし」
「わかってるわ。えっちはなしね」
ヒトミはほくそ笑みながらルイは少し呆れた。沙耶香の頑固さにも呆れながらも脱がしていき下着以外は試着室の外に出しヒトミに渡した。
「な、なにすんのよ」
「たまにはこういうのもいいでしょう?」
「姉さん」
「早くランジェリーを渡して」
試着室の外からいくつかランジェリーを渡されて沙耶香は試着されていく。黄色い悲鳴が店内に伝わる。
「いや…やん。やめて」
「着るだけなら文句ないでしょう、下着フェチさん……」
「やん……」
ルイに取っ替え引っ替え女性下着を着替えさせられてはカーテンを開けては沙耶香のランジェリー姿を見ていく。
「なんのつもりよ」
「……似合ってるけどおきに召さないかな」
「沙耶香さんが?麗奈さんが」
どっちもと言いながらもできる限り短い時間で繰り返し着替えさせては昼過ぎにはとりあえず終えた。ボディスーツやスリーインワン、キャミソール型などサイズや好みが合えば文句は言えまい。
「ありがとうございました!!」
「はあはあおぼえてなさいよ」
「日曜のランジェリーショップではルイさんもヒトミさんも襲わないのね」
「いつもセックス……したいわけではないわ」
負け惜しみのように聞こえるがやはり原稿用紙に向かって何かをしてる含みがあった。
次に向かったのはこの街のショッピングモール。ルイとは何度かここでデートしてるらしかったがいまはどうでもいい。ドレスショップをたずねると沙耶香の身が引くが逆に手を強引に引いた。
「……んぅ。下着だけでいいわよ」
何かを察したらしいと思った時だった。呼びかける声がした。
「麗奈さん!あ、沙耶香さん……!」
「早紀。めずらしいわね」
「ちょっと好みのドレスがなくてこっちに来ちゃいました」
「……」
わざとらしい会話に沙耶香の瞳は眼鏡の奥で凝視したようだった。
「ちょうどよかった。パーティー用のドレスを沙耶香に買いたくて」
「ちょっ……」
「ならちょうどよかったですね」
あれよあれよと店内に入らせながらまんまとペースにハマッていくのだった……。

No.412 17/11/18 20:07
作家 

ランジェリーショップに続いてパーティードレスをチョイスする。もちろん雑誌に掲載された際にもドレスの着用はあったがそれを使うと雑誌掲載や今後を意識したと他の編集者や女装モデルを意識するされることになる。
パーティーといえどいやパーティーだからこそ担当モデルには気を使う。参加しないことでよけいないざこざを避ける考えもあるが逆にそれがまわりに遺恨を残すむずかしい世界。
そこは理解してないのか沙耶香に疑問を抱く麗奈だった。たんに気を使わせたくないかもしれないが……。
「沙耶香さんが眼鏡があってもなくても似合うドレスがいいんですが」
「眼鏡がない方が綺麗な方ですから、そちらの方がよろしくありません」
早紀は女性店員と話しながら沙耶香を無視したままドレスを手に取りとりあえず鏡で合わしていく。
おとなしいことと思ったら案の定眼鏡の奥からちいさく睨まれた。
「好みの色は沙耶香さん何でしたっけ」
「白、青、黒、ピンク……かな」
早紀はさりげなく会話を運ぶ。この子の小悪魔的な魅力はこういう時はペースをつくっていく。
「でしたらこのような肩が出たドレスなどは」
「ちょっと苦手……」
「こう何か好きな形や胸元に花状やリボンが付いたモノなどは」
「あ……好きかも」
早紀と店員のペースに自然と巻き込み囲まれては少し頬がゆるむ。結局欲しかったと思うが油断してはならない。購入してもパーティーから逃げられてはいけない。
どうにか算段も考えなくてはいけないのだ。
パーティーには参加しない実家には帰らない。後者はとりあえず考えないけど。
女性店員が持ってきたのは色や好みに合わせた花状が付いたドレスや花模様の刺繍タイプ、意外に乙女チック。
「試してみてください」
「は……い」
試着室に入れば着替えるしかなく麗奈は安堵した。うまくいきましたねと早紀は笑みした。
「まだまだよ。ガンコなんだから」
沙耶香なりに考えや悩みはあるかもだけど黙って小説を書くなんて許せない思いもある。ましてや自分が担当でもある。
しばらくして試着室のカーテンが開いた。
「どう……?」
「眼鏡なしで合わした方がよくないですか」
「相手が見えなければパーティーにいても関係ないわ」
眼鏡なしの方向でコーディネートしていく。先に言いなおかつ早紀が味方と分かれば何も言えまい。

No.413 17/11/18 20:45
作家 

花模様や花の刺繍などに沙耶香は女性のイメージがあるらしかった。
『花柄のパンティに隠された淫靡なフェロモンを放つ××のおま×こ』や『上品な花模様の刺繍から沁みる愛液に△△は欲情をおぼえた』などいくつか見つけた没原稿の原稿用紙にそれらしい表現はあり思い出した麗奈は少し内股にし淫唇がショーツを濡らしたかもしれない。
私が欲情してどうするのと自らを戒めた。早紀が抜け駆けする場合もあるけど。
そんなことに構わず沙耶香のパーティードレスはとりあえずは決まったようだ。胸元に花の刺繍レースがあり肩は少し可愛らしい袖、胸元は少しV字と強調されているが雑誌社のパーティーだからとりあえずは控え目。女性店員は似合う頭のブーケと手袋もすすめてこれらも購入した。
「こんな出費して……」
少し頬がゆるみながらも居候の身である沙耶香は心配したようだ。麗奈はこう言い返した。
「少しずつ返してくれたらいいわ。お仕事で」
「じゃあ次は私ですね」
早紀もドレスを選ぶが可愛らしいドレスを選び小悪魔的でもあった。
この子は……しっかりしてると思う。
しかし協力してくれた手前邪険に出来ないのも先輩である麗奈である。夕食ぐらいはご馳走して礼をするくらいの気持ちはあった。
ショッピングモール内のレストランやお寿司でもよかったが早紀は。
「沙耶香さんのお好みで」
「いや私は」
「早紀がそう言うなら沙耶香が決めて」
ショッピングモールを出て近所のスーパーの日曜セールで買い物。焼き肉風の炒めモノ、刺身、お寿司などバラエティに買い揃え簡単なパーティーにするつもりだったと察した。
外食と同程度ではあるが少し安くついた。
「意外に考えてますね」
「いつも私に朝夕は作るもの」
ただでさえ今日の出費を考えてのことらしかった。地元スーパーでも美味しく食べれる点は主婦(主夫?)のようで少し心の内で笑みした。
マンションに戻りお肉などは人数分を作り選り分け匂いが広がる。
麗奈たちは手伝いながらもほぼ沙耶香がやってくれた。
なんかいいなと彼女たちは自然に思ってしまう。だけどふと気づく。
肉体関係が先だったばかりに素直に恋愛関係かなと……。
互いに負けたくない気持ちはあるはずだった。
「ご飯はもう少しで炊き上がるかな」
女装であっても男は男。ちょっとばかり鈍感さはあった。

No.414 17/11/18 21:15
作家 

鈍感と思ってもこの半年以上いろいろな経験を積んだのか「いただきます」をした後にこう切り出した。
「イブかクリスマスにはアイちゃんのために一日使いたいんだけどいけないな」
「アイちゃんてヒトミさんたちの妹さんの?」
「彼女が学期末試験で三位以内ならデートする約束だから。だから……ふたりにはまた別の日をつくるから」
麗奈と早紀は思う。
なにげにアイをずるいと思うが十代の少女の思いもなんとなくわかりもするがイブかクリスマスのいずれかしか自分たちが沙耶香と過ごせないと気づく。
麗奈は「構わないわ」と言い出した。
「麗奈さん!?」
「いいの?私がアイちゃんと過ごして」
「家庭教師していろいろあるだろうから構わないわ」
あまり言うと麗奈は必死に止めそうになる自分の気持ちがわかった。だけどしかたない。
沙耶香の瞳に迷いがあるのも伝わる。さんざん卑猥なセックスやエッチもされたが肉体関係が先にあったのは自分にも責任ある。早紀や三姉妹との関係も似たり寄ったりだしと心で吐息を密かにしたがおくびには出さない。
早紀は言う。
「じゃあ沙耶香さんと過ごせるのはイブかクリスマスですね。パーティーは二十日ですし」
雑誌社のパーティーは女性社員のなかにはイブやクリスマスには男性と過ごす者もいるからだいたい先に予定が組まれる。あるいは神無月社長の意向か。
沙耶香は言うべきでなかったみたいな表情がうかがえた。気にしなくてもいいのに。
「美味しいですね」
「そう?」
「沙耶香さんみたいな人がダンナさん……いえ主婦やお嫁さんならしあわせかも」
「早紀」
沙耶香が黙ってしまったではないの。小悪魔的な魅力を発揮するのは勝手だけどなんでその話題をするの。
「あの……」
「なあに?」
「ううん。なにも」
言い出そうとしたことに察しをつけた。小説のことだろう。
しかし芽が出るかどうか先行きの有無に不安があったから口に出さなかった。
「あ、あの沙耶香さんへの復活希望のファンレターやメールきてました」
「え」
「う、うん。マスコミから叩かれることなくなったから」
早紀はスマホを使いホムペにアクセスしいくつかファンからのメールを見せていた。驚きはあったようだがマスコミから叩かれたことからの迷いもまだあったのが表情に見えてしまう。
「こんなに……」

No.415 17/11/19 04:54
作家 

こんなに……。
沙耶香の表情に驚き嬉しさに少しの後悔のような感情があるように麗奈には思えた。
まだ極秘的扱いだが年度が変わる新年度の春号には復帰復活を麗奈や早紀を含む担当からは挙げていた。
しかし沙耶香は。
「私みたいな人を応援してくれるのはありがたいけど……」
めずらしく後ろ向きな「みたいな」表現があるのはいろいろ迷いがあるからと察した。しかし早紀は構わず言う。
「復帰したくないんですか」
「いや……んぅ」
躊躇いがちな声にらしくないとも思う。マスコミに叩かれるのと復帰を望む声のなかで揺れる者の心情としては当然。付け加えるなら原稿用紙で何かしらの執筆してるし。
「いいわ。沙耶香にだって悩むことあるだろうし。しばらくは保留にしましょう」
「はい……」
早紀にしたら復帰を早く望みたい気持ちもあるが焦ってはいけない。沙耶香の瞳はざっとだがスマホに映し出されるファンからの声をひととおり見つめていた。
「そういえばお隣さんはまだ入らないみたいですね」
「!?っ……ごほ…!」
「は、入るわけないでしょう。強姦グループがいたような部屋に」
沙耶香が思い出し蒸せたのを庇うように麗奈は早紀を睨む。しかし小悪魔は小悪魔。
「もったいないな」
「ごほ……あんな部屋に入るのはよほどの物好きよ」
「そうよ」
ふ〜んと早紀は壁の向こうを興味ありげに見つめ不謹慎と麗奈そして沙耶香は思うのだが彼女が何を考えているか不思議だった。
「駅前まで送っていく。麗奈はゆっくりしといて 」
「私も」
「私みたいに痴漢や性犯罪者に遭わないわけではないでしょう。私なら野良犬に噛まれた程度で済むか撃退できるし」
すでに九時をまわり沙耶香は早紀を送るとマンションを出た。ベランダから見送ると一抹の寂しさがあった。
沙耶香の存在がこれまでの異性や女装男性のなかで大きくなってるのか。ふとベランダから沙耶香の部屋の扉を見つめた。
何を考えてるの。
いつかは自分のもとを去るのかまだ一緒にいられるのか。
一緒にいたいという気持ちが胸の内でそっと熱くあるように思えた。
クリスマス過ごせたらいいけど。
ふたりの姿は住宅地の中に消えていた。

No.416 17/11/19 05:58
作家 

駅前に着いた途端に小悪魔は誘惑な魅力を発揮する。
沙耶香はタクシーかバス停で送るつもりだったが駅の中の女子トイレに引き込まれてしまった。
「沙耶香さんしましょう♪」
よし!抜け駆け成功と胸中ガッツポーズをする早紀は満面の笑みを浮かべて抱きついてきた。
しかしであった。
「ダメ」
「え、なんで」
「いま十一月下旬だからクリスマスくらいまではセックスはなし。私にもやることあるし」
「オナニー?」
「あのねいくら可愛い子振りしても通じない時があるくらいわかるでしょう」
この辺が沙耶香さんが落としにくいところでもあり反面いままでの女装男性とちがうところなおかつ融通が利かない。しかもバレてるし。
しかしまだまだめげないのが早紀。便座に腰掛けそっと胸元を見せたりキスをせがみ甘えた表現をする。
「フェラしてあげますよ……溜まってません」
「だからダメ」
「こんなに思ってるんですよ。ほらデパートで待ち伏せ……じゃなくて待ってた時からずっと濡れて」
可愛らしいミニスカやストッキングから淫部を見せ誘惑する。可愛らしいパンティはピンク色で扇情的。
しかし。
「ダメ」
「なんでですか。もう」
「オナニーはともかくセックスしたらこれから先が……ダメになると思うから理解して」
「妹みたいな扱いだし」
早紀にとっては自分は麗奈の後輩だからなかば妹みたいに思われるのは少々やむを得ないけど。沙耶香は肩を触れ狭い個室で目線を合わした。
「友達以上とは思うよ。いけない?」
「ズルいです……」
ほんの少し傷つきも癒されもする。
ほんとズルい。
沙耶香さんは。
タクシー乗り場で見送る時に早紀は頬にキスをされそのままクルマは走っていった。
ほんとズルい……。
帰宅すると麗奈はとりあえず少し酔いながらも洗い物をしていた。
私は思う。
少し距離を取らないと麗奈や早紀さん三姉妹たちに甘えてしまう。
麗奈さんの背中のように大人にならないと……。
「ただいま」
おかえりなさいと声が部屋に伝わる。

No.417 17/11/19 20:25
作家 

それから一ヶ月弱ほど私を含め麗奈、早紀、ルイ、ヒトミ、アイはそれぞれのために頑張りを示すことになる。
双星出版社の『クロスドレッシング ボーイ→ガール』新年新春号に向け麗奈は官能作家やモデルに取材やアプローチをし続け早紀はなかなか文章による表現力は身に付かないなか取材については雑誌で扱うことは保留中は多くあるものの機敏だった。
「沙耶香さん、クリスマスは誰と過ごすのかな」
仕事なさい、と叱る麗奈とて気にならないわけではなく吐息はちいさくこぼれる。その様子を神無月社長は怜悧な瞳を向けるだけだった。
ルイは“EYE”の仕事の合間のなか風吹先生のもとで患者と性行為をしながらも愛妹たちと沙耶香との関係を気にしていた。
このままでいいのかしら……と。
患者たちの姿に沙耶香の姿が重ならなくもない。
ヒトミは教室に沙耶香と通うことはあるもののその数は少ないことに気づいていた。
「なにをしているのかしら……」
店内に並ぶ煌めくようなランジェリー姿のマネキンに女装の沙耶香が重なる……。もちろん怪盗ジェンダーアイとして卓越した運動能力を使えばマンションや部屋を覗くことは造作もない。
が、それはプライベートを知ること。何でも知れるということは知らなくてもいいことを知ってしまうこと。
怪盗が因果な商売に思えた。
そしてアイは……。
ただひたむきに勉強に前向きになっていた。恋心が成せる業なのか学期末試験に関わる教科でわからないことは教科担当の教師に聞きにいったり時には模試を進んで受けにいく。
彼女には怪盗としての経験から歳によるしがらみはないのが利点だった。早い遅いという価値観にとらわれない長所があり意欲や欲求が素直に動かしていた。
結果はおのずと明らかになる……。
そして私は資料となる官能小説、『クロスドレッシング』そして半年以上の経験を反芻しながら鉛筆を走らせていた。
このままではただ彼女たちに甘えるダメな女装者あるいは男になるという甘さが冷たい冬の始まりを肌に感じていた。
「はあ……ン」
誰もいない部屋で自分の書いた原稿に目を通すが自慰行為を中途半端にわざと終わらせ再び原稿に向かう。
欲求不満を原稿にぶつけ向かいながら人物たちに麗奈たちを反映させていく……。
しかし納得できないまま時は過ぎていく。
女装をやめようかと重く肩にのしかる……。

No.418 17/11/20 06:08
作家 

真っ先に結果を出したのは学生であるアイだった。私から家庭教師の時間は減っていたものの自分から進んで課題に挑み学期末試験に臨んだ。
いまどきむかしながらに掲示板に成績順生徒の名が連ねるを見ながら彼女はドキドキし手を握っていた。
下から順に見ていく。100……50…30…20…10…ない。
上におそるおそる目をやる。9…7…5……。
三位 蘭樹里アイ
一瞬、目を疑った。
しかしいままでにない喜びが自然とじんわりと身体に伝わりぎゅっと拳を握り腕を上げ跳び跳ねた。
やったー!!
彼女の元気よく跳び跳ねる姿は学園中の生徒たちや先生に目撃され教師たちは褒め称えた。
姉たちにメールをし帰りに沙耶香に伝えるという。
ルイは風吹先生のもとでメールを受け取り喜び涙を頬に伝いながらも少し懸念した。
沙耶香さんは堅い人だから。どうするつもりか……。
ヒトミも“EYE”でメールを受け取りながら丘の向こうにあるマンションを見つめた。
ちゃんとアイの気持ちくらいは受け取ってほしい。彼女は沙耶香の気持ちが自分に向いてないことに薄々気づいてもいた。
アイが放課後私のもとにたずねてきた。
インターホンの音が鳴ったのは夕方の執筆中。
ピンポーンと繰り返し鳴り顔を上げモニター越しにアイの明るい元気な顔があった。
『センセ!やったー!三位だよ三位』
「開けるから待ってて」
するとエレベーターが上がるより早いと思えるくらいに玄関を開けると抱きついてきた。
「やったー!先生のおかげだよ」
「ハイハイ、わかったわ。お茶にしましょう。お姉さんたちに知らせた?」
お茶を淹れながら執筆中の原稿は見えないように隠した。がアイは目がよくめざとく見つけてしまう。
「センセ、これは」
「まだ何にも形になってない代物。芽も出ないモノ」
アイにも官能小説の原稿とわかるが興味は自分とのデートのことである。
「できたらイブかクリスマスにしたいんだけど」
「わかったわ。だけどできたらイブにしてほしいの」
お茶を出しながらクリスマスとあえて私は言わなかった。少女といえど女性は理解してるがクリスマスは私には二人の女性しか心になかったかもしれない。しゅんとアイは少し水を差されたようだ。
「麗奈さんたちの方が大事なんですか」
「うまく言えないけどいまの私があるのは麗奈たちがいたから」

No.419 17/11/21 05:07
作家 

自然とそんな言葉が出たのは意外な思いでもあった。
ほんの少しアイは哀しい表情をしながらニコッとし「イブ楽しみにしてます」とだけ言いその背中は哀しげに見えたかもしれない。
だけど寒く厳しい日々が続くなか麗奈は沙耶香を実家に戻してあげたいと思うなかもまだ彼女は女装雑誌をつくることに意味を見出だせずにいたのもほんとう。
しかし期せずして双星出版社のパーティーはやってくる。
この日麗奈は一度早紀と共にマンションに戻り私を逃げられないようにした。姿見に映るパーティードレス姿の私は麗奈に初めて女装させられした姿がふと重なる。下着はオーソドックスなスリーインワンだがそれでも煌めくようだ。
「恥ずかしい……」
「ごちゃごちゃ言わないの」
「そうですよ」
「なんで早紀さんまでいるの」
「いいじゃないですか」
パーティー会場があるホテルまでは眼鏡をつけてて構わないが着いたら外してまたメイクなどを見るという。奈々たちがリムジンで待っておりこれだけでも特別に近い扱いはなんとなく理解した。
私は執筆や日常生活に追われることでクラブの女王様になるならないの意思は一切示さなかった。
「凄っ……こんなところでパーティー」
「社長の意向よ」
いきましょう、と麗奈たちふたりにエスコートされ最上階のパーティー会場に向かう。
受付を済ませる前に化粧室で眼鏡を外しメイクやドレス、ランジェリーの具合など確かめられる。
「来ちゃった……他にやることあるのに」
「モデルなんだからぐだぐだ言わない」
麗奈はこれもお仕事のひとつと言い聞かせながらも手に触れた。
「粗相のないようにくらいはわかるわね?」
まるで弟に言い聞かせる姉の口振り。
「あ、うん。麗奈さん早紀さん言い忘れてたけど綺麗……」
「ほめなくていいわ」
「ほんとですか。何も言われないから……待ってください」
麗奈は早紀の言葉が終わらないうちに受付に向かい私は名前を明記した。
扉の向こうからは賑やかな声が聞こえたり化粧室を行き交う女性や女装者らしい姿がぼんやりと薄く見えた。
麗奈は私に言う。
「あなたほど面倒なモデルは初めてよ」
「ごめん」
「いいわ。沙耶香らしいもの」
ほめられてはいるんだろうけど彼女は握ってた手を離し扉を開け私を招く。少し高いヒールで扉を抜けていった……。

No.420 17/11/21 06:10
作家 

来ないと思ったわ。
相変わらず神無月社長は眼鏡の奥から怜悧な瞳で挨拶をした。
しかしクラブの女王様云々の話題は出さずゆっくり楽しんでねとだけ言われた。てっきり麗奈に伝えていると思ったが何も言ってないらしい。
もちろん私は早紀に口止めをしていたので彼女から知らされるわけもない。
挨拶してと編集や営業、印刷会社や本を置かしてもらってる大手本屋、ランジェリーメーカーや化粧品メーカーなど何人に挨拶したわからないまま一、二時間は過ぎただろうか。アルコールは飲めない私だが最低限一口二口は口につけないと相手に悪く夏の時と同じくアルコールが苦手な身体に酔いがまわり足元がおぼつかなくヒールでつまづきそうになる。
「少し座って休んで」
「ごめんなさい……」
「人付き合いが苦手なのもこまったもの」
麗奈はお冷やを取りにいき早紀は私に相手されないからか談笑する声らしいのは聞こえたが姿が見えない。
あたまいたい。
アルコールが結構あたまに響いたのか酔いと痛みが軽く襲う。この程度なら二日酔い程度ですむはず。
だが私は粗相のないようにと注意を受けたばかりなのに失態をしてしまう。
気づくと何人かの女性、いや自分と同じ女装モデルに囲まれ挨拶を遅れたりしてないことを注意された。
「あなた噂の沙耶香さんね」
「どうして私たちに挨拶に来ないの」
いくら酔いがあっても酔いが回る前に挨拶したはずとなんとなく記憶してたはず。言いがかりに近いと理性はわかるが酔いが回る身体には怒りに近い感情が伝わってしまう。
申し訳ありませんと初めは謝ることで場をやり過ごそうと試みるくらいの気持ちはあった。麗奈や早紀たちに恥をかかさないとくらいの気持ちがあるから。
しかしであった。
「あんな卑猥なAVに出て」
「やり過ぎ」
「マスコミに叩かれてよくこんな場に出てこれるわね」
私がマスコミに叩かれた記憶は新しく彼女たちはそれを引き合いに私を口で責め始めた。それは構わない、企画AVの話があった段階で希望要望を出し沙耶香を女優としておこなったからだ。
しかし次の言葉には我慢ならなかった。
「あんなAVの企画を立てた女性の気持ちが知れないわ」
「はしたない」
「たしか矢口麗奈に二ノ宮早紀だったかしら」
「雑誌を売ったり自分たちが出世したいからかしら」
思わずムッとし何かがキレ始めた…。

No.421 17/11/21 11:27
作家 

卑猥な表現や演出だったことは主演した私、美紀さんそして監督の意向だった。それは認める。
しかし同じ女装者から批判させられることだろうかと疑問が生じる。
「沙耶香さんは担当編集の女性に利用されたのよ」
「なんでもむかしから女装モデルに手を出していたらしいし」
「淫乱なのね」
「二ノ宮さんてひとも取材と称してモデルを取っ替え引っ替えらしいわ」
なかには事実もあるが彼女たちは私を庇うフリして麗奈たちを貶しているのは明らか。
「沙耶香さんもオチ×チ×出して恥ずかしい思いをして」
「タママ×コよ」
「そうそう、タママ×コ」
アハハと笑う彼女たちの好き勝手な喋りに私は思わずキレていた。
いいかげんにしなさい。
深く冷たく喉から絞った怒りを秘めた声に会場の私のまわりの女装モデルたちは静かになった。
「な、何よ。私はあなたのためを思って」
リーダー格らしい彼女はケバい瞳のなかに嫉妬や怒りを持ったように慌て返した。
呼吸をしそっと言い返す。
「何のために女装したままオチ×チ×ついてるの、あなたたち」
パーティーに相応しくない卑猥な表現と理性が止めようとしていたが麗奈や早紀さんを馬鹿にしたことは素直に許せなく日頃ふたりからの愛情を感じていたことへの最低限の信頼の証かもしれない。たとえ出世に利用されたとしてもそれは非情や裏切りでも大人社会や大人のルールと思う。
恋愛や肉体関係でも同じ。
呼吸をし私は企画AVについて少し長くレクチャーした。
「私や美紀さんのセックスを見てあなたたちは何を見てたの?女装の私と女性の美紀さんの女装してのセックス、性行為。麗奈や早紀さんは女装のセックスを伝えることで世の中の誤解をなくそうとしただけ。私はそれに希望を伝え出演しセックスした。恥ずかしい思いをしたのはあなたたちではなく麗奈や早紀さんに美紀さん監督さんたちスタッフそして私……。マスコミに叩かれ傷ついたのも私や麗奈たち。何がわかるの」
この言葉を本当の女性たちのなかで聞いたのは麗奈そして早紀だった。
「沙耶香……」
彼女は思いようやく理解したと感じた。
女装者がふつうに女性とセックスできることを伝えたい。そして恋愛や結婚ができることを伝えるために双星出版社に勤めたばかりがよぎる。
ただ恋愛や肉体関係に行きすぎたばかりに間違えたことも肌に感じた……。

No.422 17/11/21 12:17
作家 

過去を麗奈は思い出す。
『レズなあなたにははじめは荷は重いかもしれないけど女装の人たちには女性と恋愛や結婚したい人たち多くいるわ。嫌なら辞めてもらっても構わないしできそうなら続けて』
神無月社長の言葉が思い出され初めて女装モデルと仕事した日がよぎる。
なにもかもわからないまま先輩といて女装モデルと会話しながらもメイクやファッションの話題をしたりできた写真のなんともいえないエッチさに唖然もしたし女装モデルに興奮し熱い何かが芽生えたと思う。
その女装モデルはレズであっても恋愛や結婚はいつかできるでしょうと言い女装モデルと恋愛やセックスしてみなさいと助言があった。
しかし私はそんな麗奈のくわしい過去を知らないまま酔いと怒りが純白のドレスのなかに渦巻き沸々としていた。
「彼女たちいえあの場にいた女性たちのなかでセックスできる?いかに私が恥ずかしい思いや男性としてのプライドを持ちながら女性としてセックスする……。おま×こに挿入できない複雑な気持ちだったか……」
女装し女性として女性とセックスする難しさ。また自分の理性や本能と葛藤し悩んだ日々。女陰恐怖症は克服されたが悩まないわけではない。
呼吸を繰り返し興奮してる自分がいた。
女装は自分のアイデンティティ(存在意義)を一方で快楽や趣味に高めながら内側では自分が崩壊しかねないぎりぎりの境界線に自分を立たしてるとやっと……理解した。
そして女装しながら女性と恋愛やセックスはもっと先にあるものでさらに難しいとわかる……。
私はゆっくり呼吸をしドレスの裾に手をやり宙を切らんばかりに自らの痴態を晒した。
「なんのために男性のモノをつけながら女性たちと仕事してんの!」
瞬間私の声が会場内に伝わり場が鎮まったことにやってしまった……とようやく理性が伝えた。
「沙耶香……」
「沙耶香さん……」
ふたりがようやく止めようとした時に足元が震えた。やっちゃったやりすぎた……。
先輩女装モデルたちもいくぶん言葉を失いながらも怒りや悔しさが目に見えた。
これはさすがにこの場やこの世界にいられないかと思った時だ。
「遅れてごめんなさい。あら静かなこと。神無月社長に麗奈さんお久しぶりです」
会場に来たのは伝説の女装モデル嶋田ケイなことに気づき麗奈と神無月社長は笑みを返した。
それを見た私は意識を失うのを感じた。

No.423 17/11/21 17:29
作家 

アルコールは口にさせられませんね。とんだ問題児いえ問題女装モデルです。
そうね。
意識を失った沙耶香を医務室のベッドで寝かしながら早紀の言葉に頷き麗奈は思う。
いままでのモデルでここまでした人は数年この仕事に就いていただろうかと思い返す。
ケイさんは半ば別格としても沙耶香は女装が好きで女性をちゃんと愛してくれている。
スカートの裾に手をやりショーツの内に膨らむ淫部いえ男性器、撮影現場でもないのにいくらまわりが女装モデルと熟知してるとしても淫部を晒すには無謀でもあるが一方では勇気がいること。
ぺニスを持つ女装いえ女性としては理想なおかつ女性を愛することができればそれは自分の目指す究極の性の女装の姿ではないか……。
ちゃんと自分の内の男性の姿に悩み葛藤しながら男性を受け入れようともしているはず……。
私はこのひとを……。そこまで思った時だった。
「んぅ……」
「沙耶香さん?」
「あ……わたしは……」
気づきましたねとホテルのドクターが酔いがまわって倒れたと診た。
「すみません。ご迷惑をお掛けました……はあ」
酔いがまだあるのか沙耶香は頭を振りドクターから水を口にした。
「アルコール中毒ではない方ですから少しゆっくりしたら大丈夫なはずです」
ドクターは沙耶香の表情や一応ブラジャーの内から心拍数をたしかめてからホテルのロビーで休むように促しそのまま三人は礼を言い向かった。
ロビーの椅子に座った沙耶香は麗奈たちに頭を下げた。
「ごめんなさい。またやっちゃって……もう私たら……」
沙耶香は自分のためでもあるが企画AV撮影現場にいた麗奈たちすべての女性のためにしたのだ。
女装モデルといえどもモデル。多少のいびりや取り巻きなどによる派閥グループはある。その洗礼を受けたのだ。
こういう時は……。
「たしかに沙耶香はやり過ぎ言い過ぎ。気に入らないかもだけどあの人たちは先輩モデル」
「麗奈さん」
「帰る帰らないにせよ先輩モデルさんたちには頭を下げること。名刺は渡したからいいわ」
ぐっと沙耶香の表情が噛みしめ拳が握られるのがわかった。しかしこれはモデルが一度は通らないとならない道。
ほんの少しだけ眼鏡を外し涙が頬を伝うのが見えた。しばらく見守った後に再びパーティー会場に共に戻った。
逃げてもいいけど逃げられないこともある。

No.424 17/11/21 20:56
作家 

沙耶香は会場に戻りからかったグループの女装者たちひとりひとりに頭を丁寧に下げ詫びた。
普段は静かなくらいにおとなしい沙耶香だが内に実は熱い気持ちや思いを秘めていると思われる。そのあらわれがセックスであり時に感情の昂りと思う。
「先ほどは失礼な言い方をして申し訳ありませんでした。今後はよろしくお願いします」
あまりに丁寧な謝罪に彼女たちも何も言えなくなりうやむやにせざる得ないだろう。
しかしケイを除けば彼女たちは雑誌のなかで比較的最古参のグループ。なんとなく課題は残された気分であった。
構わないわとリーダー格の女装モデルは言い沙耶香を一瞥した後にグループを引き連れ消えていく。
安堵する麗奈。
しかしこんな時でも神無月社長は見ていただけだろうか。社長の一声あればことは大きくならなかったのに。
「はあ……ダメですね。こんな場は」
「そんなことないですよ」
早紀は沙耶香が多くの人間関係に揉まれてなく慣れてないことを励ました。誰もが失敗し経験することだろう。
そこへケイが姿を見せ改めて挨拶した。
「あなたが今期前半の華な沙耶香さんね。よろしく」
「あ……嶋田ケイさん。よ、よろしくお願いします。男性時代からいくつか雑誌で拝見してました」
「麗奈さん。いい逸材を見つけたようね」
「え」
ケイにほめられたことに唖然とするが先ほど自分が思ったことと重ねる。内に秘めた思いやセックスについての沙耶香についてと。
「ええ、まあ。ありがとうございます」
「恋人かしらね。将来の」
「む、そんなことないです。沙耶香さんの彼女はわたしです」
早紀がムッとしながら沙耶香の腕に抱き着いた。沙耶香はとっさに言う。
「あのよろしかったら写メをお願いします」
「あら?こんなオバサン女装モデルなのに」
「いえたいへんおきれいです」
ふたりはそのまま写メを撮り丁重に礼を伝えケイはほんの数時間で会場を去っていった。
沙耶香をどうしようかと思いながら以前からひとつの思いがあったがまだ口に出すべきではないだろう。年が明けてからかな……。親御さんのこともあるし。
女装モデルとの恋愛や肉体関係に考えないとこれから先はない……。
パーティーが終わったのは深夜になる十一時前……。ホテルを後にし長い夜が終わった……。
早紀はホテルの前で頭を下げタクシーで去っていった。

No.425 17/11/22 04:31
作家 

オフィスで麗奈は年末に向けての仕事の追い込みがありながら思う。
パーティーでの沙耶香の思いをいつかどこかで発表できないか……。
しかし内輪での揉め事は発表はできるわけもないし場合によれば他社に足を引っ張られるおそれもある。また性の世界は誤解にあふれている。
それに……。
麗奈は机の引き出しからあるチケットを出した。それは沙耶香の故郷までの飛行機の航空券。
渡すか渡さないか迷っていた。
その頃の私はそんな頃も知らずに執筆活動をひそかに続けては書き慣れない原稿と戦いランジェリーについての知らない知識は“EYE”におもむきルイやヒトミに教わりまた女性の日常生活などのリアルな実態取材については華先生の教室で得ることでできる限り短編あるいは体験談を交えながら小説として発表できないか考えていた。
ヒトミは言う。
「ひどい人。麗奈さんたちに黙って小説家になろうというの?」
「な、なんでそれを」
お茶を吹いた私にヒトミの表情はいたずら気に笑みする。
「見たらわかるし作家の真似事してるじゃない」
「お願いだから彼女たちに言わないで」
「言わないけど薄々気づいてるんじゃない。女性は敏感なのよ」
そ、そうと答えた。気づいてない振りをしてないだけ彼女の親切と思った方がいいかもしれない。
ヒトミはひそかに思う。
実は沙耶香の精子は表と闇のルートを介し子どものできない親になりたい人たちや家族のもとに売れていた。
姉のルイはある一時は落ち込みはしたものの転んでもタダでは転ばないのがジェンダーアイだった。また黙っているが沙耶香のためにひとつ口座を作りひそかに利益の一部はちゃんと譲渡していた。しかしいまは言えない。
がんばっている沙耶香さんに伝えたら男としてダメになってしまうからと姉から釘を刺された。
「しあわせものね、沙耶香さん」
「え、なんで」
知らないとヒトミはあたたかい笑みをした。
ふと思う。
姉のルイもまだ処女の妹アイもこの人の子どもが自分と同じく欲しいのではと思う。それは好きという証であり愛情表現。しかしそれを伝えたらこの人は拒んでしまう。
それに本来のジェンダーアイの目的に戻る時が近づいているかもしれない。
ルイはふたりの妹にこう伝えていた。
“性転換したかもしれない父だけど探しましょう”と。
とんだ寄り道はしたがいい日々と思えた。

No.426 17/11/22 05:53
作家 

ふたりの女性は軽くも重い吐息をついた。
吐息をするとしあわせが逃げてしまうというがクリスマス前なのに。
しかし沙耶香は申し訳なさそうに頭を下げた。
「本当はふたりのうちどちらかを選ぶのが筋と思うけど私はごめんなさいだけど……選べない。だから三人でクリスマスは過ごしたいと思うの。ダメ……?」
抜け駆けや黙って早紀とクリスマスでいられるよりはいくぶんダメージはマシだけどなにもふたり揃っての時に言うかなとも麗奈は思う。反面沙耶香の優しさでもあるがオトコらしい鈍感さでもあった。
会社近くの喫茶店に呼び出された時は何事かと思ったけど。しかし会社の近くに仕事がない女装モデルが来るのも勇気がいること。半分程度はわかってるはずだし。
麗奈と早紀は珈琲を口にし目を合わしとりあえず納得した。
「しかたありませんね。麗奈さんはいやかもしれませんが構いません。あたしは」
「どういう意味よ。私だって構わないわ。早紀が隣にいようが」
言い合うなか沙耶香はちいさく頭を下げ苦笑した。
「これがふつうのオトコでも選ばないといけないんだけど……私はまだ選べない。選んだらどちらかが傷つくし別れちゃうのがこわいし次に会った時にどんな顔で会えばいいか……」
「そこまででいいわ。言わないで」
麗奈はちゃんと受け止めるくらいの気持ちは何となくできていた。この人なりに女性の気持ちを女装の内で受け止め考え時に残酷なことをしてしまうのは少しは理解している。ならいまはそれでいいではないだろうか。
「……うん」
「クリスマスは空けといて正解だった。それでいい。だけどちゃんと奮発してね」
「たいしてお給料ない沙耶香さんですけど期待してますね
「早紀さん」
ホッとする沙耶香の笑みに麗奈はパーティーの時にひらめいたことを口にしたいがまだ言わないことにした。そこへスマホへ連絡がかかる。
印刷所へ確認して欲しいと言う。
「わかりました、すぐに向かいます。早紀は?」
「あたしは作家さんに年末までのスケジュール確認を」
忙しいんだという沙耶香に珈琲代をを渡し見つめ笑みして言う。
「がんばってね。じゃあ気をつけて帰って」
え、と驚く沙耶香の呆けた顔がおもしろく見えた。アイちゃんといいイブを過ごしてという思いもあり麗奈は手を振った。
寒い冬だが気持ちはあたたかく思えた。

No.427 17/11/23 06:41
作家 

今日はイブ。
アイは二学期終業式を終えデートの待ち合わせ場にいるはずだった。
誰もが私に言う。
アイちゃんに優しくすることバージンは素直にもらうこと。
「ん……」
「浮かない顔だこと」
「処女をもらっていいか迷うもの。フツウの男じゃないんだし」
「そのわりにオシャレ」
麗奈は耳についたイヤリングや首のネックレス、髪をいじり姿見の私をからかう。ぎゅっと抱きしめ「優しくしてあげて」と匂いをくっつけるようにし離した。
いってきます、と頭を下げイブの街に下りていく。さほど普段と変わらない姿だがアクセサリーの輝きが煌めく。
待ち合わせは前と同じ駅前だが十代の少女に厳しく接するのはたぶんに保育士時代からの性格や接し方。つい年下に間違ったことをさせてはならない教育やしつけがもとの職業柄や性格から。
十二月の街は寒く冷たい。優しくか……。
パーティーで出会った先輩女装モデルたちも私と同じ異性しか愛せない人たちといまさら思い出した。彼らいや彼女たちも私と同じ思いか。
駅前にはボーイッシュな愛が可愛らしく待っていた。
「アイちゃんこんにちは」
「沙耶香さん来てくれないかと思った……」
少し驚いた。わけは彼女の表情が少し見ぬ間に少し大人びていたように感じた。
「来るよ。約束だもん」
「今日ははちゃんと一緒に過ごしてください」
「……うん」
わなわなと震える腕をそっと腕に抱いてきた。前のデートで怖い思いをさせたとわかる。それでも彼女の腕はあったかい。
恋する少女の腕のぬくもり。
アイは普段は私と同じくアクセサリーをさほどつけてない子だが今日は少し大人びたメイクやファッションをし雰囲気が違えた。
今日は東京に行かず地元のあちこちを見てまわるデート。動物園や水族館、遊園地、デパートなど。ちなみに費用は私が六と大人として折半は少しだけ多め。
だけどアイはいつものようにはしゃぎ明るい。とてもこれから処女喪失を控えてるとは思えない。
こわくないのかしら。
“沙耶香”が問う。
こわいわけないじゃない。
“私”が応えた。
オトコだって童貞を卒業や失う際は異性そのものや性行為がこわくもあり期待もある。
夕方に予約したホテルで食事をした。
私みたいなのが彼女の処女をもらうことがいいのかまだ迷っていた。
臆病者となじる麗奈たちの声が内に伝わる。

No.428 17/11/23 16:15
作家 

沙耶香の手が止まってることにアイは気づく。
美味しいステーキと聞いていたのに手が止まるのはよほどのこと。
姉たちの言葉を思い出す。沙耶香さんから手を出さなかったらアイから誘いなさい。女装でもオトコはオトコ、臆病な時はあたたかく包んでやりなさい。
ルイの言葉の次にヒトミの声がした。
沙耶香さんは優しくしてくれると思う。だけど処女なあなたを前にして逃げるかもしれない。傷つくことがあるかもしれないけど明るく前向きにあなたらしい初体験をなさい……。根が真面目だから融通が利かないなら利かせなさい。
そっと呼吸した。
「沙耶香さん食べないと帰るまで身体がもちませんよ」
「……んぅ」
「食べてください。これからあたしにとっては一生に一度……沙耶香さんだって先はない機会かもしれません。下着のゴムが切れるくらい勃つくらい食べてください」
「あ、アイちゃん」
フォークに切れてるお肉を刺して口の前に差し出しようやく口に入れた。もぐもぐしながら再び食べ始めた。
アイは思う。
これがふつうの男性ならたぶん躊躇わないかもしれない。だけど女装者は犯す側と犯される側ふたつに感情移入すると雑誌や姉たちの経験から耳にしていた。
処女だから犯したい処女だから犯したくないと相反する沙耶香の気持ちが伝わらなくもない。
食事を終えホテルの一室に向かう。
ラブホテルとはちがいちゃんとしたホテルなのでやらしい雰囲気はない。ここまで来たのなら引くに引けないはずとアイは踏んだ。
呼吸しアイはふたりきりになった部屋で言う。
「このままセックスします?それともシャワーを……」
「綺麗に異性の前に立ちなさい。私みたいな人の前ならいいけど女性として変態であってもレディのたしなみは忘れない」
まるで女教師のような口振りにうながされ熱いシャワーを若い肢体に浴びせボディソープ、シャンプーにリンスが肌や髪になつく。
言わなくてもわかってるのに。どうして?
沙耶香の意図が読めなかった。姉たちや麗奈たちとたびたび卑猥なセックスをしてるのに綺麗にしろなんて少し考えられなかった言葉。
彼女が上がり沙耶香は無言のまますれちがいにシャワーを浴びお湯が流れる音がアイの耳に伝わる。
……こわいのかな。処女喪失の痛みはかなり痛いと聞く。生理はさいわいない日だけど。
憧れたセックスが近いのに震えがあった。

No.429 17/11/24 07:15
作家 

シャワーから上がった私は彼女の手や身体が震えていることに気づく。
いままで時に優しく時に厳しく接したために性への好奇心がありながら怯えさせてしまったとあたたかい身体のはずに冷たいモノが宿る。
性格と性癖をコントロールできずにいたることと言葉にできない思いが自覚を無意識に伝えていた。
「アイちゃん」
「……沙耶香さん」
すぅと息を呼吸し隣に座り声をかけた。
「こわい?」
「……」
「ちゃんと答えて」
一瞬の無言でもわかることだがこれが男女の関係なら相手の男はどう出るかわからないのが恋愛。レズであっても同様かもしれない。
こわい、と肩を彼女は震わせた。私かセックスかあるいは両方か。
「なにが?」
「……セックス……」
「……私は平気?」
「……沙耶香さんは男なんですよね」
頷き音も立ちバスローブの下には“EYE”で購入しまフリルは少な目の女子高生が身に付ける下着に近い。しかしブラはパッド、股間の膨らみはそのままあるが小さくテントを張る程度だが見る者が見たら女性にぺニスがある姿。
「男、そうわたしは男……。だけど女性が好きな女装してる変な男」
口に出しわかる。私の内に女装を卑下したり女装のまま生きてることが醜い内面と自覚する。
LGBTや性同一性障害ではないが内に葛藤や悩みはある……。
そっと顔を近づける。
「キス……していい」
「……んっ……」
バスローブに包まれた若く青い肢体のはずなのに温もりは少し身体から抜けていた。不安や怯えがそのまま身体に伝わり少女なのとわかる。
唇を重ねながらゆっくりちいさく子犬や子猫のように舌を出し交わす。ちろちろ……とフレンチなキスから大人のキスへと変え優しく愛撫し髪を撫でる。
「あ……ンン……」
キスだけで感じたようにちいさく甘い声が唇から漏れた。とはいえ怯えさせてはいけない。
「脱がしていい?」
「まだ……」
バスローブをすべてを脱ぐことに躊躇いがあった。ベッドに押し倒すか自分から脱ぐようにするか迷う……。
男の性的本能は彼女の処女を求めている。しかし“彼”に好きなようにさせてはいけない。
吐息をちいさくしキスをする……。
「んぅ……」
「沙耶香さん……またキス……」
唇や頬、髪やうなじ、首筋見えるところだけに触れ愛情を示す。バスローブは頑なな鎧みたいなもの……。

No.430 17/11/24 07:39
作家 

頑なな鎧をバスローブとして身に付けてる限りは見えてる身体の部分を愛撫する以外にない。
彼女が自分から脱ぐという行為をしない限りは。
SMにおいて誤解されるのはサドであるS側がマゾのM側に何をしてもいいわけではない。むしろマゾ側の欲求を満たすためにサド側は相手の欲求を満たしながら尽くす側でもある。
私の場合はそれを一歩か二歩かわからないが精神的により満たすために女装し責める責められる側両者に感情移入や行為中に女性としてセックスしてる感覚が妄想としてあり精神と肉体ふたつでセックスをしている。
以前にルイが私と身体を交わした時に彼女は妄想の中でも“沙耶香”とセックスし会話をしてたのもそれに近い。
「んっ……指まで」
「いいの。アイちゃんが……気持ちいいなら…… 」
見えてる身体だけ愛撫するのは困難に思える。身体の大半をバスローブが覆うためむしろマゾ側の奴隷のように相手に尽くすくらいに脆く壊れやすい十代の少女を女性として接し愛情を示さないと身体が交わらない。
「んぅ……綺麗な足」
「や……そんな」
「きれいよ……」
十代の少女だから足の見かけはもとよりシャワーを浴びたとしても匂いは気にするかもしれないが躊躇いはいけない。隅々まで綺麗と表現し口に出す……。
健康的な足をして運動神経がよさそう実際ジェンダーアイでも活発なので小鹿や子馬のよう。
ちろちろと私は足の間の指、足の裏の手相に似た線やシワまで左右をひとつずつ舐めていくと太腿や膝が少しずつだが開いていく……。
理性と本能が彼女の内でも葛藤し理性はセックスを拒み本能はセックスしたいと内にせめぎ合う。
「っ……沙耶香さん……」
「いいの。ゆっくり…ゆっくり…愉しみましょう……」
無理に太腿を開かせるがそれでは強姦やレイププレイになり初体験の少女には不釣り合い。
時々私のぺニスは勃起と萎えに近い半勃ちをちいさくパンティのなかで繰り返す。短い時間の愛撫とはいえ気持ちの不安定さが身体にあらわれる。
「……ムネにも…してください……」
ようやく彼女はバスローブをゆっくりとだが脱ぐ決意があった。勃起を繰り返しながら匂いや肢体が性欲のもとなのは明らかだった。
彼女もまた刺繍やフリルのついたオレンジ色のランジェリーが胸元や肩に見えた。汗や体液が首や肩に浮いていた。

No.431 17/11/24 20:17
作家 

オシャレしたの?
「んぅ……はい…んぅ」
小さく返事するなかゆっくり吐息と共に若く成長期の胸が動く。ゆっくり愛撫し唇や舌を通して愛情を伝える以外にない。
たとえ一時の愛情としても。
「沙耶香さん」
「なあに?」
「愛してください……っ」
わずかに涙声が混じるのはこの一夜が一時の愛情による性行為と彼女は理解してるようなのが切なくちいさく私の胸に突き刺さる。
うんと答えながらゆっくりブラジャーを下ろし天井を向く桃色の乳首にくちゅと淫らにキスをすると胸を揺らし上体が弾み揺れる。
「んあ……ンン……」
若い喘ぎは切なくも儚い。耳に伝わりながら徐々に私の“男”の理性は内に潜み“沙耶香”の人格が彼女に感情移入し気持ちの内では同化しようと試みる。
処女の女性はセックスをしたい期待を求めるが、処女を喪失する痛みにも怯えている。
言葉にするとわかりやすいがいまアイが体験してるのは性交を経験しながらも内心は震えているかもしれない。その恐怖や痛みはどうしたら払拭できるか……。
女性ではない自分が恨めしいが女装である自分にしかできないことが……あるかもしれない。
「っ……くちゅ…ちゅるり……っ」
「沙耶香さん?……あ」
「こういう……形でしか…っ、…アイちゃんの気持ちはわからないから……ゴメンね……」
私はベッドの上で彼女の若く熱い肢体を前にし愛撫しながら片方の指を自ら性感帯ではないアナルに指で弄った。いつものショーツに触れる睾丸ではないだけに快感を得るのはむずかしいがケツマ×コしか女性のように挿入できる陰部はない。
「っ……ん」
「やらしい……」
「そう、やらしいの。私はこんなに……」
自ら性感帯ではないアナルを指で犯すことは醜く思えた。それでも男性は他に挿入する陰部はない。ひとりの少女のためなら恥や痛みくらいは構わないと思ったがアイはちがった。
「あ……ン。ンン……いつもの沙耶香サンでしてください……」
顔を少し上げた。
「私のために……イタイ思いをする……セックスは…いやだ……」
「だけど……」
「イタイのは…あたしが…これから処女を…沙耶香サンに…あげる…痛みだけでいいです」
彼女は処女を喪失する痛みはわかってるようだがこれでは私になす術がない。女性になれない女装男性の切なさもあった。
これではいけない……。

No.432 17/11/24 20:37
作家 

いつもの私。
そう言われても処女を失う女性と気持ちや身体を共有したい快感と葛藤もあった……。
ふと美紀との撮影のある場面が浮かび一度彼女から身体を離しいざという時のためにバッグには密かに持っていたあるモノを見せアイは驚く。
「大きいのはムリかもだけどローターで弄って……」
バッグから出したのはローター、バイブそしてアナルバイブなどだった。
「沙耶香サン、なんでそこまで……するの?」
「私は……身体を交わす女性の快感や気持ちを共有したい。バカみたいだけど…ね。さいわい私のお尻はそんなに使ってないから……アイちゃんが私をはじめに犯してみて……」
自然にすんなり出た言葉だが内心アナルを使うことに怯えが宿りなんとなく彼女の気持ちと少し共有感があった。
ベッドに上がり互いに足を曲げて向き合う。互いに顔が見えないと不安になるおそれがあるからたぶんこれでいいはず。ローターから手に取り彼女に渡した。
「これを私のお尻に挿入(い)れてみて……」
「そんな……いや」
「アイちゃんより先に私はここを麗奈たちに指で犯されてる。あいにく私はアヌスではイケないけど……犯される。ううん、女性に近い気持ちになれる……」
ショーツを指で触れて睾丸より奥にある菊の穴を見せる。さほど使われてないが痛みは共有できる。しかし快感となるとむずかしい……。
「いいの?」
アイはローターを舌で濡らし指で広げたアヌスにそっと挿入(い)れた。少し痛みがある。
若い頃に何度かアヌスは試したがもとから性感帯ではなく年月と共にふつうのお尻なのだ。たまたま麗奈たちに弄られてるに過ぎない。
「っ……入ったわ。あとはスイッチで」
半ばおそるおそるといった表情で彼女はスイッチを小さく入れるとローターの卵型が菊の穴の肉圧から振動がお尻から来た。
「っ……ああ……」
「沙耶香サン……」
「見て……お尻を犯されてもタママ×コは……膨らみある」
精神的に感じてはないがアヌスからの小刻みな振動は肉体に何らかの影響は与えている。性感帯ではないはずだが肉体のどこかは快感と拒絶の複雑な感じ方があった。
「揺れている。オチ×チ×」
瞳が輝きはじめたアイだがやはりアヌスでは男性器までに性的快感として伝わらない。
女性を愛する女装者の欠点かもしれない。ただぺニスは振動と共にベッドで揺れるだけ。

No.433 17/11/24 21:07
作家 

ローターをさすがに〈強〉にすることはなかったがアヌスから引き抜かれた時にお尻の穴がきゅっとなった感じがした。
次は女性用の通常のバイブ、だがこれは私の誤算でほとんど先端部しか挿入(い)れられなかった。
「入らなかったですね。沙耶香サンでも間違えるんですね」
「しかたないでしょう。女の子じゃないし」
官能劇画などではヒロインたちはローターやバイブの種類に限らず女性器に挿入するがさすがに女装男性の私にはムリだった。アイはおかしそうに笑みした。
続いてはアナル用バイブ、これは先端部がお尻用なので通常バイブとはやや違う形状。玩具に慣れてないお尻にどう快感や痛みをもたらすかは私でも想像できない。
「こわいですか」
「う、うん。だけどアイちゃんが犯して……」
同性に犯されるよりは玩具や玩具を使う女性の方がマシと思う。LGBTや同性愛者とはメンタルがちがうと実感してしまう。
「挿入(い)れるよ」
「ん……」
呼吸を繰り返し肩の力を抜きお尻の穴が少し広がった途端に意外なくらい挿入は容易だった。
あ、と私とアイの声は驚きに重なる。しかしローターもだがアナルバイブがお尻に刺さる姿は異常かつ淫靡である。
「う、動かしてみて……」
「そこまでしなくても」
「いま私の…お尻はアイちゃんが挿入(い)れたバイブで……犯される寸前までされてる。アイちゃんは……ちゃんと私を犯さないといけない。わかる?」
アイは考える。
これは男性が女性の陰部に挿入したと同じ行為。沙耶香さんはわざと私に痛い姿を晒してまでセックスを伝えようとしてるはず……。
呼吸が荒い沙耶香さんは怯えながらも頷く。スイッチを小さく入れた。
するとアナルバイブはやらしく淫らにモーターの回転音がしてぐねぐね動く。
「っ……く。ああ……」
「あ……」
「な、なあに?」
彼女の視線はわずかに肉圧から赤い血が流れたことを指していた。ベッドに赤い液体が滴る。
「っ……あとで消毒すればいいわ。アルコールは冷蔵庫にあるはず」
「ち、ちゃんと病院いってください……」
アヌスとはいえ身体の一部。そこを傷つけてまで女性と気持ちを共有するのが正しいかどうかはわからない。
しかしアナルバイブを抜いた時にあることが起きた。
瞬間的にショーツでテントを張っていたぺニスから射精がわずかにあった。驚いた。

No.434 17/11/24 21:30
作家 

一瞬のドライオーガズム。
「な、なんでイッたの?」
「さ、さあ……」
ドライオーガズムはぺニスに触れないで射精する現象。
よくはわからないがアヌスへの快感からわずか一瞬のアナルバイブが抜かれる瞬間に微妙かつ大きく快感を感じたらしかった。これは同性愛者の女装者のようになった……のか?
とにかくアイにまた妙な知識を持たれたら敵わないので誤魔化した。彼女が知ってたらしかたないけど。
「射精して大丈夫ですか……?あたしと」
「大丈夫大丈夫。アハハ……」
ほんの少し精液の塊はショーツを汚したが回復は比較的早かった。ただ二度目の射精をアイの処女の膣内で早くする危険もある。
これはヤバいかなと冷や汗があった。呼吸を整え気を取り直す。
「……アイちゃん」
「は、ハイ」
「濡れてる……?」
顔を赤くしながら彼女はオレンジ色のショーツの下に指を入れたしかめる。愛液の匂いと粘りは指にあるようだ。
「う、うん。コーフンしたみたい……」
どうする?
このまま処女の花唇に挿入するかもう一拍間のプレイを設けるか……。悩んでいると彼女の方から口に出した。
「……したい」
「え……」
「フェラチオ…したい……沙耶香サンの」
「だけど臭いよ……さっき射精したから……」
かまいませんと言いながらアイはいつものように私の下半身に興味を輝かす。後ずさりが少し射精したために逃げられない。
「わ、わかったけどイカさないようにして……三回や四回は……」
「わ、わかってますよ……フェラチオくらいはできますから」
少し射精したとはいえ余力はたぶんに秘めてるはずだが自信がない。アイもたぶん度々ルイたちから話は聞いてるはずだからそこは気をつけて触れる。
んちゅ…んちゅ…。
「ン……」
「臭い……けどランジェリーから生えたオチ×チ×……」
「……言わないでたら」
ローターやバイブ作戦は失敗だったと悔やむ。ドライオーガズムを感じる自分がいたことに驚きもあるが言い様のない表現でもある。
「ン…ン…赤く剥れて…る…」
「だ、だから言わないの……」
「カワイイんですよ……」
バイブ作戦で射精をしたのは初体験の失敗を彷彿させた。初めての異性もアイと同じようなことを言っていたようだがよく思い出せない。
「イカしちゃほんとダメだから……」
「ビクンビクンなのに」

No.435 17/11/25 05:19
作家 

ビクンビクンとぺニスは肉棒と化しながらもいつもと同じよう。性的不能でもない限りは気持ちと本能は別なようだ。
両手で包むようにそっと触れゆっくり上下に扱きながらアイの表情は宝物を手にした少女のようなまま口につける。
「っ……ああ…焦らされてるみたい」
「イカせないように…はむ…はむ…してるから」
ガマンしてくださいと彼女は丁寧にぺニスを愛撫していく。
本来なら69に移りたいが彼女にできるかぎりリードさせていた。彼女から自分の女性器にキスをしてほしいと言うまでは耐えなくてはいけない。フェラをしながら太腿が時折閉じているのは濡れながら自分で弄るのはガマンしてる仕草のよう。
しかし私にもガマンができない時がある。
「アイちゃん」
「はむ…はむ…れろ…はい」
「ハアハア…私にも…アイちゃんのを見せて……」
「やだ、恥ずかしい……」
いままで家庭教師の合間にフェラチオやクンニをしてたのにいまさら恥ずかしいもないのに。それでも小さく頷き自らショーツをゆっくり脱ぎ膝まで下ろした。
「舐めてください……」
身体を入れ換えるようにし腰を私の方に持ってきてツンと甘酸っぱい経験のない女陰が目の前に見えた。ルイやヒトミほどに大人の匂いはなくワレメが閉じているようにも見え陰毛は手入れがあり剃った跡らしいのがちらっと浮き出るようだ。
そっとワレメに指を這わしクリトリスや愛液の出どころに触れる。
「れろ…っ……!」
「いたい?」
「う、ううん。身体が感じた……」
ワレメに沿うようにしゆっくり甘酸っぱい匂いを漂わす女陰から幾重もの襞がある女性器の花弁に舌を入れる。すると彼女はお尻を小鹿のように跳ねる。
「っ……んうう」
「いい?気持ちいい?」
「うん……」
少し花弁の間に処女膜らしい異質な膜が見えた。生理などと同じように女性にしかないモノ。
男性のぺニスには童貞か非童貞か区別するモノは存在しないが男性は表情や行動、仕草に言動から異性には自然にわかってしまう。男にそんな欠点を与えた神様はなぜそんなことをしたのか。
「沙耶香サン?」
彼女の若い処女膜のある花弁を見つめながらふとそんなことを考えてしまった。指を這わすが処女膜を指で破ってはいけない。また奥に指を挿入をするのもいけない。
舌と指を上手に使い愛撫する。責めてはいけない処女の花弁。

No.436 17/11/25 12:29
作家 

強く責めてはいけない花唇だがそう長くない後に肉棒で犯してしまう。
身体は熱く興奮しながらも理性は処女を失うアイを思う。
「……そろそろ…挿入(い)れてください……」
処女の秘唇とはいえ淫乱な姉二人がいる彼女なので柑橘系の匂いを身体にさせながらも抱かれることを望む。
そっと身体を離しショーツから出た男性器がどう彼女に映るのか。女装してても男性なのは変わらない。
「うん……どうしたい?」
「沙耶香さんを見ながら……はしたない姉たちに育てられたあたしの処女をあげます」
「ルイさんやヒトミさんははしたくないわ。アイちゃんは女の子、ううん女性になるの……」
歪な家庭に育った少女なりのつらさがあったように思うがそれを責めることはできない。ベッドに仰向けになり太腿は先ほどと違い怯え震え閉じていることに処女を失う怖さを感じた。
「足を開いて……」
んっ……と呼吸や息遣いとも思える躊躇いがありそっと太腿に触れた。カーテン越しの夜の街や住宅地ではイブを過ごす恋人や家族、学生など多くいるだろう。
アイは恥ずかしがり太腿は私に預けながら胸元を両腕で隠し頬や耳がいつになく赤い。
これが女性になろうとする女の子……。興奮が宿るのはオトコの証拠であり足を開かせショーツから生えたかのような肉棒が下半身に触れた。
「あ……」
「まだよ……力を抜いて、さっき私がしたように……」
「っ……ん」
クリトリスは若干の興奮から剥れ花唇は愛液を充分に流しているが彼女の身体全体はあたたかい室内なのに震えがある。そっと鈴口から草原の下にある若く青い花唇に挿入を試みた。
瞬間アイは指とは違う痛みを感じたと身体にちいさく電流のような痛みが頭にあった。
「あっ……んん」
「だいじょうぶ?」
「っ……やさしく…お願い……」
沙耶香の肉棒は以前よりも大きく見えた。媚薬の時と同じかそれ以上。処女喪失を怖がる想像とわかっているが男性としての沙耶香を初めて本格的に意識した。
オトコなんだ。女装してて……オチ×チ×ある。
怖さと性的快感を求める自分が互いに葛藤していた。
ゆっくりずぶずぶとぺニスは挿入されたある時にわずか膜を裂け破るような音が脳内に伝わり痛みが来て身体全体が緊張しぴんと跳ねた。指はシーツをいつの間にか掴んでいた。
「っ……!!ん…んん」
沙耶香は黙って見つめていた。

No.437 17/11/25 13:00
作家 

ゆっくりそれこそ処女膜を破らないかのように挿入するが現実に処女膜は少しずつ破られ赤い血がベッドに流れる。
「っ……いたい……」
沙耶香は眼鏡を外し見つめながらベッドの上で挿入が完全にいたってなく前へ前へ向かう。
「っ……沙耶香さん」
「もう少し…我慢して…」
「いたい……」
花唇からの痛みが脳内に電流のような伝わる。沙耶香は強引に男性器を挿入してないが花唇が開き愛液が滴っているのに膜は破られているのに気持ちよさが伝わらない。
痛い、ただ痛いだけ。
「痛い……沙耶香さん」
「……まだ半分も挿入(は)いってない。見て」
「!?」
赤い血がベッドを染めていた。たいした量ではないが花唇からまるで鮮血のように見えた。あまりのことにアイは言葉が出なかった。
しかし沙耶香は言う。
「大人になった証、だけどちゃんとオチ×チ×を挿入(い)れないと中途半端。このままでいい?」
しばし言葉が出なかった。が身体には沙耶香の男性器が紛れもなく挿入という形や表現で入っていた。
「……これがセックス」
「うん。だけどちゃんとオチ×チ×を受け入れてあげないとかわいそうかも……」
「かわいそう?」
「ちゃんと女の子の身体は男の子を受け入れるようにできてる。鉛筆やシャーペンだって最後までなくなるまで使ってあげないともったいないでしょう」
言ってることはとんちんかんに聞こえたが学期末試験の間を勉強をひたすらした時と重なる。シャーペンの芯は気づいたらなくなるくらいにいつの間にか真剣な日々だった。
「挿入(い)れるよ」
「っ……そんな。まだ」
「まだよ。もう少し、アイちゃんのえっちな液とその血を私の下着、オチ×チ×の根元にマーキングするくらいに……」
三分のニは挿入されたが痛みは尋常ではなかった。身体中に張り巡らされた神経が処女が喪う行為に痛みとしてもたらしてない。快感なんてないじゃないと自分の何かが訴える。
「っ……っ……」
「もう少し」
沙耶香の声が嘘を言うように聞こえて突き放したい衝動があるが離しちゃいけないとも聞こえた。どちらの言葉が正しいのかわからない……。
「もうちょっと……」
「っ……そんな。もう……」
いやという声が出る寸前だった。沙耶香の呼吸や動きが止まったようだ。
「はあ…はあ…」
アイが見た時は根元が触れそうなくらいだった。

No.438 17/11/25 15:29
作家 

沙耶香さんとひとつになってる……。
それ以外言葉がなかった。あれほど痛い思いがいたのに意外なくらいあっけなくも思えたがそれは間違いだったことにすぐに気づく。
「動かすよ。いい?」
こちらの返事を聞かずに沙耶香はさらに肉棒がある股間を近づけずぶりと音がしたような感覚があり痛さが全身を貫くようだ。
「あ、あ、いたい……」
「だいじょうぶ、ちゃんとアイちゃんが……女性なら感じれるから」
実は沙耶香自身も処女のアイの淫唇があまりにキツく血が出るのは話には聞いてたが実際の処女とのセックスには生々しさがあった。
顔や表情から挿入した途端に青ざめたのと眉間に皺を寄せては痛いしか繰り返さないか堪えるかくらい。挿入し終えた時はこれで終えようかとよぎったが血を出した女陰はまだ未成熟さがありながらも膣内は若い襞で肉棒を包んでいた。
「や、や……痛いのは」
思わず動かした腰をいったん止めた。そして言う。
「痛いのは……たぶん初めてのうちだけ。見て」
沙耶香の言葉にアイは男女が結合した部分を見つめるが背けようとした。が言葉を重ねる。
「ちゃんと見て。……ぺニスをおま×こがくわえている。アイちゃんはまだわからないけどオチ×チ×はおま×このなかの襞に包まれて気持ちよくして気持ちよくなりたいと言って動いてる。アイちゃんが女性に……なりたいならわからないといけない」
男性でも女性でもない沙耶香の言葉に戸惑いがあるなか再び女装の彼は動き脳内に痛みが伝わる。ただ全身を貫く電流の痛み。
「いたい……これが…セックス……」
「そう……オトコとの」
「こんな……」
こんな痛いのがセックスと思いかけた時だ。
ずぶりとした自らの女性器がくわえた沙耶香のオチ×チ×を感じたように思えた。
「どうしたの?」
「ああ…はあ…少し…ほんの少し気持ち…いい…ような…あン」
アイは少し理解した。
子宮を貫かんばかりに肉棒が身体にある快感。痛いのがまだ大半だが身体は熱く牝の本能が痛い感覚とせめぎながら膣内でちゃんと沙耶香を感じていた。
余裕ができたのか結合してる部分を見れるようになる。沙耶香のショーツに淫唇からの血が濡れたようにつきながら愛液からぐちゅぐちゅと淫音が奏でられた。
「ああ……イイ。……オ×ン…×チン」
気づいてないが彼女は自分から腰を振り沙耶香にある牡を求めた。

No.439 17/11/25 20:10
作家 

ンン……いたいけど感じる……いい……。
ゆっくりゆっくり腰を振り始めたアイに私は膣内がゆるやかにあたたかくなり勃起をより感じ始めた。
処女の痛みから脱却しようとしてるのだろうか。
痛みより性的快感を彼女は求めはじめているようだ。
「はあ……ン……ンン。沙耶香さん動いて…ください……」
アイもまた自ら淫らに発した言葉に驚く。姉たちと一緒なことと思った。愛液と共にまだ血は流れ痛みも下半身から脳内に伝わるが痛みよりも挿入され女装の異性の肉棒をくわえ襞が包んでいることを感じる。
「ん……」
「あ……スゴい」
きゅっと自分の花唇の奥の襞から沙耶香の肉棒の形や大きさ、交わる体液が伝わる感じが全身にした。熱く大きく愛情らしいのが伝わる。
「もっと…もっと…愛してください……」
ショートカットな髪を揺らし痛みと性的快感を受け入れながらそっと上体を起こした。
「あ、アイちゃん……」
「沙耶香さんの身体で抱いて……」
挿入しながら抱くように言われ男性器を一度離した方がいいと思うがそのまま彼女は私の腰の上に乗りベッドが軋む。
「……っ……深く…はいる……」
「っ……あまり動かしたら…ダメなのに」
「いいです。イッて……時間ある限り……して…してください……」
きゅっきゅっとルイやヒトミの妹であるがそれ以上に処女喪失からの狭くキツい女性器が締め付けてきた。意識しておこなっているのではなく処女喪失から性的快感を得て身体が熱い。
ぎゅっとアイは離さないばかりに肩や首に抱きつき乳首が沙耶香の身体に触れ腰を揺らすたびにブラジャーの感触が胸に擦れる。
ああ……!女装の人のブラと身体が感じる。
下半身の擦れる淫らな音と共に上半身は女装男性と自らの肢体が触れていく。
「……ン……んちゅ」
「ンン……」
「唇、奪っちゃ……た……」
ルイやヒトミに似たような瞳で微笑む。処女から女性になれたフェロモンが室内に漂う。
「あ……アイちゃん」
「イキそう……イッちゃいます……」
「うん……もう……イキそう」
一度目の射精で肉棒が快感に耐えきれず睾丸から射精感が来る。
アイはぐっと襞が肉棒を包み膨らむ男性器が伝わった。
「いい……イッちゃう」
「イク……!」
ぐっと堪えた沙耶香の身体から痙攣が襲い抱く力を押さえながら熱い精液が内に迸った。

No.440 17/11/25 21:14
作家 

ハアハアと吐息を肩でしながらアフターセックスをアイにしようとしたが彼女は意外な行動に出た。
「沙耶香さん……ンン。もう一回……時間が許す限り…して、しましょう」
「ンン……!?」
身体を重ねながら再び唇を交わし一度彼女は膣内に射精されたにも関わらず指を女陰に入れながら私のぺニスに愛液や精液を塗るようにつけフェラチオをしていく。
れろれろはむ…くちゅ…くちゅ…。
「ああ……まだ勃ってる……」
「ちょっ……ダメ……」
「できます……よ。ちゅっ……」
射精したばかりで牡の匂いを放つ肉棒に彼女はためらいなく舌や唇、けっして大きくない胸や乳首で責める。胸の谷間で肉棒を挟まれ快感に動けない。
セックスはこんなにいいんだ。女装の人のこの姿がいい……好き……。
アイはセックスの快感に惹かれ時計の針が十二時になるまで愛したい愛そうと思っていた。
さっきまで痛かった自らの花唇に痛みはややあるものの血を指につけ愛液や精液をつけ舐める。自分で出したものだからためらいはなかった……。
気づいてないが彼女もまたルイやヒトミと同様に淫乱な血が目覚めていた……。
くちゅくちゅともぐちゅぐちゅともつかない淫らな音が日付けが変わる寸前まで続き彼女の初めてのセックスはシンデレラが魔法が解ける寸前のように続いた……。
沙耶香はへとへとになりメイクが落ちて直すのもほどほどにし彼女を“EYE”へ送る途中に身に付けていたはずのショーツを忘れたことに気づく。いま着けてるのは替え用。
「ゆっくり休んでね」
「はい」
ルイとアイは焦燥しきった沙耶香の背中を見送る。愛妹が淫らな血を引いてるとは思ったがこれはひどい……。
クリスマスは無事に過ごせるのかしらと愛妹を招きながら思った。
十二時を過ぎた夜の住宅地を歩きマンションに帰り着いた時にはふらふらと力が抜けていた。
ただいまと扉を開けた時にまだ明かりが点いていたのに少し驚きがあった。彼女はまだ起きて待っていた。
お帰りの声にただいまと答えるのがやっとだった。
ごくろうさまの表情があったがあたたかい部屋の雰囲気に私は少しだけお茶をごちそうになり気づいた時は寝息を立てていたという。
しかしこの時の私は執筆とアイへの一生懸命さから致命的なことを忘れていた。
麗奈と早紀へのプレゼントがないことに気づいたのは夜になってからだった。

No.441 17/11/26 02:35
作家 

眠る意識の間で麗奈が出かけ頬にキスをし何か言うのが聞こえたようだがまったくわからなかった。起きたのは昼前ほど。
作品を書かなければと思うがこの日は書けなかった。この当時は使えるであろう原稿使えない原稿と書いては分けていた。シャワーと紅茶を済ませあるもので済ますか外食しようかと思った時にどこかからかコンコンとノックする音がし振り向くとヒトミがベランダにいた。
「ヒトミさん!?」
窓を開け彼女は自然に入ってきたことに声が上がる。麗奈の部屋はそれなりに高いフロアだが彼女が怪盗ということを思い出し取り乱すことはなかった。怪盗さんと友人になると常識崩壊するのね……。
彼女はルイに断り昼食を作りにきたという。
「ひとりでできるのに」
「いま起きたばかりでしょう?どうするつもりだったの」
あるものか外食にしようかと言うと彼女は冷蔵庫を見てご飯に味噌汁に適当なおかずを何品が作り並べた。
「麗奈さんほど上手ではないけど」
「そんなことは……いただきます。普通に美味しいですよ」
ふと家庭の味をどうしても思い出すなかヒトミは紙袋を出し渡した。
「さっきホテルの人がやってきて忘れ物だって」
「それ……下着?」
「ご名答、下着を沙耶香さんが忘れるなんてらしくないわ」
紙袋を見ると昨日の一夜が生々しく思い出されショーツの前面には精液や愛液に混じり処女の血があった。思い出したようにたずねた。
「アイちゃんは?」
「ひとりで部屋で過ごしてる。処女を失ったことで大人になれた実感と夜を過ごした充実感、自分を見つめ直してるんじゃないかしら……」
「ああ、私でよかったの?普通のオトコでよかったとか思わない?」
「それは本人次第よ」
ショーツにここまで血がつくとは予想外であり唖然とした。少し考えて脱衣籠から昨夜のランジェリーを出し畳み紙袋に入れヒトミに渡した。
「アイちゃんにあげてくれない?こんなモノで悪いけど」
「処女喪失の記念や証?」
「うん。せっかく“EYE”で買ったけどこれはもう着れないし」
わかったわとヒトミは受け取る。彼女は何回したのと聞くが三回目は覚えているが以降はわからない。
「ちゃんと今夜は勃てる?」
「大丈夫ですって」
「ならいいわ。麗奈さんたちと良き夜を過ごして」
颯爽とベランダから去る姿に少し驚きやはり何かを忘れていた。

No.442 17/11/26 04:58
作家 

そうこうしてる内に夕方なことに気づく。たいしたことをしてたわけではないがメイクや髪を手入れしドレスは麗奈たちが購入してくれたのがあったがランジェリーに迷ってしまった。
ヒトミに渡したランジェリーはほんの数える程度しか着けず昨夜のプレイで精液愛液に処女の鮮血ではあったがお気に入りのランジェリーだったことに気づくがもう遅い。
どうしようかと箪笥を見るがピンとくるものがなくクローゼットの中を開けしばし考えた。
これでいいよね、ないし。よく考える余裕があればクリスマスや年末年始は浮かれや気持ちに流され考えることが少ない。とりあえず着替え再び面倒なのでタクシーを呼び待ち合わせのホテルに向かう。
さいわいなのは麗奈たちと待ち合わせのホテルは昨夜とはちがうこと。
しかしさいわいと思ったのはここまでだったことに後に気づく。
「沙耶香さんここです」
「麗奈は?」
「また麗奈さんのことばかり。少し遅れるので先に入って待っててくださいとのこと」
忙しいというのが伝わる。ごく自然なことだし今朝方に何を言われたかひっかかりながらホテルの上の階にあるレストランに向かうなか早紀を褒めた。
「綺麗ね……」
「今日はちゃんと言ってくれましたね。おめかししちゃいますよ」
純白のお嬢様らしいスーツにイヤリング、ネックレス、指輪と黙ってたら深窓の令嬢ぽく見える。小悪魔が令嬢……なのか。麗奈もだが早紀がどんな風に育ったか知らないままなのだ。
レストランに入り予約した席に座り「待ち合わせの人が来てから」とウェイターにメニューを断ると早紀は少し頬を膨らます。
「待つことないのに」
「ダメ、どうせコンビニかファーストフードでつまんできたんじゃないの」
「なんでわかっちゃうの?」
あてずっぽうで言ったが微かに化粧や匂い消しでない匂いが会った時にしたが言わなかった。
「少しだけ待ちましょう」
むうとお嬢様な早紀に私は彼女のことを聞いた。
「お嬢様なの早紀さんは?」
「なんでそう言うの」
「そう見えるからだけど」
イメージとしてはどこかのお嬢様に見えなくないのが第一印象。また少しわがままな性格ぽくしたたか。早紀は少し目を逸らし窓外の夜景に目をやる。
「もしもあたしがスケバンや不良だったら軽蔑します?」
え、とお冷やを口にした時に麗奈が姿を見せ様子に止まった。

No.443 17/11/26 06:23
作家 

麗奈が来たことで早紀の話は一時保留にし食事をした。
「お肉じゃなくていいの?」
「お魚で」
「お肉好きなのに」
昨夜のアイとの食事とセックスが少なからず堪えていた。下手に精をつけることは好ましくない。
ふと見るとふたりはどこか嬉しそうな笑みに気づくがその意味に気づくのは食事をある程度終えてからだった。
まわりのテーブルを見ると男女や友人同士がプレゼント交換をしてるのが目に入りようやく気づいた。麗奈はそっと私を見つめた。
「沙耶香さんプレゼントは……?」
早紀の表情から笑みが少し消えたことに気づき私は手元にバッグ以外なかった。
「あ……、ごめんなさい。実は用意するの忘れて……ごめんなさい」
執筆したりアイの処女を考えたりで意識はしてたはずだが完全にすっぽり抜けそのままクリスマスを迎えたことは迂闊だったことに頭を下げた。
女装でも中身は男性である。してはならない失態だった。
麗奈は見つめる。
「そんなことだろうと思ったわ。早紀それ以上ねだるのは責めることになるわ」
「だけど……」
フッと彼女は笑みする。
「その代わり今夜は三人で一夜を共にするんだから、身体で払ってもらいましょう」
「麗奈さんごめん」
「謝るのはいいけどもし次がある時は忘れないで。私たちは誕生日さえまだ知らない仲だもの」
気づく。麗奈の言葉から互いの誕生日は聞いてないことに。取材で私は答えたが彼女たちに聞いてないまま。
バッグから彼女はあるモノを出した。それは私の故郷へいく飛行機のチケットだった。
「もうひとつこれを渡しておくわ。年末にちゃんと帰って」
「……それは」
「食事の時に話してもよかったけど前のアイちゃんとのデートの時に沙耶香のお母様がきたわ」
麗奈の言葉には有無を言わせない力があった。
「勘当の身はつらいかもしれないけど一度帰ってお母様とお話をして」
「っ……帰りたくないのに」
「一度帰りなさいと言ってるの。お仕事はいつでもできるわ」
チケットを受け取りバッグにしまう。食後のお茶を済ませ部屋に向かう。その間クチは聞かないままだった。
「いいんですか、いま言って」
「いま言わないと沙耶香は帰る場所を失うかも」
バッグにしまったチケットを出して見つめる私はふたりを口で責めることはしなかった。
気分が変わるまで少し時間がいる。

No.444 17/11/26 10:57
作家 

気分が変わるまで時間が必要だったのがクリスマスにロマンチックな夜を過ごしたいのに若い早紀は我慢ができなかったよう。
「いつまでうじうじしてるんですか。エッチしに来たのに肝心の沙耶香さんがじっとしてたら見てたらいいんですか。鑑賞動物ですか」
え、と沙耶香の表情が変わるなかチケットをスタンドの側に置き彼女は沙耶香を脱がし始めた。
「ま、待って早紀さん」
「待ちません、忙しい仕事のなか時間つくったんですしこの何日いえ一ヶ月もほとんど相手されなかったんですから」
「強引。若い……」
早紀は沙耶香の身体をベッドに押し倒しドレスを脱がしにかかる。脱がすと早紀は驚きある表情した。
「あ……」
「なに?あ……」
「しっかりやる気じゃないですか」
沙耶香の姿にふたりは驚きを持ちながら少し笑みした。
ドレスの下には夏の撮影現場で使われたSMボンデージのコスチュームであった。
「……麗奈さんがよけいなことしなかったらちゃんと愛するつもりでしたよ」
「どういう意味」
「ハイハイ、ケンカは明日にしてください。いまから三人で一夜を共にするんですから」
早紀がとりなすなかで私は思う。なんだかんだで凄いパワーのある子。若い……。
三人してドレスやスーツを脱いで下着姿になって輪に近い形になるなかまた早紀が先手をいく。
「キスしましょ……」
「ふん、私は別に」
「ダメです……んぅ…」
機嫌を悪くしそうになった麗奈の肩を抱いてそっと私の肩にも触れた。三人はおそるおそるながらそれぞれ舌を出しながらキスをしていく……。
感情と気持ちは別らしく麗奈は醒めて沙耶香を見つめていた気持ちは自然と抜けておりショーツのなかはじんわり湿り沁みがあった。
「んぅ……ふたりとも……ちゃんとして」
早紀がめずらしくリードする形で舌を交わし沙耶香にゆっくり視線を移していく。
「……変なの」
「……沙耶香が悪いんでしょう」
「ケンカは止してください」
二度も言われたのでは蒸し返すのはよくないと感じ従う。
私は思う。
麗奈や早紀にもなにかしらコントロールされているようだ。私は別にオレ様なキャラではなく恋愛や同居などは半ば駆け引きを愉しむ程度の気持ちはある。陣取り合戦にはしたくない。
麗奈の睫毛の長い瞳がちらっとうかがうようだった。舌が粘りつながっては滴り落ちる。。

No.445 17/11/26 13:54
作家 

私が麗奈を見つめていると早紀の声がした。
「また麗奈さんばかり」
「ち、ちがう」
「なんかあたし変なこと言いました」
私は実際さっきの彼女に驚いた。エッチしに来たという言葉。
プレイを中断をさせてしまうがつい聞くと彼女は可愛らしい瞳のなかにじっと真剣な何かが宿るのを見た気がした。
「あたしはたしかにエッチしに来ましたが愛のないセックスをしましょうとは言ってませんから。沙耶香さんや麗奈さんとは時に揉めますが愛し合えるからここにいるんです」
「またこの娘は……」
「言ってること間違えてますか」
なんとなく意味はわかるが麗奈が呆れたのは理由がある。
編集担当はモデルに会い仕事の依頼や打ち合わせ、撮影の立ち会いなどもあるが当然連載してくれる官能作家や体験談を書いてくれる作家もしくは取材される側の素人投稿者もいる。
だけど早紀はいくら女装レズや女装SMものの作品や物語でも愛のない物語は嫌ったり作家や投稿者に意見する志向があるという。納得しながらも官能作家はともかく投稿者には常連ないしバイト感覚で近い文章の上手な投稿者がいるのを暗に感じた。
「いるんだ、そういうの……」
以前に私が思ったように若干の誇張はあるらしかったが麗奈は言う。
「愛のあるセックスは当然だけど、愛のないセックスの物語からでも作家さんや投稿者さんたちにもテーマはあるはずよ。いちがいに言うのは止しなさい」
「だって……たとえば沙耶香さんが女装の女王様としてクラブなどで働いていたら麗奈さんは愛せます?」
思わずドキッとした。この子の口が軽いのではなく思ったことを繋げた表現に驚く。
「なんなのそれ?あり得ないでしょう。沙耶香がいくら変態でもクラブで女王様なんて」
なぜかサラッとムカつくモノがあったが聞かないことにした。
「あたしは愛のないセックスは認めないだけです」
「そういう話は会社でしましょう」
私の見たところ早紀は若いなりに彼女の考え方もあるらしいが時おり齟齬をきたすのが感じた。
作家ないし投稿者になるのはむずかしいようだ。双星出版社以外の官能女装モノの投稿があるところを探すのも方法。後で麗奈が知れば怒るかもしれないけど……。
「もう場がしらけるでしょう?沙耶香が黙っちゃったじゃない」
「あ、いえ……」
「すみません、つい語っちゃって」

No.446 17/11/26 14:45
作家 

オナニーをしなさい。
「あ……んぅぅ…そんな……」
私の与えた命令に早紀は躊躇いなくショーツに指を入れたり形のよい胸を触れるのだが麗奈は納得いかないようなのか躊躇いがあった。
「あら麗奈さんはしてくれないの」
「さんはいらないでしょう。他人行儀な意地悪して……」
「オナニーしないならいいわ。私は早紀さんを見ながら私もオナニーさせてもらうわ……んぅ」
麗奈がオナニーをしないので挑発し私は早紀を見つめながらボンデージランジェリーのまま自らの肉棒に触れる。
「早紀さんはいい子ね」
「はぁい……」
「何よ、どこが愛のあるセックスよ……もう」
相手されない麗奈はふて腐れながらも自分の淫唇に指を入れながら羨むように見つめる。
少し焦らしながらふたりを互いに相手しないとならない。早紀とキスを交わして白いランジェリーのブラに触れる。ケーキのように柔らかい。
「んぅ……」
「愛のあるセックスを麗奈に見せましょう」
「はぁい……」
昨夜何回かアイとセックスしたはずなのに勃起は自然なまま。甘い声の早紀は肩を抱いてくる。
「んぅ……」
「麗奈さんは見ててね」
「そんなぁ……ひどい」
早紀の白いランジェリーに対して麗奈は赤と黒のランジェリー、ふたりしてクリスマスに合わせたわけではないがそこに漆黒の女王様である私が間に入ることで淫らなコントラストとなる。
「いつから今日は濡らしてたの……?」
やだ、と早紀はいつものように少女的な小悪魔な表情をする。純白のショーツは雪とクリスマスプレゼントのパッケージのリボンのようで美しい。
ランジェリー、特にパンティやショーツのリボンは女性器を隠したり秘密にするプレゼントの意味もあるとか耳にしたことはある。
私はショーツの上から肉唇を浮き出させるようにし沁みがじんわり広がり淫臭が鼻をつく。
「あらあら、クロッチや前が湿ってやらしい」
「んぅ……」
「一ヶ月がまんしてたのね。甘えん坊さんかしら」
「ああ……」
「オナニーはしてた?どれくらい……」
「朝や職場、会社のトイレ……」
「早紀」
私の背後から彼女を睨みながらも麗奈もまたオナニーをしていたがあえて相手にしない。
「んぅ……早紀はイケない娘です」
それは知ってる。甘えたり小悪魔に乗せられては女王様失格。こちらのペースを作らないとならない。

No.447 17/11/26 16:08
作家 

ほら私のも見て……。
早紀にショーツ越しの膨らんだぺニスを見せるが麗奈には見せない。案の定麗奈は男性器さえ見せられないことにぼやく。
「ち、ちょっと……私の相手しなさいよ」
「いまは早紀さんよ。わがままな人はオナニーしてなさない……ハイ、早紀さん見て」
ショーツ越しの男性器の勃起した形は淫靡かつ異様、本来女性下着は陰部を隠すためであり色、形、刺繍や花柄、装飾などで綺麗に彩るはずだが女装はそこに男性器が浮き出てまた勃起すると卑猥な先端が出てくる。
「はぁ……ん。凄い……んぅ」
「ダメ……触っちゃ。見るだけ……」
そんなと不満を漏らす早紀だが飴と鞭を使い分けないとソフトサディズムとはいえサドはつとまらない。興奮を表情に出さないようにし眼鏡を仮面として使い表情を出さないようにし自制しなくてはならない。
「早紀ばかり……」
不満を漏らすのはもうひとり。麗奈。
彼女にも飴と鞭を与えないとならない空港のチケットのことは話題にしては私的な感情になり抑えながらバッグにたしかあるはず。昨夜彼女がいじったりしてなければ……あった。
麗奈にあるモノを渡し目線だけ向け言う。
「それを使いなさい。ただしお尻の穴にだけ、指や手でお尻と胸を触るのはいいけど乳首はだめ」
「な……なによ。それ……」
「オナニーはしてもいいけど乳首はだめと言っただけ。乳首ひとつ我慢できないのかしら」
私の挑発的な言葉に麗奈は納得いかないようだがアナルバイブを渡され淫唇とアヌスをいじる。
「んぅ……」
「バイブをおま×こにも挿入(い)れてもいけないわよ」
「そんな……」
「昨夜は私はそれを使ってアイちゃんに私のお尻の処女を見せたわよ」
ふたりの女性は言葉に息を呑み視線が前から後ろから刺さるようだ。嫉妬か妬み羨みかそれはわからないが相応の感情は表や内にあるはず。
ただ気をつけないといけないのはプレイの範囲内でのみ彼女たちの感情を理解し掌で動かさないとならない。
3Pを好まないのは精神的に責めるソフトサディズムにはむずかしいから。ひとりならひとりを愛し責めたらいいがふたりになると俯瞰の視点が必要以上に課される。
「これが沙耶香の……お尻に……んぅ…ん…」
小さく刻むようなモーター音に麗奈が自らアヌスを刺激したらしかった。
次は早紀。
「なに変態なことしたんですかぁ……」

No.448 17/11/27 05:13
作家 

少しアルコールが入っているらしく甘えた声がちょっとグレた子のよう。不良やスケバンと言ってたようだけどいずれ機会ないと聞けない。
「処女のアイちゃんとセックスしたのいやだった?」
「ロリコンですか」
「高ニよ。アイちゃんは」
「オナニーより挿入(い)れさせてください」
オナニーでは快感が足らないのはわかるしセックスをしなかった点はたぶんに認めよう。だけどこうもストレートでは面白味がない。
「おま×こ越しか下着越しの素股ならおち×ち×に触れてもいいわ。ただし手や口は使っちゃだめ」
「そんな」
「なら私は麗奈にやってもらうわ」
ムッとしながらもショーツの脇から出た肉棒には性欲が隠せない。ドライオーガズムではないが口や手、女性器に触れずにどこまで勃起や射精に耐えられるか試す必要がある。早漏や遅漏云々ではない。
早紀は甘えた声を出す。
「せめてキスを……唾を…ください」
「一回だけよ……はむ…んぅ」
「んぅ…ちゅう…れろ…このまま挿入(い)れたい……」
だめと念を押す。向き合い早紀は私をイカすかイカせないままのどちらかを瞬間悩む表情をしたようだった。精液が欲しいわけではなく快感が欲しいようにも思えたが自分が私かで悩んでたよう。
「ちゃんと触れたい」
ショーツを脱いだ早紀は湿った陰毛や花弁から開く淫唇を露にし勃起した肉棒を触れさせて擦る。少し肉棒との摩擦にくちゅぐちゅと音を奏で早紀と私の陰毛とでツリーのように見えなくはない。
「はあ……んぅ…」
「精液が欲しいならイカせなさい……」
「女王さま……」
「足を使っておち×ち×にも触っちゃだめ」
快感と不満両方の表情が見えた。精神的に焦らされてる証拠。そしてそれは麗奈にもいえた。
「……っ……沙耶香」
「なあに」
「堅いモノが…ないとオナニーできないわ」
「アナルバイブあるでしょう」
ちがうの、と彼女は言う。乳首には触れられないアナルバイブはお尻にしか許されない。
「か、堅いモノが身体に触れられない。お願い……」
乳首に触れられないのは致命的なよう。乳首は女性にすれば勃起してる数少ない身体の部分。男性器にいわば当たる部分。
「乳首に触れてもいいわ。バイブも」
「はあ……んぅ」
安心したような安堵の甘い声が耳に伝わる。女性はオナニーを封じられたら快感が激減するようだ。

No.449 17/11/27 06:01
作家 

女性は快感が得られないと耐えられないらしい。
「もういいわ。ふたりとも」
これだけわかっただけでよしとし目の前の早紀はキョトンとし麗奈は一度離れたのに甘えるように寄ってきた。
ただしと私は言う。
「早紀さん」
「はい……」
「麗奈を虐めてみて。言葉責めでも道具でも」
「え……やだ」
密かに購入しといた簡易的なSM道具をバッグから出す。ムチに拘束の手錠、ほんの数本の蝋燭程度だが存在感はあったようだ。
「や……沙耶香」
「麗奈さんを虐めるなんて……」
沈黙が部屋の内に宿ったはずだが。
「やります!」
「ちょっと……!」
「日頃の鬱憤を払わせてもらいますね」
女性は私的な感情が入るようだ。官能小説でも書き手によっては昼ドラみたくドロドロしてる作品もある。
「ちょっと沙耶香」
「おとなしくしてください」
「ひどいわよ」
後ろ手に手錠で拘束し鍵はなくさないようにスタンドの側に置く。手錠したはいいがプレイ後に外せないではホテルに迷惑はおろか翌日の新聞にちいさく載ったり週刊誌にもちいさく載る。
拘束された麗奈はベッドの真ん中に座らせられムチを手にした早紀の瞳が輝く。
「なつか……一度こういうのやってみたかったんです」
「おぼえてなさいよ。あう……」
けっして長くないムチが宙を裂いて彼女の背中を打つ。慣れている?まさかね。
早紀は痛いだけでなく痛さと快感のギリギリな雰囲気でムチを扱ってるように見えた。白き下着の女性が赤と黒の先輩を虐める。
こういう風に見えるんだ。
自分がプレイしてる姿は企画AV撮影後のDVDで見たがあとあと思えば自分が納得してなく中途半端なまま終わった場面もあり悔やまれた。
「あう……いやん」
「麗奈さん。ご褒美をあげます。舐めてください」
「そ、そんな……こんな時に……」
いいなと呟きながらもムチを振るう。あうと麗奈は私の下半身に身体を預ける。
「フェラチオして」
「んぅ…なんでこんな」
「えい!」
「あう…はむ…れろ」
「噛まないでよ」
文字通り飴と鞭を与えたらこうなる。舌や口の動きがムチで叩かれた女体のまま不規則かつどうくわえていいかわからないようだ。痛みとフェラしたい欲求の葛藤が伝わる。
「あ……はぁン……ンン」
「麗奈さんなんてズルいです!えい」
鞭を扱う早紀は嫉妬があるよう。

No.450 17/11/27 06:44
作家 

しばらくして麗奈の身体の下半身がぶるぶると震え声が漏れた。
「いや……ま、待って」
「待ちま……」
「ストップ、早紀さん」
「で、出ちゃう……」
なんとなくわかったのは表情や身体の微妙な動きかもしれない。拘束したまま連れ瞬間迷った。
風呂場かトイレか。えっちな思考や妄想はすぐさまあらゆるシチュエーションが浮かびは消える。
「こっち」
トイレであったことに麗奈は一瞬安堵な表情を見せたが裏切られることに驚く。便座を上げ上に乗るように命じ下着のまま尿をして見せてと命じた。
「や…いや…これお気に入りの下着だし……」
いかにも麗奈らしいのはわかるが便座の上に足を開いて座り足が震え始めた途端に尿がじんわりショーツの前面から滴り便座を少し汚した程度で落ちていく。その間俯き言葉はなかった。
「もう……おぼえてなさい……」
「二度もおしっこ見られたら平気じゃない?」
「恥ずかしいわよ……」
余計に羞恥心と快感があり身体全体が赤いように思えた。
「早紀さん。悪いけどひとりで遊んでてね」
「ちょっとそんな」
麗奈を風呂場に連れていき淫部をティッシュで拭きたいところだろうが浴槽の縁に座らせ無言の麗奈の淫部に躊躇いなくキスをした。
んちゅちゅちゅう……。
「ちょ……やだ。きたない……」
「きたなくないて前に言ったでしょう……ンン」
「あ……ああ、やめて。ほんとに……生きていけない……」
「大げさな……」
食事の間に口にしたアルコールから醒めたように表情が青い。
「ほら、キスしたいんでしょう?麗奈さんから出たモノがここにあるわ」
指で口にある愛液や尿を示し目を背けながらも唇は求める。
「んぅ……こんなの」
「一回イカせてあげるから休んでなさい」
「や……お願い……」
尿を漏らしたショーツに口をつけ淫らな音が風呂場から漏れる。
いや……ン。やめ……はぁ……ンン。
肌には鞭で叩かれた跡が生々しくあり指で腰から背中に触れただけで痛みがあるようだが花唇の快感がある。
麗奈は羞恥心を煽られている。花唇は尿を出したばかりなのに唇や舌の刺激に敏感かつ愛液は風呂場の床に滴る。
「あっ……ああ……」
猫のような私のクンニに彼女は浴槽の縁に掴まりブラジャーは胸から落ちそうだ。
「っ……ンン。イカせて……」
舌で花唇の奥を刺激した。

投稿順
新着順
主のみ
付箋

新しいレスの受付は終了しました

小説・エッセイ掲示板のスレ一覧

ウェブ小説家デビューをしてみませんか? 私小説やエッセイから、本格派の小説など、自分の作品をミクルで公開してみよう。※時に未完で終わってしまうことはありますが、読者のためにも、できる限り完結させるようにしましょう。

  • レス新
  • 人気
  • スレ新
  • レス少
新しくスレを作成する

サブ掲示板

注目の話題

カテゴリ一覧