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沙耶香の女装官能小説(女装モデル編)

レス500 HIT数 121554 あ+ あ-

作家
17/12/06 08:18(更新日時)

物語

わたし水越沙耶香(仮名)はある時に街を歩いていると女装雑誌『クロスドレッシングボーイ→ガール』の担当編集矢口麗奈にスカウトされる。
始まる彼女との女装生活やモデルとしての日々。
日々交わる麗奈や彼女のライバル早紀、彼女たちの社長である双星出版社社長の神無月舞、現れる謎の痴女性。
近所に住むランジェリーショップを経営する美人三姉妹……。

女装小説でありますが同性愛やLGBTなどではありません。
あくまで筆者が女性や女性的なものに外面や内面またフェチ的なものに憧れる女装官能小説です。
くれぐれも誤解なきよう願います。
ちなみに更新は遅め。

17/08/04 15:53 追記
感想スレにスレを作りました。
共感ボタンを押してくれた方や作品に興味ある女性の方よかったら書き込みください📝。
男性は感想スレ禁止とさせていただきます×。

17/12/06 06:19 追記
とりあえず今回の物語はここまでですが続編のスレは作りました。
感想共々再びそちらもごらんください。
ここまでお読みいただき読者の皆々様ありがとうございます。
そしてまたよろしくお願いします。

No.2484188 17/06/12 08:31(スレ作成日時)

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No.351 17/11/08 15:33
作家 

安堵するなかアイが心配するような表情をし撮影したスマホを見せたが私にはわからなかった。
「顔はちゃんと見なかったら」
直接後ろを振り向いたわけではなく振り向きを途中で止め半身だけ動かし男の顔を少し見た程度。二十代か三十代程度がわかっただけ。
「痴漢なんて許せない」
「今日は忘れよう」
アイは私が庇うことで安心もあったが私の手と淫部には男の腕と手の感触が残った。
小一時間ほどで東京に着き駅のトイレ(アイと共に女子トイレ)で下着やストッキングを身体に合わせ直し緊張があり尿は多く出た。
怖かったと肌に感じた。
痴漢と対峙した時は自分の正体がバレる恐れもあり痴漢の方が騒ぐ可能性もある。たまたま威圧しまわりが私の声を拾ってくれた助かったに過ぎない。運がよかったと思うのが前向き。そこへ扉の向こうからアイが呼びかけた。
「だいじょうぶですか」
「う、うん。待ってて」
扉から気配が消え吐息をつき尿を出した後にあらためてストッキングとショーツを直し人目を気にしながら手を洗い待ってた彼女に笑みした。
「さあ気分を変えましょう」
「うん」
東京に来ることは滅多にないので気分を満喫する以外にない。とはいえ女装してからもさほど遊んでいない私はアイにまかせることにした。
アイも普段はボーイッシュだがそこは女の子。ファッションの店を何軒もウインドウショッピングしたりアクセサリーショップ、お菓子を買ったりいつの時代も女の子は変わらないと思う。ただふつうなら同世代の異性や同性と遊ぶところが相手が私という相手が変わってる。
「センセ、ラブホ!」
「ダメ!」
「え〜、言っただけなのに」
街中でもたまにハデな建物の裏側や脇道にラブホテルはあるからちょっと困る。アイは性知識がありセックスをなんだかんだで直接本人の目で見ている経験がある。
興味はあるのはわかるけど興味がありすぎなのはこまりもの。
麗奈から小遣いをはずんでもらい多少は欲しいと思う下着や服は買うことはできた。
またふと思う。
そういえば撮影先で買った恋愛成就のお守りやキーホルダーはいろいろあり渡せずじまいだった。麗奈のしあわせを考えてると内にあるのが見えていた。
「あ!カワイイ」
アクセサリーショップでアイはハート形のイヤリングにはしゃいだ。女の子だなと思いながら見つめた。

No.352 17/11/08 17:23
作家 

私が買ったハート形のイヤリングをつけてアイははしゃぐ。
「男子……男性からのプレゼントは初めてでとてもうれしいです」
それはいいんだけどウインナーやソーセージのソテーか何か知らないけど口をあんぐり開けてセックスアピールをするのをやめなさいと……心の中でひそかに呟いた。
せっかく奮発して高くていいレストランにわざわざ予約して入ったんだから。ただしこれは早紀からのアドバイスだった。
窓からは海辺や公園が見え眺めはよく下には家族連れや恋人同士、学生たちが見えた。
「アイちゃん」
ほんの少しし注意するつもりだったが水を差してしまうことになるとは思いもよらない。小声で言う。
「あんまりえっちなことしちゃダメ」
「センセ……」
一言言っただけでもしゅんとうなだれ食欲をなくしかけるのが表情から伝わり慌て取り繕う。
「ふ、ふざけちゃダメて言ったの。料理をつくってくれたひとたちに悪いでしょう」
「うん……ちゃんと食べる」
「そう。ちゃんと食べないと」
まわりの目を気にしてしまうのは女装というより大人なんだと実感する。ルイやヒトミがどう彼女を育てたかは想像の範囲程度はつくが実像がイコール想像とは限らない。とは思いながらも私も高めのステーキに手を出しているから彼女に誤解を招いてる可能性は多々ある。
お肉を食べるイコール精力をつけてる→セックスしたい(と思われてる)と誤解を招く。魚料理にすればいいが外食だとお肉になるのはバカな習慣。
食欲がないわけでなくアイはちゃんとほぼ料理をたいらげた。ちょっと無理したような瞳や表情があった。
女の子の扱いはむずかしい。女装してるのに気持ちを重ねたり同化は多少はできるがやはりズレもある。
アイは私をまっすぐ見て聞こえる範囲で伝えた。
「センセ」
「ん」
「センセとセックスしたいけどいいですか」
なんとなく察しはついてたがいざ聞かされると食べたはずの胃袋は空っぽになった感じになり喉がやたら乾くことをおぼえた。
しばし水を飲むくらいの時間は要した。あとはカフェラテ。
水の無色透明な水特有の味とカフェラテの熱くあたたかい甘さ。
アイは彼女はどちらなのだろう。
出ましょうとレストランを出た。まだ街に人の数は多かった。その中に痴漢の瞳があったことを知らない。

No.353 17/11/09 05:12
作家 

食事を終えてっきり機嫌を悪くしたアイが次に誘ったのは。
「ここはなに」
「撮影スタジオですよ♪」
見たらわかるけどと思っていると手を引かれ受付を済ませアンケートを頼まれた。
当然だが名前、生年月日、性別などを書かねばならないがつい戸惑う。念のため本名項以外に希望の名前項以外もあり少し安堵した私をアイは笑っていた
希望の衣装とあり悩みながらも何かしら思いきった性格もあり心が決めるとすんなり書ける。思いきりのよい性格で失敗もあるけど。
アシスタント担当らしい女性がアイの名前を呼び手を振る彼女がいなくなり少しして私の名前を呼ばれた。
「水越沙耶香さん、……男性の方ですよね」
「あ、ああ。ハイ」
少しじっと見つめられながらも衣装部屋に呼ばれそこには制服やドレス、スポーツウェア、ワンピース、キャミソール、ミニスカ、フリルなど多くの衣装のあちこちには大半は女性もだが素の男性の姿も見えた。
ふとマスコミに叩かれていた頃にちらっとテレビに映っていた撮影スタジオだったのかなとぼんやり思う。
「お姫さまが希望とありましたがディズニー系?オリエンタル系でしょうか」
衣装はジャンルなどに分かれ若い女性店員はアンケート用紙と照らし合わせ私が答えるごとに付け加えていく。
「オーソドックスなのが。あとちょうちん袖やフリルとか」
「可愛いですね。ならこれなどは」
ゴクッと喉がなるような純白の煌めくドレスに見とれサイズを確かめ更衣室に向かい着替えた。
姿見に映る下着姿の上にドレスがワンピースなので下から来てファスナーを上げた。
「センセ?」
「アイちゃん」
「衣装選びました?」
う、うんと答えながら機嫌を損ねたはずなのに声は弾んでいた。たまたま同時に更衣室のカーテンが開くと私はお姫さま、アイは王子さま。まるで宝塚のような衣装で互いに驚いた。
「へへん♪似合う」
もとがショートカットのボーイッシュなので衣装に合わせたメイクがなくとも似合う。素がいい。
「センセのお姫さま。合わせてよかった」
そう言われながらメイク担当の女性に鏡台の前に座りお姫さまメイクをされた。目を閉じファウンデーションやらあらためてされ初めて麗奈に女装されたあの日が脳裏にあった。
あの日他人に女装させられ“沙耶香”になった。
「どうしました」
メイク担当の女性がふと気づいた。

No.354 17/11/09 06:06
作家 

姿見にぼんやり映自らの姿に瞳からうるっと涙が浮き出そうになる。
幸せ?後悔?麗奈や早紀さん、社長、ルイたち三姉妹……などなどこの半年以上のことが走馬灯のように脳裏を駆け巡り泣きそうになるのをぐっと堪えた。
「す、すみません……少しメイク落ちちゃいますけど」
目許をハンカチの端で拭う姿をアイやスタッフたちに見られながら息を整えた。構いませんからと伝えた。
呼吸を整え何を考えてたのだろうと少し思う。あらためてメイクされ泣こうとしてたはずなのにこの撮影スタジオに入った前後くらいに陰部は興奮していた。
「それではこちらでお願いします」
手間がかかるだろうにロココ調の椅子や中世的なカップなどの小道具しかもしっかりお茶を淹れてある。カメラマンも女性で明るい人。
「緊張しないでいいですから」
まただ。
麗奈と撮影した時が思い出されながらフッと笑みすることは自然にできフラッシュがたかれた。あとインスタントカメラで試し撮り。デジカメなどでも撮影しては見せられる。
「次は蘭樹理さまとお願いします」
「センセ、いえお姫さまお願いします」
表情からは機嫌がよくなったかはわからない。少しでも楽しくしようという雰囲気が肌に伝わる。
再びカメラに撮られいろいろ表情やポーズを変える。再び衣装やメイクを変えては制服など多くの衣装を身に付けては撮影すると夕方近くになっており最後の撮影を望まれた。
「着たい衣装ないですか」
「あのアイちゃんさっきはごめん。言い過ぎたと思う」
「……私の気持ちが届いてないのがわかりましたから」
「そんなことはないよ。ただセックスはうかつに口にしない方がいいよ」
大人なんだ、と少し寂しげに胸に傷つくように呟かれた。そんな私にふと目がついた衣装はずっと気になっていたウェディングドレス。
「センセ、花嫁さんになりたいの?」
いや、どうだろうと思った。よぎったのは麗奈と早紀、アイたち三姉妹の花嫁の姿があった。
お店を出る時にスタッフさんから声をかけられた。
「あの失礼ですが『クロスドレッシング』の沙耶香さんですよね。撮影中は支障があるとお思い声をかけませんでしたが」
「あ……声をかけてくださればよかったのに」
「いえなにかつらそうに見えましたので」
こういう職業の人たちはこわいくらいに人を見ている。少し話をしまた来ますねと伝えた。

No.355 17/11/09 08:29
作家 

帰りの電車はアイに席を譲り私は彼女の背に映る自分の異性装が目に入った。
憧れの女装そして“沙耶香”という名前であり姿それが欲しかったのではないか。
ふと気づくとアイが年配の女性に席を譲り扉側に私を招いた。混雑は朝ほど混んでないのにぎゅっと身体を寄せてきた。
あたたかく柔らかい甘酸っぱい十代特有の匂いと大人になりたい化粧品の混ざった匂いそれ以外にも綺麗な睫毛や形の整う眉、少し悲しみを秘めながらまっすぐに輝こうとしてる瞳、小さい鼻に形のいい唇に顎。
“沙耶香”とはちがうが彼女もまた女性なのだ。若く溌剌としながらもルイやヒトミ同様に何か複雑な生い立ちを抱えながら怪盗ジェンダーアイと普通の女子高生としていまを生きている。そんなことを思っていると股間を撫でられた。
痴漢!?
ちがったアイなことはすぐにわかった。スカートの上からちいさく大胆に若い掌で私の淫部を触れていた。
「センセ、ううん沙耶香さん…」
触っちゃダメということはできたがこの時はそれは口に出してはいけないと思い好きなようにさせていた。そんなことが行きと同じくらいの小一時間電車に揺られていた。
駅に着き改札を出ると六時を半ほど過ぎ東京を出る前にファーストフードを少し食しいくつかはそのままテイクアウトした。
「アイちゃん」
「今日は楽しかっ……」
たぶんにけっしてそうではなく水を差したのに健気であり最後まで言う前に私は思いきった。
「少し休んでいく?」
「え」
「だけど私もアイちゃんに見てほしいもの伝えたいことあるの」
街中の駅前を少し歩き一見ファンタジックなラブホテルに彼女を誘った。
淫行ねと沙耶香の意識は問い責めるように内から声があった。
「これがラブホテル……」
アイ向けに少女向けの花柄や東京のコスプレ撮影スタジオのように花が生けてあり(造花だけど)ホワイトやピンクで彩られ飲料水を入れるグラスなどもお洒落。
だけどラブホテルの一室。浴室はガラス張りで透け気味、すけべ椅子もあり明らかに股間を責めるもの。いくつかバイブやローターなどもあった。
「オトナの玩具。センセがあのAV女優さんを責めたのとおんなじ」
美紀との撮影もふしぎに遠くに感じられながら「シャワーを浴びてきなさい」とだけ伝えた。
透け気味のガラスから彼女の姿を見てはならないと感じ他に興味を移す振りをした。

No.356 17/11/09 10:34
作家 

シャワーを浴びてくる。彼女が上がった後に入れ違いにシャワーを浴びる。風呂場にもあたり前のように全身像を映す姿見がある。
ありありと男性の裸体が映り熱いあたたかいシャワーの湯が弾けていく。眼鏡を外し見ないようにしても首から下の自らの身体。
女性らしいといえる点は華奢な手足に以前に丁寧に剃った陰毛、日焼けがわずかに残る薄い肌くらい。顔つきに救われたとはいえるが慰めに思えた。
瞑想をしルイやヒトミそしてこれから向き合うアイに胸中で謝る。
これから少しそして残酷に重たいことをします。
この言葉を呟いた時は無になっていたかもしれない……。
身体を丁寧に拭き慣れない手つきで髪を結わえて全裸にバスローブだけをつけアイに向き合う前に呼吸を数回繰り返しベッドに向かう。
彼女はこれから処女を喪失する期待と不安をあらわすように両手を胸に置いていた。
「……アイちゃん」
「センセ、……沙耶香さん……」
躊躇いなくバスローブを目の前で私は“男”としての全裸を彼女に見せ息をのむのが室内に伝わった。あえて言う。
「これでもわたし……いやオレを抱きたい処女をあげたいと思う?」
意識した途端に男の自分が出て声まで太く変わりあまりに自然だったことに驚いた。
あ……。
「い、いや……!」
途端に彼女は頭ごと背け掌で顔を覆い背中が震えていた。残酷なことをしたと理解し置いていたランジェリーを身に付け髪をほどいて少しだけ風呂上がりの肌の手入れに化粧を少しした。
怯えから彼女が解放するには時間が必要だった。ほどなく彼女はおそるおそる振り向き頭をあげ表情が戻った。
「ごめん、怖がらせる思いをして」
「なんであんなこと……したんですか」
瞳には力強く怒りが込もっており少女らしい何か輝きがある。私は言う。
「私の内には……さっきのような男、男性もしく牡がいるの。私はそれといま向き合ってるの」
考えなくてもいいと風吹先生に言われたが一種の袋小路に心から入っていた。
「アイちゃんは……男の私は抱きたくないと目を顔を背けた」
「そんなのあたり前です。あたしは女装の人たちしか見てないもの」
悲痛な彼女の叫びに複雑な生い立ちがあるようだった。
ごめんなさい、と女性として抱く以外してあげられなかった。
かつての麗奈を傷つけたようにそんな人になったのか。

No.357 17/11/09 15:43
作家 

気づくとアイの顔が正面にあり唇を交わした。
「ん……振り向いてくれなくても処女をあげれなくても……いいですから」
「ん……私はアイちゃんを……傷つけたのに」
「かまいません……セックスを…最後まで…しなくてもいいから」
私の腕を取り若い乳房に手をやり触れるように促した。あたたかく柔らかい、こんなに若いのにルイたちとは異なる幼い母性を秘めているようだ。処女なのに。
「あたしは女装の……沙耶香さんが好きなの」
「ん……んん」
若い彼女にベッドに押し倒されショーツに包まれた淫部は本能のまま勃起していた。本能には逆らえない。
しかし理性はあった。彼女の手はショーツの柔らかい布地から指でまさぐり形を確かめていく。
「ここはオトコだけど……クリチ×コ…クリチ×コ…」
「ん……いや」
「クリチ×コは我慢してたよ。ずっと…ずっと…」
アイは瞳を輝かせ言い聞かせるようにし羞恥心そのものに触れるような囁きとあたたかい感触があった。
「ああ……ン」
「センセ、ううん沙耶香さんは……オンナのひと……オンナのひととして感じて……」
「っ……」
性感帯である睾丸に触れてきて頭の中が真っ白になりそうな感覚をおぼえ彼女は献身的に奉仕し私を癒し彼女自らも癒されようとしてるのが肌を通し伝わる。ベッドがきしむ音がした。
「ああ……アイちゃん」
「慰めてあげるからあたしにもして……指と舌だけでも」
大胆に彼女は吐息を少しずつ激しく牝のようになりながらショーツの脇から我慢できないぺニスを出し触れて69の姿勢になる。
しゅっしゅっと指で扱く音が室内に静かに奏でるようだ。
「あたしのも。おま×こ食べて」
わざと卑猥な表現をし誘惑しながらもけっして力ではないのは媚薬に犯された私から学び幾度ま繰り返した前戯の経験からだろう。
処女なのに。いや処女であるが故に経験の数ではない献身的な前戯で迫っていた。
下着のクロッチにはすでに淫ら沁みがじんわりとあり若く処女特有の酸っぱい匂いが鼻をつく。
「食べて……むさぼりつくみたいに」
丸みあるお尻が牝犬や牝馬のように劣情を沸かせる。
しかし私に沙耶香の意識が支配していきやすらぎ癒しが内にあった。指で花弁を指で突っつくと神経が彼女の脳内を刺激した。
「あ……ああ」
若い処女の喘ぎ声が伝わりお尻はすでに体液で濡れていた。

No.358 17/11/09 18:18
作家 

一度身体を洗ったのに体液が身体全体を覆うかのよう。デート中も興奮してたのに醒めさせたのに。
んぐんぐクチュクチュ……れろれろ……。
二人の美姉ほどフェラチオはうまくはない。しかし格段に経験を積んでいる。小さな口のはずなのに唾液や口内で湿らし濡らし鈴口や亀頭を刺激していく。
「あ…ああ……」
「はあ……ンン。感じてる、沙耶香さん……」
「ン……処女のアソコ」
「ンン……いつまでも待ちますから……」
彼女の淫唇に何度かのオナニー経験は目に少し見えてわかるくらい成長している。陰毛や花弁、幾重もの襞は少しずつ時と共に大きく花のようになってきている。
オナニーのしすぎで肥大化するとも官能小説ではあるが彼女は自ら私の言いつけを守り戒めほどほどにしかしてない。証拠は処女特有の甘酸っぱい匂いと処女膜があった。私がフツウの男ならすぐにでも欲しいくらいだが自分の内にある女性面との葛藤が躊躇い抑え彼女に純粋な少女でいて欲しいからか。だけど同時に彼女につらい思いをさせてもいた。
「ンン……沙耶香さん大きい、口に入らないよ」
「……ハアハア…。アイちゃん」
「ここがクリマ×コ。パンパン、ガマンしすぎ」
美紀のように卑猥な表現を使い気持ちを刺激し同時に内にある心を癒すかのようだ。
淫唇に指を這わし処女膜に傷をつけないようにするが愛液の滴りと共に吸い付き甘い味。
クチュクチュれろれろ……。
舌でさえ襞に絡み甘い味を媚薬のように魔性の魅惑さがある。
襲ってはいけないわ。
私の内の沙耶香が応える。女性として接している時は無意識の内から語りかける。
「っ……ああ…ンン」
アイの愛撫に感じながらも葛藤がよぎる。
この葛藤はいまのままではいつか生活が崩壊する序曲のように冷たく重い交響曲のよう。
怖いのだ。女性として生き女装し異性たちに囲まれる生活すべてがいつかは壊れていくだろうという現実が迫る。それをあの事件の翌日に耳にした母の声が教えたよう。
「ンン……ああ」
「沙耶香さん……?」
「ん……ハアハア」
この生活を失わないようにするには何か光明を手にしないとならない。
「キスを……」
69の姿勢を解いて彼女は私を求めた。青く若く熱い唇には躊躇いがない。躊躇ってはいけない。
何に?
私自身に……。
部屋にある姿見に映る私の姿はそう応えていた。

No.359 17/11/09 20:45
作家 

さらに彼女は私に立つように促しお尻に指を這わした。
「ああ……そんな」
「ホントお尻は使われてない。姉貴たちの言った通り」
「ひっ……や」
ショーツをお尻だけ下ろし指が静かに挿入されアヌスに冷たい舌がちろちろれろれろと入っていく。それだけじゃない室内の鏡がありのままの淫靡なままを映す。
「あ…あ…」
「女のひととして感じていいんです」
「あ……」
喉が渇くくらいに彼女はお尻をまわりやアヌスを舌で感じさせる。頭の内が白くなるくらいに感じショーツの前面は尖った山のように張りカウパー液が濡らす。
アイは思う。
私は女装の人はこの人しか知らない。姉貴たちみたいにセックスしたわけでもない。ただ調べては媚薬や姉たちに犯され果てていくだけの被害者の女装さんたち。
だけどこの人はそれまでの人と違う。自分が苦しい時も身近な女性たちを密かに激しく思い時に共感しきびしいことも言う。
わからないけどそれは愛情なのではと思う。
しかし私の愛は届かない伝わらないまま。
いつか姉貴たちや麗奈さんたちを越えれたら振り向かせるかなと切なげに思う。
「ん……お尻に…食べたものがあるのに」
「臭くない……臭くないもん……」
「あ……イキたい」
「イクの?イッちゃう」
サディストである私は三百六十度ほぼ映る自分の姿が女性のままに見えていた。女性に気持ちが同化しマゾの女性の気持ちが憑依したような妙な快感になっていたかもしれない。
しゅっしゅっぐちゅぐちゅ……。
アイの若い指はお尻から見えないにも関わらず形を確かめながら上下に扱いていきぺニスがクリトリスのように思えた。
「あ……いや」
「そんなことない。じゅるり……イキたがってる身体は……」
「ああ…ン」
「ガマンしないでよ」
「っ……」
左右の足が下半身の舌と指、アヌスと肉棒の快感が加わり立てないくらいに力が抜けそうだった。アイは座ることができないように大胆に顔をお尻につけ身体や足を私の両足に滑るように入った。
凄い、レズのグラビア画像で見たような構図。ショーツの内で睾丸が熱い肉棒が熱く堅く脈打つ。
「あ……」
私は姿見に映る彼女は大胆におしゃれなオレンジの下着を脱ぎ出し淫唇を映し出した。
アイの肢体そのものが若い黄色の花弁そのもののよう。体操選手のようなスタイルがより際立つ。

No.360 17/11/10 06:04
作家 

花弁ショーツの内で男根がびくんびくんと脈打つなかアイはさらにローションを手につけアヌスに指を挿入した。
「あ……ッ……」
冷たく粘液のローションの感触が下半身から力を奪うなか彼女は座らせたりベッドから落ちないようにさせながらお尻の穴を犯す。
「ちょっとパンツについちゃった」
「や、やだ、も…もう……」
下着にローションがついたことに羞恥心をおぼえながらも私はこういう時は異性に好きなようにやらせていた。
サディストだから奇妙に思われるかもしれないが支配する者は支配される者の気持ちを重ねるというのが私独特の心理だった。もちろん痛いことや嫌がることを無し。ただしそれを強引にした者とは二度と付き合わない寝ないともしていた。
アイは姿見に映る花弁ショーツの内にある肉棒を見つめ頬が赤い。
「これにいつか、いつか……処女を……」
「う、うん……」
「イキたい?」
「う、うん……お願い」
ほんの心持ちフリルがついたショーツのフリルを破らんばかりに勃起している。睾丸に精液がありすぎるくらいに風船のような膨らみ。手を這わすアイに感じる。
「あ……ハァ……ハァハァ」
「脈打ってるよ……イキたそう」
「じ、焦らさないで」
「センセ……沙耶香さんが自分でイカないと……射精しないと」
「……ああ。もう」
ここでも射精をコントロール術がむやみに働きアイはさほど焦らしてないと言うが半分程度は焦らしてるはず。
しかしさほどたいしたテクニックを使ってるわけでもない。彼女はぺニス、睾丸、アヌス以外は責めてない。それでも普通の女子高生よりは性の世界を知り卓越している。
“並のオトコならイクわね”
沙耶香の意識が伝え睾丸から射精が促され熱い精液の脈動が肉棒に伝わり身体全体が熱い。
瞬間身体全体が痙攣し立てなくなる私を彼女は両足を押さえながら花弁ショーツの内から亀頭が震え鈴口からきたない精液が吐き出されるのをまじまじと見ていた。
「あ……ッ。イク……イクイクイク!」
花弁模様を汚すように白濁とした粘液はショーツの内から出てアイの顔を飛び越え姿見にどろりどろりと垂れしばらく勃起が続いた肉棒はゆっくり頭を垂れていくなかも精液を射精していた。
ぼんやりとアイは見つめながら精液は彼女の端正な表情を犯し彼女はぺニスを手にしようやく口に含み淫靡な音を立てていく……。

No.361 17/11/10 06:41
作家 

アイのフェラチオは吸い込むというよりはネコが舐めてる感じに近い。
大人のフェラチオというよりは男性器そのものに興味がありながら鈴口から睾丸にいたるまでまるで実験する学生のままに見つめ手に取り口に含んだり舌先で弄る。ところどころでカウパー液や精液を喉にちいさくゆっくり飲み込む。肉棒を綺麗にしていくというのは三姉妹の共通点のよう。
「ああ……も、もういいわ……」
「……んぅ。まだ残ってる。もう少し。じゅるり」
ん、とビクンと脈打つのがわかりようやくおとなしくなった男性器は口と舌、手で掃除フェラをされたとは思えないくらい男性の匂いさえ少しかわずかしかしないくらい清潔さがあった。
私はアイにキスをしながら思う。男性器についての愛情はたぶん姉妹のなかでいちばんかもしれない。興味があり理性で押さえてる反動もあるがそれ故に純粋なのだ。
「ああ……アイちゃんイッてないでしょう」
「う、うん……沙耶香さんをイカせることに……必死だったから」
処女をもらうのには抵抗があるが69は顔が見えないし指や口による愛撫で満足するか否か。
考えた……。
「挿入(い)れるのはいけないけどアイちゃんのその股、……素股で私のオチ×チ×を感じて感じさせてみて」
アイはそっと自らの花唇を肉棒にくっつける。互いの視線の中心に男女の性器がある姿勢。花のおしべめしべに似たような形でもない。
そっとアイは花唇に肉棒をくっつける。あいにく私の肉棒は回復したばかりで半勃ちで少し力がない。
「勃ってないよ」
「うん。でもすぐ勃つから。たぶん」
以前にルイがレズじゃないかと言った夜はルイとヒトミで五回はできた。さすがに身体に疲労はあり四、五回目の時は精液は白く薄くなった。
ン……、素股という行為にためらいがありながらアイはゆっくりゆっくり腰を動かし花唇が呼吸するようにちいさな収縮が見えた感じに思えクリトリスは興奮を象徴するように剥れてた。
「あ……オチ×チ×」
「うん。大きくなった」
勃起しはじめたことにアイは悦びが表情にあらわれ私自身は汚れたショーツのまま男性器を脇から例により出していた。しかしショーツのクロッチとアイの女性器の交わりがふしぎと気持ちよかった。
じんわりじんわりと美紀がかつて表現したタママ×コと女性器がレズのように交わりがあった。
あたたかい……。

No.362 17/11/10 09:55
作家 

アイは私の知る範囲では年齢は幼いとはいえ高校生。
怪盗ジェンダーアイとしても育ちながら性知識は豊富でありスタイルは抜群ながらアブノーマルな環境で育ったらしい。
「ンンン……はぁ…ン」
素股は以前に麗奈に私はやられたことがあるがアイはどうなのか。股間同士のふれ合いだが挿入にはいたらないぎりぎりな性交……。
若い陰毛が上に見え花弁のような女性器がぱくぱくと開いては閉じるような挙動が見える。私の男性器をおしべ、彼女の女性器をめしべのようにくっついたり離れたり淫らな音を奏でている。
「ん……」
「感じてるの」
「う、うん……」
いまにも淫花に吸い付かれそうだがそこは麗奈のような大人とはちがいテクニックはないぶん花唇からの愛液は求めるように男根に絡みつく。
あたたかく若い……。
「ン……レズみたい」
クロッチ部分とたまに重なり睾丸かまさに女性器のように思える性的快感があった。アナルでは不可能な快感。
「はぁ……大きい」
「やだ……言わないで……」
「いつかは……セックスして…ください」
切なげ彼女の思いを受け取る自信がないのだろう。だから拒絶をしたり時に厳しく接する。
皮肉にもそれはかつての私の母と重なる。女装=男性相手と母はいまだに誤解している節がありそれは世間一般の誤解と重なる。また私が母の下着に手を出した経験も多少はある。
純と美奈義母子の時にも重なった。
うん、と頷く私にアイは懸命に淫唇で擦り陰毛にも汗や体液が粒のように浮き出る。ぱくぱくと求めるように淫唇は呼吸と共に動く。
しゅっしゅっくちゅくちゅぐちゅくちゅと激しく奏でるなか思いきったようにアイは爪先を肉棒に向けた。
「ち、ちょっと……」
「足でイタズラ……クスッ」
素股に足コキ、ちいさな足の指が肉棒に重なり上下に動かされ刺激があった。
「ああ……そんな」
「沙耶香さんの…熱い肌が、オチ×チ×がびくんびくんだよ」
「っ……足でイカされちゃうなんて」
女子高生の足という快感と素股、目に見える女性器の淫靡な美しさや若々しい母性それらが熱く下半身に集中していく。
健気かつまっすぐだけどやや変態的。ルイやヒトミとはちがうぶん足の先にさえ純粋な性への好奇心がある。
しゅっしゅっくちゅくちゅぐちゅくちゅと快感が高まっていく。
淫唇は肉棒を求めてるのが伝わる。

No.363 17/11/10 14:53
作家 

健気なアイの表情は紅潮しながらも私の肉棒を淫唇と爪先で扱いていく。
見とれていた私は思わず素直なほどにイッてしまった……。
びゅるる……!どぴゅどぴゅ……。
「ああ……はぁはぁ……はぁ…はぁ」
私だけがイッたと思ったら実は彼女も淫唇内でしっかりとイキ絶頂に達したようだった。
「ああ……あたしも…イッたみたい……」
よく見ると淫唇はちいさくぱくぱくと呼吸してるかのよう微妙に動いてるかのようで彼女はアクメに達したようだ。扱くのに夢中で一種のトランス状態だったようだ。
「そ、そうなの……」
「さ、沙紗耶香さんの……もったいない……おクチに…ください」
「そんな……ん」
拒む間もなく二度目のフェラチオをされるがやはりバキュームのように吸い込むというより綺麗に清潔にしながらも萎みかけた睾丸からも精液を求めるだけ求める。
ラブホテルでの休憩を終えると8時をすでに過ぎており私には麗奈、アイには美姉ふたりからメールや留守電が入っていた。
麗奈は『いつまでも若いアイちゃんをつれ回さないこと』、アイには『夜遊びしすぎると悪い大人に襲われるわよ。気をつけて帰りなさい』とあった。
やばっと思いながらまずはアイを“EYE”に送りながらルイには睨まれた。
「おおかたアイに誘惑されたんでしょうけどこの子は身持ちがかたいんだから。気をつけて帰ってね」
せめてお茶でもというアイには遠慮し“EYE”の玄関や看板を背にして私は帰った。
ふと思うがヒトミの姿はいないようだった。
小高い丘を下りてマンションに向かう住宅地の暗い夜道。街灯はあるが日曜なのにふしぎと人気はなかった。あまりに静かすぎて不気味。
瞬間、両手が買い物袋で塞がったままなので背後から男性に襲われた。
「このオカマ!なに若い女子高生相手にホテルから出てきてやがる。しかも俺様の足をそのヒールで踏みやがって」
「……っ!?やだ」
「やだじゃねえ!俺のチ×コをくわえやがれ」
すぐさま紙袋を下ろし肘に力を入れ堅く鈍い音がした。
「ぐっ、てめえ」
バッグが明るい街灯に照らされ中から催涙スプレーを出し男に吹きかけた!男の年齢はニ十代から三十代。
「ぐわっ!?てめえ」
粗野な男の声が住宅地に響くが恐怖を煽るようだ。
「お、オカマのくせに」
「うるさい!オカマオカマって!本気で怒らせて!」

No.364 17/11/10 15:13
作家 

ストッキングを伝線させて、もうこれ使えない。
沙耶香の意識が目から見えたままの脚を憎々しげに呟いた。
「よくもやってくれたな……」
「あ〜、もうめんどくさい。デートの後なのに」
眼鏡の内には珍しく本気の怒りが宿っていた。二度も性犯罪に遭えばさすがに私の内の男と沙耶香の意識はみごとなくらいに同調していた。変態ではあるが性犯罪は許せないくらいの道徳観や倫理、常識はあるのだ。
「なにふざけてやがる。フェラチオでもしやがれ!オカマは……!?ぐわ!?」
下半身を出した男はバッグから出したもうひとつの秘密アイテムスタンガンからの電流に悶えた。さすがに息が荒くこうなれば警察に突き出してやるくらいの意識があった。
「スタンガンだと……。ふざけやがって」
「はあはあ」
「なんだ?息が上がってるのかよ」
呼吸を整え日曜の平穏をたぶんまわりの家や住宅地は過ごしてまだ騒ぎに気づいていないと理解していく……。
ならば最後の手段はひとつだった。ためらいを持ってはいけない……。呼吸を再び整え深呼吸していく。
瞬間私は悲鳴に近いほどの声を大にし町中や住宅地に響いていった。
いやぁぁぁ〜!!チカンんんんん!!
真っ先に開いた窓は男の側の塀があった家のお婆ちゃんらしいひと。次々に窓は開いたり明かりがついたりすぐさま反応し騒ぎだした。
チカン?痴漢だって!
「な、てめえ」
「はあはあ、オカマじゃないし私は同性愛じゃないから」
負け惜しみに聞こえるかはわからないが一言くらいは向けないと気がすまなかった。
おぼえてろ、と吐き捨てるように男は住宅地を抜けるように去っていった。
バッグに実は防犯ブザーもあったことを忘れており住宅地の人たちはすぐ警察に通報しサイレンの音が住宅地を駆け巡り私は再度警察に保護された。
この様子を密かに見ていた者がいたことを誰もが知らない。私も……。
夜の闇に溶け込む青のレオタードに長い黒髪、利発な瞳のヒトミ。
「一瞬助けようかと思ったけどヤボだったわね。姉さんの言う通りだったか」
実はルイは“EYE”の付近に不審な人物がいることに気づき自分はアイの迎えにヒトミは私の護衛にさせてたようだった。
「警察も動いたし私はいいのかしら」
程なく男は警察に捕まったと知る。警察からかんたんな事情聴取の後に私はマンションに帰されたて彼女は知った。

No.365 17/11/10 15:53
作家 

事情聴取をしてる時に犯人はすぐに逮捕され私がパトカーで送られたことを知った麗奈は迎えに出て表情が真剣だったことに気づく。
「もう心配かけて」
「さいわい彼、いえ彼女のおかげで犯人は逮捕できましたからご安心ください」
私を送ってくれたのは男女二人の警官だが婦警は丁寧に私のことを言い直し麗奈に私のことを伝えパトカーは去っていった。
だいじょうぶ?と聞く彼女には私は唖然とさせる一言を言ってしまう。
「もうストッキングは伝線しちゃうし服はぼろぼろ!許せない」
さすがの彼女も驚きながらもすぐにクスクスと苦笑した。とにかく上がりましょうと部屋に入り軽く身体を拭いて汚れや怪我を見た。運よく擦り傷程度と少しの汚れ程度。化粧は少し落ち睫毛も付けていたのに。
「お風呂準備したわよ」
「あ〜、もう。どうして男てこうなの」
「忘れてると思うけど沙耶香もオトコよ?」
?マークをつけてなければ間違いなく冗談で通せない怒りはすぐさま水を差したように頭を冷やす。先ほどアイに私が冷たくしたように。
「まあそれにしてもその程度で済んでよかった。安心した」
「ありがとう……」
「それに教室に通って近所付き合いしてる華先生の護身術が役に立ったんじゃない」
紅茶を出され甘く喉に入るなかこのニ、三週間を話題に出された。あれから私は近所付き合いや教室に週のうちニ、三は通うようにしている。ただし基本は麗奈か早紀、ヒトミ同伴のうえ。
基本的に私の本質が人付き合いがやや苦手なために彼女たちが同伴しながらエアロビクスや水泳をしながら護身術を華先生に習っていた。催涙スプレー、スタンガン、防犯ブザーは必須と教えられ持っていた。
ただでさえ一度拉致されているんだから警戒心は必要と華先生は言い事実それは今夜現実になった。麗奈は言う。
「もしかしたらオトコ好きに見えるんじゃない?」
「……あのね本気で怒るよ。まだ気分悪いんだから」
「お風呂に入ってサッパリしなさい」
姉のように麗奈は諭し風呂場にうながし私の服や下着を見て洗濯機や脱衣籠に入れていく。
シャワーを捻るとお湯の流れが擦り傷にじんわり肌に感じ痛みがある。
「まったく……傷をつけて」
乙女の柔肌ではないが私は男性のわりに肌が弱い。以前の湿疹や汗もからもわかる。怒りを鎮めようとしてたら風呂場の扉が開き麗奈が姿を見せた。

No.366 17/11/10 18:39
作家 

やだっ、と言う私に構わず麗奈は全身を惜し気もなく見せて入り言う。
「フツウは私の方が恥ずかしがるのに男の沙耶香が嫌がるなんて」
「だって……裸は男の身体そのままだから」
「たしかに乳房もないアソコはしっかりオチ×チ×ある。だけどこれがあるから貴方は沙耶香なのよ?わかってるでしょう」
シャワーを手に取り私の髪や身体、うなじや肩に背中から順に上から下へ洗いぺニスに触れていきボディソープを取り彼女は自らの胸を背中に触れさせ躊躇う私の正面に向けさせ乳房のない胸を指で愛撫し乳首を勃たたせていく。
「乳首も勃つしオチ×チ×も勃つ。だけど中身は心は私や早紀たちとも重ねられる……大きい」
「んぅ……裸だと」
「男のままに感じるのがいや?裸な時くらい素顔を出して」
ぎゅっと抱き締められ胸には豊かであたたかい乳房が、勃起した陰部にはシャワーで濡れ愛液さえ滴る秘唇が触れて力が抜けそうになる。
「私はまだ考えを見つけられない。沙耶香のせいで」
「気にしないでって言ったでしょう」
「だけど答えを見つけられないと仕事を続けられないの」
慰めてと彼女は離さないとばかりにいつになく力を入れ疲れた身体が壊れそうに痛い。
「いたいいたい」
「あ……でも匂いする。アイちゃんに出してもらったわね」
「言わないでスルーしてよ」
「どうせまだ処女をいただかずに拒んだのでしょう」
なぜそれがわかるのか眼鏡がない私の瞳は見開く。フフンと笑みする。
「まじめすぎるのよ。女の子が処女のままなのがどれだけつらいか。私みたいにレズに走れば相手の子に指やバイブで捧げられるわ。だけどフツウの女の子は……アイちゃんは女装の貴方に興味があるのにいつもガマンさせられて可哀想」
「……わかってるわよ」
「わかってないから私が言ってるの。唐変木」
唐変木と言われ怒りが燃えるどころか醒めてしまい目が点になる。
「好かれてて何がいけないの?」
「だって私は」
「女装でも男はオトコ。どうせその頭にだって処女がほしいという願望あるでしょう」
いつの間にか頭を両手で力強く押さえられ真剣な眼差しが目の前にあった。
「何か言いなさい」
「風邪を引きそう」
桶を手に取られパコーンと間の抜けた音が浴室に響き痛い。
「ふざけないの。怒るわよ」
すでに怒っている彼女に逆らえない。

No.367 17/11/10 19:32
作家 

桶でまともに叩かれ普通に痛い。
裸の付き合いは人を素にさせると実感した。吐息をしながら答えた。
「だってオトコだもん」
「また叩くわよ」
「処女をもらいたいくらいの気持ちはあるわ。だけどそれをしたらさっきの痴漢と同じ。オトコの自分もだけど沙耶香もなくしたらケダモノじゃない……」
私の答えに麗奈はじっと見つめて返事した。
「ちゃんと考えてるけど不器用すぎ。あと若い子をむやみに言葉で傷つけちゃダメだから」
「不器用……」
「そう、アイちゃんはもう大人になりかけなろうとしたい年頃。否定ばかりしちゃ可哀想。好きという気持ちに嘘はないの……」
「……むずかしい」
「むずかしいことから逃げてはダメなのは誰もが同じ。私もいつか沙耶香に言われたことに答えを見つけたいから」
再びぎゅっと抱き締め冷えた身体に彼女の女体そのものの身体が触れあたたまる。
あたたかい。
「それはともかく」
「ん?」
「せっかく裸なんだからちゃんと抱いて」
何か妙なものを感じた。途端に真剣と思ったら抱いてと言う。
実は私が不在の間に彼女と遊びに来てた早紀そしてヒトミの三人はある人に出会っていたのだ。だから彼女は私を叱ったのだがこの時は知る由もない。
「よくこんなへんたいな私に抱いてと言えるのね」
「身体がおぼえたの」
「オトコだよ」
「ううん沙耶香」
濡れ湿る淫唇が肉棒に触れながら彼女は私を求めた。
裸と裸。
男と女。
中身は女性に近い女装男と女性そのままな人。
長い私の髪を彼女は抱きうなじに吐息がかかる。シャワーが流れたまま互いの身体を洗い流すかのように滴る。
「ああ……んん」
「なあに。慰めてとか怒ったりして」
「言わない」
ツンとする大人びた表情に何かあるとわずかに感じたが口に出さない。
「ン……下着ないとオトコのままだから」
露骨に彼女は勃起した男性器に触れ羞恥心が熱くおさまらない。
彼女はそのまま触れてきてシャワーを巧みに使い睾丸をお湯と手で愛撫してきた。
「出したばかりなのに。こんなに膨らむ。痴漢に興奮した?」
「し、してない。誰が」
「足を開いてえっち。お尻はほとんど使ってないから処女なのに」
誰のプレイの時でもアヌスはほぼ指や舌程度だから形はきれい。
「シャワーのお湯で鈴口が感じてクリトリスみたい」

No.368 17/11/10 20:29
作家 

気づかなかった。
彼女は私の陰毛が綺麗に形が整えられてることにようやく気づいたように白い指で触れる。
「いまさらなんだから」
「人を傷つけるから気づかないのよ。貴方のせいよ」
「んぅ。熱い」
シャワーにより愛撫をほどほどにしながらボディソープで身体の洗いっこをし熱い麗奈の女体に股間はギンギンに勃起しヘソまで届きそう。
「もう……」
「続きはそっちでね」
ふと触れた彼女の淫唇は愛液ともお湯ともつかない液体が熱く粘っていた。
浴槽に入り向かい合わせに座り麗奈は微笑んだ。
なにと聞くと彼女は素直な声で伝えた。
「普段は強気なわりによわいのよね。脆く弱くオトコのまま……、だけどそれでいいの」
「……親みたいな口はやめて」
「そんなつもりじゃ」
「わかったわ。ここでこのおま×こに挿入(い)れられたい」
浴槽の下から指で淫唇やクリトリス、陰毛を弄ると声を上げた。
「あ、ああン……。挿入(い)れて……」
「淫乱な麗奈さん」
「勃起させてる変態とおなじよ……ンン」
彼女は浴槽から立ち上がりお尻を向け濡れた陰毛や花唇を向けてきた。
「挿入(い)れて……」
「オトコの私のままなのに」
何も言わない彼女に私は身体は男性のまま抱き男根はずぶずぶにゅるにゅると女陰に挿入していき淫豆や陰毛にも触れた。
「ッ……ンン。男の沙耶香もイイ……」
「私はオトコじゃないわ。失礼ね」
「ああ……ン」
彼女は自ら腰を振るいウェーブの髪はすでに濡れ流れるように揺れる。キュッキュッとグチュグチュと締めながら淫音が肌の重なる音と重なり喘ぐ。
「ああ……っ……ン」
アクメを感じながらも吐息が風呂場に漏れる。締め付けはさらに襞が動くようだった。
「っ……すご…い」
「る、ルイさんにも…ヒトミさん……早紀にも負けないもの……」
「何よ、それ……」
「はぁ……ン。しらない……ン…だから」
私の知らないところのひとりごとのようでひっかかるが性的快感が上回る。
「イイ?中に出して……」
うん、と彼女は喘ぎ声と共に頷きうなじが魅力的に映る。お尻が牝馬のように振りながら誘う。乳房を揉んで乳首からお湯が飛沫のように飛ぶ。
「……ン……」
「ハアハア……」
「イカないの?」
「もう……さっき出したばかりなのに」
射精感をコントロールする癖があった。

No.369 17/11/11 05:51
作家 

「ああ膣内(なか)で大きい……」
「ン……ハアハア」
「遅漏……?」
さりげなく心に痛いことを麗奈は悶えながら言う。
「だ、誰が遅漏よ……」
びゅるるるっ!どぴゅ!!
「え、あ……」
「イッちゃった……?わたしまだなのに」
「変なこと言うからでしょう」
もう一度と言われるがさすがにお風呂でのプレイは少々醒めてしまい上がってからあらためてすることにした。
ふとあることに気づいた。
「誰か来た?」
「ええ早紀とヒトミが」
「ちがう。そのふたり以外でよ」
「なんで?」
「いや部屋の雰囲気が少しちがうような」
部屋の配置やレイアウトはいつもと変わりないようだけど見知らぬお客さんがいたような感覚があった。
「気のせいでしょう」
「そう?」
「それより女装レズしましょう」
「ランジェリーだけより少し燃えたいんだけど。いい?」
構わないという麗奈に私は自室からいくつかのランジェリーや衣装を選ぶなか麗奈が入ってきてクローゼットを開けた。
「撮影の衣装を大事にしてる。袋から開けてないの」
「私と美紀さんの匂いが染み付いたモノだし」
「嫉妬しちゃうな。美紀さんにも沙耶香にも」
「なんで麗奈が嫉妬するのよ」
麗奈はクローゼットを閉めて背を向けたまま。
「他の女性の色香があるのはね」
すぐさまくるっと向きを変えて笑み目線を合わした。
「……黒い下着で女王さま風でしていい?」
「あれ使わないの」
「撮影のあれは思い出用なら嫉妬も少しはましでしょう」
「嫉妬は嫉妬だけどね」
それでも麗奈は再び自分の部屋に戻り赤いランジェリーで戻り私は黒いランジェリーにした。
しかし私は少し言う。
「可愛いネコさんのバックプリントでもよかったのに」
「見ないでよ」
「見えたし可愛いじゃない」
「……んぅ。しよ」
大人ぽいのになぜ子どもぽいのか少しアルコールの匂いがあるがあくまでお風呂上がりの喉の潤いを満たす程度。あれからはちゃんとアルコールと適度に付き合ってるようだ。
「ンぅ……ビールの口づけいい?」
「麗奈だからいいの」
「出したばかりなのに……もう勃っている」
「やだ、言わないで」
すりすりしゅっしゅっとショーツの上から撫で吐息が漏れる。
「毛を剃ったから女の人みたいね」
「んぅ……」

No.370 17/11/11 08:34
作家 

さすがにランジェリープレイになってしまい私は麗奈の部屋に入り大人の玩具を手にした。
「ちょっと勝手に入って 」
「ハイハイ。どうせこんなので欲求不満してたのでしょう?」
「悪い?」
「悪くはないけど私より大きいし」
「だから何?」
明らかに巨大なバイブを手にし動くことを確認しながら下着越しの胸や淫唇を刺激していく。
「もとレズなわりにほんと男の性器が欲しいのね」
「指だけじゃ……ああ…ン」
「物足りないのよね。わからなくはないけど」
「沙耶香と一緒にしないでよ」
バイブが動きブラをはだけさせ乳房が果実のように揺れて扇情的に見え淫部にはやらしい沁みが早くもじんわり出てきた。
「ああ……」
「足をちゃんと開いて。ただし自分で触れてはだめ」
「そんな」
「我が儘はいけないひと。撮影で使った手錠なら誰の匂いがつこうが構わないわ」
クローゼットの衣装の下に放置していた手錠を出して錠がかかり麗奈は後ろ手になる。
「や…オチ×チ×に触れないじゃない」
「目隠しもされたい?洗濯機に放り込んだしのあったし」
「い〜やっ!」
彼女が甘えられるのは身近な存在と甘える声や表情からわかる。仕事で自分を律するあまりにそんな素顔を知る人は少ないのだろう。
「おクチで奉仕したら考えてあげる。遅漏とバカにした罰よ」
「だって」
「言い訳しない」
「んぐっ……こほ…んぐ…はむ…はむれろれろ…くちゅ」
イマラチオからフェラチオに変わる際にわずかに咳き込みがありながらも愛撫してゆく。
「どう?これでも遅漏」
「……わからないわよ。はむ…くちゅ、れろ…さっき出したのに……」
「ん……」
「女王さまの睾丸には……たっぷり…ある。はむ」
あ……、ショーツ越しの舌と指責めはやはり感じる。麗奈のフェラチオはうまい。女装者のぺニスを何本口にしたかは知らないが扱いはさすが。
しかしバイブを私は手に持ちショーツ越しの淫唇に触れさせながらショーツの上から容赦なく突っ込むと悶え始めた。
「んっ……や……すごっ……」
「舐めなさい」
「ああ……こんなんじゃ……」
バイブが淫唇や淫豆を弄るように不気味に動きショーツの内で暴れては腰をくねらせる。
「噛んじゃだめよ」
「ああ……んぐ…はむ」
額にはお風呂上がりとは違う汗の粒が浮かび甘え喘いでいた。

No.371 17/11/11 10:25
作家 

私は一旦フェラチオをやめさせてバイブを下から挿入しショーツの生地で淫肉との間で固定させ〈強〉にした。
「いやぁぁぁ、っ、うぉぉぉ、っ、っ、イク!?イッちゃいそう……やめて」
「凄いのね。女性の感じ方て。アルコール一口いただくわ」
飲めないビールを一口飲みベッドの上で悶える麗奈を愉しく見つめた。花見酒ならぬ女体酒。
「ああ……いやぁぁぁ、堪忍して……」
「あらあら強気な麗奈さんらしくないこと」
「バイブにイカされたり沙耶香に見られたら恥ずかしい……」
「お風呂の時はえらそうに叱ったのに」
悶える彼女の乳房や乳首を弄りショーツの上からバイブをしっかり固定しお尻を軽く叩いた。
「っ……っ!!」
「あらあら声が出せないくらいにオモチャのオチ×コに感じてる。アクメどころかオルガスムスに達してる?」
「っ……イッ……イク……イクっ〜……!!あ…はあっ!…ハァハァ…」
「あらほんとにイッちゃった」
「堪忍して……」
瞳には力なくイッた快感と安堵が交ざりながらもバイブが凶暴にうごめくなか下半身は身悶えしていた。バイブを取ると淫肉から愛液とバイブ自体が抜け空気に触れた間抜けな音が聞こえた。
「ぐっしょり」
「はあはあ…ハァハァ……」
「ほら見て、麗奈さんのやらしい分泌物な液体……」
「い……や」
バイブの先端から根元にほど近いプラスチックはてかてかと光沢しおしっことは違う輝きや匂いを放っていた。
「ほどいて」
「い〜や」
「んんん」
「早漏や遅漏がオトコがどれだけ気にしてるか。職業柄わかってるはずですよね」
額を指でツンツンとしながら視線を交わす。
「だって……」
「まだ言います?このぶっといバイブをお尻に挿入(い)れたら」
「こ、こわれちゃうから!?お尻。いたいし」
「なら一言」
「……めん」
聞こえな〜いと言うと彼女は表情をおとなしくして謝った。
「ごめんなさい」
「ほどいてもいいけど勝手やおイタをしたらベランダに出すわよ」
「風邪引くわ」
冗談と言っても疑いの瞳を向けていた。あらためてプレイを再開する。
「……沙耶香って強引。こわいくらい。くちゅ」
「お漏らししたみたいになってる。女の人はすごい……」
「言わないで」
69の形になりながらフェラチオとクンニの応酬。麗奈は肉棒に舌をつけている。

No.372 17/11/11 12:32
作家 

「私を叱るのはいいわ。だけどオトコを馬鹿にしてはいけないわ」
自分でも意外な言葉なことに内心驚いた。男の意識が言わせたのか自らの経験からかわからないが女言葉なのに最低限の男性としての何か、意識やプライドみたいなものが麗奈の女陰を見つめ舌を這わしながら言っていた。
「んんん、プレイの愉しみ……っ!いや…ン」
容赦なく赤いショーツの内から菊の穴を指で犯していく。痛みが快感に変わる腰の動きがあった。
「あッ……ああ」
「それでもダメ」
「きびしい……だけど快感……ぞくり……と身体が……してる」
背中や肩、身体全体に熱く痙攣のような心地よい緊張感や快感に彼女は身体を震わせていた。
マゾなのだろうと伝わる。それも肉体的な快感よりは精神的に虐められた快感が身体全体に伝わり刺激が見えない胸や乳首、そして女陰を湿らせ伝わっている。愛液が自然と私の顔にぽたりぽたり……洞窟内の水滴のように落ちてくる。
凄い、私は目を見張る。
「どうかした?ん」
「い、いや。なんでもない……」
麗奈の胸や乳首が男性器に触れ亀頭や幹に触れ肉体のあたたかい感じが伝わる。
「びくんびくんしてる。これがついてても女のひとよ……」
え、と息をのむ。
はじめは乳首で肉棒を刺激し鈴口に当ててきた。乳首の先端と鈴口の先があたり互いがちいさく脈打つ……。
麗奈は頬を赤くする。
「乳首でも感じてる……わあ」
「あ……凄い」
「そうね。全然ちがう身体のところでも感じることはできる」
めずらしく彼女には母性あるような表現だった。こんな表現は幾度も身体を交わっているのにほぼはじめてに等しい。次に彼女がしたのは肉棒を胸の谷間に挟んできた。
しゅっしゅっぐちゅもみもみ……。
「あ……」
「パイズリに感じてる」
「……凄い、女性の身体……」
慣れないパイズリにも関わらず胸の谷間に挟み上下に触れさせながら体温を男性器に感じた。
異性の、女性の身体の素晴らしさに胸の奥から感じた。
同時にアイみたいな少女に邪険にしないようにいずれは彼女もこうなるかもしれないと言葉ではない形で伝えるようだった。
まだ私は女性を理解してないと思い知らされた。悔しさよりは感激や感動が上回る……。
「沙耶香」
「ん……ああ」
てっきり責めてないことと思ったら違った。
「好き……」

No.373 17/11/11 14:08
作家 

好き。
彼女の言葉がベッドルームに伝わる。
「え……あ、その……」
「気にしないで。ひとりごとみたいなもの……」
プレイの最中に告白されて私の内にある意識は戸惑いがあった。
ひとりごとみたいなもの。ただそれだけだろうか……。
「……ンちゅ」
「ひゃっ……ああ」
「なに?おま×こを責めただけでしょう。ほんと変な声だして」
ほんの軽く指で触れ花唇にキスをしたのに感度がよくなった?ルイならわかるが。
「ああ……ンン」
「おかしな麗奈さん……」
「そうね」
呟きにふと考えた。ローターやバイブで虐めることはできるがそれでは物足りない。どこまで性的快感を高められるかわからないが頭にピンとくる何かはあった。
「もういいわ」
「挿入(い)れるの……?」
「チ×コビンタさせてくれないかな」
やだ、と顔を見せた彼女は本気で真っ赤にさせた。しかも私はさらに要求した。カーテンを開けてと。
「見られるわよ。た、ただでさえ沙耶香はこの街の……人たちに……」
「知られてる。そして夜の街、望遠鏡や双眼鏡で天体観測の時期」
季節はすでに秋、秋の天体観測の時期は星が好きな人たちは夏に続いて天を見上げている。山側や住宅地に住む人たちは望遠鏡などから見つめている。
「ああ……」
「ダメ?」
「変態すぎる……」
「そのわりにはここは淫汁がたくさんよ」
ベッドの上で向かいあい下着に触れて絡みつく愛液を見せる。わかったわと覚悟を決める彼女。夏の一件から彼女もまた変態な自らを受け入れたよう……。
カーテンの左右を開けるとそこには“EYE”が小高い丘の住宅地の一角に見えまわりにはちいさな市営住宅や家々がならぶ。日曜の平穏を取り戻した夜……。
「きれいな街……」
「そうだけど」
「見られちゃうかもね」
「ううン……」
この時彼女は知らない。チ×コビンタはこれからおこなうプレイの序曲なことを……。
ショーツから姿を見せた肉棒が彼女の頬を打つ。性器と頬の皮膚や肉が触れて奇妙な音を立てる。
「ああ……!」
「気持ちいいわ……」
「きれいにしたオチ×チ×……なのに」
「アイちゃんの方がきれいにしてくれたわ」
「やだ……」
女装者の男性器に辱しめられる彼女に惹かれているのだろうか。
先ほどの「好き」という言葉……。
ここまで変態になった私なのに。

No.374 17/11/12 05:12
作家 

慣れ親しんだ夜の一室に男性器と女性の頬がちいさく人間の異なる皮膚同士のあたり弾ける音がしていた。
肉棒は空を裂くものの触れるのは異性の頬、ペチペチ……まるで幼子の頬が撫でる感じに似る。
しかしその光景は女装者のぺニスが目の前で座り足を開いたり閉じたりする女性の顔にあたっては振り奇妙なもの。
「ああ……ンン。はあ…ン」
「こうやってると変だけどぺニスを晒してるに素な自分でいられる感じがする……」
「そうなの……?私はくわえられないし舐められないのに」
「弄ってるでしょう」
問うと麗奈は足を閉じては開きながら指でショーツの内を弄っていた。くちゅくちゅとさせながらも頬にあたるぺニスを受け止め瞳はぼんやりし恍惚としている。
「んぅ……見られてるかも……」
「私はこんなに大きくしてるのに」
「見られたいの?」
さあ、と嘯きながらもさすがにチ×コビンタは以前も言ったが意外なほどに体力を消耗する。吐息がけっこう肩までくる。
「挿入(い)れましょうか?」
「うん……お願い。濡れっぱなし……」
ところがである私は麗奈をベランダの窓に押しやり彼女の胸が窓に潰されそうなくらいに歪む。
「や……!み、見られちゃう!」
「私も見られるんだから同じ」
「ああ……ン!?そんな」
「あまりがたがた言うとベランダに放り出すわよ」
「んぅ……や……あっ」
赤いショーツの脇から淫肉をたしかめチ×コビンタをした男性器をゆっくりゆっくり挿入し奥まで刺していく。
「っ……あああン」
彼女の悲痛な叫びが窓に薄く映り悶え身体をくねらす。
「いくら濡れても締め付けるわ……。淫らな麗奈さん……」
「っ……う…ううん」
きゅっと襞が締め付け性的快感が脳内に伝わりさらに肉棒の堅さや太さが増した気がした。
「み、見られちゃう……いや……」
「赤い下着だから目立つわね。えっちなサンタさん」
「や……ン」
膣内やお尻の穴が収縮し呼吸しブラからはだけた胸が揺れていき窓ガラスに触れる。
「あ……ああン」
「いつもならもう少し声を出すのに」
「出せない……ん……」
躊躇いなく私は腰を振るい喘ぎ声が高まる。
「あああ……ンンン」
「出してるじゃない」
女性のわからないところだ。恥ずかしいのに声が出せないと言いながら喘ぎ声を出していく。

No.375 17/11/12 07:32
作家 

ああ〜ン!見られてる見られちゃう!!
彼女はいつになく乱れて喘ぎ悲鳴のような声をあげる。
ふと思うが隣に住んでいた若い男性は私たちのこんな非日常の声に聞き耳を立てていたかもしれない。今後は考えないといけないことかもしれない。
「クリトリスがショーツの上からでも剥れてるみたい……」
「や、や……お漏らししちゃう……」
指でくすぐるだけで感度が上がったのか腰を振るのではなくちいさく震えるような感じにアクメに達しているらしい。
「ああ……やらしい」
「自覚あるんだ」
「あ、あなたのせいよ……沙耶香」
そうかもと囁きうなじや耳元を弄りながらこの世界に誘ったのは彼女自身なのに。
お尻は上下や左右あるいは弧を描くようにしながら悶え逃げるようでありながら花唇は男性器を離せない。熱く柔らかく襞が包みながら締めたり収縮していく。ましてや赤いショーツが扇情的な色気を醸し出しているから一足早いサンタガールの靴下のように思わせる。
「ああ……イカせて」
先ほど遅漏と言った時とちがい快感に達しているようだ。しかし肉棒は膨れあがりはするがまた射精をコントロールする理性が働く。
イクと理性が促しても性的本能が阻む。
なんでよ。
まだ彼女は満足してない。
セックスに慣れた本能が答えたように聞こえた。
「ああ……ンン。ハアハア……ンンンン」
「っ……!」
理性と本能が別な形でせめぎあう。セックスに慣れたがために自分と他人の快感どちらを優先するかで迷ってるようだ。
「ああ……イキたい」
「え……?ンンンン」
イキなさい。イクの!
瞬間膣内に精液が亀頭を爆発させんばかりに噴出しあやうく酸欠になりそうなほどに胸やお腹から呼吸が出た。吐き出すように。
「っ……か、はあはあ」
「っ……凄い……お腹にいっぱい……」
「ああ……」
「んん……」
時計を見るとすでに深夜一時を過ぎたくらいに見えた。熱い身体も自然と冷えていき身体を離しカーテンをそっと閉めるだけで身体がベッドに倒れ少し彼女の身体に触れ寝顔らしい表情を確かめた途端に深い眠りに落ちていった……。
この様子を見てたのはルイとヒトミだった。
「よく痴漢に遭った夜にセックスできるわね」
「私は傍観者じゃないの。ひどい……」
ふたつの淫部はレオタードで湿っていた……。

No.376 17/11/12 10:17
作家 

翌朝目覚めると麗奈の姿は消えていた。
代わりに食卓にはお茶碗や箸がありご飯の用意はされているかなと思ったら書き置きがあった。
『もう昨夜激しくして!恥ずかしいんだから。ご飯は炊飯器のなかにありますし炊いて。味噌汁は味噌だけ入れたらできるようにしてます。おかずも少し作りました。食べてください。P.S 恥ずかしいセックスはしばらくなし。わかった?』
この前のセックスが中途半端だったからサービスしたのに。女性はわからない……。
月曜の朝はいくぶん耳に伝わり賑やか。社会に組み込まれてない女装者の気持ちはわからないんだなと思いながら熱い紅茶を淹れしばしぼんやりした。
そして遅い昼食にしながらヒトミからメールが入ってくるが『今日はひとりでいます』と返信した。
少し考えてることがあり昨夜口に出したかったが心配させたり叱られたり激しくセックスしたりとなんだかんだとある。
中途半端な朝ご飯なので昼食はスーパーのベーカリーからチョイス。文房具コーナーで原稿用紙を数組を購入、鉛筆かシャーペンか迷うが私は鉛筆派と古風。夕飯はカボチャの煮たもの。あとは野菜を少々。
ふたり暮らしなのに意外と残り物が出てしまいまたこの前はウインナーやソーセージを無駄にしたバカをした。
昼過ぎに部屋に帰り再び考えながらテレビを見つめ鉛筆や原稿用紙を置きながら麗奈や早紀たちが取材した雑誌を読んだ。
体験談は失礼だけど誇張しすぎ、官能作家さんの取材記事や物語は現実感ある。
このギャップはなんだろう?
自分が女装者なのに読むたびにギャップを感じながら違和感がある。
ふと気づくとうたた寝をしており今日は洗濯してないことに気づいた。やらしい匂いが脱衣籠にあった。
明日でいいよね。
麗奈が帰るまで少々退屈をおぼえる日々が過ぎる。自分の部屋に入りクローゼットに旅行の際の衣装……。
そういえば……。
私は財布のなかを探る。……あった。
麻由からのメモ。記してあるのはSMクラブの連絡先と所在先の地図。
「忘れてた……」
麻由がこれをどんなつもりで渡したか思い出す。挑発的な態度が印象な女性なのは忘れない。
ただ撮影から帰り二、三ヶ月あまりいろいろなことがありすぎた。
夕飯のカボチャを煮よう、ご飯を炊こうと動かしメモを大切にしまう。
麗奈が早くに帰ってきた。

No.377 17/11/12 16:07
作家 

カボチャの煮付けは味がばらばらなのに麗奈は適度に文句をつけながらも食べていく。
文句を言うのは彼女なりの信頼の証だろう。女装の主婦(?)にも向き不向きはあるのかもしれない。
昨夜言いそびれたことを私はお茶を淹れ飲みながら思い切って口に出してみることにした。
「あの麗奈……さん」
「さんて他人行儀ね。別に昨日のことは怒ってないわ」
「ちがうの」
なに、と彼女は私が口を開くのを待ちけっして急かそうとしないまま口を開くのを待っており躊躇いながら言った。
「あの……私を麗奈さんの会社で雑用でもなんでもいいので雇ってくれないかな」
「……沙耶香が雑誌のお仕事したいの?」
「そういうわけでは。だけど何かしてないと悪いし」
「またその話。気分を悪くしないでくれる?雑誌の仕事は沙耶香に向いてないと思うの。ある程度は定時に帰れもするけどモデルとの打ち合わせ、作家さんの締め切り、撮影場所のレイアウトやロケなどあんがい大変。私を見てたらわかるでしょう?たしかに女装者が誰かいたらいいなとは誰もが思うかもだけど……悪いけど編集には必要ないと思うの。ごめんね」
最後の謝罪には個人的なニュアンスもありそれとなくわかるが気分は少し沈むが少し吐息した。
「ん、ありがとう。そう言ってくれて」
「沙耶香にはあなたの……できることがあるんじゃない?」
麗奈は考える。
あの神無月社長が彼の、いや彼女を認めたと夏の出来事があった。それを信じたい気持ちはあった。
それからほどないことだった。麗奈が早くに仕事に終わったある秋の深まる日、彼女は部屋の雰囲気がちがうことに気づく。
「ゴミ?なにかしら。それにイカくさい?」
手にはなにやら黒い糸状のゴミにオナニーをした後みたいな臭い。オナニーくらいは珍しいわけではないけど。そこへ沙耶香が帰ってきた。
「れ、麗奈!?早かったのね」
「めずらしい、夕方にお出かけ?なに本でも買ってきたの」
慌て四角い紙袋を隠す沙耶香に気づき麗奈は目を点にした。
「えっちな本でも気にしないわよ」
「な、なんでもないから。すぐご飯にするから」
「うん……」
この時彼女なりに女の勘が働いていたのだが形の見えない不安も密かに胸にあった。
沙耶香の姿が消えては現れることに慌て方があった……。
それはいつか知れるのだった。

No.378 17/11/12 19:06
作家 

双星出版のオフィスで麗奈は物思いに僅かに浸る。
手伝いか……。
沙耶香に言われたことが“なんのためにお仕事してるのか考えなさい”と言われて以来時々だが胸に残るよう。もちろん悪気もおふざけでもない。
「麗奈さんこの写真使えますか?見てください」
「あ、ああ……」
「また考え事ですか」
「私のことよりあなたはもう少し文章力を磨きなさい」
わかってますよと唇を尖らす早紀はついこの前の日曜のことを口に出す。沙耶香がアイとデートした日のことを。
「そういえば沙耶香さんのお母さんが訪ねてきたことを伝えました?」
「!?い、言ってないわよ」
「なんで言わないんですか」
「言えるわけないでしょう。少しは大人の事情くらい理解なさいよ」
思わず顔を真っ赤にしながら叱りつける。その声はオフィス内に伝わり少々目立つ。
「沙耶香に言ってないわよね」
「そこまでクチは軽くありません」
安堵しないでもない。
彼女は沙耶香がアイと出かけた日のことを振り返る。その日は早紀やヒトミと共に教室に通い昼過ぎに帰ってきた頃にマンションの玄関に見慣れない年配の女性がいた。
「あのどうしました」
「こんにちは。え……とこちらに矢口麗奈さんという方の部屋を探してるんだけど」
今時のマンションのあたり前で不審者の侵入を防ぐために直接は上がれないシステムになっている。訝しげながらも名乗った。
「私が矢口麗奈ですが。どちらさまでしょうか」
返ってきた返事に彼女たちは驚いた。
「私は○○の母でございます。息子が警察のお世話になり連絡先をいただいたものですから」
「え、沙耶香さんの」
「お母さん!?」
早紀とヒトミは顔を合わし麗奈も驚きながらも大人の対応として部屋に招きお茶を淹れた。
似ている……。表情や目元など。沙耶香のままではないがより大人にしたよう……。
彼女は詰まらないものですが土産をいままでの礼として渡した。
「息子がいつもお世話になっております」
「いえ私もこちらの早紀、ヒトミも友だちとして沙耶香……いえ息子さんにはお世話になっております」
しばし互いにどんな会話をしていいか迷う。麗奈たちも母も。
しかしこういう場に早紀は思いついたように席を外し麗奈の部屋から沙耶香が載った雑誌を見せた。
こういう場合思い切った行動をする人は状況を変えていく。

No.379 17/11/12 19:36
作家 

まったくこの子は……。
早紀は着眼点や取材そのものの場は広いが文章や表現力にいささか魅力に欠けてる。
そう思いながらも麗奈の気持ちは振り返る。
早紀に『クロスドレッシング』を見せられた沙耶香の母は意外なことを言った。
「知ってます。息子が掲載された雑誌ですから。あの子が女装してたのも」
「あ、あの誤解なきよう言っておきますが沙耶香……いえ息子さんは同性愛者やLGBTなどではありません。たまたま私共の伝える雑誌を誤解した性犯罪者に巻き込まれただけなのです。私共の情報の伝え方に誤解があって……申し訳ありません」
麗奈が頭を下げると共に二人も頭を下げた。この時に沙耶香の母がどんな表情だったかはわからないが現実を受け止めるだけの考えや気持ちはあったようだった。
しばらくし口を開いた。
「……矢口さんとは同居を」
話題を変える配慮とわかり麗奈は曖昧に頷いた。
「え、ええ。息子さんをスカウトした際に……なりゆきから同居をお願いしました」
母が雑誌をめくるなか聞いた。
「大変ではありません?オカマ……いえ女装の…オトコといて」
「ええ、大変ですけど。息子さんは私が忙しさにかまけ家事ができない時や仕事の愚痴を聞いたりアドバイスをいただいております」
「そうですか……」
複雑な表情に三人は戸惑う。麗奈は思う。
こんな時にアイちゃんとデートして出かけさせるんじゃなかったと思った。連絡は取ることは可能とひらめくがいましていいのかと迷いもあった。
「え……と。矢口麗奈さんはわかりましたがそちらのふたりは」
「あ……名乗り遅れました。二ノ宮早紀ですお母さま」
「お母さま?」
「いえ気になさらず」
「……蘭樹里ヒトミです。息子さんの友だちです」
まあと母は驚いたようだが麗奈は早紀を少し睨む。
抜け駆けはこの子の専売特許だから。それを見透かしたように母は聞いた。
「え……と。息子がお付き合いしてるのは矢口さん?二ノ宮さん?」
「はい!」
「早紀」
「早紀さん!」
さすがに挙手した早紀を咎める麗奈たちだった。
この後母は「また来ます」とだけ言葉を残し「息子をお願いします」と去っていくのを見送った。駅やバス停まで見送るのを断る律儀さだった。
よくも悪くも沙耶香に似てる、母子と実感していた……。
慣れない対応をしたものと現実に戻った。

No.380 17/11/13 04:47
作家 

「ウェディングドレスかな文金高島田かな」
「なんのこと」
「将来沙耶香さんと一緒になった時ですよ?ふたりで花嫁もいいかなて」
「お母さまは挨拶に来ただけ……よ」
もう夢がないなと早紀は明るく言う。手にした写真の女装者もまた花嫁ぽい白いドレスであり吐息が麗奈にこぼれた。
ここのところ沙耶香の様子がおかしいと思う。沙耶香の部屋だけでなくリビングにも消しゴムで取ったような糸状みたいなゴミが落ちている。
麗奈はメモしたそばにあるシャーペンの消しゴムカスを取り言う。
「沙耶香の様子がおかしいんだけど」
「またですか?気のせいですよ」
そこへ早紀のスマホが鳴り彼女は答えるのだが。
「メール。あ……さ!?さっきの方のメールですね。ちょっと失礼します」
「メールならここで見れば……」
「いろいろあるんですよ」
そそくさと彼女は廊下に向け去っていった。いろいろあるて取材かプライベートなことだろうか。
週末金曜日に飲みにいきたいがあまり飲むと沙耶香は容赦なく責める。叱りもあればセックスでも責める。飴と鞭を生活に影響ない程度に巧みに責めるから中途半端だと心や身体がふと疼く。
下半身の下着を淫肉がきゅっと締めるような感じが染み付いたよう。そこへ早紀が戻ってきた。
「ねえ今夜に少しでも飲みにいかない」
「ごめんなさい。急な取材が入りました。デートではないですか」
「デートて。聞いてないし」
あ、と口を滑らした表情だがすぐさま笑ってごまかしたよう。
「あはは、そうですね。と、とにかく今夜はムリです」
そうと麗奈は了解した。そして適当に週末に必要な食材や買い物を済ましマンションに帰ったのだが気配もなく明るくもないのはめずらしい。
「ただいま。帰ったわよ。風邪?」
明かりを点け部屋のなかを見るが沙耶香がいない。すでに陽は落ちているのに。
夜遊びだろうか。しかし沙耶香は同性愛者でもないし男に抱かれる性癖の持ち主ではなく発展場にいくことはないはず。
書き置きがあった。メールで知らせればいいのにと思うが手にした。
『今夜は用事がありお出かけします。夜遅くなると思いますので起きてなくても構いません。深夜か朝には戻りますから。沙耶香 P.S.あたたかいものを冷蔵庫やキッチンに用意しました』
キッチンには目につく鍋、冷蔵庫には鍋の食材があった。

No.381 17/11/13 06:13
作家 

もう私ひとりに鍋させて。
ひとり鍋を突っつく麗奈はおもしろくない表情のままあったまる。
その頃私は駅前にいた。早紀に会うためだ。
「沙耶香さ〜ん!」
「ごめん呼び出して。麗奈に気づかれなかった?」
「気づくわけないですよ。ふて腐れてただけです」
それはそれでこわいんだけどとちょっと思う。ひとつのふて腐れてがひとつで終われば構わないけど積もり積もらせたら普通にこわい。気持ちを切り替え私は彼女に聞いた。
「頼んでたことを調べてくれた?」
「ええ。少しばかり所在がわかりにくかったですが」
詳しく場所を聞くとこの街の郊外で早紀の住む隣町とは反対側にそれはあるらしい。
「ちょっと遠いね」
「ですが沙耶香さんの知りたいところはそこなのでしょう?お供します」
「え、危ないかもしれないのに」
守ってくださいと腕に抱きつかれたままタクシーに運よく乗れた。タクシーは街から人が少ない郊外に向かう。ドライバーはこちらをバックミラー越しに見ている。
「あの早紀さん。この格好じゃないといけない」
「クラブなら少しでもハデめでないと」
彼女は私のコートの内にあるボディコンドレスを見て頷く。ちなみにこれはヒトミにそれとなく事情をごまかし購入した。以前の撮影時とは違うモノ。
「こちらの方みたいですね」
「家?豪邸?」
「とにかく下りましょう。ありがとうございました」
料金を支払い白亜の宮殿みたいな家の門扉の前に立つ。周囲には家々や田んぼさえ少ない。
「ここ?」
「たぶん。ですが社長の家でしょうか」
う〜んと唸っていると門扉にあるインターホンを遠慮なく早紀は押した。
「間違えたらその時は頭を下げるだけです」
「もう」
などと言ってると門扉の向こうから見知ったメイドが現れた理沙に奈々であった。
「お久しぶりでございます。沙耶香さまに二ノ宮さま」
「え……」
「麻由さんがお待ちです」
まるでいつか訪れることを知ってかのような口調のまま進み邸内に招かれた。早紀の視線は取材してる時の仕事モードに近い表情だった。
「社長の家?」
「クラブには見えないけど……」
ただこういう場合見た目にごまかされてはいけないと感じた。どこに何が潜んでるかわからないままとりあえずお茶に招かれた。
「いいお茶」
待つように言われたまま時間が過ぎる。

No.382 17/11/13 08:18
作家 

綺麗ですね。
お茶する早紀は私を褒め笑みする。耳にはイヤリングがあるが少々わずらわしくもある。
「早紀さんやヒトミさんにアドバイス受けてこれなのに」
「たまにはハデめもいいです。気分転換に」
失礼、と顔を間近にさせられメイクの手直しをさせられ目元がぱっちりするようになった。
「ちょっとこれ」
「おとなしいメイクだとまわりから浮くかもしれません」
パーティー用メイクと察していると理沙と奈々が迎えにきて豪奢な扉が開かれそこには多くの着飾った女性がいた。女性だけと思ったが何かに気づいた早紀は囁く。
「女性だけではないです。女装の人たちもいます」
「男は少ないみたい」
ホールの中央にはスポットライトに照らされたステージがありひとつのテーブルに私たちは招かれた。ワインや飲料水、豪華料理が置いてあるが量は少な目。
「思ったクラブとは違います。私がよく行く女装クラブや女装レズバーは庶民的なのに」
シッと指で注意した。
なにここ?SMクラブではあるらしいけど。
時間が来たのかステージには麻由と綾香が立ちスポットライトが照らされた。
麻由は私が撮影で着けてたようなボンデージスタイル、綾香は美しいランジェリースタイル。ショーが始まる。
「オナニーをしなさい」
「ああ……わかりました」
「ああ?ああはいらないでしょう」
ハイ、と綾香は強気な面立ちなわりに従順さを演じ……いや従順になっていた。ショーツの淫部を指で弄りながら私たちやまわりにいる者たちに恥ずかしい自慰を披露していく。
スゴいと呟く早紀の頬は薄く赤く興奮が伝わる。同時に私もボディコンドレスの内からショーツにテントを張る勃起があった。
なに何なの?
媚薬を仕込まれてないか確かめるがわかるわけもない。
「んぅ……」
「なにをしてるの。イキたいならイキなさい」
スポットライトに照らされたショーはクライマックスを迎える。ふと私は責める麻由責められる綾香どちらにも引き込まれどちらの気持ちも重なる。
映画を見てるような興奮に近く身体が熱い。
なぜここに麻由は招いたのか。
「んぅ……」
スーツ姿の早紀からも小さな喘ぎ声が聞こえた。興奮し瞳は潤んでいる。
「……ああ」
「早紀さん?」
「ちょっと興奮したかも……」
足元をもじもじさせながらも人前だから耐えている。刺激があるのだ。

No.383 17/11/13 08:45
作家 

綾香の淫肉に食い込むショーツが見え思わず視線がいく。
「んぅ……どうぞ。わたしがはしたなくイク姿を……」
「ちゃんと最後まで言う」
「ああ……ン。はい……」
「はしたないわたしのオナニーを……ごらんください……」
スポットライトの照明だけでなく強気な綾香の表情からは牝の雰囲気を醸し出し誰もが興奮していた。ふと私は麻由が見てるようで気づいた。
気のせい……?
瞬間綾香はオナニーで果てたようでステージの上で淫靡なランジェリーのまま吐息を荒くし仰向けに倒れた。
「っ……ハア」
「何か口にしないと」
「ああ、ハイ」
早紀も興奮していたのか頬を紅潮し引き込まれていたのがわかる。SMショーではあるが強制オナニーをさせることによる精神的な責め。
私も麗奈や早紀さんにそれを求めることはあり共通はしていた。そこへ奈々が声を私にかけ別室に通し麻由がそこにいた。
「お待ちしてました」
「待ってた?」
「ええ、この二、三ヶ月待ってましたが諸事情で来れなかったのは社長から聞いてます」
「何をするつもり」
鋭く目を向ける私に麻由はステージに出るように伝えた。衣装や道具はすでに揃えてあった。
「沙耶香さん、あれ?トイレ……」
早紀は私が姿を消したことにようやく気づいた時には入れ違いに暗くなったステージにスポットライトが再び照らされ彼女は驚いた。
「……!?沙耶香さん……」
彼女やステージを見ている客人の前に立っていたのは黒いボンデージ衣装の私がいた。側にいた麻由が言う。
「ご存じの方々もいらっしゃると思いますが本日のイベント『クロスドレッシング ボーイ→ガール』で三号続け掲載された水越沙耶香さまです」
早紀やまわりの客人たちの目が驚きやどよめきに包まれるなか表現できない上がりや緊張が駆け巡った。
何をさせるつもり!?
しかし何となく予想していたかもしれない先ほど綾香がしたことをさせられると……。
予感は当たる……。
「今宵は水越沙耶香さまのオナニーショーを愉しんでください」
「あなた……」
「逃げても構いませんが二度と雑誌に載ることはできないかもしれません……」
囁く麻由の挑発的な声にぐっと堪えた。
何のために人前、しかもショーと称される場でオナニーをさせられるのか思った。マゾではないのに。
深呼吸を繰り返し身体を動かした……。

No.384 17/11/13 14:27
作家 

なんで沙耶香さんが!?
早紀の驚く声についムッとしてしまう。
気づかなかったでしょう?のこのこついていく私も悪いけど。
そう言いたいが言うよりもスポットライトの照明、早紀たち観客の視線を一手に引き受けてるなら逃げることは許されないと感じ自らボンデージ衣装の黒のスリーインワンのショーツから男性器を出してゆっくり勃起させた……。
早漏や遅漏と麗奈に言われた言葉が脳裏によみがえりながらも呼吸しまずは手で勃起させた。
「ハアハア……ンンン」
これが同性愛な女装者ならアナニーをするところだけど私はアヌスは性感帯にほとんどならない。
「ンンン……」
ステージに用意されたオナニー道具を確認した。穿き古されたショーツにブラのランジェリー、誰のか知らないけど。ローターにバイブ、……オナホ?手動や電動などいくつか見えた……。
とりあえず手淫で勃起させられるところまで勃起させていく……。
「ああ……ンン……」
私は自らの“手”ではイケない。そんな意味では欠陥な不完全であった。自らの“手”に“男”を感じる、そんな意味では潔癖だった。それでも手を麗奈や早紀と思う。
ふとあることに気づく。
ステージにはオナニーになる被写体となるモノがまったくない。雑誌やアダルトDVDなど……。
思わず奥歯を噛む。
「く……」
女性のオナニーは主に自らの想像や妄想で相手をイメージしそれが理想のイケメンやハンサム、理想とする相手でするという。対して男性は視覚から得る情報、主に雑誌やアダルトDVDなどの被写体あってのオナニー。
どうすれば……。このままで射精できないままステージから下りることになる。
「っ……」
誰のか知らないけど目にしたショーツやランジェリーを手にし鼻腔にすぅっと吸い込んでみた。安心した。女性の匂い。
柔らかいランジェリー特有の感触、適度に伸びたゴムの柔らかさや生活感、クロッチに沁みたと思われる愛液やオシッコの匂い……。
「ハアハア…ハアハア……」
ボンデージ衣装に隠された睾丸に性的興奮が脳内を通して伝わり射精に近づく。とはいえこれでイケるか……。
ローターやバイブの震動はどうか。アナルではなく男性器自身に……。
だけどこれはショーの一環。玩具は不可抗力で射精する。
ショーや演出として射精をしないと……。
麻由さんというひとは憎々しい……。

No.385 17/11/13 14:51
作家 

その様子を先ほどショーをした麻由と綾香が左右から見つめステージの下からメイドをつとめる奈々や里沙が見つめて奈々は羞恥に顔が赤い。
私の下着でオナニー……。
羞恥心と期待と不安、自分の使用した下着でオナニーをしている女装男性にふしぎな性的快感が彼女にあったことを私は知らない。
麻由は見つめ思う。
数分もステージに立ってないのに自らの性癖に弱点そしてステージにあるモノを理解してる……。
「っ……ハアハア……」
ショーツやブラの匂いに母性を感じ思いながらもオナニーをしてる私はブラを肉棒に巻きつけて扱く。
「っ……んぅ……」
「沙耶香さん……」
不安げな早紀の呟きは耳に入らないが顔は見えた。悪いけど被写体にさせて……。
わずかに目を瞑り瞑想し開き早紀のスーツの下にある身体をイメージさせた。直接は見えないけど下にある下着や異性や身体……。
「っ……」
ダメ、半年以上も身体はセックスに慣れたために身体が精神的性欲より肉体的性欲に揺れ動き彼女や下に見える女装や女性たちにむやみに興味がよけいに働く。貪欲なった醜さが重いプレッシャーになった。
「っ……」
どくん!と緊張感や上がりに支配されてゆく弱さが自分に見えた。醒めれば萎えてしまう。
「もう……」
ローションを手にしぬるぬるした独特な感触や冷たさがありひやりとしながらもブラを肉棒から離しローションで扱いた。
ぐちゅぐちゅぬるぬるな感触で持ち直し皮肉にも自らの手が熱い憤りを吹き返した。
「ああ……ンン」
はあと安堵な吐息が混ざるが時間が過ぎてもまだイケない。
「まだなの」
「っ……」
「まだ」
「まだよ」
麻由の挑発する声が右からしながら答えた。挑発に答えるよりイカないとならないらしい。
恥ずかしいう○こ座りななか性器を早紀はともかく見知らぬ女装者や女性に晒しているのだ。
オナホを手にしてみた。電動は……相性の良し悪しがあるともいつか聞いた。手動……。
肉棒に挿入する前にローションをオナホの中に入れてゆっくり肉棒に挿入した。
やっぱり。
「っ……」
本物の女性器とは違う。擬似な性器と肉棒の皮膚感覚が脳内より先に理解してしまう。イケない。
いや感覚を上手に使えば……。
なんのためにこんな卑猥で変態な姿を晒しているのか。
頭が真っ白になり自我が崩壊しかけるカウントダウン。

No.386 17/11/13 15:21
作家 

人肌や膣内の独特な女性器の感覚はオナホでもむずかしいらしい。
「んんん……ああ」
睾丸に射精感が来ない。いや感覚としてきゅっと睾丸が妙に締まる感覚はあるが脳内に伝わらないようだ……。
「んっ……ハアハア」
はあと吐息を繰り返しぐちゅぐちゅした肉棒が熱い。だけど物足りなさがある。
麗奈さん早紀さんルイさんヒトミさんアイちゃん……。
真っ白になる頭の中で彼女たちの名前を呼ぶが射精ができないまま緊張に支配され意識を失うかもしれない。
皮肉にもあの媚薬が欲しいと思うが媚薬に頼り媚薬は射精するのではなく射精させられるモノとあらためて自分を失う感覚を思い出し目に見えた早紀をオナペットにした。
考えて考えて……。
今日の下着の色や柄は……私とセックスしたいなどなど都合のよい妄想をする……。しかしやはり妄想……。
万事休す……。もうやだ……。
そう思った時だった。
桶が目に入りふと扱く手やオナホとは別に触れてみた。
お湯……?あたたかい。人肌に近い感じ。
「……っ!」
未使用の手動オナホを手にし桶の湯に入れると柔らかくなった。あまりつけるとフニャフニャになる。少しでいい。中にお湯の感覚が……。
「っ……」
ローションを中に入れすぽっと使用していたオナホが抜いた時だった。
「……あっ」
少しだが女陰の内にある感覚が下半身に宿った感じがする。オナホを肉棒に深く挿入しながら扱き始め興奮が高まった。イケるかも……。
再び目を瞑り周囲の視線を肌に感じた。
恥ずかしい恥ずかしい……もう。
麗奈さん早紀さん……。
ふたりの肢体を思い浮かべいままでしたプレイを頭に次々と浮かべた。下半身が熱い……。
ぐちゅぐちゅと人肌のようなオナホが肉棒にイボイボした快感と痛みが走る……。
瞬間だった。
「っ……あ!イクっ……」
わずかに自分の声が感じた時には頭が真っ白になりかけだった。
瞬間精液は弧を宙に描き飛び散っていく。どの程度飛んだかは見えないが痛み以外の多くの性的快感に包まれていた。
私の意識は下半身を震わせながら仰向けに身体は倒れていった……。
沙耶香さん……!
早紀のその声は届いていないまま女装のまま意識が消えていった。
性的快感や羞恥心、射精できた快感などあたたかい性的なものに包まれ桃色があったように思う。
ステージは終わりを告げた。

No.387 17/11/13 18:33
作家 

豪奢な柔らかく温もりあるベッドで私は目が覚めた。
夢?いや現実……。
沙耶香さん!と早紀の声に側に彼女がいることに気づいた。彼女の説明によるとショーで射精した直後に倒れ邸内の部屋に運ばれたという。
「あの麻由ていう人にそそのかされるなんてバカみたい。いえバカそのもの」
私の言葉に早紀が驚いているとその麻由が夏の時と変わらぬメイドのまま現れた。早紀が掴みかかるのを制した。
「沙耶香さん」
「言いたいことはいくらでもあるけど私にバカな真似させて愉しい?それにどんなつもりでショーに出させたの。聞きたいのはふたつだけ」
言いたいことはいくらでもあるが端的に話を進めないと何も知らないである。ならば質問はシンプルな方がよい。
挑発的な態度は意外なほど潜め彼女はいままでの非礼を詫びた。
「申し訳ありません沙耶香さん。いえ沙耶香さま、私たちはあなたを試させていただいたのです」
「試した?」
目を点にした早紀も私も意味がわからない。だが早紀はひとつだけ質問を口にした。
「聞きたいことがあります。なぜ沙耶香さまはオナニーやセックスをする時はいかなる気持ちでおこなっていますか?もうひとつなぜ女王さまなのにマゾ側の女性と同じことをしますか」
しばし沈黙が宿り飲料水を口にし心の奥底の羞恥心が喚くことを押さえた。なに聞いてるの!?この人!!やだやだ、言えないし。
しかし麻由の挑発的な瞳のなかに真剣さを宿す力があった。答えないといけない……。
「私は責める相手に心から気持ちよくなってもらいたいし飴と鞭を使わないといけないと思う。ただしそれは肉体的な責めではなく精神的に責めながらもそこに性的快感を与える。アクメやオルガスムスに達してもらいたい」
最初の質問に答えた途端に顔から火が出るほどに真っ赤に爆発した気分だ。そのまま次の質問に答えた。もう!やだ。
「わ、私は相手と快感を共有したいから時に自分の……男性器にローターを付けることもあるし羞恥心を理解したいからしてるの……。これでいい」
取材でいろいろな女装者から話を聞いた早紀でさえ少女のように真っ赤にし沈黙していた。
自分の考えを述べただけなのにここまで羞恥心はない。
女装をほんの少し本気でやめたいと感じた。
麻由は頭を垂れて指を床につき意外なことを口に出す。
「私たちの女王さまになっていただけませんか」

No.388 17/11/14 05:37
作家 

女王さまになってくれませんか。
ええっ!?
私と早紀は思わず声に出ない驚きをし私はベッドから出ようとした時に全裸なことに気づいた。
「沙耶香さん!はだか」
「ちょっと!?なんで裸なの」
あたふたしてるところへ神無月社長がメイドを連れて私を普段の姿に着替えさせた。全裸にしたの麻由の丁重なおもてなしだったらしい。
風邪引くからとは言えない。
早紀を伴いながら神無月社長は非礼を詫び私たちを軽い夕食のわりにかなり豪華な夕食に招きながら事情を話した。
このSMクラブ『ヴィーナ』は女装者と女装者を愛する女性のためのクラブであるという。
しかしなかなか適任者がいない。なかにはかつて麗奈たち編集担当がスカウトした者がいたというがSMクラブの運営や指導はむずかしくなかには男むき出しの欲望の不適格者もいたという。
それはそうでしょう。オトコだし。
『ヴィーナ』は女装者にも女性にも愉しめるSMクラブの運営をしたいのだが現時点では私つまり沙耶香が適任という。
「ま、待ってください。私のどこが!仕事もないし性犯罪に二度も遭ってるし。こんなダメな人がなれるわけないです」
カップをテーブルについ叩かんばかりに私は断りの意思を示した。
しかし神無月社長は早紀に視線を移す。
「早紀」
「は、ハイ」
「先ほどのショーを見てどう思い感じた?」
彼女はカフェラテに口をつけ口を開いた。
「その……言いにくいんですが、感じました。たしかに身体は男ですが沙耶香さんの快感を得ようとしショーを失敗しないと懸命な姿に…感動みたいな…胸に…キュンと鳴るみたいな…感激…感動がありました。濡れちゃってました……」
少女のような早紀の言葉に嘘はないと感じたが私はなんとも言えない。
「……社長」
「なにかしら」
「ありがたい申し出ですが私はいまいろいろ迷っています。女装の女王さまはひとつの憧れですが……いま他にやりたいことがあるのです」
「それは何?」
いまは伝えることではないと頭を下げた。
まだそれは始めたばかりであり将来形になるかわからないから。
神無月社長は四人のメイドたちを見つめ言う。
「今夜このひとたち誰かを抱いてもらいたいと思ったけどその気持ちは」
「申し訳ありませんがお断りします」
「私の対応がいけなかったら謝罪します」
麻由が前に出て謝罪した。

No.389 17/11/14 06:19
作家 

麻由の態度は夏から気になっていたがそういうことではないと私は丁寧に説明し『ヴィーナ』がある屋敷を早紀と共に後にした。
私と早紀が理沙と奈々のベンツで去っていくのを見て神無月社長は言う。
「資質があるのにもったいない」
「申し訳ありません神無月さま」
「あなたのせいではないと彼女も言ってたでしょう。気にすることではないわ」
そんな会話を知る由もなく私たちは再び街に戻るがすでに深夜近く日付も変わろうとしていた。隣に座る早紀はワインに酔ったように私の肩に頭を預けながら足元をもじもじさせていた。
「沙耶香さん」
「なに?」
「その……一緒に寝てくれませんか」
ドライバー席にいる理沙、助手席にいる奈々がいるにも関わらず早紀は誘う。先ほど私が目の前にいるメイド二人を含め断ったのにこのモーション。
どうにも女性はわからない。ただ早漏や遅漏の件については神無月社長が風吹先生に再びカウンセリングの手配をするという。
甘える早紀を邪険にできない。街の中心部から少し離れたラブホテルに向かうように理沙たちに伝えた。何も言わずに滑り込むようにベンツは入り「ごゆっくりどうぞ」と頭を下げられた。
ウフフと早紀は部屋に向かうなか笑みしていた。
「休むだけだからね」
「わかってます」
朝帰りするかもしれないと書き置きをしたが私の根が真面目な性格はあんな状況でオナニーショーをしながらもどこかでおぼえていた。
ベッドに座らせ冷蔵庫から早紀にはビールを、私はジュースを出した時だった。渡そうとした途端にキスしてきた。
「ん……はあ。れろくちゅ」
「はあ…またこんなことして……」
「週末デートと…期待したのに裏切ったからです。社長やメイドさんに言い様にされて。バカです……」
はあと唇を離し「そうね」と答えた。わざわざ自分から出向くこと自体が相手の思う壺なのに。
「……最近麗奈さんが心配してましたよ。沙耶香さんが何かしてるて。なにしてるんです?」
「いまは言えない」
「あたしにも」
うんと頷いていると彼女はボディコンドレスの下にあるガーターベルトとショーツの淫部や太腿に触れてきた。
「くすぐったい」
「肌が弱いんですね」
「オトコならコンプレックス……」
女性は男性のなかに肌が弱い人がいることを知らない。そっと早紀の首や胸元に触れた。

No.390 17/11/14 15:34
作家 

オシャレしてる?
ゆっくり服を脱がしていくとリボンや花模様が散りばめられたランジェリーが見え隠れした。
「週末金曜に誘われるのわかってましたから……」
「だけどがっかりさせてごめん。私のつまらない好奇心に付き合わせて」
「いいです。こういう週末の夜も」
壁にかかる時計を見ると日付が変わっている。どの程度ステージに立っていたか聞くとわからないと彼女は言う。
「人前でオナニーして恥ずかしかったですか?」
「あたりまえでしょう……。ここ湿ってる」
リボンや花模様のショーツのクロッチには淫汁の湿りがありキュッと淫肉が浮き出る感じが伝わる。
「ショーを見てた時からかも……」
「イケない娘、ここも熱い……」
麗奈ほどに大きくはない胸だがじんわりと体温が伝わりあたたかく乳首が可愛らしいブラからこんにちはと出て弄る。
「あ……はぁン……」
「ほんとやらしい……」
「沙耶香サンを思ってるんです……わかってください……」
「甘えたら私が思い通りになる?……ならないでしょう。めっ」
乳首を指で弄ると堅くなり胸の谷間から汗や体液が細やかな肌の毛細血管から浮き出ている。
早紀は感じる。こんなにも思ってるのに。
「なあに」
「こんなに思ってるんですよ。鈍感な沙耶香さん」
「わかってるわ。だけど……私には誰かを決められないわ」
ベッドの上で年下の子を背中から抱きながら胸を揉み髪やうなじを触り舌で舐める。
「あ……ハァン……ンンン」
「お人形さんみたい。鏡にも映って……」
「ンンン…あたしにもやらせてください」
「さっきショーでイッたばかりで敏感かもしれないからガマンして」
早紀の小悪魔な愛撫を感じたい衝動はあるがショーで射精した肉棒は早漏どころではない。いまは彼女の身体とランジェリーの感触で股間に理性を保つ必要があった。
「少し大きくなったかしら」
「沙耶香サンの」
「あなたのよ。ムネ……春頃くらいより少しあるしブラ合ってる?」
可愛らしいブラが少しキツそうに見えた印象がある。人間は二十歳を越えても成長期はある。早紀の場合は身長は変わらないようだが胸は春いや夏の頃よりも感触がふくよかなのだ。
「どうかな、わかりません……」
「甘えないの」
ツンと鏡に映るがすぐに扇情的な表情に変わり淫靡な行為に浸っている。クロッチに指を這わした。

No.391 17/11/14 17:34
作家 

そのまま彼女にはスーツを脱いでもらい少しワインにでも酔い性的快感に支配されてるのか頬が赤く身体も熱い。
「飲みすぎかな」
「ちがいます……もう。そんなに飲んでません。ああ……ン」
そのまま四つん這いにしうつ伏せのような姿勢で淫唇とお尻に口をつけ責めていくとゆっくり腰を振る。
「ああ……はあ…ン。ずるい……」
「いまは私に責めさせて」
「ン……ンン」
「寝ちゃダメよ。理沙さんたちにここまで来てだっこかおんぶして帰ることになるから」
しませんよ……とは呟きながら私はリボンと花模様のショーツを下ろし指を舌で濡らしアヌスにそろりと挿入した。
ひゃっ……!?
身体は温かくてもお尻やアナルに温もりはないらしく唾液そのままが器官に入り声を上げた。
「あ……アン……お尻だなんて……」
「中のお肉が締めてる……呼吸しておま×こに負けてない……」
お尻内の肉の感触が力を入れながら閉じたり締めていれ。同時に淫唇ははじっとりと滑りベッドのシーツを湿らせる。
「いや……ン」
「甘えないの。おならでも出ちゃう?」
「で、出ませ……ンよぉ……」
すると瞬間にぷすっともすーっともつかないような静かな音のおならが出て私はちょっと顔をしかめた。
「早紀さん。出た?」
「い…いや…ちがいます……。クラブで食べすぎたんですよぉ……」
そういうことにした方がいいがおならを出したことは暗に否定しないのはプレイに夢中か私にアピールしたい思いもある。
「おならするくらい食べたの」
「だから…ちがいます……。いじわるしないで……」
「あら?アヌスが締まったわ。指が……」
「やだやだ……」
意思とは無関係に人差し指と中指が肉圧に阻まれて抜くのに力が必要だった。すぽっと抜ける。
「もう……」
「可愛らしいお人形さん。わがままなお姫さまかしら……」
「あたしにもやらせてくださいよぉ〜」
接してると社会人には見えない表情の彼女に私自身を触れさせる。彼女は好奇心たっぷりにいきなりキスを求めた。
「ンん……オチ×チ×はいいの?」
「キスをしたいだけ。寒いしあったまりたい……」
「風邪を引かないようにね」
沙耶香さんもと言いながら私の胸元をくすぐるように指でなぞりブラから乳首を弄りキスした。
「つめたっ……」
「お互い様です……」
ちろちろ舌を這わしていく。

No.392 17/11/14 20:33
作家 

ちろちろ舌を這わしながらおへそにやがてショーツに包まれた淫棒へと早紀は軽くキスをし熱く堅い男性器をショーツ越しに愛撫する。
はむ……んむ。はあ…ン……はむはむ。
「射精させたいかもだけど今日はおクチにはなしね……」
「ンンン……そんなぁ」
「もう土曜だしゆっくり早紀さんに休んでほしいの……」
わかりました、と甘い吐息をしながら深夜のラブホテルの部屋のなかちろちろと子猫のように舌を使いいつものようにショーツの脇から淫棒を丁寧に濡らしながらも射精させない程度に宙で振るわせる。
「くさい……だけどランジェリーのなかから……こんばんは……してやらしい」
「ショーでオナニーして卑猥なモノよ……」
「卑下は…はむ。似合わないです……ここも」
「ちょっとそこは……」
私の股下に潜るようにしながらショーツの後ろだけを下ろしてアヌスに指や舌を使ってきて舌の冷たさが身体を襲う。
「あ……いや……」
「仕返しです……ひくひくして動くぅ……」
「んぅ……」
「ダメ……まだ立ってください。オチ×チ×も……」
えっちな洒落のつもりか身体が脱力するのを堪えながらもアヌスへ舌を這わされ冷たくくすぐったい……。
「あ……もう」
「イッちゃダメです。お尻もひくひくオチ×チ×もひくひくして」
「責められるなんて……」
「辱しめをしたくせに」
ショーツの内の睾丸を指や舌で弄られ感じる。さすがに私は耐えられなくつい口に出した。
「挿入(い)れさせて……」
「どこにですか〜?」
「早紀さんの……」
ショーツの内で淫棒が震えるなか口に出す。
「オマ×コに……」
「ハイ、よくできました……クスッ」
ちいさな笑みをしながら早紀はベッドの上で仰向けになり両手を広げ私はショーツのお尻を戻す。
「今夜の沙耶香サンは甘えてます……」
「恥ずかしいことしたから……」
「わかってます……ここであったまって……ぐちゅぐちゅ言わせてください……」
ショーでのオナニーで辱しめを受けながらも自らの性癖を告白し彼女なりに一応の理解はあったらしい……。淫唇は花弁のように濡れながらゆっくり淫棒をくわえていく。
「っ……はあ…ン」
「ンンン……」
「いたい?」
「ン……脳にびりびり……来ちゃう……気持ちいい……」
挿入する側される側では感じ方は違う。額の皺が物語る。

No.393 17/11/15 06:00
作家 

あったかい。
声に出さず偶然にふたりは同じことを思う。
しかし私は男女とはセックスの感覚のちがいが伝わる。女性は性感帯のちがいはあれど身体全体で感じるが男性はぺニスでしかあるいはぺニスからしか感じない。
「っ……ンンン」
「早紀さん」
「っ……もっと奥まで……ください」
ずぶずぶと大きくなった肉棒をゆっくり挿入する。無理矢理な挿入や強引な挿入は相手の身体に負担を与える。
麗奈よりちいさい身体を思わせる彼女は私にとっては妹のような印象を抱かせる。甘えがちでわがままでツンとしながらも麗奈とはちがう気丈さ小悪魔さ。男の力で抱けば脆く壊れそうさえ思える。
「ん……どうしました」
「なんでもないわ」
ちいさな身体を思わせながらも幾重もの襞は牡を求めゆっくり腰を動かすと彼女は悶え喘ぐ。
「あ……んん。お、大きくなってます……」
「もう。そういうこと言わない」
「だって……ホントです……ジンジンきてます」
下半身、女性器からの感覚が花唇に挿入された肉棒が開く痛みさらに挿入されくわえ襞で包み込む感覚が子宮を通しそこから全身への神経が痛みと共に性的快感を伴う。アクメやオルガスムスへ達していく……。
いまの早紀はまさにそれなのだ。グッと私は力を入れベッドに押し倒した彼女を抱き上げ揺らす。
「あ、ああ……ン。刺され……ずんずん…きちゃいます……」
子宮に届かんばかりに淫棒が突いて突いている。熱いあたたかい襞が求めんばかりに包み動かす。胸や谷間にも汗や体液が浮き出て粒が輝く。乳首にキスをした。
「あ……ン……」
「感じてる」
「いや……ン」
痛みと共に快感を伴うのに女性は快感を求める。女装の私にはわからない感覚。私が女性にはなりたくないなれないのもあるがわからないもの。
イタズラに乳首を唇と指で摘まんでみると彼女は天井に目を向け喘ぎ声をあげる。
「ンンン……いたい……やだ」
「オチ×チ×みたいに勃ってて?」
「ン……いじわる。っ……はあ……」
甘えた表情のまま子宮を突かれるような痛みが脳内に快感をもたらしている。また身体の熱が下半身いや女性器からお腹へそして全身へともたらし下着にさえ体液をもたらし湿らすほど。
「っ……はあ。あたしばかりみて……やらしいです」
「感じてるのよ。おバカ」
ふと早紀は私の挙動に気づいたようだった。

No.394 17/11/15 15:30
作家 

行為の最中にも早紀は意外なくらいに私を見ている。
ショーツを着けたままの変態なセックスなのに彼女なりの好意だろうか。
きゅっとたまに襞が締め付けては牡の樹液を求めてくる。
「ん……ああ。すごい」
「感じてます……沙耶香さんの……」
麗奈ほどに成熟さはないがそれでもきゅっきゅっと締め付けては睾丸から精液が耐えきれないように思うほどあたたかい。
彼女は私に抱き抱えられながら頭や髪に触れてきた。
「な…なあに」
「いえ今日のオナニーショー……可愛かったです……」
「バカ言わないの」
「っ……はあ…ン」
下からの突き上げに彼女は力を失ったようになり髪が乱れたようになびく。
「ンっ……ほんとうです……」
「……私は別に…可愛いままでいたいとは思わない……」
「……ん。ツンデレですか……?」
小悪魔な早紀の呟きに答えずに行為をおこなう。まさにツンデレかもしれないと少し伝わる。
「……女王様な…沙耶香さん。また見たいです……」
「……お仕事ないからプライベートでね」
「そんなつもりでは…はあ……!」
けっして大きくはないが形は揺れてるがやはりブラから脱ぐ前からむりしてたのではと思う。はだけたブラの感触が私の胸に触れ感じる。下着フェチゆえに匂いや感触が脱いだ下着でも独特に感じてしまう。
「ああ……イキそう」
「イク?」
「イカせて……くちゅ」
「ん……ちゅ…れろ」
唇を求められ答えてると睾丸が膨らみショーツの脇の淫棒に射精感が熱くきた。うかつに我慢はしてない自然なまま。
途端にきゅっと早紀の花唇は締め付けては求めてきた。
「あ……あ……このまま。天に昇る……昇っちゃう……」
彼女は私の身体から離れないような爪をわずかに背中に立て抱きつき落ちないようにしながら腰をずんずん揺らす。
「イクっ……」
「…イク……!」
わずかに私が早く絶頂に達し彼女の腰をエアロビクス教室で少し筋肉がついた腕で抱いた。
「……ああ…ンン……」
彼女の腰は淫棒を折らんばかりに痙攣しアクメに達し肩に力が通りながらしだいに抜けていく。立てた爪が少し背中にくい込む。
「っ……」
「あ……はあっ…ン」
ゆっくり彼女の身体をベッドに下ろしながらわがままな少女の魅力を持ったままの愛しき小悪魔と感じる。
彼女の花唇から白濁とした液が滴る……。

No.395 17/11/15 17:23
作家 

アフターセックスを少しした後早紀は寝息を立てていた。
週末金曜に呼び出し彼女には悪い行為をしたと心中謝りながらスマホを出しメイドの理沙を呼び出した。
すでに早朝五時。陽が出てきてもふしぎではない。部屋に理沙と奈々が姿を見せた。
「悪いけど彼女が起きないように家まで送ってあげて。充分に眠って起こさない程度に。鍵はたぶん彼女が持ってるから」
「沙耶香さまは」
吐息を少し吐きシャワーを浴びたいがシャワーの音が早紀を起こすかもしれない。
「私はこのまま散歩ついでに帰るわ」
「なら奈々をお供に」
「遠慮するわ。ひとりでいさせてくれない」
そっと着替えまだ身体にセックスの後の余韻が残るなかラブホテルを後にした。
まだ外は冷たいなか陽が昇り朝焼けがゆっくりおはようした。バスはまだ始発ないしタクシーは拾えたが誰かといたくなくしかたなくひとりマンションまで歩く。
さすがに二度の射精をショーと早紀にしたので少し足元がふらつく。慣れないヒールだけど脱ぐと人目に目立つ。
頑固なことと自嘲した。
途中コンビニのイートインで紅茶にパンを食ししばし朝焼けが昇り街並みを見つめた。
「着いた」
ようやくマンションが見える頃には朝練の学生や土曜出勤の人たちが見えふと思う。
心配したかな。
エレベーターに乗り上がるなか誰とも会わないことに安堵しそっと扉を開けた。鍋の後がありテーブルにはビール。いつもに似た光景。
「ひとり鍋してそのまま寝るなんて」
さいわい火の元は消してあり毛布は自分で出して肩にあるが落ちかけてたので肩に戻す。
「ん……」
寝言かと思いながらあらためて火の元やコンロを確認し後片付けは後で付き合うとしてさすがに眠気が安心した気持ちと共に襲う。
部屋の扉を開けたと同時に彼女は気配に気づいたらしくぼんやり目を開けた。
「帰ったの……?」
「……寝させて。ゆうべは疲れたの……」
扉を静かに開けた麗奈が見た私の姿はランジェリーのままベッドに入りしばらく身体をもぞもぞ動かした後に寝息を立てたという。
女王様……か。
その妖しいニュアンスが脳裏に残りながら昼まで目を覚まさなかった。
それに少し遅れること眠り姫となった早紀も自宅マンションに送られベッドで静かに眠っていた。
あとで早紀は理沙たちに送られたことに怒ったらしかった。

No.396 17/11/16 05:57
作家 

十一月上旬になり肌寒いなか麗奈が帰った頃に沙耶香の様子がまたおかしい。
「ただいま」
「あ、お帰り。ちょっとま、待って」
素早く向かおうするとテーブルの上には原稿用紙に鉛筆、消しゴムらしいのが見えたが沙耶香はフェミニンなワンピースのまま持ち部屋に姿を消してなぜか着替えて現れる。
「別に急がなくても構わないけど」
「そ、そう」
Tシャツにスカートになりエプロンを上にかけながらテーブルの上や下に消しゴムのカスがあった。
こういうの見たことある……?
「……というわけなのよ」
「それよりも沙耶香さんたらひどいです。ラブホで寝てたと思ったら気づいたら自分の部屋ですよ。送るにしても別な送り方あるのに」
「何度も聞いたわよ。私の話にも耳を傾けて」
早紀はよほどラブホに置いてけぼりをされ起きたら自分の部屋だったことがおもしろくないのか話題を繰り返す。
「鉛筆、消しゴム、原稿用紙……」
「むかしの作家さんみたいですね」
別の同僚の言葉に「それだ!」と重なる。
「沙耶香さんが作家志望ですか……?」
「いまの作家さんはたいがいパソコンで執筆するけど沙耶香は私を気にしてパソコン使うのは調べものがある時かな」
「どんな原稿でしょう。見てみたいな」
「素人よ。沙耶香は」
「見てみたくありませんか」
それには答えず再び麗奈はそそくさと料理の準備をする沙耶香の背を見ながら彼女の部屋を気にする。
どっちに隠してる?どちらにもかな。
浮気の心配よりは程度は低いが麗奈は沙耶香にふたつの部屋を使わせている。女装であってもひとりオトコに戻りたいから。
なに書いてるの。恋愛?小説?SF?どこか地元を舞台にした小説?……まさか官能!?
「え……!」
「きゃっ!?なになに声を出して」
「あ……ごめん。なんでもない」
鍋を用意した沙耶香が驚き振り向いたので慌てごまかした。
あ、ひとつ言うの忘れてたのを思い出す。年末はいろいろあるし。
「今夜は寒いから鍋」
「私つい最近ひとり鍋したのに」
「だから今夜はふたり鍋。いや?」
「いやじゃないけど」
季節柄寒いし冷たいし鍋は悪くない。豆腐に榎茸に肉に白菜、肉だんごなどなど。そして白いあたたかいご飯。付け合わせの惣菜。
いただきますとふたりして手を合わしじっと目を合わす。

No.397 17/11/16 06:30
作家 

湯気が天井に向かう鍋のなか麗奈はとりあえずとある話題を出す。
「ねえ、年末に出版社のパーティーあるんだけど沙耶香出ない?というか出ないといけないけど」
「パーティー?遠慮したいて言っちゃダメ?」
「仮にも春から三号続けて表紙やメインを飾ったモデルが出ないと推した私の立場もあるし」
「いまお仕事ないのに?恥かくだけよ」
沙耶香なりに慎重な対応がうかがえた。三号続けてメインを飾るもマスコミに叩かれた女装ヒロイン。そんな人が出版社のパーティーに現れたらどうなるかぐらいはなんとなく察しがあるかもしれない。
「とりあえず考えといて。お願い」
「うん。わかりました」
再び麗奈の頭のなかは鍋とは別に再び出版社でのこと。
「沙耶香さん復活を望むファンレターやメールがきてますね」
「ほとぼりが醒めたからでしょう」
「伝えてないんですか」
「ぬかよろこびさせるのはよくないわ。まだ先のことはわからないし」
早紀や他の同僚たちも気にしてるはいるが出版社のホームページにメールやファンレター、場合には直接問い合わせする人たちもいるが「検討中です。いずれ雑誌の方で一報があるかもしれません。ありがとうございます」と電話越しに頭を下げていた。
再び鍋をつき向き合う。
「沙耶香」
「なあに?美味しくない」
「そういうわけじゃなくて。雑誌に復帰したくない?」
慎重に言葉を選んだつもりだが沙耶香はじっと目を合わし言う。
「復帰したいけどいまは考えさせて……」
「沙耶香はモデルしたくないの?」
「したいけどパーティーのことも含めていまは考えさせて」
同じことを繰り返す人は慎重に考え思い詰めてることもあるという。ということはいまは考えさせた方がいい。
原稿用紙のことも気になるが沙耶香はさいわいひとりではない。昼間はヒトミたちがいるし教室にも顔は知られている。
何かあれば自分に伝わるだろう。
もうひとつ話題に出さないことがある。沙耶香の母がたずねたことだが遠回しに話題にしなければならない。
はふはふと鍋にある食べ物を口にさせながらそれとなく話題にする。
「沙耶香は年末故郷に帰らないの?」
すると沙耶香は少し頭を下げた。
「帰らないわ。帰れないでしょう。悪いけどここに置いてもらえない。ダメならどこかに行くわ」
故郷には帰りづらい女装者の事情が見えた。

No.398 17/11/16 07:46
作家 

先生、今度こそ処女をもらってください。
学期末試験に向けてアイの瞳はより輝きを増しその分努力の結果は等しくあらわれ私には羨ましくも思う。故郷の敷居を跨げない年末はつらい。
「う、うん。だけど……ほんとに私でいいの?よく……」
「考えました。あたしは女装のオトコのひとしか知りません。バージンをあげるなら沙耶香さんがいいです。ダメですか」
「構わないけどそれなら……」
しかし私はさらに彼女にハードルを上げた。彼女はあちこちの模試を受けていたらしくどこの試験も順位がニ十番前後が場合によれば十番以内にも入っていた。
高ニの驚異的な学力や意欲など確実に目に見えてあらわれもし私が担任教師なら将来が楽しみと表現するだろう。
「先生」
「なあに?」
「できたらクリスマスかイブでも構わないのでその日にしてほしいな……」
女性なら誰もが考える。クリスマスかイブにデート。さすがにこういった場面ではヒトミはあらわれない気配があった。愛妹の純粋な思いは邪魔しないらしい。
「考えとくわ」
「誰が好きなんです?」
え、と呟きが驚きが出た。構わなず彼女は名を連ねてあげる。
「麗奈さんに早紀さん、ルイ姉にヒトミ姉にあたし。他にもいます?」
「あのね。みんなが好きなのはたしかに都合いいと思うしアイちゃんも含めてみんなに悪いと思う」
「だったらなんで決めないの」
「決めたら傷つくよね。そしたらいままでとちがう関係になる。私も傷つくのよ?わかる」
アイに恋愛感情がわからないわけではないが神妙な面持ちをしていた。
「オトナてズルい」
「それもオトナなの」
あからさまにズルいと言われれば傷つくがいつかは関係に決着は必要だろう。
しかし関係が崩れるのはこわいと思う。足元から崩れたら女性の傷つく心情は計り知れない。
「今日はここまでにしましょう」
学期末試験までは一月もない。どう予定を作るかあるいは持たないか。片付けをしたアイは話題を変えた。
「ルイ姉のこと聞きました」
「なあに。ルイさん」
「なんでも被害者の人たちとセックスできたんだって」
え、と声にならない驚きがありショックがあったように思う。気づかない彼女は端的に言う。
「なんでもセックス経験少ないオトコの人ならできたの」
「なんで……?」
「経験少ない人たちは懸命に頑張るとかどうとか」

No.399 17/11/16 10:53
作家 

ショックを受けた私はふらふらとし慌て出たヒトミに支えられた。
「大丈夫!?」
「あ、うん。別になんとも」
「嘘。姉さんが自分より経験ない人たちとセックスできたからて」
「……そうだけど」
アイはきょとんとし私をうかがう。しかしこれはショックなことにかわりない。早漏遅漏の件を含め後日風吹先生の病院をたずねた。
事も無げに彼女は涼やかな瞳を向けた。
「早漏遅漏……、どちらでもないわ。ただいたずらに理性でコントロールしようというのはあるけど」
「ほんとですか?」
「嘘は言わないわ。もともと男性器全体はよほどの痛みや衝撃がなくインポでもない限りあなたのはすこぶる敏感。ただ相手によっての感じ方やコントロールすぎるきらいはあるけど」
「はい……」
当たらずとも遠からず。相手によっては気持ちの変化はあり必ずしも同じではない。
彼女は続いてルイについて説明した。
「ルイがあなたより経験が少ない男性とセックスできたのはショック?」
「ええ……まあ……」
「また考える。あなたの悪い癖ね。ルイはルイ、あなたはあなたでしょう?たしかに彼女は名器だけど彼女が名器だからこそ苦しんだ。たまたまあなたは早漏に勘違いされた」
苦しんだ。たしかに名器ゆえに誰ともセックスできないのはつらいだろうと気持ちを重ねるくらいの共感はある。女陰恐怖症の時の深い気持ちがよみがえる。
見る、と風吹先生はマジックミラー越しのルイと患者の性行為を躊躇いなく見せた。それはあまりに鮮烈だった。
紫紺のランジェリーに身を纏い若い女装美少年と身体を交じあわせる。声は聞こえまたそれが動悸を打つ。
『そう……突き上げて。いけないおま×こに……ンン』
『はあ……ルイお姉さま……イク!イッちゃう。あたしの…ボクのオチ×チ×』
『イイ!出して、つぐないをさせて……きて……!』
他人の性行為をリアルに真正面に見せられ言葉なかった。
しかし若い女装美少年は懸命な姿でルイに身体を捧げ射精を堪え性的快感を彼女と共有していた。
しばらくしてルイが診察室に姿を見せ私の姿に驚いた。
「はあ……先生。……沙耶香さん!?なぜここに」
「カウンセリングよ。いろいろとあるから彼女も」
“彼女も”という表現に戸惑いながら三人で風吹先生の話をうかがい私の精液についての話題となった。

No.400 17/11/16 12:57
作家 

確実に妊娠はするけど女装の子どもはほぼ生まれない。
風吹先生の言葉に私もルイも驚きがあった。思わずルイは身を乗り出さんばかりに聞く。
「なぜ!?だって沙耶香さんは女装なのに」
「わからない?何度か身体を交わし話をしてて」
「だからどういうこと」
風吹先生はわかりやすく私という患者を説明していく。
「沙耶香さんのはあくまでほぼ後天的に女性に憧れ女装していく人。なにより彼女は男性としての自分を受け入れながら悩み葛藤しているわ。これが先天的なLGBTや同性愛者なら女性として悩むけどちゃんと中に“男性”の沙耶香さんがいる」
男性と言われ複雑な気持ちもあるが言う通り私は男性として女装し時に悩み葛藤している。風吹先生は私の精液について言う。
「女装者はまず生まれない。だけど妊娠させるなら確実にイイ精液、良質」
そんな……とルイは椅子にゆっくり腰を落ち着けた。ジェンダーアイのリーダーかつ長女としては足元が崩れる思いかもしれない。
「沙耶香さんは雑誌に答えてるわね。女装を題材にした漫画や小説を読んでこうなりたいって」
ええ……と頷くなか隣に座るルイの表情は青い。よほどのショックがうかがえた。
「とんだ勘違いをされたものね」
「あのルイさんは」
「ほっといてよ。もう沙耶香さんに関わったばかりで……」
「迷惑はお互い様でしょう。なんだかんだでいまは良好な関係なんでしょう」
客観的に風吹先生は端的に言う。しかし精液が妊娠確実は素直に注意しないとならない。
「ん……私は別に」
「ルイさん。沙耶香さんとのセックスを見せてくれない」
ええっ!?
これには私も驚いたが風吹先生は研究者の瞳で見つめる。
「女装の沙耶香さんと怪盗ジェンダーアイのルイさんのセックスを見たいの」
「でも私はすぐにイッちゃったし」
「それは気持ちの持ちよう。現にルイさんのさっきのセックスを見たでしょう?経験少ない若い患者でもできたわ」
黙る私にルイは心配げな表情を見せた。以前にはない表情を見せるようになり瞳に戸惑いもあるようだ。
「沙耶香さんさえよかったら抱いて欲しい。身体がまだ火照ってる……」
「そんなまた……」
早漏みたいなセックスすることに迷いがあることに男と自覚する。風吹先生は促す。
「抱いてあげなさい」
ふたりして真っ白な部屋に入りベッドは白い。

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