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🍀語りあかそうの里🍀1️⃣0️⃣
いじめなのか本当に息子が悪いのか

釣りバカほのキチ🐟

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作家
17/03/27 09:23(更新日時)

あらすじ

鈴木建設に入社した高坂穂乃果は和菓子屋の長女でありながら建設会社に入社した。
ヒマや時間さえあれば釣りをする穂乃果。あげくには妹に釣った魚を料理させる大の釣りバカ。
入社した鈴木建設には課長の認められないわが口癖の絵里、係長のムードメーカーのワシワシMAXの東條希、ちいさいけどベテラン営業成績三位のにこ、クールな真姫、運動神経だけはいい凛、農家になぜか顔が利く花陽。
穂乃果と同期入社の堅物の海未、ほんわかしていることり。
ひょんなことから釣りをして知り合ったひとのいい三國蓮太郎か西田敏行かのスーさんこと鈴木社長。
どうするどうなる釣りバカ穂乃果の釣りバカOL人生。

17/03/27 09:23 追記
申し訳ありませんが考慮不足で書けないのを痛感。
また機会がありましたら再開いたします。
ここまで読んでくださった方には心から礼を伝えます。
ありがとう。

No.2442655 17/03/08 18:56(スレ作成日時)

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No.1 17/03/09 06:15
作家0 

201X年音ノ木坂学院を卒業した高坂穂乃果は目の前の一部上場企業鈴木建設を前に気持ちが震えていた。

穂乃果 「む、武者ぶるいじゃないよ。やる気だよ。ほのかはやる気だよ〜!たあ〜!!」

瞬間、後ろから来たとある人物にアッパーを喰らわしてしまった。
あ、と気づいた時には生真面目で堅物でびしっとスーツで決めたある女性が眉間にシワを寄せて睨んでいました。

海未 「いた……!あなたはなんですか!?私になにか恨みでもあるんですかか!そこの女性」

穂乃果 「ほ、ほのかだよ。ご、ごめんなさい」ペコペコ

海未 「あ〜!これから面接なのに!」

穂乃果 「ほ、ほのかもだよ!ここここ!鈴木建設だよ」

海未 「まずあなたにはっきり言っておきましょう!和菓子の匂いをさせているほんわりまったりなあなたはこの会社は向きません。失礼します。ん?和菓子?」

穂乃果 「ほのかは和菓子屋の娘だよ」

そこを通りかかる頭にトサカをつけた可愛らしい娘が一言。

ことり 「たしかにそこのあなたは才色兼備文武両道と見ました。しかしいまの時代、偏差値や成績、頭がいいだけとは受かりません(あ!こっちの娘かわいい!)」

穂乃果 「」キョトン

海未 「な、なんですかあなたは!?」

ことり 「あたしは南ことりだよ」

アナウンス 『まもなく新入社員面接試験を始めます』

ほのことうみ 「急がないと」

三人は揃ってロビーに向かい走るがお約束かエレベーターの扉に挟まるのだった。

穂乃果 「いたい」

海未 「誰ですか。太っているのは」

ことり 「あたしじゃないよ」

鈴木建設の社員たちは思った。今年の新入社員面接試験はたいへんだ、と。
そこへエレベーターの奥にいるひとりのベテラン社員であり後に彼女たちが配属される営業三課の絵里が一言。

絵里 「認められないわ」

これが彼女の口癖だった。
穂乃果たちはなんとか面接試験に間に合った。
しかし幸か不幸か三人はまたも揃って面接も同じだった。

穂乃果 「頑張るよ」

海未 「またアッパーですか?」ギロリ

ことり 「うふふ」

No.2 17/03/09 08:02
作家 

三人の前には人事課の者たちがならび穂乃果たちを見ていた。

人事担当A 「自己紹介をしてから座りたまえ」

穂乃果 「高坂穂乃果、音ノ木坂学院出身」

海未 「園田海未、音ノ木坂学院出身です」

ことり 「南ことり、音ノ木坂学院出身。ちなみに母は理事長です」

人事担当B 「本当だ」

人事担当C 「もうひとりいるはずだが」

そこへ慌て駆けてくる若い男がひとりいた。

? 「すみません!遅れました。だ、大丈夫ですよね」

人事担当D 「なんだねキミは」

浜崎伝助 「ああ!?わたくし浜崎伝助と申します!!」

人事担当A 「ああ、たしかにあるな。座りたまえ」

面接が始まるなかなにか妙な匂いが室内に漂う。

ことうみ 「(魚くさいみたいな)」

穂乃果 「」クンカクンカ

ハマちゃん 「」クンカクンカ

ほのハマ 「この匂いは魚だ!?」

人事担当ABCD 「なんだね!?」

ハマちゃん 「いやいやそこのキミ、釣りをしてきたの?」

穂乃果 「うんうん!朝からハゼ釣りしてきたよ!五匹は釣れたよ」

ハマちゃん 「俺はね朝から知り合いの船に乗せてもらってヒラメをね」

人事担当者たちはこほん、と咳払いをした。

ほのハマ 「あはは。またね」

ことうみ 「(どうりで魚くさいと思いました)」

こうして面接は終わったが三人は実は同じ音ノ木坂出身だったのがわかった。

海未 「あなたも音ノ木坂でしたか」

ことり 「うん。理事長の娘だよ」

穂乃果 「廃校になる寸前だったよ」

※注 このSSでは三人をはじめu’sメンバーはみな初対面である。

ことり 「だけどお魚の匂いはよくないよ。高坂さん」

海未 「そうですよ」

穂乃果 「そうかな」

そこへ後から追いかけてきたハマちゃん。

ハマちゃん 「いたいた。高坂さん」

穂乃果 「浜崎さん」

ハマちゃん 「ハマザキじゃなくてハマサキ」

穂乃果 「ほのかもコウサカだよ」

ハマちゃん 「ちょっと付き合ってくんない?釣りの話をしようよ」

いいよ、とあれよあれよと穂乃果がハマちゃんについていくのを見てふたりは思う。
間違いなく不合格と。
しかしそれが違うのだった。

No.3 17/03/09 09:55
作家 

穂乃果たちが帰った後人事課の者たちは悩んでいた。

担当A 「いやいや今年は不作かな」

担当B 「しかしこの園田海未、南ことりはなかなかのものと聞く」

担当C 「となると高坂穂乃果と浜崎伝助は不採用ですかな」アハハ

担当D 「しかし社長がそろそろお見栄になるのでは。社長の意向もうかがうべきかと」

鈴木 「あ〜、ラクにしたまえ。ん?なにか甘い匂いがするが」

担当A 「あ、先ほど面接にきた……この高坂穂乃果が我々に和菓子を少しお裾分けしまして」

担当B 「本人は賄賂ではないと」

担当C 「社長もおひとついかがですか」

鈴木 「いやいや糖尿の気があるんでね。遠慮する。それで採用するのかね?面接にきた者」

担当D 「社長にお伺いしようかと」ハハハ

鈴木社長は履歴書を見つめた。南ことりは可愛い、園田海未は真面目そうだ。
しかし他のふたりはどうだろう。
なにかピンと来るものがあった。和菓子の匂いはどうかと思いながらも決断した。

鈴木 「世の中なにも頭のいい者や経歴がいいからといって優秀とは限らない。実は間の抜けたおバカぽいヤツが会社の未来を担うかもな。失礼するよ」

そう言い残し鈴木社長は後にした。
人事課の四人は悩んだ。高坂穂乃果と浜崎伝助を採用するか否か。
いや採用しないとまずいかもしれないとやむ無く全員一致で合格の方に移した。
ため息が室内に残った。
翌日以降に全員に合格通知が届いたのは言うまでもなかった。
海未は感激しことりは喜んだ。穂乃果とハマちゃんは釣りをしていた。

穂乃果 「釣れたよ」

ハマちゃん 「お?やるね穂乃果ちゃん。負けてられないよ」

ふたりが合格通知に気づいたのは釣りから帰った後だった。

穂乃果 「ただいま雪穂」

雪穂 「釣りをしてるより他社に面接行きなよ。あ!鈴木建設から来てるよ」

ほんと!?と部屋に入る穂乃果が見たのは合格通知だった。

穂乃果 「わ〜い。今夜は刺し身だね」

雪穂 「つくるのはあたしじゃない」

ハマちゃん 「お願い雪穂ちゃん」

雪穂はため息をついた。
姉の釣り好きもだが面接で知り合ったこのハマちゃんもまた釣り好きだった。

No.4 17/03/09 13:30
作家 

年度が明けて鈴木建設の前にいたのは感無量の園田海未がいた。
やりましたね私、と彼女はふるふる震えて感激していた。
そこに通りかかったのは南ことりだった。

ことり 「あらあなたなにしてしてるの?」

海未 「あ、あなたはあの時の」

ことり 「南ことりだよ。あなたも採用されたんだ。よろしくね」

海未 「こちらこそ。しかしあの高坂穂乃果と浜崎伝助はどうなったのでしょう」

さあ、と首を傾げ入社式を終えてふたりは営業三課に配属されそこには絢瀬絵里、東條希、そして矢澤にこがいるのだった。

海未 「立派な社長さんでした。私もああなりたいです」

ことり 「そう?」

営業三課に入ると、絵里たちが待っていた。

絵里 「よく来てくれたわね。今年度の新入社員!歓迎するわ。私は課長の絢瀬絵里よ」

海未とことりは美人と思った。もちろん自分たちほどではないが。

絵里 「こちらは係長の東條希。ウチのムードメーカー兼宴会係長そして」

希 「ワシワシMAXやで」ワシワシ ワシワシ!

ことうみ 「」キャー

希 「まあひとがいうところのワシワシ担当や」

にこ 「ワシワシ担当てなによ?」

希 「ワシワシはワシワシや」

ふたりは絵里と希を見た。かなりのキャリアを積んでいる先輩社員と思った。

絵里 「続いてウチの次期エースと名高い矢澤にこ」

希 「通称にこっち」

ことうみ 「??」

絵里 「ああ、見えなかったのね。視線を少し下にしてみたら?」

ことうみ 「」↓↓イマシタ!!
にこ 「ちょっと……、気づいてなかったの」

絵里 「あとふたり配属されるはずだけど」

希 「おかしいな」

そこへドタドタと駆けてくるふたりの新入社員がやって来た。

穂乃果 「入社式には間に合わなかったけど新しく営業三課に配属された高坂穂乃果だよ」ドタドタ!

伝助 「同じく浜崎伝助です!!」フミフミ!

にこのぞえり 「ぎゃう!?」

海未 「ふたりとも先輩方を踏んでますよ!!」

ほのハマ 「あ!?すみません」

絵里 「まったく」

希 「ひどい目にあったで」

にこ 「ぬわんなのよ!」

ほのハマ 「やばっ」

どう危機を乗り越える!?

No.5 17/03/09 16:14
作家 

三人の先輩に睨まれ穂乃果とハマちゃんはピンチに陥った。

穂乃果 「あわわコワイよ」

ハマちゃん 「どうするの穂乃果ちゃん!?」

にこのぞえり 「許さないわよ」ニラミ

この時穂乃果はひらめいた!すると懐からあるモノの出して香ばしい匂いを課内に醸し出していた。

海未 「(お魚でしょうか)」

ことり 「(ちがうみたいだよ)」

穂乃果 「お詫びといってはなんですが穂むらの鯛焼きをどうぞ!」

にこのぞえり 「(鯛焼き!?食べたいけど)」

ハマちゃん 「いやいやこれが穂乃果ちゃんの実家の穂むらは和菓子屋なのに小料理屋も営んでおりまして。意外にイケるんですよ」ニコニコ

穂乃果 「どうぞ」ニコッ

にこのぞえり 「じゃあ少しだけ」パクパク

ことうみ 「(食べてますよね!?)」

にこ 「まあこれで勘弁してあげるわ」

希 「だけどあとでワシワシMAXはするで?」

穂乃果 「ワシワシMAXて?」

希 「あとでわかるよ」

ハマちゃん 「まさかボクのムネを鷲掴みにしてワシワシするの!?」

希 「ウチはオトコにはせえへんわ」

絵里 「まあまあ。とにかく高坂穂乃果さんに浜崎伝助さん」

ハマちゃん 「ハマザキではなくハマサキです」

絵里 「HAMASAKI?ハマサキ?」

希 「早くもえりちのポンコツ機能が発動してる」

にこ 「斜め45度のチョップよね?」

希 「70度や」

にこのぞ 「えいっ」チョップ!

絵里 「!?なにすんのよ」ハッ

新入社員の前ということに気づき改めて姿勢を正す。

絵里 「とにかく研修を終えた新入社員はにこの下で現場の営業を見習い会社の成績をあげること。わかった?」

ことうみ 「(なおった!?むかしのテレビみたいなの)」

ほのハマ 「は〜い」

ことうみ 「は、ハイ!!」

こうして鈴木建設での新入社員としての日々が穂乃果、ことり、海未、浜崎伝助に始まった。
しかし穂乃果とハマちゃんは似た者同士で毎日の話題が釣りの話題ばかりだった。

穂乃果 「房総沖に行きたいよ」

ハマちゃん 「今度いこうよ」

ことり 「(そんなにいいのかな)」

聞き耳を立てることりだった。

No.6 17/03/09 18:47
作家 

海未 「(ことりお仕事をしてください)」

ことり 「わかってるよ」

ことりは休みの日にふたりを尾行してみようかと思った。
穂乃果と伝助の仲は羨ましくも思えた。しかしふたりが釣りの最中にとある人物に出会ってしまうのを穂乃果、伝助そしてことりも知らなかった。
日曜日釣りの日。
穂乃果は愚痴りながら竿を立てていた。

穂乃果 「ぷんぷんだよ。ハマちゃん船に乗せてくれるて言ったじゃん」

ハマちゃん 「しかたないだろう。船持ってるヤツが用事なんだとさ」

穂乃果 「川に来ちゃったよ」

ハマちゃん 「川魚もいいじゃん」

調子のいいハマちゃんに穂乃果はオトコはこれだからとぼやく。その様子をことりは見ていた。

ことり 「ことりも釣りがしたいよ……」

その頃、鈴木社長は会社の更なる飛躍のために取引先の商談のために専務や息子と共に車中にいた。

鈴木 「いやね、私がいなくてもなんとかしなさいよ」

専務 「そうおっしゃれられても」

息子 「先方はお父さん、いえ社長とお話がしたいと」

鈴木 「家内と優雅に過ごすはずだったのに」

ところがである。車の調子がおかしくなる運転手は車を止めてしまった。

専務 「おい?どうした」

運転手 「申し訳ありません。エンジンの調子が悪いようでして。ただいま業者に連絡をしますが時間がかかるかと思います」

鈴木 「おいおい、ちょっと悪いが外の空気を吸ってくるわ」

鈴木社長は専務や息子を押しのけながら車の外へ出ていき河川敷を歩いていくのだった。
穂乃果とことりはビールやジュース、つまみを手にしながら釣りを満喫していた。

穂乃果 「釣れた〜♪」

ハマちゃん 「おお!?穂乃果ちゃん腰の使い方がいいね」

穂乃果 「それ下ネタだよ」

ことり 「チュン!?下ネタなんてはじめて聞いたよ!?」

実はことりは理事長である母に厳格に育てられたためほとんど友人と遊ぶことはなかった。
そこへ車を下りて歩いている鈴木社長がやってきて彼は疲れ喉が渇いていた。

鈴木 「あ〜、喉渇いちゃうよ。まいったね」

ことり 「誰か来たよ」

慌て隠れることりは社長の姿に驚いた。

ことり 「社長だよ。ふたりとも社長だよ」

声は届かない。

No.7 17/03/10 05:38
作家 

スーさん 「お!ジュースにビールにつまみがあるんじゃないの?」

釣りをたのしむふたりが置いたジュースやつまみのそばに怪しいおじさんがいることに気づく。

穂乃果 「それ、ほのかの」

スーさん 「じゃあ、こっちは」

ハマちゃん 「そっちはオレの。どうしたのおじさん?」

スーさん 「いやね。財布を忘れちゃってそこのお店でジュースを買おうとしたら買えないのよ」

ふたりは目を合わせてやれやれと思いながらもうんうんと思う。

ハマちゃん 「少しだけならそこにあるの食べていいよ」

穂乃果 「ほのかもだよ」o(T□T)o

スーさん 「ほのかちゃん?ほのかちゃんと言うのかね?表情と言ってることがちがうよ」

穂乃果 「あはは」

鈴木社長がビールやジュース、つまみをつまむのをことりは慌て見ていた。

ことり 「ふたりとも社長に気づかないの!?あ、ふたりとも入社式に遅刻して見てないんだ」

そのことに気づきながらもふたりと鈴木社長の会話は続く。

ハマちゃん 「おじさんはなんか趣味あるの?」

スーさん 「趣味?趣味ねえ。いやねこのかた会社経営ばかりで……」

穂乃果 「会社のエライひと?」

スーさん 「社長なんだけど、いちおう……」

穂乃果 「あたしは高坂穂乃果だよ」

ハマちゃん 「浜崎伝助、ハマちゃんと呼んでよ。名刺忘れちゃったよ」

スーさん 「私は鈴木ともうします」

ほのハマ 「じゃあスーさんだ」

スーさん 「スーさん?私が」

そこへスーさんの携帯が鳴り車の修理が終わり居場所を聞いた。

スーさん 「ああ、じゃあ橋のところで。キミたちの連絡先を教えてくんない?」

穂乃果 「いいよ」

ハマちゃん 「ハイ。お!来たよ、これはきたな」

ふたりと連絡先を交わしスーさんは河川敷を去っていくのをことりは見ていた。

ことり 「し、社長なのに!?もしかしてふたりとも出世するつもりかな」

いやいやと思いながらも実はふたりの営業成績はビリとビリから二位とダントツ下だった。
しかしそれとは別にことりは指をくわえて羨ましく見えふたりが釣りを終えた後に穂むらに向かい隠れるようにちびちびと飲んでいた。

雪穂 「もうあたしにやらせないでよ」

No.8 17/03/10 15:11
作家 

ことりは隅でちびちび飲みながらふたりの様子をうかがっていた。

穂乃果 「ハマちゃんに今日は完敗だ」

ハマちゃん 「乾杯してんじゃん」

穂乃果 「その乾杯じゃなくて負けたの。完敗の方」

あはは、と笑いながら今日の釣りはハマちゃんの方がやたら当たりがついていた。
しかしハマちゃんは思う。穂乃果の実家は和菓子屋で小料理屋も営んでいる。なぜ彼女は釣りを趣味に?と思い聞く。

ハマちゃん 「ところで穂乃果ちゃんはなんで釣りを趣味にしてんの」

雪穂はヤバいと思うが遅かった。穂乃果は杯片手にいい始める。

穂乃果 「聞いてよ。うちは見ての通りの和菓子屋でしょう?小料理屋でしょう?来る日来る日も和菓子ばかり」

ハマちゃん 「うんうん」

穂乃果 「あんこ飽きたからあたしは学生時代にパンに浮気しながら釣りを趣味としてようやくようやく見つけてきたんだよ」シクシク シクシク

ハマちゃん 「な、なるほど……」

パンにも浮気したという表現はいささかわからないが和菓子に苦労した青春を送ったらしかった。
彼女にとっては釣りやパンこそが至福らしかった。

穂乃果 「パンも好きだけど釣りも好き!」

雪穂 「酔ってモノを言わないの。よだれ」

ハマちゃん 「ああ〜、ベトベトだよ」

隅で耳を傾けながらことりは穂乃果に共感もしていた。
これならツンツンしないでデレデレした方が穂乃果とお友だちになれたかもしれないと反省した。ついでにハマちゃんとも。

ハマちゃん 「ぶわっくしょい!!」( ゜д゜)、;'.・

ほのゆき 「キャー」(/≧◇≦\)(/≧◇≦\)

ハマちゃん 「ごめんごめん」

穂乃果 「さかなだらけの顔だよ」

雪穂 「ハマちゃんそんなことだから釣り三昧なのよ」

そういえばハマちゃんから異性の話は聞いたことがないふたりだった。
ことりも当然、会社でもだ。三人はふしぎと同時におもった。

ほのことゆき 「(釣りばかりでモテないんだな)」

しかし月曜日仕事先でハマちゃんに運命的な出会いが待っているのを知らなかった。

ことり 「(浜崎さんモテないと思うのに)」

さりげなくひどい南ことりでもあった。

No.9 17/03/10 20:34
作家 

翌日、先輩社員にこのもとで穂乃果、ことり、海未、ハマちゃんは営業先に挨拶まわりにいくのだった。

にこ 「いくわよ!営業成績三位の宇宙No.1のあたしの力を見せてあげるわ」

海未 「すごいやる気です。見習わないといけません」

穂乃果 「宇宙No.1なのに三位?」

ハマちゃん 「意味わかんないね。こりゃ」

ことり 「仲がいいな。穂乃果ちゃんと浜崎さん」

営業先で挨拶まわりをしながらも海未だけはにこの後をついていきながら穂乃果とハマちゃんは釣りの話題ばかりことりはそれを見ていた。

ことり 「(ここは勇気を出さないとツンツンなことりになっちゃうよ)」

ことり 「ハノケチェン!ハノケチェン!」

穂乃果 「ん?」キョロキョロ

ハマちゃん 「どうかしたの」

穂乃果 「いま誰か呼んだような」

ことり 「穂乃果ちゃん!」

穂乃果 「どうかしたのことりちゃん?」

ことり 「あ、あのね」

海未 「む、穂乃果に浜崎さん。いまは営業先の挨拶まわりの途中です。いつまで釣りの話をしてるんですか。ことりは私の隣にいた方がいいです」

海未に手を引かれにこの背中を見つめる彼女は吐息をつくのだった。
はあ……。

にこ 「ぬわんで!にこの背中を見てため息なのよ!」

ことり 「ご、ごめんなさい!」

しかし穂乃果とハマちゃんの仲は時を増すごとによくなるようだ。
昼食はにこがおごるようだったがここでハマちゃんに運命的な出会いが待っていた。
隣席に座るカップルがなにやら揉めていた。

みち子 「なんでわかってくれないの!あたしは東京でお仕事したいの」

彼 「だからて東京でやることないぜ。悪い男にひっかかるぜ」

にこ 「むしむし」

海未 「悪い男。浜崎さんですかね」

ハマちゃん 「海未ちゃんそれはないぜ。あはは」

穂乃果 「ハマちゃんはいいひとだよ」

ことり 「(こういう場合はどっちかな)」

ことりは迷った。しかし海未が言う。

海未 「このような浜崎さんみたいな釣りばかりしてる男と付き合っては穂乃果みたいになりますよ。ことり」

ことり 「う、うん」

しかしみち子と彼の言い合いは続いていた。

No.10 17/03/12 05:49
作家 

みち子 「とにかくあたしは東京で一旗あげたいのよ」

彼 「あのなお前みたいなのは無理だって。秋田に帰ろうぜ」

みち子 「帰らない」

穂乃果 「けど泊まるところあるの?」

みち子 「ないけど」

ハマちゃん 「泊まるところがないと危ないぜ」

みち子 「さっきからうるさいわね。なんなのよ」

にこ 「むむむ(そこはぬわんなのよなのに)」

海未 「関わらない方が無難です」

ことり 「う、うん」

しかし穂乃果とハマちゃんはとことん関わる。

ハマちゃん 「まあオレのところならいいけど」

みち子 「いきませんよ」

彼 「いかせませんから」

穂乃果 「ほのかは?」

みち子彼 「自分の家に帰りなさい!」

穂乃果 「ひい!?」

みち子 「とにかくあたしは東京に残りますから」

彼 「勝手にしろ。オレは秋田に帰るからな」

彼は支払いを済ますと店を出ていきみち子はひとり残された。

みち子 「ふん」

ハマちゃん 「やれやれ、彼も気が強いがあんたもなかなかだよ。なかなか食いつかないアジみたいなものだな」

みち子 「さっきからうるさいのよ」☆○(゜ο゜)o

ハマちゃん 「ぐはっ」

穂乃果 「ハマちゃ〜ん!?」

海未 「なに三文芝居してるんですか。早く食べなさい」

にこ 「次の営業先にいくわよ」

ほのハマ 「ばくばく!待ってくださいよ」

ことり 「(たのしそうだな)」チラッ

営業を終えて帰りにつく穂乃果とハマちゃんはまたふたりで帰っていくのをことりは羨ましげに見ていた。

ことり 「(いいな)」

海未 「寄り道はいけませんよ。帰りましょう」

しかし海未と別れた後に道を戻り穂むらをのぞくとそこにはなんとあのみち子がいたのだ。

みち子 「あ〜!昼間の和菓子娘と……だれだっけ?」

ハマちゃん 「浜崎伝助!!ハマちゃん!」

みち子 「でしゃばり男!」

ハマちゃん 「仲直りさせようとしただけ。ていうかなんでいるの?」

雪穂 「いくところがないというのでバイトに雇ったの」

穂乃果 「雪穂えらいね」

ことりがのぞいていると扉が後から来た客に開けられ目があった。

ほのこと 「あ」

No.11 17/03/12 15:34
作家 

ハマちゃん 「なんで東京にいんのさみち子さん」

みち子 「気安く呼ばないで」

ハマちゃんとみち子さんが言い合っているそばで穂乃果はことりと一杯交わしていた。

穂乃果 「南さんなんでいたの?のぞき?」

ことり 「ことりは覗いてないよ。それにその南さんというのは」

穂乃果 「ことりちゃん?」

瞬間、彼女の胸にキュン❤したモノが届いた。
キュンキュン……❤
誤魔化すようにビールに手を伸ばし飲み干し一気に口に出した。

ことり 「高坂さん!じゃなくて穂乃果ちゃん!」

穂乃果 「ん?んん?」

ことり 「お友だちになってください!」ギュッ

手を握りまじまじと見つめることりに穂乃果は注目を集めた。

ハマちゃん 「友達になってだって」

みち子 「都会にはいろいろあるのね」

雪穂 「姉貴と友達になりたいの?」

しばし注目を集め沈黙する小料理屋穂むら。
穂乃果が口を開く。

穂乃果 「い、いいよ」

ことり 「ほ、本当!?わ〜い!雪穂ちゃんもう一杯!」

雪穂 「え?いいの。ウチの姉貴。バカ姉貴だよ!釣りくらいしか才能ないんだよ。釣りに付き合わされちゃうよ」

雪穂が注文を聞きながらビールを出しているとことりは胸を張る。

ことり 「釣りをしてみたかったし船くらいならチャーターするよ」

ほのハマ 「ええ〜!?本当」

ことりはなんといっても音ノ木坂学院の理事長のひとり娘である。
船をチャーターもできるが船をいくつか実は持っている。

ハマちゃん 「やったよ!穂乃果ちゃんえらいよ」

穂乃果 「ほのかよりことりちゃんだよ。次のお休みは釣りに行こうね」

ことり 「うん」

こうしてことりは穂乃果ハマちゃんの仲に加わった。
雪穂は姉に友達ができるのは嬉しいが趣味が釣りだからこれから先がたいへんだなと思いやる。
みち子もまた同じ気持ちのようだ。

みち子 「雪穂さんここは釣りバカしか集まらないお店ですか」ヒソヒソ

雪穂 「ちがうけど」

みち子 「しばらくお世話になります。雪穂さん」

雪穂 「はあ」

彼女のため息は穂乃果たちに届かなかった。

No.12 17/03/13 14:40
作家 

翌日、鈴木建設に出勤するなかに穂乃果ハマちゃんそしてことりがいた。

ことり 「へ〜、そうなんだ。でもあたしに釣りができるかな?」

ハマちゃん 「手取り足取り教えるよ」

穂乃果 「ハマちゃんが教えたらことりちゃんがあぶない。あたしが教えるよ」

ぶ〜、とハマちゃんが頬を膨らませていると先を歩いていた海未が彼女たちを見つけた。

海未 「おはようございます南さん」

ことり 「おはよう」

海未 「なぜ?この人たちと一緒にいるんですか。バカが伝染りますよ」

ほのハマ 「誰がバカなの(だ)」

ことり 「あ、あたしは穂乃果ちゃんやハマちゃんさんとお友だちになったの!もう園田さんなんて知らない!いきましょう」

ことりに手を引かれるふたりを見て唖然とする海未であった。
しかし三人の仲は営業三課でも目立っていた。

絵里 「高坂さんと浜崎さんが仲がいいのはけっこうだけど」

希 「なにがあったんやろうね。にこっち」

にこ 「知るわけないでしょう?南さんは成績がいいのに。あんなバカたちと付き合うなんて」

穂乃果とハマちゃんはバカと言われているのに気づかない。が海未はやれやれと思っていた。

海未 「(ふたりがバカなのは仕方ありませんが南さんまでバカにさせるわけにはいけません)」

穂乃果 「よし!日曜日は東京湾だよ」

ハマちゃん 「いやいや房総沖もいいよ」

ことり 「うんうん」

しかし日曜日にスーさんとの出会いが待っているのを三人は知らなかった。そこへスーさんからハマちゃんへ電話がかかってきた。

ハマちゃん 「電話、ちょっと待ってね」

スーさん 『あのね私、鈴木ですけど……』

ハマちゃん 「あ?スーさん?この前ビールとジュースとつまみつまんだ?」

スーさん 『人聞き悪いこと言わないでくださいよ。それで釣りの話なんですけど日曜日かまいませんよ』

ふたりは待ち合わせ場所を決めて穂乃果たちを加えて四人で釣りをすることになるがこれがたいへんなことになるのをふたりはまだ知らない。

ハマちゃん 「じゃあねスーさん」

スーさん 「ハイハイ、ありがとうございます」

穂乃果 「この前のおじさん?」

ハマちゃん 「ああ、釣りに来るんだって」

No.13 17/03/14 12:15
作家 

日曜日、漁港には穂乃果とハマちゃんが先に来ており遅れてことりもやって来た。

ことり 「ごめんなさい。お待たせして」

ハマちゃん 「気を使わなくていいよ。ことりちゃん」

穂乃果 「そうだよ。同僚だし友だちなんだから」

ことり 「それより社ちょ……じゃなくてもうひとりの方は?」

ハマちゃん 「ちょっと遅れるらしいけどちゃんと来るみたいだから」

ヤバいよヤバいよと思いながらもふたりは先日会った人物が鈴木社長と気づかないらしかった。
気づかない穂乃果は聞く。

穂乃果 「それよりことりちゃんの船はどこ。あれかな?それかな?」

ことり 「え〜と、これかな」

イカダ、ユラユラ♪

ハマちゃん 「おお〜!?いまにも沈みそうだよ」

穂乃果 「ていうか沈むよ!溺れるよ!電波少年だよ!!」

ことり 「じ、冗談だよ!これだよこれ」

しかししばらく経って現れたのはふたりの側には巨大な白い壁だけだった。

穂乃果 「どこ?壁しか見えないよ」

ハマちゃん 「そうだよ。どこ」

ことり 「これこれ!これだよ」

壁=超豪華客船コトリ二世号

ほのハマ 「!?」

ハマちゃん 「世界一周するわけじゃないんだから!」

穂乃果 「ほえ……」

ことり 「そ、そうなの。たぶん社長でも持ってるんじゃないかな?」

いや持ってないと思います。というか超豪華客船に乗って釣りしたら鈴木社長は卒倒すると思う。

ことり 「ふう、じゃあこれくらいでいいかな」

超豪華客船が去った後にことりが用意したのは普通の漁船と運転をつとめるおっちゃんだった。普通である。

ほのハマ 「これだよ!これこれ」

ことり 「これでよかったんだ」

安心した三人のもとへようやく鈴木社長ことスーさんが現れた。

スーさん 「いやいや待たせたね。浜崎さんに高坂さん」

ことりはヤバいと思い帽子で顔を隠した。

ハマちゃん 「スーさん。いやいや今回は釣りに来てくれてありがとね」

スーさん 「いやいや私なんぞ誘ってくれてありがとうございます」

穂乃果 「堅苦しいのは抜きだよ」

スーさん 「そちらは」

ことり 「ミナミコトリダヨ」

声で誤魔化す南ことりであった。

No.14 17/03/15 12:38
作家 

四人は沖に出て釣りを始めた。

スーさん 「いやいやハマちゃんよろしく頼むよ」

ハマちゃん 「いやいやよろしく頼まれるよ」

スーさん 「ところでこの船はハマちゃんの?」

ハマちゃん 「ううん、あそこのことりちゃんのだよ」

スーさん 「ことりちゃんか。どこかで聞き覚えあるようなないような」

ハマちゃん 「さあさあ始めようか。今日は何が釣れるかな?」

船の反対側では穂乃果とことりも釣りを始めようとしていた。
しかしエサを撒いたのは構わないが釣り針にエサをつけるにはことりは苦戦をしていた。

ことり 「……こわいよ」

穂乃果 「逃げちゃダメだ逃げちゃダメだよ、ことりちゃん」

ことり 「それエヴァだよね。もう……」

ブツブツ言いながらもエサを何とかつけて竿を投げた!
しかしアクシデントが起きるのもお約束なのが釣りなのだ!(゜)#))<<

ハマちゃん 「いたい!誰だよ!俺を釣ってるのは」

ことり 「!?ピイッ!ご、ゴメンなさい!」

穂乃果 「おお!?ハマちゃんが釣れるとは。……フツウ」

ハマちゃん 「フツウじゃないよ!釣り名人だよ」

ハマちゃんから釣り針を外して事なきを得たがお約束はまだ続く。

スーさん 「いたい!いたい!」

ことり 「ピイッ?ご、ゴメンなさい!」

ハマちゃん 「スーさんを釣るなんて大物か」

穂乃果 「ほ、ほのかもスーさん釣っていい?」

スーさん 「あたしゃフグじゃないよ!勘弁して」

いちおうは社長らしくさりげなくいい魚を出すスーさんにみな笑う。
しかしまだ正体を知らないから笑える穂乃果とハマちゃんだった。
最初に当たりだったのは初心者のことりだ。

ことり 「き、来たよ!?力が強いよ」

穂乃果 「よし!手伝うよ」

スーさん 「これはこれは」

負けられないスーさんである。ハマちゃんは穂乃果とことりを優しく見つめていた。
ことりが釣れたのは!?

穂乃果 「こ、これは!」

ことり 「……イカだよね」

ハマちゃん 「うん、イカ。イカだね」

海から出てきたのは純白に輝く烏賊であった。
しょっぱなから魚でないことに軽くみな笑いが乾いていた。

穂乃果 「刺身だね」

No.15 17/03/15 15:21
作家 

穂乃果 「よし!やるよ!」

ハマちゃん 「お〜」

スーさん 「やる気だね」

ことり 「し、社長より先に釣っちゃったよ」オロオロ

イカとはいえ先に釣ったことに喜んでいいのか焦っていいのかわからないことりだった。
ヤバイよねヤバイよね。
しかし社長と知らない穂乃果たちは能天気だった。

ハマちゃん 「来たよ来たよ!!」

穂乃果 「来たよ来たよ!ほのかも来たよ」

ふたりともあたりが来たらしかった。スーさんは羨ましそうに見ている。
ことりはこれが両津勘吉ならどんなセコい手段を使ってでも媚びを売るが気づかない穂乃果たちはそんなことはしないのだった。むしろ釣りそのものをたのしむのだった。

穂乃果 「来たよ!えい」ビチャ!

スーさん 「!?」

ハマちゃん 「こっちも釣れたぜ!!」ビチャ!

スーさん 「!?」(/≧◇≦\)

ほのハマ 「あ」

ことり 「ヤバイよヤバイよ」アセアセ

ほのハマ 「ごめんなさいスーさん」アハハ

スーさんにイカとタコがくっつくのだった。

スーさん 「いやね。いやね。いいのよ……。こういうこともあるのよね釣りは」

今日はイカとタコしか釣れないのだろうか。
穂乃果、ハマちゃんは釣り糸を眺めていた。ことりは鈴木社長が気を悪くしないか内心ドキドキだった。
こんなのは母親であるおやどり理事長を幼い頃に怒らせた時以来の心臓ドキドキ状態だった。

ことり 「(スリルありすぎだよ)」

スーさん 「え〜と南さん釣れてる?」

ことり 「ピイッ!?い、いえまだ」

船のおっさんが先ほど釣ったイカやタコを刺身にして出してくれた。

おっさん 「まあまあつまみながらゆっくりやんなよ。お嬢様」

スーさん 「お嬢様?南さんが」

ことり 「う、うん」

穂乃果 「あのねスーさんが来る前に港に豪華客船が……」

ことり 「ほのかちゃん?あ〜ん」

穂乃果 「美味しい」

ハマちゃん 「スーさんが来る前に港に豪華客船がね……」

ことり 「ハマちゃんさんあ〜ん!」

ハマちゃん 「美味だね!海のものは!グッジョブ!」

しっかりことりにごまかされるふたりであった。

No.16 17/03/16 09:09
作家 

それでも釣りを終える頃にはスーさんはビギナーズラックとはいえそこそこ釣れハマちゃんはいささか調子が悪く穂乃果は釣れても釣れなくても楽しく過ごした。
スーさんもまた久しぶりに肩の力を抜いて楽しんだようだった。

スーさん 「いやいや釣れたね」

ハマちゃん 「これから穂むらで一杯やってく?」

スーさん 「穂むら?」

穂乃果 「ほのかの妹の雪穂とみち子さんがやってる小料理屋だよ」

ことり 「うんうん(でいいんだよね?)」

あまりしゃべるといまの雰囲気を壊しそうなのでことりはうなずくだけにした。

スーさん 「ならおじゃましちゃおうかな」

四人は船のおっちゃんに礼を言い港を後にして穂むらに向かった。

ハマちゃん 「ただいま〜♪」

みち子 「いらっしゃませ。てあんたのウチじゃないし」( ̄З ̄)

穂乃果 「今日はイカやタコ、あとたいしたのがなかったよ」

雪穂 「やれやれ。今日はおやすみなのに」

穂乃果 「料理して♪雪穂にみち子さん」ウルウル

うるうるする穂乃果にふたりはやむなく料理しながらビールを二、三本出す。

雪穂 「ほい姉貴」

穂乃果 「まあまあ雪穂もあとで一杯やろう」

ハマちゃん 「みち子さんも」

ムッとしながらみち子は黙々と料理しながら出してゆくが見慣れないスーさんの姿に気づく。

みち子 「そちらのお客さんは見かけない方ですね」

ハマちゃん 「スーさん、なんでも会社の社長なんだって」

ことりはビールを口から吹き出し穂乃果とハマちゃんにダイレクトに当たった!

ほのハマ 「うわぁ!?」(/≧◇≦\)(/≧◇≦\)

スーさん 「あらあら。南さん酔っちゃったかな」フキフキ

ことり 「ち、ちょっとびっくりしちゃって」フキフキ

ふたりは顔を拭かれながらきょとんとし呆れるがことりのおかしな様子には気づくわけがない。

ことり 「ご、ゴメンなさい」

謝りながらことりの心臓は船上にいる時よりも動悸が激しかった。

穂乃果 「あらためて乾杯しよう」

ハマちゃん 「だね。スーさんとことりちゃんとついでにみち子さん」

みち子 「ついでですか」

六人はテーブルを囲み乾杯した。

No.17 17/03/16 14:49
作家 

ことり 「あたまいたい……」

穂乃果 「オッハヨー!ことりちゃん」

ことり 「お、おはよう……」

穂乃果 「どうかしたの?」

ことり 「二日酔いはじめてしちゃった……」

ハマちゃん 「あらあら飲みすぎちゃったか。まあこれも経験だね」

前を歩く海未は三人の会話に耳を傾けながらどうやらことりがふたりと友達になったらしいことを察した。
営業三課に入るとほのハマコンビが明るい挨拶をした。

ほのハマ 「やあやあ!みなさんおはよう」

絵里 「はい、おはよう。営業三課の成績最下位コンビ」ニラミ

希 「オハヨーサン」

にこ 「また釣りに行ってたのね」

ほのハマ 「ハッハッハ」

意味なく胸を張るふたりに海未が嫌みたらしく言う。

海未 「生活のために魚を釣るのはわかりますが道楽のために魚を釣ったり食するのは納得いきませんね」

そこへ社長から絵里に電話がかかり彼女は頷く。

絵里 「はい、営業三課。社長!」

のぞにこ 「!?」

絵里 「ハイハイ、え〜と新入社員の営業成績上位のふたりを連れてくるように……わかりました」

希 「なんやって?」

絵里 「かくかくしかじか」

にこ 「ならあたしも同行した方がいいわね」

先輩社員として威厳を見せるがどうみてもちびっこ営業社員にしか見えないにこだが、絵里と共ににこも同行した。

絵里 「失礼します」

にこ 「ふふん」

海未 「社長にほめられますかね」

ことり 「(二日酔いなのに……)」

スーさん 「入りたまえ」

社長室に入った途端にことりは二日酔いから醒めるように目をパチクリさせた!
スーさん、やっぱり社長だったよ!?ピィピィ!

スーさん 「絢瀬くんいつも営業三課をまとめてくれて礼を言うよ」

絵里 「はい」

スーさん 「矢澤くん?なんでいるんだね」

にこ 「にこにこに〜♪」

空気の流れが一瞬止まったがスーさんは海未の営業成績を見て誉めた。

スーさん 「園田くん新入社員のわりにキミは頑張ってくれてるね」

海未 「ありがとうございます」

そしてことりに目をやりふたりとも互いに一瞬静止した。

ことスー 「!?」

No.18 17/03/16 19:11
作家 

スーさん 「南ことりさん、だよね?」

ことり 「コココココトリダヨ!」

ことりのすっとんきょうな声にスーさんも絵里たちもコケた。

スーさん 「え、え……と日曜に釣りに同行したことりさん?」ヒソヒソ

ことり 「そ、そうだよ」ヒソヒソ

絵里 「なにを話しているのかしら」

にこ 「知るわけないでしょう」

スーさん 「あ〜、キミたちは帰っていいよ。南ことりさんだけ残ってね」

うみにこえり 「はい」

不承不承に三人が社長室から退出したのを見届けてからスーさんはことりをソファに座らせた。

スーさん 「ウチの会社の社員だったの」

ことり 「う、うん。社長さんゴメンなさい。いま二日酔いで……」

スーさん 「ああ、待ってね。いま秘書にお冷やを持ってこさせるから」

秘書がお冷やを持ってきたことにちいさく頭を下げながら彼女は酔いを醒ましはじめた。
ことりの様子をうかがいながらスーさんは話し始めた。

スーさん 「いや本当にウチの社員だったんだね」

ことり 「あ、あの」

スーさん 「ん?なに」

ことり 「いえ、なんでもないです」

スーさん 「南…南ことり……あ!」

スーさんの声にびくっとなることりだがスーさんはあることを話し始める。

スーさん 「音ノ木坂学院のおやどり理事長の!?」

ことり 「ん?」

スーさん 「いやいやむかし音ノ木坂学院を建てたのウチの会社なんだよ。たしかその縁でおやどりさんと親戚になったかな。アハハ」

ことりは二日酔いがまたまた頭に回ってきた感じがした。
その日、家に帰り家系図を見たら鈴木家と南家が遠縁の親戚とわかるのだった。

スーさん 「だいじょうぶ?休んでいく」

ことりは愛想笑いで誤魔化しながらも穂乃果とハマちゃんが同じ課にいることはいまは黙っていた方がいい気がした。
ふらふらしながらことりは三課に戻ってきた。

希 「釣りか。そんなにたのしいん?」

穂乃果 「たっのしいよ♪」

ハマちゃん 「のんたん先輩もやってみた方がいいよ」

希 「のんたん?ウチが」

可愛らしいあだ名をつけられたことに希は腰をくねらせムネが揺れていた。

にこ 「ふぐみたいね」

希 「にこっち」

No.19 17/03/16 19:42
作家 

にこ 「ほ、ほら!仕事にいくわよ!園田に南に高坂に浜崎!」

海未 「はい」

ことり 「う、う〜ん」

穂乃果 「ことりちゃんは具合悪そうだから希ちゃん先輩がみてあげてよ。おねがい♪」

希 「ウチが?おねがいされちゃった!」

絵里 「こら希。まあ仕方ないか」

にこ 「部下を甘やかしてどうするのよ」

ハマちゃん 「絢瀬課長がサカナならすぐにエサにかかるよ」

むっとしながらもにこを前に海未、穂乃果、ハマちゃんは営業に出かけた。
ことりは希の膝の上に頭を乗せて二日酔いをゆっくり治したのだった。

ことり 「(社長さんがスーさんなのは言えないよね……)ムニャムニャ」

希 「どんな夢をみてるんや?」

絵里 「さあ」

穂乃果とハマちゃんはなかなか営業成績が上がらない日々が続いていた。
しかしふたりはめげなかったのだ。

穂乃果 「どうにか挽回しないと!」

ハマちゃん 「釣りはできる俺たちなのにね」

海未 「ふん」

ハマちゃん 「園田さんが怒った目でこっちをみてるよ」

穂乃果 「コワイね」

コワイと海未は言われ慌てコンパクトで表情を確かめる海未だった。
ことりは思う。
自分の営業成績をふたりに分けてあげたら少しは風当たりもよくなるのではと考えていた時だ。ハマちゃんの電話が鳴った。

ハマちゃん 「もしもし?あ!スーさん」

ことり 「!?」

穂乃果 「スーさんなの」

ハマちゃん 「え?日曜に釣り。場所は○○川いいね。じゃ穂乃果ちゃんとことりちゃんも決定で」

穂乃果 「ほのかはいいよ」

ことり 「こ、ことりもいい……かな」

海未はそばで聞こえる会話に聞き耳を立てていた。社長の耳にサボる社員がいたら真っ先に解雇ですよと思うのであった。
しかし海未は知らない。釣りの相手が鈴木社長なのだ。
なにも知らないふたりはいつスーさんの正体を知るのか。

穂乃果 「川魚か」

ハマちゃん 「じゃあねスーさん」

ことり 「(ふたりが心配だからついていかないとね)」

ハマちゃんと穂乃果はいちおう仕事はがんばっているのだ。
実は最近の取引先が○○川のそばに住んでいるのあった。

No.20 17/03/17 10:45
作家 

にこに連れられやって来たのは某県の山にある亜宮津さん宅。

にこ 「この土地を買い上げれば来るべき高速道路計画に我が鈴木建設が一枚も二枚も噛めるのよ」

穂乃果 「このスルメ堅いよ」

ハマちゃん 「そうかい?ほのかちゃん歯が弱いんじゃない」

にこ 「こら!お仕事に来たのでしょう。遠足か」

亜宮津宅に穂乃果とハマちゃんを連れてにこは交渉を始める。

にこ 「これくらいでお宅を売ってはいただけないでしょうか」ペコリ ニコニコ

亜宮津 「ふざけるな!親からもらった土地だぞ。かんたんにやれるか」

ほのハマ 「」キョロキョロ

にこ 「なにやってんのよ!あんたたちも手伝いなさい」

穂乃果 「あれ?魚拓じゃない」

ハマちゃん 「うん。たしかに。亜宮津さんでしたかな」

亜宮津 「なんだい」

ハマちゃん 「あんた釣りをやるのかい」

亜宮津 「ああ、やるよ。そこの川でちいさい頃から親父やおふくろに連れられてやったもんだよ」

穂乃果 「ほえ。見てみたい」

にこ 「釣りしに来たわけじゃないわよ」

ハマちゃん 「ご案内おねがいできますかね」

亜宮津 「まあしてやらんこともないが。待っとれ」

亜宮津は釣竿を四本持ってにこたちを川に案内し三本の釣竿を分けた。

穂乃果 「こ、これは!?」

ハマちゃん 「なんですと」

にこ 「な、なによ」

穂乃果 「釣竿だ」

ハマちゃん 「しかし使い込まれてる」

にこ 「」コケッ!

危うくにこは川に落ちそうになった。

亜宮津 「釣りはすんのかい。和菓子」

穂乃果 「ほのか!なぜ和菓子?」

亜宮津 「匂いだよ。それにそっちのは?」

ハマちゃん 「ハマちゃんと呼んで」

ぬわんなの、と思いながらもにこは釣竿を垂らした。
そんなことが営業先であったのが数日前のことである。

No.21 17/03/17 14:55
作家 

しかし亜宮津家にも事情があったのだ。

亜宮津 「またお前たちか」

亜宮津娘姉 「お父さん、いいかげん土地を売りなよ。こんな山の中だよ」

亜宮津妹 「そうそう。高速道路が通るんでしょう」

亜宮津 「売らねえ!売らねえたら売らねえ!!ここは息子の兄太郎に渡すて昔から渡すんだ」


亜宮津姉妹 「むすっ」

こんな事情が亜宮津家にあったのだ。
しかしハマちゃんと穂乃果は聞いてしまった。

穂乃果 「よわったね。これは。聞いちゃいけないものを聞いたよ」

ハマちゃん 「兄太郎くんと会えたらな」

そこへ偶然兄太郎が実家に戻ってきてばったり。

兄太郎 「あ?あなた方は?」

穂乃果 「ほのかだよ。高坂穂乃果、鈴木建設の」

ハマちゃん 「同じく浜崎伝助。わたしゃハマちゃんと呼んで」

兄太郎 「はい?」

目を丸くする彼を伴い村の下にある喫茶店でふたりは事情を聞いた。

穂乃果 「ラーメン屋さんやってるの」

ハマちゃん 「中華料理屋と言うの!穂乃果ちゃん 」

兄太郎 「いやいやしがない店なのでようやく軌道に乗ったいうところでして」

穂乃果 「それで兄太郎くんはなぜ亜宮津さんに?」

兄太郎 「実は店が軌道に乗ったので父の世話を私がしようかと」

穂乃果 「うるうる」(T-T)

ハマちゃん 「!?ほのかちゃんなんで泣くの」

穂乃果 「ほ、ほのか釣りばかりでお父さんお母さんの面倒を雪穂にばかり」ワーン

泣く穂乃果をなだめるハマちゃんであった。

ハマちゃん 「よしよし。ん?あの土地は……?」

兄太郎 「父は私にむかしから“お前に土地をくれてやる”と言ってましてね」

ほのハマ 「ほお」

兄太郎くんを帰しながらふたりはどうするべきかとないあたまを働かせた。が、いいアイデアが浮かぶわけはなかった。

穂乃果 「会社としては土地を売ってほしいけど」

ハマちゃん 「いまの話を聞いた後では気が引けるよ」

ふたりが頼んだコーヒーや紅茶はさめていた。

ほのハマ 「はあ」

No.22 17/03/17 15:13
作家 

翌日、穂乃果とハマちゃんは唸りを営業三課であげていた。

ほのハマ 「う〜んう〜ん」(--;)(--;)

海未 「釣りバカコンビは便秘ですか」

にこ 「失礼よ園田さん」

希 「そやで。にこっちは入社以来、身長は1ミリも伸びんことに比べたら便秘なんて」

にこ 「あたしの身長と便秘を同じ扱いをしない。それより亜宮津家の土地建物を」

絵里 「にこ。できるの?」

にこ 「やるわよ」

ほのハマ 「ダメだよ!!」

ふたりが一斉に声に上げたことに課内のみんなが顔を上げた。

ことり 「穂乃果ちゃん?ハマちゃんさん?」

ほのハマ 「アハハ、……ハア」

ふたりが揃って顔を上げたり肩を落としたりして三課では注目されていた。しかしにこはなんとしても亜宮津に土地を売ってほしかった。

にこ 「この矢澤にこにおまかせを。絵里課長」

絵里 「(なぜかにこに言われると悪役になるぽいんだけど。認めたくないけど認められないわ)」

希 「(えりちは日本語が相変わらずおかしい)」

しかし落ち込んでいてもふたりは釣りに行きことりと事情を知らないスーさんはついてきた。

ほのハマ 「はあ」

ことり 「あのふたりどうしちゃったの」

スーさん 「うん」

ほのハマ 「はあ」

スーさん 「ため息をやめてよ!サカナ逃げちゃうから」

穂乃果 「平社員の気持ちなんてわからないよ」

ハマちゃん 「そうですよ。営業と私情にボクたちはいま挟まれ悩んでるんだから」

スーさん 「ん?」

ことり 「悩みなら聞くよ?」

ことりの可愛らしい顔にふたりは顔を見合わせながら釣りが終わった後に話すことにした。

No.23 17/03/19 10:59
作家 

ことりとスーさんは穂むらで話を聞いて意見した。

スーさん 「あたしゃなら営業成績を取るよ。若い頃はそうやって会社を大きくしたさ」

穂乃果 「でも親からいただいた土地や家だよ?」

ハマちゃん 「親のこころ子しらずだと人情さえないよ」

杯を手にしながらハマちゃんはめずらしく嘆くような顔をした。スーさんやことりも言うことはわからなくはない。

スーさん 「だけどふたりとも成績はよくないんでしょう?いいのかなそれで」

ことり 「(社長さんの言うこともわかるし穂乃果ちゃんたちの言うこともわかるよ)」

雪穂 「実家をあたしにやらせといて会社に入ったくせに」

穂乃果 「悪いと思うよ雪穂」

ハマちゃん 「どうしたものかこうしたものか」

みち子 「営業に向いてないんじゃないのあんたたち」

ほのハマ 「う〜ん、そうかも」

雪穂とみち子の料理した魚やタコ、イカを食しながらも一日は終わる。
翌日、意気盛んに再びにこに連れられ亜宮津家を訪れるのだった。

亜宮津 「よう来なすなったな」

にこ 「ここの土地や家を売れば悪いことはないんだから」

ほのハマ 「(建設会社というよりちいさな地上げ屋みたい)」

背中からちいさく笑いがこぼれるのをにこを気にしたがいまは仕事の話が先だ。

にこ 「書類にサインしたら悪いようにしないわ」

ほのハマ 「(矢澤先輩が言うと子どもが言ってるみたいだよ)」

にこ 「さっきからうるさいわよ!あんたたち!」

ほのハマ 「す、すみません」

ふたりが怒られるのを見ながら亜宮津は娘たちが見守るなかサインをした。
しかしである。

にこ 「やった!」

亜宮津 「待った!この書類は鈴木建設じゃねえ!釣りを愛する穂乃果ちゃんとハマちゃんに渡す!」

ほのハマ 「え」

亜宮津娘姉 「ち、ちょっとお父さん?」

亜宮津娘妹 「せっかくまるくおさまってるのに」

ほのハマ 「うんうん」

にこ 「ぬわんなのよ?」

にこの叫びが亜宮津家に響くなか亜宮津の息子兄が聞いていた。

No.24 17/03/19 15:23
作家 

兄太郎 「親父のことは心配するな!俺が面倒を見るから」

ほのハマ 「兄太郎くん!?」

亜宮津 「なにを言ってやがる!俺はひとりで生きれる!」

兄太郎 「意地をはんなよ親父」

亜宮津娘姉 「そうよ。お父さん(これで財産たんまり)」

亜宮津娘妹 「うんうん(財産山分け)」

にこ 「そうしなさい。亜宮津さん(よっしゃ!営業成績また上がるわ)」

穂乃果 「ヨッシャ!エイギョウセイセキマタアガルワ?」

にこ 「ぬわに他人の心を読んでんのよ」(゜o゜)\(-_-)

穂乃果 「つい!?」(/≧◇≦\)

ハマちゃん 「コホン、亜宮津さんそれでいいのですか」

社員としてではなく男としててハマちゃんは亜宮津さんを見つめた。
亜宮津は答える。

亜宮津 「ええ」

穂乃果 「ということはあの魚拓はほのかの!」

ハマちゃん 「こら」(゜o゜)\(-_-)

穂乃果 「また叩かれたたよ」(/≧◇≦\)

なんだかんだで初めて営業成績を上げたハマちゃんと穂乃果であった。
その日は営業三課で遅い歓迎会とふたりのお祝いが開かれた。
場所は穂むらではなく別の居酒屋。

営業三課全員 「かんぱ〜い♪」(^_^)/□☆□\(^_^)

絵里 「よくやったわ。にこに高坂さんに浜崎さん」

ハマちゃん 「ハマサキ!ハマサキです!映画は西田敏行!アニメは山寺宏一!テレ東版は浜田岳ですから」

穂乃果 「おお……」

ことり 「なにを感心してるの穂乃果ちゃん?」

穂乃果 「ほのかも新田恵美さん以外の分身がほしいよ!」

営業三課全員 「なんの主張よ!」

希 「まあまあ」

にこ 「ふん」

絵里 「よくやったわ。高坂さんに浜崎さん、釣りが役に立ったのかしら?」

ほのハマ 「ちょっと微妙かな」

微妙と口にしながら複雑な表情をするふたりであった。釣りでたしかに亜宮津さんと知り合えたが土地や家を奪ったような気持ちが良心としてあった。

海未 「甘いですね」

少しばかり水を差す海未であった。
穂乃果とハマちゃんはハアと吐息はあったがこの日の食事は美味しくも思えた。

ことり 「まあまあ一杯」

希 「まあまあワシワシ!」

ほのハマ 「キャー!?」

No.25 17/03/20 18:00
作家 

絵里 「希!ワシワシはよしなさいと言ったでしょう」

希 「まあまあウチの趣味兼ストレス解消や」

絵里 「ムッ。とにかくワシワシは禁止」

希 「うるうる」

にこ 「いいざまね希」

しかしこの後の絵里の言葉ににこはショックを受けるのだった。

絵里 「ワシワシしたいならにこにしなさい!万年三位なのよ!」

にこ 「コラ」

希 「え〜?にこっち。クルマの隙間をいけしゃあしゃあと通れるくらいのちいちゃなちいちゃなおムネのにこっちのムネをワシワシ?」( ̄З ̄)

にこ 「なんて言いぐさなの」

希はからっと言う。

希 「しゃあないな。え〜よ」(^○^)

にこ 「まてまて!なにその妥協案は」

絵里 「いい?これは課長命令よ。ワシワシされるのは万年三位のにこと営業成績最下位と二位の社員にはワシワシをしていいことにするわ」エリーチカ エライ!

ほのハマにこ 「やばっ」

海未 「しっかりするのですよ。矢澤先輩に最下位コンビの高坂さんと浜崎さん」

ことり 「(あたしの営業成績を分けてあげるようにしようかな)」

希 「ワシワシMAXや!」ワシワシ ワシワシ ワシワシ!!

ほのハマにこ 「キャーッ」

こうしてなんだかんだで営業成績をおさめた穂乃果とハマちゃんであったがいまだにスーさんの正体を知らないままであった。
次回、スーさんの正体知った穂乃果とハマちゃんはどうする!?
ことりもどうする!
いまだに物語に関わらない園田海未!出番が減るのか!?
営業三課と釣りバカたちの明日はどっちだ!
ハマちゃんとみち子さんの今後の展開は!

みち子 「はい?なんであたしがあんなのと恋愛関係になるのよ!」

雪穂 「でも男女の関係はわからないから」

みち子 「」

ハマちゃん 「みち子さんは西田敏行、山寺宏一、浜田岳のだれがいい?」

みち子 「選択肢せまっ!」

穂乃果 「ほのかも負けないよ!」

No.26 17/03/23 06:10
作家 

今朝も今朝とて穂乃果とハマちゃん、スーさんは釣りをしていた。
ことりは来ていなかった。

穂乃果 「おお〜!?釣れる釣れる」

ハマちゃん 「穂乃果ちゃんやるね」

スーさん 「釣れないよハマちゃん穂乃果ちゃん」

しかしスーさんはなぜか釣れなかった。穂乃果とハマちゃんはこの前の営業成績を上げたことで機嫌がよかった。

スーさん 「ふたりとも機嫌がよすぎだよ」

ほのハマ 「そ〜かな♪♪」

スーさん 「あんたら兄妹か姉弟か」

キョトンとしながらふたりは見つめあうが爆笑する。

ほのハマ 「アハハ、ないない!」

スーさん 「あ、もう時間だ。会社に行かないと」

時計を見ると出勤時刻が迫っているのに気づきスーさんは身支度をする。穂乃果とハマちゃんもである。

ハマちゃん 「ああ、せっかく釣れてんのに。なんで仕事あんのよ」

穂乃果 「おサカナさん逃げちゃうよ」

スーさん 「川や海も逃げないから安心だよ。ふたりとも私のクルマに乗っていく?待たしてあるんだけど」

ほのハマ 「クルマ?」

ハマちゃん 「いやいや悪いよ。スーさん」

穂乃果 「あたしたちはあたしたちで遅刻していくから」

スーさん 「遅刻しちゃマズイでしょう」

穂乃果 「そうだけど。スーさんバイバイ」

ハマちゃん 「またねスーさん」

スーさんはやむなくクルマのもとに向かいふたりに手を振るのだった。
その様子をことりは物陰からストーキングもといのぞきをしていた。

ことり 「今日もセーフだったよ」

スーさんが社長とふたりに知れたらいまの関係性が危うくなるのを彼女は危惧しているのだ。
ふたりもようやくスーツに着替えクーラーボックスを持ちながら場を離れようとした時だ。
穂乃果はことりに気づいた。

穂乃果 「ことりちゃん?」

ことり 「ワタシ?ワタシハコトリデハアリマセン」

ハマちゃん 「いやいやことりちゃんでしょう?」

ことり 「ピイッ?」

ほのハマ 「ハイハイ、仕事にいくよ」

ふたりに手をひかれながら鈴木建設に向かうことりだった。
しっかり気づかれてるのだった。

ことり 「(社長は気づかれないのになんであたしは気づかれるの!?)」

No.27 17/03/24 07:20
作家 

鈴木建設に最初に着いたのは当然スーさん。
エレベーターに乗りそれに気づいたのは海未だった。

海未 「社長おはようございます」オジギ

スーさん 「ハイ、おはようございます」

エレベーターの扉が閉まる直前に駆け込んできたのは穂乃果、ことり、ハマのちゃんだった。

穂乃果 「待って待って」

ことり 「セーフ……!?(社長だよ!?)」クルリ!ヤバイヨ ヤバイヨ

ハマちゃん 「いやいや朝釣りはサイコーだね」

スーさん 「!?(ハマちゃんに穂乃果ちゃんにことりちゃん!)」

ウチの社員だったのかと気づくスーさんをよそに朝から釣りをしていた穂乃果たちに目を向ける海未は文句を言う。

海未 「朝からさかな臭いですよ。高坂さんに浜崎さん。ことりはまあにおいませんが」ブツブツ

穂乃果 「え……と園田さん」

海未 「園田海未です」

ハマちゃん 「営業成績が新入社員で上位の」

海未 「園田海未です。だいたいあなた方はそばに社長が……」

ことり 「ハアクション!!」(>ω<)/。・゜゜・

海未 「な、なにをするんですか!?」

スーさん 「(南さんわたしをかばったのかな?)」

そこへエレベーターが営業三課のあるフロアに到着する。

ことり 「ごめんなさい!」

穂乃果 「怒らない怒らない」

ハマちゃん 「今日も元気だ釣りバカ営業三課!」

絵里 「誰がバカよ」

希 「そやで!えりちはポンコツや!」

にこ 「さわがしいのが来たわね」

海未 「す、すみません社長」オジギ

エレベーターを三人の後に出た海未はうんざりしながら向かう。
スーさんは穂乃果たちが自分に気づかないのがよかったのか悪かったのか。そもそもことりはともかくなぜあんなのがウチの会社にいるのか。
あとで人事課をたずねてみようと思うスーさんである。

スーさん 「あれは西田敏行ではないんだよな」

ハマちゃん 「ぶあくっしょん!!」

ほのこと 「キャー」(/≧◇≦\)(/≧◇≦\)

風のウワサは営業三課まで飛ぶのあった。

ほのこと 「てへへ」フキフキ フキフキ

海未 「お仕事をしてください」

相変わらず海未は怒っていた。

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