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花火13

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作家
16/03/05 02:15(更新日時)

新幹線から見える景色が、田園風景から、
大都会に徐々に変わっていくのを見て、俺の中で、漠然とした不安感と、漠然とした高揚感とが、ぐちゃぐちゃに混ざりあってなんとも不思議な気分になってきた。

普通にプライベートで旅行に行くのとは明らかに違う。例えるとしたら、地方から都会に出稼ぎにいく感じ。

俺が、そんなことを考えているのに、となりの席の柳之助は、すっかり寝ているようだ。

しばらくすると、車窓の景色が単調だったからか、俺にもだんだんと、眠気が襲ってきた。どれくらいの間、ウトウトとしていたのか分からないが、遠くで車内アナウンスが聞こえた。すると、

「おいっ。起きろ!圭介。そろそろ、東京だってよ。降りる準備をするぞ。」

と、柳之助に俺は、肩を揺すって起こされた。そうかと思い、窓の外を見ると確かに、地元とは全く異なる景色が広がっていた。俺は、急に身震いがして身の引き締まる思いがした。

俺と柳之助は、新幹線がホームに入り停車すると、新幹線を降り、改札を通り抜け、
駅の構内を歩いた。

「圭介。駅の西口を出たところで待ち合わせをしているから、俺の友人の薬剤師やっている藤倉颯太とさ。会ったら紹介するから。」

俺は、分かったと答えると、田舎者のように辺りをキョロキョロと見回しながら、柳之助の後をついていった。
地元とは、何もかもがえらい違いだった。
人口もそうだし、あらゆる物の時間軸が違うような気がする。

ただ、こうして立って歩いていても、得たいの知れない、巨大な何かに飲み込まれそうな気がした。

少しすると、俺と柳之助の前に、ちょっとだけ裕太と似ている男が現れた。やっぱり、薬剤師やっているからか、研修医の裕太と雰囲気が同じだった。

「はじめまして。柳之助くんの友人の藤倉颯太です。今から、僕のマンションに案内しますね。」

俺と柳之助は、この藤倉さんと合流すると、地下鉄と徒歩で移動し、彼のマンションに行った。3人で移動していると、まるで、俺と柳之助と裕太といる錯覚に陥ってくる。似ている、どこか似ている。

「付きました。ここです。二人とも、このマンションの名前を覚えておいて下さいね!ここ、ウインターマウンテンですから。コンビニの近くですよ。では、入ります。」

俺と柳之助は、彼の後に続いて入った。
彼の部屋は広く、クローゼット代わりにしていた部屋が、俺と柳之助の部屋になるみたいだ。ありがたい。

「挨拶が遅れてすみません。はじめまして。長谷川圭介と申します。どうか、よろしくお願いいたします。」

「こちらこそ、よろしくお願いいたします。」

この日の夜、俺と柳之助と颯太さんと、3人で外でご飯を食べた。
その時、俺と柳之助ともう一人、柳之助の従兄弟である裕太と3人で、昔、バンドを組んでいたことと、東京で自分たちの音楽をやっていきたいということを話しをした。

「ねぇ。僕に一回、そのデモテープを聴かせてよ!一度は聴いてみたい。それと、応援するね!」

俺は、なんだか嬉しかった。

もう、東京の生活に慣れて、1日でも早く夢が現実のものとなるように、今後は、前進あるのみだ。

No.2309013 16/03/05 02:15(スレ作成日時)

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