注目の話題
親が会社に挨拶、、
高熱だと知り長時間放置
がんばっても何も言ってもらえない会社

あの時、違う道を選んでいたら…

レス440 HIT数 105728 あ+ あ-

りんご( ♀ UNyGh )
14/04/06 07:56(更新日時)


高校を卒業して20年…

久しぶりの同窓会

『変わらないね~‼』
『キレイになったね‼』

キャーキャーワイワイ大騒ぎ

そう、高校を卒業して何十年たっても…

一瞬で当時にタイムスリップしたかのような同級生達

高校は女子校だった

20年もたつと、ほぼ結婚していた

と言うか、、
30代後半で独身の女子の同窓会参加は女子校ではないのかもしれない…

それでもクラスの半数以上は参加していた

もちろん卒業してから疎遠になってた仲良しグループだった仲間は連絡取り合い全員参加していた

卒業して数年は連絡も取り合い、年に何回かは集まっていたが…

結婚して、子供が生まれた頃からは段々と集まる機会もなくなり、いつしか年賀状のやりとりだけしかする事もなくなっていった…


No.2040514 13/12/22 09:03(スレ作成日時)

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No.1 13/12/22 09:14
りんご ( ♀ UNyGh )


高校入学までは
好きになった子はいたが

告白なんてする勇気もなく
いつも片思いだった…

それでも、中学ではごく普通に仲良しの男子もいたし

グループで遊びに行く事もあったが、それだけで楽しかった

入学した高校は女子校だったので、恋愛対象になるような男子は学内には不在だ…

中には若い男の先生に夢中になる子もいたが…

私には憧れるようなタイプの先生もいなかった

初めての電車通学
30分の電車通学だったが、電車に乗るだけで緊張した

No.2 13/12/22 10:05
りんご ( ♀ UNyGh )

最初の1週間は、ほぼオリエンテーションに費やした

進学校ではなかったせいもあり、勉強よりマナーとか規律に重きを置くような学校だった

入学式の直後の教室で、親の目前での校則説明のあるような学校で

『頭髪のパーマ・染め毛は禁止ですので、天パ、地毛の茶色の生徒は親の申し出のみ生徒手帳に記入しますので、本日この場で申し出て下さい。』と担任からの話もあった

今でこそ高校生の染め毛なんかも多くみられるが、当時は不良の代名詞のような時代だった

クラスで3人ほど親からの申し出があった

その内の一人マミに至っては、クルクル頭の茶髪、メンソレータムの缶にいる子のような可愛い子だった

しかしそれも数日後
染め毛にパーマと判明する事となった

3年生に姉の居るマミが仕組んだ悪知恵だった(笑)

毎朝、校門で制服検査、頭髪検査をくぐり抜けなければ校門を入れないような厳しい学校だった

No.3 13/12/22 10:35
りんご ( ♀ UNyGh )


最初の一週間はお互いの探りあいのようだったが

地元の同じ
つまり帰りの電車が一緒になる真智子と仲良くなった

その後、真智子は、地元で結婚もしていまだに行き来をする長い付き合いの親友となる

お互い、同じ頃に結婚・出産を経て

子供も二人

同じような家庭環境で、共有するような愚痴も話せる、旦那すら知らないような過去も全て共有する大親友だ



No.4 13/12/22 10:39
りんご ( ♀ UNyGh )


遅くなりましが…

私は『倫子』
通称 『りんご』と呼ばれてます

ごくごく普通の一般家庭に普通に育った普通の子です

20年ぶりの同窓会に参加して、、、
この20年分の自分を振り返って話を綴ります

No.5 13/12/22 11:14
りんご ( ♀ UNyGh )


同窓会で唯から声を掛けられた

『元気⁉』

唯は入学当時クラス一番目立った子だった

入学したばかりの15才なのに
華やかな雰囲気を持った
なんか近寄りがたい大人びた子だった

『ミツルの事知ってる⁉』
ミツル…
高校2年から3年くらい付き合ってた4つ上の男だった

高校2年 16才からしたら、20才のミツルは大人に見えた…

『ミツルね…逢いたがってたよ…』

唯の店に来たのだそうだ
唯の母親はスナックを経営していた
美人で、色恋沙汰の絶えない母親
中学の時に唯の父親と離婚して、シングルで唯を育てていた

唯は、そのスナックで手伝いをしていた

だから、大人びていたのだと思う

もちろんスナックでのアルバイトなんかは禁止なのだが、親の店の手伝いなのだから学校に公にばれて問題になるような事もなかった



No.6 13/12/22 11:24
りんご ( ♀ UNyGh )

ミツルなんか、別れて以来一切の連絡も絶え

すっかり忘れた存在になっていた

唯の地元は、電車で30分の某有名観光地

学校を挟んで反対側だった
私の地元からは1時間は、かかるような所だった
ミツルは唯と同じ市に住んでいた

唯『ミツル店に来たんだよ。今まで来たことなんてなかったから、たぶんりんごの事を聞きたかったんだと思うよ。』

『ミツル、離婚したんだよ』

『どん底みたい(笑)りんごに逢いたいってさ…』



No.7 13/12/22 11:29
りんご ( ♀ UNyGh )


当時はスマホはもちろん、携帯なんて持ってる高校生はいなかった時代

しかも20年近く過ぎている

別れたら、お互い連絡を取る事なんてする事もない

まったく、お互い何も知らない人生を歩いてる


ミツルかぁ~…


No.8 13/12/22 11:38
りんご ( ♀ UNyGh )


唯の姉さんとミツルは同級生だった

母親が地元で昔からスナックをやってるから、同級生もよく訪れるらしい

母親、姉さん、唯と3人で店を切り盛りしている

何十年とスナックをやっているのだから、やり手なのだろう

母親は若く美人、で姉さんや唯の同級生からも慕われてた

18才で姉さんを出産したと聞いている

ミツルは、今までスナックに出入りする事はなかったようだが…

最近、離婚したからか?
よく出入りするようになってるらしい


No.9 13/12/22 11:48
りんご ( ♀ UNyGh )


唯は当時から、いつも財布には万札が何枚か入っているような子だった

スナックでアルバイトしているからか?

スナックのお客と援交してるらしいと言う噂もあった

友達の何人かは、唯の母親の店でアルバイトとしてるような子もいた

学校にはもちろん
親にも内緒で

友達の唯の家に遊びに行くとか泊まりに行くとか言って行っていた

私の家は厳しかったので
高校生の当時はアルバイトなんてさせてくれなかったし

帰りが7時を回ると
母親から
『どこで何をしていた⁉』と問い詰められるような家庭だったから

自由に遊び回る唯達が
羨ましかった

No.10 13/12/22 12:04
りんご ( ♀ UNyGh )

唯の母親はスナックの経営をする以外にも

コンパニオンの派遣もやっていた

そんなだから
唯は高校生からコンパニオン業もしていて

いつも万札が財布に入っていたのだろう

コンパニオンの先輩を
姉さん、姉さんと呼び
観光地のお座敷なんかも出入りしていた

早熟で男の扱いも上手かった

桁外れに大人の世界を知っている唯だった

同級生だが私とは違う世界に住んでいた


No.11 13/12/22 12:15
りんご ( ♀ UNyGh )


私は、真智子と他数人で仲良しグループになりいつもつるんでいた

唯は唯で地元中心の仲良しグループでいた

お互いの接点は、単なるクラスメートと言う存在くらいでしかない

唯は、今だに華やかな雰囲気で輝いて見えた

19で結婚して
離婚して…
母親と同じくシングルで娘を育てているそうだ

シングルでも、
唯は、高級マンションに住んでいた

車はベンツを乗り回している

やはり違う世界の人種なんだと思った

No.12 13/12/22 12:27
りんご ( ♀ UNyGh )


ミツルとの出会いは
駅のホームだった

B市に住むミツルの職場が、私の住むA市にあったのだ

ある日電車を降りたら

『ね~っ…』と声を掛けられた

振り返るとミツルが居た

『これ忘れ物じゃない⁉』

手にしていたのは私の手提げだった

『あっ…』

『ありがとうございます』
ペコリと頭を下げた

いつもは電車の棚に荷物なんか載せる事はないのだが…

その日に限って、荷物が多く2つになり棚に手提げを1つ載せたのを忘れ降車していたのだ

『ダメじゃん、忘れるなよ。』とミツルが言った

ミツルは、夜勤のある仕事をしていた

下校時間がミツルの出勤の時間と重なっていた

それがミツルとの出会いだった


No.13 13/12/22 12:38
りんご ( ♀ UNyGh )


数日経ったある日

いつもは一緒に帰る真智子が委員会で、私は一人で電車に乗っていた

『忘れ物はしないように‼』
振り返ると、ミツルが立っていた

『あっ…こないだはありがとうございました。助かりました』

『いつも同じ電車なんだよ、知っていた⁉』

『えっ…ごめんなさい…』

いつも真智子とお喋りに夢中になり、回りに乗っている人を見るなんて事もなかったから知らなかった…

『そっかぁ~残念』

残念⁉
どう言うこと⁉
胸の鼓動がパクパクしていた…

『じゃ~また‼』

手をあげミツルは駅の階段を降りてバスターミナルの方へ歩いて行った

No.14 13/12/22 12:48
りんご ( ♀ UNyGh )

文化祭も近くなり
真智子が委員会で忙しく
一緒に帰れない日が続いた

ミツルとは数日置きに
下校の電車で一緒になった

社会人のミツルが大人に見えた

いつも同じ電車に乗るのが、楽しみになった

乗って居ない日はガッカリする自分が居た

ローテーションの仕事の為に夜勤の日だけが通勤と下校の電車が重なると言うのを後から知った

淡い恋心だった

No.15 13/12/22 13:02
りんご ( ♀ UNyGh )


そんなある日

下校時間の電車が遅れる事故があった

途中の駅で事故があり電車が大幅に遅れた

数時間待たされた電車は、今まででないほどギューギューに混み合っていた

『嫌だな~…』

でも乗るしかない

開いたドアから無理矢理乗り込んだ

30分で降りるから、奥に入る訳にもいかず、閉まるドア間際に立った

外を眺めていた

揺れにギューギュー押される
混んでいるのだからしかたないけど…

ふと気がついたら
頭の上から、窓に二本の手のひらをついてたっている人がいた

私は小さいので
頭の上に腕が二本

『えっ…何⁉』と
窓に写る腕の主を見たら


ミツルだった

押し潰されないように守ってくれているようだった

No.16 13/12/22 13:13
りんご ( ♀ UNyGh )

ミツルは私よりも何駅も前から乗っているから、ドア付近に立っているはずはないのに…

胸の鼓動が早くなる

パクパク、パクパク
聞こえちゃってるんじゃないかと思うくらい
恥ずかしい

30分、外を向く私の頭の上にミツルの腕があった

やっと降りる駅に着きドアが開いた

人波に押され流れていく

必死にミツルの姿を探し追いかけた

バスターミナルに向かう階段を降りた所でミツルの後ろ姿を見つけた

必死に追いかけた

『ありがとう‼ありがとうございます‼』

今にも涙が溢れちゃいそうな顔でペコリと頭を下げた

『えっ…えっ…どうしたの⁉ゴメンね。潰されちゃいそうだったから、嫌だった⁉ゴメン、ゴメン』とミツルが言った

No.17 13/12/22 13:23
りんご ( ♀ UNyGh )


『ううん、ありがとう。』

『ね~良かっら、ちょっとお茶しない⁉』

知らない男の人に誘われたのは初めてだった

忘れ物を届けてくれて、
何度か電車で一緒になって何度か挨拶を交わしただけだったミツルだったけど

なぜか身近に感じる自分がいた

ミツルに恋い焦がれる自分を確信した

No.18 13/12/22 13:29
りんご ( ♀ UNyGh )

近くの喫茶店に入った

駅前にはファミレスなんて無かったし

当時はまた喫茶店がいっぱいあった

喫茶店に入るのも、初めてだった

『何にする⁉』

『ここ、ココアが美味しいんだよ。』

うつ向いたまま
『ココアにします』

『緊張してる⁉(笑)』

ミツルと二人
ココアを頼んだ

『落ち着いた⁉』

『うん…』

『名前聞いていいかな⁉』

『倫子です』

『俺ミツル20才、B市から仕事で来てるんだ。』

初めてお互いの名前を知った

No.19 13/12/22 13:40
りんご ( ♀ UNyGh )

うつ向いたまま、何もしゃべれない

きっと頬っぺたは真っ赤になっているだろう

『ね~っ、今度の日曜デートしない⁉』
不意にミツルが言った

うつ向いたまま
『うん』と頷いた

『じゃ、10時に駅の階段下でいい⁉』

『うん』

『うん』しか言う事が出来ないまま、ココアを飲んでいた

『俺さ、これから仕事だから、もう行かなきゃ…』

喫茶店を出た

『あの…払います…』

『何言ってんの⁉
俺が誘ったんだからい~の⁉
日曜、絶対だからねっ‼』ミツルはバスターミナルへの階段を降りて行った



No.20 13/12/22 13:48
りんご ( ♀ UNyGh )


日曜日にデート

どうしよう…

母親になんて言って出掛けよう…

電車で知りあった人とデートするなんて絶対に言えない

デートに着ていくようなオシャレな服なんて持ってないし

今日だって何も喋れなかった

普段はお喋りなのに…

どうしよう…
どうしよう…
どうしよう…

初めて男の人と二人きりでのデートだ

どうしよう…

No.21 13/12/22 14:11
りんご ( ♀ UNyGh )

次の日、久々に真智子と帰りが一緒になった

スポーツ万能でハキハキした性格の真智子、中学のバスケ部で一緒だった同級生の林君と付き合っている

恋愛に関しては先輩だ

ただし、今の時代と違って、付き合っているとは言っても、まだHなどは程遠いような時代だった

『ね~真智子~』

『何⁉』

『日曜日にデートするんだ…』

『え~っ…誰⁉誰⁉』

『電車で忘れ物届けてくれた人…』

真智子は電車で一緒に帰った時にミツルの事は話た事があったし、面識もあった

『あ~っ…あの人~⁉』

『ちょっとカッコイイなぁ~って思ってたんだ、、なんで~⁉』

真智子に昨日のいきさつを話た

『フンフン、フンフン』
真智子はただフンフンて聞いていた

『でもさ…デートなんてした事ないし…デートに着ていくような服がない…』

『真智子も一緒に来てよ。』

『何言ってんのよ~、りんごらしくないね~、いつもの笑い転げてるりんごが可愛いよ~、大丈夫、大丈夫、私が太鼓判押してあげるから、そのまんまのりんごで行ってきな~。』

って、私の背中をパンッパンッて2回叩いた

No.22 13/12/22 14:25
りんご ( ♀ UNyGh )


でもホントにオシャレな服なんて持ってない

真智子がマミに話して、マミが服を貸してくれる事になった

入学式に天パと地毛茶髪を申告し、後にパーマと染髪のバレたマミだ

マミは、2つ上の高3に姉さんが居て、その上にも姉さん居る3姉妹の末っ子だ

一番上の姉さんは、ファッション関係の当時ハウスマヌカン⁉って言ったかな~(笑)

そんな関係で
オシャレに敏感で
いつも背伸びしているような子だった

『りんごがデート⁉
応援するする~‼プロデュースしちゃう~⤴⤴』
ってマミが言ってくれた

背格好、体型もマミと近かったから、服を借りる事が出来た

日曜日、待ち合わせは10時だったが、マミの家に8時に行った

もう何枚かの服をピックアップしてくれてた

着た事もないような
大人びた服から
フリフリした可愛い服もあった

何度か試着して
マミのお姉さんも一緒に見てくれて、、

ミツルに合わせて、ちょっと大人っぽい黒いワンピに決めた


No.23 13/12/22 14:36
りんご ( ♀ UNyGh )

初めて化粧をした

今ならツケマばっちり
高校生の化粧なんて
普通かもしれないが…

当時は、アイラインをひいいてる子はいたが
ファンデやルージュなんて奥手の私には縁遠い物だった

さすがにお姉さんの二人居るマミは化粧道具もいっぱい持ってて、お化粧も上手かったように思う

薄く化粧をしてもらった

鏡の中に知らない私が居た

『すご~い、、、りんごって化粧ばえするね~。キレイだよ~、バッチリだよ。』マミがおだてるように言ってくれた

『ありがとう。ホントに借りちゃっていいの⁉』

『大丈夫、マブダチのりんごの初デートだもん、応援しちゃうさ~』って言ってくれた

No.24 13/12/22 14:46
りんご ( ♀ UNyGh )



マミとお姉さんに

『頑張れ~っ‼』って見送られ、マミの家を出た

今まで着たことのないような大人びた服

化粧

カールした髪

ルージュに違和感があったが、、ガマンした

30分も早く駅に着いてしまった(笑)

駅ビルのトイレに2回も行ってしまった(笑)

化粧がおかしくないかな⁉
とても気になった

母親の知り合いに会いませんように…と念じた

もし、他人から服借りたり、化粧をしてたのが、母親のバレたら…
何を言われるかわからない
何と言い訳すればいいのかわからない

よしっ、、5分前だ
待ち合わせの場所に行こう
ドキドキ、ドキドキしながら向かった


No.25 13/12/22 14:57
りんご ( ♀ UNyGh )

待ち合わせの場所には
もうミツルが待って居た

一瞬ビックリしたような顔をした

(えっ…やっぱりおかしい⁉💦💦)

『倫子ちゃん、制服とは別人だぁ~、ビックリした~…でも、可愛いよ。』

可愛いなんて男の人から言われたのは初めてだ

ミツルはいつも恥ずかし気もなく、くすぐったいような言葉を平気で口にする

『どこ行く⁉』

『どこって言われても…』

『じゃ~、今日のデートは俺に任せてもらえるかな⁉』

『よろしくお願いします。』

『倫子ちゃん堅いなぁ~(笑)もっとリラックスしなよ~』ってミツルが言った

『俺さ、今日車で来たんだよ。倫子ちゃんとドライブしたくて、いいかなドライブ⁉』

No.26 13/12/22 15:05
りんご ( ♀ UNyGh )

駅ビルの駐車場に歩いていった

前から人が歩いてきたら、スッと腕を引き寄せられた

(うわっ…💦💦)
もうそれだけで心臓がバクバク、バクバク、鼓動が早くなっている

自然と手を繋いでる

(なれてる⁉)
(ドライブなんて行っちゃって大丈夫かな⁉)

親に嘘をついて出てきている後ろめたさもあって、いろんな事が心配になった…

No.27 13/12/22 15:21
りんご ( ♀ UNyGh )


手を繋いで車の前まで行った

『どうぞ‼』
と車のドアを開けてくれた

(えっ…💦
ドアを開けてもらうのなんか初めて…)

(この車……)

すかさずミツルが

『心配しないで、俺、暴走族じゃないから安心して、車好きで決めてるけど、安全運転で行くから‼』
と敬礼して見せた

プッと二人して吹き出して笑った

車は土足厳禁だった

(当時はそんな車もありました)

ゆっくりと駐車場を出て、車は海岸線へと走り出した

No.28 13/12/22 15:30
りんご ( ♀ UNyGh )

BGMはサザンだった…

海岸線、サザン、、、
(そんな時代でした)

緊張する私の心をサザンのBGMが少し楽にしてくれた

ミツルが話始めた

『俺さ、、ずっと前から、倫子ちゃんの事見てたんだよ。知ってた⁉』

『えっ⁉いつから⁉』

『たぶん入学したくらいから…』

(知らなかった)

『いつも友達とケラケラ笑い転げてる、笑顔の可愛い子だなって思ってた…』

『だから、カバンを棚に載せたのもわかってたし…忘れて降りた時はチャンスだ‼って思ったんだ。』

(そ~なんだ、初めて知った、、、嬉しかった)

No.29 13/12/22 15:42
りんご ( ♀ UNyGh )


海岸線の広い駐車場に車を停めた

まだ海水浴シーズンには早かったから、人影はまばらだった

『外出ようか⁉』

『うん』

自然と腕を出すミツルに腕を絡めた

(心臓はパクパクしていた)

駐車場の縁に腰かけて、海を眺めた

(うわっ…借りた服なんだけど~座って大丈夫かな⁉💦💦💦)と頭をよぎった

『良かった…』

『何が⁉』

『今日さ、すっぽかされるかと思って心配だったんだ…』

『すっぽかすくらいなら、最初から約束なんてしませんよ~だ(笑)』

『寒くない⁉ちょっと風が冷たいかな⁉』

そう言ってミツルは、自分が着ていた上着を脱いで私に掛けた

『私は大丈夫‼ミツルさんが寒いでしょ⁉』

『俺は全然寒くないから。』

No.30 13/12/22 15:50
りんご ( ♀ UNyGh )


『腹減らない⁉』

『うん…ちょっと…』

『だよなぁ~、俺さ朝飯食ってないから腹ペコ~、何か食べたい物ある⁉』

(答えられない💦💦💦)

『あっ…今日のデートは俺に任せるんだったね。そこの店入ろう』
って駐車場の反対側のファミレスに入った

二人してパスタを頼んだ

ピザも1枚頼んだ

デートなんて初めてだし、緊張して食べられない⤵⤵

『ね~っ、倫子ちゃんていつも私服はそんな感じ⁉』

『えっ…おかしいですか⁉』

『ううん、意外だったから…』

『・・・』

No.31 13/12/22 15:59
りんご ( ♀ UNyGh )


飾り気のないミツルにどんどん惹かれていく自分を感じた

『あ~腹いっぱいなったぁ~』ってファミレスを出た

『あの…お金払います…』

『何言ってんの⁉
デートに誘ったのは俺‼
俺は社会人‼
高校生は金払わせる訳にゃ~いかないでしょ⁉』

『でも…』

『でもは言わないの‼
それとさ、その妙によそよそしい言葉使いやめない⁉(笑)』

『はいっ…』

また駐車場の縁に座った

『なんかさぁ~腹いっぱいになったら眠たくなってきちゃったわ』

て、ミツルは私のももを枕に転がった

(ドキドキ、ドキドキ💕心臓が口から出そうってこうゆう事なんだなって思った)

No.32 13/12/22 16:08
りんご ( ♀ UNyGh )

何もかもが初めての経験だった

デート、、
手を繋ぐ
腕を組む

膝枕

初めてのデートなのに、ミツルの事が好きって思った…

満員電車でミツルの腕に包まれた時から、恋は始まっていたのかもしれない

スースーと寝息を立てるミツルの髪をなでていた

『んっ⁉ゴメン、マジ寝しちゃった…』

下からミツルが見上げる

頭をグイッと引き寄せられて


キスをした


唇と唇がそっと触れ合うだけのフレンチキス

目を瞑っていたのか、開けていたのかも記憶にない…
私の初キスは突然にミツルに奪われた


No.33 13/12/22 16:16
りんご ( ♀ UNyGh )


涙がポタポタ落ちた

『えっ⁉ゴメン、嫌だった⁉ゴメン、ゴメン…』
ミツルが必死に謝っている

(泣くつもりはないのに涙が溢れた)

『ゴメンな…』

『ううん、、初めてだったからビックリしただけ…』

『嫌いにならない⁉』

『うん…』

『良かったぁ~…』

『俺、倫子ちゃんな事、大事にするから、ホントにホントに大事にするから…』ミツルが言った

『ありがとう』

『今日、何時までに帰ればいいの⁉』

『家ね、割合ウルサイんだ…』

『わかった、家まで送るよ。』

『ゴメン、親には友達の所に行くって言って来たから、駅でいい』

『そっか…』

No.34 13/12/22 16:22
りんご ( ♀ UNyGh )

車は、朝停めてあった駅ビルの立体駐車場に滑り込んだ

車を停める

『またデートしてくれるよね⁉』

『うん』

『電話しても大丈夫⁉』

『・・・』
『家ウルサイんだ…』

『そっか、じゃ俺んちの番号教えるよ、うちは大丈夫だから、電車でも会えるしな…』

(まだ携帯が普及していなかった時代です)

No.35 13/12/22 16:30
りんご ( ♀ UNyGh )


『キスしていい⁉』
ミツルが聞いた…

沈黙していたら
ミツルからそっと顔を近づけてきた

ギュッと目を瞑る

ミツルが笑ってる

『そんなギューッて顔されてたら…キス出来ないよ』ミツルが笑って言った

『ゴメンね…』

『大丈夫、俺本気で倫子ちゃんの事大事にするから』って繋いだ手に力を入れた

『じゃ~また✋』

車から降りた

ミツルも降りてきた

『大丈夫だよ。』

『待ち合わせた場所まで送るよ。』
腕を組、朝待ち合わせをした場合まで送ってもらった

『じゃぁ、今日は楽しかった、またね』

『またね…』
と握手をして別れた


No.36 13/12/22 16:36
りんご ( ♀ UNyGh )

時間は18時を回ってた

うちは門限はないのだが…
19時を回ると母親の機嫌が悪くなり、色々詮索し問い詰められる

それがたまらなくウザかった

私には3才年上の兄が居た
兄は成績優秀で、進学校から某有名大学に通う親の自慢の息子だった

兄弟仲は悪くはないのだが、何かと言うと

『お兄ちゃんは…』と兄と比較されるのが嫌だった


No.37 13/12/22 17:05
りんご ( ♀ UNyGh )


私は慌ててマミの家に向かった

『お帰り~‼』
満面の笑みでマミが迎えてくれた

ホッした
一気に緊張が解れていくのを感じた

服を自分の服に着替え、化粧を落とし

普段の自分に戻った

『ね~ね~、どうだったの⁉』
マミが聞きたがる

『ドライブ行った』

『キャ~ッ、車あるんだ~、いいなぁ~、』

『それで⁉それで⁉』

『ファミレスでご飯食べて帰ってきた』

『え~っ、それだけ⁉』

『うん、それだけ‼』

マミにはキスした事は内緒にした

と言うか、ミツルとの秘密にしたかった

No.38 13/12/22 17:14
りんご ( ♀ UNyGh )


『ゴメン、服汚れちゃったかも…』

『いいよ、いいよ~、、お姉のお下がりが多いいから、シミとか汚れなんて気にしないし~…』

マミは一番上の姉さんが、ショップに勤めているせいもあって、姉さんは毎月、毎月、新作を自費で購入するんだそうだ

店では店の新作を着なくちゃならない決まりになっているから、次から次へとお下がりの服が回ってくると言っていた

兄しか居ない私からしたら、羨ましい限りである

『いつでも言ってね。りんごの恋愛プロデュースしちゃうよ~応援するからね~』

『ありがと‼』

(早く帰らなくちゃ…)

慌ててマミの家を後にした…

No.39 13/12/22 17:22
りんご ( ♀ UNyGh )

滑り込みセーフ

19時前に家に着いた

(よかった~)ホッとした

『ん⁉』玄関の鍵が締まっていた

(ナイスッ、お母さんも留守だ⤴⤴)

玄関の鍵開け、家に入った

トントントンッ
二階から階段を降りてくる兄の足音がした

『お帰り~』

『ただいま、お母さんは⁉』

『なんか、朝からおばちゃんちへ行くって出掛けたよ。出前取って食べてくれってお金置いて行ったから、遅くなるんだろ⁉
何にする⁉』

(なんだぁ~、わかってたらこんなに慌てて帰ってこなくても平気だったのに…もう少しミツルと一緒に居たかったのに…)と思った

No.40 13/12/22 17:33
りんご ( ♀ UNyGh )

兄と出前を取って食べた

『お前さ、ちゃんと勉強してるの⁉』

『してるよ…』

『母さんが心配していたぞ、大学行くなら予備校入れなきゃって言ってたぞ‼』

(予備校⁉大学⁉)
まったく考えていなかった

高校受験は、兄と同じ進学校を受験していた

まさか⁉が起きた
まさか⁉

落ちる事は想定外だった
担任も塾の先生も大丈夫と言ってくれていた

母親は、兄の高校のPTA会長をしていた

それなのに落ちた
私は受験に失敗したのだ

原因はわからない

余程、入試で何か失敗をやらかしたのか⁉

今になっても原因は入試での失敗しか思いつかないが…

私は人生の岐路で
初めて挫折を味わったのは高校入試だった

No.41 13/12/22 17:41
りんご ( ♀ UNyGh )

母親と担任が必死になって、二次募集のある高校を探してきた

落ち込む私をなだめすかし、二次募集の試験会場へと送り込んだ

中学浪人なんてあり得ない

『高校なんてどこでもいいからね、頑張って大学入れば挽回出来るからね。』母親の口癖だった

進学校でもない
勉強には生ぬるい校風だったから、入学当初こそ中学同様、予習・復習に励んでいたが

いつしか、勉強なんてしなくても~って回りに感化され、教科書も学校のロッカーに置きっぱなしになり、勉強なんてしなくなっていった

それでも、友達もいっぱい出来て、毎日が楽しかった

No.42 13/12/22 17:51
りんご ( ♀ UNyGh )


『えっ⁉予備校⁉』

『そ~だよ、母さんはいい大学行かせるって意気込んでるぞ‼』

『・・・』

さっさと出前を食べ、自分の部屋へ行った

(ミツルの事は隠さなきゃ、社会人と付き合ってるなんてバレたら、絶対反対されるし、母親が何するかわからない)

ベッドに寝転び、今日の事を思い出していた

初めてのキス

思い出しても、心臓の鼓動がパクパクパクパク早くなる

ミツルの髪の毛
タバコの臭いがしてた…

でもデートの時はタバコ吸ってなかったし

この次のデートで聞いてみよう…なんて考えながら、緊張から解き放たれたからかウトウトしていた

No.43 13/12/22 18:00
りんご ( ♀ UNyGh )

次の日
電車でミツルと一緒になった
ミツルは座っていたが

私は真智子と一緒だったから、ドアの近くに立っていた

真智子が
『行ってきな~』って背中を押した


ミツルの横に座った

『やぁ~✋』

『なにが、やぁだよ(笑)』

『昨日はご馳走さまでした』

『家、大丈夫だった⁉』

『うん』

『そっか、よかった』

『俺さ、今日は夜勤じゃん、明日夜勤明け、、、学校から帰る頃、昨日の駅ビルの駐車場で待ってるから』

『えっ…』

『嫌⁉』

『嫌じゃないけど…』

『じゃ~待ってるから』と言いバスターミナルへと歩いて行った

何度も振り返って手を振っていた

No.44 13/12/22 18:05
りんご ( ♀ UNyGh )

『ミツルって、カッコイイよね⁉』
真智子が言った

『そうかな⁉』

『そうだよ、絶対モテるよ‼』

(えっ⁉モテる⁉)真智子の一言が凄く不安になった

そ~言えば…
車のドア開けてくれたり
慣れてる⁉

スッと引き寄せたり

キスしたり

慣れてるんだ…

そ~だよね、ハタチだもん、経験があっても不思議じゃないよね⁉

段々と不安で胸が苦しくなってきた


No.45 13/12/22 18:20
りんご ( ♀ UNyGh )

次の日…
真智子は委員会だった

一人で電車に乗り地元の駅に着いた

迷っていた
(行こうか、止めようか…)

改札を抜け階段を下りた

『お嬢さん、駐車場はこっちですよ‼』ミツルだった…

『ね~っ、約束忘れちゃったの⁉それともスッポカシ⁉』

ミツルに手を握られ駐車場に引っ張って行かれた

ミツルが車のドアを開ける

『どうしたの⁉俺、嫌われちゃったのかな⁉』

『違う…』

『とりあえず乗らない⁉』

『うん…』
車に乗り込んだ

駐車場をすり抜け、車は郊外へと走りだした…

無言のまま車を走らすミツル

うつ向いたままの私

ミツルの地元に着いていた

観光地の静かな駐車場に車を停めた

No.46 13/12/22 18:34
りんご ( ♀ UNyGh )

無言のまま時間が過ぎていった

おもむろにミツルが言った
『なんかあったの⁉バレて怒られた⁉』

『何も話してくれなきゃ、わかんないじゃん。答えてよ⁉』

『嫌なら嫌だってハッキリ言っていいから…』

『・・・』

『心配になって…』

『何が⁉』

『ミツルさん、モテそうだから…私なんて…』

『ミツルさん⁉ミツルでいいよ…
モテそうって何⁉
勝手に決めんなよ
言ったろっ、ずっと倫子を見てたって
俺はずっと倫子を見てたんだよ。わかってよ。
勝手に不安になるなよ。
信用しろよ。』
ミツルが言った

たった1日デートしただけだったけど…
ミツルの思いは痛いほどよくわかった

高校生の幼い恋心には、ミツルの思いは、今思えば重たかったのかもしれない

No.47 13/12/22 18:48
りんご ( ♀ UNyGh )

ミツルが車から降りて行った

近くのコンビニでアイスとお菓子とジュースを買ってきた

『溶けちゃうから、、食べな』アイスを手渡した

『ねぇ、俺さモテないよ(笑)』

『でも慣れてるみたいだから…』

『そんな事ないってばっ‼この1年近く電車に乗ってくる笑顔の可愛いケラケラ笑う子にずっと片思いしてた純粋な僕をわかってよ。』

プッ…
(いつも俺って言うのに、僕だって…)

『良かった、やっと笑った…』

『もう勝手にモテそうなんて不安になるなよ。俺、大丈夫だから、浮気は絶対しない自信があるから』

『一つ決めていい⁉』

『何⁉』

『絶対になんかあったら話す事、嘘は付かない事。話してくれなきゃ何もわからないじゃん。無言てキツいよ。』

『わかった。』

『じゃ誓える⁉』

『私はミツルに嘘はつきません。何かあったら必ず話ます。ほらっ言って‼』
ってミツルが言った

『私はミツルに嘘はつきません。何かあったら必ず話ます。ほらっ言って‼』

『ほらっ言ってはいらないの~‼』

No.48 13/12/22 18:53
りんご ( ♀ UNyGh )

笑いながらアイスを食べて

誓いの言葉を言った…

『ホントにホントにだからなっ‼』

『うんっ…』

運転席から身を伸ばして、ミツルがキスをしてきた

車のシートが倒された

初めてのディープキス

16の春
ちょっと大人になったような気がしてた

お互いをまだよく知らない2度目のデートだった

No.49 13/12/22 19:02
りんご ( ♀ UNyGh )

『帰るぞっ‼』

ミツルが急にエンジンをかけた

『大事にしたいから、困らせたくないから、ちゃんと送る。これ男のケジメ‼』
ミツルが言った

『お前高校生だし、俺大人だからちゃんとケジメはつける‼』
ミツルは自分に言い聞かせるように言っていた

『だから、信用しろよっ‼』

『うんっ…』

海岸線をずっと120kくらいで走っていた

『いつもこんなスピード出してるの⁉』

『そんなことね~よっ。遅くなると怒られんだろ⁉』

『・・・』

18時に地元の駅のターミナルに着いた

『ありがとう。』

『わかったな‼絶対だぞ‼』ミツルが言った

『うん』

『またなっ‼』

ミツルの車が走って行った

No.50 13/12/22 20:14
りんご ( ♀ UNyGh )


(良かった…
ミツルを信用しよう
ミツルの事が大好きだ…)

ちょっと安心した

2回しかデートしていないのに…

どんどんミツルの事が好きになっていく自分が居た

寝ても覚めてもミツルの事で頭がいっぱいになっていた



『昨日、うちの地元に居たよね⁉』
唯が声を掛けてきた

(見られた⁉唯に…)

(なんでか唯には知られたくない自分が居た。ミツルと地元が一緒だからヤキモチを焼いているのか⁉唯は、いつも他人の者を欲しがった。クレーンゲームのように取るだけが目的のような感じだった)

『うん…』

No.51 13/12/22 20:29
りんご ( ♀ UNyGh )


『ミツルと付き合ってんの⁉』

『えっ…⁉ミツルの事知ってるの⁉』

『お姉の同級生だもん、小さい町だから、中学校は1校しかないから、同じ年は皆同窓生なんだよ。
しかもあの車、目立ち過ぎ(笑)
あれ、ミツルだよね⁉』

(唯にミツルなんて馴れ馴れしく呼び捨てになんてして欲しくない…)

黙って教室を出ようとした

『りんご~っ、
アンタの為に忠告してあげようと思ってんのに~
ムカつく~っ💢』

唯が怒鳴っていた

(忠告⁉
何⁉忠告って⁉)
振り替えると

『ミツル、地元じゃ知らない人が居ないくらい有名だよ。知ってるの⁉』

『えっ⁉』
(ど~ゆ~こと⁉)

『やっぱ知らないんだ。』
唯が笑ってる

『何なのよ⁉』

『知りたくないの⁉』
唯が思わせ振りな態度でもったいつけていた



No.52 13/12/22 20:50
りんご ( ♀ UNyGh )

(唯の思わせ振りな態度に腹立ちながらも、知りたい気持ちと不安な気持ちでいっぱいになった…)

『今日さ、帰り時間ある⁉』
唯が誘った

昼休みが終了のチャイムが鳴った

『じゃ帰りねっ‼』

5時間目、6時間目は何の授業だったのかもわからないくらいだった

ミツルの事で頭がいっぱいになっていた

唯はミツルの何を知ってるの⁉
私の知らないミツル
また、不安の虫が大きく膨らんでいた…


『では、本日のホームルームは終了‼』

起立 礼

担任が教室から出ていった

『行こうか⁉』
唯が声を掛けてきた

一緒に学校を出た
真智子は今日も委員会だった

唯が
『ハンバーガー食べたいな~』
って言った

『いいよ、おごるよ。』
なんか弱みを握られた気分になっていた

『じゃ、ハンバーガーとポテトとコーラお願いねっ‼』

唯は、先にテーブルのある二階に上がって行った。

アルバイトもしてない私の小遣いは5千円だった

私はコーラだけ注文した

二階に上がると

こっち、こっちと唯が手招きをした

まるでパシリだ⤵

テーブルに着いて

『ねぇ、ミツルと付き合ってんの⁉』

『・・・』

『別にいいけど~…』

『・・・』

『ナンパされたの⁉』

『・・・』

『まっいっか…』
ハンバーガーを頬張りながら唯が話始めた…

『ミツル、族だよ、しかも幹部‼
りんごには無理だと思う。』

No.53 13/12/22 21:04
りんご ( ♀ UNyGh )


(えっ⁉
嘘でしょ⁉)

暴走族じゃないってミツルは言った

嘘はつかないってミツルは言った

恋心は音を立てて、崩れていくような気がした

『やっぱ知らなかったんだ⁉』
唯が笑ってる

『ミツルの身体、傷だらけじゃない⁉』

(そんなの知らない…)
(身体なんて見たことないもん…)

『知らないんだぁ~…』
『りんごって処女なの⁉』唯が言った

その言葉に、私は思わず走って逃げた

唯の笑う声が聞こえた…

一人電車に駆け込み
窓の外をボンヤリ眺めていた

地元の駅に到着した

改札を抜けいつもの階段を下りようとしたとき

『お嬢ちゃん、何を慌ててるの⁉』
ミツルの声だった

振り向きもせず
無視して階段をかけ下りた

下りた所でミツルに腕を捕まれた

『やめてっ‼』
ミツルの手を振りほどき、必死になって走って逃げた

ミツルが追いかけてきた

『なんだよ~⁉
どうしたんだよ~⁉』
ミツルの声が聞こえる

また腕を捕まれた

『俺の顔見ろよ‼何でも話すって誓ったばかりだろ⁉』

真面目な顔をしたミツルが居た

No.54 13/12/22 21:23
りんご ( ♀ UNyGh )


『離してっ‼』

『離さない‼』

『もう無理‼』

『俺、何かしたか⁉』

『嘘ついた‼』

『嘘なんかついてないってば‼』

通り過ぎる人が振り返る

『なぁ、ここじゃなんだから、車行こうか⁉』

『嫌っ‼離して‼』

『離さない‼』

涙が溢れてきた…

『おい、おい、俺が泣かしたみたいだろ…』

『こっち来いよ…』

ミツルに手を引っ張られながら、駐車場に向かった

『お願いだから、乗ってくれる⁉』
ミツルがドアを開けた

車のシートに

【リンゴの指定席💕】
って刺繍がしてあった

【リンゴだけしかダメ‼】ってマジックでミツルが付け足して書いてあった

『あれれ~っ⁉喜んでくれると思ったのに~…』
ミツルがおどけて見せたが、私はそんな気分にはなれなかった

車に乗り込む

『走っていいかな⁉』

『・・・』
駐車場から車は滑り出た

黙ったままうつ向いてた

『何かあったの⁉
話してよ。
約束したでしょ⁉』

『・・・』

『またダンマリ⁉
話してくれなきゃわからないじゃん。』

『・・・』

暫く走って、初めてデートした海岸線の駐車場に車入れた

ミツルも黙っている

『ウソつき…』

『俺ウソつき大嫌い‼』

『嘘つかないって言った癖に…暴走族…』

『あちゃ~っ…何それ⁉
俺、暴走族じゃないよ。』

『唯から聞いた…』

『誰それ⁉
唯なんて俺知らないぜっ。』

『山口唯』

『えっ、知らないようなぁ~…』

ミツルが必死に考えてる…

No.55 13/12/22 21:34
りんご ( ♀ UNyGh )


『山口唯⁉
山口唯⁉

やっぱ俺知らね~…
山口、、、山口、、、
山口薫なら同級生にいるけど…』

『妹、、クラスメート』

『山口薫の妹⁉
あっ…そ~言えば妹居たようなぁ~…』

『・・・』

しばらく沈黙が続いた

『そっか、そいつから聞いたんだな…俺が暴走族だって、、、倫子ゴメンっ…』

『ほらっウソつき…』

『でも、ちょっと違うんだな~…』

『何が⁉』

『俺、暴走族じゃないから、、、』

『だって、地元じゃ有名な暴走族だって唯が言っていたよ。』

車だってこんな…

『う~ん…』

『俺、今、暴走族じゃないです、』
ミツルが敬礼して見せた…

私は黙っていた

『昔、昔、そのまた大昔は暴走族だったかもしれません…』
ミツルがそんな言い方をした

『倫子、俺の顔を見てよ‼』

ゆっくりと顔をあげ、ミツルの方を向いた


No.56 13/12/22 21:39
りんご ( ♀ UNyGh )


『暴走族はハタチで卒業したの‼
だから今は暴走族じゃないし…
真面目にサボらず仕事をしてます
可愛い倫子って彼女が出来て大事に大事にしていきたいと思ってます…
お願いだから、信じて欲しい…』

『・・・・・』

(信じていいのかわからない…
ウソつきのような気もするし
信じたい気持ちもある
)

黙って居ると

ミツルが手を握りしめた…

No.57 13/12/22 21:57
りんご ( ♀ UNyGh )


『ダメかな⁉』

『俺、倫子にぞっこんなんだけどなぁ~…』

そんなクサイセリフをさらりと言うミツルを今は…

信用出来ない自分が居た…


『私もウソついてた…』

『えっ⁉』


『初めてのデートの日、友達に洋服借りて行った。
化粧なんてした事も初めてだった…無理してた、自分に嘘ついてた…私もウソつき…』

『やっぱなぁ~…
そんな感じしてた(笑)』

『俺が無理させちゃったのかな⁉』

『倫子、、無理して背伸びするなよ。俺は今のままの倫子の笑顔が好きになったんだからさっ』

『あっ…間違えないで、制服フェチとかロリとか、変な趣味はまったくないからなっ‼』

普通になっていた…

『でも…』

『俺さ、、ちゃんと話すわ…
倫子にちゃんと俺を知っててもらいたいから…』

ミツルが話始めた…

『俺、転校生なのよ、中学入学の時に転校してきたのよ。
生まれた所は遠い田舎でさ…
訛りがあって、恥ずかしくてさ、話せなかったのよ…』
なんか時々、不思議に感じた言葉のアクセントは、そうだったのかと納得した…

No.58 13/12/22 22:25
りんご ( ♀ UNyGh )

『お袋、再婚なんだ…
俺、お袋の連れ子ってヤツ
15も離れた妹が居る
妹は、今の親父とお袋の子供
まだ幼稚園だから、、俺のこと、ニィタンて呼ぶんだよ。嬉しかったなぁ~…ニィタンて呼ばれた時。』

『俺さ、喋らなかったから、クラスにも馴染めなかったんだ…
田舎からきたから、勉強も遅れてる。』

『新しい親父は俺を腫れ物のように扱った、と言うより扱い方がわからなかったんだと思う。お袋より一回りも年下だから、俺の親父にしたら若すぎだろ⁉(笑)』

『ホントの親父の記憶すらないんだ…
お袋が、ドライブインで深夜も早朝も働き詰だった。俺はいつも一人ぼっちだった。今の親父は、長距離トラックの運ちゃんでさ…
そ~ゆ~事になっちゃった訳なんだ(笑)』

『狭い田舎だったから…

すぐ噂になってさ

夜逃げするような感じで田舎を捨てて出て来たちゅ~感じ』


ポツリ、ポツリと思い出すように、前だけを向いてミツルが話始めた…

でも手はしっかりと握りしめたままだった…



No.59 13/12/22 22:44
りんご ( ♀ UNyGh )


『いいよ、無理して話さなくても…』

『イヤ、倫子には、ちゃんと話しておきたいんだ。』
『あっ…ただし、お袋が再婚で俺は連れ子って事は誰にも内緒でなっ…』

『誰も知らないと思うんだ…たぶん…
その為に、わざわざ知ってる人の居ない所に逃げてきたんだからさっ…』


『なんか逃げてって言うと悪い事でもしたみたいだな(笑)』


『ホントの親父の事は、お袋も話さない。一度聞いた事があるんだけど、、遠い所に居るってお袋が言ったから、子供心に死んじゃったんだと思ってた。』


『でも、うちには仏壇もなかったし、墓参りも行ってない…聞いちゃいけないんだなって思ったよ。お袋はドライブインで働いてたけど…凄い貧乏で食べる物もないなんて事はなかった…』

No.60 13/12/22 22:54
りんご ( ♀ UNyGh )


『ある日、母親の妹が来ていた時に、、
俺、聞いちゃったんだ…
寝たふりしてたけど…
お袋、お妾さんてヤツだったみたい…たぶん…

おばさんが、ちゃんと認知してもらっておきなとか…
養育費がど~のとか話してたけど…

お袋は黙っていたんだ

子供が聞いちゃいけない事を聞いてしまったんだろうな…

でも結局、親父の名前も俺は知らない。

もうどうでもいい事だと思ってるし…
新しい親父は、無口だけれど、お袋が幸せならそれでいいと思う。』


『俺って大人だろ⁉』
ミツルが言った



No.61 13/12/22 23:10
りんご ( ♀ UNyGh )


『うん…大人だね…』


『訛ってるから喋らない…
喋らないから友達も出来ない

友達も出来ないから、学校もつまらない…

悪循環だろ⁉(笑)』

ミツルは笑って見せた…


『段々、学校をサボってさ…
ゲーセンで暇つぶしするようになっていった…』

『ゲーセンだとさ、知らず知らずに顔見知りが、友達みたいになっていったんだ…』

『俺って勘違い野郎でしょ⁉』
ミツルが笑って言った

『そんなでさ、、知らない間に、先輩がおごってくれたりしてさ…
地元の暴走族のメンバーになっていた…
誰かと一緒に居るだけでなんか安心してさ…
たまに学校行っても、回りがなんか違うんだよ。
なんか強くなったような気がしてた…』


『俺ってホント、勘違い野郎でしょ⁉』

ミツルが時々、

『俺って勘違い野郎』って言葉を会話の間、間に挟む…

No.62 13/12/22 23:25
りんご ( ♀ UNyGh )


『そんなでさ、でも中学はあっと言う間に、終わってさ…』

『お袋が、必死に高校だけは行ってちょ~だい‼って泣きついて…
バカでも入れるような高校を探してきたんだよ。』


『しかたないから、入学式には行ったさ(笑)』

『でも類は友を呼ぶってヤツ⁉
高校は楽しかったよ、、
勉強なんてしなかったけど…
行っていれば卒業出来ちゃうような高校だからさ…』

そう、ミツルの行ってた高校は、、、
悪いのが集まってることで有名な悪名高い高校だった…

ちょっとした補導くらいでは退学にもならないような高校だった

『それでも停学は何回かはくらったよ…
アハハハっ(笑)』

『でも俺、ちゃんと卒業したから…偉いでしょ⁉』
ミツルが言った

『そうだね…』

ミツルの事がちょっとわかったような気がした…

本当は寂しがり屋なんだな…って思った

『わかってくれる⁉倫子ちゃん⁉』

わかったような…
わからないような…

でも『今』ここに居るミツルは、真面目に働いている社会人なんだって思えた…

No.63 13/12/22 23:50
りんご ( ♀ UNyGh )


『妹が産まれてさ、、
そ~っと触ったら、プニプニしててさ…
手のひらに指突っ込んでみたら、ギューッて握りしめたんだ…』

『なんか俺、、初めて家族が出来たって思えた(笑)』

『お袋は、実の親なんだけど、なんかお袋にいつも遠慮してたような気がするんだ…
わからないけど…
聞きたい事も、
知りたい事も聞いちゃいけないって…』

『俺、、男だから、、
女を泣かせちゃいけないんだよ…
わかる⁉』

『女にゃわかんないか⁉(笑)』
ミツルが言った…


No.64 13/12/23 00:05
りんご ( ♀ UNyGh )


『でもさ…
妹の幸が産まれてから、
なんか俺…
家に居づらくなっちゃってさ…
俺んちじゃない…
俺だけ家族じゃないって思ってた…』


『ホ~ント、俺って勘違い野郎だろ⁉』

『18才で速攻、4輪の免許取ってさ…
先輩から、タダ同然で譲ってもらった車乗り回してた…』

『バイトはしてたから、ガソリン代は自分で払ってた…
当たり前か⁉(笑)』


『ゴメンナサイ…』


『何⁉』

『バイクはずっと無免許で乗り回してました…』

『でも、4輪の免許取ってから、バイクの免許もちゃんと取得いたしました👮』

また敬礼してる(笑)


『高校卒業しても定職にもつかないで…
適当にバイトして…
適当に友達の家に寝泊まりして…
適当にしてた…
知らない間に、、暴走族の幹部になってた…』


(知らない間に幹部になってたって、、
それはないだろ⁉
と思いながらも、、
うんうん…てミツルの話を聞いていた…)

No.65 13/12/23 00:13
りんご ( ♀ UNyGh )


唯が言ってた事は、あながち嘘でもなかった

『でもさっ…
暴走族は、ちゃんとハタチで卒業しました。👮』

『俺って何一人でひねくれてたんだろ⁉って気がついたんだ…
家に着替え取りに帰ってたらさ…
幸がニィタンて呼んだんだよ…
わかる⁉
この感動、この気持ちが⁉
俺、ちゃんと兄ちゃんにならなきゃいけないって思ったんだ‼』

(そんな単純な事⁉)
(そんな簡単に暴走族って卒業出来るものなの⁉)

そう思ったけど…

うん、うんって黙ってミツルの話を聞いていた…


No.66 13/12/23 00:23
りんご ( ♀ UNyGh )


『だ~か~ら~…
倫子と出会った時は~、
暴走族じゃありません
卒業生です。👮』

『ウソつきじゃありません‼』

『わかってくれるよね⁉』ミツルが聞いた…

『うん…』

なんとなく返事をした…

『わかってくれたなら、よろしい‼チャンチャン🎵』

ミツルが勝手に話をチャンチャン🎵と終わりにした


『送るぞっ‼』

ミツルは上機嫌になっていた

ちょっとホッとする自分が居た


『信じていいの⁉』

『あったりめ~だろ~っ‼』


『俺を信じろ~っ‼』
ミツルが大声で叫んでいた…


でもなぜか、胸の内にスッキリしない
なにかわからない黒いモヤモヤした不安なものがあったのを今でもハッキリと覚えている…

No.67 13/12/23 00:39
りんご ( ♀ UNyGh )

そのまま地元の駅まで送ってもらい

バイバイした


いつの間にか、高校2年の夏休みも目前に迫っていた

『倫子、夏期講習予約したからね‼』

朝から母親のキャンキャンと響く声が下から聞こえて、起こされた…

その頃、母親はパートから正社員になって生き生きしていた

私にとっても、朝早くから出掛けて…
帰りの遅くなった母親は都合が良かった

『鍵よろしく~っ‼』

バタバタと母親が出て行った…

ミツルとは相変わらずの、下校時間と夜勤への出勤までのわずかな時間の電車デートと、、、
ミツルの休みの日や夜勤明けのデートをしていた

遅くならないように気遣うミツルにちょっと物足りなさも感じていたが…
大切にしてくれてるから…と思ってた
高校生の私は、それだけで満たされてた



No.68 13/12/24 15:30
りんご ( ♀ UNyGh )


夏休みも目前に迫り
皆、浮かれていた

真智子はアルバイトをするって言っていた

『リンゴはアルバイトしないの⁉』

『うん…夏期講習があるんだ、、、
お母さんが、アルバイトはダメだって
アルバイトする時間があるなら勉強しろってさっ』

『夏期講習⁉進学するの⁉』

『わかんない…』

『リンゴ頭いいもんね。』

頭いい訳ではないが…
成績はいい方だった

進学なんて考えてもいなかったが、、、

考えてもいなかったと言うより、将来何をしたいとか、何になりたいとかも、まったく考えもしなかった

母親は大学へ行かせたいのだろう

でも、早くウルサイ家は出たかった


No.69 13/12/24 15:44
りんご ( ♀ UNyGh )


女子校も2年になると
彼氏がいる子も多くなってきた

バイト先で知り合った子

男子校の生徒と付き合ってる子

中学時代の同級生と付き合ってる子

それぞれにそれぞれの恋ばながあった

真智子は中学の同級生と、ずっと付き合っているし

マミは、バイト先で知り合った大学生と付き合い始めた

それぞれが夏休みにほのかなトキメキを期待していた

唯は、相変わらず母親のスナックを手伝っていたが、夏休みは海の家でもバイトをするそうで皆に声を掛けていた

『ね~っ、誰か一緒にバイトしない⁉バイトできる子探してるんだ~。』

唯の地元は観光地で海水浴場でもあった

海の家のバイトなんか楽しそうだな…
と、思ったけど、
唯とは絡みたくなと思ってた

『リンゴ~、海水浴来るんでしょ⁉』
突然、唯の声がした

『えっ⁉』
『わかんない…』

No.70 13/12/24 15:54
りんご ( ♀ UNyGh )


『夏休み入って最初の土曜日は花火大会だから来るんでしょ⁉』

『花火大会かぁ~…』

ミツルと花火大会行きたいな…

ミツルとは付き合っているけど、ミツルが気遣っていつも19時前には送ってくれてた

母親に花火大会に行きたいって言ってみようかな⁉
いや…ダメだって言うに決まってる
唯の町まで電車で1時間はかかる…
花火大会が終わって帰って来るには23時近くになってしまうだろう…
絶対無理だ⤵⤵

ミツルと花火大会に行きたい…


No.71 13/12/24 16:03
りんご ( ♀ UNyGh )

帰り、夜勤明けのミツルが迎えに来ていた

その頃、夜勤明けと休みの日にはミツルが学校近くまで車で迎えに来てくれるようになっていた

リンゴの指定席と刺繍の入ってるシートに乗り込む

先生にみつかるとヤバいから、少しの間シートを倒し 身を隠す

5分程走った所でシートを起こす

『お疲れさん』
ミツルが声を掛ける

『ありがとう』

『夜勤明けで疲れてない⁉』

『大丈夫‼寝たから。』

『そっか…でも無理しなくていいよ。』

『俺がリンゴに逢いたいんだよ、そんな事言うなよ。』

一緒に居るだけで良かった

幸せだった

いつも一緒に居たいと思ってた

No.72 13/12/24 16:15
りんご ( ♀ UNyGh )


『来週の土曜日、仕事⁉』

ミツルが勤務表を手渡した
夜勤明けになっていた

『何⁉』

『花火大会でしょ⁉』

『花火大会かぁ~…』ミツルはそれ以上何も言わなかった

『一緒に行きたい』

『出られるの⁉』
ミツルが尋ねる

『うん…』

『無理すんなよ…俺さ言ったろ⁉リンゴの事大切にしたいと思ってる、だから困らせるような事したくないって…』

『俺さ、頭ワリィ~けど、、ちゃんと考えてるんだぞ…リンゴんちに挨拶行こうと思ってる。』

『挨拶⁉』

『お付き合いさせて下さいってさ、、、』

嬉しかったが、正直とまどった

母親に反対されるに決まってる

反対されるだけじゃ済まないような気がした…

今以上にうるさくなったら、ミツルとも逢えなくなる…

No.73 13/12/24 16:27
りんご ( ♀ UNyGh )


色々考えて、、
兄に相談する事にした

その頃、大学生の兄にも彼女が出来ていた

大学生の兄には母親は寛大だった
男と言うこともあったのだろう

彼女も時々家に遊びに来ていた

彼女も兄と同じ大学と言う事で、母親も認めていたのだろう

ミツルの事は、兄にはバレていた

ミツルの車に乗っている所を見られたのだ


『お前さ~今日さ車に乗ってなかった⁉』

『・・・』

『別に何も言わないけど、勉強だけはちゃんとしろよ。』

それしか兄は言わなかった

No.74 13/12/24 16:47
りんご ( ♀ UNyGh )

家に帰ると母親はまだ帰っていなかった

兄がリビングでテレビを見ていた

『ただいま~』

『お帰り』

『お兄ちゃん…』

『なんだよ⁉』

『来週の土曜日さB市で花火大会あるの知ってる⁉』

『そ~なんだ』

あまり興味はなさそうだ

『彼女連れてってあげなよ⁉』

『・・・』

『お兄ちゃん、お願いがあるんだけど…』

『なんだよ⁉』

『花火大会行きたいんだ…』

『行けばいいだろ⁉』

『お母さんが行かしてくれないもん…』

『どうしろって⁉』

『お兄ちゃんが彼女を誘って出掛ける…私がそれに付いていく…』

『はぁ~…お前連れて行く意味わかんない。』

『ミツルと行きたいんだ…』

『その偽装工作の片棒を担げってゆ~の⁉』

兄は暫く考えてたが…

『まぁ~いいだろっ‼』
引き受けてくれた⤴⤴⤴

その代わり夏休み中の家事を引き受ける事となった

母親が正社員で働き始めてから、洗濯物の取り込みとか、お風呂の支度は早く帰ってきた者がやることになっていた

兄の交換条件はそれだった

No.75 13/12/24 16:59
りんご ( ♀ UNyGh )

『ただいま~』
母親が帰ってきた

兄がうまい事母親に言ってくれた

ありがたい
お兄ちゃんありがと…

次の日、
学校は夏休み前で半日になっていた
ミツルは休みの日だった
いつものように車で迎えに来てくれていた

『花火大会行ける』

『大丈夫なのか⁉』

『うん…』
兄が連れ出してくれる事になった事をミツルに話した

『そっか…本当は俺もリンゴと一緒に花火見たいなって思ってた。』
ミツルが笑顔で答えた

早く花火大会の日が来ないかな~って、待ち遠しかった

No.76 13/12/24 17:20
りんご ( ♀ UNyGh )

花火大会当日

兄の彼女(由美さん)とミツルと駅で待ち合わせをした

由美さんは浴衣を着ていた

ミツルもやってきた

『こんにちは
ミツルです』

『こんにちは
倫子の兄の学です』

そうだ兄に見られた事はあったが、ちゃんと会うのは初めてだった

『じゃ倫子10時半までに家に帰るんだぞっ‼絶対遅れるなよ‼約束守れよ‼』

『大丈夫です
俺、ちゃんと送り届けます
約束します。』
ミツルが言った

兄は由美さんを送ってから帰るから遅くなると言って兄達とはそこで別れ、
別々にホームへと向かった

あえて別の車両に乗り込んだ

夏休みの花火大会と言う事でいつもは降りる学校のある駅あたりからかなり混んできた

B市の花火大会は有名観光地と言うこともあり、地元のショボい花火大会とは違って大きな花火大会だった
ミツルと一緒のギュウギュウ詰めの電車は嫌いじゃなかった

ミツルにくっついていれたから

ミツルの肌の温もりを感じていられたから

No.77 13/12/24 17:27
りんご ( ♀ UNyGh )


ほどなくB駅に着いた

『最悪~混んでたな~』

『エヘヘ…』

『エヘヘってなんだよ⁉』

『私好きだよ、ギュウギュウ電車』

『変なヤツ』

『だって、ギュウギュウ電車だとミツルくっついていられるもん』

『バ~カ‼』

『バカじゃないよ。
ギュウギュウ電車がきっかけでミツルと付き合い始めたでしょ⁉』

『そっか…』

『電車がなかったら、ミツルと出会えてなかったでしょ⁉』

そんな事を話ながら、花火大会の浜まで歩いて行った

No.78 13/12/24 17:37
りんご ( ♀ UNyGh )


人波がゾロゾロと流れて行く

イカ焼き、お好み焼き
たこ焼き、かき氷、ビール

露店もいっぱい出ていた

私、もしかしたら、花火大会に来るのは初めてかも…

父親は人混みが大嫌いだったから、家族で花火大会なんかに来ることもなかった

夏になると
ドカン、ドカンと遠くで聞こえる花火の音に行ってみたいって思ってた

こうして念願の花火大会にミツルと来れた

嬉しかった


迷子にならないように
ミツルとギューッて繋ぐ手が汗ばんでる

No.79 13/12/24 18:28
りんご ( ♀ UNyGh )


『こんばんはっスッ』

『オゥッ‼』
ってミツルが言った

『知り合い⁉』

『俺、一応地元じゃん…』

また別の所から
『ミツル~持ってけよ』
って声がした

『オゥッ‼』
焼鳥とビールを差し出された

『イヤッ、俺こいつ送って行くから、焼鳥だけ貰うわっ』
そう言って焼鳥だけ貰った

『じゃ、夜、仲間内で集まる事になってるから来いやっ‼』

ミツルの後ろに隠れた

『ミツル…』

『大丈夫だよ、、後輩とか先輩だから』
ミツルはそう言ったが

そこには私の知らないミツルがいた

『夜…集まるの⁉』

『・・・』
ミツルは黙っていた

浜辺の空いてる所を探してた

『こっち、こっち~っ』
声の方を向くと
テーブルと席があった

『ミツル~、適当に座れよっ‼』

『商売の邪魔しちゃ悪いからいいっスッよ』
ミツルが言ったが…

結局、勧められた席に座った

花火が始まった

あちこちで歓声があがる
ミツルは空を見上げていた

『キレイだな‼』

『うん…』

No.80 13/12/24 18:36
りんご ( ♀ UNyGh )


『ど~した⁉』

『なんでもない…』

『変なヤツ‼』

『腹でも痛いか⁉』

『なんでもないってばっ‼』
ミツルと浜辺にくっついて座ると思ってたのに…
テーブルを挟んでる

イヤ、そうじゃない…
テーブルを挟んた距離がそのまま、自分達の距離なんだって倫子は感じた

知らないミツルを見たような気がしてた…

『リンゴじゃん‼
やっぱ来たんだ~(笑)』
唯だった

このテーブル席は
唯のバイトしている海の家のテーブルだった

それも気分を萎えさせた

ドッカ~ン
バチバチバチ~🎆

あちこちで歓声があがる

No.81 13/12/24 18:46
りんご ( ♀ UNyGh )


次から次へと連続して

ドカドカ
ドカドカ
ドッカ~ン🎆
と上がる花火

当たり一面がパア~ッと
明るくなった
ナイアガラと言われる
滝のように広がる花火だった
海面に反射して
当たり一面
昼間のような明るさになった

ミツルが立ち上がった

『行こう⁉』

『⁉』

『いいから…』
ミツルに手を引かれるまま浜辺を後にした

黙って歩いていくミツルに手を引っ張られて歩いて行った

20分くらい歩くと
ミツルの車があった

さっきの喧騒はそこにはなかった

車に黙って乗り込む

ミツルがエンジンをかけ
走り出した


No.82 13/12/24 18:53
りんご ( ♀ UNyGh )


『まだ終わってないよ…』

『終わってからじゃ、渋滞に巻き込まれる。』

『・・・』
『早く送っちゃいたいんだ…』

『そ~じゃないだろ⁉兄貴にちゃんと送り届けるって約束したから…』

『・・・』

『違うでしょ⁉』

『何、つっかかってんだよ⁉』

『お前、おかしいよ…』

『・・・』

沈黙のままスピードをあげる車

黙って夜空を見上げてた

家の近くに着いた
まだ10時前だった

『着いたぞっ‼』

『帰りたくない…』

No.83 13/12/24 19:05
りんご ( ♀ UNyGh )


『困らせるなよ、お嬢ちゃん‼』

ミツルにお嬢ちゃんって言われて何かのスイッチがパチンッ入った


『ど~せ、早く帰りたいんでしょっ⁉💢』

『私となんか一緒に居るより、早く帰って集まった方が楽しいもんね‼』

『私、何にもミツルの事知らないんだって、よ~くわかった。』

言葉が吹き出してた


『ど~したんだよ、倫子⁉』


そう、、悲しい気持ちと
苛立つ自分が居た

ミツルの顔が近づいてきた

『嫌っ‼』
顔を背けた

ドアを開け
走って逃げた

涙が溢れてきた

ミツルは追いかけてきてはくれなかった

車のエンジンが掛かる音がして

遠退いて行った

No.84 13/12/24 19:08
りんご ( ♀ UNyGh )


『お帰り~』
母親の声がした

『お兄ちゃんは⁉』

『彼女送ってくからって駅で別れた。』

『そう、、』

二階の階段をかけ上がり、自分の部屋へ入った

母親に泣き顔を見られたくなかった

No.85 13/12/24 19:20
りんご ( ♀ UNyGh )


『倫子~、ちゃんと夏期講習行きなさいよ~っ‼』
母親がそう言って仕事に出掛けて行った

『はぁ~ …』

下に下りて行くと
兄がパンをかじってた

『ちゃんと帰ってきたみたいだな。』

『当たり前でしょ。』

『夏期講習行けよ‼』

『ウルサイなっ‼』

大学生はいいな自由で…
夏休みは長いし
バイトも出来るし
兄を見てそう思ってた

『アイツ何してんの⁉』

『○○の工場で働いてる』

『へぇ~…』

『何よ⁉』

『いや別に…』

ミツルはA市の大きな自動車工場でラインの仕事をしていた

3交代の仕事だった


No.86 13/12/24 19:29
りんご ( ♀ UNyGh )


暑いな~
外行きたくないなぁ~
と思いながら
夏期講習に出掛けて行った

今日の夏期講習は15時までだった

夏期講習が終わると、
真智子のバイト先に向かった

真智子は駅ビルの惣菜屋さんでバイトをしていた

『真智子✋』

『あっリンゴ、もうちょいでバイト終わるからあそこで待ってて‼』

駅ビルの一角のフードコートで真智子を待っていた

『おまたせ~』

『お疲れ~』

『ホント、1日立ちっぱなしでさ、疲れるよ、、』

でも楽しそうだ

『花火大会どうだったの⁉行ったんでしょ⁉』

『うん…』

『このこの~🎵』

真智子がひやかす

『ん⁉何かあったの⁉』

真智子が察して聞いてきた


No.87 13/12/24 19:42
りんご ( ♀ UNyGh )

真智子に昨夜の花火大会の一部始終を話した

『で⁉
リンゴはどうしたいの⁉』

『どうしたいって言われても…』

『私さ、ミツル見てて、ホントにリンゴの事好きなんだなって思うよ。』

『好きなんでしょ⁉』

『うん…』

『じゃ、信じてあげなよ‼』

『でも…』

『でもってさ~…ミツルの何が気に入らないの⁉』

『ミツルの事、何も知らないみたい…』

『じゃ~聞けば⁉
根掘り葉掘り聞いちゃえばいいじゃん⁉』
ハッキリした性格の真智子はそう言った

『まっ…唯はクセ者かもね…』

No.88 13/12/24 19:57
りんご ( ♀ UNyGh )


『倫子~、夏期講習行きなさいよ~‼』

毎朝、母親の
『夏期講習行きなさいよ‼』の言葉に起こされてた

学校では成績はいい方だったが
予備校では落ちこぼれだった

レベルが違うのだ


『はぁ~…』
やる気のないため息ばかりが出る

そう…夏休みになって
通学が無くなったから
下校時間の、ミツルが夜勤に行くまでの電車デートもなくなっていた

ミツルに逢いたい…

No.89 13/12/24 20:04
りんご ( ♀ UNyGh )

夏休みの登校日の日

花火大会から5日ほど過ぎた日だった

駅の階段をあがり改札に入ろうとした時だった

伝言板が目に入った

(※携帯のない時代、駅には伝言板があって、連絡のすべに使われてた)

【倫子電話くれ‼
ミツル】

ミツル⁉
ミツルなの⁉

胸の鼓動が早くなっていた
ミツルが好きで好きでたまらない自分がいた


ミツルに逢いたい…

No.90 13/12/24 20:22
りんご ( ♀ UNyGh )

教室に入ると

夏休みで
皆、浮かれていた

海の家でバイトしている唯は、日に焼けて真っ黒になっていた

髪の毛が茶髪になってる子や

パーマをかけてる子もいた

倫子は自分だけ取り残されてる気分になっていた

担任がやってきてホームルームが始まった

『おいっ、随分と浮かれるようだな‼
二学期が始まったら、また校門検査があるからなっ‼
わかっているんだろうな‼』

端から端まで見渡してる

『程々にしろよ‼
補導されるような事しないでくれな‼
事故だけは気をつけて‼』
起立 礼

担任が教室を出ていった


No.91 13/12/24 20:26
りんご ( ♀ UNyGh )

何人かで集まってワイワイ話していたら

マミが

『ジャジャ~ン💕』
髪の毛をめくると

ピアスをしていた

『開けたんだ~‼』

『痛かった⁉』
『どこで開けたの⁉』

『大丈夫だよ、氷で耳たぶキンキンに冷やしてから開けると痛くないよ‼』

『私もピアスしたいなぁ~…』

盛り上がっていた


No.92 13/12/24 20:36
りんご ( ♀ UNyGh )


『真智子、帰ろ~』

『ゴメン、委員会だって、夏休み中なのに緊急招集⤵先に帰って‼』

夏休み明け早々に文化祭があるから、真智子は忙しいみたいだった

『そっか…じゃ✋』
一人教室を出た

下駄箱でマミと一緒なった

『一緒帰ろう‼』
マミに声を掛けられ一緒帰ることにした

『お腹、空かない⁉』

『うん、空いた』

『ミスド寄ってかない⁉』

『賛成✋』

マミとミスドに寄った

暫くすると唯と里沙やってきた

里沙は唯の中学からの同級生だ

『一緒にいい⁉』
唯が言った

『いいよ~』
マミが答えた



No.93 13/12/24 20:45
りんご ( ♀ UNyGh )


どうも唯は苦手だ…

『泳ぎ来ないの⁉』
ドーナツを頬張りながら、唯が聞いた

『行きた~い‼✋』
マミが手をあげた

『リンゴは⁉』

『夏期講習があるから…』

『へぇ~っ…
夏期講習なんて行ってんだ⁉
進学すんの⁉』

『わかんないけど…』

『はぁ~っ⁉うちのクラスから進学するヤツなんて居たんだ~、、、』

やっぱり唯は苦手だ…

『いいじゃん、リンゴは頭いいんだからさっ‼』
マミが庇ってくれた

『ミツルは⁉』

『えっ…』

『ミツルって…ミツル先輩の事⁉』
里沙が口を挟んだ

『そ~だよ、リンゴ、ミツル先輩と付き合ってんだよ。』
唯が里沙に言ってる

『へぇ~ありえねぇ~‼』
里沙が言った

No.94 13/12/24 20:55
りんご ( ♀ UNyGh )


『じゃ~、リンゴはもうやっちゃってんだ(笑)』
里沙が言った

『何⁉』

『何って⁉
決まってんじゃん⁉
Hだよ、H‼』
里沙が言った

顔が火照るのを感じた

『当たり前じゃん⁉』
唯が答えた

『私もしちゃったぁ~‼』
マミが話に入ってきた

『えっ⁉
マミ⁉
したの⁉』

『うん、』

高2の夏休み

ミスドでの会話は、
盛り上がっていたが

私は一人出遅れた気分になっていた

でも唯には何も知られたくなかったから、
した、、とも
してない、、とも
話さず、はぐらかしていて…

No.95 13/12/24 21:03
りんご ( ♀ UNyGh )


『バイトがあるから、帰らなくちゃ~、あ~忙しい…』
唯と里沙が先に席を立った

後を追うようにマミと一緒に店を出た

『気にする事ないよ…』
マミが言った

『うん…』

『いつでも服貸すからね~‼』
マミが笑ってた

『ありがと‼またね~』

ミスドを出た所でマミとも別れ一人駅へと向かった



『あっ…』



ミツルの車が停まってた

No.96 13/12/24 21:19
りんご ( ♀ UNyGh )


立ち止まって居ると

運転席でミツルが
おいで…
おいで…
と手招きをしていた

ゆっくり近寄り
車に乗り込む

『久しぶり~‼』
ミツルが笑顔で言った

『うんっ』

ミツルが車を走らせた

最初にデートした駐車場に車を滑り込ませ停車した

『今日さ、コンビニ行ったら、倫子の学校の制服着た子がいっぱいいたからさ、登校日なんだって思った…』

『来ちゃいけなかった⁉』


『ううん、、逢いたかった…』

『素直でよろしいっ‼』

『電話しろよっ‼』
『なんで電話してくんないの⁉』
『俺からかけちゃマズイんだろ⁉』

『お母さん19時くらいに帰ってくるからその前なら、大丈夫‼』

『そっか、了解👮』

『ね~っ…』

『何だよ⁉』

『花火大会の後…』

『真っ直ぐ家に帰って、一人寂しく膝を抱えてふて寝した。(笑)』

『ホント⁉』

『ウソつかないって約束したろ‼』
『信じなさ~いっ‼』
ミツルが頭をポンポンッと叩いた

No.97 13/12/24 21:26
りんご ( ♀ UNyGh )


『倫子さっ…
俺、倫子に帰りたくないなんて言われたら、、、
マジ、ヤバいから…』

『何がヤバいの⁉』

『言わせんなっ‼💢』

『・・・ゴメン…』

『唯が海水浴おいでって…』

『お前、夏期講習あるだろ⁉』

『休みもあるもん…』

『だよな~(笑)
夏休みだっちゅ~のに、勉強だけするなんて俺には考えられません、、うん、うん』

『はいっ、これ渡しておくわっ。』
ミツルの8月の勤務表だった

『俺の休みとかわかんだろ⁉』

『うん…』

No.98 13/12/24 22:35
りんご ( ♀ UNyGh )


『俺さ…倫子に言っておかなきゃならない事がある…』
ミツルが真面目な顔をしてた

『何⁉』

『・・・実は・・俺さ、
泳げないから…(笑)』

『うそ~っ⁉』
『うける~‼』(爆)

『海パン持ってね~し…』

『買えばいいじゃん‼
あっ…私も水着持ってなかった…💦💦💦(笑)』

『倫子様の水着は、わたくしめが買ってさしあげましょ~‼』
ミツルが言った

久しぶりに二人で笑いころげた


(ミツルの事
信じていいんだね⁉)
胸の中でそっとつぶやいていた…



No.99 13/12/24 22:40
りんご ( ♀ UNyGh )

ミツルの勤務表と、夏期講習の日程を眺めていた

お盆休みの3日間だけが夏期講習の休みだった

ミツルの職場は
一週間の連休になっていた



No.100 13/12/24 23:03
りんご ( ♀ UNyGh )


ミツルの休みの日と
夜勤明けの日は

早起きして
早めに家を出て
夏期講習の時間までの少しの時間でもデートをしていた



そんなある日

『重大発表があります‼』
『何⁉』

『俺様、ボーナスが出ました‼
倫子ちゃんに何か買ってあげましょ~っ‼』

『えっ
ホント⁉』

『ホントもホント
ウソつかないって言ってんじゃん‼』

『じゃ、行きましょ~‼』ミツルと腕を組
駅ビルへと入って行った

『何が欲しいの⁉』

『う~ん…わかんない…』

『わかんないじゃ、困りますねぇ~』

1時間程歩き回ったけど
欲しい物は見つからなかった

『ちょっと座ろうか⁉』

ベンチに並んで座った

顔をあげた目線の先に
ジュエリーショップがあった

『買ってあげようか⁉』

『えっ⁉』
『でも…そんな高い物貰えない…』

『い~の‼
俺が倫子にプレゼントしたいんだから…』

二人でジュエリーショップのウィンドウを覗き込む

『一、十、百、千、万…』

『無理、無理~こんな高い物貰えない‼』


『ゴメン、、夏期講習の時間になっちゃった…』

結局、そのまま何も買わずにジュエリーショップを後にした…

『ゴメンね…』

『い~よ、い~よ、気にするなよ。
学生の本文は勉強です‼』

ミツルと別れて予備校へと向かった

No.101 13/12/24 23:17
りんご ( ♀ UNyGh )

予備校が終わって家に帰ると

玄関に女もの靴が揃えて置いてあった

由美さん来てるんだ

自分の部屋へとあがっていった

『えっ…お兄ちゃん…』

『・・・・・』

『うっ…ん…』
由美さんの声がした

気配でわかった…

由美さんとお兄ちゃん…

そ~っと、、、
下へと下りて行った…

『ただいま~‼』
わざと大きな声で言った

暫くして二階から、
由美さんとお兄ちゃんが
下りてきた

気まずい…

『送ってくるから…』
お兄ちゃんと由美さんが出ていった

No.103 13/12/25 14:13
りんご ( ♀ UNyGh )

>> 102
ありがとうございます

読んでくれてる人が居ることにホッとしました。

一気に書いてしまって

読み返したら
誤字、脱字の多いこと💦💦

誰が話してるのかわかりにくい『』も多く

恥ずかしい限りです


ボチボチ更新していきますので

引き続きよろしかったら読んでくださいネッ‼

No.104 13/12/25 20:04
りんご ( ♀ UNyGh )

夏休みだと言うのに
真智子もマミも
バイトに忙しく、、、

私は、私で夏期講習⤵⤵

ミツルとつかの間のデートはしていたが…

物足りなさを感じていた


お兄ちゃんもバイトをしているし…

夏期講習に出掛ける以外は、一人で家に居る事も多い

『ん~…つまんない、つまんない、つまんな~い‼』

お昼の『笑っていいとも』をボーッと見ていたら、電話が鳴った

『はいっ…』

『リンゴ⁉』

『うん』

マミからだった

『今週の日曜日、暇⁉』

『ちょっと待ってて…』

夏期講習の予定表とミツルの勤務表を出して見る

夏期講習は休みだし、
ミツルは仕事が入っていた

『暇、ヒマ、ひま~ッ⤴⤴』

『唯がさ、バイト手伝わないかって言うから、1日だけ行ってみない⁉』

『う~ん…』

『海の家、面白そうだよ。
居ればいいって‼』

唯がちょっと引っかかったが、、、

“面白そう“って言葉に行ってみたくなっていた

『時間も10時~16時だって言うし一緒に行こ‼』

『うん…』

『決まりネッ‼
唯には私から連絡しておくから、、、
じゃ日曜日、改札に8時に待ち合わせネッ‼』

電話を切ってから、
ミツルに言った方がいいかな⁉
って思ったけど…


逢えないまま日曜日を迎えていた…

No.105 13/12/25 20:22
りんご ( ♀ UNyGh )


『おはよ~ッ✋』

『おはよう。』

マミと一緒に電車に乗り込んだ

B市までは1時間はかかる

夏休みと言う事で
電車は比較的空いていた

冷房も効いていた

『マミ、大学生の彼氏はどう⁉』

『どうって…微妙かな~⁉』

『微妙って⁉』

『車持ってないじゃん、
お金も持ってないじゃん、』
『ミツルはさっ、社会人だし、車もあるじゃん…』

『そっか…』

『そりゃさ、一緒に居れば楽しいんだけどね~…
バイト学生で
車なしじゃラブホにも行きにくいじゃん(笑)』

『ラブホ⁉』
『マミ、ラブホなんて行った事あるの⁉』

『あるよ~(笑)』

『バレないの⁉』

『なにが⁉』

『だって…大丈夫なの⁉』

『大丈夫だよ~、誰とも顔合わせないもん。』

『マミは、怖くなかったの⁉』

『全然‼』

『ミツルとは…まだなの⁉』

『うん…』

『時間の問題だねっ‼
そろそろじゃね⁉』
マミが言った

(ミツルとはキス以上の進展はなかった…)

No.106 13/12/25 20:37
りんご ( ♀ UNyGh )


三人姉妹の末っ子だけあって
マミは何でも先を歩いていた

化粧もファッションも
性もオープンだった

兄しかいない私には羨ましくてしかたなかった

『おネェちゃん欲しいな…』

『あげるよ~、持ってきな~(笑)』
マミが言った


B駅~B駅~🎵

『ひゃ~っ、やっと着いたね~‼』

観光地だけあって
電車から降りる人も多かった

バケーションムード満載のアーケード街を抜け、海の家に向かって歩いた

その道は、花火大会の日にミツルと手を繋いで歩いた道だった

ミツルに何も言わないまま来てしまったことに私は一抹の不安もあった

そんな不安も
ギラギラした太陽のせいか⁉
夏期講習から解き放たれた解放感からか⁉

気持は、ウキウキしていた

初めてのバイトのせいかもしれない

母親には
『マミと唯のところに遊びに行く』
と言って出掛けてきた

母親は
『遅くならないうちに帰ってきなさいよ‼』
しか言わなかった

No.107 13/12/25 20:54
りんご ( ♀ UNyGh )


『こっち、こっち~✋』
唯が手を振ってた

登校日以上に真っ黒になっていた

『今日は天気もいいし、
売り上げあげるよ~‼
いっぱい売れるとさ、【大入り袋】貰えるからね~‼』

『大入り袋って何⁉』

『リンゴはホントに何もしらないんだね~っ』
唯がゲラゲラ笑ってる

唯のそ~ゆ~バカにした態度が嫌いだった…

『いっぱい売り上げがあると、バイト代の他に、お年玉袋みたいなのにおまけをもらえんだよ‼』

『ふ~ん…』

『じゃ、ここに立ってて‼
店番だからさっ。』

私は、パラソルとゴザの貸出しを任された

唯は、焼きそばとビール担当

マミは、ゴムボート担当になった

『ほらほら~っボーッと立っているだけじゃなくて、声かけなきゃダメだよ~‼』
唯が命令口調で言った

『あのさ、、今日、誰が一番ナンパされるか競争しない⁉』
唯が言い出した

『乗った~✋』
マミが手をあげた

『リンゴも乗るよね⁉』

『うん…』

なんとなく返事をしていた…

No.108 13/12/25 22:21
りんご ( ♀ UNyGh )


11時を回る頃には
唯の焼きそばとビールの前には列が並び始めていた

そっちを手伝い始めていた

『ね~彼女⁉
高校生⁉ここ何時まで⁉』
唯が声を掛けられてた

チラッとこっちを見てニヤッとしてる

ギラギラの太陽と
海の解放感が
誰もかれもを
軽くさせるのかもしれない

唯もマミも浮かれすぎてるように見えた

慣れない私は
単調に会計だけをしていた

『リンゴ~‼笑顔⤴笑顔⤴』
唯が叫んでる

こっちは、必死にお釣りを間違えちゃいけないって思ってるのに…

14時を回ると一段落したようで…

暇になってきた

No.109 13/12/25 22:35
りんご ( ♀ UNyGh )


『お疲れさま‼』

奥から男の人が出てきた

『なんか適当に飲み食いしていいから。』
『あれっ⁉
こないだミツルと居た子⁉』

『あっ…ハイッ…』

『ミツルは⁉』

『あっ…今日は、仕事なんです』

『なんだよ~、こんな天気いいのにミツル仕事してんのか~⁉ガハハハッ』

そ~言えば…
ミツルが先輩って言ってたっけ

中学が1校しかないから、皆顔見知りだって

私のA市とは違うんだな…
部活でもやってない限り、先輩も後輩もないし

唯とマミと3人で
ジュースを出して、
焼きそばとかき氷を食べた

『何人からナンパされた⁉私は5人‼』
唯が言った

『3人かな⁉』
マミが答えた

『リンゴは⁉』

『うん…ゼロ…かな…』

キャ~ッ
アハハハ
2人が笑ってる


No.110 13/12/26 10:13
りんご ( ♀ UNyGh )


16時近くになり

『ご苦労さん、もう上がっていいよ。』

と、バイト代5千円と千円が入った大入り袋を貰った

当時のバイト代にしたら破格の金額だった

マミが
『ありがとうございま~す‼
すご~い、こんなに貰えるんだ~‼⤴⤴』
はしゃいでる

私も初めてしたバイトで貰った初めてのバイト代だったから、凄く嬉しかった

『今日は特別‼
可愛い子が3人も居たから、売り上げ倍増だったから、また来てよ。』
先輩が言ってた

後片付けをして
海の家を後にした

3人して唯の家に行った

『シャワー浴びてくるね』唯がシャワーを浴び、
マミも私も順番にシャワーを浴びた

『お店おいでよ‼』
マミが言った

『行く、行く~‼✋』
マミが手をあげた

『リンゴは⁉』

『うん…』
早く帰らないと
またウルサイ母親に怒られるだろうな…
そう思って迷っていた

そんなやり取りをそばで聞いていた唯のママが

『リンゴちゃん、私がお母さんに電話してあげるようか⁉』
と言ってくれて電話してくれることになった

☎『いつもお世話になってます、唯の母です。
今日は、お友達が何人か集まって楽しんでますので、うちでご飯食べていきなさいって誘ってるんですよ。ちょっと遅くになりますが…』

👌ママがOKサインを出してる

電話を代わったら
『あまり迷惑かけないよう遅くならないうちに帰ってきなさいよ。』
って母親が言った

No.111 13/12/26 10:27
りんご ( ♀ UNyGh )


唯のママはそんなやりとりは慣れているようだ

唯がタバコに火をつけた

ママは何も言わない
ビックリした

『リンゴも吸う⁉』

首を横に降った

『お店行くから、後はよろしくね。』
唯のママが出掛けていった

唯とマミが化粧をしている
黙って眺めていた

マミが
『リンゴも化粧しなよ‼』
って、、また化粧をしてくれた

鏡の中の自分の見て
ちょっと大人になったような気持ちになっていた

タバコに火をつけてみた

おいしくはない

でも大人になったような気分になっていた



No.112 13/12/26 10:45
りんご ( ♀ UNyGh )


『お腹空かない⁉』

『空いた~‼』

外に出た
唯の勧めで、3人して小さな中華屋さんに入った
唯の男友達がバイトしている店だった

中途半端な時間の為か
他にお客はいなかった

3人してワイワイ食べてると、奥から唯の友達もきて一緒にテーブルに座った

『こっちがマミ、こっちがリンゴ』
唯が食べながら紹介した

『俺、徹(トオル)唯の同級生』
自己紹介してくれた

『ダメダメ~‼』
『二人共、彼氏居るからね~』
唯が言った

『なんだよ、それ⁉
自己紹介くらいしたっていいだろ⁉』

アハハハハッ

『リンゴには絶対手をだしたらダメだからね‼』

『俺、タイプだな~、お前みたいに下品なやつ無理‼』

『下品だって⁉』
また笑い転げてた

『リンゴはね、ミツル先輩の彼女なの‼』

『えっ⁉ミツル先輩の…意外…』

この人もミツルの事
知ってるんだ…
『意外』って…

No.113 13/12/26 12:40
りんご ( ♀ UNyGh )

お腹もいっぱいになって
唯のママの店に向かった

唯のママの店は
駅のアーケード街を抜けた
路地裏にあった

ドア1枚の小さな店だった

スナックに入るのも
私は初めてだった…

まだお客は1人も居なかった

中は薄暗く
小さいテーブル席が3つとカウンターだけの
小さい店だった

唯がカウンターの中に入り
『何にする⁉』
と聞く
『まかせる‼』
マミが答えた

『リンゴは⁉』

『私は…オレンジジュースで…』

唯が慣れた手つきで
シャカシャカ何やら作っていた

私には、オレンジジュース
マミには、キレイな色をしたカクテル🍸を出した

カクテルなんてものを見るのも初めてだった
小さなグラスの中にサクランボが入っていた

『おいし~‼』
『飲んでみる⁉』
マミが言ったが…
首を横に振った

カクテルに興味はあったが、飲めない自分がいた


No.114 13/12/26 12:57
りんご ( ♀ UNyGh )


唯がタバコに火をつけ
煙をプハーッて吐いた

やっぱりママは、何も言わなかった

唯もマミもお姉さんが居るからか、親もそんなもんだと何も言わないみたいだ

それに引き替え
うちの母親は帰りがちょっと遅くなったくらいで
誰と何をしていたってウルサイ

夏休みだと言うのに
『勉強しろ、夏期講習行けっ』てウザくてたまらなかった

母親自慢の出来のいい息子

お兄ちゃんは嫌いじゃなかったが
いつも比較されるのに
ウンザリしていた

お兄ちゃんは、お兄ちゃん‼
私は、私‼
そう思っていた

お兄ちゃんだって、由美さんとあんな事してるのに…
母親は知らないのだろう…


No.115 13/12/26 13:29
りんご ( ♀ UNyGh )


8時を過ぎた頃
ポツリ、ポツリと
お客が入り出した

地元の常連客ばかりのようだった

カウンターの奥に
それぞれの名前の書いた
ボトルが置かれていた

『おっ…今日は可愛い子が随分と揃っているね~‼』入ってきたお客が言った

『違う、違う、お店の子じゃないからね。私の友達‼』
唯が言った

『残念、こんな可愛い子が居たら、毎日でも来ちゃうのに~』

『可愛い子が居なくても、毎日来てるじゃん‼』

アハハハ(笑)
ガハハハ(笑)

誰とでも平気で喋れる唯が羨ましかった


No.116 13/12/26 13:43
りんご ( ♀ UNyGh )

気がつくと
それでもテーブル席は埋まっていた

スナックの店内は
タバコの煙で白くなっていた


『あれ、、ミツルの彼女らしいよ…』

『へぇ~ミツル高校生と付き合ってんの⁉』

『子供じゃん…』

後ろのテーブルでコソコソ話してる会話が耳に入った

『あの十字架の…』

『シッ…』


店内のカラオケの音に
言葉がかき消された


十字架の⁉
今、何て言ったの⁉

知りたかった

知りたかったが…
尋ねる事は出来なかった


時間は9時を回っていた

帰らなくちゃ…

『私、帰るね‼』
『ごちそうさまでした。』

『また、いらっしゃいね。』ママが言った

私は一人スナックを出た

マミは唯の家に泊まることになった


一人アーケード街を抜け
駅の改札を入っていった

一人帰らなきゃならない自分に苛立っていた

私だって泊まりたかった
でもウルサイ母親が友達の家に泊まる事なんて許してくれるはずもなかった

皆、してる事なのに…

No.117 13/12/26 13:55
りんご ( ♀ UNyGh )


電車は出たばかりだった
次の電車は、20分も後だった

下りの電車は結構あるのに
上りの電車は少なくなっていた

一人ホームのベンチに座っていた
上りの電車を待つ人影は疎らだった

下りの電車が何本か着いては発射して行った


『お前、何してんの⁉』
振り返るとミツルが居た…

『・・・』

『車で送るから来いよ。』
ミツルが歩き出す
ミツルの後について歩き出した

『怒ってる⁉』

『怒られるような事したのか⁉』

『・・・』

駅を出てミツルの車が置いてある駐車場についた

No.118 13/12/26 14:02
りんご ( ♀ UNyGh )

『乗れよ‼』

やっぱり怒ってる…

ドアを開けて乗り込む

『・・・』
黙ってエンジンを掛け車は走り出した

ステレオから音楽が鳴りだした

パチンッ
ミツルがステレオを切った

沈黙が続く

『何で⁉』

『えっ⁉』

『何でこんな時間にお前が居る訳⁉』

『マミと唯の家に遊びに来てた…』
唯のママがご飯を食べて行くように言って、、家に電話してくれたいきさつを話した

ミツルは黙っている

No.119 13/12/26 14:11
りんご ( ♀ UNyGh )


『しかも、化粧までして…』

『俺、言ったろ、化粧なんてすんなって…』


『どうせ私は子供ですよっ‼』
店で『子供じゃん』て言われた言葉が引っ掛かっていた…

『何、お前、開き直ってんの⁉』

『私は子供だから、ミツルには相応しくないって‼』

『誰がそんな事言ってんの⁉』

『皆が言ってる‼』

『関係ね~だろ⁉俺が倫子の事好きなんだから、言いたいヤツには言わせておけよ‼気にすんなよ。』

『知らない事ばっかり…』

『わかんね~よ、何がいいたい訳⁉』

何がいいたいのか
自分でもよくわからなかった

No.120 13/12/26 14:31
りんご ( ♀ UNyGh )


最初にミツルとデートした海辺の駐車場に車を入れ停車した

『・・・』


ミツルは黙って考えてる


暫くして
『俺、今日一日汗水垂らして仕事してたんだよ。』
『お前は家で勉強してるんだとばっかり思ってた…』

『日曜日なのにミツルが仕事してたら、家に居なきゃダメなの⁉』
『化粧したらダメなの⁉』

『俺さ、お前のこと大切にしたいって言ったろっ⁉』

『何⁉大切にするって、わかんない‼』

『わかんないかぁ…』

沈黙が続いた

ミツルがキスをしてきた


『お前……』

『タバコ吸ったろっ⁉』

『・・・』

『俺に隠れてタバコ吸ってたんだ…』

『そんなんじゃない、今日、初めて吸った…』



No.121 13/12/26 15:31
りんご ( ♀ UNyGh )


『高校生くらいにはさ、タバコ吸ってるヤツも居るだろうよ。
俺も吸ってた。
でも、俺は倫子にはタバコ吸って欲しくない。』

自分は吸ってるくせに
勝手な事を言っている

『男って勝手だろ⁉
でも俺は、自分の女にタバコ吸って欲しくないんだ。』

自分の女…
ミツル…
今、私のこと自分の女って言ったよね⁉

すごく嬉しかった

『ゴメンナサイ…』

『わかってくれる⁉
俺、ホントに倫子のこと大切にしていきたいんだよ。
絶対、お前のこと守るから…何があっても守るから…』

大切にされてるんだなと実感した


『帰りたくない…』

『それはダ~メ‼』
『ちゃんと、お家に帰りなさ~い。
ケジメだって言ったろ⁉』

『俺、ちゃんとしたいから、コソコソ付き合うの嫌だし、倫子の親にちゃんと認めてもらえるように頑張るから…』

『うん…』


ミツルはエンジンをかけ
家の近くまで送ってくれた

『も~っ、遅いじゃない‼
迷惑かけなかった⁉
何も持たせないで恥ずかしいじゃない⁉』
母親が矢継ぎ早に言っていた

色々聞かれるのが面倒だから、そそくさと二階へ逃げた


No.122 13/12/26 15:40
りんご ( ♀ UNyGh )


部屋に入って電気をつけた
カーテンを開け、窓の外を見た

ミツルの車が走ってきた

ライトをパッパッパッと3回パッシングして走り去っていった

それがバイバイの合図になっていた

一人ベッドに寝転びながら、今日一日あった事を思い出していた

初めてのバイト
楽しかったぁ~

唯んちに行って

初めてスナック入って…

初めてだらけの一日だった

そしてミツルと逢って…


・・・・・
そ~言えば…
十字架って…
何の事だろう…
ミツルに聞いてみようかな…

No.123 13/12/26 21:14
りんご ( ♀ UNyGh )


またつまらない夏休みの夏期講習が始まった

夏期講習のレベルは高くて勉強ばっかりしてる奴らとは話が合わないって思ってた

休憩時間にも参考書を開いて勉強しているのが大半だった

『ね~っ、君さN校でしょ⁉』

『うん』

『N校も進学する子いるんだ⁉』

バカにしてる⁉
『別に勝手でしょっ‼』

『あっ…ゴメン、意外に思ってさ、、、』

『俺、K高校、田中実、ヨロシク‼』

『ふ~ん…』

『君は⁉』

『青山倫子』

『ミチコって言うんだ』

初めて夏期講習で声を掛けられた

『どこの大学か決めてるの⁉』

『別に…』


そう、まだどこの大学に進学するかなんて、まったく考えてもいなかった



No.124 13/12/26 21:32
りんご ( ♀ UNyGh )


夏期講習が早く終わったから、
久々に真智子のバイト先に向かった

『真智子✋』

もうちょい、待ってて…
真智子がフードコートの方を指さした

一人フードコートで真智子を待っていた

『お待たせ~✋』

『バイト大変だね』

『も~慣れたよ。』

『なんかあった⁉』

『どうもしないけど…
つまらなくてさ…』

『ミツルと上手くいってないの⁉』

『いや、普通~』

『普通ってなにさ~(笑)』

『真智子は⁉』

『普通~』

『こないださ、マミと唯の海の家手伝ってきた』

一部始終を真智子に報告した

真智子はいつもように
うん、うん、て聞いてくれていた

『リンゴさっ、あんまり唯と深入りしない方がいいよ、いい噂ないし…』

『そうだね、、ミツルも口には出さないけど、多分嫌みたい…』


『こないだ、林とさ…した…』

『えっ⁉』

『林としちゃった‼』

『いつ⁉』

真智子の突然の報告に驚いた

『中学のバスケの合宿があって、二人で見に行ったんだ』

林君と真智子は中学の時の同級生で同じバスケ部だった

『その帰りに…林んちに寄って…』

No.125 13/12/26 21:42
りんご ( ♀ UNyGh )


『なんか疲れててさ、、林の部屋でウトウトしちゃったんだ
そしたら、林がキスしてきて…』

真智子と林君は
小学校から親同士も顔見知りで公認の仲だった
お互いの家を行き来していた

『真智子もしたんだ…』

『ミツルとは⁉』

『まだ…』

『林とはもう5年も付き合ってるしさ…』


なんか一人だけ取り残さたような気持ちになっていた…

ミツルとならいいって思ってた

No.126 13/12/26 21:59
りんご ( ♀ UNyGh )


そんな夏休みも半分が過ぎようとしていた

母親がバタバタと動き回る音で目が覚めた…

『倫子~、いつまで寝てるの~⁉
ちょっと下りてきてよ~』

はぁ~ウザイ…

下へと下りて行った

『お婆ちゃんが自転車で転んでケガしたらしいのよ。一緒に行ってくれる⁉』

『夏期講習あるけど…』

『そうね~、しょうがないわね、、ちょっとお母さん行ってくるから、電話するからちゃんと夏期講習行ってよ‼』
バタバタと出掛けて行った

お婆ちゃん
母親の母親は、電車と新幹線を乗り継いで3時間程の他県で一人暮らしをしていた
お爺ちゃんは3年前に亡くなっていた

No.127 13/12/26 22:15
りんご ( ♀ UNyGh )


夏期講習に出掛け
帰って来ると、母親が戻っていた

『お婆ちゃん、どうだったの⁉』

『母さんたら、自転車を押していて自転車ごと転んだらしいのよ…そしたら手首と大腿骨骨折ですって…』

『入院⁉』

『大腿骨は手術しなくちゃならないって…1ヶ月は入院になるみたいなのよ。
母さんにも困ったもんだわ…
年はとりたくないわね…』

年は取りたくないって、自分だってしっかりおばちゃんのクセに…

『明日、手術だから帰って来られないと思うから、、大丈夫⁉』

『大丈夫だよ、、』


内心
やった⤴⤴って思った

No.128 13/12/26 22:25
りんご ( ♀ UNyGh )


次の日
目が覚めたら、母親は出掛けた後だった

テーブルの上に
3千円置いてあった

・お昼は冷蔵庫にカレーが入ってるから温めて食べてね
・夜はお兄ちゃんと相談して出前をとりなさい
・玄関のカギは必ず締める
夜、電話するから

書き置きがしてあった

No.129 13/12/26 22:42
りんご ( ♀ UNyGh )

暫くするとお兄ちゃんが起きてきた

『ふ~ん…倫子、俺、今日はバイト入ってるから帰り遅くなる、なんか適当に食べてな‼』

『ふ~ん…』

父親は、仕事でいつも帰りが遅かった
その頃、父親を嫌っていたし、顔を合わせない日もあった

夏期講習が終わって真っ直ぐ家に帰っていた

電話のベルが鳴った

☎『もしもし…』
母親からだった

☎『お婆ちゃんどう⁉』

☎『手術も無事済んで、今は眠っているから、、家の方は⁉』

☎『別に…』

☎『じゃよろしくね、ちゃんとカギ締めてね。』

電話を切るとすぐに家を出て駅に向かった
今日、ミツルは日勤だった
今から駅に行けば、ミツルの帰りの時間には間に合う…


No.131 13/12/27 19:48
りんご ( ♀ UNyGh )

>> 130
ありがとうございます。

ズラズラと書き綴って
おりますもので…

誤字、脱字も多く
わかり難いシチュエーションも多いですが…
その辺は、ご容赦下さいまし…


引き続きよろしくお願いします。

No.132 13/12/27 20:06
りんご ( ♀ UNyGh )


改札前の伝言板横で
待っていた

伝言板は必ず見るって言ってたから

10分…20分…30分…

ミツルが階段を上がってきた‼

『どうした⁉
何かあった⁉』

『お母さんが今日は留守だから…』

『悪い子だなぁ~…』
『まっ…たまには息抜きも必要だもんな。』

『じゃ、飯でも食い行くか⁉』

『うん⤴⤴』

『何、食うか~⁉』

『ミツルのお勧めでいいよ。』

『俺、あんまこっちで食わないからよくわかんね~や…車ね~し…』

で、結局、回転寿司🍣に入った

『俺さ、寿司めっちゃ好きなんよ~。』
『腹減ってるし』

ミツルは13皿をたいらげ
私は5皿を食べた

『遠慮すんなよ(笑)
いっぱい食べないと
背伸びないよ』

『ど~せ私はチビですよっ‼』

『チビなんて言ってね~じゃん
可愛いいよ(笑)』


ミツルは、時々ポッと喜ぶような言葉をサラリと言ってのける


No.133 13/12/27 20:18
りんご ( ♀ UNyGh )



『これからど~すっか⁉』

『家に来る⁉』

『イヤ、止めとく
母親が留守ってわかってて
行く訳にゃいかないから。』

妙なところは律義なミツルだった

『時間大丈夫ならさ、B市まで電車で行って、ドライブしながらこっちに帰ってくるってどう⁉』

『うん、そうする。』

二人で電車に乗り込んだ
手を繋いで座った

『なんで通勤は電車なの⁉』

『電車に乗ったら、可愛いい女子高生がいっぱいいるじゃん‼』

『えっ…ウソ⁉』
ミツルの手の甲をツネってやった

『イテテテ…
冗談だよ、冗談‼
俺の車だとさ、会社入れてくんないんだよ、
会社、自動車の工場じゃん、結構、ウルサイのよ。』

『そ~ゆ~事だったのかぁ~、、、
ミツルが電車通勤なんて意外だなと思ってたんだ。』

No.134 13/12/27 20:27
りんご ( ♀ UNyGh )


『俺、来月から正社員になれる事が決まった』

『ホント⁉』

『今日、工場長から内示があった』

『よかったね。
お祝いしなくちゃね‼』

『人生初の正社員てヤツ、今までも正社員と仕事は同じだったし、ボーナスも寸志だけど貰えたけど正社員となるとやっぱ額も違うしなっ』
『俺、いっぱい稼いで、いっぱい貯金すっから…なっ…』

『今日は、嬉しい日だね。なんかお祝いしなきゃだね。』

『オゥッ‼』

B駅に着いた


No.135 13/12/27 20:41
りんご ( ♀ UNyGh )


改札を抜けて
ミツルの駐車場に向かった

車に乗り込み
走らせた

『ちょっと寄って行きたい所がある。』

暫く走ってお土産屋さんの駐車場に入った

後から付いていった

『お袋‼』

えっ…お袋⁉お母さん⁉
ヤダ、なに突然、
心の準備が…ないない💦💦💦

『あ~ミツル』
『あらっ⁉』
『リンゴちゃん⁉』

『あっはいっ…青山倫子と申します。』
頭を下げた

『あっ…みちこちゃんて言うのね、アハハハ、、
ほらっこの子の車の助手席にリンゴって書いてあったから、、、
はじめまして、
ミツルの母です。』

明るい感じのいいお母さんだった

『送ってくっから、
顔出しただけだから…』

『ちょっと待って‼』

お母さんは、店のお土産のお菓子やらお饅頭の箱を袋に詰めて

『これ、荷物になるけど、持ってて‼
今度、家の方にもいらしてね。』

ものの10分の出来事だった

No.136 13/12/27 20:50
りんご ( ♀ UNyGh )


車に乗り込む

『ね~っ、、、
何でお母さんの所に行くなら、行くって先に言ってくれないの⁉
ビックリしたでしょ⁉
ちゃんと挨拶も出来なかったじゃん‼💢』

『い~の‼
そのままで、そんな気取るようなお袋じゃないから。』

『お母さん、リンゴって知ってたね⁉』

『そりゃそ~だよ、、デカデカと指定席って刺繍してあんだろ。(笑)』

『どこでこの刺繍ししたの⁉』

『ん、知り合いの店』
『ジャンパーとかユニフォームに刺繍入れてくれんの。』

『ふ~ん』

No.137 13/12/27 21:00
りんご ( ♀ UNyGh )


『ちょっと風にあたるか⁉』

『うん』

海辺の駐車場に車を停めた

『一つ聞きたい事があるんだけど…』

『ん⁉』

『・・・』

『なんだよ⁉』

『十字架って…何⁉』

ミツルの顔が一瞬曇った

『誰から聞いた⁉』

『・・・』

『聞いちゃいけなかった⁉』

『そのうちなっ…』

『ゴメンネッ…』

黙ってる
ミツルが不機嫌になってた

『行くぞ‼』


No.138 13/12/27 21:11
りんご ( ♀ UNyGh )

沈黙が続いた
明らかにいつものミツルとは違う感じがした
聞かなきゃよかった…
そう思ってた…


車が急に曲がって道沿いのラブホに入った

『えっ…⁉』

『ちょっと付き合えよ。』
こんなの嫌だ
でも家を出た時は、
母親も帰ってこないし
もしかしたらって期待してた自分もいた

でも、ミツルなんか怖い…

車を停車し
助手席のドアを開け降りるよう促すミツル

ミツルに手を引かれついて行った

車を停車した後ろ側にドアがあって中に入っていった

部屋のキーを取りエレベーターに乗った

ミツルは慣れてる⁉

ドキドキ、ドキドキ
ドキドキ、ドキドキしてた

部屋に入った


No.139 13/12/29 17:28
りんご ( ♀ UNyGh )


薄暗い部屋は和室だった

手前の座敷に机と座椅子

奥にはベッドが見えた

立ちすくんでいると

『まぁ~座れよ』
ってミツルが言った

とりあえず座る

ドキドキ、ドキドキ
ドキドキ、ドキドキ
下を向いている

ミツルも黙ったまま

これから…
ミツルと…

ドキドキしてた

ミツルがお茶を入れてくれた

こ~ゆ~時は
普通女がお茶を入れたり
するんだろう…
気がきかない…
と言うより
そんな余裕はなかった



No.140 13/12/29 17:38
りんご ( ♀ UNyGh )

『まっ…
お茶でも飲もうや。』
ミツルが言って
お茶をゴクリと飲んだ

暫く続く沈黙


ミツルがタバコをくわえ
火を付けた

『ふぅ~っ』
ゆっくり吐き出す

『……』

半分も吸わないうちに
もみ消した…

また少しして
タバコに火をつけ
半分だけ吸って
もみ消した…


『俺は倫子のことが大好きだ』

『私も大好き』

『俺でいいのか⁉』

『うん…』







No.141 13/12/29 17:44
りんご ( ♀ UNyGh )


ミツルが立ち上がり
シャツを脱いだ…


ドキドキ、ドキドキ
ドキドキ、ドキドキ…



ミツルが後ろを向いた




背中に大きな

傷があった…




『・・・・』

『さっきの話な…』

『えっ⁉』
何の事かわからない


『十字架のって話…』

『あっ…』


『これの事だよ』

『・・・・』


何があったのだろう

見ただけで大きなケガだったんだろうなとは予想はついた…



No.142 13/12/29 18:02
りんご ( ♀ UNyGh )


昔、バイクに乗ってた頃

『事故したんだ…』

『その時のキズ』

『気を失って
気がついたら、病院の集中治療室だったんだ、情けない話だろ⁉』

『ケガは順調に回復していった』

『それがさ、退院する頃には、なぜか敵対する暴走族とやりあって、俺一人で10人相手にしたとか、20人相手にしたとか大きな話になってて…笑うちゃうだろ⁉』


『後輩達は勝手にこのキズの事を十字架を背負ってるとか伝説だとか言ってるんだよ、笑っちゃうだろ?』


『俺ってさ、ケロイド体質って言うの?キズになりやすい体質だから…』


よく見ると、長いキズに横に十字になるようにキズがあり十字架のように見えた…

『痛かったでしょ⁉』

『そりゃ~痛かったさ(笑)』

立ち上がり、
ミツルのキズをそっと指で撫でた



No.143 13/12/29 18:08
りんご ( ♀ UNyGh )

ミツルが振り返り

『ホントに俺でいいんだな⁉』
と聞いた

『うん…』
とうなずいた


ギューッと
ギューッと

力強く抱き締められた

ミツルの素肌に頬を寄せて肌の温もりを感じていた


ミツルの腕のに包まれて
ミツルの鼓動に耳を寄せていた…


No.144 13/12/29 18:19
りんご ( ♀ UNyGh )



その時は、後から知ることとなる
ケガの真相なんて知るよしもなかった


ただ抱き締められて
幸せだって思ってた


『お茶…喉乾いた…』

座ってお茶を入れた

『倫子にお茶入れてもらうの初めてだな(笑)』


『そ~だね。』


『俺さ、浮気なんて絶対しね~から信用しろなっ』


『うん』


『後さ、十字架の話とかさ、、なんかあったら直接聞いてくんない⁉
一人でモンモンとすんなよ。
俺って頭悪ぃ~から、言ってくんなきゃなんにもわかんね~し…
倫子の事、ホントに好きだかんな‼
だから、お袋にも会わせたかったし、、
お袋にも事故したり心配かけたからさ…』

No.145 13/12/29 18:35
りんご ( ♀ UNyGh )


『出ようか⁉』


『えっ⁉・・・』


『遅くなるからさ。』

『今日は、お母さん帰って来ないから、大丈夫だよ‼』

『お袋にもちゃんと送れって言われたろ?(笑)
だから、ちゃんと送る。ケジメだからさ…』


『ミツルは、、したくないの⁉』


『今度な…』
『二人きりで落ち着いて話したかったし…』

結局、何もしないでラブホを後にした


ガッカリしている自分が居た

せっかくお母さんが留守なのに…


いつものように自宅の近くまで送ってもらい、
車を降りた


No.146 13/12/29 19:45
りんご ( ♀ UNyGh )


ラブホまでいったのに…

あんなに
ドキドキ、ドキドキ
ドキドキ、ドキドキ
したのに…


せっかく覚悟を決めて
可愛い下着だってつけて


ミツルったら…


なんだろう⁉


まわりの友達が
経験したの知って


焦っていたのかもしれない

まさかと思ってた真智子までが、林君と、、、



自分だけが
取り残されているような


そんな気持ちになっていた


No.147 13/12/29 19:57
りんご ( ♀ UNyGh )


いつしか眠りについていた

翌朝、目が覚め
下に下りていく

『倫子、、父さん今日から盆休みだから、ちょっとお婆ちゃんの様子見に行くけど、倫子も一緒に行くか⁉』
父さんが声かけてきた


『うん…予備校の宿題があるから…』

『そうか、残念だな』

『たまには、お母さんと二人でゆっくりしてきなよ。』


父親は身支度を整え

『じゃ、後は頼んだぞ。』

やだやだ、あんな帰省ラッシュの座れないような電車と新幹線を乗り継いで行くのはゴメンだ…
内心そう思ってた

幼い頃は、毎年
夏休みに母の田舎の
お婆ちゃんの所へ帰るのがあんなに楽しみだったのに…


お兄ちゃんの受験や、私の受験もありここ数年、お婆ちゃんの所へは行っていなかった


No.149 13/12/30 12:03
りんご ( ♀ UNyGh )

>> 148
※主です。


そ~なんですよね。


時々、ど~してるかな⁉

結婚してるだろうな⁉

逢ってみたいな…


なんて思っちゃうことがあるんです…

逢ったからと言って
何かを期待してる訳じゃない…
と言うより
何かあっちゃいけないんだろうけど…


あんなに恋い焦がれたり
何も考えないで
ストレートに
『好き』と言う感情だけでそばに居るだけで
ときめいた時間は
もう戻る事はない


それでも
思い出は

甘酸っぱくて
ドキドキしたトキメキがあって
一番輝いていた自分が居るもんです。



引き続き
ズラズラと綴っていきますので、よろしかったらお付き合いくださいまし


ありがとうございます。



No.150 13/12/30 17:19
りんご ( ♀ UNyGh )


そう、、

ミツルの会社も連休にはいっていた
夏期講習も休みだった

母親は、お婆ちゃんの入院で実家に行っていたし
父親も、後を追うように
田舎へ行った⤴⤴


よからぬ事を考えない訳がない(笑)


こんなチャンス
めったに来るもんじゃない

普段、口ウルサイ母が留守なだけで、気持ちはルンルン🎵してた




No.151 13/12/30 17:25
りんご ( ♀ UNyGh )


ミツルに電話を掛けた

☎『もしもし…』

☎『もしもし、、俺』
ミツルが電話に出た

ミツルが迎えに来てくれる事になった


シャワーを浴びて
薄く化粧をした

その頃には、一通りの化粧道具も揃えていたが、ミツルがあまり化粧を好まかったので、いつもわからない程度の薄化粧だった



No.152 13/12/30 17:37
りんご ( ♀ UNyGh )


ミツルと合流

車に乗り込んだ

『どこ行く⁉』

『水着持ってきたよ。』

『・・・』
『そろそろクラゲが出てくるべ⁉』

ミツルは泳ぎに行きたがらない…
前に泳げないって言ってたから⁉
やっぱり背中のキズがあるからか⁉

『まぁいっか…』
『じゃ、行くか⁉』

ミツルの地元に車を走らせた

途中でミツルの海パンを購入した


ミツルの駐車場に車を置き、先輩の居る海の家まで歩いて行った

1日だけアルバイトした
唯の居る海の家だ


『オゥッ、ミツル‼』

『ちわ~っス』

『浮き輪借りていいっスか⁉』

『ギャハハハ、持ってけ~‼』


No.153 13/12/30 17:47
りんご ( ♀ UNyGh )


そんなやり取りをしている間

更衣室を借りて着替えた

あまり大胆ではない
フリルの着いたワンピースの水着だった

ビキニにしたい気持ちもあったが、、、思いきれずにワンピースを選んだのだった


『おっ、可愛いじゃん💕』

ちょっと恥ずかしい

二人で手を繋ぎ海へと向かった

『リンゴは、泳げるの⁉』

『うん、スイミング通ってたから(笑)』

ミツルが浮き輪をかぶり
私が浮き輪につかまる形になった

沖へと向かって泳いでいった


『気持ちいいね。』

『こっち入れば⁉』

浮き輪は二人でも入れるくらいの大きさだった

No.154 13/12/30 17:54
りんご ( ♀ UNyGh )


二人で一つの浮き輪に入っていた

素肌と素肌が触れ合う

ミツルが後ろから首筋にキスをした


密着した身体がくねる


今度は後ろに回り
後ろからミツルに抱きついた…



夏のギラギラした太陽が
大胆にさせた


No.155 13/12/30 18:19
りんご ( ♀ UNyGh )


『Tシャツ脱げば⁉』

『いや、いいんだ…』

ミツルはTシャツを着たまま海に入っていた…

きっと、背中のキズは
ミツルのトラウマなんだろうな、、、
そう感じた


二人でユラユラ波に揺られながら、ただただ漂っていた

『ちょっと、あがろうか⁉』

『そうだね』

浜にあがり、寝転んだ

オイルを塗ってもらった

ミツルの手が
肩から背中と、丁寧にオイルを塗ってくれた


少し休んで

『海入るか⁉』

『うん…』

二人で手を繋ぎ
また海へと入っていった

『あれっ⁉浮き輪は⁉』

『いらないよ(笑)』


No.156 13/12/30 18:27
りんご ( ♀ UNyGh )


ミツルに手をひかれ
海へと入って行った

『泳げるじゃん‼』

『まぁちょっとはね…』

そんな事はない
私をおんぶして泳いでいるんだから…

ミツルの背中につかまっていた

細いと思っていた
ミツルの背中は
意外と大きく筋肉質だった


No.157 13/12/30 18:34
りんご ( ♀ UNyGh )


『そろそろ戻るか⁉』

『うん…』

浮き輪を返し
シャワーを借りて
着替えた

先輩が、焼きそばとジュースを出してくれた

今日は唯はいないみたいだった

ミツルが着替えに行った

『リンゴちゃん、アイツのことヨロシクな‼いいヤツだから‼』

『はいっ‼』

『先輩~、口説いちゃダメっスよ~‼』
着替えから戻ったミツル言った

『バ~カ、、』(笑)




No.158 13/12/30 18:45
りんご ( ♀ UNyGh )


『ど~する⁉』
『俺んちにくるか⁉』

『えっ…⁉』

『誰もいね~から…』

そのままミツルの家に行く事になった

まだ新しい家だった

玄関を入り
リビングに入ったら


ミカン畑の先に海が見えた

凄い…
ミツルは毎日こんな風景を見てるんだ

『スゴいね…』

『親父とお袋が意地で頑張って手に入れた家だよ。
この家は幸(妹)のもんだ…俺の家じゃない…』


『麦茶でいいか⁉』

『ありがと。』
『あ~冷たくて、美味しい⤴』

『俺、シャワー浴びてくるわっ、頭から砂が出てくる(笑)』

ミツルが翌日へと入っていった

No.159 13/12/30 18:48
りんご ( ♀ UNyGh )


※主です

前ページ 【訂正】
最後の文章

翌日→浴室

誤字・脱字多くてすいません。



No.160 13/12/30 18:54
りんご ( ♀ UNyGh )


『リンゴもシャワー浴びて来いよ‼』
『誰も来ないから、遠慮すんなって‼』

『うん…』
髪の毛もバサバサだったし…
オイルもついてたから、シャワーを借りた

『ありがとう、さっぱりした。ちょっとヒリヒリしたよ~。』

二人でソファに寄り添いながらウトウトしてた

鳥の声しか聞こえない
静かな時間だった



ミツルが唇を重ねてきた



No.161 13/12/30 19:02
りんご ( ♀ UNyGh )


『いいのか⁉』

『うん…』


『俺の部屋行こう。』
ミツルに手をひかれ
部屋へ行った

部屋にはベッドとテレビしかなかった

クローゼットが作りつけだったから、すっきりとした部屋だった


『意外、キレイにしてるんだ…』

『何もないだけだよ。』
『おいで…』
ベッドに誘われた


唇を優しくそっと重ねた

ギュッと抱きしめられた


『いいのか⁉』
もう一度聞かれた

『ミツルがいい…』


No.162 13/12/30 20:08
りんご ( ♀ UNyGh )


ミツルがカーテンを引いた
遮光カーテンが太陽を遮り部屋が暗くなる



ドキドキ、ドキドキ
ドキドキ、ドキドキ


ゆっくりと唇を重ね

ミツルの手が
キャミソールをたくしあげ脱がした


ゆっくりと唇から首筋へと吸い付くように
キスされていく



そして…
包み込むように触っていた胸の敏感な部分に

ミツルの唇が
触れてきた…



恥ずかしい…



『大丈夫だよ…』
ミツルが囁いた


No.163 13/12/30 20:22
りんご ( ♀ UNyGh )


緊張で身体が固くなる

『大丈夫だから、力を抜いて…』



『うん…』




ミツルの膝が
足の間を割って入ってきた


真っ直ぐに伸ばしていた
私の膝を立たせた…


そして、ゆっくりと力を込めた……



『痛いっ…』



『ゴメン、止めようか⁉』
『大丈夫……』


ゆっくりとゆっくりと…



No.164 13/12/30 20:33
りんご ( ♀ UNyGh )


『力を抜いて…』



やがてミツルと一つになった



愛しむように
ミツルが頭を撫でていた

何度も唇を重ね



『絶対、幸せにするから…』
ミツルが囁いた


『うん…』


やっとミツルと結ばれた



No.165 13/12/30 20:38
りんご ( ♀ UNyGh )



ミツルが重なった身体を離し、、



腕枕して
抱きしめられた


『大丈夫か⁉』

『うん…』

痛みよりも
ミツルと一つになれた嬉しさでいっぱいだった


ミツルの胸に抱かれ
このままずっと一緒にいたいと思った


幸せな時間だった…





No.166 13/12/31 19:37
りんご ( ♀ UNyGh )



『一緒になろうなっ』
『俺、頑張るからさっ』


『うん…』


ミツルと結婚するんだって信じてた


ミツル以外の男の人は
目に入らなかった




No.167 13/12/31 19:52
りんご ( ♀ UNyGh )



『お袋がそろそろ帰ってくるから…下行こうか⁉』


服を着てリビングへ
下りていった

ソファに並んで座り
テレビを見ていると


『ただいま~‼』

お母さんが幸ちゃんを連れて帰ってきた


『ただいま~‼』
元気な幸ちゃんの声


『お邪魔してます。』

『あらっ、、いらっしゃい‼』

『こないだは、いっぱい頂きまして、どうもありがとうございました。』

『いいのよ~…またこっち来たら、遠慮しないで寄ってね。あんなもんしかないけど…』


ミツルが幸ちゃんとふざけて遊んでる

幸ちゃんの事が可愛くて、可愛くてしかたないようだ…

ミツルからは、想像出来ない一面を見たような気がした

No.168 14/01/03 13:11
りんご ( ♀ UNyGh )


『ご飯食べてってね。たいしたものはないけれど。』

『そうしろよ。』
ミツルが言った

『はいっ。すいません。』

決して豪華ではなかったが、手料理が並べられた。

『いただきます。』

ミツル、おばさん、幸ちゃん、私の4人で食卓を囲んでいた。

『遠慮しないで食べてね。』

私『美味し~い。』
どれも、これもが美味しかった。

ミツルが甲斐甲斐しく、幸ちゃんの世話を焼いている。
微笑ましい光景だった。


もし、ミツルと一緒になったら、こんな家庭になるんだろうな…
なんて夢を描いていた。

No.169 14/01/03 14:19
りんご ( ♀ UNyGh )


食事も終わり
後片付けを手伝った。

その間、ミツルは幸ちゃんを膝に抱えてアニメを見ていた。


『倫子ちゃん、ありがとうね。』

『いえ、こちらこそ図々しく、ごちそうさまでした。』

『あの子、最近すごく明るくなったのよ。あなたのおかげね。』

『いえ、そんなこと…』
ちょっと嬉しかった。

『また、いつでもいらしてね。』


No.170 14/01/03 14:25
りんご ( ♀ UNyGh )


『お邪魔しました。ごちそうさまでした。』

『安全運転でね。ちゃんと送るのよ。』

おばさんと幸ちゃんに見送られ、ミツルの家を後にした

『いいお母さんだね。』
『お料理上手だし。』

『料理はな~、ずっとドライブインとか、食堂とかの賄い調理してたからなぁ~。』



No.171 14/01/03 14:31
りんご ( ♀ UNyGh )

車中

『大丈夫か⁉』

『えっ…⁉』

『身体…』

『うん、大丈夫。』

『後悔してない⁉』

『ミツルで良かった…』

『俺達…絶対一緒になろうなっ。』

『うん…』

いつものように、家の近くまで送ってもらった



No.172 14/01/03 14:40
りんご ( ♀ UNyGh )


夏休みも残り少なくなり、お婆ちゃんも暫くは入院するものの落ち着いて、母親も3日程で帰ってきていた。

夏期講習漬けの日常が戻ってきていた。


『真智子✋』

『もうちょいで終わるから、待ってて‼』
いつものフードコートで待っていた

『お待たせ~‼』

『夏休み、後少しだね~』

『ね~終わっちゃうね~…』

真智子には、ミツルとあった事を話した

『そっか、良かったじゃん。幸せいっぱいだね。』

『うん⤴』


No.173 14/01/03 14:52
りんご ( ♀ UNyGh )



『真智子ちゃんバイト終わり⁉お疲れさま~』

『あっはいっ、お疲れさま』

真智子のバイト先の先輩だった

『あっ、友達の倫子、』

『こんにちは‼』
ペコリと頭を下げた

『こんにちは、、

杉山辰巳です、ヨロシク。』
『真智子ちゃん、これから友達とカラオケ行くんだけど、一緒にどう⁉』

『リンゴも行こうよ‼』


『うん…』


明るくノリのいい真智子に誘われて一緒について行くことにした。
途中で杉山さんの友達と合流してカラオケ店へ




No.174 14/01/03 15:04
りんご ( ♀ UNyGh )


もう一人は
矢部 豊と挨拶した

二人共、大学生だった

大学生ってこんな感じなんだな…
年はミツルと同じなのに
子供っぽく見えた

やはり社会人と学生って
違うんだな
って思った

ミツルに逢いたいなって思ったけど…
ミツルは今日は日勤だ



No.175 14/01/03 18:42
りんご ( ♀ UNyGh )


真智子と辰巳先輩は
デュエットしたり
結構、仲いい感じだった

真智子がトイレに立った
後を追うように私もトイレに行った


『真智子‼』

『何⁉』

『辰巳さんと仲いいんだね⁉林君は大丈夫なの⁉』

『・・・』
『辰巳先輩と付き合ってる』

『林君は⁉』

『もう、林とはダメだと思う』

『えっ⁉・・・』



真智子の話によると
バイト先に林君のクラスメートだと言う女の子が訪ねて来て(林君は共学)

別れてくれって懇願されたと言う。

『なんか、林のことなんかど~でもいいやって思っちゃったんだよね~。
真っ直ぐに林への思いを私にぶつける目に負けたって思ったんだよね~…』

『林君は⁉』

『最近、会ってもないし、連絡も取ってない
音信不通、、、自然消滅的な……』

『高校が別々になって、なんとなく距離を感じてたし…そんな時に辰巳先輩に声掛けられて…』


No.176 14/01/03 18:48
りんご ( ♀ UNyGh )


『そんなんでいいの⁉』
『林君の気持ちを確かめた方がいいよ。』

『うん…』

『でも、もう無理だと思う。向こうはさ、学校で毎日会えるんだよ。
なんか嫉妬しちゃうんだ。』

そう言うと、トイレから出て行った


そんな簡単に別れちゃっていいのかな⁉
あんなに仲良かったのに…

複雑な気持ちになった…

No.177 14/01/03 19:31
りんご ( ♀ UNyGh )


ミツルとは、相変わらずの日々を送っていた

ミツルの休みと、夜勤明けの日はデートしてたし

充実していた


高2の夏休みも終わった…

No.178 14/01/03 19:36
りんご ( ♀ UNyGh )


夏休み明け
久々の登校に
クラスメートは盛り上がっていた

バイトに明け暮れた子

彼氏が出来た子

そして
高2の夏休み
初体験をした子

それぞれ夏休みの思い出を報告して
キャーキャー
盛り上がっていた



No.179 14/01/03 19:51
りんご ( ♀ UNyGh )


帰りのホームルームが終わって、、唯から話たい事があるからと声を掛けられた

『ねぇ、ミツルと上手くいってる⁉』

『うん、普通だよ。』

『おネェから聞いた事なんだけどね…』と話始めた

『ミツルの背中キズあるよね⁉』

『うん…事故したって…』

『実は……』

唯の話は
4年前、ミツルが彼女を乗せてバイクで出掛けた時に、他所の土地で暴走族に絡まれたそうだ
二人乗りでは、到底逃げ切れず追い付かれ、ケンカになり、最後までミツルは彼女を庇い大ケガをした

ケンカに警察も駆けつけ、補導される事となったが、彼女の親が地元の有力者でもみ消した

彼女とミツルは引き裂かれ
彼女は、遠い親戚の家に預けられた、、

と言う話だった。


No.180 14/01/03 20:00
りんご ( ♀ UNyGh )


そんな話聞きたくもなかった

知らなくてもいいことだったし…

過去があってもおかしくはない…

今、ミツルは私だけを見てくれてる

そう思ってたし
愛されてる自信があった


一緒になろうって言ったミツルを信じてた…


『そ~なんだ。ありがとう教えてくれて…』

唯のおネェちゃんがミツルの同級生じゃなかったら、知らずに済んだ事だ…





No.181 14/01/03 22:51
りんご ( ♀ UNyGh )


久々に真智子と帰りが一緒になった日

改札を出ると
林君が待って居た


『真智子‼』
真智子が無視して
早足で歩いて行く

『ちょっと待てよっ‼』
『話がある。』

『私は話なんてないっ‼』

『待てってば‼』
『ちゃんと話を聞けよ‼』

『話なんて聞く必要もない‼もう関係ないから✋』

まったく耳を貸さない真智子…

必死に追いかける林君



No.182 14/01/03 23:42
りんご ( ♀ UNyGh )


林君を振り切って歩いていく


次の日も林君は待っていた

真智子のバイト先まで押し掛けて
『別れて』と懇願した子はただのクラスメートで
一方的に林君に思いを寄せてただけだとわかった


それでも、別々の高校へ進学し、すれ違う二人の距離は離れていった

そんな時に辰巳先輩と知り合い、真智子の気持ちは年上の辰巳先輩に傾いていったのだろう

中学時代から
いや、、幼なじみな関係から恋愛関係に発展していった二人だったが…

ちょっとしたすれ違いから、別々の道を歩き始めていた

真智子は潔く、林君の気持ちを振り切った



本音は…
わからないが…





No.183 14/01/04 00:16
りんご ( ♀ UNyGh )


ミツルとデートの日

そんな事があったとミツルに話した

ミツルは黙って聞いていた

『俺は、倫子を離さないからなっ‼』

『うん。』

『倫子と一緒になるって決めたからなっ‼』

『うん。』



『ミツル⁉』

『なんだよ⁉』

『今までに、付き合った子にも言ってない⁉』

『アハハハ、言ってないよ。彼女なんて倫子だけだから。安心しろよ。』


『・・・』

ミツルの事は大好き


でも、ミツル以外から知らなくてもいい事を聞いたりしちゃうとちょっと心配になる時がある

でも過去は過去だ…
4年前なんて、私は中学生…
もし出会っていたとしても、恋愛対象には、なってるはずもない…

気にするのはやめよう…


No.184 14/01/04 00:29
りんご ( ♀ UNyGh )


二学期が始まって半月も過ぎた頃

唯から、カンパ袋が回ってきていた

里沙が妊娠したって……

そんなの自業自得だよと、無視する子もいた…

ホントかどうかもわからないじゃん、と言う子もいた…

私は、、少しばかり袋に入れた。





そう言えば…
生理がきていない…

No.185 14/01/04 00:42
りんご ( ♀ UNyGh )


8月は、月の始めにあったから…

10日以上遅れてる


どうしよう…



夜、ミツルの家に電話した

☎『もしもし』

☎『あっ俺‼』

☎『明日、休みだよね⁉』

☎『オゥッ‼』

☎『相談したい事があるから…』

☎『何⁉』

☎『電話じゃ言えない…』

☎『わかった、学校終わる頃、迎えに行くから…』

☎『うん…じゃあ…』


ミツルは何と言うだろう…
やっぱり困るよね…

でもミツル以外、相談出来ないし…


No.186 14/01/04 00:58
りんご ( ♀ UNyGh )


次の日、一日中、授業なんて上の空だった

食欲もない

なんとなく気持ち悪いような気もしてた…


ホームルームが終わると急いで学校を出た

ミツルの車に乗り込む


『どうした⁉相談て…何かあったのか⁉』

『・・・』

『黙ってちゃわかんないだろ⁉』



『生理が来ない…』



『えっ⁉……』



『俺、オヤジになるのかぁ~…』
と呟いた…


『・・・』


『倫子んちに、ちゃんと挨拶行かなきゃな‼』
『俺に任せろ‼大丈夫だから‼倫子は何も心配すんな‼』
ミツルは上機嫌になっていた


ミツルとは反対に私は落ち込んでいた…


『倫子は俺と一緒になるのが嫌なのか⁉』


『そうじゃない…でもまだ私は高校生なんだよ…』

『じゃ、おろしたいの⁉』

『・・・』


『俺は、責任はきちんととる‼いつかは倫子と一緒になるって決めてたし、、それがちょっと早くなっただけだろ⁉』

『・・・』


お母さんは何て言うだろう…
お父さんは何て言うだろう…


No.187 14/01/04 01:16
りんご ( ♀ UNyGh )


とりあえず、次の土曜日に産婦人科に行くと決めた


ミツルも有給休暇を取って一緒に病院についてきてくれた

病院は、友達から聞いてた、私のA市からほど遠い所の女医さんの目立たない小さな病院にした。

保険証も出せない

名前も住所も生年月日もウソを書いた

他に人はいなかったから、すぐ呼ばれた

尿検査と内診がされた




ミツルと二人で呼ばれた


『あなた達、高校生でしょ⁉』
先生が言った
お見通しなのだろう…

『社会人です』
ミツルが言った

『そう、あなたは彼氏さん⁉』

『はい』



『結果から言うわね。』




『妊娠はしてないわね。夏休みで生理が乱れてるだけだと思うわ。とりあえず、生理のくるお薬をお出しします。様子を見て生理が来ないようだったら、またいらっしゃい。』

『彼氏さん、一緒に来たのは偉いわ、、でも彼女を大切にするって事は、ちゃんと避妊することよ。まだ妊娠は望んでないでしょ⁉』

ちょっとお説教をされて、病院を後にした。


ホッとした



No.188 14/01/04 13:57
りんご ( ♀ UNyGh )


里沙は、相手も特定出来ず堕胎したと噂だった……


一夏のあやまち
遊び
快楽の末の結果
罪のない命を葬った




一歩違えば
私もだったかもしれない



いや、、
ミツルは
父親になることを
望んだ

どうする⁉
と言う迷いはなかった



男の責任だから⁉

セックスすれば
妊娠する可能性は
あると言うこと

避妊してても



No.189 14/01/04 14:02
りんご ( ♀ UNyGh )


でもいつかは
ミツルと一緒になって


ミツルの子を宿す


回りから祝福されて
幸せな家庭を築く


そんな夢を描いていた



ミツルも一緒になる
と言うことは疑わなかったあの頃



No.190 14/01/04 14:14
りんご ( ♀ UNyGh )


二学期になって
職場体験実習があった


学校から、選んだ職場に
体験に行くと言うものだった。


介護の施設や
販売や工場
中には農業体験なんかもあった

私は美容室へと決めた


先生からは
『遅刻は絶対しないように、、、体験と言っても直接お客様と接する機会もある場合もあるから失礼のないように。』と厳しく言われた。


ちゃんとしたアルバイトもした事はなかった私にとって、初めての経験でもある。



緊張してその日を迎えた


『おはようございます。今日、一日職場体験をさせていただきます。
青山倫子です。
よろしくお願いいたします。』


夫婦で営む小さな美容室だった


親よりも若干若い感じの夫婦は

『よろしくね。倫子ちゃんでいいかしら⁉』

『はい』


『今日は、掃除をしてもらうわ、カットをした後のフロアをお願いするわね。』と奥さんが言った


緊張する~……



No.191 14/01/04 14:21
りんご ( ♀ UNyGh )


小さい店だったが
お客様のほとんどは
予約の常連様のようで結構繁盛していた


次から次へと休みなくお客様がやってくる


何気ない日常会話が、夫婦の温かい人柄を感じさせた素敵な夫婦だった


『一日ありがとうございました。』


『お疲れさま。
よく頑張ってたわ。』

『ありがとうございます。』
『また、明日来ますよろしくお願いいたします。』
頭を下げて店をでた。




No.192 14/01/04 14:33
りんご ( ♀ UNyGh )



一日立ちっぱなしで
足がパンパンになっていた


職場体験は3日間連続だった。
毎日、毎日、掃除や後片付けや洗濯をしていた。

それだけだったが
一日立ちっぱなしで
疲れて家に帰れば
レポートを纏めるのが精一杯だった。



働くって大変なんだな…


でも、楽しくて楽しくて仕方なかった



夫婦には子供がいなかった

『倫子ちゃんみたいな子がお店に居たら、明るくなっていいわ。』
奥さんが言った

『美容師になりたいの⁉』

『将来はまだ考えてないんです。』

『あらっ、じゃぁ美容師になりなさいよ。うちにいらっしゃい(笑)』
奥さんに言われた。



美容師かぁ~…
考えたことなかったな

母親は、大学へ進学すると決めてるし
私もなんとなく予備校へ通ってる。





No.193 14/01/04 15:08
りんご ( ♀ UNyGh )


この職場体験が
私の人生を大きく左右することとなる



9月も過ぎた頃
進路指導の親子面談があった



面談の日
母親が
『大学進学で、、』と口火を切った

先生からは
『推薦で絞ってよろしいですか⁉』
『希望校はありますか⁉』

私の進路なのに
母親と先生が勝手に話を進める


『先生…』

『なんだ⁉』

『大学進学はしません‼』

『倫子っ、何を言い出すの⁉』
母親が怒った顔して睨んだ

『まぁまぁお母さん、、次回までに話し合って決めておいて下さい。』

初回進路面談で時間制限もあり曖昧な感じで面談を終えた


『アンタは何を言い出すのかと思ったら…』
母親が怒ってる

『勉強したい訳じゃないし…』

『予備校だって行ってるじゃない‼高いお金出してるのよっ‼』
母親がキャンキャンまくし立てる

私は予備校行きたいなんて言ってない…

早く家を出たかった



その夜父親が帰ってきて呼ばれた

『お前はど~したいんだ⁉』

『大学へ進学する目的がわからない、、、美容師になりたい』
初めて父親に言った

『お父さん何か言ってくださいよ。』
母親が口を挟んだ


『倫子、お前の進路だ、、もう一度よく考えなさい。』


No.194 14/01/04 15:17
りんご ( ♀ UNyGh )


進学校ではないような高校だったから、、クラスの半数以上が就職希望だった

残りのほとんどが専門学校

大学進学は、クラスでも3~4人、、
その中で4年生希望は1人、2人しかいないような感じだった


その頃、、私自身の選択肢の中に
4年生大学はなかった


No.195 14/01/04 15:46
りんご ( ♀ UNyGh )


ミツルに報告した

『進路指導があってさ…』

『どうすんの⁉』
ミツルが言った

『母親は大学行けって言ってる。』

『リンゴはどうしたいの⁉』
『俺の嫁さんになっちゃえよ‼』
『嫌なの⁉』

『そ~じゃないよ‼
ミツルとは一緒になりたいよ。でも、ちゃんと社会人もやってみたい…』



『一つ決めていいか⁉』



『何⁉』

『リンゴの成人式の日、、リンゴんちに、正式に結婚の申し込みに行く。』


『うん…』


『嬉しくないの⁉』

『嬉しいよ』
ミツルとは一緒になるんだって思ってた

でも高校卒業してすぐとは考えてはいなかったし

今は、結婚より、自分の進むべき道の選択を考えている。

『美容師になりたいかなと思って…』

『そっか、、応援するよ。でも二十歳なったら、俺の嫁さんになる‼いいな⁉』

『は~い。✋』



二十歳かぁ~…
すぐのような
遠いような…

ただミツルと一緒に人生歩んで行くんだって気持ちでいた



No.196 14/01/04 22:19
りんご ( ♀ UNyGh )


中学時代からの親友

山本 香

香とは中学で、同じクラスになってから、相性が良かったのか、
毎日、行き帰りも一緒で、
毎日遅くまでつるんでいた。親友と呼べる一人だ。


高校は別々になったが、ずっと仲良くしていた。

香は、高校がつまらなくてサボりがちになり、進級できなくなり、退学した。

親が喫茶店を経営してたから、、昼間は店を手伝い、夜は夜間の高校に編入していた。

私は、ミツルと逢わない日は、ほとんど香の店に寄っていた。

何時間もカウンターで時間を潰してから家に帰っていた。

香のパパも話のわかるなんでも話せるパパだった。


No.197 14/01/04 22:29
りんご ( ♀ UNyGh )


店は、常連が半数以上だった。
香の夜間の学校の人達も多く出入りしていたから、いつも誰かしら顔見知りの話し相手が居た。

夜間の学校は、年齢も幅があり、昼間働いて夜学校に通っている人が多かった。
昼間、スタンドの店員さんや、塗装屋さん、ショップ店員、、アルバイトを掛け持ちしてる人もいた。


やはり全日制の学生より、働いてるだけあって、大人びて見えた。


ミツルも連れて来て、香とパパには紹介してあった。

No.198 14/01/04 22:39
りんご ( ♀ UNyGh )

そんなある日

店の常連客で近場の河原でバーベキューをやる事になり、私も呼ばれた。

20人くらい集まっていた。
中には、肉屋さんも魚屋さんも居たから、たいそう豪華なバーベキューになった。

ワイワイガヤガヤ大騒ぎしながら楽しんでいた。


No.199 14/01/04 23:50
りんご ( ♀ UNyGh )


お酒も入り
中にはガァーガァー寝出す人もいた(笑)

香と何人かで片付けをしていた時

花火をしようと誰かが言った

私と塗装屋の健ちゃんとで買いに行った

『倫子ちゃんて高校生だよね⁉』

『はい』
『香の中学の同窓生なんです』

『そうか~、だからよく店に来てるんだ』
『俺、高校卒業して地元離れたから、中学や高校の友達と離ればなれだからさ…』

『地元はどこですか⁉』

『秋田』

『遠いですね。』

『そう、雪深い山の中、就職口もなくてさ、知り合いのつてでこっちに来たんだ。』

ほんわかするイントネーションの話方をする健ちゃんだった。

『こっちの子はさ、皆美人さんばっかりだよね。言葉もキレイだし…』

『そんな事ないですよ~…』

『でも、皆、心が冷たい…』

『そんな事ないですよ~。』


車中、そんな会話をした





No.200 14/01/05 11:49
りんご ( ♀ UNyGh )


片付けも終わり
日も暮れ始めた


『そろそろ始めるか~⁉』

童心に返って
何年かぶりで花火なんてやった

誰が一番長く線香花火を持っていられるかなんて真面目に競ったりしていた(笑)

『オィオィ揺らすなよ~…玉が落ちちゃうだろ~💢』

『玉が落ちたらニューハーフだな、ゲラゲラ~(笑)』
ロケット花火合戦なんてもやった(笑)

ヒューッ
『逃げろ~‼』

『マジ、危ね~って~…』

終いには、川にジャバジャバ入り出して、皆でおおはしゃぎしていた。


No.201 14/01/05 11:55
りんご ( ♀ UNyGh )


久々に腹から笑ったって気がしてスッキリした。


進路の事で母親と当たり、家には居たくなかった。

父親は、、、
『自分の人生なんだから、自分でやりたい事を見つけなさい。』
とだけ言ってくれた。

ありがたい。


母親は、なにがなんでも大学へ進学させたいらしいが…
その頃には予備校も行ってなかったし、私の中では答えは出ていた。



No.202 14/01/05 12:09
りんご ( ♀ UNyGh )


次の日曜日、ミツルは仕事だったし、家には居たくなかったから香の店で暇潰しをしていた。


ドアが開き
健ちゃんが入ってきた

『おは~っ‼モーニング1つ‼』

『こないだはど~も‼』

『あっ、、おはっ、横座っていいかな⁉』

『ど~ぞっ‼』
『今日は、休みなんですか⁉』

『雨の日は休み』

あっそうか…健ちゃんは塗装屋さんだから、雨の日は休みなんだ…納得



No.203 14/01/05 12:20
りんご ( ♀ UNyGh )


1時間程ウダウダした所で、
私『つまんないね~っ⁉』

香『ボーリングでも行かない⁉健ちゃん、連れてってよ‼』

健ちゃん『暇だしな…』

香の提案で、3人でボーリングに行った




No.204 14/01/05 13:48
りんご ( ♀ UNyGh )


あまり喋らない健ちゃんだったが、ほんわかした温かさを感じた

香が
『そろそろ店が混み始めるから戻るわ。』
と、ボーリング場を後にし、店まで香を送り届けた

『倫子ちゃん、暇なら、服を買いたいんだけど、、俺センスないから、付き合ってくれない⁉』

『暇だからいいですよ。』

健ちゃんの服を買いに出掛けた

ズボンとシャツとジャケットを一揃い選んだ

ズボンが2本目半額
シャツも2枚目が半額になっていた

せっかくだからと、まとめ買いした

『付き合ってくれたから、倫子ちゃんにも買ってあげるよ。』

『いや、そんな、いいですよ~…』

『遠慮しないでいいよ』

そんなやりとりをひとしきりしたが、結局買ってもらうのはやめた…

『じゃ、お礼に昼飯ご馳走するよ。』
ってラーメンを奢ってもらった

『ご馳走さま‼』

『今日はありがとう。倫子ちゃんのおかげで楽しかったよ。』

香の店まで送ってもらった


No.205 14/01/05 14:09
りんご ( ♀ UNyGh )


季節は巡り
3年生になった

母親はまだ大学へ行きなさいとうるさかったが…

私の気持ちは、美容師の専門学校へ行くと決めていた。



そんな時、ミツルが車を買い換えた

『前の車好きだったのに…初めてのデートもあの車だったし、指定席のシートも気に入っていた、、思い出がいっぱいなのに…』
私はちょっと不満だった


『目立ち過ぎるだろ⁉
第一通勤に使えないから不便だからさ。この車なら通勤に使えるから…』
との理由だった


やんちゃな車から、普通のノーマルな車に乗り換えた、ミツルの中にも大人への変化が見え始めていた。



No.206 14/01/05 18:51
りんご ( ♀ UNyGh )


※主です


いっきにここまでズラズラと綴ってきましたが…



メリハリもなく、話があっちこっちへ飛びまくり💦💦💦

誤字、わかりにくい文章も多くお恥ずかしい限りでございます。
m(__)m



ふと、、読んでいただいてる方がいらっしゃるのかなと疑問に思いまして…


ご意見いただけたら、励みになるので

何でも、レスいただけたら、嬉しく思います。





No.209 14/01/05 23:27
りんご ( ♀ UNyGh )

>> 207 楽しみにしてます!
ありがとうございます。

励みになります。

No.210 14/01/05 23:30
りんご ( ♀ UNyGh )

>> 208 着レス指定にして、楽しく拝見しています☺✨
引き続き読んでいただいてたんですね。

嬉しく思います。

ありがとうございます。


No.212 14/01/06 00:58
りんご ( ♀ UNyGh )

>> 211
ありがとうございます


高校生の頃、
似たようなことあったな…みたいなこともあるかと思います


思春期の
ときめいた恋

ドキドキした出来事


親には秘密の経験など…(笑)

あの頃を思い出して私自身もキュンキュンしてます(笑)


No.213 14/01/06 08:32
りんご ( ♀ UNyGh )



『もうすぐ1年だね⁉』


『オゥッ‼』


『オゥッって、わかってる⁉(笑)』


『わかってるさっ‼
付き合い始めて1年てことだろ⁉
俺は幸せだよ…
倫子と出会ってから
毎日が充実してるっつ~か
仕事も頑張れるようになったしさっ‼
倫子のおかげ‼』


そんな事を言っていた



No.214 14/01/06 10:39
りんご ( ♀ UNyGh )


久々の日曜デート

日曜にミツルの休みが重なるのは、月に1度くらいだった

夜勤入りだと遠出は出来ないし

夜勤明けだと、、若いとは言え疲れも見える


休みの日は、やはり気持ち的に余裕があるのが嬉しかった

二人でY市に出掛ける事にした

人ごみの苦手なミツルは
あまり積極的にショッピングや、アウトレットのようなところを目的なく歩くのは好きではなかった
食事するのに並ぶなんても嫌いなタイプだ

たまには、腕をくんで
仲良くショッピングなんてしたいって思ってたから、嬉しかった


No.215 14/01/06 10:52
りんご ( ♀ UNyGh )


『今日は、わたくしめは、犬になりますよ~‼』
ミツルが言った


『犬って何⁉』


『桃太郎の犬‼』


『・・・⁉』


『桃太郎にひたすら付いて行く犬、、後でご褒美にキビダンゴちょ~だいよ。』


『はい、はい。(笑)』


オシャレなショップの並ぶ道を端から1店舗づつ覗いて歩いた


見るもの、見るものがみんな魅力的だった


No.216 14/01/06 11:19
りんご ( ♀ UNyGh )


雑誌に出ているオシャレなカフェでホットケーキを食べた

厚みのある
フカフカしたホットケーキ

『お前、似合うね、ホットケーキ(笑)』
コーヒーを飲みながらミツルが言った


『食べたいの⁉』


『一口。(笑)』
ミツルの口にホットケーキをひと切れ入れた


人の出入りが多くてなにか落ち着かない…

並んで待ってる人もいたから、食べ終わると早々に店を出た


No.217 14/01/06 11:23
りんご ( ♀ UNyGh )


ショーケースを覗いていたら…

『これ、みせて下さい。』突然ミツルが言った


『えっ⁉・・・』


『買ってやるよ‼』
『これでいいのか⁉』


『うん💕💕』


店員さんにリボンをかけて包んでもらった





No.218 14/01/06 11:34
りんご ( ♀ UNyGh )


帰り道

ラブホに入った

『開けてみな‼』


『うん⤴』


開けると、ミツルが
指にはめてくれた


ハートに小さいルビーのついた可愛いファッションリング

『ありがとう‼
嬉し~い‼』
ミツルに抱きついた


『今は、こんなんしか買ってやれないけど…』


初めて本物のジュエリーをした

指輪をしただけで
契りを交わしたような気持ちになっていた


No.219 14/01/06 11:55
りんご ( ♀ UNyGh )


『1年だからさ、、、倫子は、俺だけのもんだからな‼』

『うん、、』


『シャワー浴びてくるよ。』

シャワーを浴びて、
二人でバスローブになって
並んで歯磨きをした


『ミツル、ありがとう💕』

優しく何度もキスしてくれた

ミツルはいつも優しくしてくれる

首筋…

胸の突起に優しく吸い付く…

ミツルの頭が段々下に…

『イヤッ…』
そこだけは、まだイヤだった…
抵抗があった…


『大丈夫だよ、倫子の全てを知りたい…』

『イヤッ…絶対イヤッ‼』
ミツルは嫌がる事は
無理矢理することはなかった…

『そのうち、、絶対するからな…』

『・・・・』

ミツルの優しいセックスが好きだった

いつも私に合わせるように丁寧にゆっくり優しくしてくれた


No.220 14/01/06 12:40
りんご ( ♀ UNyGh )


『やっぱ地元が落ち着くわ~‼』
大きく伸びをしながらミツルが言った

ミツルの地元も観光地だから、結構、ニギニギしいんだけどね…

空気が違うとミツルは言う

ミツルにはミツルの落ち着く行きつけの喫茶店があった

中学くらいから入り浸っていたそ~だ

ミツルの駐車場に車を停めて歩いて行く


アーケード街の裏路地の観光客には入りにくい感じの店だ


コーヒーとミルクティーを頼んでホッと落ち着く

ミツルがタバコを燻らす


『ミッちゃん‼』
お店のママは、ミツルの事をミッちゃんと呼んでいた

『なに⁉』

『アーケードの所に占いの店が出来たのよ。知ってる⁉』

『知らね~っ』

『よく当たるって凄い人気なのよ、二人で行ってらっしゃいよ。』

『興味ね~よ』

そんな会話をしていた



No.221 14/01/06 13:10
りんご ( ♀ UNyGh )


『倫子、行きたいの⁉』


『うんっ⤴』


『運命なんて自分で掴むもんだろ⁉』

『しゃ~ね~なぁ~。』

『じゃ、行くか⁉』


『うんっ⤴』



No.222 14/01/06 20:03
りんご ( ♀ UNyGh )



女の子ばかりだったから
ミツルはあまり乗り気じゃなかったみたい(笑)


暫く待たされて番がきた

『生年月日とお名前書いて』


『何を占ったらよろしい⁉』


『これからの仕事と、二人の将来を…』


『貴方は、…………』


『次は、二人の将来ね。』

『うん、、相性は、悪くはないわ。
彼氏さん、彼女を大切になさいね。
貴方の幸運の女神とでも言うのかな、、
彼女と知り合ってから、人生がいい方向に向かってる実感があるでしょ⁉』

ミツル『はい……』

『彼女の強い影響を受けて、貴方は出世していくわ。あげまんね(笑)
世の中、大成する男の人には、必ず運を導いてくれる女の人がいるものよ。
彼女は、貴方にとってその力を持っているわ。』

『ただ…彼氏さんの家族運がちょっと弱いわね…
別離の難があるの…
それを乗り越えることね。』


そんな事を言われた。



No.223 14/01/06 20:25
りんご ( ♀ UNyGh )



『“あげまん“だってよ~。(笑)』
『倫子を手放しちゃいけね~って事だな‼
うん、うん、大丈夫‼⤴』


『占いなんて信用しないんでしょ⁉(笑)』


『まぁ~なぁ~…』
『でも、マジ、俺さ、倫子と出会ってから、人生変わってきたような気がしてたからさ……』


『でも…別離の相って、、、』


『それは、気にすんなっ‼』


『まぁ占いだからよ。』


『そ~だね。』





No.224 14/01/06 20:33
りんご ( ♀ UNyGh )


家族運が弱い


ちょっと気になった


今までのミツルの20年を当てたように感じた


運命ってあるのかな⁉
決まってるのかな⁉


あの占い師さんは、結婚に関してははっきりとは言わなかった…


まぁ、占いだよね。
これからの人生は、努力次第だってことだよね……




No.225 14/01/06 20:39
りんご ( ♀ UNyGh )


次の日曜日


朝から香の店にいた

ミツルは日勤だったから

香の店には、ミツルはあまり来たがらない

駅から遠い事もあったが、ミツルにはアウェイらしい(笑)


ミツルの知らない、
私の顔見知りが多いから⁉

内弁慶とでも言うのか、、あまり誰とでも気軽に打ち解けるタイプじゃないミツルにはアウェイなんだろう




No.226 14/01/06 20:49
りんご ( ♀ UNyGh )


『おはっ‼モーニング1つ‼』
健ちゃんだ


『珍しいね、お天気いいのに⁉』


『昨日で現場が一段落したから、今日は休み。
たまには、雨の日じゃない休みがあったってい~っしょ⁉(笑)』




『倫子ちゃん暇なの⁉』


『暇、暇、ヒマ~ッ‼』


1時間もしたら、、
健ちゃんの仕事仲間の徹君が来た


『パチンコでも行くか⁉』そんな話をしていた


『せっかくお天気いいんだから、どっか連れてってよ~』
香が言った


『店あんだろ⁉』


『パパ~暇だよね⁉』


『まぁ日曜日は暇だな…』


『決まり‼⤴』


健ちゃんと徹君と香と4人で、、、
健ちゃんの運転で、水族館のある遊園地へ出掛ける事になった


No.227 14/01/06 20:58
りんご ( ♀ UNyGh )


『水族館なんて小学校の遠足以来かも~』

『そ~だよね~。』

『10年ぶり⁉』

『一昔ってやつ⁉』

後ろの席でキャハハハ笑いながら喋っていた


『徹君て何才なの⁉』
香が聞いた

『俺⁉24才。』

『健ちゃんは⁉』

『27才』

『げっ……』

『げっ…てなんだよ⁉』

『そんな年上だったんだ‼』

『そっ…俺、引率の先生‼』

『先生っていうより、おっさんじゃん‼』
香がゲラゲラ笑い転げてた



健ちゃんて、そんな年上だったんだと初めて知った






No.228 14/01/06 23:48
りんご ( ♀ UNyGh )


水族館てこんなに面白かったっけ⁉


イルカのショーを見ながらはしゃいでた


クラゲの水槽の前で、いつまでも眺めていた

幻想的で魅了された


来て良かった‼





No.229 14/01/06 23:58
りんご ( ♀ UNyGh )


『遊園地のエリア行こうか⁉』

『賛成✋✋✋』


あっちこっちウロウロしながら、乗り物乗ったりしてた


『ジェットコースター乗ろうよ‼』
徹君が香の手を引っ張って行く

『私はパスする~』

『大丈夫だよ、リンゴも一緒に乗ろっ‼』
香に誘われて、、
健ちゃんと一緒に座った



ジェットコースターを降りたら、ちょっと頭がクラクラして気持ち悪かった…

『大丈夫⁉』
健ちゃんが心配してくれた

『ゴメン、ちょっと車で休みたいから、健ちゃん車のキー貸してくれる⁉』
『ちょっと休めばすぐよくなるから…』


『一緒に行くよ‼』


『大丈夫、大丈夫、、、楽しんできて、ちょっと休んだらすぐ戻るから…』
キーを預かり一人で駐車場に向かった



気持ち悪い…



No.230 14/01/07 00:07
りんご ( ♀ UNyGh )



駐車場まで来たときには、頭がクラクラしてしんどかった…

ジェットコースター、
止めとけばよかったな…



フッと脇を抱えられた


健ちゃんだった…

『大丈夫だよ…』


『俺、引率の先生だから(笑)』


『ゴメンね…』


車の横まで来たときに…
真っ暗になった…


大きな胸に
ファッと抱き抱えられた




健ちゃんの腕の中で
気がついた…


『あっ…』

『いいよ、大丈夫だよ、少し休みな…』


温かい……




No.231 14/01/07 00:28
りんご ( ♀ UNyGh )


健ちゃんの車はワゴン車だったから、後部座席の椅子を倒して毛布を掛けられていた


『毛布⁉』


『現場で昼寝するから、いつも積んであるんだ。』


『ゴメンね…』


『こ~ゆ~場合は、ゴメンね、じゃなく、ありがとうでしょ‼』


『ありがとう。』


健ちゃんの匂いがする…

ちょっと汚れた薄い毛布…
でも温かい…


『もう、大丈夫だから…』


『もうちょっと休みな。』

『ありがとう…』


安心してスゥ~と眠りに引き込まれた…



No.232 14/01/07 00:37
りんご ( ♀ UNyGh )



『健ちゃん、ありがとう』

『大丈夫⁉』


『もう、全然大丈夫‼』


お日様が当たって
車の中はポカポカ
暖かかった


不思議と、もうなんともなかった…



『香達が心配してるといけないから…』


『行くか⁉』


『うん。』




No.233 14/01/07 00:45
りんご ( ♀ UNyGh )



『香~✋』


『大丈夫⁉』


『うん、ちょっと休んだら治った。』


『良かった~。』



小さいゲームセンターがあった


クレーンゲームで
徹君と健ちゃんが張り合って、ぬいぐるみを取っていた


戦利品のぬいぐるみをもらった




No.234 14/01/07 10:11
りんご ( ♀ UNyGh )


家の前まで送ってもらった

『ありがとうございました。ご迷惑かけました。』


『早く寝ろよ~✋』
健ちゃんが言った


『バィバ~ィ✋』

『バィバ~ィ
またね~✋』





『ただいま~‼』


『車の音、倫子だったの⁉』
『誰⁉』
母親の尋問が始まった⤵


『今日ね、香と、香の知り合いに水族館連れてってもらっただけだよ。』


『あんたって子は…
大事な時期だって言うのに
フラフラ、フラフラしてて…
お兄ちゃんは、今頃は、毎日勉強してたわよっ‼』


また始まった⤵
私は進学しないんだから…もう勉強なんてい~じゃん…
そう思ったけど、、、

一言言えば
何倍にもなってウルサイから、、黙って聞いていた…


『家まで送ってもらっちゃって…
ちゃんとお礼したの⁉』

『お礼なんてい~んだよ。』

『まったく…恥かかせないでね。知り合いって…』

『香のお店の常連さん、、こないだ一緒にバーベキューもした塗装屋さんだよ。』


いちいちウルサイ…



これだから1年も付き合ってるのに、ミツルの事は言い出せないでいた…
隠してるつもりはないんだが…
そのうちに…家に連れてきてちゃんと紹介したいとは思っていた




No.235 14/01/07 19:38
りんご ( ♀ UNyGh )


ミツルと映画を観に行った

ミツルがポップコーンとコーラを買いに行った時に…



『よぉ、、久しぶり✋』

『久しぶり』
予備校で一緒だった
田中 実だった

『予備校かえたの⁉』

『行ってないよ。
大学進学すんのやめたから…』

『そ~なんだ…』



そんな会話をしていたら
ミツルが戻ってきた
無言でスタスタ歩いて行く


ミツル、なんか嫌な感じ




映画も終わって…

ミツルはまたスタスタと歩いて行く


『ミツル、待っててば‼』
無視してスタスタ


『どこ行くの⁉』


『車』


『ご飯食べるって言ったじゃん。』


ミツルの後をついて行った

No.236 14/01/07 19:47
りんご ( ♀ UNyGh )


『アイツ誰⁉』

『アイツって…
予備校で一緒だっただけだよ、
久しぶりって挨拶しただけじゃん…
何、怒ってるの⁉』


『怒ってなんかね~よ‼』


ヤキモチ⁉





No.237 14/01/08 08:48
りんご ( ♀ UNyGh )


3年の一学期も
あっという間に
過ぎようとしていた

職業体験でお世話になった美容室にカットしてもらいに来ていた


『こんにちは~‼』

『あらっ、いらっしゃい、倫子ちゃん‼』

『カットお願いします』

『進路は決めたの⁉』

『はい、美容師の専門学校へ行く事に決めました。』

『まぁ~っ…』

『職業体験でこちらにお邪魔させてもらったおかげです。パパさん、ママさんみたいな美容師になりたいなって目標が出来ました。』

『まぁ~、倫子ちゃんたら、嬉しいわ。』

『倫子ちゃんさえ良かったら、夏休みにアルバイトしに来てくれない⁉
丁度、若い子を入れたいねってパパと話をしてたのよ。
ね~パパ⁉』

『そ~だね。
倫子ちゃんさえ良かったら。』

『本当ですか⁉
でも…母に相談してみます…』

『そ~してね。
うちは、倫子ちゃんなら大歓迎だわ‼』




No.238 14/01/08 08:52
りんご ( ♀ UNyGh )


家に帰って
母親に相談してみた


母親は、アルバイトする事に難色を示したが、、、
兄が

『い~経験じゃない⁉
働く事の大変さがわかって、進学する気に変わるかもよ。』

って、助け船を出してくれて、渋々アルバイトを承諾してくれた。


ありがとう、お兄ちゃん‼




No.239 14/01/08 10:02
りんご ( ♀ UNyGh )


ミツルに報告した

『夏休みアルバイトすることにしたぁ~。』


『そ~なん⁉どこで⁉』



『職業体験に行った美容室、カットに行ったら、ママさんからアルバイトしない⁉って誘われてね。』


『そっか…頑張れよ。
あんま、会えなくなるな…』


『夏休みだけだから。』


去年は、夏期講習に縛られたけど…
今年は、初めてのちゃんとしたアルバイト、私はウキウキしていた。


No.240 14/01/08 10:16
りんご ( ♀ UNyGh )

『おはようございま~す。』

『おはよう、倫子ちゃんよろしくね。』

『はいっ…』

私の仕事は、おもに受付とお掃除と片付け、洗濯だった。

それでも、次から次へと休む間もなく動いていた。

タイミングを逃すと、夕方までお昼を食べられないほど忙しい日もあった。

それでも毎日が充実していた。
パパさんもママさんも優しい人柄だったから、頑張れたのもあると思う。


No.241 14/01/08 10:41
りんご ( ♀ UNyGh )

(火)は定休日だったが、
(木)もお休みにしてもらえた。
原則9:30~17:00まで
毎日、頑張って働いてた。

ミツルの日勤の日は、帰りに店近くまで迎えに来てくれていた

『疲れた~。』


『お疲れさん✋』


『ミツルもお疲れさま。』


『今年の花火大会はど~するの⁉
私は、17時までだから間に合うね。』


『ごめん、、、その日、先輩に替わって欲しいって頼まれちゃって、いつも世話になってるから、断れなくて、夜勤になっちゃったんだ…ホント、ゴメン…』


『え~っ…』
『でも、仕事じゃ、しょうがないよね』


『ホント、ゴメン…』


楽しみにしてただけあって残念だった…

No.242 14/01/08 11:00
りんご ( ♀ UNyGh )


夏休み最初の土曜日、アルバイトが終えて、香の店に寄っていた。

『あ~疲れた、ソーダ水。ちょ~だい‼』

私は、喫茶店のソーダ水が好きだ。
香の店のそれは、レモンが一切れ入って、赤いサクランボが1ツ入っていた。


『この緑のソーダ水って、缶ジュースにはないよね⁉』


『そぉ~⁉』


そんな会話をしていたら、、、

『俺はクリームソーダちょ‼』
振り返ると健ちゃんだった

『そんな話聞いてたら飲みたくなったろ。(笑)』

『おっちゃんにはクリームソーダは、似合わないよ~。』


『似合うとか似合わないとかあんのか⁉』


『あるある~。(笑)』


『横、座っていい⁉』


『い~よ。』


健ちゃんのクリームソーダが出てきた。

アイスクリームを食べようとスプーンを入れたら、ソーダがシュワシュワ泡立って溢れた…


『あ~っ…素人だな~(笑)
先にちょっと飲んでから食べるんだよ。(笑)』


『俺は、アイスクリームを先に食べたいの‼』


No.243 14/01/08 11:31
りんご ( ♀ UNyGh )


『高校生は、夏休みでいいなぁ~。
毎日、何やってんの⁉』
健ちゃんに聞かれた


『美容室でアルバイトしてるんだよ。』


『へぇ~、、
アイス食べる⁉甘いわ…』


『うんっ…ありがと』
健ちゃんがクリームソーダのアイスを私のグラスに入れてくれた⤴


ニコニコしながら、食べる。

『似合うな‼(笑)』
健ちゃんが笑った


『ごちそうさま~、帰るわ‼』


『んじゃ、俺もそろそろ帰るかな…』

一緒に店を出た



『ん⁉なんか音しね⁉』


『ん⁉
あ~…今日、B市の花火大会なんだよ。
風の向きで響いてくるんだね。』


『行くか⁉』


『今から行っても、着く前に終わっちゃうよ(笑)』


『ちょっと車のりな‼』

健ちゃんが車を走らせた。山の高台まで来たとき

『あっ…見えた🎆』

遠くにちょっと小さかったが、、花火が見えた。


去年は…
ミツルと一緒に行ったのにな…


『見えたろ⁉』


『うん⤴』





『ありがと‼バィバィ~✋』

『早く寝ろよ~
おやすみ~✋』






No.244 14/01/08 12:30
りんご ( ♀ UNyGh )

お母さんが、キッチンに居た

うちは、キッチンの流しの前に窓があって、窓側が道路に面してる

健ちゃんに送ってもらったのは、もうバレていた…


『遅いわねっ。』
口調がキツイ


『・・・』


『アルバイトは17時まででしょ⁉』


『別にい~じゃん‼』


『誰なの⁉』


『健ちゃん…』
『私だって、もう高3なんだよ。別に健ちゃんは、普通の知り合いだし…』


『まったく…』



まったく⁉
何が言いたいのか⁉



これ以上、母親と話していたら爆発しそうだったから、二階へと逃げた…


他の友達はオールだとか、お泊まりだとか、自由に出来るのに…
いちいちウルサイ母親が、ウザかった…


その頃母親は、、
仕事と家事の忙しさと、、
お婆ちゃんが、退院してから、休みの度に実家へもちょくちょく様子を見に帰るようになり、、

ゆっくり休む時間もなくストレスも溜まっていたのだろう…


そのイライラが私に向けられていたように思う…



こんな家、早く出たい…


そう思っていた




No.245 14/01/08 15:18
りんご ( ♀ UNyGh )


アルバイトを始めてから、ミツルとは、以前より逢える日は少なくなっていたが、、
電話では話していたし、休みの日が重なれば、一日中一緒に居る事が出来た。




『倫子…』


『何⁉』


『俺、9月から出向するかも…』


『え…⁉』


『1年間て期間なんだけど…F市に…』


『行くの⁉』


No.246 14/01/08 20:10
りんご ( ♀ UNyGh )


『1年間だから…
今のエリアの工場長が、一緒に行ってくれないないかって言うんだ…
社員に抜擢してくれたのも工場長なんだよ。
リーダーとして連れて行きたいって言ってくれてるんだ…』


『倫子も一緒に連れて行きたい…』


『でもまだ高校があるだろ…』


『・・・』
涙が溢れてきた…


『俺にとってはもったいないくらいの話だとは思ってる…けど…』


『今まで、いい加減だった俺に…
倫子と付き合ってから
社員になれて…
急に降って沸いたようなチャンスに恵まれた…

あの占い師マジかも⁉って思ったよ…』


『でも…離れるのは辛い…だから、まだ返事はしてないんだ…』








No.247 14/01/08 21:09
りんご ( ♀ UNyGh )



『・・・』

1年も離れるのは嫌…
でも…


『車飛ばせば、5時間もあれば帰って来られるから…
待ってて欲しい…』


『俺、今、ちゃんと頑張らないとダメだと思うんだ‼
二人の将来の為に…』



ミツルにしがみついて泣きじゃくった…

『大丈夫だから…』

『大丈夫だから…』



『絶対、大丈夫だから…』




No.248 14/01/09 14:35
りんご ( ♀ UNyGh )


ミツルは何度も
“大丈夫だから“
を繰り返した


突然の出来事に
まさか離ればなれになるなんて考えてもいなかったから、涙が後から、後から溢れた…


『1年なんてすぐだよ。
今、この話を断ったら、先はないと思うんだ…
ちゃんとして倫子の親にお前と結婚したいって言いたいし…
なっ、、、
1年だから…』


『もう、ミツルは決めてるんだね…』


『帰ってこない訳じゃないから、休みの日は必ず帰ってくるから…』




No.249 14/01/09 14:46
りんご ( ♀ UNyGh )

楽しみにしてた盆休みの連休を目前に

気分は落ち込んだ


『倫子、今年の盆休みはお婆ちゃんち行けるんでしょ⁉』
母親が聞いてきた


『うん…』


『お婆ちゃんも会いたがってるのよ。』


ミツルも休みだから
ミツルと一緒にいたい

でも母親は今年はどうしても一緒に帰省したいようだった…

No.250 14/01/09 14:58
りんご ( ♀ UNyGh )


帰省の前日
私は熱を出した


『風邪かしらね⁉』
『困ったわね』


『私は大丈夫だから、お父さんと二人で行ってきていいよ。』


精神的なダメージからか
慣れないバイトの疲れからか…

ただ、ただ眠りたかった…


次の日、、熱は下がったが、ダルかった


『行ってくるわね‼』
『ちゃんとご飯食べるのよ‼』


母は父と出掛けていった


目が覚めたら、もう夜になっていた…




No.251 14/01/09 15:18
りんご ( ♀ UNyGh )



ミツルに電話をした

『もしもし…』


『あっ、俺…』


『連休どうするの⁉』


『田舎行かなかったの⁉』


『うん…ちょっと熱っぽくて、、、ミツルと一緒に居たかったし…』


『あっちに持ってく買物したいから、付き合ってくれる⁉』


『うん、いいよ。』


『じゃ、明日』


美容室のバイトは、
熱を出したと連絡したら
ゆっくり休みなさいと1週間休みにしてくれていた




No.252 14/01/09 15:25
りんご ( ♀ UNyGh )


『おはよ‼』


『大丈夫か⁉』


『もう大丈夫。』


ミツルは独身寮に入る事に決めてた
アパートを借りる事も出来たが、独身寮の方が頼めば寮で食事も出来たし、少しでも余分な出費を抑えて結婚資金にしたいと言っていた



No.253 14/01/09 20:05
りんご ( ♀ UNyGh )


歯ブラシ、下着、靴下、、日曜雑貨のこまごました物を一緒に買いに回った


楽しそうに見える
ミツルがなぜかイヤだった


『工場長凄いんだぜ‼』


『なにが⁉』


『技術がさ
板金だとか塗装だとか
凄い腕してるんだよ。
俺、絶対あの人の技術を身につけて、あの人みたいになりたいんだ‼』

『なんかさ、人生で目標に出来る人に出会えたって思うんだ。
倫子のおかげだな‼』


『私は何もしてないよ…』


『してるよ‼
あの占い師が言ってたじゃん、、、
倫子に出会って、俺の人生は今までからは想像出来ないほど回り始めたんだよ。倫子は俺の“あげまん“なんだよ(笑)』


『なんか“あげまん“て下品じゃない⁉』


『じゃ、幸運の女神だ‼』


離ればなれになると言うのに…
ミツルは妙にテンションが高かった…


No.254 14/01/09 20:24
りんご ( ♀ UNyGh )


『俺さ、早く一人前になって、、
ちゃんと金貯めて、、
胸はって、倫子をもらいに行くから、、
なっ…たった1年だから。』


『うん…』




それからのミツルの休みの間中、、

お互いの身体に刻み込むように求めあった…


私の寂しさをわかってか、
わからないでか…

ミツルはキラキラ輝いて未来を語った…

『1年したら帰ってくるだろ…』


『そしたら年明けたら、は倫子んちに、結婚したいって挨拶行くだろ…』


『翌年は、倫子の成人式が来て…
結婚するんだ‼』


『なっ‼』






No.255 14/01/10 19:59
りんご ( ♀ UNyGh )


ミツルは

『“たった“1年…』と言った…

1年“も“ だろう…

5時間は遠距離だろう⁉

今まで、1週間のうちに逢えない日のが少なかったのに…


働く目標を見つけ
一人突っ走り始めたミツル

私はまだいつも近くにいて
甘えていたかったのに…



私の気持ちなんてわかってくれないの⁉


私がミツルの気持ちをわかっていないのか⁉



No.256 14/01/10 20:05
りんご ( ♀ UNyGh )


夏の連休も
あっと言う間に過ぎて


夏休みも残りわずかとなり…


ミツルが行く日が迫っていた


必要最低限の衣類だけ、段ボール箱3つに纏められた荷物


『たったこれだけ⁉』


『オゥッ、ちょいちょい帰ってくるからさっ。』


『今週の日曜にお袋が一緒に飯食べようって言ってるから、家に来いよ。』


『うん』



No.257 14/01/10 20:11
りんご ( ♀ UNyGh )


日曜日

ミツルが迎えに来てくれた。
途中でケーキを買って
ミツルの家に向かった。


『送別会⁉』


『そんなんじゃね~よ。
ただ一緒に飯食おうってだけだよ。』


ミツルの家まで1時間、見慣れた海岸線を走る


初めてデートした
海沿いの駐車場


初めてキスした
思い出の場所


胸がキュンッと締め付けられる


でも、もう決めたんだから、もう泣かない


No.258 14/01/10 20:24
りんご ( ♀ UNyGh )


ミツルの家に着くと

『じゃ~行きましょうか‼』
とお母さんとお父さんと幸ちゃんが出てきた。

お父さんと会うのは初めてだった


『はじめまして、青山倫子です』


『はじめまして、ミツルの父です。今日はわざわざ来てもらっちゃって悪いね。
いつもミツルがお世話かけてます。』


『世話なんて掛けてね~って‼』
ミツルが言った(笑)


5人で一緒に出掛けた


ミツルと私と幸ちゃんを挟んで、3人して手を繋いで歩いて、近所の神社まで行った


ミツルのための祈願だった


『俺はい~って言ったのによ…』


なんか家族のそんな場面に一緒に呼ばれて、ちょっと戸惑ったけど…

嬉しかった





No.259 14/01/10 20:29
りんご ( ♀ UNyGh )


5人して並んで
祈祷を受けた

神主さんが祝詞をあげる
神聖な気持ちで
頭を下げていた


“どうかミツルが無事に帰ってきますように…“


願いはそれだけだった





No.260 14/01/10 20:48
りんご ( ♀ UNyGh )



家に戻って、お母さんに教わりながら、一緒に台所に立った


ちらし寿司に唐揚げにエビフライ、ポテトサラダ、ミツルの好きな物ばかりだった…


お刺身の大皿には伊勢海老に鯛にマグロがのっていた


『さっ、お膳につきましょうか。』
『お父さんっ乾杯して‼』


『あ~、じゃっ
ミツルの前途を祝して乾杯‼』


お酒が進んで
お父さんが

『俺は嬉しいんだ…
ミツルがやっと一人前になったような気がして…』


『オヤジ、何言ってんだよ⁉』


『倫子ちゃん、コイツのことよろしくなっ…』
泣き上戸なのか、酔いのせいか、お父さんがしみじみと言った…

ほどなくお父さんは横になり眠りについた…


『ミツル、お父さん嬉しいんだよ。アンタが真面目に働き始めて、口にこそ出さないけど心配してたんだからね。』
お母さんが言った



No.261 14/01/10 21:08
りんご ( ♀ UNyGh )



お母さんと一緒に片付けをした

『倫子ちゃん、今日はありがとうね。』


『何も出来なくて恥ずかしいです…』


『ううん、ミツルのこと…
あの子が、急にしっかりしてきたのは、倫子ちゃんのおかげだもの…』


『倫子ちゃんは卒業したらどうするの⁉』


『美容師の専門学校へ行こうと思ってます。』


『そう、手に職をつけるのはいい事ね。
頑張ってね。』


『はい。』






『ごちそうさまでした。』

『また、いらしてね。』



No.262 14/01/10 21:20
りんご ( ♀ UNyGh )



『ミツル、いいお父さんとお母さんだね。』


『心配かけたからな…』


『わかってるんだ⁉』


『わかってるよ‼』
『幸と3人で手を繋いで歩いた時さ、、
いつか倫子と俺の子供をこうやって手を繋いで歩くだろうなって、思ってさ…』



今思えば…
ミツルは、きっと“自分の家族“が欲しかったんだと思う

愛情に飢えていたんだろう

一途に自分だけが独り占め出来る“愛“を欲していたんだと思う…




No.263 14/01/11 16:09
りんご ( ♀ UNyGh )


その日はすぐにやってきた


『朝6時くらいに出発するから
見送りはいい…』
とミツルが言った…


『すぐ帰ってくるから…』


見送りたかったけど…
涙の永遠の別れになっちゃいそうなシチュエーションも嫌だった…



結局、、当日は見送りしないことにした





もう、行っちゃったんだろうな…



帰ってこない訳じゃないのに

力の抜けた感じになっていた…



No.264 14/01/11 16:15
りんご ( ♀ UNyGh )


高3の夏休みは
慌ただしく過ぎていった


『お世話になりました。。』

『こちらこそ、倫子ちゃんが来なくなると寂しくなるわ。
また、いつでも寄ってね。』

アルバイトも終わった




No.265 14/01/11 16:24
りんご ( ♀ UNyGh )


就職活動に進学にと
落ち着かない日々に追われ始めた



私は、美容師を目指すことに決めていたが


学校選びと
コースを選択しなくてはならなかった


昼間コースと
夜間コースと
通信コースとあった



昼間働きながら、夜間に通学する夜間コースを選んだ


昼間働けば、少しでもお金になる
ミツルが頑張って貯金するって言ってたから、私も自分で稼いで貯金がしたかった

資格取得した後のスタートラインが違うのだ

働きながら資格取得をすれば即戦力として仕事につける



早く自立もしたかった

昼間コースだと、、いつまでも母親に縛られるような気がしたから




No.266 14/01/11 16:33
りんご ( ♀ UNyGh )



毎日、香の店で時間を潰して帰るようになっていた


『いつ帰って来るの⁉』
香が聞いた


『わかんない…』


『そ~なんだ…寂しいね…』


『うん…でも夜勤の時以外は毎日電話で話してるから…』


『そっか…』



雑誌に目を落とした
目は雑誌を見ていたが
ミツルのことを考えていた



No.267 14/01/11 16:43
りんご ( ♀ UNyGh )


☎『もしもし…』

☎『あっ…私…』
『仕事はどう⁉』

☎『やってる事は同じだか ら、大丈夫だよ。』

☎『住み心地は⁉』

☎『帰って寝るだけだから 』

☎『来週、土曜が夜勤明け で、日曜が休みだから
帰るよ。』

☎『ホント⁉⤴』

☎『ホントだよ。』

☎『じゃ、また電話する』

☎『うん⤴』




来週、ミツルが帰ってくる…
嬉しい⤴

遠距離恋愛だから、当分は逢えないって諦めていたのに…
半月で逢える


待ち遠しいくてたまらなかった…


No.268 14/01/11 16:50
りんご ( ♀ UNyGh )

土曜日

ミツルは、夜勤明けでそのまま自家に戻ってきていた

逢うのは日曜日に約束した

ホントは、すぐにでも会いたかったけど…

夜勤明けで疲れてるから、ゆっくり寝かしてあげたいと思ったから…





No.269 14/01/11 16:58
りんご ( ♀ UNyGh )


日曜日

ミツルが家の近くまで迎えに来てくれてた


『おはよう‼』
車に乗り込む

『おはよう‼』


なんか照れくさい…


『元気か⁉』


『うん…』


『ミツルは⁉』


『だいぶ慣れてきたよ。工場長も一緒だし…』


『寂しくない⁉』


『毎日が忙しくて、寂しいなんて考える間もなくバタンキューだよ…
洗濯物とかしなくちゃなんないしさ。』


ミツルは寂しくないんだ…
私は、毎日、寂しいのに…




車はそのままラブホへと入った…




No.270 14/01/11 17:13
りんご ( ♀ UNyGh )



ミツルがギューッと
抱きしめてくれた


『逢いたかった…』


『私も…』


『一緒にお風呂入ろうか⁉』


『うん…』


シャワーで身体を洗い

ミツルが後ろから抱きしめる形で湯船につかった


ミツルに、もたれかかっていた

後ろからミツルの手のひらが
乳房を優しく包み込む



たった半月しか離れていないのに…

何年も逢ってなかったような感覚だった…




ミツルの手が優しく撫でながら、乳房からオヘソ…
下へと下りていく…


ミツルの硬くなったものがお尻にあたってた…



いつもミツルは優しい

壊れ物を扱うように
優しく触る




No.271 14/01/11 17:45
りんご ( ♀ UNyGh )



『ベッド行こうか⁉』



『うん…』



バスローブを巻いてベッドへ行った…


何度も何度も唇を重ねた


優しくゆっくりと
硬くなったミツルがわけ入ってきた…


ミツルと一つに繋がった





No.272 14/01/11 17:53
りんご ( ♀ UNyGh )



『何時まで大丈夫なの⁉』


『明日は日勤なんだ…』


『じゃ…あんまり、ゆっくり出来ないね…』


『そんな事ないよ、倫子送ってから帰るよ。』


『高速で5時間もかかるんでしょ⁉』


『あ~…』


『ずっと一緒に居たいけど…高速飛ばして事故したら嫌だから…』


『そ~だな…倫子も学校あるしな…』

『このまま、連れ去りたいよ…』





No.273 14/01/11 18:05
りんご ( ♀ UNyGh )


離れ難かったが…

そうゆう訳にもいかず…


5時間高速を走るのも心配だった…

途中休めば、6時間はかかるだろう…


17時に行くように促した…



『また、すぐ来るから…』


『うん…気を付けてね…』
『無理しないでね‼』


『泣くなよ…帰れないじゃん…』
『大丈夫だから…』


『じゃ~着いたら…』


『オゥッ‼』



泣かないと思ってたのに、涙が溢れた…

『じゃぁ~✋』


『じゃ~✋』


ミツルの車が走って行った…








No.274 14/01/11 18:14
りんご ( ♀ UNyGh )



真っ直ぐ家に帰る気になれず

香の店に寄った

『はぁ~…』


『どうしたん⁉』


『ミツルが帰った…』


『えっ⁉もう来てたん⁉』


『もうって、、半月ぶりだよ…』


『あ~…ゴメン、ゴメン…』


『高速5時間かかるからさ…心配だから早めに帰したよ…』


『そ~かぁ~…』



No.275 14/01/11 18:23
りんご ( ♀ UNyGh )



深夜 0時

☎ がワンコール鳴った


無事着いたの合図


ホッとした




今と違い
携帯電話のない時代


携帯電話もないのだから、メールも出来ない

☎のワンコールの合図で安心して布団に潜った


まだ身体にミツルの優しい手の感触が残っていた…


No.276 14/01/11 18:27
りんご ( ♀ UNyGh )



男はいつも
待たせるだけで


女はいつも
待ちくたびれて


それでもいいと慰めていた
それでも恋は恋


松山千春の『恋』を聞くと自分と重なっていた




No.277 14/01/11 21:25
りんご ( ♀ UNyGh )


声を聞きたくて、ミツルに☎する

と言っても、携帯電話もない時代…
部屋に電話がついている訳でもなかった


寮に電話をすると
呼び出してくれるパターンだった


『まだ帰ってきてないよ。』

『部屋に居ないみたいだね。』


電話の繋がらない日は、寂しさも募る…

不安になることも多かった…



☎『あっゴメンなっ。
歓迎会してくれて帰りが遅かったから電話できなかったんだ…』


☎『工場長が飯食いに連れてってくれたんだ…』


☎『寮の仲間と飲みに行ってた』


嘘ではないのはわかってる

ミツルの事は、信じていた

でも、寂しさはどうしょうもなかった…






No.278 14/01/12 18:46
りんご ( ♀ UNyGh )


帰りの電車も
ミツルの居ない事はわかっているのに


もしかしたら
座っているかもしれない


ミツルの姿をしている自分に気がつく


居るはずもないのにね…




専門学校もほぼ決まり

今のうちに自動車免許を取得しようと
教習所に通い始めた

時間もあったから
寂しさを紛らすためにも丁度良かった



学科を順調にこなしていく

実技も始めた


No.279 14/01/12 19:07
りんご ( ♀ UNyGh )


☎『次に逢えるのはいつ⁉』


☎『半月後かな…』


ミツルは、金、土、日、月あたりが夜勤明けや夜勤入りと休日が並ぶと車を飛ばして帰って来てくれてた


5時間て言っていたが、、途中休憩入れると、6時間はかかる


高速代もガソリン代もかかる


それでも月に2度は逢えていた


逢えば、いつもミツルで、頑張って仕事もしている事もよくわかった


でも別れる時は
寂しくて涙が溢れた


No.280 14/01/12 19:12
りんご ( ♀ UNyGh )


寂しさはあったけれど…


そんな遠距離恋愛の生活にも少しづつ慣れていった


そう…1年の我慢だもの


教習所にも通い
文化祭もあったり
慌ただしく過ぎていった


No.281 14/01/12 19:19
りんご ( ♀ UNyGh )



街はクリスマスイルミネーションが輝く12月になっていた


☎『クリスマスは帰ってこられるの⁉』


☎『ゴメン…年末年始は連休で帰れるけど…
ボーナス時期でクリスマスは忙しくてライン止められないから無理なんだ…』


☎『そっか…』


☎『ゴメンな…その分年末年始は埋め合わせするから…』


☎『うん…』




年末まで逢えないんだ…

でも仕方ないよね…




No.282 14/01/12 19:34
りんご ( ♀ UNyGh )



『店でクリスマスパーティーやるけど、会費3000円リンゴはどうする⁉』香が言った


『クリスマスパーティーかぁ~、、どうせ暇だし、参加しようかな…』


母親も香の事は中学から知っていたから、夜出掛けても何も言わなかった



いつもの顔見知りの常連さん、友達仲間が20人くらい集まって騒ぐ飲み会のようなものだった





No.283 14/01/12 19:58
りんご ( ♀ UNyGh )


クリスマスらしい料理が並んだ

シャンパンを開け、パーティーが始まった



持ち寄ったプレゼントを歌を歌いながら回して、歌い終わった所で手にしてたプレゼントを貰える遊びもあった


私の手元には
モヘアも素敵なマフラーが回ってきた


『嬉し~い⤴⤴』


『良かった、倫子ちゃんに貰われて…』
健ちゃんだった…


『健ちゃん、ありがと‼』


健ちゃんは、熊のぬいぐるみを手にして笑ってた


『俺、今夜から熊ちゃん抱っこして寝よ~とっ‼(笑)』



楽しいひとときだった



No.284 14/01/12 20:03
りんご ( ♀ UNyGh )


『ただいま~‼』


『お帰り、、電話あったわよ。』


その頃は、母親にも付き合ってる人がいると言う事は話していた



ミツルだ…
でも、もう23時を回っていた
緊急時でもない限り寮に電話をするには非常識な時間だった…








No.285 14/01/12 20:17
りんご ( ♀ UNyGh )



次の日

電話が鳴った
慌てて飛び付いた

☎『もしもし…』


☎『俺…』


☎『昨日、、どこ行ってたの⁉』


☎『香の店でクリスマスパーティーがあって…』


☎『……』
『電話待ってたんだぞ…』


☎『ゴメンね…』


☎『何時に帰ってきたの⁉』


☎『9時頃…』
ミツルにウソをついた


☎『あんまり遅くまでフラフラしてんなよ。心配するだろ…』


☎『ゴメン…』



☎『28日には帰れるから電話する』



後3日もしたらミツルに逢える
嬉しかった…


No.286 14/01/12 20:32
りんご ( ♀ UNyGh )



28日は、すぐやってきた


『ミツル、逢いたかった』


『俺もだ…』


逢えば、、
お互いの温もりを確かめ合うように何度も何度も抱き合った


『もう4ヶ月過ぎた…
後8ヶ月の我慢だから…』


『そうだね…』




No.287 14/01/12 20:58
りんご ( ♀ UNyGh )



『俺、頑張ってるからさ…工場長が目をかけて、よくしてくれてる、、
俺もそれに応えたいんだ』


『無理しないでね。』


『オゥッ、大丈夫だ。
倫子に逢えないのは寂しい時もあるけど、、
毎日クタクタなって毎日が充実してる。』


『休みの日は何してるの⁉』


『洗車するか、寝てるかだな(笑)』
『また、すぐ来るから…』


そう言って、戻って行った





No.288 14/01/12 21:12
りんご ( ♀ UNyGh )



3学期になり


就職組は次々と就職を決めていたし

専門学校、進学組も大半が決まり

授業になんか集中するはずもなく
クラスが浮かれたムードになっていた


あまり登校して来ない子も出てきていた



もれなく、私もサボる日もあった(笑)




No.289 14/01/12 21:19
りんご ( ♀ UNyGh )



☎『もしもし…』
『来月、帰れないかもしれない…なるべく帰るようにはするけど…』


☎『え~…忙しいの⁉』


☎『いや…まぁ…』

歯切れが悪い


☎『何かあった⁉』


☎『免停…』


年始に帰る時にスピード違反で捕まったとの事だった…


絶句


☎『なんで、あれほどスピード出さないで安全運転で帰るように念押ししたのに…』


☎『ゴメン、、電車で帰るようにするから…』





No.290 14/01/12 22:22
りんご ( ♀ UNyGh )


電車で往復すると
2万くらいかかった
乗り換えもあるし…


スピード違反の罰金もくる…


それに交通費だけじゃ済まない…



バレンタインデーもあるし…


3/1は卒業式

卒業式の日には
帰ってくるって約束したのに…


逢えるのだろうか⁉



クリスマスもそうだった…
恋人達が一緒に過ごす日に…


一人でいるのは寂しい…





No.291 14/01/12 22:29
りんご ( ♀ UNyGh )



でも…


捕まって
良かったのかもしれない…


もし、高速道路でそのスピードで事故していたら…


考えただけで恐ろしかった…


ミツルに、無理させていたのかも…


あんまり、わがまま言っちゃいけない…
ミツルも一人で頑張ってるんだから…
私もガマンしなきゃ…


そう思った…



No.292 14/01/15 13:29
りんご ( ♀ UNyGh )


会えない時間が
愛育てるのさ…

なんて歌詞の歌があったが


会えない時間は
思いがつのるだけ…


まして電話も繋がらない夜は…
寂しさと共に
イラダチも募った


それは、お互いだった…



☎『何してたの⁉』

☎『誰といたの⁉』



No.293 14/01/15 13:38
りんご ( ♀ UNyGh )


バレンタインデーが近くの、ミツルの休みが重なった日曜日、、中間地点の駅で待ち合わせをした…


もちろん、カバンにはチョコレートを入れていた


中間地点とは言え
電車で3時間近くかかる


改めて、遠いんだなと痛感した…


早起きして乗り込む日曜日の電車は空いていた


車窓を眺めながら
ミツルに逢える嬉しさでいっぱいだった


見慣れた風景から
段々と見知らぬ景色に変わっていく


一人で、電車でこんな遠出をするのも初めてだった



No.294 14/01/15 13:51
りんご ( ♀ UNyGh )


待ち合わせは、10時


約束の時間より
少し早めに着いたが
見知らぬ土地で
あちこち歩き回る余裕もなく

ただ一人ポツンと
ミツルを待っていた


約束の時間になってもミツルは、まだ来ない…


どうしたのかな⁉
待ち合わせの場所、間違えてないよね…


待つしかなかった…


1時間近く遅れた時に


駅のロータリーに停められた車からミツルが降りてきた

『ゴメン、ゴメン、、道が混んでてさ…』
『先輩が休みで、車で行ってくれるって言うからさ…』


ミツルに促されて先輩の車の後部座席に乗り込む


先輩と挨拶を交わした

『はじめまして…』

『はじめまして、、
話はミツルから聞いてるよ。』



No.295 14/01/15 14:03
りんご ( ♀ UNyGh )


ミツルと寮が一緒のミツルより2才上の先輩だった


ミツルは、助手席で先輩と話をしている


ミツルと一緒の車に乗っているのに…

ミツルに触れる事も出来ず、遠くに感じた…


『で…どうする⁉』
ミツルが言った


『えっ…』


『えっ、、じゃなくさ…
どっか行きたい所ない⁉』


わからない土地で行きたい所を聞かれても、何も答えられない…


『じゃ、、カラオケでも行きますか⁉』
ミツルがそう言い
3人でカラオケに行く事になった…


No.296 14/01/15 14:17
りんご ( ♀ UNyGh )


ミツルと先輩と二人は、カラオケで盛り上がっていた



久しぶり逢えたのに…

話たい事がいっぱいあったのに…



なんで先輩が一緒なの⁉



時間がアッという間に過ぎていった…



『あんまり遅くなるとマズイだろ⁉』


『うん…』


駅まで送ってもらった…

『先輩、ちょっと待っててもらっていいっスか⁉』


ミツルがホームまで送ってくれた…


No.297 14/01/15 14:24
りんご ( ♀ UNyGh )


やっとミツルと二人になり手を繋いだ


『二人で逢いたかったな…』


『先輩も暇だって言ってたからさ…』


『話たい事もいっぱいあったのに…』


『また、すぐ逢えるさ…』

『・・・・』



一人電車に乗り込んだ…
窓ごしにバイバイと手をふった…


ミツルの唇が

『あ・い・し・て・る』と呟いた

涙がポロポロ溢れた…





No.298 14/01/15 14:28
りんご ( ♀ UNyGh )


チョコレート渡し忘れちゃった…





二人で逢いたかった…


ミツルに触れていたかった…


抱きしめて欲しかった…




虚しさに支配されていた…



私のわがまま⁉



No.299 14/01/15 14:31
りんご ( ♀ UNyGh )


暗くなり始めた頃、段々見慣れた景色が戻ってきた


帰って来ちゃった…


そのまま家には、帰りたくなかった…


香の店に寄っていた…



No.300 14/01/15 14:42
りんご ( ♀ UNyGh )

『ソーダ水ちょ~だい‼』


『どうした⁉元気ないじゃん。』


『うん、今日、電車でさ………』


『そっか、、悪気はなかったんじゃない⁉』



ミツルに悪気はなかったんだろう…



No.301 14/01/15 14:52
りんご ( ♀ UNyGh )


ただ、、
先輩の事はよく知らないけれど…


不安になった…
遊び人のように感じたから…

車も、知り合った頃のミツルの車のようだったし…


一緒に行動してる事も多いのだろうし…


香の店から寮に☎を入れた

☎『もしもし…』

☎『まだ帰ってきてないよ』


どこか遊びに行っちゃったのかな⁉



No.302 14/01/15 15:56
りんご ( ♀ UNyGh )


結局、その日は電話は繋がらなかった


次の日は、電話が繋がった

☎『もしもし…昨日、電話したんだよ…』


☎『あ~、あの後パチンコ行ってさ…』


☎『そ~なんだ…、パチンコやるんだ…前はやらなかったよね⁉』


☎『暇潰し程度になっ。先輩がパチンコ好きなんだよ。』


☎『あんまり先輩に染まらないでね…』


☎『大丈夫だよ、いい先輩だよ。』


☎『今度は、二人で逢いたい……』


☎『わかった…ゴメンなっ…』




No.303 14/01/15 16:27
りんご ( ♀ UNyGh )


ホントは直接手渡ししたかったけど…

バレンタインのチョコレートは手紙を添えて郵送した…


☎『チョコレート着いたよ、、
寂しい思いさせて悪いな…3月には、泊まりで帰るから…』



☎『うん、待ってる…』





No.304 14/01/15 19:06
りんご ( ♀ UNyGh )


逢えない時の
すれ違いが
寂しかった…

電話をしても
繋がらない日は
不安も増していた…


どこでだれと
何してるんだろう⁉


それはミツルも同じだったと思う…




No.305 14/01/15 19:20
りんご ( ♀ UNyGh )


3/1 卒業式


ミツルとは逢えないまま
卒業式を迎えてた


あれほど早く卒業したいって思ってたのに…


3年間の高校生活の思い出が
後から、後から思い出され…
涙が溢れた




卒業したら
別々の道に歩み出す
クラスメート




3年間は
アッ言う間に過ぎていた





No.306 14/01/15 19:31
りんご ( ♀ UNyGh )


その日は
クラスメートと
カラオケポックスで
卒業パーティーをやる約束をしていた



クラスの半分くらいが集まって、盛り上がっていた



22時を回ってお開きになった…



『この後ど~するの⁉』
『うちの店で二次会やるけどリンゴも来ない⁉』
唯が言った


真智子と一緒に参加する事にした


母には、真智子も一緒だからと電話をした



比較的、仲良かった7人が集まって唯の店へと向かった



No.307 14/01/15 19:38
りんご ( ♀ UNyGh )



唯の店に着くと
ママが貸し切りにしてくれていた


唯の中学の同級生も
卒業式で合流していた


高校を卒業した解放感からか、まだ18才だと言うのに…

お酒も飲んで
タバコも吸っていた…




私も初めて
アルコールを口にしていた




No.308 14/01/15 19:44
りんご ( ♀ UNyGh )



夜はふけ
あたりが明るくなり始めた頃


誰かが日の出を見に行こうと言い始めた


酔いをさますにも丁度いい


店を後にして

海へ向かって歩いていた





一気に酔いがさめた…



駐車場にミツルの車があった…


なんで⁉
どうして⁉



頭の中がパニックた…


No.310 14/01/15 20:30
りんご ( ♀ UNyGh )



『真智子、どうしよう…
ミツルの車がある…』


『どうしようって…
なんか約束してたの⁉
こんな朝早く電話も出来ないっしょっ⁉』


『約束はしてないけど…』


『まっ…日の出見に行こうよ‼』




帰って来てるってどう言う事⁉

しかも車で…


何も聞いていない…


何かあったのかな⁉



不安が渦巻いてた…



No.311 14/01/15 20:36
りんご ( ♀ UNyGh )


海まで来た時に

うっすらと水平線が明るくなり
日が上がり始めた



一筋の光が、
真っ直ぐに
自分に向かって光ってるように見えた




もう、制服を着ることもない



『じゃぁ~ここで✋』


『またね✋』


『連絡ちょ~だいね』



海で別れ
真智子と二人、駅へ向かって歩いていた


ミツルの駐車場を見ると、あったはずのミツルの車がなくなっていた





No.312 14/01/15 20:46
りんご ( ♀ UNyGh )


真智子と二人
早朝のガラガラの電車に乗り込んだ


席に着くと真智子は
すぐに寝息を立て始めていた


私は、、眠れるはずもなかった…







『真智子、起きてっ‼
着くよ‼』
真智子を揺り起こす


『ど~する⁉』


『シャワー浴びたいし、、寝たいかな…』
真智子が言った


改札を出た所で真智子と別れ家に向かっていた




No.313 14/01/15 20:53
りんご ( ♀ UNyGh )



もう、母親も仕事に出掛けてる時間だった



シャワーを浴びて
ベッドに潜り込んだ…





目が覚めたのは
夕方になっていた…


よく寝たな…


学校もないし…
ベッドの中から
テレビのスィッチをONした



No.314 14/01/15 21:01
りんご ( ♀ UNyGh )



電話のベルが鳴った


☎『もしもし…』


☎『俺…』
『どこにいるの⁉』


☎『うち…』


☎『ちょっと、出てこいよ…』


☎『えっ…⁉』


☎『近くの公衆電話からかけてる、、』



慌てて身支度をして、走って向かった




No.315 14/01/15 22:13
りんご ( ♀ UNyGh )

>> 309 主さん、こんばんは(^-^*)/ 更新されてないか、毎日チェックして楽しみにしています。 けど、同窓会でミツルが離婚してりんごに会いたが…

ありがとうございます
励みになります⤴


心に残る“恋“ ってあるもんですよね⁉


思春期の
甘酸っぱい恋の話です


あの時代、携帯電話があったら…
違っていただろうなと思います


あまり文章は上手くありませんが、、


お付き合いくださり
ありがとうございます。



No.316 14/01/15 22:25
りんご ( ♀ UNyGh )



『卒業、
おめでとう‼』



見たこともないような
豪華な花束だった…



『ありがとう…』




『車……』


『特別…』


『免停中だよね⁉』


『・・・・』



『ダメでしょ⁉』


『どうしても、逢いたかったから…』


『でも…、ダメなものはダメでしょ⁉
なんで、そ~ゆ~事がわからないの⁉』


『嬉しくないの⁉』


『嬉しいよ。
逢いたかったし…』
『でも、免停中に運転して事故したり…捕まったりしたら…』




No.317 14/01/15 22:38
りんご ( ♀ UNyGh )



嬉しいけれど…


ミツルの行動が理解出来なかった


大人のように見えるミツルと、、
ルールを守れない子供のようなミツル




『夕べ、電話したんだぞっ、、どこ行ってた⁉』


『皆とカラオケで卒業パーティーしてた…』


『・・・・』
『俺とはオールで一緒に居た事なんてないよな⁉』

『いつも親がウルサイって言ってるから、ちゃんと遅くならないうちに送って行ってるよな⁉』


『ゴメン…』


『ゴメンじゃないよっ‼』
『何やってんだよっ‼』
『そうやっていつも、遊んでいたのか⁉』


『昨日は特別、、最後だから…』


『言い訳はいいよっ‼』
『俺の見えない所で何やってんだよ⁉』



初めて、本気で怒ってるミツルを見た…





No.318 14/01/15 22:53
りんご ( ♀ UNyGh )


『俺だって逢いたくたって、我慢してるんだ…』
『それなのに…
来てみたら…オールで遊んでる⁉なにそれ⁉』



『ミツルだって、寮に電話したって居ない時も多いじゃん…』


『だから⁉』




『ミツルが来るのがわかっていたら、私だって…』


『バレなきゃ良かったって事⁉』


『そ~じゃない…』




せっかく逢えたのに
ケンカなんかしたくない…


No.319 14/01/16 07:33
りんご ( ♀ UNyGh )



『ゴメン…
昨日、連絡取れなくて
心配してたから…』

『でも、わかってくれるよな⁉』


『うん…』




『じゃ…改めて
卒業、おめでとう‼』


『ありがとう』



『車は、免停解除されるまで乗らないって約束してくれる⁉』


『わかったよ。』



車は、こっちに置いて行くと約束させた

私の運転でミツルの駐車場まで向かっていた

教習所以来、初の運転だった…



『怖ぇ~…』


助手席で、ミツルは
『怖ぇ~…』を連発していた(笑)



『ついでに車庫入れの練習すっか⁉』

『そこ、右折‼』


ラブホだった


ミツルに指示されながら、なんとか車庫入れが出来た






No.320 14/01/16 07:37
りんご ( ♀ UNyGh )



『逢いたかった…』


『私も…』


いっぱいキスして…


いっぱい抱き締めてくれて…


一つになった…




逢っている時は
ミツルに包まれて
安心出来た…






No.321 14/01/16 10:08
りんご ( ♀ UNyGh )


ミツルの駐車場に車を停めて一緒に駅まで向かっていた。


『キー預けておくわ、、車、自由に乗っていいから。』


『無理、無理、、一人じゃ乗れないよ。』


ミツルの車のキーを預かった。



『後、半年だから、待ってられるよな⁉』


『うん…』


『なるべく戻ってくるようにするから…』


でも、交通費は、お互い痛かった

と言うより、真ん中あたりで待ち合わせをしても、1回1万はかかる電車代は、高校を卒業したばかりの私には出せなかった…


ミツルが出してくれると言ったが、、、
デート代もいつもミツルが払ってくれてたから、、
負担が大きいのもわかってたから…



駅のホームでの別れは
辛い…


無情に閉まる電車のドア

離ればなれになる瞬間
ドア1枚の隔たりが
せつなくさせる…


無理矢理作った笑顔で
バイバイと手をふった…


ゆっくりと走り出す電車


すぐに加速し遠ざかり


見えなくなっていった…



No.322 14/01/16 10:12
りんご ( ♀ UNyGh )



はぁ~・・・


一人家へとトボトボと歩いて行く


さっきまで一緒に居たのに…
寂しさで押し潰されそうになる


遠距離恋愛て辛いな…





No.323 14/01/16 10:34
りんご ( ♀ UNyGh )


毎日のように
電話で話していたが

手紙も毎日出した


今日は、こんな事があったよ
とか…

今日は、何を食べた
とか…

日記のような手紙だったが、思いが届くようにポストに投函した。


☎『手紙毎日ありがとう。楽しみになってる。
仕事も頑張れるよ‼』
『でも俺、字がヘタだし、文章書くの苦手だからさ…』


☎『ううん、私は、毎日暇だから…』


☎『ゴメンな、、かまってやれなくて…』




No.324 14/01/16 10:47
りんご ( ♀ UNyGh )



毎日、やることもなく、暇だった



香の店へいりびたっていた

『夜桜見物でも行くか⁉』コーヒーを飲み終えた健ちゃんが言った

『行く~⤴』
香がノリノリでハシャイだ

『リンゴも行くっしょ⁉』

『暇だから、行こうかな…』



No.325 14/01/16 11:07
りんご ( ♀ UNyGh )


香が徹君を電話で呼び出した


水族館以来、香と徹君は急接近し、付き合っていた


健ちゃんの車に4人で乗り込み
近くの桜の名所へと向かった


まだ肌寒い季節

香と徹君は手を繋いで
前を歩いていく


健ちゃんはポケットに両手を突っ込んで時々立ち止まっては桜を眺めている


『俺の田舎はさ、ゴールデンウィーク頃に桜が咲くんだよ…』
健ちゃんがボソッと呟いた

『へぇ~…』


『雪解けが始まって、フキノトウがあっちこっちに芽吹いて…
天ぷらにして食べたり、フキノトウ味噌にしてさ…
もうじき春になるんだなって感じるんだよ…』

『フキノトウ⁉』

『知らないか~⁉』
『ほろ苦い、大人の味だよ。』
『リンゴちゃんにゃ、まだわかんないかもな(笑)』


『ハイ、ハイ、、大人の味はわかりませんよ💢』


『セリ摘んだりしてさ…
鍋に入れて食べると美味いんだよ。きりたんぽ鍋知ってる⁉』


『テレビとかで見たことはあるけど、食べた事はないよ。』


『そっか…
今度、食わしてやるよ。』


No.326 14/01/16 11:21
りんご ( ♀ UNyGh )



☎『もしもし、、』
『後、少しで免停解除するから、車取りに帰るよ。』


☎『その前に逢いたいよ…』


☎『悪い…車の保険とか税金とか支払いが重なってくるから、ちょっとキツイんだ…』


☎『そっか…
しょうがないよね…』



4月になったら
専門学校も始まるし…

仕事も始まる

その前に
逢いたいと思っていたが
思いは叶わなかった…





No.327 14/01/16 11:27
りんご ( ♀ UNyGh )


新生活が始まった


期待と不安と
新しい人との出会い


見習いとして
美容室で働き始めた


毎日が忙しく
慌ただしく過ぎていた


夜は学校にも行ってたからミツルと電話で話すことも減っていた…



私の休みの日に合わせて
ミツルが車を取りに戻ってくることになった


久しぶりにミツルに逢える

それだけで頑張れた


早く逢いたい…



No.328 14/01/16 11:34
りんご ( ♀ UNyGh )



『よぉ~✋』
車に乗り込む

『逢いたかった…』


『俺もだよ。』
『やっと免停解除だ⤴⤴』


『もうスピード出しちゃダメだよ‼』


『わかってるよ。』
『どうだ仕事は⁉』


『大変だけど楽しいよ⤴』


『少し痩せたか⁉』


『1日動きっぱなしだし…忙しいとお昼抜きになっちゃう事もあるんだ…』


『ちゃんと食えよ。』


『うん…』





No.329 14/01/16 11:54
りんご ( ♀ UNyGh )



つかの間のデートの時間は過ぎるのが早い…


逢えば
許す限りの時間
身体を重ねた


逢えない時間を
一つになる事で
埋め合わせるかのように…


ミツルはいつも
優しくしてくれた


優しく包み
ゆっくりと…


『離れたくない…』


『後、半年もないから…』




No.330 14/01/16 12:09
りんご ( ♀ UNyGh )


学校は、
同じ年もいたが
社会人をしながら
入学してきた人もいたり

子育てしながら
頑張ってる人もいて


一番上は35才のお姉さんがいた

お姉さんは、旦那さんが美容師さんで、二人でお店を持ちたいって言っていた


昼間働いているから
皆、大人びて見える


メイクアップアーティストになりたい
とか


明確な目標を持ってる人も多く、刺激になった


ヘアだけじゃなく
メイクも、ネイルも
美容にも興味はどんどん広がっていった


人生で初めて
学びたい
色んなものを吸収したいって夢中になっていった



No.331 14/01/16 12:15
りんご ( ♀ UNyGh )



毎日が忙しくて
ミツルと逢えない寂しさは紛れていた

仕事も勉強も
必死だった…
余裕なかった




☎『GW帰るけど…』


☎『昼間は仕事があるんだ…』


☎『1週間くらい居られそうだから。』


☎『うん…』


ミツルと逢える⤴
いっぱい、いっぱい
話したい事もあった



No.332 14/01/16 12:21
りんご ( ♀ UNyGh )



GW



一日休みが重なった


『また痩せた⁉』
『無理してないか⁉』


『うん、大丈夫‼
今、人生で一番楽しいかも…』


『俺と居る時よりも⁉』


『まさか…
ミツルは心の支えかな…』


『なんか、化粧濃くなってね⁉』


『それはさ、やっぱ働いてるからさ、それなりにね…』


『そっか…』





No.333 14/01/16 14:23
りんご ( ♀ UNyGh )


次の日も
仕事が終わる時間に迎えに来てくれた




『結構デカイ店なんだな⁉』


『うん、理・美容室だからね。』

床屋さんと、美容室が一緒になった店だった


『何人いるの⁉』


『う~ん、12人かな
系列店舗が7店舗あるから、従業員はかなりになると思うよ。』

『いつかはトップスタイリストになりたいと思ってる。(笑)』


『綾野さんて、うちの店のトップの人がいるんだけどね…
目標にしたい憧れの人なんだ。』

『大きな大会で賞も取っててね。人間的にも尊敬出来る大人って思うの‼』


『男か⁉』


『うん、男だけど…
入ったばかりの私にも、頑張れよって声かけてくれるんだよ。』


『お前スキだらけだから、心配だな…』


『そんな人じゃないよっ‼』


『まぁ、頑張れよ…』


No.334 14/01/16 14:30
りんご ( ♀ UNyGh )


次の日も
迎えに来てくれた


『こんなに続けてミツルと逢えるのって、8ヶ月ぶりだよね⁉』


『そ~だな…』


『あっち行くって聞いた時は、どうなるかと思ったけど…
1年なんてアッと言う間に過ぎちゃうね‼』


『そ~だな…』


『ミツルは、どうなん⁉』


『どうって⁉』


『仕事だよ。』


『毎日、頑張ってるよ。
早く倫子に逢いたいなっていつも思ってさ。』


『うれしい事言ってくれちゃうじゃん⤴⤴』


『でも、仕事始めてからさ、帰り遅いみたいで、ちっとも電話繋がらないし…』


『しょうがないよ…
学校もあるし…』


『俺、心配なんだよ…』


『・・・・』




No.335 14/01/16 14:36
りんご ( ♀ UNyGh )



『逢うたびに痩せて…』


『毎日、動きっぱなしだからね…お昼が夕方になっちゃう時もあるし…
でも元気いっぱいだから。』


『無理すんなよ。』

『俺は、ガリガリはタイプじゃないからなっ。』


『は~い‼』





ミツルは戻っていった…


ちょっと寂しかったけど…
毎日、忙しくてグッタリだったから、前のように寂しさに押し潰されることはなかった…


No.336 14/01/16 14:41
りんご ( ♀ UNyGh )




『倫子ちゃん、電話だよ~』

『はいっ…すいません…』


☎『もしもし、電話かわりました…』


☎『あっ…俺…ゴメン…』


☎『今、仕事中だから…』


☎『電話しても、いつも帰ってないから心配になってさ…』


☎『ゴメン、夜こっちからかけ直すから…』



早々に電話を切った




No.337 14/01/16 14:53
りんご ( ♀ UNyGh )


夜になって


☎『もしもし…』


☎『仕事、終わった⁉』


☎『うん…』


☎『悪かったな…』
『いつ電話してもいないから…』


☎『・・・・』
『仕事してるし、学校だって行ってるし…
練習だってしなくちゃならないし…
私だって寂しいよ…
でも、後少しの辛抱だと思うから…』


☎『そうだよな…』
『わかってる…』



気がついたら、10日も声を聞いてなかった…


☎『来月、お前の休みに合わせるように帰るから…』


☎『ありがと、ゴメンね…』


☎『店には電話しないから、倫子からの電話待ってるよ…』





No.338 14/01/16 15:08
りんご ( ♀ UNyGh )



1ヶ月後


『ど~したの⁉この車…』


おとなしくなっていたミツルの車が改造されていた



『やることないから、ちょっとカスタムしてみた…』


『やることないからって…』


『暇だからさ…』


『・・・・』



車はラブホに向かってた


『ゴメン、今日は出来ない日…』


『そっか…残念…』



『残念て…
私、セフレじゃないよね⁉』


『当たり前だろ‼』
『何言ってんだよ⁉
そんな風に思った事なんて一度もね~よ。』


No.339 14/01/16 15:46
りんご ( ♀ UNyGh )



ミツルがイラ立っていた…


『いつ電話してもいね~し…』
『忙しい、忙しいって…』
『最近、お前、変わったよな⁉』


『・・・・』

『そりゃ、高校生の時とは変わるよ‼』
『働いてるし、学校もあるし…』

『ミツルを思う気持ちは変わってないよ‼』



『それならいいよ…』



『ミツルおかしいよ‼』

『少し冷静になって考えた方がいいかもね…⁉』



『どうゆう意味⁉
わかんね~よ。』

『ハタチなったら結婚する約束だよな⁉』


『・・・・』


『約束だよな⁉』


『・・・・』


『返事しろよっ⁉』


『今は、学校をちゃんと卒業して国家資格を取るのが目標‼』



『わかったよ…』



こんなケンカしたくなかったのに…




No.340 14/01/16 19:05
りんご ( ♀ UNyGh )


少し言い過ぎた


3月まで寂しい思いをしてたのは私



今は、ミツルに寂しい思いをさせている


あんな言い方しなけりゃよかった






No.341 14/01/16 19:10
りんご ( ♀ UNyGh )



電話して
謝ろうかな…


☎『もしもし…』


☎『あ~…今日は外出になってますね。帰って来ないよ。』



☎『あっそうですか…電話があった事だけ伝えて下さい…』



外泊⁉
聞いてない…




No.342 14/01/16 19:13
りんご ( ♀ UNyGh )



ミツル…
どこ行ってるんだろう⁉
何やってるんだろう⁉



ミツルもきっとそう思ってたんだろうな…



ミツルの気持ちなんて
考えてあげられてなかったな…



自分のことで精一杯だった…



No.343 14/01/16 19:23
りんご ( ♀ UNyGh )



『倫子、知り合いにペンキ屋さん居るって言ってたわよね⁉』
母が言った


『あ~、健ちゃん⁉』


『ちょっと悪いけど、、家の塗り替えの見積もりしてもらえないかしらね~⁉』


『伝えておく。』
『ちょっと香の店に居るかもしれないから行ってくるわ。』


『とりあえず、見積もりだけね。』




香の店に顔を出す
駐車場に健ちゃんの車があった


『久しぶり~‼』


『久しぶりじゃん‼』
香が笑顔で迎えてくれた

『今、噂してたんだよ。(笑)最近、来ないねってさ。』


『も~忙しくてさ…
パツパツ…』



No.344 14/01/16 19:26
りんご ( ♀ UNyGh )


『健ちゃん、、なんか家の塗り替えしたいらしくてさ、見積もりして欲しいって言ってんだけど…』


『あ~いいよ。
明日でも、親方と見に行くわ。』


『ヨロシク。
でも、とりあえず見積もりだけって言ってたよ。』


『お~、わかったよ。』






No.345 14/01/16 19:32
りんご ( ♀ UNyGh )


次の日、私は仕事だった



『ただいま~。』


『お帰り。
来たわよ。健ちゃんて人』


『で見積もりは、どうだったの⁉』


『塗り替え頼もうかと思って。』


『あ~そう。』


塗り替えを頼むことにしたらしい



No.346 14/01/16 22:12
りんご ( ♀ UNyGh )



☎『もしもし…』


☎『もしもし…』


☎『元気⁉』


☎『あぁ…倫子は⁉』


☎『頑張ってるよ…』
『こないだ、電話したんだよ…』


☎『あぁ…』


☎『外泊って…』


☎『先輩とちょっと…』


☎『そっか…』
『今度、いつ逢えるかな⁉』


☎『・・・・』


☎『何かあった⁉』


☎『いや、別になんもね~よ…』



なんかおかしい…

問い詰める自信はなかった


☎『声、聞きたかっただけだから…』
☎『また、電話する…』




会話が繋がらなかった…

すぐにでも逢いたかった…

でも…



No.347 14/01/16 22:19
りんご ( ♀ UNyGh )



美容学校でも友達が出来て、学校が終わってから、飲みに行く事もあった…

お互いに美容師になるって目標があったから
挫けそうな時も
励ましあえたし

夢を語るのも
楽しいかった


美容室の跡取りもいたし…

留学して技術を身につけてアーティストになる
とか


話は尽きなかった


35才の姉さんは
結婚もしてたし
恋愛についても
相談出来た




No.348 14/01/16 22:33
りんご ( ♀ UNyGh )



お店を閉めた後も
残って練習する事もあった


綾野さんは、トップなのに遅くまで付き合って指導してくれた
ありがたかった


『すいません、疲れているのに遅くまで…』


『いいんだよ、倫子ちゃん見てるとさ、自分がこの業界に入った時の一生懸命さを思い出してね。』

『初心忘るべからずってヤツかな…(笑)』

『まだまだ怠けちゃいけないなって、この業界これで満足って事ないから、、、お互い頑張ろう。』



お互いなんて…
レベルが違い過ぎる



『遅いから、今日はこれくらいにしてさ、送って行くよ。』


『私は片付けて帰りますから…先に上がってください。ありがとうございました。』


片付けを済まして
外に出たら

綾野さんが車で待っててくれた


『送るよ。』


『大丈夫です…』


『こんな時間に女の子一人で帰したら、俺が心配になるだろ⁉(笑)』


『すいません…』



綾野さんに送ってもらう事にした



『ありがとうございました。』


『他のスタッフには内緒な‼』


『はいっ…』


憧れの綾野さんに
送ってもらっちゃった⤴



No.349 14/01/16 22:43
りんご ( ♀ UNyGh )



それからも
時々、綾野さんは送ってくれる事があった


でも、
決してプライベートには立ち入らない洗練されたスマートさがあった

大人なんだな…




『ありがとうございました。いつもすいません…』

ペコリと頭を下げた



大通りで下ろしてもらい
家の方へ向かって歩いていた…


あれっ…⁉
ミツルの車⁉⁉



『お帰り…』


『来ちゃマズかったかな⁉』


『連絡くれれば、よかったのに…』


『乗れよ…』


車に乗り込む



『美容室の人でね
送ってくれたんだ…』


『・・・・』


『・・・・』


沈黙…





No.350 14/01/16 23:21
りんご ( ♀ UNyGh )


『今日、夜勤明けで…
明日、火曜日だろ
どうしても、倫子に逢いたくなって…
我慢が出来なかった…
気がついたら、高速飛ばしてた…』



『ありがとう、ミツルの気持ちはすっごく嬉しいよ…
私も逢いたかったし…』

『でもね、その無謀さが事故したり、またスピード違反で捕まったりしたら…』

『後、少しの辛抱でしょ⁉』



車をラブホに滑り込ませた…


ドアを閉めると

ミツルがベッドに押し倒し重なってきた


『待って…シャワー浴び…』


唇を重ねられ
喋れなくなった


ブラウスのボタンをはずし…

ブラをたくしあげ
あらわになった
乳首に吸い付く…


下着を剥ぎ取り


ミツルはそれを押し込んできた…





そのまま果てた…





No.351 14/01/16 23:35
りんご ( ♀ UNyGh )



『ゴメン…』



ドロッとしたミツルのものが、流れ出てきた…



ベッドからおりて
シャワーで必死になって流した



ミツルがタバコに火をつけてた



『らしくない…』

『ミツルらしくないよ…』


『こんなのないよ…』



『赤ちゃんできちゃうじゃん……』



『俺は…出来てもいいと思ったから…』
『責任は取る…』



『そ~じゃないよ…』

『私は、今は妊娠したくない‼』



『ゴメン…』



『ゴメンで済む問題じゃない…』



『そんなに嫌か⁉』



『・・・・』



話にならない…



No.352 14/01/18 10:29
りんご ( ♀ UNyGh )



『ミツルが、嫌とか言ってるんじゃないよ。』


『ミツルの事は大好き。』

『ミツルとは、いつか一緒になりたい…って思ってる。』


『でも、今は私にも目標が出来て…』




『俺は、“今“倫子と一緒になりたい…』




『今は無理でしょ⁉』




『心配なんだよ‼』



『心配⁉』




『お前が、どんどん離れていってるみたいで…』




『そんな事ないよ……』


『私には、ミツルしか居ないよ…』






No.353 14/01/18 11:13
りんご ( ♀ UNyGh )


『でも、だからって中出しは…ないよね⁉』




『ゴメン…』





『私、、帰る…』



『・・・』






No.354 14/01/18 11:35
りんご ( ♀ UNyGh )



ガタガタとした物音で目が覚めた


結局、朝方まで寝付けなかった…

酷い顔してる…


下へとおりていった

『おはよう、朝からウルサイ…』


『今日から、塗り替えしてもらうから…』



あ~…健ちゃんか……



No.355 14/01/18 11:45
りんご ( ♀ UNyGh )



『おはよう、健ちゃん‼』


『おは‼』


仕事着姿の健ちゃんを初めて見た


下の者へテキパキと指示を出していた。


ちょっと意外だった…





No.356 14/01/18 11:54
りんご ( ♀ UNyGh )


3日後…


生理がきた…



よかった…
妊娠してなかった
ホッとした






ミツルには電話もしないまま半月が過ぎようとしていた…


こんなにミツルの声を聞かないのは初めてだった…


ミツルからも電話はなかった…



No.357 14/01/18 12:10
りんご ( ♀ UNyGh )



火曜日


職人さんに3時のお茶を出すよう頼まれてた

『健ちゃん~、お茶‼』


『お~っ、ありがとう。』


『暑くなってきたから大変だね⁉』


『まぁ~なぁ~…』
『なんでも楽な仕事はね~って事よ。』



楽な仕事はないか…
そ~だよな…



『健ちゃん、仕事してる時はカッコイイね‼(笑)』


『いつもカッコイイべ⁉』

『う~ん……(笑)』


健ちゃんは、日に焼けて逞しく見えた

一回り年上の健ちゃんには、何でも遠慮なくサラリと喋れた





No.358 14/01/18 12:35
りんご ( ♀ UNyGh )



その日、久しぶりにミツルに電話をしたが
繋がらなかった…





☎『もしもし…』
ミツルからだった

☎『もしもし…』


☎『もうじき花火大会だな…』


☎『そ~だね…』


☎『行けるか⁉』


☎『土曜日は…』


☎『だよな…』


☎『ゴメンね…』


☎『い~よ…』


少しづつ、すれ違っていた…



No.359 14/01/18 15:18
りんご ( ♀ UNyGh )


7月の最終土曜日

花火大会だった



私は仕事があったし
後1ヶ月で出向も終わるからって思っていた



『お疲れさま~』

『お疲れさま~
お先に失礼します。』




店を出て角を曲がった所で、、綾野さんの車があった

『送って行くよ。』



『すいません、
いつも、ありがとうございます。』


疲れてたのもあって、車に乗り込んだ


『仕事慣れた⁉』


『はい…』


『ねぇ、よかったら、ちょっと飯でも付き合ってくれない⁉』


『あっ…はいっ…』


『家に帰っても一人だから、、』


そうか…
綾野さんは一人暮らししてるって言ってたな…




No.360 14/01/18 15:32
りんご ( ♀ UNyGh )



フレンチのお店に到着した


『ここでいい⁉』


『こんな高級そうなお店入った事ないです…こんな恰好だし…』


『十分、大丈夫だよ。』


綾野さんの行きつけの店のようだった


入り口でなにやら店の人に綾野さんが話をして、ちょっと奥の個室になったような所に通された


『ここなら、いいでしょ⁉
人の目も気にならない。』


(いやいや、緊張しまくりです…)






No.361 14/01/18 15:50
りんご ( ♀ UNyGh )


メニューを見ても
何もわからない…
困っていると


『じゃ、このコースで、、』

綾野さんが指を指す


『かしこまりました。』


『お飲み物はどうされますか⁉』

『僕は車だから、ノンアルコールで…
彼女は…』


『あっ…いいです…』


メニューは下げられた



前菜から運ばれてきた

見たこともないような
綺麗なオシャレな料理だ


『あの…
フランス料理なんて、初めてで…』


『そうだよな…
まだ高校卒業したばかりだもんな…』

『嫌だった⁉』


『美味しいです…
でも、緊張してます…』


『倫子ちゃんて、素直だよね(笑)』



緊張しまくりで食べてた




『ごちそうさまでした。』

『いつもさ、店の裏でご飯食べてる時も、倫子ちゃんて一人でも手を合わせて、いただきます、ごちそうさまってしてるでしょ⁉
美味しそうに食べる子だなって見てたんだ。(笑)』



No.362 14/01/18 15:55
りんご ( ♀ UNyGh )




『今日は、ごちそうさまでした』


『こちらこそ一人寂しくご飯食べないで済んでよかった。楽しかったよ。』

大通りで降ろしてもらって家に向かった



その時、、車が横を通り過ぎて行った




えっ⁉
ミツルの車⁉


必死に走って追いかけたが、追いつくはずもなく…
車は見えなくなっていた。




No.363 14/01/18 16:07
りんご ( ♀ UNyGh )


はぁ~…


ミツル、また勝手に誤解するだろうな…




そのまま家に帰らずに、香の店に寄っていた


香に話してた…

『タイミング悪いよね⁉
倫子も軽はずみかもよ。』

『そうかな⁉
たまたま店の人が送ってくれて、お腹空いてたからご飯食べただけだよ…』

『ミツルも来るなら、来るって連絡してくれてればさ…』

『なんか、最近、ミツルがわかんない…』


『で、ど~するの⁉』


『ど~するって…どこに居るかもわからないし…』



No.364 14/01/18 16:22
りんご ( ♀ UNyGh )


3日間
寮に電話しても繋がらなかったし

ミツルから電話もなかった


もうダメかも…
ふと頭の中をそんな言葉が過っていた



☎『もしもし…』


☎『もしもし…』



沈黙



☎『こないだ来てたよね⁉』


☎『アイツと付き合ってんの⁉』

☎『勘違いしないで…
送ってくれただけだよ。』


☎『他の男の車乗るなよ。こないだもアイツだよな⁉』


☎『電話じゃなくて、逢ってちゃんとミツルと話をしたい…』


☎『俺も話がある…』
『盆休みに帰るから…その時に…』





No.365 14/01/18 16:43
りんご ( ♀ UNyGh )



☎『明日から一週間休みになるから帰るよ。』


☎『うん…』

ミツルの会社のお盆休みになった



ミツルが店の近くまで迎えに来ていた
車に乗り込む


『お疲れ…』


『ただいま…』


沈黙



『ホテル、行っていいか⁉』


『・・・・』


『こないだみたいな事はしないから…』


『話って何⁉』


『まぁ……』



『ホテルは…嫌…』


『そっか…
それがお前の答え⁉』


『そ~ゆ~んじゃなくて…』


『まっ…いっか…』



No.366 14/01/18 16:57
りんご ( ♀ UNyGh )



海辺の駐車場に車を入れた


『俺達、、ここが始まりだったな…』


『そ~だね…』


『話って何⁉』



『俺達のこと…』
『倫子はどうしたいって考えてるのか聞いておきたい。』


『ミツルの事は好きだよ…』


『俺は、倫子と結婚するって決めてる』
『嫌か⁉』


『私も…そう思ってた…』



『思ってた…か…⁉』




『俺、来月、こっちに帰ってくる予定だ…』


『一緒に住まないか⁉』



『・・・・』



『即答してくれないのか……⁉』



『・・・・』


『倫子、何考えてんの⁉』



No.367 14/01/18 17:15
りんご ( ♀ UNyGh )



『早急過ぎるよ…』

『ミツルの事は大好きだよ。』
『でも、仕事も始めたばかり、学校もまだあるし、親が許すはずないよ…』

『仕事と学校の両立だってままならないのに…』

『学費も払わなきゃならないんだよ…』



『仕事、、辞めちゃえよ』


『・・・・』


『そんな事、言われたって…』


『俺と一緒になるのは嫌って事⁉』


『そ~じゃないってば‼』
『一人前の美容師になりたいの…夢だから…』


『私は、一人前になって、ちゃんと自分で稼いで生活出来るようになってから、、お父さんやお母さんからも祝福されて、結婚したいって思ってる…』



No.368 14/01/18 17:33
りんご ( ♀ UNyGh )



『実は…
先輩から共同経営って形で一緒に修理工場始めないかって誘われてるんだ…』


『工場⁉』



『先輩って…』


『前に一度会ってるだろ⁉』

『チャンスだと思うんだ…』

『こないだもう下見には行ってきた』


(あっ…外泊で連絡つかなかった時⁉)



『倫子を一緒に連れて行きたい…』

『俺、一生懸命働いて、いっぱい稼いで、幸せにすっから…』



『だから一緒について来て欲しいんだよ‼』



『・・・・』


No.369 14/01/18 20:56
りんご ( ♀ UNyGh )



『俺にとって倫子は、“幸運の女神“だから…』




『・・・・』





『いつものように
“うん“
て返事してくれると期待してたけど…』



『そ~だよな…
簡単に決断できる事じゃないよな…
俺だって、この3ヶ月悩んだから…』




そっか…
最近、寮に電話しても繋がらなかったのは…




『一週間、考えてくれ‼』
『いい返事くれると思って待ってるから……』




期限は一週間……





No.370 14/01/18 21:10
りんご ( ♀ UNyGh )



そんな簡単に答えは出せなかった…



ミツルの事は好き


でも夢も諦めたくない…


私はまだ専門学校で
自立すらしてない…


ミツルだって
共同経営⁉
大丈夫か不安もある


親だって
反対するに決まってる…




答え出せないよ…




No.371 14/01/18 22:11
りんご ( ♀ UNyGh )


『姉さん、今日、相談したい事があるんだけど、帰りちょっといいかな⁉』


専門学校の、通称“姉さん“35才に声を掛けた


『いいよ。
今日は、旦那も遅くなるって言ってたから。』



学校が終わってファミレスに行った

『何、相談て⁉』


『姉さんは、なんで結婚したの⁉』


『なんでって、好きだったからかな⁉(笑)』

『好きなら結婚出来る⁉』

『なんかあったの⁉』


ミツルとのいきさつを話した



『そっか…』

『で、どうするの⁉』


『悩んでる…』


『話はいくらでも聞くけど、
答えは、自分で出さなきゃダメだよ。』


『だいたい、彼氏もまだ若いよね⁉
そう簡単に事業なんて上手くいくもんじゃないと思うよ。』


『もし、事業を始めるなら、3年はがむしゃらに頑張って、事業が軌道に乗ってからだと私は思うよ。』



『悩むくらいなら、“今“はタイミングじゃないんじゃない⁉』



『結婚てさ、タイミングと勢いみたいなもんあるからさ』


『仕事と学校辞めて、後悔しない⁉』


『わからない…』


No.372 14/01/19 00:01
りんご ( ♀ UNyGh )


『まだ18才でしょ⁉
彼氏は…22才って言ったっけ⁉
年齢は関係ないかもしれないけれど…
本気なら、学校卒業してさ、一人前になるまで3、4年くらい待てるんじゃない⁉
長い人生の中の何年かだよ。
やっと始まったばかりの彼女の夢諦めさせて…
物になるかならないかわからないようなそんな道に無理矢理連れ込む方が無謀だと私は思うよ。』


『あくまでも私の個人的意見として聞いてね。
決めるのは倫子ちゃんだからね。』


『少なくとも卒業はちゃんとして資格は取った方がいいと思うよ。』


『結婚て、同じ方向を向くって事だと思う。
違うことしてても、見てる方向だけは同じじゃなきゃダメなんだと思う。』





No.373 14/01/19 14:00
りんご ( ♀ UNyGh )


そうだよね…


“同じ方向“を見てなきゃだよね…


私は、ミツルと“同じ方向“を見ているのだろうか⁉


“好き“だけじゃ
ダメなのかな⁉





一週間は、あっと言う間に過ぎていこうとしていた





No.374 14/01/19 14:07
りんご ( ♀ UNyGh )



『お母さん、、』


『何⁉』


『もし私が結婚したいって言ったらどうする⁉』


『えっ⁉』
お母さんが振り返る


『もしだよ、もし…』


『何言ってんの⁉
まだ学生でしょ。
まずは卒業して、資格取って…一人前になるのが先でしょ⁉』




そ~だよね~…
そ~言われるのはわかっていたことだった





No.375 14/01/20 08:27
りんご ( ♀ UNyGh )


ピンポ~ン🎵

玄関の呼鈴が鳴った


『おはようございます。』

母『どうぞ、上がって
これなんだけど…』

健ちゃんだった

母…『直るかしら⁉』


健…『わかりました。
大丈夫ですよ。』


母…『棚が壊れちゃってって話をしたら、健ちゃんが見てくれるって、助かっちゃうわ~っ』


私…『はぁ~⁉
お母さん‼
健ちゃんは塗装屋さんなんだよ。
なんでも屋さんじゃないんだからね。』


健…『大丈夫、ついでだから。』


私…『大丈夫じゃないよ。お母さんたら、図々しいんだから…
健ちゃん、ちゃんと請求しなよ~。』


健ちゃんは笑いながら、
器用に棚を直していた



父も兄も、日曜大工のようなものは、からっきし出来なかったから、器用になんでもこなす健ちゃんに母はなんでも頼んでいたようだった




No.377 14/01/20 12:23
りんご ( ♀ UNyGh )


ありがとうございます。
読んでくれてる人がいると思うと、励みになります。

夢と憧れと理想と現実が伴わない年代だったと思います


初めての小説なので
表現力も乏しく
ダラダラきてしまいました

もうしばらくダラダラいきます(笑)


お付き合い

ありがとうございます






No.378 14/01/20 14:53
りんご ( ♀ UNyGh )



今日は、ミツルの盆休みの最終日



仕事終わる頃
ミツルが迎えに来てくれていた



『お疲れさま』


『ありがとう』



沈黙


『お腹空いてない⁉』


『空いてる』


ファミレスに入った



会話のないまま
注文したものを平らげた



ミツルがタバコに火をつけた



『返事聞いていい⁉』



『・・・・』



No.379 14/01/20 15:05
りんご ( ♀ UNyGh )



ファミレスの
ガチャガチャとした
音だけが響いていた



『車、行くか⁉』



『うん…』


車に乗り込む



『返事聞いていい⁉』



『今は、行けない…』


『いつなら、いいの⁉』



『今は、専門学校を卒業して資格取得が目標だと思ってる…』


『それは…いつ⁉』


『2年先かな…』



『俺…2年も待てね~よ‼』



『1年アッと言う間に過ぎたじゃん…』



『だから、後2年も待てね~って言ってんの。』




No.380 14/01/20 15:19
りんご ( ♀ UNyGh )


『俺…心配なんだよ…
倫子は、逢うたびに痩せて
化粧して、髪の色も変わって…
どんどん綺麗になっていく
電話しても家にいね~し…
知らね~男の車に乗ってるのなんか見たら…
たまんね~んだよ…』



『信用出来ないって事⁉』


『心配なんだよ。』



『綾野さんは、単なる職場の先輩、、疑われるような事は一切ない。』



『それでも、、たまんね~んだって…
そばに置いておきたいんだよ…』



『・・・・』


『そんな事言われたって…私だって、寮に電話しても繋がらなかった時は不安になったよ…
でも、私にはミツルしか居ないと思ってたし…
信用してたから…』


『それにね、、
ミツルも先輩と事業するって…大丈夫なの⁉』


『だから、倫子にそばにいて欲しいんだよ。』

『倫子がそばに居てくれたら、俺、頑張れるから…』



No.381 14/01/20 15:29
りんご ( ♀ UNyGh )



『工場長が目標だって言ったよね⁉
ミツルは工場長みたいになれたの⁉
一人前の仕事が出来るようになったの⁉』



『筋はいいって言われてる。』



『ミツルがやりたいならすればいいと思う。
でも、腕がよくても、経営していくって並大抵じゃないと思うよ。』


『私には、
“今“専門学校辞めて
自分の夢を捨てて
親を失望させてまで
ミツルについてはいけない…』

『ゴメンね…』





ミツルはたった一言


『わかったよ…』


と言った…





No.382 14/01/20 15:39
りんご ( ♀ UNyGh )



『後2年…
私もがむしゃらに頑張って、一発で資格を取るから…
ミツルも、後2年、技術もそうだけど…
独立するなら、もうちょっとちゃんと下調べとか
経営の事を勉強した方が、いいと思う⁉
見切り発車過ぎるよ。』





『俺は“今“がチャンスなんだと思う…』




『ゴメン…“今“はついていけない…』




『そっか…
そうだよな…』



『わかったよ…』




No.383 14/01/20 15:45
りんご ( ♀ UNyGh )


ミツルは、ファミレスの駐車場から車を出して
家まで送ってくれた



『じゃあ…』


寂しそうにミツルが手をあげた






この先…
どうなるのだろう…



“今“は、ついて行けないと返事をしたが…


別れるとかは話していない…




No.384 14/01/20 16:27
りんご ( ♀ UNyGh )


それから半月


私からは、電話しなかった…


ミツルからも電話はなかった…



仕事に勉強に夢中になっていた
夢中になることで
気持ちを紛らわせていた




久しぶりに授業が終わってご飯でも食べに行こうかって姉さんに誘われた

『どうなった⁉』
姉さんが聞いてきた


『どうって…
ついて行けないって言ったら…音信不通…』


『そっかぁ~…
でもさ、それで終わっちゃうくらいなら、それまでだったってことだよ。』


『そ~だよね…』



『じゃ~…今日は気晴らしに、パァ~ッていっちゃうか⁉』


『そうだね~⤴⤴』



飲んで食べて
憂さ晴らしした



姉さんありがとう
気にかけてくれてたんだね…


仕事が終えた姉さんの旦那さんが迎えに来てくれた


『送りますよ。
一緒にどうぞ。』

『すいません。
ありがとうございます。』

素敵な旦那様だった…


No.385 14/01/20 16:38
りんご ( ♀ UNyGh )


あれから、1ヶ月になろうとしていた


ミツルからは何も連絡もない…


『お疲れさま~』
『お先に失礼しま~す』


店を出た



駅に向かって歩いて行くと…
ミツルの車が停まってた


『お疲れ、乗りなっ‼』

『ただいま…』


いつものように
車に乗り込む



『飯、、食う⁉』


『うん…』


『ドライブスルーでハンバーガーテイクアウトしてさっ…
ホテル行っていいかな⁉』


『えっ・・・』
『いいよ…』



No.386 14/01/20 17:20
りんご ( ♀ UNyGh )



『なんか久しぶりだな…』

『そうだね…』


ハンバーガーを頬張る


『俺…お前に無理な事言ってた…
謝るよ。ゴメン…』



『えっ⁉』


『オヤジに話をしたんだ…
工場経営なんて、お前が思ってるほど簡単なもんじゃね~って…反対されたよ。
現実を見ろ。
倫子を巻き込むなって叱られたよ。』




『でも、俺…自分を試したいんだ…』



『だから…待っててくれとは言わない…』


『えっ⁉』


『1年離れてて、俺、メチャメチャ苦しかったんだよ。
こないだも言ったけど…
逢うたびに、倫子は綺麗になっていくだろ
不安で心配で…
倫子が困るのわかってて…無理矢理、あんなことした…ゴメン…』



『もし、、2年後、専門学校を卒業して資格取れた時に…倫子が俺を必要としてたら連絡して欲しい…』

『それまでに、俺、がむしゃらに頑張るからさ…
倫子も頑張って欲しい…』



『別れるって事⁉』

『そんなの嫌だよ…』

『ミツルは、別れたいの⁉』

『せっかく帰ってきたのに…』




No.387 14/01/20 17:33
りんご ( ♀ UNyGh )



『そんなの、おかしいよ…
ミツルのこと、こんなに好きなのに…
ミツルは私の事、もうどうでも良くなっちゃたの⁉』



『そうじゃないよ。』
『わかってくれよ。』



『だって、やっと帰ってこられたんじゃん⁉』



『だから…先輩と工場やるのが…
今度は、簡単に車飛ばして帰って来られるような所じゃないんだ…』


『おかしいよ…
考え直してよ…』



『もう決めたから…』



納得いくはずもなかった。




No.388 14/01/21 10:24
りんご ( ♀ UNyGh )


『で…いつ行くつもりなの⁉』



『年内いっぱいは今の会社に世話になろうと思ってる、12月のボーナス貰ってから…』



それから逢える限りの日は逢って話し合っていた…



なぜ“今“じゃないといけなのか⁉



なぜ、待ってくれないのか⁉



堂々巡りだった…





3ヶ月の間、避妊はしなかった…
無責任かもしれないが…
もし、、
赤ちゃんが出来たら、
仕事も学校も辞めて、
ミツルに着いていくと決心していたから…


ミツルも、望んでいた…


でも…
二人に赤ちゃんが宿ることはなかった…




No.389 14/01/21 10:58
りんご ( ♀ UNyGh )



クリスマスの日



『今日で逢うのは、最後にしよう…』


『・・・・』



『こんなに好きなのに、なんで⁉』



『好き過ぎたからさ…
お互い2年頑張って、
お前がその時、俺のことを必要としてたら、迎えに来るから…
俺も、仕事だけに集中して絶対一人前になってるから…』


『好き過ぎて…
辛いんだよ…
待つのも…
待たせるのも…
倫子の足かせになりたくないし…』


『俺のわがまま…』
『許してくれな…』




最後まで納得なんて出来なかった…



出発する日も言わないで
ミツルは一人
旅立って行った…





No.390 14/01/21 11:24
りんご ( ♀ UNyGh )



クリスマスから一週間
美容室は
年末の慌ただしさで
次から次へと
忙しくて何も考える暇なんてなかった…


最後のお客を送り出し
スタッフ揃って、年越しそばを食べた


『お疲れさまでした~』

『よい年をお迎えくださ~い‼』




一人、家路を急ぐ

ホッとしたら…
虚しさに襲われていた…


ミツル、行っちゃったんだよね…


改めて、ミツルの存在の大きさに気づいていた…




私…
置いていかれちゃった…


別れたのかな⁉



2年後、迎えに来てくれるって言ったよね⁉




自問自答を繰り返す…






No.391 14/01/21 11:41
りんご ( ♀ UNyGh )



別れたような…
別れてないような…


中途半端な気持ちだった…


今は、お互いが、目標に向かって頑張っているんだから…


そう思うようにしていた




No.392 14/01/21 15:33
りんご ( ♀ UNyGh )


1ヶ月後


ミツルから電話が入った


『元気にしてるか⁉』


『うん…ミツルは⁉』


『頑張ってるよ。
電話ひいたから…
電話番号教えておくよ。
困った事があったら、
必ず電話しろよ。
すぐ駆けつけるから…』


『ありがとう…』


『先輩のつてで、居抜きで工場を手にいれる事が出来そうなんだ。』


ミツルは、生き生きと話していた…



『ミツルは、頑張っているんだね…』


『オゥッ、、お前も頑張れな‼』


『うん…』




2月にも電話がかかってきていた


『元気にしてるか⁉』


『こっちの方には帰って来る予定はないの⁉』


『2年間は帰るつもりはない…』
と、ミツルは言い切った



1年間
遠距離だったせいか
逢えない寂しさには慣れていたのかもしれない…


むしろ
『どこに行ってた⁉』
『誰といた⁉』
と、ケンカになる事も増えていたから、それが無くなって、穏やかに話が出来るようになっていた。





No.393 14/01/21 16:51
りんご ( ♀ UNyGh )



3月…
4月…
電話はなかった




5月になっていた

☎『もしもし…』


☎『あっ…ミツル⁉』


☎『あぁ…』


☎『なんかあった⁉』


☎『俺…結婚するかも…』


☎『えっ…⁉』
『・・・・』


☎『なんか言ってくれよ…』


☎『・・・・』




『おめでとう…』




☎『なんで“おめでとう“なんて言うんだよ⁉』


☎『だって…ミツルが決めたんでしょ⁉』




意味がわからなかった…

何も考えられなかった

私はミツルについて行けなかった…

ミツルが決めたことなら…仕方ないんだろう


ミツルは、何と言って欲しいのか⁉



半年もたたないうちに
あっけなく終わった…


あまりにも突然で
涙も出なかった



何がどうなってるのかすら聞く気にもならなかった…

No.394 14/01/21 16:57
りんご ( ♀ UNyGh )



離れてた期間があったせいか…


それともすでに気持ちが離れていたのか…


中途半端な束縛に縛られる事もなくなって

なんかスッキリした気持ちにすらなっていた…



それからは、余計に
仕事に勉強に夢中になっていた

夢中になることで
余分な事を考えないで
気持ちを紛らすことが出来た







No.395 14/01/21 18:21
りんご ( ♀ UNyGh )



私の“恋“は終わった…



あんなに大好きで
あんなに待ち焦がれたはずなのに…




絶対、一緒になるって
思っていたのに…




あの時
ミツルについていく事を
選んでいたなら…



今頃、一緒に暮らしてたのかな⁉
なんて思ったこともあったけど…





別々の人生を歩き始めた





No.396 14/01/22 13:34
りんご ( ♀ UNyGh )



7月になって…

真智子から久々に電話があって
久々に会っていた…


『元気にしてる⁉』


『忙しいけどね。』


『ミツルと別れちゃった…』


『そっか…私もなんだ…』

真智子もバイトで一緒だった彼と別れたそ~だ


『これからだね~
赤い糸が繋がってなかったんだよ~。』


二人で新たな出発に、旅行に行こうかって話をしていた



『そ~言えば…
来週の土曜日、花火大会だし、唯の店で同級生何人かで飲む約束になってるんだけどさ、リンゴにも連絡してって言われてたんだ。
一緒に行こうよ。』



唯の店か…
正直、行きたくなかった…
同級生とは会いたかったが…

B市には…
ミツルは居るはずもないけど…
なんか…





No.397 14/01/22 13:50
りんご ( ♀ UNyGh )


行こうか、悩んだけれど
結局、真智子に強引に連れて来られてしまった


『久しぶり~‼』

『久しぶり~‼』


それぞれ大人びていた…


話は尽きないが…

『とりあえず花火大会見に行こうよ。』

『そ~だね~。』


懐かしい…
あの日
ミツルと手を繋いで
歩いた道だった…


『こないださ、ミツル見たよ。』
唯が言った…


『そう…』
急にテンションが下がった
(2年間は帰らないって、私には言ったのに…
もう、ミツルと私は関係ないから…いいや…)


『しかも…生まれたばかりの赤ちゃん抱いてたよ。』

『えっ⁉』


No.398 14/01/22 13:55
りんご ( ♀ UNyGh )



赤ちゃん⁉

ど~ゆ~事⁉

計算が…
合わない⁉

って言うか…

7月に産まれてるって事は…

私、二股掛けられてたって事⁉

去年、私も避妊してなかった…
もし、私も妊娠してたら
ミツルは、どうするつもりだったのだろうか⁉


そんないい加減なヤツだったの⁉

頭の中がパニック状態になっていた…


酷いっ…

No.399 14/01/22 14:01
りんご ( ♀ UNyGh )



花火を見上げながら
涙が溢れてきた…


『ゴメン、余計な事言った…』
唯が謝る


『いいよ、、
急にに結婚するかもなんてミツルから聞いてたんだけど…
半信半疑だったから
ホントだったんだね…』

『私は大丈夫‼
未練なく、スッキリするよ。
教えてくれて感謝だよ。』
って強がっていた






No.400 14/01/22 14:15
りんご ( ♀ UNyGh )



花火の爆音が
胸に響く…



『結婚するかも…』
って聞いた時より


ショックだった…




『結婚するかも…』
『かも…』
心のどこかで
嘘だと思っていたのかもしれない



でも、現実を突きつけられて、ホントに赤い糸は繋がってなかったんだなとわかったら…


喪失感に力が抜けていた…



花火も終わり、唯の店で飲む事になった





No.401 14/01/22 14:24
りんご ( ♀ UNyGh )


飲めないお酒口にしていた…


『あっ…倫子ちゃん⁉』


顔をあげると
海の家の先輩だった


『久しぶりです~…』
お酒に弱い私はもうだいぶ酔いが回っていた

『先輩も一緒に飲みましょ~よ~…』

先輩も一緒にテーブルについた

『ペース早すぎるだろ⁉』

『いいの~…
今日は飲みたいんだから~…』

先輩も付き合って、ハイペースで飲んでいた



No.402 14/01/22 14:37
りんご ( ♀ UNyGh )



酔いが回り
完全に自分を失っていた

泣き上戸に
笑い上戸に


途中からは記憶もない…




記憶ないはずなのに


『アイツ、バカなんだよ。
自分の子でもないのに…』
って先輩が言った言葉だけは鮮明に覚えていた…



結局、終電にも間に合わず、唯の家に泊まらせてもらっていた…




No.403 14/01/22 15:11
りんご ( ♀ UNyGh )


頭がズキンズキンする

気持ち悪い



『おはよう、
はいっ、水‼』


『ありがと
唯、ゴメン
覚えてないけど…
迷惑かけたよね⁉』


『かけた、かけた…(笑)』


凹む


『私、海の家にバイト行くから、鍵掛けて持ってきてくれる⁉』


『うん…わかった。
ありがと…』


唯は、まだ掛け持ちで
海の家もバイトしてるんだ…


『あ~気持ち悪~…
なんとかして~…』


『なんともならん(笑)』
『じゃ、、ヨロシク
行ってきま~す‼』



No.404 14/01/22 15:22
りんご ( ♀ UNyGh )


もう一寝入りしてから
海の家に向かった…


『唯…鍵…
ありがと、迷惑かけました。』


『大丈夫⁉』


『大丈夫じゃない…』



奥から先輩が出てきた


『すいません…
夕べは迷惑かけました…よね⁉』


笑ってる…

やっぱ、なんかやらかした⁉



『あの…聞いていいですか⁉』


『ん⁉』


『ミツルは結婚したんでしょうか⁉』


『あぁ…籍は入れたらしいよ…』


『そっか…』


『奥さんて…』


『・・・・』


それ以上、先輩は何も言わなかった…


私も…
今更、聞いた所で…



『じゃ…唯、帰るわ…』


『またね。』


『うん…ありがと…
またね…』



No.405 14/01/22 22:32
りんご ( ♀ UNyGh )


唯から電話があった


唯が言うには…

ミツルの奥さんは
ミツルがかばって大ケガをした時の彼女らしい
大学を卒業して
3月に地元に戻ってきたらしいってことだった…


『でも、酷いよね~
倫子付き合ってたんでしょ⁉
二股だったて事⁉』

『でもさ、そんな男だったんだから…
別れて正解だったんだよ。』
って付け加えていた


別に、誰も教えてくれなんて言ってない

そんな事、知りたくもなかった



『そんな男…』
じゃないよ…
おそらく…



先輩のふともらした
『自分の子でもないのに…』
って言っていた
言葉と繋がった



それ以上は
私の憶測でしかないが…




No.406 14/01/22 22:43
りんご ( ♀ UNyGh )



地元に戻ってきたときに
すでに彼女のお腹は
膨らんでいたはずだ…



先輩にも
『2年頑張って倫子を迎えに行くんだ。』
って言っていたらしい



それが…


どこかで
赤い糸は
こんがらがっちゃったんだろうな…



父親を知らずに育ったミツル


子供好きで…
人の何倍も
自分の家族に憧れてた…




私は…
『ついて行けない。』
って…
いつもどこかに孤独な心を持ったミツルを
突き放すような事を言った…



真実は
ミツルと、、
彼女しか知らないのだろう…


でも…
ミツルの赤い糸は
彼女の赤い糸と結び付いた、それが現実という事だ…


No.407 14/01/22 22:56
りんご ( ♀ UNyGh )



あの時…

『なんで、“おめでとう“なんて言うんだよ⁉』
ってミツルは怒鳴ってた


あの時
なんで“おめでとう“なんて言っちゃったんだろう…


“おめでとう“なんて言わなければ…



でも…

もう、ミツルは私の所に戻ってくることはないなって確信した…


一度自分で決めたら
貫き通すのがミツルだから…


どんないきさつがあったとしても…
ミツルは、私じゃない人と一緒になる人生を選択したのだから…







ミツルが幸せになりますように…







No.408 14/01/22 23:05
りんご ( ♀ UNyGh )



8月も過ぎ


9月になって
遅い夏休みをもらった



私は、真智子と約束した
旅行に行った


行き先は沖縄


『二人して失恋旅行だね…』

『傷心旅行ってやつ⁉(笑)』


『思いっきり、羽伸ばしてさ、気持ちを切り替えて
新しい出発にしようよ‼』



沖縄の澄んだ青い海と
青い空


二人で楽しんでいた





未練を残さぬように
ミツルからもらった
指輪を沖縄の青い海に投げた



思いを断ち切るように…






No.409 14/01/22 23:12
りんご ( ♀ UNyGh )



一緒になろうね
と二人で誓った



一緒になるんだと
信じて疑わなかった
あの頃



あの時は
嘘偽りのない
気持ちだった




それだけで
いい…




なにかが
吹っ切れていた




No.411 14/01/23 08:23
りんご ( ♀ UNyGh )

>> 410 ※ 主です

読んでいただき
光栄です

文章的にも未熟で
ズルズルと綴ってしまいました(反省⤵)


読んでくれている方がいらっしゃると思うと、励みになります。



ありがとうございます。✨



No.412 14/01/23 16:24
りんご ( ♀ UNyGh )


そして20年ぶりの
同窓会


最初の数年は
同窓会もあったし


仲の良かった友達とは
たまには会う事もあるが…


唯とは会う事もなかった




あれ以来、初めて
ミツルの近況を聞いていた


ミツル離婚したんだ…

そっか子供が成人したのかな…

父親の責任は果たしたってことか…

ミツルらしいな…





工場は先輩に取られたとか、譲ったとか…
閉めたとか…


そんな事ど~でもいいことだ…


ただ、ホントかどうかはわからないが、
かなりの借金を背負ってるらしいと唯は言っている






No.413 14/01/23 16:29
りんご ( ♀ UNyGh )

今更…

逢うこともないだろう…



逢ってどうしろと言うのか⁉





私には、家庭がある


ミツルへの思いも
未練も


20年前に

全て
沖縄の海に沈めてきた



あの青く澄んだ
海に
浄化されていることだろう…






  END





No.414 14/01/23 16:45
りんご ( ♀ UNyGh )


【あとがき】


いままで読んでいただき
ありがとうございました。
初めての小説もどき⁉
で、1ヶ月程で
メリハリなく
ズルズルと綴ってきました。

サクサクと、短い期間で
短いページで数年を
綴りましたので
思いが伝わったかどうかはわかりませんが…


誰しも
心の中に
【あの時違う道を選んでいたら…】
人生違っていただろうな
なんて思うことはあると思います。


純粋に、【好き】ってだけで、恋い焦がれ、心配になったり、不安になったり…

でも大人になると
【好き】なだけじゃ
どうにもならないものもあります…⤵


この恋物語を読んで
甘酸っぱい
幼い“恋心“みたいなものを思い出されたら
光栄です…



ありがとうございました。







No.416 14/01/23 17:03
りんご ( ♀ UNyGh )

>> 415
ありがとうございます

読んでいただけて
光栄です


冒頭で
・離婚した
・逢いたがっていた

ネタバレで始まってしまっていたので…
途中で失敗したな…
と私自身思いました(笑)


推理小説の
答えから始まってしまったようなもんですもんね…



お付き合い
ありがとうございました。


No.418 14/01/23 17:12
りんご ( ♀ UNyGh )


【あとがき②】


あの時代に
携帯があったなら
もどかしい思いもせずに
いつでも連絡を取り合うことも出来て、繋がっていられたのかも…

メールでやり取りしていたら、不安になったりする事もなかったかも…
なんて思う事もあります。


アナログな時代
それはそれで
その時代でしたから…
それで良かったのかも
知れません。


携帯って、
どこにいても繋がって
バレなくてもいい事までわかっちゃいますもんね(笑)


でも、あの時代に携帯があったら…
【恋愛】も【出会い】も
【人生そのもの】が違っていたと思います。



たら…、れば…
の話ですが…



No.419 14/01/23 17:14
りんご ( ♀ UNyGh )

>> 417 読んでました。 スレ本文みて 主さんは今 一人なんだと思ってたから 家庭あるってことで 予想外だった。お疲れ様でした😃
ありがとうございます。


家庭あります


“愛“だ“恋“だはありませんが…


“情“ですかね(笑)


No.421 14/01/24 07:26
りんご ( ♀ UNyGh )

>> 420
おはようございます。


そう
『結婚するかも…』
って聞いた時は…

気を引きたくて
嘘をついてるとしか
思ってなかったです…

まさかホントに
離れるとは思ってもいなかったし…


高校生の頃は
大人に見えたミツルだったけど…


ミツルって、
寂しがりのかまってちゃんだったんですよね…


【続編】
書いていこうかな…



  • << 425 主さん、こんばんは(^_^) 続編、ありがとうございます。また楽しみができましたV(^-^)V そうですね、若い時は年上の男の人は大人に見えるもんですよね。私も就職したての頃に一つ年上の彼とお付き合いしました。今、思えばその頃の彼の年って(21~22歳)ってまだすごく若いですよね。 けど、年上ってだけで随分甘えてワガママ言ってました。 彼とは5年お付き合いしましたがフラれてしまって、もっと彼の気持ちを考えてあげれば良かったとフラれた時、後悔しました。 ミツルさんも倫子さんと2年会わないじゃなくて、遠距離続けていれば良かったのに、頑固というかご自分の信念を曲げられない方だったのですね。 その気持ちも分からないでもないけど、もっと柔軟に考えることができたら倫子さんとの関係も違っていたのかもしれませんよね。 元カノさんをほっとけなかったミツルさんを優しいなぁと感じますが、そのせいで一番大切な人を傷つけているのだから勝手だとも思います。 (ごめんなさい) もしかしたら、ミツルさんも気持ちが少し離れていたのかな?その時に元カノが現れて気持ちが揺らいだのかな? とか考えます。長々とごめんなさい(>_<) 続編、楽しみですV(^-^)V

No.423 14/01/24 14:11
りんご ( ♀ UNyGh )


ありがとうございます。


調子にのって
【続】あの時違う道を選んでいたら…
のスレたてました。


ごくごく普通の女の子が
恋して、泣いて、笑って、をズラズラ綴っていきます。
ドラマチックな展開は
ありませんが…


覗いていただけたら
幸いです。




No.426 14/01/24 22:08
りんご ( ♀ UNyGh )

ありがとうございます。


ミツル自身が
占い師さんが言ったように…

【家族縁】が薄かったんじゃないかなと思います

ミツルについていく道を
選んでいたとしても
ミツルの得体の知れない乾きを満たしてあげることは出来なかったんじゃないかな⁉
と、思います。

自ら【別離】に突き進むような難題を作り出し
ミツル自身が気づいているのか、いないのか
幼少期から
ずっと心の中にしまいこんでしまった飢えに
時々、すごい子供みたいなところもありましたから…

親の気を引きたくて
困らせる子供のような…




【続編】ボチボチいきます。
よろしかったら覗いてくださいまし




No.428 14/01/25 00:03
りんご ( ♀ UNyGh )


ありがとうございます

男の方にも
読んでいただけて
光栄です


人生
年を重ねると
余分ものが
いっぱい見えるようにもなり

【好き】って気持ちだけで動けなくなることもあるんですよね…


結婚て、
本人だけじゃないんだ

って言うか…


一番大事なのは
本人なんだけど…

まわりからも
祝福されたいし…
(親)

それには若すぎたし


やっぱり
タイミングと勢いが
合ったときなんだと思います


No.430 14/01/26 21:18
りんご ( ♀ UNyGh )

>> 429 ありがとうございます。

続編 ボチボチいきますので、たまには覗いてくださいまし‼



No.432 14/02/02 08:15
りんご ( ♀ UNyGh )

>> 431
ありがとうございます。


なんせ素人なもんで
なかなかテンポのいい
展開が出来なくて💦💦

モタモタとしています⤵


読んでいただいてる方が
いらっしゃると思うと
励みになります。



No.434 14/02/03 20:40
りんご ( ♀ UNyGh )

>> 433
かなさん
ありがとうございます


ホントに
あの頃、携帯があったなら人生変わってますよ
きっとネッ…


電話って勇気がいるけど

メールはポチッで
つながりますもんね…




読んでいただいてる方がいらっしゃると励みになります。

No.436 14/02/07 21:46
りんご ( ♀ UNyGh )

>> 435

俳優の綾野剛さんとは
似ていません(笑)

感情的にならない所で
雰囲気は、ちょっと似ているのかもしれません


読んでいただいて
ありがとうございます

励みになります⤴



No.438 14/03/20 09:08
りんご ( ♀ UNyGh )

>> 437
※主です

ありがとうございます。

何かと気忙しく
更新出来ずにいます…
ボチボチ更新していきますので、暫くお待ちください。
m(__)m

読んでくれてる方がいらっしゃるだけで、ものすごく励みになります。



No.440 14/04/06 07:56
りんご ( ♀ UNyGh )

>> 439
ありがとうございます。

4月に入り、職場が変わり落ちつかず…(;^_^A

サクサクと更新が出来ずにいます…
m(__)m

ぼちぼちと更新していきますので、【続】もよろしかったら覗いて下さいね。


読んでいてくれる人がいるのが、大変励みになります。


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