注目の話題
これはブロックするのが正解ですか?
誕生日のお祝いについて
恋人の返信が来ないのが気になる

葛藤

レス212 HIT数 36291 あ+ あ-

匿名
14/03/23 08:10(更新日時)

Everlasting Love.



あの日から…
5回目の夏が来る



今もまだ
あたしの横には
スヤスヤと眠るこの男がいる







13/07/19 02:13 追記
●以前、書いていた
「Everlasting Love」の続編です。

14/03/23 08:10 追記



『葛藤』
続きはこちらです ↓↓↓↓↓ m(_ _)m
http://mikle.jp/viewthread/2074669/

No.1975394 13/07/16 02:58(スレ作成日時)

新しいレスの受付は終了しました

投稿制限
スレ作成ユーザーのみ投稿可
投稿順
新着順
主のみ
付箋

No.1 13/07/16 20:13
作家1 

すごい、なんかの歌詞みたいだ~
詩人ですね、主さんは。

5年付き合ってる彼がいるのですか?
でも、どうして「葛藤」っってなってるんでしょう??

No.2 13/07/17 22:50
匿名0 

>> 1


レスありがとうございます!
慣れないのでタイトル間違えちゃいました(*゚▽゚)ノ


タグってとこに「葛藤」を入れて
タイトルは Everlasting Love. にしたつもりでした(笑)

詩人ではなく おバカちゃんですね(*_*;


葛藤…の中身はお話の中でご理解頂けるかと思います。


レス嬉しく思いました。
ありがとうございます!


No.3 13/07/18 02:13
匿名0 

>> 2


「ねぇねぇ…!
私の存在ってどんな感じ?」





「うーん…そうだな…カミサンじゃなくて、嫁さん。って言うのかな…そんな感じ!」




うーん…
「嫁さん」…………?
ちょっと意味が分かんない。


嫁さんってどんな存在なんだろうか。




喧嘩するほど仲がいい
って言うけど、
ホントに私たちは喧嘩が多い。
しかも決まって、水曜日………。


意識してるわけでもなく
気がつくと
「あッ!今日もまた水曜日…!」
って感じ。





「嫁さん?
嫁さんってどんな感じなの?」



「なんて言うか、
何があっても離れない。
お互いを理解し合ってて
ずっと一緒にいられる安心感がある。
そんな感じ!」





「ふーん…」
よく分からん。
確かに、付き合いが長くなれば
お互いをよく分かっているのは確か。




けど、馴れ合いで何でも「当たり前」「普通」になるのが許せない私。




ほらね…
昨日まであんなにラブラブだったのに
今日はまた当たり前のように飲んで酔っ払って返事がないな…と思うと もう寝てる。



散々、待って「来て」って言うから支度してんのに
メールの途中でもう寝てる。




ほら!
また水曜日。
私の手帳の水曜日は黄色で埋まる
黄色は喧嘩マーク。



ラブラブなピンクより黄色が勝つ、私の手帳…。




なんだかんだ言って
こんな手帳も5冊目になった。




No.4 13/07/21 16:35
匿名0 

>> 3


織田さんは奥さんが初めて付き合った女性。
奥さん以外の女性と付き合った経験がない。



だからか、時々 私の過去を聞きたがる時がある。
別に隠す必要もなかったのかもしれないけど…



私には、封印したい過去がある。
そんな過去の私を知ったら…
心配症の織田さんは、きっと今より「心配」する要素が増えるだろう。



何より、そんな私を知ったら…
幻滅される。嫌われる。
そんな不安もあり、私はあえて過去を隠した。



私が付き合った男性は 元旦那と
離婚後、付き合った小島…
結婚前に付き合った男性、3人だけ。




…と言う設定になっている。




残りの2人はあまり気にする感じはないけど、
小島の事だけは気になるようだ。



人は、人肌恋しくなる時期があるのだろうか。
たまーにメールが来る。
不思議と決まって同じ時期に。



私の寂しさを察するかのように…。



No.5 13/07/21 17:06
匿名0 

>> 4
18歳の時。
まだ純粋だったあの頃。
私は小島と付き合っていた。
同級生と言うこともあり、家も近い。
友達を含め、毎日のように会っていた。



お互いの家にも、よく遊びに行った
いつも一緒だった。
あの当時はまだポケベルで、今では思い出せないような暗号のようなモノで
「愛してる」
って毎日、言い合ったね。



ずっと一緒にいたせいか、
もっともっと長く付き合った気がしたけど
あんなに仲良しだった私たちは
たった「5ヶ月」で終わってしまった。



たった1つの過ちで
あっけなく終わった18の恋だった。




昨日までラブラブだった2人が
たった一晩で気持ちって変わってしまうモノなんだ…
と、悲しくて毎晩 泣いたよね。
訳もなく、あの駐車場の前を通って…。






No.6 13/07/22 02:40
匿名0 

>> 5

小島との再会は何年前だっただろう。
忘れちゃったけど、同級生の結婚式だった。
もうその頃 私はバツイチだった。




その前にも二度、会ってはいた。
一度は同窓会。
二度目はやはり同級生の結婚式。
小島は彼女連れだった。
特に、何の感情を抱くわけでもなく終わった。




私が言う再会とは、三度目の事を差す。
女友達とは時間が合わず、結婚式場が分からなかった私は誰かに連れて行ってもらうことにした。
その相手が小島だった。




電車の中で色んな話をした。
「ねぇ…あんたさぁ!たいしてカッコいい訳でもないのに(笑)なんで次から次へと彼女出来んの?」




失礼な言い方だけど、私たちはいつもこんな感じだった。



「えー、失礼だなぁ(-.-;)出逢い系ですが悪りぃ?」




出逢い系………。
私には未知の世界。




「出逢い系って怖くないの?顔出すの?
たから、あんたいつも騙されんだね( ´艸`)」




「あ~、どーせ俺は女運ないですよーだ!
だってさぁ…この歳になったら出逢いなんてないじゃん!?」




まぁ…確かにそうだけど。
出逢い系なんて怖いじゃん。





そんな会話をしながら結婚式場に着くと、会場で待っていた同級生と合流した。





帰りはみんなで帰った。
最後だけ、みんなと方向が違う私はみんなに
「バイバイ!またね~♪」
と言い、一人足早に歩いた。



誰かが後ろからついて来る。
「一人じゃ危ねーから送るよ」




小島だった。



No.7 13/07/23 01:33
匿名0 

>> 6


「お前の家ってどこ?今日、実家に帰んの?」




「あー、もうみんな寝てるだろうからアパートに帰ろっかな」




今日の結婚式の話なんかをしながら歩いてると
小島の手が、さりげなく私の腰に。



「なにしてんの!?(-_-#)」





「いーじゃん!ちょっと昔を思い出してんの!」




「ふーん…」





酔ってんのかな?
小島はお酒が強いから めったに酔ったりしないのに…。




少し戸惑ったけど
この時はお互いフリーだった事もあり
「ま、いっか」と思い そのまま歩いた。





「着いたよ。ありがとね!ウチ、ここだから」 





………。




「ん?」




「俺も疲れたから泊めて」



「アホか(*_*;」




「アホです!」




そう言うと小島はウチにドカッと上がり込んだ。
ハッと我に返った。




「あ!無理!ウチ布団 1つしかないから!」




あーだこーだ言ってるうちに小島はもうスーツを脱いでいた。




「ちょっとぉ!ベットは私が寝んの!あんたは下!」




「はいはい、分かりましたよー。」
小島は布団もない真冬の床に寝っ転がった。










No.8 13/07/23 01:48
匿名0 

>> 7



仕方がない。 
私は寒いキッチンでパジャマに着替え、ベットに入った。




6畳一間しかない部屋に2人きり。
小島に背を向けるように私は寝た。




こんなシチュエーションじゃ当たり前。
そっとベットに入り込み、
「寒いから一緒に寝かせて」…と
背後から私に触れてくる。




昔、好きだった男が私に触れている。
そっと後ろからキスしてくる。




私はそれを受け入れた。





その日から、私たちは幾度か 
こんな関係を続けていた。



No.9 13/07/28 09:43
匿名0 

>> 8



織田さんと付き合い始めても
度々、小島から連絡はきた。




その都度、断る。
だが、懲りずにまた連絡が来る。




「ごめん…私、浮気はしないって決めたの。
だから、もう逢わない」




返事はない。
織田さんを好きになってしまった私は
他の男の身体は受け入れられなくなっていた。



もう以前の私ではない。
どんなに落ち込んでも、他の男で満たすことは
完全に卒業した。



そんな事をしたら…
罰が当たる。
常にそう感じていた。




だが、不思議なモノで
私がオチたり、悩んだり、凹んだりしている時に限って連絡がくる。



それは小島だけじゃない。
岡田も…
陵くんも…
みんな私の寂しさを察したかのように…。




弱くて愚か者の私は
別れても、アドレスは消せないままでいた。



今まで、寂しいとき
相談に乗ってもらったり愚痴を聞いてもらったりした。




織田さんと付き合ってからは
そんな事さえも裏切りに思えて
私は一切、返信するのをやめた。
岡田に関しては、着拒してアドレスも消した。




No.10 13/07/29 15:56
匿名0 

>> 9


陵くんは既婚者。
小島が「知り合うのは出会い系」と言ったあの当時、「出会い系ってそんな簡単に知り合えるんだ?」
と、興味本位で覗いた掲示板で仲間同士の飲み会で知り合った。




既婚者だと知らずに付き合った。
ある日突然、奥さんからメールが来た。
「あなた、騙されてますよ!陵には妻子がいますから」




あれが出会い系と言うものをキッパリやめるキッカケになった。



出会い系は作ろうと思えば簡単に相手が出来る。
寂しさを紛らわすために…
でもそこには「落とし穴」がある。
やっぱり「怖いモノ」だと思った。



寂しくても、「現実」を見よう。
その一歩を踏み出せた出来事だった。





No.11 13/07/29 16:17
匿名0 

>> 10



あとから知ったことだけど
そのメールから、陵くんとは連絡がつかなくなった。
泣いた。
いっぱい泣いた。



大好きだった人がまさか既婚者だったなんて。
奥さんからのメールで知って、メールがきた途端から連絡が取れなくなるなんて…。




夢のようで夢じゃない。
現実を受け止めるしかなかった。
それから私は仕事に没頭した。



蓮がスポーツを始めたこともあり、
私は「お母さん」に戻れた。
毎週、洗濯とお弁当作り。
お茶当番があって自転車でよく応援に行ったよね。



蓮はスポーツが得意だったから
試合は楽しみで欠かさず行った。



男なんかいなくても平気な私でいられた。




ある時、知らないアドレスからメールがきた。
陵くんだった。



あの時、奥さんとモメた際に携帯を折って
アドレスも分からず連絡出来なかった…と。
一言、謝りたかった…と。




でも、逢うことはもうなかった。
私の中で忘れようと必死に一歩進み出したのだから…。




陵くんは「子供のために」離婚はしない。
と言っていた。




そんな陵くんからも、忘れた頃にふとメールがくる時がある。




人は…寂しいと思い出すモノなのかな…。



No.12 13/08/07 01:39
匿名0 

>> 11



この頃の私は
「別れ」をよく考えるようになっていた。




決して、別れたいわけじゃない。
「好きだから別れる」
なんて、意味が分かんねー!と、ずっと思ってた。
ただの綺麗事だと思ってた。




この何年間…
色んな事があった。



不倫してて、こんな言葉を発したら笑うかもしれない。激怒するかもしれない。
それでも私は、素直に感じている。



色んな壁を乗り越えてきた…と。



けど、年数を重ねて行けば行くほど
その壁は高くなり、深刻になり、現実味も増していく。




織田さんが「バレない」ように頑張るのは何のため?
本当は、そんなの分かってる。
口には出さないけど、分かってる。



もう楽にしてあげる!
たまに、そう思う。
それと同時に…
私も… 苦しさから逃げたくなるんだ。
好きなのに。大好きなのに。




そんな事を考えてると…
ほらね…。
メールが鳴る。
それは欲しい相手からじゃない。




陵くん…。




「元気か?」




「うん…。陵くんは?」




「酔っ払い(゚◇゚)今、帰り道」




「相変わらず飲兵衛だね!!」




「なぁ…凛。今度、会えないか?
7月7日!」




7月7日………七夕だぁ。
日曜日。
織田さんとはメールも出来ない日曜日…。




一瞬、気持ちが揺らぐ。
「まっ、今すぐじゃなくていーから。考えてみて」

No.13 13/08/08 02:29
匿名0 

>> 12



それからと言うもの、陵くんからは毎日メールがきた。



そんな時、また些細なことから織田さんと喧嘩になった。




「自信がなくなった。俺じゃ凛を満たせない。出来ることと…出来ないことがある。何のために俺は頑張ってるのか…。俺がどれだけ頑張っても結局、凛は満たされない。…もう、自信がない」




この言葉を見た瞬間、絶望感に襲われた。
普段、喧嘩をしたって こんな事は言わない。
喧嘩の原因はだいたいがお互いのヤキモチから始まることが多いから…
子供みたいに意地の張り合いになって
次の日には、どちらかが折れて仲直りする。




でも、この日は違った。
次の朝も昼も…メールはない。
なのに、職場では笑ってる織田さんがいる。
それが私には酷く切なかった。




メールをしてみる。
けど、返事は来ない。




笑ってる織田さんが、遠い人に見えた。
午後から外回りをしなきゃならなかった私は
同じ空間にいなくて済むことにホッとした。




外に出て、もう一度だけ!と思いメールをした。
返事は来ない。
喧嘩ばっかりしてきたけど
こんなのは初めてだった。




「いい加減、嫌われたんだ」
そう思うと涙ばかりが溢れて
とても営業なんて出来なかった。




電話をした。
織田さんの会社の電話に…。



さすがに、仕事関係なら出ない訳にはいかなかったんだろう。



「もしもし」



なんでこんなに声が震えるんだろう。
織田さんの声を聞いたら本当に立っていられない程、ボロボロだった。



「すみません。ちょっと体調が悪くなっちゃったので早退させてください」



やっとのように言えた言葉、だった。




「わかった。じゃ、俺が変わるから。帰っては来られそう?」




「…はい」




私とは違って全然、普段通りの「上司」の織田さんの声だった。




辛いのは、私だけなんだ…織田さんはヘッチャラなんだ。
そう思うと益々、涙でもう周りすら良く見えなくなった。




終わっちゃうかもしれない…。
私は織田さんを傷つけた。
つまんない事で嫌みを言った自分をえらく後悔していた。



No.14 13/08/09 00:10
匿名0 

>> 13


会社に戻ると織田さんの姿はもうなかった。
ちょっぴりホッとしたような…悲しいような…。




「中川さん、具合悪いんだって?大丈夫?」




前嶋だ。


「すみません。頭が痛くて…」




「送ってくよ!車乗ってけば?」




「いえ…大丈夫です。ありがとうございます」




「じゃあ、気をつけて帰ってね」




「はい。失礼します」



そう言って私は会社をでた。




考えれば考えるほど涙が出てきて…。
「泣いた」とわかる顔で家に帰りたくなかった。




こんな時間じゃ智恵も仕事中だし…
缶コーヒーを買って公園に行った。




愚痴れる相手も話が出来る相手もいない。
こんな時はいつも行く公園。
落ち込んだ時はいつもここに来た。




タバコに火をつけ
これから仕事はどうしよう
専用携帯はどうしよう
ひたすらボーッと考えていた。




その時、携帯が鳴った。
「家、着いたか?大丈夫か?」



織田さん…。




返事をしていいものか迷っていると
「帰ってないのか?…公園か?」




「公園………」




よく見ると、織田さんのメールには絵文字がついていた。



「早く帰って少し寝ときな」
いつもの優しい織田さん。




「もうすぐ帰る。心配しないで」
私はまだ絵文字はつけられなかった。




織田さんからメールがきた事で
ホッとしたのかな…。
また涙がポロポロ零れ落ちた。




いつまでも、ここにいても仕方ない。
家に帰るとメールがきた。




「どうよ?返事は決まった?」





なんだ…。
陵くんか。
七夕は近づいていた。




「陵くん…。私ね、他の男の人とメールするだけでも罪悪感でいっぱいになるの。裏切ってるようで。………ごめん。やっぱり会えない」





「そっか…分かった。じゃあメールもこれが最後な!幸せになれよ!…でも最後に言っとく。不倫はやめろ。凛が幸せになれないから。では」





「うん」
これが陵くんとの最後のメールになった。



幸せ。
私にとって、
幸せってなんだろう…。











No.15 13/08/09 00:27
匿名0 

>> 14



好きな人のそばにいたい。
好きな人にそばにいて欲しい。
ただ、それだけ。
ただ、そう願うだけ。





少し泣き疲れた私は、いつの間にか眠っていた。
いつも喧嘩の後は逢って仲直りする。



でも今日は
「今から帰るよ」
織田さんからのメールで目が覚めた。





昼間、メールはくれたけど
織田さんの気持ちもまだ不安定なんだね。
どこかぎこちない私たち。













No.16 13/08/10 01:32
匿名0 

>> 15


5年という年月のせいなのか
お互いの気持ちに「ズレ」を感じ始めていた。




いつまでも新鮮な気持ちでいたい私と
「嫁さん」をもらって安心しきっている織田さん。



毎日のように言い合っていた「好き」って言葉も…
投げかけないと出てこない。




ラブラブな日だってある。
嬉しい事も幸せな時間もいっぱいある。



でも最近は喧嘩の中身と後味が以前とは違う。
重みが違う。
喧嘩するたび、体中の全ての力が抜けたように無気力状態で、ものすごく疲れる。
簡単に仲直り出来なくなっている。



喧嘩するたびに感じる不安。
もしかしたら、
もしかしたら織田さんも…
私と同じように「別れ」を考え始めてるんじゃないか…。




「俺は笑ってる凛が好き」




そんな言葉も今ではもう聞くこともなくなった。
独身の私と、既婚者の織田さん。
織田さんが色んな面で頑張ってくれたから「今」がある。
そう思う。




5年記念日ももうすぐ。
今年のプレゼントは何にしよう。




もしかしたら、
織田さんにとって
最高のプレゼントをあげられるかもしれない。




待っていたメールがやっと来た!と思ったら
また少し落ち込んで…
返事こないな、と思ったら もう寝てる。
私は眠れずに、今日もただただタバコを吸ってはプレゼントの中身ばかりを考えていた。



「大台に乗るね」
と喜んだ私たちの嬉しいはずの記念日。
私からのプレゼントは、果たして渡せるんだろうか………。



No.17 13/08/10 02:02
匿名0 

>> 16



ある先輩が言っていた。
男が浮気する時は、嫁には無い「癒やし」の場所を求めるから、絶対に嫁とは正反対の女を選ぶ!
って。




以前、織田さんに聞いたことがある。
「夫婦が長続きする秘訣ってなに?」
って。
織田さんは若い時に結婚してるから結婚生活は長い。その秘訣を聞いた。



「カミサンのだんまり、かな」
ちょっと意味がわからず聞き直したら


「すごい苦労させてるけど、黙って耐えてくれてる」
と言っていた。
鬼嫁の印象が強かったから、結構な衝撃を受けた。




じゃあ、私たちは?
私、奥さんと正反対なのかな…。



でも「癒やしの空間」
もうそれは、今の私には果たせてないかもしれない、と思った。



仕事熱心で職場の 1人1人を大事に考えてくれる人。女が多いこの職場で色んな神経を使ってる。
決して、夫婦が不仲なわけじゃないのに私とここまでいてくれた。



癒やすどころか疲れさせてる私が
これ以上、織田さんといる価値があるのか…
私といて何のメリットがあるのか…




プレゼントの中身はほぼ決まっていた。
あとは私がキチンと渡せるか…。
こんなに好きなのに、
好きだから、
どんなに自分が辛くて悲しくても




好きな人のために
好きだから、



ねぇ…織田さん。
好きな人の幸せを願って
別れを選ぶことが出来ますか?


きっと、織田さんなら
出来るよね…。




No.18 13/08/12 00:54
匿名0 



ある日、私は先輩に誘われて飲みに出かけた。
そんな時でも…いつ、織田さんから
「帰るよコール」が来てもいいように
私はお尻のポケットに携帯をしまい
こんな時だけは「トイレの近い女」になる。



2~3回トイレに行って携帯をチェックした。
まだ連絡はない。
「まだ飲んでる」
そうメールを入れると



「まだ仕事中、まだ大丈夫だよ」
と返事が来た。



そこから少し安心した私は、あまりトイレばかり行くのもマズい気がして
なかなか携帯を見れずにいた。




「そろそろ明日もあるから帰りましょうか」
やっと切り出せた。




「そうだね!じゃあ、その前に私もトイレ行ってくるね!!」




チャンス!
即、携帯を開いた。




真っ青になる私。




携帯の不具合は確かに続いてはいたが
さっきは普通にメールしたのに…




携帯を開くと
一気に何通かのメールと着信。




そこには、
「そろそろ帰るぞ」
から
「着いた。もう限界だ。家着いたらメール入れとけ」
のメールが入ってた。




かなり怒ってる。
まさに、いつもとの逆バージョン………。



No.19 13/08/17 04:09
匿名0 

>> 18


慌てて電話をした。
………繋がらない。



同時に電話をかけていたからだった。
少し待ち、かけ直そうとすると
電話がきた。



木村さんが戻って来てしまうかもしれないと思ったが
迷わず出た。




怒っている。




この人は、自分の事はいつも棚に上げて
私の時には、ものすごく怒る。
相手は女じゃない!ちゃんと報告もしてるし…。



そんな事じゃない。
自分が
「帰るよ」とメールしたのに
返信しなかった事に疑っているんだ。




「どこにいるんだ?」




「和民…」




「なんでメール見ない?
電話に出ない?」




「今、携帯開いたら…まとめて来たの
ごめん」




「帰ったらメール入れとけ」




「分かった。ごめんね」




私の年に何度もない寄り道なのに
やってしまった。



家に着きメールをした。
普段、電源すら入ってない「専用携帯」。
私が携帯を変えてから半年近く。
織田さんからのメールはたった3回のみ。
こういう時だけ使われる専用携帯。



もう専用携帯は
無意味なモノになっていた。
私の中では………。



No.20 13/08/17 04:23
匿名0 

>> 19



喧嘩をしても
朝、メールが来ない事はないのに
次の朝…メールがない。



織田さんからメールが来ない限り私からメールをしても織田さんには繋がらないから
あえてメールを待った。



急遽、お休みする時も大抵は隙を見てメールをくれていた。
あまりにも連絡がないからメールしてみた。
専用携帯ではなく、直に。



「お休み?」




「いや、ご機嫌斜めなだけです」




「そっか…ごめんなさい」




朝、木村さんが男の社員に絡んでたのを見て
昨日、一緒だったんじゃないか…と疑ったらしい。
私のメールが遅かったのも気に入らなかったようだ。




なんだか、本当に喧嘩ばっかりで
仲直りしても喧嘩で…。
もう、この頃から…お互いに気持ちが疲れ果てて
すれ違い始めていたんだね…。




私たちの5年記念日と共に
終わりも近づいていたんだね…。

No.21 13/08/17 17:57
匿名0 

>> 20



この日はメールを返してくれたことにより
仲直り出来た。



…はず、だった。



でも、私が帰った後からはメールがない。
きっと忙しいんだ、と思いメールを待つ。



待っても待ってもメールは来ない。
忙しいのか、まだ怒ってるのかさえ分からない。



また、せっかちな私はメールをしてみる。




「忙しいの?」




「オヤジ達と飲んでる。
また連絡する」



なんだ………。
また、飲みか。




昔から嫌いなこの時間。
連絡は全くない。
24時を過ぎると…私の怒りがこみ上げてきた。




昨日の私と何が違うって言うの?
同じじゃない!
私は、ちゃんと報告してから飲みに行ったし場所も伝えた。電話にも出た!



仕返しのつもり?
あまりにもメールさえ無視されるから
遂に私はルールを破る。



してはいけないはずの電話を織田さんに…した。
もちろん、出るはずはない。


次の瞬間、メールがきた。



「バレた」
「ざけんな!」




…バレた?
バレた!ってなに?




No.22 13/08/18 00:18
匿名0 

>> 21




そのメール以来、一切 メールは来なかった。
「最後は必ず連絡する」約束は、
またも破られた。




何度も何度も同じ事で喧嘩をして
それでも守られることのない約束。



以前の織田さんは、次の日 必ず
「昨日はごめん」
と、謝ってくれたのに…



今回は違った。




朝一のメールで
「今後一切、電話はやめてくれ」




今までと違うこと。
それは、



織田さんが私にキレる。
私がキレられる事が多くなった。



織田さんの我慢してきたことが
爆発し始めたんだね。




私から、
織田さんの携帯に電話をすることは
出来なくなった。
それでも、専用携帯はいつも電源すら入っていない。




私って…
なんなんだろう………。
自分の都合のいい時だけは専用携帯から電話をしてきて、私は電話もできない。



「今後一切、電話はやめてくれ」



酷く深く心に傷がついた
そんな想いだった。



No.23 13/08/18 02:50
匿名0 

>> 22




この日も私は早退した。
「仕事は仕事、ちゃんと切り替えて仕事はキチンとして欲しい」



前に言われた言葉。
確かにその通り。
それが出来る織田さんと出来ない私。




家に帰ってボーッとしながら
今までのメールを読み返してた。


幸せな時間だっていっぱいあるのに
喧嘩になると そんな幸せはどこかへ飛んでいく。



たまたまメールが来た。
同級生からのプチ同窓会のお誘い。


今まで私の全ての時間を
蓮と織田さん最優先で過ごしてきた。
喧嘩続きだったから迷ったけど
またには私も気分転換が必要だと思い、出席にした。




男もいることは内緒にして
次の日、同窓会に行った。



「きっと心配してるはず」
飲んでても織田さんの事が気になる。
店は電波が悪く、友達の携帯はほぼ圏外だった。
私の携帯は大丈夫だったけど
圏外の方が都合がよかった。



時々、外に出てメールを入れた。
「まだまだ終わらないから、ゆっくりしておいで」



優しい織田さん。
でも、織田さんの終電の時間が近づいてきたら…
喧嘩続きだったからか、帰り道くらい いっぱいメールがしたい!と思い、私は先に同窓会を切り上げて帰宅した。



「帰ってきたよ!そろそろ終電だし帰るよね?」




返信が
いつまで経っても………来ない。



No.24 13/08/18 03:14
匿名0 

>> 23

木村さんと飲みに行ったあの日が引き金になって
3日間も喧嘩続きだった。
「また、喧嘩は嫌だから」
そんな思いもあって早めに帰宅したのに
どうしたんだろう…。




何度かメールをしたが
返信はない。
いつの間にか私も眠っていた。



夜中、3時頃メールが鳴る。
「凛から連絡がくるまで、少しだけ仮眠!のつもりが…爆睡してた。ごめん」



「そうだったんだ。待たせてごめんね。ホッとした」




「明日も仕事だから7時に起こして!」




「わかった(^_^)/~」




「会社、気味悪いし床が硬くて寝付けないな」




「少しメールする?」




「凛、起きてたの?いつもごめん」




「メールで目が覚めた。安心したから気にしないで大丈夫」




「よかった(^-^*)寝付けそうだ」




「寝よっか」




「だな。①だよ(*´∀`)」


「私も大①」




①とは、予測変換を気にした私たちの愛情表現だ。「好き」を表す。



しばらく、ぎこちなかった2人に
やっと普段通りのごくごく普通の幸せな時間が戻った瞬間だった。




No.25 13/08/18 03:33
匿名0 

>> 24


その3日後は、1年に数回しかない
「唯一、ゆっくり過ごせる」会社の休みの日だった。



お互い、いつもこの日だけは待ち遠しくて楽しみにしている日。
喧嘩続きだったけど、この日だけは必ず逢おうね!と約束していた。




…が、




夕方のメールで織田さんが
「凛、すまん。まだ分からんが…もしかしたら明後日、無理かもしれん」



その理由が、私には理解出来ず
我慢出来ない私は、またもやすぐにヘタレ凛になる。私が凹むのが1番辛い、と いつも織田さんは言う。
少しくらい我慢してあげれば済む話なのに…
私はショックを隠しきれない。




織田さんが気を使い
「俺も出来れば明後日は会いたかった。もし、明後日が無理だったら…今日、会うか?」




数時間しか会えないのと
1日中一緒にいられる その日とは意味が全然、違う!と思いながらも「仕方ない」と思った私は
精一杯の強がりで
「うんッヾ(≧∇≦)」
と答えた。



本当は、ものすごくショックだった。
それからしばらくメールが途切れた。


 

No.26 13/08/19 01:25
匿名0 

>> 25

仕事中だから忙しくなってきたんだな…と、思い時間を見て



「お風呂入ってくるね」
と、メールした。



お風呂から出るとメールが入っていた。




「ちょっと待った!」
「明後日、大丈夫になりましたヾ(≧∇≦)
でも、せっかくだから今日も少しだけど会おう」




やった( ´艸`)
すごくすごく嬉しかった。



だが、この後…
私の済む街では台風並みの大雨が降り出す。
通り雨なら良かったが、一向に止む気配を見せない雷雨。
時間だけが過ぎていく。




「織田さん。雨すごいから今日は無理しないでいいよ」




「帰るに帰れない状態。今日は無理だな…ごめんな」




明後日、逢える楽しみがあったからヘッチャラだった。
明後日も今日も逢えないとなれば…
私のことだから、めちゃくちゃ凹んでただろう。




この日は結局、終電ギリギリで織田さんは帰宅した。



「明後日ね( ^o^)ノ」




「うん!寝坊しないでね( ´艸`)」




「が、頑張ります(>_<)ゞ」



今まで「この日」は必ずと言っていい程
織田さんは寝坊して来た。
明後日は大丈夫なんだろうか…。
まだ何かオチがありそうで
どこか不安がよぎる私だった。


No.27 13/08/19 01:48
匿名0 

>> 26


当日の朝。
やはりいつもの時間にメールは来なかった。
「寝坊」は予想範囲内。



約束通りの時間なら、待ち合わせの場所が普段と違うため、私はいつもより早めの出発になる。
既に、いつ連絡が来ても出れるように私は準備万端。



どんどん時間は過ぎ
このままだとお昼になっちゃうな…と不安になり出す。




7時には連絡が来る予定が
既に9時半を過ぎた。
私の不安とは…
あまり遅くなると家を出る口実がなくなるんじゃないか、と言う不安。
普段、仕事に行くのにここまで寝坊はしないから…。



10時になり諦めて着替えた。
1番遅かった時で「お昼」の時があったが
もう連絡は来ない気がした。




部屋着に着替えた。
少し寂しくなって
「楽しみにしてるのは私だけ…か」
と思ったら泣けてきた。
あれだけ喧嘩して、やっと逢える今日。
本来なら、いつもの5倍の時間は一緒にいられるはずなのに…。



そんな事を考えていた時、
メールが来た。
携帯を開くのがちょっぴり怖かった。





「すまん、今日は無理だ」
「すまん。寝坊した。これから向かう」




どっち?



No.28 13/08/19 02:12
匿名0 

>> 27




「今○○駅!10時 40分集合でお願いします!
やっぱり寝坊しちゃった。ごめんな」




怒りよりも
むしろ、逢えるんだ!と言う嬉しさのほうが大きかった私は、急いでまた着替え家を出た。




「すまない」と言う顔で近づいてくる織田さんとは真逆に、ニッコニコの私だった。




「いつものとこでいい?たまには違うとこ行くか?」




「ううん。いつものとこがいい」




いつものとこは、設備はめちゃくちゃ悪いけど
安くて長いフリータイムがあるホテル。
何もなくても、ただ いっぱい話が出来て
ただ一緒にいられる。
それだけで私は満足だった。



部屋に入ると少し話をして
普段は着ない私のワンピース姿をニッコリ見る織田さん。
この時間だけは唯一、私だけの織田さんになる。




あまり甘えるのが得意じゃない私は
ぎゅっと抱きついたり可愛い仕草は出来ない。
本当なら…
こんな日くらい外でのデートをしてみたいけど
人目を気にする織田さんを感じるのが嫌で
「この日」は、いつもここで過ごす。



「凛。こっち来て!」




織田さんの温もり。
私の大好きな綺麗な手。



今日だけは、一日中 この手の中に包まれていたい。


No.29 13/08/24 02:46
匿名0 

>> 28


喧嘩ばっかりで
そのたび「別れ」を考え
「別れなきゃ」「別れたほうが…」「別れようかな」



「でも…やっぱり好き」
「でも…一緒にいたい」
「でも…」
「でも…」
 


こんな葛藤ばかりを繰り返してきた。
何度、別れを考えても
結局、「好きだから、別れたくない」が結論で今日まで来た。



ずっと喧嘩が続いてたから
「今日は絶対に怒らない!」と決めていた。



そんな私を試すかのように…織田さんは一度エッチをした後 ぐっすりと眠れっていた。




ここは安い変わりにテレビも有料で
私は1人、なんの友達もいない。
携帯を触る位しか出来ずにいた。 




時間ばかりが過ぎて
結局、織田さんは6時寝ていた。

  

  • << 31 時々、目を覚まし 携帯をイジっている私に 「ごめん」と言う顔をしながら 「今、何時?」 と聞く。 私が答えると 「あー寝まくった…ごめん」 と言いながら、また寝てしまう。 何度かそんなのを繰り返したけど 「怒らない!」と決めていた私は我慢していた。 携帯をイジるのも飽きて、少しお腹もすいた。 「織田さん」 起こしてみたけど起きない。 私も寝ようかな…と何度かベットに入ったが眠れない。 いい加減、私も飽きて… 気持ち的にも寂しさでいっぱいになってきた。 めったにない「この日」 「大切に過ごそうね!」って約束してたのに… あんなに楽しみにしてたのに… 着いてから倍以上も寝ているだけ。 トイレに入ると、我慢していた涙が ポロポロと溢れ出す。 「帰ろっかな…」 もしかしたら、 「明後日、ダメかもしれない」は 疲れてるから、ゆっくり休みたかっただけで 私に言った理由は 取って付けただけの口実だったのかもしれない。 涙を拭いてトイレから出ると 少し寂しげな目を大きくした織田さんがベットに座っていた。 「こんな時間まで寝ちゃった…ごめん」 時計は 20時を過ぎていた。

No.30 13/08/24 23:32
匿名0 

>> 29


レス26


誤字がありましたm(_ _)m



正⇨ぐっすりと眠っていた
正⇨6時間



すみませんでした。


No.31 13/08/24 23:52
匿名0 

>> 29 喧嘩ばっかりで そのたび「別れ」を考え 「別れなきゃ」「別れたほうが…」「別れようかな」 「でも…やっぱり好き…



時々、目を覚まし
携帯をイジっている私に
「ごめん」と言う顔をしながら


「今、何時?」
と聞く。



私が答えると
「あー寝まくった…ごめん」
と言いながら、また寝てしまう。



何度かそんなのを繰り返したけど
「怒らない!」と決めていた私は我慢していた。
携帯をイジるのも飽きて、少しお腹もすいた。




「織田さん」
起こしてみたけど起きない。
私も寝ようかな…と何度かベットに入ったが眠れない。



いい加減、私も飽きて…
気持ち的にも寂しさでいっぱいになってきた。



めったにない「この日」
「大切に過ごそうね!」って約束してたのに…
あんなに楽しみにしてたのに…
着いてから倍以上も寝ているだけ。




トイレに入ると、我慢していた涙が
ポロポロと溢れ出す。
「帰ろっかな…」



もしかしたら、
「明後日、ダメかもしれない」は
疲れてるから、ゆっくり休みたかっただけで
私に言った理由は
取って付けただけの口実だったのかもしれない。




涙を拭いてトイレから出ると
少し寂しげな目を大きくした織田さんがベットに座っていた。



「こんな時間まで寝ちゃった…ごめん」




時計は 20時を過ぎていた。




No.32 13/08/25 00:36
匿名0 

>> 31



なんて答えたらいいのか分からず
「飽きちゃった」
とポツリ答えた。




「ずっと何してた?
凛は寝てなかったのか?」




「眠れないから携帯イジってたよ」




「…ごめん」




「今日は怒っちゃダメ!って決めてたから」




「………。」




「今、20時過ぎ。どうする?これから…」




自己嫌悪に陥っているのだろうか。
しばらくの間、沈黙が続いた。



喧嘩しない為に我慢したんだから
せっかく逢えた今日、また喧嘩はイヤだと思い
「出て、ご飯食べる?
それとも、ここで何か頼む?」




「ここで頼もうか」
織田さんが口を開いた。



「うん(≧▽≦)」
笑顔で答えた。




ホッとしたのか
織田さんも普通に戻った。




私さえ我慢すれば
私さえ何も言わずにいれば
私たちの喧嘩はなくなる。
そんなことはずっと前から分かっていた。



我慢…………。
その我慢が出来なくなった時、
私たちは「最後」を迎えることも…。



限界は、
そう遠くはないよ…。ねぇ…織田さん。



No.33 13/08/25 01:16
匿名0 

>> 32


結局、選択肢がないのでピザを頼むことにした。
織田さんはいつも食べきれないほど沢山、注文する。


「そんなに食べれないよぉ」



「凛はもっとガッツリ食って少し太りなさい!」




実は私、
あまりピザが好きじゃない。
と言うか、
織田さんが好む食事はむしろ、私の好みとは真逆。5年を迎えようとする今、織田さんはそんなことすら気づいていない。



前は、電話もくれた。
今は、電話をくれることもなくなった。



よく話をした。
今は話す時間さえ、ほとんどない。
唯一、変わっていないのは「帰り道のメール」くらいで。
織田さんの気持ちが薄れてきている
疲れてきている。
気持ちの温度差を感じていた。




美味しそうにピザを食べている織田さんを見ていると、寂しさは消え…
私が大切にしたい「話す時間」が出来た。
たわいもない会話。
何にも贅沢は言わない。
私はこんな時間だけで幸せだと感じる。




「終電まで、もう少しだね…」




あぁ…寝まくったせいでこんな時間か…
と、織田さんが時計を見る。
「帰らないで…!」
そんな事は、思っても口にした事は一度もない。




織田さんが私の手を優しく引っ張った。
昼間のエッチより、少し激しいエッチだった。




ハッ(゚o゚;として目が覚めると
織田さんの終電はなくなっていた。




「ごめんなさい」



No.34 13/08/25 01:29
匿名0 

>> 33



「作戦だな?(○´∀`○)」





「え…違う。ホントにごめんね」





「昼間は俺が寝まくったから、起こさなかったんだ」
優しい…。


2人だけの時は、こんなに幸せで優しさも感じて「やっぱり好き」と思うのに。
ある時から…
私たちの邪魔をする強敵が現れたんだ。



あの人達さえいなければ
私たちはもっともっと、いつまでも仲良しでラブラブでいられたんだろう。
いつも喧嘩の原因はそこにあった。
あの人達が現れてから、織田さんは変わった。



「凛、泊まれる?」




「明日、めちゃくちゃ早く帰れば大丈夫」



「よし。じゃあ、このままココに泊まろう!」




「大丈夫?」



「うん(*^_^*)」



私は
いつまで、この人と一緒にいられるんだろう。



No.35 13/08/25 03:05
匿名0 

>> 34 朝、電車は満員で私にドンドンもたれ掛かかってくる親父がいた。
織田さんは私の隣りにいたが、その親父が気に入らない様子で何とか私の後ろに回り、その親父から私をガードした。



普段、人目を気にする織田さんは絶対安心!なところ以外、手を繋ぐこともめったにしない。
なのに、この時ばかりは私の腰に手を回し
「触るなアピール」をしていた。



そんな些細なことが嬉しかったりする。
今だけは、私だけの織田さん。
あと何時間もしたら、また何事もなかったかのように普通の上司と部下に戻る。
職場では、ほぼ接点はない。絡みもない。




前嶋の存在と
前嶋がお気に入りのメンバー、織田さんは特別 仲が良かった。
周りから「上司のお気に入りメンバー」と言われるほど その仲の良さは格別だった。



ヤキモチ妬きだった織田さんを
いつからか私が逆転して
そのメンツは私にとっての強敵になっていった。



以前は他の男性を手で軽く叩くだけでも嫌がった織田さんは、今はもういない。
ヤキモチはなくなったのか、言わなくなった。
お互いにヤキモチ妬きだったから「おあいこ」だったのに、気がつけば私ばかりがヤキモチを妬くようになっていた。




振り返って親父を見た。
ヤキモチは妬かなくなったけど「これは嫌なのか…」と思うと少しだけホッとした私がいた。



電車を降りて
「もうヤキモチ妬かないのかと思ってた」
と言うと




「言わないだけだよ」
と織田さんは言った。




それから2週間後には
私が大嫌いな会社の飲み会があった。




No.36 13/08/25 03:28
匿名0 

>> 35



月が変わり、真夏の暑さもピークを迎えた。
帰り道のメールで
「今月はなかなか厳しいぞ!」
と織田さんが言った。



「どういう意味?」
と聞くと



「なかなか会うのが厳しいぞ!少し我慢だな」
と。




「…今月は記念日があるのに」
私がそう言うと



「もちろん記念日は俺も会いたい!だから、それまで少し我慢だな。…少しだけ…ね」



少しだけ…って。
今月は大嫌いな飲み会がある。
長い休みもある。




我慢できる?…凛…。
飲み会は99%喧嘩の原因になる。
その後、長い休みに入る。




「子供の事でお金がかかるようになったから毎日 小遣いが1000円しかもらえなくてさ。
凛にも生活があるから、あまり金使わせたくないんだ」





あまり言わないが
「わかった。頑張ってみる。
でも、逢えない間は喧嘩はしたくない。
だから、あまり不安にさせないで」





「わかった!約束ね!」




ずっと逢えない。
付き合い始めにバレて逢えなかった時をふと思い出した。




何かが違う。
なんか違う。
織田さんの気持ちが少しずつ離れているようで怖かった。



ずっと逢えない。
そう思うと、メールさえ殆ど出来ない時の織田さんと強敵との絡みがヤケに気になった。




織田さんはあの人達といる時はめちゃくちゃ楽しそう。
私はあまり明るくないから…
きっと、私に無いものが魅力的なんだろうな。
寂しいと感じながらも、文句は言わないように頑張っていた。



No.37 13/08/25 04:04
匿名0 

>> 36


飲み会は基本、全員参加。
行くべきか、行かないべきか散々 迷った。
織田さんは
「任せる」としか答えない。



以前の飲み会で
耐えきれず私が織田さんを怒った事があり
織田さんは今でもそれを怒っている。
私も同じ。
どちらも引けない。互いに納得出来ていない。
それがお互いにネックになっていた。




私は酔っ払った織田さんが嫌い。
と、言うか酔っ払いが嫌い。
約束を守らない人は大嫌い。




でも…
ずっと逢えないなら、せめて同じ空間にいたいと思い、出席にした。
当日まで迷いに迷った。



飲み会まで、あと一週間。
飲み会の話になると少し険悪なムードが漂った。
だから、なるべくその話は避けた。



「なかなか厳しいぞ」と言われてから5日目。
いつものように帰り道のメールを待っていた。



いつもより少し早めにメールが来た。
「凛、何してる?」




「ん?メール待ってたよ(*´∀`)」




「今日、逢いたいって言ったら来れる?」



一瞬、不安がよぎる。
「嫌な話?」



「いや…普通に逢いたいと思った。無理かな?」





「行くヾ(≧∇≦)」
織田さんからこんな素直に逢いたいなんて珍しい。
こんな時でさえ、素直になれずに少しだけ疑ってしまう私。もしかしたら…嫌な話かと。




でも違った。
待ち合わせの場所に向かうとニッコリ微笑む織田さんが待っていた。




「今日はどうしても逢いたくて」
何か言ってくれるのを待ってる気がしたが私はそれに気づかない。



「ん?」




指を指す。
…あっ!
私が誕生日にあげたYシャツを着ていた。
ちょっぴりキツそうなのがおかしかったが、素直に嬉しかった。



「凛…少しだけお金足してくれたら泊まれるんだが…」
申し訳なさそうに言う。
普段は私にお金を出させることを酷く嫌う織田さんがこんな事を言うなんて珍しい。




迷うことなく「泊まろう」と答えた。





「そんなに我慢できないもんだね…
言った俺のほうが先に挫折した」



他人から見たら、
性欲…。
ただ、したいだけ。
そう思うのかもしれない。



それでもいい。
「欲しがられる」ことが喜びに繋がる。
身体を重ねることで幸せを感じる。
その時だけは、不安から解放される。
…まだ必要とされてる、………と…。




  • << 43 私たちはラブラブかと思えば、突然、険悪になったりを繰り返す。 数日後、私が半分冗談•半分本気で言った言葉が織田さんの気持ちを落胆させたようで 朝のメールは途中で途切れ、帰り道まで連絡がなかった。 「これから帰るよ!」のメールが来た。 一瞬、 「…よかった。普通で…。」 と安心したけど… 次のメールで 「凛は俺といて不幸じゃないか?」 …と、いきなり聞かれた。 まだ、朝言った事が気になってるんだな…と思い 「幸せです」と、答えた。 不幸…って どんな時に感じるんだろう…。 私はあまり裕福ではない家庭で育った。 それでも人並みの生活は出来ていたし不幸だと感じたことはない。 離婚して、人一倍 仕事ばっかりの生活で蓮に贅沢もさせてあげられなかったけど、不幸だなんて決して思わなかった。 既婚者に騙された(騙されたとは思っていないが)時だって、不幸だとは感じなかった。 私にとって 何が幸せで 何が不幸せ? 「どうしてそんなこと聞くの?」 「俺は…凛の期待に応えられてんだろうか… 泣かせてばっかりで、我慢させてばっかりで 俺といたら、不幸なんじゃないか…って気になって」 「幸せだから一緒にいるんだよ 好きな人のそばにいられるのが幸せ」 「そうか…それなら良かった。 たまに心配になるんだ。今は俺が不安定なんだろうか」 連絡も取り合えない連休前だった事もあり 朝の私の言葉のせいだと感じた私は 少し元気になって欲しくて 敢えて冗談混じりなメールを送った。 少しずつ少しずつ織田さんが普段通りに戻った。 「こんな感じで適度に仲良しな時がいい」 織田さんが言う。 そうだね… 何もなければ基本、私たちは仲良しだよね。 障害物があったほうが燃える!って人もいるけど 私たちは穏やかに時を過ごしたいタイプだね。 こんな会話をして連休に入った。 飲み会まであと2日。

No.38 13/08/25 14:42
匿名38 

Everlasting☆Love

見てたけど…。


更新されなくなってたからどうしてたのかと気にしてました。

タイトル変わってたからわからんかったけど…。
タイトル変わっても見つけられたのは、やはり、縁があったのかな。

また読ませていただきますね。

No.39 13/08/25 18:44
匿名0 

>> 38



匿名38サン☆



読んで頂いて
ありがとうございます。


読んで下さっている方がいるんだ…
と、嬉しく思いました。



どうしようもないくだらない話ですが
これからも宜しくお願いします。




No.40 13/08/25 22:15
匿名38 

>> 39 くだらないなんて思ってないですよ。


前スレは結構更新を楽しみにしてましたけど、なかなか更新なくてどうしたの?って心配してました。


ROM者がレスすると物語が中断されるから、別に感想スレ作ってほしいかも(無理かな?)。

  • << 42 恥ずかしながら感想スレ立てさせて頂きました! 宜しくお願いします。

No.41 13/08/26 02:46
匿名0 

>> 40



沢山、読んで下さる方がいるなら考えますが
感想スレ立ててレス来ますかね?(゚◇゚)



以前はレス下さる方の中身が検討着くので
怖かったのもあり… 私のみ にしてましたが
少し吹っ切れた部分もあり設定変えました。



嬉しいお言葉をありがとうございます。
検討してみます☆


No.42 13/08/26 20:14
匿名0 

>> 40 くだらないなんて思ってないですよ。 前スレは結構更新を楽しみにしてましたけど、なかなか更新なくてどうしたの?って心配してました。 R…


恥ずかしながら感想スレ立てさせて頂きました!
宜しくお願いします。


No.43 13/08/28 01:31
匿名0 

>> 37 飲み会は基本、全員参加。 行くべきか、行かないべきか散々 迷った。 織田さんは 「任せる」としか答えない。 …


私たちはラブラブかと思えば、突然、険悪になったりを繰り返す。



数日後、私が半分冗談•半分本気で言った言葉が織田さんの気持ちを落胆させたようで
朝のメールは途中で途切れ、帰り道まで連絡がなかった。



「これから帰るよ!」のメールが来た。
一瞬、
「…よかった。普通で…。」
と安心したけど…
次のメールで



「凛は俺といて不幸じゃないか?」
…と、いきなり聞かれた。



まだ、朝言った事が気になってるんだな…と思い
「幸せです」と、答えた。



不幸…って
どんな時に感じるんだろう…。
私はあまり裕福ではない家庭で育った。
それでも人並みの生活は出来ていたし不幸だと感じたことはない。



離婚して、人一倍 仕事ばっかりの生活で蓮に贅沢もさせてあげられなかったけど、不幸だなんて決して思わなかった。




既婚者に騙された(騙されたとは思っていないが)時だって、不幸だとは感じなかった。



私にとって
何が幸せで
何が不幸せ?



「どうしてそんなこと聞くの?」




「俺は…凛の期待に応えられてんだろうか…
泣かせてばっかりで、我慢させてばっかりで
俺といたら、不幸なんじゃないか…って気になって」




「幸せだから一緒にいるんだよ
好きな人のそばにいられるのが幸せ」




「そうか…それなら良かった。
たまに心配になるんだ。今は俺が不安定なんだろうか」



連絡も取り合えない連休前だった事もあり
朝の私の言葉のせいだと感じた私は
少し元気になって欲しくて 敢えて冗談混じりなメールを送った。




少しずつ少しずつ織田さんが普段通りに戻った。
「こんな感じで適度に仲良しな時がいい」
織田さんが言う。



そうだね…
何もなければ基本、私たちは仲良しだよね。
障害物があったほうが燃える!って人もいるけど
私たちは穏やかに時を過ごしたいタイプだね。



こんな会話をして連休に入った。
飲み会まであと2日。



No.44 13/08/28 01:58
匿名0 

>> 43


飲み会前日。
飲み会は私にとって相当な覚悟で挑む場所。
流れや雰囲気が確実に読めてしまうから相当な
不安材料が揃っている。



普段なら飲み会前日は大抵、逢う。
お互いに近くにいけないのが分かっているから
せめて前日はラブラブに過ごす。



だけど…
「会うのが厳しい」
と言われていたから、「逢いたい」とは言えずにいた。




夜になって、いつものようにメールを待つ。
「危なかった!危うく、○○さんと電車一緒になるとこだった!すき家で飯食うから…って逃げ切った(*´∀`)」




織田さんは私が帰り道のメールだけは楽しみにしていることを分かっていて、誰かと帰り道が重ならないように いつもズラしてくれる。



「いつもごめんね…ありがとう」
私がそう言うと



「今日、一緒に寝る?」
と織田さんが言ってくれた。




「なかなか逢えない」と言われたのに大丈夫なのかな…。私が一週間に1度は逢いたい!って前から言ってるのを気にしてるのかな…。




「平気なの?」



「俺の希望でもある!」



ヤッタヾ(≧∇≦)
逢える☆



いつものように幸せな夜を過ごした。
「何も心配いらないよ。
そんな飲まないつもりだし、ちゃんと連絡もするから」



明日の飲み会の事だ。
初めから、そんな信用はしてないけど
毎回、バカな私は少しだけ期待してしまう。
果たして、約束は守れるんだろうか………。




そして、飲み会当日を迎えた。



No.45 13/08/28 02:23
匿名0 

>> 44


織田さんが前回の事を思い出したかのように職場に向かう道中の間にメールをしてきた。




さっきまでラブラブだったのに突然、
「どんな事があっても!泣いたり、顔に出したり、怒ったりしたら即アウトで!
○○さん達も相当、疑ってるからホントに良く見てるからな!」





即アウト?




即アウトとは「終わり」と言うこと。
最初は
「はい!気をつけます。大丈夫」
なんて、あっけらかんと答えたけど
少し冷静に考えたら段々と怒りがこみ上げてきた。




なんで私が「即アウト」なんて言われなきゃなんないの?
いつも自分が言った事に無責任で約束を守らないのはそっちなのに………。





それに、場合と状況によっては
私も絶対に我慢出来る自信はなかった。
「即アウト」この言葉がやけに上から目線なモノの言い方に聞こえたのと
私を試しているような気がして、とにかく腹が立った。





「わかった。じゃあ私はやっぱり行かない。
織田さんも連絡なかったら即アウトね!




返事はなかったが、家で待つと悶々として1人で憂鬱になるのが分かってるから私は別の場所で誰かと飲もうと思い智恵と数名にメールしてみた。



だが、時期的なこともあって
みんな都合が悪かった。




「やっぱり行くね。
お互いに約束が守れなかったらケジメとして別れよう!」




こんなメールを送った。
忙しいのか返事はない。




毎回、飲み会のたびに喧嘩になる。
だから「ケジメ」。
私を試すから、私も試す!




けど…
別れたくない私は「今日は絶対、我慢する!」と心に決めて飲み会に出席した。




No.46 13/08/31 02:29
匿名0 

>> 45



しばらくの間、酔っ払った織田さんを見るのが辛くて…喧嘩になるのも嫌で…



【最後は必ず連絡する】 
を、約束に私は飲み会には欠席していた。



まぁ、あらゆる所から色んな情報や話はどちらにしても入ってくるから、結果、行かなくてもショックは多々あったけど…。




でも今日はそれを思い切り目の当たりにする。
私の目の前に酔っ払って「私の存在」など、頭からスッカリ抜けた織田さんがいた。




智恵の言葉を思い出す。
「飲んでる時は都合よく凛を忘れたいんだよ」





でも…
いつになく楽しそうな織田さんの姿だった。
私といる時には見せない織田さんだった。




あぁ…私がいない時はいつも
こうやってやりたい放題、好き放題やってるんだぁ………。





怒りより、悲しみの方が大きかった。




お酒を飲む人はみんな酔えばその位、当たり前なのかもしれないけど…。
飲めない私は酔うことすら出来ないから…
とても辛い空間だった。



普段、私がほんの少しでもボディタッチするだけでも怒る人が…ボディタッチどころじゃない。
後ろから羽交い締めにしてみたり、もう少しで顔が付いちゃうよ!ってくらい近くで話したり…
手を触ってみたり、膝の上に座ってみたり…




それでもね…
ずーっと我慢してたんだよ。
今日は我慢して笑わなきゃいけない日、なんだ…ってね。



何があってもこらえなきゃいけない日、なんだよ…ってね。



No.47 13/08/31 20:11
匿名0 

>> 46


思ったより飲み会は早くお開きになり私が先輩と話している内に、織田さんの姿はもうなくなっていた。



「織田さん、終電ないんじゃない?」
1人の先輩が心配そうに言う。
時計を見たら、ギリギリ間に合うか…間に合わないか、の時間だった。



でも、飲んだら大抵は帰らない人だから
きっと連絡が来ると思っていた。



しばらく連絡は来なかった。
きっと誰かと一緒に電車に乗ったんだな、って事は今日は帰るんだ…と思い私も歩き出す。



すると後ろから木村さんに呼ばれた。
「まだ時間早いから少しだけ次、行かない?」




「いーですよ」



この判断は間違っていた。
木村さんは相当、深刻な悩みがあるのか…
愚痴がたまってるのか…
飲めない私を相手に、かなりハイスピードで日本酒を飲みまくる。



そんな時ですら私は携帯と時間が気になる。
その時メールが来た



「○○さんと一緒で今、○○駅。
今日は帰るね」




「わかったぁ」




どっちにしても、織田さんと合流は不可能な状態だったから次に気になるのは織田さんの到着時間。
危ないな…と思いながら半分 上の空で木村さんの話をただ聞いていた。



No.48 13/08/31 21:29
匿名0 

>> 47

そろそろ時間だ!と思った私は
今日は木村さんの目を半分気にしながら電話をした。



案の定、専用携帯は電源が入っていない。
「今後、電話は一切やめてくれ」
と言われて以来、直に電話は出来ない。


メールで起こすしかない。



「もう着くよ!起きて」



返事はない。
2~3回繰り返したが返事はない。
私は諦めた。



「○○駅まで行っちまった…最悪」




やっぱり………!
寝過ごしていた。



「罰だね」
この私の言葉にキレたんだろう。



「さよなら」
とメールが来た。



さよなら?
なんで?
私、今日は約束守ったけど。



「なんでさよなら?
今日は約束守ったよね?」




「○○さん達が「お怒りだよ!」って
言いに来たぞ」




意味がわかんない。
私は偉く怒りを覚えた。



「今日は○○駅のカプセルホテルに泊まる」




「わかった」




「約束は精一杯守ったつもりなんだけど
○○さん達の言った言葉でさよならを選ぶなら…
仕方ないね。さようなら」




しばらく間が空いて
「そんな本気でさよならって言ったわけじゃない。
ごめん。今日は辛いから寝る」




「おやすみ。こっちは酷い状態になってる。
木村さんといるから帰ったらメール入れとくね」



「早く帰れよ!
おやすみ」



織田さんが寝たのが分かったら
今日はとことん木村さんに付き合うか!って気持ちになった。




「せっかく頑張ったのに」って気持ちと
私には一言もそんな疑って探るような事は言って来ないアイツらの汚さと
私を信用する前にアイツらの言葉で「さよなら」と言う織田さんへのショックさと
色々混じりあって私もどこかヤケクソになっていた。




そこへ突然、若い男がナンパしに来た。





No.49 13/08/31 21:58
匿名0 

>> 48



かなり酔っ払ったその男は目が完全にもうイッちゃってる。と同時に木村さんもかなり泥酔している。




普段の私ならすぐに織田さんの顔が頭によぎって
すぐにでも追い返すか木村さんを無理やりでも説得して店を出ただろう。



でもこの時は、木村さんの反応に任せてみた。
木村さんは男好きだから…
なんだかんだ説教をしながらも、まんざらでもない様子。



だけど、あまりにもしつこいから私も遂に口を開いた。



「あんた1人じゃないでしょ?一緒に来た子は何してるの?」




「あー!別んとこにいる」




私はそいつを探し
「アイツ連れてけ!お前はココで何やってんだよ!邪魔だから連れて帰れ」



もう1人の男が渋々、ナンパヤローを連れ戻しに行った。だか、しつこい酔っ払い男は動こうともせず、連れの男まで私たちのテーブルに居座った。



なにやら木村さんと酔っ払いヤローはセックスネタで盛り上がっていた。
連れの男と私はタバコを吸いながら黙っていた。



時計を見たら、既に明け方の4時近い。
いい加減、こんな無駄な時間を過ごすのに嫌気が差し、木村さんは先輩だけど
「私は帰ります」と奴らを置いて店を出ようとした。




3人もすぐに店を出てきた。
酔っ払いは木村さんの胸を触っている。
私のも触ってくる。
「ふざけんな!うぜーからやめろ!」



まるで純粋な処女のように
私の脳裏には織田さんが浮かび
「織田さんごめん」がグルグル渦巻いていた。



すぐ近くにラブホがあった。
このままだと連れて行かれそうな勢いだったから
私は構わず3人を置いて家に帰った。



No.50 13/08/31 22:14
匿名0 

>> 49


次の朝、織田さんからのメールで目が覚めた。
昨日、「今、家着きました」とメールを入れてあったから既に織田さんの機嫌は悪かった。




嘘をついても木村さんは多分、みんなに昨日の話をするだろうから、男の一件は話さなかったけど… 帰宅時間は正直にメールした。




「そんな時間まで2人でいたのか?」
から始まり、やっぱり喧嘩になった。


 


私は一生、忘れないだろう。
織田さんはこの日、今までになく私への不満と怒りを私にぶつけた。




「くどい」
「うんざり」
「お前は俺のなんなんだ!」
「俺は自由がないんじゃない。いつもおまえに監視されてるんだ。で、ダメ出しされて、何かあるとすぐ泣くだろ!いい加減もう、うんざりだ」



「俺は一体、お前のなんなんだ」



「彼女………」




「違う!監視役だ!いつも俺は監視されてるんだ」




終わった。と思った。
私をそんな風に思ってたなんて………。
あまりにもショックで私は返事が出来なくなった。

  • << 51 興奮してたんだろう。 織田さんは3回目に言った時 「監視」を「監督」と誤って送ってきた。 その後、 「どうしたいんだ? この先、どんな形の2人なんだ?」 返事なんて出来ない。 そこまで言われたら、言い返す言葉すら見つからない。 「織田さんは?」 「そりゃ今まで通り+少し距離を置きたい。 少しね」 距離を置きたい。 距離を置く…って…何? 今まで通りなのに距離を置く…って何? 織田さんから「距離を置こう」なんて言われたのは初めてだった。 その次の日から5日間、夏休みに入った。 5年記念日まで あと2週間。 私が精一杯、返せた返事は 「記念日は逢おうね」 だった。 もうこの段階で 私の中では「終わり」を決めていた。 それくらいショックだった。 織田さんの返事は 「そうだね 着いたよ。また月曜日ね」 そっけない返事だった。 その時から6日間、私はずーっと仕事を探していた。終わりなんだな………と思ったから。 だって私には今まで通りだけど 距離を置く。なんて出来ないもん。
投稿順
新着順
主のみ
付箋

新しいレスの受付は終了しました

小説・エッセイ掲示板のスレ一覧

ウェブ小説家デビューをしてみませんか? 私小説やエッセイから、本格派の小説など、自分の作品をミクルで公開してみよう。※時に未完で終わってしまうことはありますが、読者のためにも、できる限り完結させるようにしましょう。

  • レス新
  • 人気
  • スレ新
  • レス少
新しくスレを作成する

サブ掲示板

注目の話題

カテゴリ一覧