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さよならの後に教えてもらったこと
今年1月に、タロット占いで自分のこれからの出会いについて鑑てもらいました。
というのも、もう7年になるかな…ずっと大切にしていた人がいて、出会ったことが私の人生の転機になり、また頼りになるしっかりしたあの人を心の支えにしてました。
心の支えといっても、もう姿もなく、声も聞くことはなく、ずっとずっと思い出の中のあの人をただ大切に想うだけです。
そんなことを4年以上…会うこともない人をです。
私は疲れてしまいました。
それで、これからの出会いを占ってもらいました。
新しいレスの受付は終了しました
私のこれからの出会いについてリーディングしていただくと…
今年、可能性のある月は、
3月…すでに出会っている相手で友達→恋人へ
8月…運命的な出逢い
でした。
あ、ちゃんと出会いがあるんだと嬉しかったです。
ただ、問題が…。
携帯の占いサイトでタロット占いをしてもらい、私は既婚者とは言わずに、リーディングしてもらいました。
なので、きちんと伝えていればまた違った結果が出たかもしれません。
でも、新しい出会いというか、春先に佳いことがあるんだ♪とワクワクとした気持ちでいました。
この占い師さん、よく勉強された方のようで、とても正確なリーディングをしてくれました。
占いは当たるも八卦、当たらぬも八卦の気持ちくらいでいた方がいいかもしれませんが、私は占っていただいて、とても良かったと思いました。
面倒見のよい、穏やかで優しい雰囲気が、サイトのレス越しですがとても伝わり、それだけで私のささくれてた気持ちが少し癒やされ、いつまでもあの人を想う気持ちが落ち着いてきたのです。
私は長い間、あの人に“恋に恋してる”状態だったので、忘れるには時間薬と新しい出会い!
そんな単純な考え…だけど趣味や新しいことを始めたら、忘れるために新しい出会いを求めるなんてしなくていいこと。
しかも、フリーの人がすること。
私は苦笑いとともに
3月…すでに出会っている相手で友達→恋人へ
がどんなことになるんだろうと思いました。
占い師さんの正確なリーディング…それは“すでに出会っている相手”がホントに私の周りにいることでした。
離れて4年以上も想ってきたあの人ではなく、あの人と同じようなときに現れた人がいます。
名前を小原(おはら)さんと言います。
リーディングでは…
『一見ほんわかしていて、護ってあげたくなる感じですが、根っからの自由人。
感情に流されるままに、あっちへふらふらこっちへふらふら、掴み所がありません…』
おーっ、まさにまさに!
そんな感じ!!
さらに…
『恋愛に関しても、一時的な恋が多くて一つの事を長く続ける事が難しく、飽きると興味を失い、また新しいもの(人)へと意識が向かいます。
あなたもその中の一人だったようなイメージです』
☺いや~照れてしまう…。
絶対、何も起きないって分かっているから、ほんわかな思いで占いサイトからのレスを読みました。
占いっていいな。
これだけでも明るい気持ちになりました。
そして、私へのメッセージ
『あなたが、相手を本当に心から大切にしていた事はカードから伝わって来ました。
あなたは、明るくオープンマインドで行くと佳い縁に巡り逢えると思います。
注意点は、感情のままに暴走しない事。
目的を見失いそうになった時は、一度落ち着き冷静になってから言動に移したり判断したりすると良いでしょう』
これも見事なリーディングで、
相手を本当に大切にしていたことはカードから伝わってきたというくだりでほろり😢、
明るくオープンマインドでいたら、佳い縁に巡り会えるんだと笑顔が増え、
注意点のところはそれからの自分の行動にひと呼吸おく、大切な言葉になりました。
3月に佳いことかぁ…☺
私は小原さんのことはさておき、出会いのことを勝手に“佳いことがある”に変換して、春を楽しみに待つようになりました。
だって、年下で、相性がかなりいい✨と言われても、自分も小原さんも結婚してます。
しかも、どのくらい?ってくらい姿を見てないか(笑)分かりません。
同じ職場といえばそうですが、立場も違えば、仕事している場所も違います。
『仕事や趣味関係の知り合いからの進展』と言われても、まぁそれが小原さんを指してるとまでは断言できません。
あくまで可能性が0ではない程度なのです。
私はある福祉関係の仕事をしています。
あの人が異動でいなくなった年の6月から始めました。
初めての仕事内容だったので、ドキドキでした。
ただ仕事を教えてくれる人はいません。
自分の感性とセンスを高めつつ、仕事をこなします。
家に帰るとぐったりでしたが、私の好きな仕事です。
仕事のパートナーはいますが、その人が主で私はサブ。
その人は意地悪でも何でもありません。
個々の誇りにより行う仕事なので、私はそのサポートをするだけなのです。
そんな職場にその春からいたのが小原さんです。
私とは接点はありません。
私は自分のパートナーさんと常に行動が一緒だったし、他の誰かと話をする機会なんてなかったので、廊下であいさつをしてすれ違う以外、接点はなく、むしろ、そんなものくらいに思ってました。
仕事2年目になると、私のパートナーさんが小原さんとタッグを組むことになりました。
私もだいぶ仕事内容に慣れ、パートナーさんとも休憩時間に少し話したりして、仕事の時間配分もできるようになりました。
だけど、私は小原さんとは話したことはなく、主のパートナーさんが廊下を歩きながら、2人で仕事内容を話している様子を見てました。
私は見た目が怖い、いえ、しっかりとした主観を持ってる小原さんには私の弱いところを見透かされているようで、怖くて、あいさつくらいしかしませんでした。
…だって、本当に怖いんだもの。
こんな感じですが、私も少しずつパートナーさん以外の人と話ができるようになりました。
私を見かけるとあれこれと話をしてくれる清掃担当の重蔵さん。
絵やイラストが上手で、可愛いワンちゃんを飼ってる田中さん。
スマイルの可愛い、この職場にお嫁さん入りした♪と笑う遥さん。
頼りになるしっかり者の姐さん、陽子さん。
他にも同じ職場にはいますが、私がよく接していた人たちです。
3年目に入り、ある日の休憩時間に陽子さんが、
「倉庫の棚を作ったの、小原さんなんだよ。器用だよね」
そう言って誉めると小原さんは意外にも照れくさそうに笑いました。
私はびっくりしました。
そんな顔も初めてだったし、私も乱雑だった倉庫がきれいに整理整頓され、物が取り出しやすくなっていたのには気付いていたから、それをしたのが小原さんと聞いて2度、驚きました。
器用なんだで済まされる棚ではなく、大工さんみたいな、物の取り出しやすさ、使いやすさも考えて作ってあったので、私はすっかり感心してしまいました。
普段の怖いイメージからは想像できない器用さと心配り、また照れくさそうに笑う小原さんに少し印象は変わりました。
けど、ドキッもときめきも癒やしもありません。
それに一見ほんわかしていて、護ってあげたくなるようなそんな小原さんでもありません。
まだまだ近寄りがたい存在…
それから数日して、夕方、電気工事やさんかと思うような腰ベルトをつけた小原さんに会いました。
「お疲れさまです。…すごい道具類ですね」
もしかしたら、初めて声をかけたのかも。
小原さんは外に出ようとしていた足を止め、振り向きました。
ああ、と私を見とめると、
「工具箱もあります」
と笑って持ち上げて見せてくれました。
私も少し笑って、
「また何か作りに行くんですか?」
「今日は遥さんからの要望でプランターを作ろうかと」
小原さんはそう言って前を見たので、話が終わったんだと思い、私は大変ですね、お疲れさまですとそこを離れました。
と、柱の向こう側から、
「木の雰囲気の方が…あれ?」
小原さんの声…まだ話が続いていたようです💧。
このとき、小原さんの話すときの癖と意外と話をする人なんだと思いました。
次の仕事のときには木でできたプランターがあり、小原さん作だとすぐ分かりました。
本当に器用…
遥さんがひょっこり顔を出して
「すごいですね、さすが小原さん!」
手をパチパチしてます。
私も感心していると、遥さんがニヤニヤしながら、
「瀬田さん、小原さん、凹んでましたよ~」
「え?」
「話の途中でいなくなったって(笑)。あれでも小原さんナイーブですからね」
あれでもって(笑)。
遥さんと2人で笑ってしまいました。
パートナーさんと一緒のお仕事…去年みたいに小原さんもタッグを組んだお仕事ではありません。
また階も違うので、なかなか会うことはありませんでした。
そのうち、そんなこともあったのも忘れてしまい、季節だけが移り変わりました。
あの人に会ったその当時、私は心が疲れていました。
旦那は普通に仲のいい夫婦だと思っていたようですが、生活のいちいちに文句をつけられ、また嫁は家事、育児のいっさいをするべきだと思ってる人でした。
外で男は働き、女は家を守る典型的な亭主関白タイプです。
育児に関しては全く手を貸してくれず、今の“イクメン”なんて縁遠いひとです。
外でお仕事をして、そのお給料で暮らしているのだから、感謝すれこそなんでしょうけど。
私が何で?と思うのは、子どもの友だちがいたり、義妹の子どもたちとは一緒に遊んだり、お風呂に入ったり、絵本を読んだり…
“お父さん、面白いね”
“いっぱい遊んでくれた”
“優しいねー”
と、喜んで口々にお礼を言って帰ります。
…どうなのでしょう?
自分の子どもたちは旦那には普段も休日も近づかず、旦那の方も一緒のお風呂も絵本もなく、まして遊んでくれる姿などありません。
どのご家庭もこんな感じなのでしょうか?
ただそこに家族以外の子どもでも大人でもいると、見事に変身します。
その他にも…
子どもが幼稚園のとき、母たちの付き合いで年度終わりにお疲れさま会がありました。
付き合いだし、たまには息抜きしておいでと言われ、温かいご飯が出なければ文句を言う人なので、でも…と言うと、大丈夫、子どもたちとファミレスに行くからと返事がありました。
ファミレスは一本、道をはさんだ向かいです。
じゃ、残すかもしれないけど、お子様ランチとかなら食べるからと伝え、久しぶりに外に出ました。
子どもは当時5歳と2歳。
22時頃、家に電話を入れると旦那が不機嫌そうに出ました。
「子どもたちを見てくれて、ありがとう。2人だったから大変だったでしょ?
もう、寝たかな?」
「飯、喰ってねぇ」
不機嫌な原因はそこかと思い、ゆっくりご飯が食べられなかったのかなと何か買って帰るよと言うと、
「TVを見てるのにうるさくて、静かにしろって言ってもいうこときかなかったから飯、食いに行ってない」
「…子どもたちも?」
「ああ。家に飯もなかったし」
「用意するって言ったら要らないって言ったじゃん!」
私は慌てて家に戻りました。
家に帰ると2歳の下の子はふらふら…5歳の上の子は私の顔を見て安心したのか、ポロリ😢。
ごめんねと謝り、買ってきたおにぎりとパスタを食べさせました。
旦那にもコンビニ弁当を出すと
「あーあ、お前は外で美味いもんで俺はコンビニ弁か…」
のひと言。
ものすごく腹が立ちました。
何ッ、この人!?
おかしいよッ💢
上の子は私の殺気を感じたのか、お母さん、寝たいと言ってきました。
下の子はもうヘロヘロです。涙の跡もありました。
もう一緒にいたくないと、簡単に寝る支度をして、子どもたちと2階に上がりました。
それから、私はお疲れさま会や飲み会には出ていません。
旦那は新年会や歓送迎会、忘年会、趣味仲間との飲み会を深夜遅くまで楽しんできます。
それは俺は外で仕事をしているからだそうです。
私は旦那には最低限のこと(周りからみたら尽くしてると言われます)しかせず、子どもたちと旦那がいても楽しむことにしました。
仕事も下の子が幼稚園に入ったら始めました。
もっと以前に相談したら、
「お前に何ができる。金を稼ぐのは大変なんだぞ」
と反対されました。
私がしたいこと、することは
ダメ出し
そんなことしてどうする
何もできないくせに
と否定や拒否が多く、私はそれに対してだんだん生きる力がなくなってきました。
反論というか話し合いも、結局は俺は仕事しているを全面に出し、有無を言わせません。
心が弱っていました。
上の子が小学校入学、下の子が幼稚園入園となり、あるところにあの人がいました。
子どもを通しての関わりのみでしたが、少しずつ、惹かれていくものがありました。
話すことは子どものことばかりですが、これは旦那にないものです。
私はちょっとずつちょっとずつ好きになっていったのでしょうね。
自分の気持ちに気付いたときには“好き”になってました。
だからといって、あの人と何かが起きないです。
変化が起きたのは私でした。
下の子が年中さんになった頃、私は旦那にもう一緒にいたくないと言いました。
今まで我慢していたことをぶちまけました。
旦那からしてみると、寝耳に水のようで、でも、お前の言いたいことは分かったとじっと考え込むように黙りました。
私は旦那に黙って、仕事も見つけていて、1ヶ月ほどしてから祭日に仕事だったので、そこで初めて伝えました。
案の定、お前にどんなことができる!と以前と変わらない口調で言われましたが、私ももうそんなことでへこたれません。
あの人と何もなくても、心の中で想うだけでも、私には心強いものでした。
旦那に今までのように言われても、私はだいぶ言い返したり、腹を立ててばかりいると疲れることも分かったので、スルーすることも覚えました。
家事や子どもたちのこと、旦那のことはぶちまけた後でも変わらず、同じようにしていて、でも自分の気持ちの変化がとても大きかったです。
自分も仕事をして、仕事の大変さも分かり、でも、だからと言って“仕事をしてるんだぞ”と威張る理由にもならないと。
やはり、お互いの思いやりは大切ですね。
私の切り返しは旦那にしてみると
「口答えしやがってッ」
ですが、もうそんな言葉におどおどする必要もなく、また旦那の行為はモラハラであることにも気付きました。
他人同士だった私たち。
それまで一緒に住んでいた家族がいかに旦那に都合よく、甘えてわがままの言える家庭だったのか、それは私にも言えますが、縁があり出逢い、結婚し、子どもができて、また家族の形ができる。
旦那の“俺は仕事をしている”は旦那にしてみれば家族を守っているのです。
それが旦那の思う家族の幸せ。
私の前向きな行動の源、あの人への想いはずっとそのままで…
会ってから4年目の春、あの人は異動でいなくなりました。
前の年には会うこともなく、話もすることもなく、ただその場所のどこかにいる存在。
私にはそれだけでも十分だったのですが、とうとうそれもなくなり、、、とても哀しかった。
哀しみはとても深く、私はしばらく、それから何年も動けないままになりました。
日常生活は普通にしています。けれども、心はずっとあの人のところで、思い出の中のまま、動くことはなかったのです。
長く長く、会わない話さない…だったら、忘れていくのではないか…?
そうでなかったのは、
あの人の異動後、メールのやり取りがあったからです。
メールのやり取り。
それはお互いの距離を縮めるものではなく、季節のあいさつを交わすもの。
あの人は私の言葉にしない好意に気付いていて、けれども、その好意が単純な“好き”ではなく、支えや信頼のものであるのを分かっていました。
それでも、その好意があの人にとってNOであれば、拒むこともできます。
きっと優しいひとだったのでしょうね。
ただ、ごくたまにのこのメールが逆に私の唯一の拠り所になってしまいました。
こんな風に思えるようになったのも、実はごく最近です。
もっとドロドロした怨みのような感情が渦巻いていました(笑)。
なぜでしょう?
私はとても大切にしすぎて、大事にしすぎて、私のことも相手の特別になりたかったのです。
バカですね…
離れていて、恋しくなってしまったみたい。メールしか、それも数回のやり取りしかなかったのに。
あの人の異動から、4年目になろうとしていた春…。
私は思い切って、会いに行きました。
いつも季節のあいさつと子どもたちの近況報告のメールに、
初めて“会いたいのですが…”と書いて送りました。
私の送るメールに、2.3回に1回の割合で来る返信……だから、ほとんどないに等しいくらいのあの人からのメール。
年にしたら1回、良くて2回の返信だったから、寂しさはいつもあり、だけど、もう関わりはない私に送ってくれるメール。
たったこれだけなのに、忘れることもできず、ただ想うだけで、3年です。
長かった時間…今にして思うといったい何の時間だったのだろうと思います。
“会いたいのですが…”と書いたけれど、3年も経ち、会う理由など、どこにもありません。
プライベートは❌とはっきり宣言されているのでなおさらです。
それでも、3年続いてたメールは少しは意味があったのか…。
私はいつも疑問でした。
“会いたいのですが…”メールにあの人から返信はないだろうと思っていました。
プライベートのわずかな時間も、立場の違う私に会うのはできないときっぱり言ってきた人だから、仕事中の空いている時間にどうぞなんてないと。
このままフェードアウトだろう、もうメールをやめる潮時…。
会うこともない、話すこともない。そんな人との年1.2回のメール。
私は好きじゃなきゃ送れないメールだけれど、あの人は何なの?
あの人は意味なんてなくて、そんなメールをこの先もずっとしていくなんて、、、恐らく、お互いに大切で、胸に秘めた想いがあったら、違うのでしょうね。
私がぐだぐだとそんなことを考えていると、返信がありました。
受信ボックスにあの人のメアド…来ないだろうと思いつつ、待っていたあの人のメール。
複雑な心境で開くと、いついつならいいとの内容でした。
え?会いに行っていいの?
離れていた3年、ずっと会いたい気持ちはあったんだよと、
最初で最後の私から初めて好意を表して…、
それをあの人がどう感じても構わなくて、
そして、私からの最後のメールにしようと決めていたのに。
全部が振り出しに戻った感じでした。
あの人の大丈夫な日に行ったつもりでしたが、行く日に連絡せずに行ったので、結局は慌ただしい時間帯に会いました。
ドキドキと胸の高鳴りと緊張感…。
行くときに、道を間違えたりしたので、やはり落ち着かなかったんだと思います。
久しぶりに会ったあの人は元気そうで、多分、変わりなかったと思います。
だけど、前は会うことがなくても、毎日、その場所にいるという安心感があったのに、異動して、同じように変わらない仕事でも、やっぱり違うんですよね。
本人は変わらないつもりでも、あの頃とは違う…。
久しぶりに懐かしく会った友人と話すと、その頃に戻ったように感じる、、、そういうの、ありますよね。
たとえ、それまでの時間や距離があっても一瞬でパッと埋まってしまう心の時間や距離。
それがあったのか、なかったのか…“久しぶりの再会”じゃなくて、もしかしたら、3年の時間が経って“改めて、初めまして”だったのかもしれません。
あー、妙に納得。
あ、いやいや…
始めちゃダメです。
でも、帰るとき、
「また」
ではなく、
「お元気で」
だったんです。
それから、数ヶ月後にお礼メールをしましたが、もう返信はありません。この1年、1回もなかったので、終わったようです。
…あの人は早く簡単に終わっていいですね。
私はずっとずっと振り切れませんでした。
ただ会うこともなく話すこともなく、メールもなく、、、それは今もこの先もそうです。
それなのにあの人を想うこと、大切に大事にする理由が私にはもう分からなくなりました。
あの人に私は長く固執してしまいましたが、こんな私にも出会いってこの先、あるのかな?と思うようになり、タロット占いをお願いしました。
“出会いがあります”
なんて言われると嬉しく、どんな人とどんな感じなんだろうと、思いがけなく会うこと、めぐりあいみたいな運命的な要素を思います。
ドラマのような、夢のような出会いを想像してみました(笑)。
タロット占いによるところでは知り合い→恋人だそうで、そんな恋愛的な出会いが、仕事と家の往復、子どもたちの学校や習い事の環境の中で本当にあるものなんでしょうか?
いやいや、首を振ってしまいますね。
やっぱり、想像も妄想もできない(笑)。
3月の出会いの有力候補者・小原さんとはあのプランターの一件以来、たまに会えば話す程度になっていました。
ゆっくりと話し、たまに遠くを見やりながらのしゃべり方にも慣れ、実はそんなに怖い人ではないことが分かりました。
むしろ、優しく、ほんわかです。
遠くを見やりながら、視線をこちらに戻すとき、一瞬、上目使いな感じで目が合うので、それがこちらの心を見透かされているように感じていたみたいです。
私は直接、話すことはなく、パートナーさんと小原さんが話すところを見ていただけなので、怖そうな人が先行していたようで…あ、でも、あまり笑わないので、見た目はそのまま怖そうな人ですよ。
あの人に会って、ひとつ切りがついたと私は長かった髪を短く切りました。
久しぶりにショートにし、ちょっと恥ずかしい気持ちもありながら、仕事に行くと、遥さんや陽子さんが似合う~♪と言ってくれました。
ちょっと照れながら、ありがとうと言うと、そこにめずらしく、小原さんが通りかかり…
いつものようにあいさつをすると
「髪、切ったんですね、短く」
そう言われて、すごくびっくりしました。
小原さんってそんなこと言うんだ😳と少しショック…。
硬派っぽく感じていたし、女性のそういう変化に気付くなんて思ってなかったので、、、。
小原さんに失礼だけど、さりげなくふわっとした言い方で、
“あ、そんな風に女性をほめているんだー”と思ったのです。
まぁ、結婚されてるし、、、
奥さんやお子さんにどんな風に優しいのかな?と想像してしまいます。
私も少し気になってきました。
「結婚するの、遅かったんですよ」
そう言ってはにかんで笑うのもなんだか可愛く見えてきます。
「2歳の娘がいて」
「ヤダヤダ期真っ最中ですね」
「そうなんですよ。朝とかご飯食べてくれなくて😢」
小原さんとそんな話もできるようになりました。
小原さんのそういった話は陽子さんや遥さんともしていますし、笑ってもいます。
私が小原さんに慣れた(?)といったところでしょうか?
朝の移動で階段で会ったりすると、一瞬、気後れてあいさつが会釈だけになると、小原さんのほうから、
「おはようございます」
と行ってくれたり、数日前にお手伝いしたことに改めて、
「ありがとう」
と言われたり…礼儀があるんですよね。
私は立場に差のある仕事なので、廊下で立ち話などはほとんどありません。
みなさん、忙しいので、よほどの用事がなければ、私も声はかけません(夕方やちょっとした空き時間で余裕のあるときはしますが、ほとんどパートナーさんとです)。
なので、ちょっとした小原さんの声かけやあいさつは嬉しいものなんです。
ただ、そういうのは“会えば”なので、階が違う今はほとんどないことです。
ある日、私の帰る時間にたまたま駐車場で、小原さんに会いました。
「お疲れさまです」
と声をかけると、ニコリとして、お疲れさまと返してくれました。
小原さんはいつもの普段着ではなく、少しパリッとしてて、カッコ良く、それはジャケットを着てるからだと気付きました。
「今日は出張ですか?」
「今からなんです。ちょっと遠くて…」
大変ですねと私が言う間、小原さんの話の途中で視線を遠くに外す癖…。
これにもだいぶ慣れました。
私も同じように小原さんが視線を流した方を見ると、敷地の外を買い物帰りなのか、子どもがシャボン玉を吹きながら歩いています。
楽しそうです。
きれいに光る大小のさまざまなシャボン玉が、ふわふわと5月のさわやかな風に舞い上がっていきます。
「あ、シャボン玉…」
私ではなく小原さんのセリフ。
それだけで私は癒されてしまいました。
雰囲気は十分、怖いのに、小原さんのふとした言葉や優しい心配りが誰にでもそうだなんて、ちょっと寂しい気もしました。
それからは遠くで姿を見かけたり、廊下であいさつ程度。
そして、私の勤務時間が変わってからは、もう小原さんにもほとんど会わなくなりました。
その頃の私は、あの人にメールをしても、返信はなく、あの“お元気で”が最後だったんだと理解するまでのたくさんの時間を費やしていました。
数ヶ月に1度のメールを2・3回 送り、それに対して返信が1度あるかどうかだったから、なかなか自分の中で踏ん切りがつかず…。
もう会うこともない人、それはあの人も小原さんも同じです。
私は今年度で仕事を辞めようと思っていたので、1月に占ってもらった時点であと2ヶ月程度の時間しか残っていません。
でも、3月の出会いはそうそう会うこともない最有力候補者・小原さん。
何だか笑ってしまいますよね。何も起きないでしょ…?
占いは占い…でも、佳いことがあればいいなぁ。
1月の終わり、たまたま廊下で
片足をかばいながら歩く小原さんを見かけました。
後ろ姿だったので、声はかけず、どこかにぶつけたのかな?くらいに思ってました。
それから、また数日して、今度はすれ違い。
足を引きずりながら、歩いています。
「足、どうされたのですか?」
職場のほとんどは小原さんの足のことを知っている様子で、その報告があったことすら知らない私に小原さんは少しびっくりした顔をしました。
「××(病名)で」
と言われたましたが、カタカナの聞き慣れないものでした。
「大丈夫ですか?お大事にしてください」
私はとっさに何を言えばいいのか分からない方が多くて…、機微な柔軟な言葉が見つからず、いつも後から後悔します。
ダメですよね…
基本、聞き役の受け身が多くて、、、話が盛り上がりません。
あんまりしゃべらないので、つまらない人間なんです。
その時もそれだけで終わりました。
2月の初め、今度はパイプ椅子を6脚、両脇に抱えて歩く小原さんを見かけました。
え?待って!
足、痛いんじゃないの!?
私は詳しいことは何も知らないのに、そう思い、そのまま階段を上がろうとする小原さんに
「椅子、持ちますよ」
と声をかけた。
小原さんはフェミニストなので、自分は男なのに女性に重たいものを…なんて考えられないらしく、
「いや、大丈夫です」
と断ってきた。
私は小原さんの痛めてる足の側のパイプ椅子を手で止め、
「ダメですよ、こっちだけでも持ちます」
と持つ。
「瀬田さん、仕事中だから大変でしょ(その場にいないと困るの意)」
「大丈夫です。今、落ち着いてるから」
しかも階上1階分、大した時間はかからないし…
「じゃ、お願いします」
私は一段分の後ろから、小原さんについて階段を上った。
「いや~、身体は鍛えてるんですけどね」
あ、そうなんですね。
いつもはこれぐらい、ヒョイとなんですね。
「でも、足に負荷がかかるとやっぱり痛くて」
“6脚いっぺんに”はやっぱり 負担になると思うし、運ぼうと思いませんよ(^_^;)
階上につくと、
「ありがとうございました」
と小原さんは、私の持つパイプ椅子を引き取りました。
指先が当たりました。
ちょっとドキッとしました。
でも、何でもないふりをしますよね~、こういうときって。
何でもない何でもない…
それから夕方近くになると、数名の人たちがパイプ椅子を1~2脚ずつ持って階段を下りてくる姿を見ました。
片付けはみんなでしたんだとちょっと安心…でも、考えてみると、今日みたいな場面はきっとたくさんあったと思いました。
私がたまたま手伝ったことは、今日だけのことで“足に負荷がかかると…”なんて話はみんなにしているのでしょう。
私自身、小原さんに惹かれているからなのか、それもよく分かりませんが……。
今日の場面が特別な出来事にはならないんだと後から思ったし、手伝わなくても、もしかしたら、両脇にパイプ椅子を持って上がった方がバランスが取れたのかもしれません。
小原さんは優しいから…逆に気を使ってくれたのかもしれません。
あー、私、面倒くさいな😔
すごいネガティブだし
“明るくオープンマインド”
佳いことがありますように
私が仕事を辞めるまで、あと1ヶ月をきっていました。
「小原さん、明日から入院だって」
遥さんが教えてくれました。
パイプ椅子のときから、また姿を見かけてません。
「手術入院ですか?」
「うん、2週間くらい」
私は休憩室のカレンダーを見ました。
今日は3月2日。
私が仕事を辞める日は22日。
じゃ、戻ってくるのは私が辞める週の19日あたり。
占い、残念!
何もないまま、終了だね
やっぱり、…そうだよね
こんなものだよね
私はちょっと寂しく感じました。
その日の仕事上がりのとき、偶然、小原さんに会いました。
また駐車場でです。
少し大きめのバックを肩から下げ、足をかばいながら歩いてました。
私は後ろから小原さんに
「今日はお帰りですか?」
とちょっと明るく声をかけました。
「あ、瀬田さん。明日から足の手術のために入院で」
「無事に終わるといいですね」
「ありがとうございます。でも、不安ですよ。自分の身体にメスなんて…」
不安って…こういうことって誰にでも話すんだろうな…
私自身は弱みや不安は隠してしまう方だから、何でも話すのはよほど信頼していて、甘えられる人くらいにならないとダメなんですよね。
ある意味、うらやましい…
「大丈夫ですよ、小原さんなら(^_^)」
…何か変な励まし方だわ😩
「はは…だけど入院中が退屈ですよね」
「足だから、すぐには歩けないんでしょう?」
「多分」
小原さんはまた視線を外す。
ちょっと沈黙もいつも通り。
私はいつも機転が利かないから、入院→退屈と聞いて、どんな言葉を返そうかその間に考えていました。
それから、あッ💡と…。
「そうだ💡。メールしますよ」
そう言ってしまってから、あッと私は固まってしまいました💦。
小原さんも困ったように笑っています。
いい考え!と思ったけれど、それは家族なり、友人なり、知人がすること…。
私、何も関係ないじゃん😭
「すいません💦ごめんなさい」
軽はずみに口にしてしまって、慌てて、謝りました。
「あー…」
いいアイデア💡と思ったのもつかの間で、私は下を向いてしょんぼり…。
リーディングしてくれた相性がいいってなんだろう?と思いつつ、バカだなぁ😢とちょっと苦笑い。
やっぱり何にも起きないー…のだ!
「すみません💦手術、頑張ってくださいね」
私は早足に自分の車に戻りました。
やっぱり、どこか期待してたのかな…
私はため息をついて、目を閉じました。
とにかく、2週間は小原さんは戻って来ません。
私は今月末、仕事を辞めます。
だから、気まずさも何もないんだと何度も自分にいい聞かせました。
私は慌てて、車から降りました。
「どうしたんですか?」
あ、足、痛いから車じゃないんだった…
そのことに気付いて、さらに慌ててしまいました。
「ごめんなさい💦、通り道だから駅まで送ります」
小原さんがぷっと笑いました。
私、変なこと言った?😢
「…いや、大丈夫ですよ。駅まで近いし、歩けます。瀬田さんにコレを渡そうと思って」
小原さんが小さな紙をくれました。
「ぼくのメアドです。時間があったら、メールしてください」
赤信号で止まるたび、助手席に置いた小さな紙を見て、顔がにやけてしまいます。
小原さんのくれたメアド…
何だかそれだけで嬉しくて、でも入院中の退屈しのぎ程度だからと自分に言い聞かせました。
だけど、顔がにやけて…しまいました。
明日から小原さんは入院です。来週、月曜日が手術。
退院までは経過が良ければ、入院日数は短いようです。
メール、いつ送ろうと考えていると、頭が混乱してきました。
やっぱり、メールするの変だよと思い、でも、私が言い出したんだし…メールするっていってもどんな感じで送るの?
それに小原さんは別にいらないよね?
頭の中がぐるぐる渦巻き状態…おたまじゃくしのおなかみたいになってしまいました。
やっぱり、メール無理😢
だけど、私、あの人とはメールしてたんだよね?
ああ、何でしてたんだっけ?
……そう、好きだったから
私、あの人のこと、好きだったんだよね
3~4ヶ月に1回ペースの私が送るメール…に対して2~3回に1度の返信。
全然、返信メール、来てないですね。それでも3年続いてたんですよ。
笑ってしまいますね…😢。
何でそんなに好きでいられたんでしょう?
メールの内容はお互い、近況でした。
ずっとずっと思い出にできなかったんです。
あの人は年1~2回くらいのメールで、私に対する感情は何もなかったのでしょうか?
それがいちばんの疑問です。
タロット占いで、私がお願いしたことは、
・大切に思ってる人がいるが、相手はどう思っているのか
・だけど、もう会うこともない人だから、先に進みたい。この先、もし私に出会いがあるなら、思い出として乗り越えていけるかもしれない
…でした。
リーディングの結果に、あの人は出てきませんでした。
私に縁のある方は数名、出てきましたが、あの人の一部もなく、ただ私が大切に想っていたという気持ちだけはリーディングできたそうです。
あの人とのつながりは全くもって、私の想いは一方通行……私の悪の循環(旦那のモラハラ)を断ち切るためだけに現れた人だったのでしょうか?
現在から未来を鑑てもらったから、あの人のことはもう過去だったのかもしれません。
大切に想う気持ちだけが残ったのでしょうか?
↑これは私の想像ですが、真実はあの人は何も思ってないから、カードに現れなかっただけなのかもしれませんね…。
小原さんにメールしました。
毎日は失礼だろうと思い、2、3日おきに…あいさつから簡単な日常のこと。
小原さんからは手術の無事成功と病院のベッドの上で退屈していること、陽子さんたちがお見舞いに来たことが送られてきました。
お見舞い…そうか!とも思ったけれど、陽子さんたちと一緒に行けたなら私も楽に行けたかもしれないけど、このところ、パートナーさんとしか話していて、姐さんには会っていませんでした。
私がどうしよう!?と思うよりも、メールしてみたら、それほどパニクることでもなかったなぁというのが感想です。
小原さんの退院は16日となり、土日は自宅で休み、19日から仕事復帰になりました。
私からのメールも16日の退院祝いの言葉を最後に終わりにしました。
1回につき1~2通程度のやり取りで、退屈しのぎになったのかは謎です(^_^;)。
何にしても、19日になれば小原さんが戻ってきます。
それは素直に嬉しかったです。
私の勤務日は(火)(木)(金)でした。
19日(月)から小原さんの復帰でしたが、(火)(木)と残念ながら、小原さんとはすれ違いも後ろ姿もなく、とうとう私の仕事が明日で最後になりました。
メールは送ってません。
入院のときのみと決めていたし、送らなくても上の階には小原さんはいます。
それだけで満足でした。
3月の出会いはこういうことだったのだろう…と小原さんと少しだけ仲良くなれたことに感謝しました。
とうてい、何も起こらないと思っていたのが、数十回ですが、小原さんとメールもできました。
こんな不思議な縁があるなんて、またタロットカードに出て、それをリーディングしてくれた占い師さんはすごいです。
当たった!ということですよね。
すごいなぁ☺✨。
私の仕事、最後の日…
私が仕事を辞めることは管理職とパートナーさんぐらいしか知りません。
来春も当然、だいたいの人たちがいると思われています。
そんな中の最後の日。
「寂しくなるわ」
パートナーさんが言いました。
この日は朝からバタバタしてました。みんな、忙しそう。
10時半過ぎから、偶然、小原さんたちと一緒の仕事になりました。
小原さんの復帰から初めて、小原さんに会いました。
足の痛みも取れ、普通に歩いています。良かった。
言葉は交わさず、会釈だけ。
元気な姿があって、それだけで安心しました。
ホールで今日は小原さんがピアノ伴奏するようです。
おおッ👀✨です(笑)。
最後の日に思わぬプレゼントをもらった気分でした。
ですが、ちょっとピアノの前に座って、少し弾くと落ち着かなそうに立っては、ピアノの周りを何やら探している様子…。
ホールから出たり入ったりとしています。
慌ただしい…。
パートナーさんも
「どうしたのかしら?」
と不服そう。
今日の日の準備を前からしていたし、小原さんにも頼んでいたみたいです。
私も小原さんのピアノが聴けるなら、落ち着いた雰囲気の中で聴きたい!
またピアノの辺りを見ている小原さんに
「何か探し物ですか?」
と声をかけました。
小原さんはいつもの落ち着いた様子はなく、ひどく慌てています。
もうすぐ催しが始まる時間…。
「ノートを探していて…今日のために楽譜を書き留めておいたのですが」
ノート…
ぱっと頭の中にイメージが浮かびました。
「青い五線譜ノートですね。準備室とか見てきます」
小原さんがびっくりした顔で私を見ました。
「?。探してきます」
私は階段を駆け上がり、小原さんの仕事場と準備室をのぞきました。
準備室にはプライベートなものが置いてあり、普段は絶対、入りません。
ごめんなさいと思いつつ、机の上や本棚を探させてもらいました。
椅子にはいつかの肩掛けバッグと上着。
小原さんの性格なのでしょう、私には真似ができないくらい、きれいに書類も私物も整理整頓されていました。
そんな中に書きかけの便せん、お昼のサンドイッチ、コーヒーのマグカップ…何だか見てはいけない小原さんのプライベートゾーンにドキドキしてしまいました。
じゃ、引き出し?と思いましたが、そこまではさすがに失礼なので、止めました。
準備室を出て、仕事場をもう一度ぐるりと見渡すと、観葉植物が置いてある出窓のところに空色のノートが目に止まりました。
あった!
中を確認すると、五線譜に音符♪が並んでいます。
私はまた走ってホールに戻ると、みんな椅子に座り、もう少しで始まりの時間でした。
入り口の扉を静かに閉め、小原さんにノートを見せました。
うんと頷いたので、そっとピアノに近づき、小原さんに渡しました。
「ありがとう」
それから間もなく、催しが始まり、小原さんも気持ちを整え、私もその場にいたみんなも聞きほれてしまうくらいの演奏をしてくれました。
バタバタはしましたが、やはり、私には最後のプレゼントになりました。
この日は私はお昼は食べずに帰る日なので、管理職とパートナーさんに最後のあいさつをしました。
「4年、ご苦労さま」
「いっぱい助けてもらったわ。ありがとう」
私も
「お世話になりました。ありがとうございました」
一礼をして、4年いた場所を見渡して…ほとんどの人はまだ忙しく動き回っているのでいません。
それから職場を後にしました。
これで終わりです。
それからは早めの休みをもらった感じで家でゴロゴロ…。
普段、忙しさにかまけて、サボっていたクローゼットの整理や部屋の片付けをして過ごしました。
子どもたちも春休みになり、早めに咲いた桜の咲く公園で遊んだりしてます。
どこかに行く予定は立てず、私は新たな就活活動を始めなければなりません。
この歳で転職…よく考えるとあまりにも無謀でした😭。
春の暖かな季節に合わせかのような小原さんとのちょっと嬉しかった出来事。
何も起きないと思っていた3月の出会いまたは佳いこと…ほんのりと幸せなものを運んでくれました。
あの人のことは…小原さんのことがあって、、、忘れて……
いっていいんだと……。
その日は何となく予感がありました。
ゆっくりと掃除機をかけながら、壁のカレンダーを見つめ、何度見ても変わらない、今日の日にちに少しため息が出ました。
ひと通りの家事を済ませ、携帯を持ち、ソファに座ります。
メール画面を出しては消し、なかなか思いが定まりません。
そうこうしているうちにお昼。
外に遊びに行っていた子どもが
「お腹すいたー」
と帰ってきました。
簡単にお昼を作りながら、
「お母さん、午後から買い物に出るね」
今日はちょっとだけ、時間をちょうだい
「いいよ。また遊びに行ってくるから。何時くらい?」
「うーん、出る時間にもよるけど5時くらいかな」
テーブルに炒飯とスープを出して、私も一緒に食べました。
後片付けを済ませ、ドアの閉まる音を聞きながら、私はまたソファに座りました。
メールを1件、送信。
ふぅと息を吐くと、あとは携帯を放り出し、テレビをつけました。
画面に映し出される映像が面白いわけでもなく、場面の切り替わる様子をぼんやり見てました。
私はコーヒーを淹れに立ち上がりました。
15時過ぎ、私はある駅前にいました。
誰かと待ち合わせなんて、久しぶりです。
特に話もなく、急な用事があるわけでもなかったのですが、何となくの予感があって…。
こうして、待ち合わせをした相手が来るのを待っています。
ちょっと元気な姿が見たくて…は言い訳でしょうか?
駅からその人が出てきて、私を見つけて、優しく笑う…それだけで私はもう満足でした。
もうほとんどの私の気持ちの目的を達したようなものなので、その後、どこかに行く予定はありませんでした。
「え、と…コーヒーでも飲みませんか?」
美味しい珈琲を掲げた看板がその人の後ろに見え、私はお誘いしました。
落ち着いた雰囲気の店内と座ると身体が沈んでしまうような一人掛け椅子に腰かけて、2人ともオリジナルコーヒーを頼みました。
「元気そうで、良かったです」
何となくソワソワして、つい口調が早くなりました。
「病院、どうでしたか?」
いい香りのコーヒーが運ばれてきて、私は砂糖とミルクを入れました。
甘々が好きならカフェオレでも良かったけれど、ね。
「術後の経過も順調で、もう運動してもいいって言われました…入院中のメール、ありがとうございました」
小原さんがゆっくりコーヒーを飲み、静かに置いて、
「仕事、辞められたのですね。知らなかった」
小原さんにまっすぐに見られると、私は目をそらしてしまいました。
私は照れか恥ずかしさか気まずさか…小原さんは視線を外します。
「何も言わないですみません」
私は頭を少し、下げました。
「まだまだ一緒に仕事ができると思っていたから、残念です」
小原さんにそう言われて、私はぽわんと身体が熱くなりました。私も続けられたらと思ったけれど、事情があり、、、小原さんもそれを分かってのセリフ。
だけど心が揺れます。
私はそれを隠すように甘いコーヒーをまたひと口と飲みました。
「あの、瀬田さんに聞きたいことがあります」
私がコーヒーカップを置くと、小原さんは尋ねてきました。
「ノートを探してもらったときどうして“青い”ノートだと分かったのですか?」
え?
私は質問の意味が分からず、首をかしげました。
「あのノート、退院した後に買いました。それでずっと自宅にあって、あの日に初めて持っていったものなんです。
あそこでは誰も見せてなくて…だから、瀬田さんがすぐに青いノートと言ったとき、びっくりしました。
どうして分かったのですか?」
青いノート…
「ああ!
あのときはイメージがぱっと浮かんで見えたんですよ」
「そういうこと、よくあるんです」
私は笑って答えました。
小原さんも笑っているのかと思っていたら、少し押し黙って、考え込んでいる様子。
変なことを言っちゃったかな?
そっとコーヒーに口をつけて、私は静かに小原さんを待ちました。
小原さんもひと口。
ゆっくりコーヒーカップを戻すと、おもむろに話をし出しました。
「変なことを言うかもしれないけど、引かないでください」
小さな咳をして、
「どうして、ぼくの思うことが分かるんですか?」
小原さんのあの見透かされてるような目に、私は背中がゾクゾクッとしました。
「え?ありますよね。
ほら、夜に食べたいなぁと思ってたら晩ご飯に出たとか…そんな感じですよ」
私はちょっと笑ってみたり…。
「青いノートのこと以外でも、足を痛めていたときのパイプ椅子や入院中のメール、今日のメールも…ぼくが願ったことをまるで心の声を聞いたみたいに」
「えと…」
だけど、ホントに偶然なんだけど、どれも小原さんは願ったことなの?
私は困って、黙ってしまいました。
困る?
戸惑う?
私からメールしたのに?
元気な姿と少し話ができたら…とそれだけだったんだけど
「瀬田さん、今日は嬉しかったです。そのことも聞きたかったけれど、もう少し話がしたかったので」
小原さんはさっきまでとは違い、優しく笑ってくれました。
私は小原さんに惹かれたところがあったのは確かだと思います。
だけど、それはあの人を想う気持ちとは違いました。
小原さんとこうして2人で仕事以外で話していると、何とも落ち着きません。そわそわしてしまいます。
何かのきっかけがあれば、胸のざわつきもなく話せるのでしょうか?
「小原さんは何となく気になる存在でした」
私は素直にそれを口にしました。でも、すぐに恥ずかしくなり、下を向き、困ってしまい苦笑いです。
指先をさすり、腕時計を見ると1時間は過ぎていました。
「あ、時間」
私は顔を上げ、小原さんを見るとその人はただ優しく、優しく微笑んでいました。
私はドキッとして、また目を伏せてしまいました。
「同じですね…じゃ、そろそろ出ましょうか」
小原さんが先に立ち上がりました。
会計で私も同じようにコーヒー代を出し、店を出ました。
さっきの落ち着いた店内と違い、駅前とあってたくさんの人が行き交います。
それが賑やかなネオンサインに感じ、私は少しめまいがしました。
私は小原さんに気付かれないようにしっかり立ち、ここでと言いました。
「じゃ、ここで。今日は急にすみませんでした。ありがとうございました」
おじぎ…小原さんも軽く頭を下げて、
「こちらこそ、ありがとうございました。…あの、瀬田さん」
「はい?」
肩掛けバックをかけ直し、小原さんはいつもの癖、遠くに視線を流して沈黙…。
私は惹かれていたはずなのに…
2人で会って話をするだけでも
緊張して、一緒にいる嬉しさを喜べず、そわそわと落ち着かなくて。
後ろめたさや罪悪感より、小原さんとこれからも2人で会いたい気持ちがなくて…。
…何なんだろう?
心の寂しさが埋まらない。
小原さんはそれ以上は何も言わず、また仕事場の方に顔を出してくださいと言ってくれました。
「…じゃあ」
小さくうなずいて、私は歩き出しました。
人を惑わすような逢魔が時…夕刻の街の灯りがポツポツとつき始め、行き交う人たちの様相も変わり…。
そこから別々の帰り道…泣くのは違うと思って、ただ前を見て歩きました。
会いたくなったら会っていい?
話したくなったら話がしたい…
メールしていい?
何か言葉はあったのかもしれません。
だけど、それらの言葉がふさわしいようには思いませんでした。
私は新しい恋や新しい出会いが欲しかったんじゃなくて、新しい変化が欲しかったのかもしれません。
あの人を長く深く想いすぎて、他に目が向かわなかった…
信じたいことを信じて
思いたいことを思って
他に何かあることに気が付きもしなかった
自分で周りに壁を作り、あの人を想い、信じてきて…誰もいない世界で私ひとりで、寂しくなってきていたのでしょう。
こんなに長く立ち止まって、私の中の時間が少しずつ、動き出して、その壁を壊そうとするきっかけが小原さんだったのかもしれません。
きっかけは小原さんのこと…。
また長い時間をかけ、惹かれたものですね。
だけど、小原さんのこと、心底、好きにはなれませんでした。
好きで好きでたまらなかったら、もしかしたら、小原さんの言葉に嬉しく、うなずいていたと思います。
私の願っていた出会いですから。
でも“恋”にはなりませんでした。
だけど私はもう、あの人がいないとそこで身体を小さく抱えて震えてはいません。
立ち上がって、ただの一歩を踏み出そうとしています。
3月の出会い…タロット占いは当たったのでしょうか?
外れたのでしょうか?
あの人以上の人は私の心にはいません。
それははっきりしました。
私の時間薬はとても時間がかかります。
だからまた優しく笑う小原さんと話がしたいと思うかもしれません。
小原さんは優しいから…メールをしたら、返信はちゃんとくれそう。
あの人はメールをしても、返信はなく、もう1年が経ちます。
“ちゃんと返信がある”
それはとても安心できます。
一方通行のメールはいろんな憶測とネガティブさと疑心暗鬼になり、寂しくなるだけ。
あの人の精いっぱいだったとしても、私は“何をしているんだろう?”と虚しくなります。
会うことも話すこともない人、手が届きそうなところにいる人
私は何がしたいんだろう?
自分に素直な気持ちになれば、私は……。
私は……、
あの人に会いたい。
前みたいに、隣で話をする時間が欲しい。
あの頃のように、ただ笑って、数分でも一緒にいた時間。
あなたのことを何も知らないで、だけど、心地いい満たされていた時間。
そんな時間(とき)が欲しい。
タロット占い、、、
1月にリーディングしてもらったとき、新しい出会いにワクワクしました。
私にとって佳いこと、ありましたね。
小原さんに出会えたこと、優しく私に接してくれたこと、また会えたらと言ってくれたこと、
本当に嬉しかったです。
ありがとう。
私には再び、会いたい人がいます。
もし、そのときが来たら、私はスカートの裾をひらりとさせて、
「初めまして」
とあの人の前に現れましょう。
それがいつになるか分からないけれど、
もう一度、あなたにめぐり逢いたい。
【完】
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