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夕焼け空と想い

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匿名
13/03/12 12:29(更新日時)

私の隣の家に祖母ちゃんの従兄一家が住んでいる。
そこの家の親戚のお兄ちゃんやお姉ちゃん達と幼い頃から遊んでくれていた。

「只今!」
小学生の頃、私達は宿題を早く終わらせると、兄弟揃ってかずにいちゃんの所へ駆け出した。
「おかえりー!遊ぶか!」
そんな私たちを笑顔で迎えてくれた。
鬼ごっこ、サッカー、野球、たまにおじちゃんも一緒に遊んでくれた。
他にも焼き芋やバーベキュー、花火も。
そうそう、二階のお兄ちゃんの仕事場にしている建物から、かずにいちゃんが上からコーラやヨーグルトを落とし下の窓の外にいる私達兄弟が口を開けて食べられるか?
だ何てアホな事をしていたな。
他にも笑えるオフザケもあったりした。
今思えば阿呆みたいだけどあの頃の私達は楽しくてかずにいちゃんやお姉ちゃん達が大好きだった。
それは今でも同じ。

だけど…そんな楽しい日々は続かなかった。
あの日は綺麗な夕陽が出ていた。
何時も通り遊んでいて、仕事からお母さんが帰ってきて家に帰る時間だった。
綺麗な夕陽に照らされているかずにいちゃんを見た時、不思議なことに「もう二度とかずにいちゃんに逢えないかもしれない。」
そう思い胸が苦しくなり不安になった。
「かずにいちゃん明日も私達と遊んでくれるよね?どこも行かないよね?」
涙混じりに言う私にお兄ちゃんは優しく笑い言った。
「大丈夫…何処も行かないよ。明日も栞達と遊ぶから!明日はお母さんとお出掛け何だからうちに帰ってご飯食べて寝なさい。明日帰ってきたらお兄ちゃんと遊ぼうね。」
…優しく笑うかずにいちゃんの笑顔は何処か悲しい雰囲気だった。

次の日、四歳の頃からてんかんになり私は通院をしていてその日も脳波の検査をしていた。
眠りながら検査をするのだが、夢を見たのは後にも先にもその日だけだった。
夢の中で私は真っ暗な所にいた。やがてかずにいちゃんの姿を見つけ声を掛ける。
だけど…かずにいちゃんは何故か死装束姿で私の方を振り向くと優しく笑いバイバイ…と手を振り、光の中に消えて行った。
その時のかずにいちゃんの顔は悲しい顔をしていて私も悲しくなってしまい行かないで!と泣いてしまった。
…そこで目が覚め検査が終わる。
私の目には涙が浮かんでいた。
お母さんの所に向かった。
暫く本を読んでいると、お母さんの携帯から祖母ちゃんから電話が来た。
因みに、お母さんは病院に居るときは必ず電源は切ります。その時も切っていたのを私も確認しました。
電話ボックスから出てきたお母さんは悲しい顔をしていた。
「栞…落ち着いて聞いて。今祖母ちゃんから電話でかずにいちゃんが亡くなったの。」
…と病院から出た後お母さんは私に告げた。

まだ幼くて人の死が理解出来ていなかった。だけど、棺の中のかずにいちゃんを見た時もう二度と会えないんだ…と思い悲しくなり泣いてしまった。
初めて感じた胸が割れる痛み、苦しさだった。中学生の頃にかずにいちゃんは病気ではなく自殺が原因だと知った。

…時期は丁度お彼岸。
今頃の季節になると毎年思い出す。
悲しくて涙も出るけど、あの頃の夕陽と同じ優しい笑顔の大好きだったお兄ちゃんが遺してくれた宝物。

No.1925341 13/03/12 12:29(スレ作成日時)

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