注目の話題
皆さんは精神科受診についてどう思いますか?
ディズニーの写真見せたら
妻の過去について

ビー玉

レス121 HIT数 40355 あ+ あ-

ass( 40代 53IEnb )
22/12/16 21:45(更新日時)

昭和42年、日本は高度経済成長期真っ只中、俺ん家だけは食うや食わずの戦後状態と何等変わらなかった。



そんな中、俺は8男1女の7男として誕生した。



これは、想像を絶する極貧一家真実の物語である。



No.1737720 12/01/23 15:59(スレ作成日時)

投稿制限
スレ作成ユーザーのみ投稿可
投稿順
新着順
主のみ
付箋

No.101 15/06/04 14:58
ass ( 40代 53IEnb )



フラッシュバックは
当事者に限られたものではない。


覚醒剤騒動に
振り回された
家族もあの時の
恐怖が鮮明に
蘇りずっと
苦しんでいるのも事実だ。



この苦しみは
お互い生きてる
限り続く。



だから殺すしか
ないんだと思う。


No.102 15/06/05 19:27
ass ( 40代 53IEnb )


拘置所から出て
先ず更生施設へ
面談へ連れて行くことにした。



2014年2月19日
まだ肌寒い時季
私は縋る思いで
そのマンションの一室のインターフォンを押すと目をギラギラさせ
病的な職員が
応対し、私に
同席されると
本人も話しづらいと思うので
外で待つよう
指示された。



一体、どれだけ
待たせたら
気が済むのだろう。
そう苛々しながら
寒空の下2時間程
経ち、後方で
ガチャッとノブが
回る音に素早く
反応すると
A4サイズの封筒を
持ち、にこやかに
アホが出て来るのが見えた。



何か覚醒剤から
解放される
助言は貰えたのかそう私が
慌てて尋ねると
覚醒剤使用時の
思い出話に
花が咲きお互い
虫が湧いただけ
やと言われ
肩を落とす。



その職員も
元薬物依存症者で
過去に覚醒剤を
使い自慰に
耽る日々を過ごしていたこと。



現在はNAに通い
ながら、こちらで
カウンセラーを務めて
おり、あなたも
NAへ通うよう
強く勧める。
それだけの面談
だった。



No.103 15/06/06 18:15
ass ( 40代 53IEnb )


NAへ通い内省
出来れば、シャブと
縁が切れるの
ではと思い
アホに勧めると
「あかんて
ただの情報交換の場になるかも
しれんとこに
行ったらそれこそ虫が湧いて
直ぐ買いに
走るから
止めとくわ。」



まだ、こういった
考えを持ってる
内はまたシャブに
手を出す。



有識者から
指摘を受け、その
通りになった。



2014年5月29日
アホはまた、シャブを
買いに行った。



No.104 15/06/06 18:46
ass ( 40代 53IEnb )


雇い主から10万円前借りをして
朝早く西成へ
向かった。



そして6月1日
午前0時すぎ
自宅へ連絡が
入り、数時間後
腕に注射痕を
つけ戻って来た。


呂律が回らない
ことを覚られ
ないように
喋るから余計に
聞きづらく
そして、唇が乾く
せいで何度も
舌舐めずりを
繰り返し
やたら
お茶をガブガブ
飲む。



そして、目を
ギラギラさせ
食い縛る動作を
止めない。



警察に通報するぞと言う第一声に
とても怯えた。



「もう2度とシャブに
手を出さへん
から、今回だけは
見逃してくれ。」



説得力のない
その場しのぎの
嘘に私は
だったら死ねと
答えた。



No.105 15/06/06 22:43
ass ( 40代 53IEnb )


折角見付けた
職はたった
2ヶ月半で失った。



家に戻り4日間
泥のように
眠り続け
睡魔から漸く
解放されると
次は現実問題と
向かい合う
振りをする為に
ハローワークへ
足繁く通った。



端末機の前に
座ってるが
心ここに在らずで周囲の時化た
面を見てると
こっちまで
憂鬱になる。



とにかく体が
怠い何もしたく
ない。



一時の快楽を
得る為の代償は
かなり大きい。



でも、その快楽を
覚えると
俺じゃなくても
人は再び
求めるんじゃないだろうか。



シャブは本能に
絡み付き
理性なんて
遥か遠くへ
追い遣るのだ。



そして、6月も
あと数日で
終わろうとして
いた。



No.106 15/06/08 13:43
ass ( 40代 53IEnb )


7月の初旬
衛生設備の
仕事をハローワークで
見付けた。



これまで
建築関係に
従事していたが
年令のせいで
面接を
断られたり
応募をすれば
空求人だったり
散々な思いを
した。



連絡を入れると
先方が
面接を快諾して
くれたので、早速
指定された場所
まで向かった。



すると薄汚い
格好の俺より
遥かに若い男が
自転車に跨がり
近所の焼き鳥屋で面接をするから
ついて来る
ように言った。



この時点で
嫌な予感がした。しかし、仕事が
なく切羽詰まった俺は黙って
付いて行くしか
なかった。



  • << 108  誤字の訂正  年令→年齢 失礼致しました。

No.107 15/06/08 18:46
ass ( 40代 53IEnb )


結論から言うと
何もかも
最初から嘘で
塗り固められた
面接だった。



勤めて1週間
俺の忍耐力が
乏しいのか
それとも
こいつ達が
人並み外れた
非常識なだけ
なのか、考えに
考えぬいた結果
2カ月後、俺に
とって楽な結論を出した。



給料を貰ったら
シャブを買いに
行き、そのまま
辞めてやる。



よし、あと数日の
辛抱やと思うと
ウキウキしてきた。



No.108 15/06/08 19:27
ass ( 40代 53IEnb )

>> 106 7月の初旬 衛生設備の 仕事をハローワークで 見付けた。 これまで 建築関係に 従事していたが 年令のせいで …


 誤字の訂正


 年令→年齢


失礼致しました。


No.109 15/06/08 20:43
ass ( 40代 53IEnb )


シャブを買いに
行くと目論んだ
時から様子は
おかしかった。



無断欠勤を
繰り返し
何かしらこちらに因縁を
吹っかけ激昂を
繰り返す。



そして買いに
行くまで
我慢が
出来なかった
のだろう。



針に見立てる
物で注射痕と
思しき
ものをつけ
欲求をごまかし
始めた。



こうなると
もうシャブのため
なら、どんな嘘を
吐いてでも
買いに行く。



これまでも
これからもずっとそうだろう。



No.110 15/06/09 18:59
ass ( 40代 53IEnb )


2014年10月5日
午前10時頃
ケーキ屋の前に
突然、路上駐車を
すると、ここで
待ってるから
ケーキを買って
来たらええやんと言われ、それに
従ったのが
間違いだった。



「あんたも一緒に
行こうや。」と
声を掛けたが
その日は珍しく
俺はここで
待ってるからの
返事に何の
疑いも抱かず
直ぐ戻るから
と言い残し
店内へ向かった。


そして、ウキウキ
しながら、ケーキを
片手に戻ると
僅か十数分間の
内に携帯電話
だけを残し
車の中は蛻の殻になってた。



さっき辞めた
職場の事務所に
腰道具だけでは
なく、給料も
貰っていたんだとその時、気付いた。



しまったシャブを
買いに行く。

私は慌てて
西成へ
車を飛ばした。



No.111 15/06/09 19:37
ass ( 40代 53IEnb )


西成へ到着すると通称センターと
呼ばれるハローワークの傍に車を停め
売人がいつも
立ってる場所へ
走った。



しかし、アホは
見当たらない。
電車でこちらに
向かってるのか
徒歩で向かって
るのか見当が
つかない。



また、センターまで
とぼとぼ戻り
暫く考えたが
放っておくこと
にした。



これで職務質問をされたら
今日中にパクられ
家に連絡がある
だろう。



とにかく今は
為す術がないので已むなく一旦
家に戻った。



No.112 15/06/11 21:53
ass ( 40代 53IEnb )


それから1週間
10月12日まで
音沙汰なしだった。



とうとう失踪したと諦めかけてた頃19時すぎに
公衆電話から
消え入りそうな
掠れた声で
四国まで
出張に行ってたと嘘の連絡を
入れてきた。



所持金が数百円
しかないので
電車賃もなく
帰れない。

どうやら給料を
1週間で全て
使い果たした
ようだ。



自分で稼いだ
金だ。だから好きに使えばいい。



覚醒剤常習者は
手持ちの金を
全て使い果たす
と、家に帰りたいと泣き言を言ってきた。

勝手なものだ。
それが
薬物依存症と
いう病気なんだと家族会で
教わったが
ボロボロになった
私の心は
簡単に許すことを激しく拒んだ。


No.113 15/06/14 08:29
ass ( 40代 53IEnb )


苛々が治まらず
止めていた酒と
精神安定剤を
飲んだ。



そうすれば
眠れると考えたが気持ちが
昂ってるせいで
眠気は全く
起こらず
それどころか
怒りの感情を
通り越し殺意が
湧いてきた。



電話を切ってからどれぐらいの
時間が経ったの
だろう。



玄関から音がしたので、ゆっくり
そちらへ
目を遣ると
アホが憔悴した
面持ちでぼぉー
っと立ち尽くしていた。



私は、その姿を
見て一瞬ぎょっとした。



No.114 15/06/14 23:12
ass ( 40代 53IEnb )


明らか覚醒剤を
使用していたと
その風貌が
物語ってた。



詰問を始めると
激昂し、また暴れだす。



これまでの
価値のない
数多くの経験が
苛立つ私を
黙らせた。



放っておくと
黙って風呂場へ
行った。
そう、ポン中独特の臭いがする
汗を洗い流すために必ず直ぐ
シャワーを浴びる。



1週間もの間
出稼ぎご苦労
やったねと
声を掛けると
疲れたから
取り敢えず
寝かせてくれと
言い、数十分も
しない内に掃除
をしている
風呂場まで
豚の断末魔の
ような鼾が
聞こえてきた。



No.116 15/06/17 21:56
ass ( 40代 53IEnb )


10月14日痺れを
切らすと
アホに詰め寄り
覚醒剤を使い
金がなくなった
から、のこのこ
戻るとは一体
どういう了見だ
この恥知らずが!と言い放つと
暴れだした。



俺はシャブを
やってないって
言うとるやろが!と喚きながら
手当たり次第
家具や襖を
蹴り倒した。



家財を一切合切
破壊されては
堪らない。



子機で110番に
通報しアホに
気付かれない様
子機を通し
ポン中が喚き
散らしている
様子を実況し
後は、逆探知で
警察が駆け付けてくれるのを
待った。



No.117 15/06/22 15:04
ass ( 40代 53IEnb )


数十分後
けたたましい
サイレンが聞こえて
きた。



通報したことに
気付くと
俺を売るような
真似をしやがってとポン中は、喚き
散らし更に暴れ
だした。



インターフォンがなると
玄関ドアの方へ
互いに目を遣った。
そして、束の間の
沈黙を破ると
ドンドンと激しく
扉を叩き
巡査が何度も
大声で名前を
呼び扉を開ける
よう命令した。



ゆっくり扉を
開けると
招き入れても
ないのに数人の
内の巡査が
玄関の
たたきまで1人
入って来た。



在り来たりな
職務質問を
受けていると
ポン中が突然
背後からやって
来て、にこやかに
応対し、ただの
痴話喧嘩扱いに
された。



何度も目配せを
送ったが巡査は
ポン中の言い分を
全て信用し
こちらからの
SOSは見過ごされた。



巡査達が一斉に
引き上げると
ポン中は
再び私が通報するのを恐れ
家を飛び出した。


ぐちゃぐちゃに
なった部屋で
私は、一頻り
泣いた。



No.118 21/02/05 21:00
ass ( 50代 53IEnb )

令和2年1月22日から29日迄、20万円を
前借りし、その上仕事を休み
シャブの売人を探し続けたが、見付からず
断念する。

5年と半年の間、辛抱したようだが
あんたが死ぬまで、その誘惑から解き放たれる事はないんでしょうね。


No.119 22/12/12 11:34
ass ( 50代 53IEnb )


11月で覚醒剤から遠のき8年の歳月が流れた。しかし、相変わらず些細なことで激昂し、この間は顔面を粉砕骨折してやると息巻き、じゃあさっさと済ませてくれますかねぇと答えると、意味不明な言葉を喚き散らし不貞寝した。

覚醒剤を長期間使用していても本能だけは機能している。
他者を思いやる心なんて微塵もない。
私は確信している。覚醒剤を長期間使用した者は、その呪縛から解き放たれることはない。

No.120 22/12/15 18:10
ass ( 50代 53IEnb )

ある日の夜、ほこらしげに語っていた。
シャブに手を出したことがない奴等は、一見普通に暮らしているように装っているポン中を見抜くことはでけへんやろ?そやけど俺は絶対に見抜く自信があるねん。

頭の中は常に覚醒剤に占拠され、それに抗うのは、当事者でなく、家族である。
しかし、気付けば当事者もろとも底無し沼にずぶずぶ沈んでゆく。それが覚醒剤の恐ろしさであると、身をもって思い知らされた。



No.121 22/12/16 21:45
ass ( 50代 53IEnb )


あれは今から約14年前に、ひょんなことからお母ちゃんが独りで住むアパートに転がり込んだ。

それから、暫くして腎臓が悪かったお母ちゃんは入院することになった。
俺は兄弟とはシャブが原因で疎遠になっていたので、隠れるようにお母ちゃんを見舞う毎日だった。

お母ちゃんは俺が焼いた卵焼きが食べたいとせがむので毎日、自転車の前籠に卵焼きを入れ、隣のそのまた隣の市まで全速力で走り、お母ちゃんに卵焼きを届けた。

お母ちゃんが相変わらずしんどそうに大好きな卵焼きを今日に限り1つ残すと、「ごちそうさん。残りはお前が食べ。」と言われ、俺は卵焼きを頬張りながら「明日も来るからな」と言うとお母ちゃんは、こっくり頷いた。

次の日、お母ちゃんの待つ病室に行くと、いつもいるはずのお母ちゃんの姿はなかった。状況を把握すると足早に病院を後にした。俺は泣きじゃくりながら
「お母ちゃん、ごめん。」と帰路についた。

そして、誰もいない部屋で一頻り泣くと、満面の笑みで写ってるお母ちゃんの写真を一枚だけアルバムから抜き取ると、兄弟達がこちらに来る前に行き先もないまま部屋の扉をゆっくり閉めた。


投稿順
新着順
主のみ
付箋
このスレに返信する

小説・エッセイ掲示板のスレ一覧

ウェブ小説家デビューをしてみませんか? 私小説やエッセイから、本格派の小説など、自分の作品をミクルで公開してみよう。※時に未完で終わってしまうことはありますが、読者のためにも、できる限り完結させるようにしましょう。

  • レス新
  • 人気
  • スレ新
  • レス少
新しくスレを作成する

サブ掲示板

注目の話題

カテゴリ一覧