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きら( ♀ sdWbi )
12/06/10 20:59(更新日時)

当時は地獄だった…



今はその当時を思い出しても、怒りや憎しみ、それと負の感情は沸かなくなった



裏切られ続けた馬鹿な女の90%実話です。



駄文ではありますが良かったら読んで下さい。



どんな事でもコメント頂けるとありがたいです。

No.1711124 11/11/28 10:45(スレ作成日時)

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No.1 11/11/28 11:16
きら ( ♀ sdWbi )



この日私は直感した。






「うー今日は寒かったな」


そう言いながら帰宅した夫はストーブに張りつく。


小学6年の娘、怜奈に


「お父さん!寒いからストーブの前に立たないでょ」


「ちょっとくらいいいじゃんか、けちー。もう9時過ぎてるぞ。お子ちゃまは寝ろ寝ろ(笑)」


「お父さんなにそれ?モモヒキ?」


「そうだよ。外での作業は寒いからな」


「だっさ!オヤジくさーい(笑)」


「うっせーそんな事言ってっとー」と靴下を脱ぎ、それを怜奈の顔につけようとして「ぎゃぁー」と笑いながら逃げてる。


そんないつもの2人のじゃれあいを見ながら夫のご飯を温める私。

No.2 11/11/28 11:47
きら ( ♀ sdWbi )

「おとーおかーおやすみ」


怜奈は寝室に入り
夫はご飯を食べだした。



「やっぱだせーよな(汗)」


怜奈にオヤジと言われて
けっこうショックだったらしい


「決してかっこよくはないね」と笑いながら言う私。

「でも寒いんだからそんな事言ってらんないし見えないからいいじゃない」と続けた。



「せめて黒にしなよって言われたんだよなぁ」


「誰に?」

「中井」

「見られたんだ?(笑)」

「靴下上げる時チラ見された」


中井君は夫の部下で若いけどとてもしっかりしていてどんなに仲良くなっても公私混同せずに敬語で話す礼儀正しい青年。


夫はその人の口ぶりのまま話す人だから本当に中井君だったら


「黒にした方がいいっすよって言われちゃったよ」


なんだけど。




こんな小さな事から疑惑を持たれたなんて、この時の夫は夢にも思わなかっただろう。





ふーん…



やっぱあの女か。

No.3 11/11/28 12:00
きら ( ♀ sdWbi )



夫 和也 38歳
妻 涼子 39歳

長女 恵美 21歳
次女 怜奈 12歳


私は再婚で夫は初婚。

長女の恵美は私の連れ子。

怜奈は夫と結婚してすぐ出来た子でもうすぐ結婚13年目を迎える頃だった。

No.4 11/11/28 13:05
きら ( ♀ sdWbi )


食品の製造から仕分け運搬業務を経営する中小企業に夫は勤めており、夫の会社での位置付けは最高責任者でありいわゆる社長の右腕にあたる。


半年ほど前から業務拡大により取引先の運搬全般を請け負う事になって、そこの会社内の敷地に事務所を構えた。


軌道に乗るまでは
夫がそこで指揮をとる。


社員数名が毎日そこに荷物を積みに来て、積み込みから発注伝票に至るまで最初は夫と中井君の2人でやっていた。


仕事量が段々増えていき、終わるのが深夜や朝方にまで及ぶ事も多くなった為、人手不足により倉庫作業兼事務員として1人の人間が配属される。



西田由美 35歳 独身


それまで彼女は本社工場で仕分け作業をしていた。



後に、この女と修羅場を迎える事になる。

No.6 11/11/28 15:00
きら ( ♀ sdWbi )


「西田は本当によくやってくれる」


夫はよくそう言っていた。


男でも根をあげる過酷な業務が続く中、夜中や朝方までかかっても途中で帰る事はなくいつも最後まで手伝う。


「西田、明日も早いから今日はもう上がっていいぞ」と言っても

「所長!そんな言う暇あるなら1分でも早く終わらましょう!」


と嫌な顔ひとつせずに手伝ってくれる。


「あいつ休ませないとな」




この時だったらまだ間に合った?


ううん…違う



あの日曜日。



無理してでも行かせなかったら、こうはならなかったのかな…



その日から2人の関係が
急速に深まったのだから…

No.7 11/11/28 16:08
きら ( ♀ sdWbi )



「なにこれー!おとーへたすぎ(笑)」


「うるせーお父さん本気出すと凄いんだぞ!ドラえもん書いてやる!」


「だめだよ!「た」から始まるの書かなきゃでしょ!」


金曜日の夜。


夫は久し振りに早い帰宅で怜奈と絵描きしりとりで遊んでる。


全くもって絵心のない夫は書く度怜奈に爆笑されて、自分でも大ウケしてた(苦笑)



長女の恵美は仕事帰りに、ほぼ毎日彼氏宅に寄ってから帰宅するから帰りが遅い。



夫は連れ子の恵美も自分の子の様に可愛がり、怜奈が産まれてからも分け隔てなく接し子煩悩な人ではあった。


怜奈が

「お父さん日曜日どっか行こ~!」


「今週お父さん仕事なんだよ。ごめんな。でも怜奈、来週は出かけような」


「えーつまんないのぉ」


ガッカリしながらも誰が見ても猿とすぐわかる絵を上手に書いてる。



「日曜日仕事なの?」


「中井と仕事で使う道具なんかを買いに行かなきゃなんなくてさ」


「道具?会社で注文じゃなく、わざわざおとーが買いに行くの?」


「細々したのもあるから、見に行こうと思って」


と、私から目を外し煙草に火をつけてる。



「早く!次おとーが書く番だよ」と怜奈。


「犬だろ」



「ちがーーう!「さ」から始まるのになんで犬なの!それに口で言わないで絵で書かなきゃだめでしょ!」


「わりぃわりぃ」


「早く早くー」





この時行かせなければ、今また違ってたのかもしれないね…

No.8 11/11/28 20:31
きら ( ♀ sdWbi )

日曜日の朝


ベッドの中でまだボーッとしながら二人で煙草を吸ってた。


「あ~めんどくさくなってきた。やっぱパチンコしてる方が良かったな。ふわぁー」と、大あくびしながら言ってる。


「会社から頼めばいいんじゃないの?休みなんだし、ゆっくりすればいいじゃん」



「やべ…マジでパチ行きてぇ」



夫はパチンコ好き


たまに夫婦で行く事もある。


最近は多忙で全然行けなかったパチ好きの虫が今ちょっと騒ぎつつある夫。



~♪♪♪


受信メール。



その虫は即消え去った。



身支度を済ませた夫が玄関で「んじゃ行ってくるよ」とチュッ。


行ってらっしゃいのキスは未だにしてる私達だったけどこの時の夫の心理は一体どうだったのか今でもわからない。


恐らく夫自身、今後の展開をこの時は想像すらしてなかったんだと思う。



実際、私もまだこの時は
半信半疑ではあったから。

No.9 11/11/29 08:04
きら ( ♀ sdWbi )


『俺について来い』


『俺様』タイプが
私は昔から好きだった。


夫もそのタイプ。
そして行動力もある。



最初、その行動力に
シビレさせられた。



出逢って2ヶ月で入籍というスピード婚の私達。


付き合って1ヶ月過ぎた頃私と長女を自分の両親に会わせ結婚を納得させた。


そこからの彼の行動は早く長女に不便がないようにと小中学校がすぐ近くにあって、3人で生活するのには充分すぎるほど広い間取りのマンションを借りた。


「恵美、春休み終わったら学校変わっちゃうけどごめんな」


「めぐ、ここの広いおうちがいいー!ほらすぐそこにブランコもあるよ!!」


「恵美、乗りにいくかー」


「うん!!!」


新しい場所に恵美は興奮してて夫と楽しそうに会話をしてる。



時季は春。


まだ慣れない苗字を言うのが気恥ずかしくもあり幸せでもあり。


夫と私と恵美。


家族となり、幸せいっぱいで結婚生活をスタートさせた。

No.10 11/11/29 08:27
きら ( ♀ sdWbi )



結婚して半年ほど経った頃私は妊娠した。


夫はすごく喜び
私も嬉しかった。


お腹が大きくなる度に幸せな気持ちも大きくなっていった。


夫と恵美はお腹の赤ちゃんに毎日話しかける。


「男の子かなぁ女の子かなぁ…恵美はどっちがいい?」


「めぐねー妹がいい!」


「お父さんは男の子がいいな」


「え~めぐ女の子!」


「恵美が女の子だから次は男の子がいいじゃん!」


「お父さんが男の子だから女の子がいいの!」




愛する人の子供を産む幸せ。


女性に生まれて良かったと心から思える。



今思えば…



この時が



幸せの絶頂期だったね。

No.11 11/11/29 09:37
きら ( ♀ sdWbi )


夫は今までに何度も浮気してきた。


だいたいは風俗やキャバ嬢といった店の女の子。


それがことごとくバレて
逆に可哀想なくらい(笑)



私はそれだけ夫の事をよく見てたんだと思う。




初めての浮気は怜奈が産まれてすぐの頃だった。

No.12 11/11/29 10:11
きら ( ♀ sdWbi )


その当時、今の夫と同じ立場になる上司がいた。


河原崎さん 34歳


河原崎さんを含む、会社の連中何人かと飲みに行った帰り、河原崎さんのおごりで風俗に。



帰宅した夫に今までとは違う何か違和感のようなのを感じた。


いや…直感だったのかも。


いてもたってもいられず、悪いとは思ってもお風呂に入ってる夫のケータイや財布を見ずにはいられなかった。


財布から、いかにもって感じの名刺が出てきて、場所も今日飲みに行った所のすぐ近く………



一気に怒りのボルテージMAX!



本当に良い上司なら、子供産まれたばかりの部下に早く帰るように言っても風俗おごるなんてありえない!


信じられない!


汚い!最低!


嘘つき!!!



初めて見せた私の般若の如き形相に夫は平謝りだった。


悔しかった。


悲しかった。


約束したじゃん…



No.13 11/11/29 10:36
きら ( ♀ sdWbi )



私は前に結婚に失敗している。


それも二度…



最初の結婚は高校の時付き合ってた5歳年上の仁志。


大好きで大好きで
いつも一緒にいたかった。


高校なんか辞めて今すぐにでも一緒になりたくて仕方がなかった。


そんな時、恵美を身ごもった。



絶対に産む。


仁志も同じ気持ちでいてくれた。


何の迷いはなかった。


親の反対を押しきり入籍。


仁志22歳 私17歳


一緒になれた事に感涙し、若い夫婦は永遠の愛を信じて疑わなかった。

No.14 11/11/29 11:03
きら ( ♀ sdWbi )



恵美が産まれて1年ほど経った頃、仁志の帰りが遅くなる。


その時は仕事で忙しいとしか思ってなかった。


今夜も仁志はきっと遅いし恵美はバーバが連れてちゃったし、たまには真紀の所でも遊び行こうかなぁ


高校の友達と2~3時間喋ってこよ~っと。


原チャを走らせ真紀んちに向かった。





あれ?



田舎の夜は真っ暗だけど、仁志の車は色々イジってあって遠目で一瞬だったが、ライトの光ですぐわかった。



今日は早かったのかぁ

ん?

でも方向ちがくない?

そっち墓地で行き止まりじゃん



どうしたんだろう?



何の疑いもなく私は仁志の行った方向に向かった。

No.15 11/11/29 11:14
きら ( ♀ sdWbi )


墓地の入り口から中を見渡すと、奥の駐車場に仁志の車は停まってた。


でもエンジンは切ってて薄暗い外灯で辛うじてわかる程度でほぼ真っ暗。




明らかにおかしい…


こんな所でエンジン止めて何やってんの?




この時、それがまだ何かわからなかったけど私は嫌な予感を感じてた。


No.16 11/11/29 11:31
きら ( ♀ sdWbi )


原チャを入口に置き、私は静かに静かに車に近寄って行った。


普段だったら墓地の中を歩くなど怖くてできないけどこの時怖さはひとつもなかった。


それよりも心臓の音が車の中まで聞こえるんじゃないかって方が怖かった。



死角からゆっくり近付いて行った。



これ以上近付いたらバレる位置に止まり、中の様子を目を凝らして見てみる。





…………………、



見えない(汗)






ん?


何か動いてる…?



まさか…………




デショ…?






私は意を決して
車の方向に歩いた。

No.17 11/11/29 11:48
きら ( ♀ sdWbi )


車の後方に着く。


10月も終わる肌寒い夜なのに体にじっとり汗をかいている。


スモーク貼りの窓で回りも暗いから、こんなに近付いても中が見えない。




車は動いてない。



でも…




変な声が聞こえる。




いや…



声とは違う…



別の何か。




運転席から中を覗いた。





私…



驚愕。

No.18 11/11/29 12:04
きら ( ♀ sdWbi )



助手席に蛙がひっくり返ったような格好をした女。



その両手は仁志の頭を押さえている。



仁志の頭は横だったり円を描くようだったり不規則な動きをしていた。



女の秘部を一生懸命愛撫してる自分の旦那…




今見てるのは、ここにいる自分ではなく、もう1人の自分がそれを見てるような感覚で現実感が全くなかった。






女と目が合う。

No.19 11/11/29 12:45
きら ( ♀ sdWbi )



目が合ったと言うよりも、覗かれてる事に気付き慌てて起き上がっている。



勿論、仁志も私に気付く。


目が皿の様になるとはまさにこんな顔だと思わせるような驚きぶり。



仁志の口の回りが光ってて気持ち悪かった。



ドンドンドンドンドンドンドン!



ドアは開かず運転席の窓を思いっきり連打した。



「開けろよ!!!」





ブォォーーン!



エンジンがかかる。



同時に物凄い勢いでバックしその場から走り去った。





「いったぁ…」



私は追いかけようとして、つまずき転んでいた。





なんでよぉ…




冷たい砂利の上でしばらく立ち上がれず、また溢れ落ちる涙を止める事も出来なかった。

No.20 11/11/29 14:29
桃ちゃん ( ♀ V0ljnb )

読んでいて胸が締め付けられます…続きをお願いします🙏

  • << 22 桃ちゃんサン コメントありがとうございますm(__)m 思い出しながら書いてるので話が前後したり読みにくい部分も多々あるかと思いますが今後もお付きあい頂けると嬉しいです😌 頑張って書きます😅

No.21 11/11/29 14:39
きら ( ♀ sdWbi )


そのまま仁志はいなくなった。


出勤もせず一ヶ月後に解雇。


親戚、友達、知り合い
あたれる所は全てあたった。


捜索願いも出した。



仁志は見つからなかった。




あの女と一緒にいるの?



私より好きになっちゃったの?



それとも何か不満あったの?


私が口うるさいから?


子供みたいなヤキモチ妬くから?


回りの友達は遊んでるのに自分は遊べなかったから?



本当はまだ結婚なんかしたくなかったの?



どうして!


どうして!


なんでなのよ!!!



泣き崩れる日々が続いた。





それから二ヶ月後



宛名も消印もない白い封筒に片方だけサインがしてある離婚届がポストに入っていた…



私は怒りや悲しみよりも、無事でいてくれた事に安堵してる自分に戸惑ってた。



だけど…



離婚届に書かれてる仁志の字を見てたらやっぱり悲しかった。



寂しくて

悔しくて

苦しくて



泣けた…



何が原因だったのかその時は知る術もなく、ようやく離婚届を出す決心がついたのはそれから3ヶ月後。





20歳になったばかりの寒い冬から季節は春に変わってて、恵美と2人、頑張って生きてく事を誓った日でもあった。

No.22 11/11/29 14:48
きら ( ♀ sdWbi )

>> 20 読んでいて胸が締め付けられます…続きをお願いします🙏

桃ちゃんサン

コメントありがとうございますm(__)m


思い出しながら書いてるので話が前後したり読みにくい部分も多々あるかと思いますが今後もお付きあい頂けると嬉しいです😌


頑張って書きます😅

No.23 11/11/29 15:16
桃ちゃん ( ♀ V0ljnb )

>> 22 お返事ありがとうございます🙏よろしくお願いします🙏

No.24 11/11/29 15:35
きら ( ♀ sdWbi )



特に資格がなく中卒の私が小さな子を抱えて働くには厳しい現実だった。


でも自分に誓ってたのは、夜の仕事だけは絶対やらない事。


職業差別をしているのではなく、自堕落になる自分が容易に想像できたから。


恵美の為にもしっかりした母として頑張らなくてはと昼間の仕事でなるべく収入のいい所にダメ元で面接に行きまくった(笑)



そこで決まったのが
建材屋の事務員。


正社員で手取り16万。


ちょっと厳しいけど、国の母子家庭制度をしっかり使わせてもらって親子2人で生活していけた。




まさかここで2回目の結婚相手と出会うなんて思いもしなかったけど。

No.25 11/11/29 16:09
きら ( ♀ sdWbi )



滝田健一 21歳 運転手


2番目の旦那となった人。


働いて1年近く経った時
健一に告白された。


なんとなくお互い『イイナ』と感じてたから、告白された時は嬉しかったし私達は付き合いだした。


最初はお互いの家を行き来してたけど、うちの方が会社から近いのもあり自然と健一が私の部屋にいる方が多くなってた。


恵美も『お兄ちゃん』ってなついてた。



元々独占的の強い私は健一の帰りが遅いと不安でたまらない。


またどこか行ってしまうのではないかと、いてもたってもいられなくなる。


何回もかけてしまう電話。


「もうちょっとで配車できるからすぐ帰るよ。変な心配すんなー」



安心する。



健一が私のわからない所で行動されるのが嫌で何から何まで聞かないと不安で不安でたまらなかった。



毎日洗脳するかのように、愛情の確認をする。




こんな自分が嫌で泣き、
更に泣いてる自分も嫌だった。


No.26 11/11/29 16:16
きら ( ♀ sdWbi )


「涼子」



呼んだ健一の顔は真剣で
なんだか怖かった。



「…なに?」





「結婚しよう」




付き合って2度目の夏が来る頃、私達は結婚した。



No.27 11/11/29 16:51
きら ( ♀ sdWbi )


「優ちゃん今夜ご飯食べにおいでよ」


「いいんですか?!でも、いつもご馳走になって申し訳ない気もしちゃいます」


「そんな事気にしないの!恵美も喜ぶし~その代わり手伝ってもらうよ!」


「はい!もっちろーん」



結婚後、事務の仕事は辞めパートでファストフードで私は働いていた。


そこで仲良くなった
松井優菜 19歳は、

親元を離れ1人遠い地に来て、いくつもバイトをかけ持ちしながら自分の夢に向かって頑張ってる素直でとてもいい娘。


独り暮らしだからカップ麺ばかりと言う優菜を、何度か夕飯に誘い、健一も恵美も優菜を半分家族扱いにするほど慣れていた。




「優菜!お前肉ばっか食ってないで野菜食えよ!」


「健一さんこそ悔しかったら人参食べてみそー」



今夜はお鍋。



こんな感じでまるで家族のように楽しい食卓を囲んでいた。




この時の私はとても幸せそうに笑ってたね。





寝取られるとも知らずに…

No.28 11/11/29 21:36
きら ( ♀ sdWbi )


健一は結婚する何ヵ月か前に建材屋を辞め、軽ワゴンに営業ナンバーをつけて、実質自営業という形で独立した。


元々健一の父親がそういった仕事をしてるので、そのツテもあり仕事は切れる事なく順調にいってる。


ただ仕事の時間が昼夜問わず不規則で、そこがちょっと不満だったけど頑張ってくれてる健一にそんな事は言えなかった。


ある会社から仕事が貰えるようになり出来高によっては今後専属でやらせてもらえるようになると健一は奮起し益々やる気満々で頑張っていた。


基本そこは昼間がメインだけど週に二度ほど夜間があった。


夜10時頃家を出て
翌日昼頃の帰宅。



「今日も夜間だから」


「え?また??今週4回目だよ」


「できる時やっておかないとよ。仕事薄くなった時大変だし」


「そうだけど…体大丈夫なの?」


「大丈夫だよ。
とりあえず寝とくわ」



そう言って寝室に行った。




いつもなら昼間でも私が休みで家にいたら自分が寝るまで一緒にベッドに入ってるように言うのに…



じゃれあったりキスしたりするのに…



今日は1人で寝室に入っていった。




疲れてるのかな…




無理やり自分にそう言い聞かせる。





変な胸騒ぎを感じた日。




どうか


気のせいでありますように




必死にそう願ってた…。


No.29 11/11/29 22:00
きら ( ♀ sdWbi )



「行ってくる」


「まだ8時だよ?」


「伝票まだ切ってなくて、やる事も一杯だから」


「…そうなんだ」


「ちゃんと戸締まりして寝ろよ」


「あ、うん。いってらっしゃい」



胸騒ぎを覚えてから
今日でちょうど一週間。


健一は相変わらず
『忙しそう』だった。




なんでそう思ったのかは、わからない。



一言で言えば『女の勘』


それに尽きる。



でも理由を強いて言うならば…



視線。



優菜の健一を見る視線に、直感的な物を感じた。



ただそれだけ…



私の勘なんてくそくらえ!




どうか健一の車が停まってませんように…




深夜1時、結菜のアパートに向かった。

No.30 11/11/29 22:19
きら ( ♀ sdWbi )


ドクンドクンドクンドクン。



心臓がうるさい。



ここを左に曲がれば
優菜が住むアパート。


道路に面して駐車スペースがあり、その脇に2台ほど車が停められる空地がある。



停まっているならその空地。




でも…



そこに健一の車が停まってるなんてありえない事。




私何やってんだろう…




健一は毎日夜中に頑張って仕事してるのに、こんな事する女房なんて最低だね。



ごめんね。健一…。




もうこんな事二度しない。




最後にする!




私はアクセルを踏みハンドルを左に切った。


No.31 11/11/29 22:58
きら ( ♀ sdWbi )



!!!!!!!





瞬時で激昂。




2階に駆け上がる。



何の躊躇もなくインターホンを
鳴らしまくった。



ピンポン!ピンポン!


ドンッ!ドンッ!



回りの迷惑を考える余裕もなければ完全に理性が吹っ飛んでた。



ピンポンピンポンピンポンピンポン




「はい」




インターホンから健一の声。




「何してんだよ!健一あんた仕事じゃなかったの!
開けなよ!!」



「……」




「ふざけやがって!開けろよ!!!」



ドンッ!ドンッ!ドンッ!




「警察呼ぶぞ」




「は?」




ブチ切れ。




ガンガンガンガンガン!!!



ドアを何度と蹴飛ばす。



カチャリ。



玄関が開いた。

No.32 11/11/30 14:20
きら ( ♀ sdWbi )



私は昔少々
ヤンチャな時期があった。



中2の時
彼氏と深夜のカーセックス
不純異性交遊で補導。



煙草。シンナー。暴力。家出。
etc…。



仲間内の何人か小遣い稼ぎでやってた売春。


ダンプの運転手相手に
当時で一回1万。



私はどんな悪さをしても
それだけは絶対にしなかった。



馬鹿でも好きな男には忠実で裏切る事はしたくなかったから。




ずいぶん昔の事だけれど、怒りで興奮状態がMAXになると、知らず知らずに当時の口調に戻るのは未だ難点である(苦笑)

No.33 11/11/30 14:51
きら ( ♀ sdWbi )



右手に小さなキッチン
左手にユニットバスの扉


正面、ワンルームの部屋はレースのカーテンで仕切られ暗い玄関から丸見えだ。



ほんの数秒の静寂。



この部屋の住人のすすり泣く声が聞こえてきた。



てめぇが泣いてんじゃねーよ!!



怒りで靴を脱ぐのも忘れ、土足で部屋に入ってく!



レースのカーテンを引きちぎらんばかりの勢いで開けた時、物凄い力で引っ張られ呼吸が出来なくなった。



「…く…」



健一が私を後ろから羽交い締めにして右腕は首を絞めていた。

No.34 11/11/30 16:07
きら ( ♀ sdWbi )



「いっ!」


その腕は容易に離れた。



暴れて健一の腕を噛みちぎんばかりの勢いで思いっきり噛んだ。



優菜はすすり泣きから
号泣に変わる。



敷かれたシングルの布団に
枕が2つ並べられていた。



その上に散乱している
情事の痕跡。




「なんなんだよこれ…」





フラッシュッバックした。



墓地での光景が甦る。



全身が震える。



鼓動が激しくなり
息苦しい…




助けて!


苦しい!


やだ!やだ!やだ!やだ!




突然の恐怖心。





落ちつかせようとテーブルにある健一の煙草を、震える手で取って吸い出した。




「ご…ヒック…ごめ…ヒックヒックなさ…」



優菜の泣き声に苛々した。




「いつから?」


健一に聞く。



「……」



「いつからなんだよ!」



「…二週間くらい前」



「なんで?」



「…った」



「あ?聞こえない!何?」





「好きになった」





私はこの時、どんな顔していたんだろう…。



全身の力が抜けていく。



また呼吸がしづらい。



何が起きてる……?




静まり返った空間に
優菜の嗚咽が響く。




耳を塞ぎたい。




「帰ろう…健一」




それが精一杯だった。

No.35 11/11/30 21:43
ユズ ( ♀ GN1Inb )

辛すぎる!その瞬間
あの気持ちは経験者にしか分からない。
頑張って!

  • << 37 ユズさんありがとうございます😌 何年経っても、辛い記憶は鮮明に覚えてるものですね⤵ 書いてて、その時の葉っぱの色や空気の冷たさまで思い出します😱 不快な表現があるかもしれませんが、これからも読んで頂けると頑張れます😅 コメントありがとうございました😉✨

No.36 11/11/30 22:08
きら ( ♀ sdWbi )



恵美が起きた様子はなく、眠ってるのを確認してドアを閉め煙草に火をつけた。



健一はソファーに座り険しい顔付きで煙草を吸っている。



「どうして?」



「……」



「私を馬鹿にしてんの?」



「……してないよ」



「じゃあなに?どうして
あんな事できんの?」



「………ごめん」



「あれがあんたの答えなんだよね?」



「……」



「黙ってちゃわかんねーんだよ!!」



我慢してた涙が一気に溢れ健一の上着を掴み激しく揺さぶった。



「なんであそこまでするんだよぉ…」



健一の上着を掴んだまま
項垂れ涙が止まらなかった。




ほんの30分前の事―ー




「ちょっと行ってくるよ」


「…ヒック…ウック…」



泣いてる優菜の肩を抱き、頭を撫でながら優しく言ってる健一。



「……」



私は金縛りにかかったみたいに、声も出なければ指先ひとつ動かす事が出来ないでいた。





!!!!!




目を疑った。



優菜にキスをしようとしてる健一。



私の目を気にしてか
それを手で防いでる優菜。



…………………………


……………………


……………



……私




…ミジメだ。

No.37 11/11/30 22:19
きら ( ♀ sdWbi )

>> 35 辛すぎる!その瞬間 あの気持ちは経験者にしか分からない。 頑張って!

ユズさんありがとうございます😌


何年経っても、辛い記憶は鮮明に覚えてるものですね⤵

書いてて、その時の葉っぱの色や空気の冷たさまで思い出します😱


不快な表現があるかもしれませんが、これからも読んで頂けると頑張れます😅


コメントありがとうございました😉✨

No.38 11/11/30 23:27
きら ( ♀ sdWbi )



「誘ったのは俺からで優菜はお前に悪いとよく泣いてたんだ。全部俺が悪いんだ…」



優菜を守る発言に
胸がえぐられる。



「悪い?優奈先週もうちでご飯食べてたよね?よく平気な顔でいられるよね!それで悪いと思ってるって?2人で私の事笑ってたんでしょ!馬鹿にすんな!!」




「今日の事で優奈に俺と付き合えないと言われても、俺は優奈を諦める事はできない。」





痛い…


胸が痛い…




声を振り絞る。




「…私は?

私はどうなるの…?」




「ごめん」





………ごめん?



ごめんで終わるの?



健一いなくなっちゃうの?


嘘でしょ…


やだよ…


やだ…





「私のどこが悪かったの?嫌なとこあったら直すから。ね?健一」



「涼子は何も悪くない。
本当に全部俺が悪いんだ。ごめん」



「ごめんなんていらない!何でも言う事聞くから!健一がしたい事何してもいいから!お願い健一、別れるなんて言わないで!お願い…」



私の方を見ず正面を向いてる健一に、なりふり構わず泣きながらすがった。



「優奈と付き合っててもいい!いつか私のところに戻ってきてくれたらいいから!健一が好きなの!健一がいないと生きてけないの」


どんなにミジメでも良かった。


そんな事も考えられなかった。



ただ、ただ、


健一を失う事が怖かった。

No.39 11/12/01 00:17
きら ( ♀ sdWbi )



「重いんだ…」



「…え?」



「涼子の愛情が重くなった」



「なんで…」



煙草を揉み消し健一は続けた。



「俺の行動を全部把握したがるだろ?たまに仲間と飲みに行っても電話の嵐
いつも監視されてるようだった」



「そんな…健一は心配ならいつでも電話して来いって言ってたじゃない…
それで私が安心するなら、俺はやましい事は何ひとつないから気にしないでいつでもかけて来いって」



「それがきつくなった」



「健一だって私の事すごく束縛してたでしょ?
前の会社は男ばかりだからもう俺の目が届かないから辞めろって言うから従ったし、どこ行くのも何するのも健一も報告しろって言ってたじゃない!」



「もういいから」



「…何?」



「もう好きにしていいから」




ずるい…


ずるい


ずるい!ずるい!






「出来る限りの事はする」




そう言い残して
健一は玄関のドアを閉めた。






時計を見たら4時。



まだ暗くて寒い早朝。



出窓から見える
いつの間にか降ってる雪。



膝を抱えて明るくなるまで泣き腫らした。




入籍してからまだ8ヶ月しか経ってない時の事だった。




そう…



たった8ヶ月で終わった
結婚生活だった。

No.40 11/12/01 01:35
きら ( ♀ sdWbi )



辛かった時期は割愛。





私きっと恋愛体質(苦笑)



好きな人がいないと頑張れないとこがあったりする。



健一に愛情が重いと言われたのは相当なショックだったけど。




結婚はもう無理…


漠然とそう思ってたけど、もう恋愛なんかしたくないとは思わなかった。



だからって遊びの恋ならいらない。



一度好きになったら
常に真剣で全力で愛す。



今はまだ無理だけどいつかまた真剣に好きになれる人が現れる。



この時はまだ若かったのもあり、恋愛に対しては恐ろしいほどポジティブな私だった(笑)




この2年後


現在の夫、和也と出逢い
3度目の結婚をする。



結婚する時に今までの事を全部話し少しだけ臆病になってた私に夫は言ったの。



「俺は絶対浮気はしない。お前が苦労した分、俺が幸せにする。約束するよ」




私って…


男見る目ないですか?


No.41 11/12/01 07:50
きら ( ♀ sdWbi )



夕方6時。



「もしもーし」


電話に出た夫の後ろから
ガヤガヤ聞こえたが外に出てきたようで静かになった。


「今どこ?」


「◯◯で中井と飯食うとこ」


「え~夕飯いらなかったの?」


「わりわりぃ。食ってくからよ」


「もっと早く言ってほしかったなぁ。必要な物は買えたの?」


「おう。だいたいな」


「遅くなる?」


「8時までには帰るよ」


「了解。気をつけてね」






やっぱ私の気のせいだったかな…





「怜奈、お姉ちゃん呼んできて~ご飯だよ」


「ほーい!」




それから8時少し前


夫は帰宅した。

No.42 11/12/01 11:24
まさくん ( 30代 ♂ 6aNJnb )

泣ける…

  • << 44 読んで頂いてありがとうございます✨ それで頑張れちゃいます😉

No.43 11/12/01 19:49
うさこ ( 20代 ♀ WyrL )

私も浮気されて体をこわした事があるから、食い入る様に読まさせて頂きました🙇
愛する人に裏切られるって、凄く辛いですよね😢
続きが気になります。更新待ってます✨

  • << 45 うさこさんありがとうございます😌 うさこさんも辛い思いされたんですね…。 痛いほどわかってしまう😢 共感して頂ける人がいると最後まで頑張って書こうと思えます。 是非これからもお付き合い下さいm(__)m

No.44 11/12/01 21:41
きら ( ♀ sdWbi )

>> 42 泣ける…

読んで頂いてありがとうございます✨


それで頑張れちゃいます😉

No.45 11/12/01 21:47
きら ( ♀ sdWbi )

>> 43 私も浮気されて体をこわした事があるから、食い入る様に読まさせて頂きました🙇 愛する人に裏切られるって、凄く辛いですよね😢 続きが気になります…
うさこさんありがとうございます😌


うさこさんも辛い思いされたんですね…。


痛いほどわかってしまう😢


共感して頂ける人がいると最後まで頑張って書こうと思えます。


是非これからもお付き合い下さいm(__)m

No.46 11/12/01 23:04
きら ( ♀ sdWbi )



ふあぁ…と大あくびの夫。


「今日は何気に疲れたな
もう11時か~そろそろ寝るか」


「私これだけ片しちゃうから先にベッド入ってて」


「そんなの明日でいいよ
早く寝るぞ」


「へいへい」



夫はいつも一緒にベッドに入りたがる。


寒くなったらなおの事。


「さみいーー」


腕枕して足を絡ませギューッと強く抱き締めてくる。


「お前って本当あったけーよな」


「おやすみのチューはぁ?」と、私が言うと
必ず「ムリ~」って言う。


「い~よ~だっ」と、ソッポ向くと「チューは?」って言ってくる。


そうやってふざけあって、キスをしてから眠りにつく。



毎朝いってらっしゃいのキスと寝る前のおやすみのキス。


夫が早く帰宅した日は
一緒にお風呂に入る。


休日は家族で出かけて
たまに手を繋いで歩く。



すごく仲がいい夫婦。




…でも





私達夫婦は
もう何年も前からセックスレス。

No.47 11/12/02 00:08
きら ( ♀ sdWbi )



主にキャバ嬢と浮気をしていた夫



数年前。



飲み会から遅くに帰宅した夫が求めてきた。



拒否したが夫は無理やりしてこようとして私は激しく抵抗。



「素直になれって」


と言う夫の言葉に


「本当にやなんだって!
もういい加減にして!!」





………………………。





「本気で嫌がられてるとは思わなかったよ。悪かった」




この日から夫は一切求めてこなくなった。




浮気をする夫を汚いとか、気持ち悪いとかそう思って拒否してた訳じゃない。





比べられるのが嫌だった。





数名の浮気相手は職業柄、若くてそれなりに綺麗だろう…



元々自分に自信がない私はだんだん卑屈になり夫を受け入れる事ができなくなっていた。



今思えばそのセックスレスが夫の浮気に拍車をかけてたように思う。




たまに耳にしても、ずっと他人事だと思ってたセックスレス。



知ったのは…



一度そうなると、そこから脱け出せない難しさだった。





でもいいの。




セックスはなくなったけど、
その他ではスキンシップもありとても仲の良い夫婦だったから…。


No.48 11/12/02 00:50
きら ( ♀ sdWbi )



……スゥ…スゥー…



夫の寝息。



起きないよう静かにベッドから降りリビングに行った。




テーブルの上に夫のケータイ。





――――今朝。



「やべ…マジでパチ行きてぇ」


~♪♪♪


メール着信音


「中井の奴、待ち合わせの場所にもう着いたってよ。はえ~よ」







ふぅぅぅー…



大きく深呼吸をしてから
4ケタの番号を押しロック解除。



受信メールを開く。



おはようございます。
今着きました😄
ちょっと早すぎ(笑)



送り主は


アルファベットの羅列で、
登録されてないアドレス。




一気に心拍数が上がった。




送信メール。



はえーな😅
俺は今家出たよ。
もうちょっと待ってて




はい😄
ついでだから倉庫の鍵
事務所に置いてきたよ👍






西田由美。




確定。

No.49 11/12/02 01:04
ゆっこ ( ♀ 7isfi )



おぉ~私までドキドキした😣

楽しみに読んでます
更新頑張って下さい😆


No.50 11/12/02 06:34
きら ( ♀ sdWbi )

>> 49

読んで頂いてありがとうございます✨


更新なるべく間があかないように頑張ります😉

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