離婚までの記録
まさか自分がと思っていた。
彼女に出会う前は愛するってことを知らなかった。
結婚して8年。好きな人が出来てしまった。
仮面夫婦で妻を好きではなかった。多分妻もそうだっただろう。だからと言って他に出会いなど求めてなかった。
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通勤電車の中、暇潰しに携帯ゲームを始めた。
時々日記も書いたりしてなかなかハマっていった。
サイトの中での雑談が何気なく気を使わずに本音が言えて楽しかった。同じ趣味の人も沢山いて色々な話をしていた。
そんな中で彼女と出会った。
お互い年も名前も顔も知らないが、好きな漫画の話で盛り上がった。
それがきっかけで友達になり、何気ない会話をサイト上で交わしていた。
その時はまだ普通に他のサイト上の友達となんら変わらなかった。
毎日仕事頑張ろうやお疲れ様など、挨拶程度の会話や趣味の話などをしていた。
彼女はちょっとドジだがマジメでだけど面白い女性だった。
彼女はサイト上でちょっとした人気者だった。日々のアクセス数はかなり多かった。
彼女の日記には自作の詩やその日の出来事が面白く綴られていて、その文章の表現個性的で沢山の人を惹き付けるのだろう。
彼女をサイト上でしか知らないが、みんなに優しく回りを笑顔にする女性だなと俺は思った。
彼女と出会って数週間した頃、だんだんと彼女に惹かれている自分に気づいた。
気づいたと言うか、その時にはもう好きになってしまっていた。
まさかこんなサイトで名前も知らない人を好きになるなんて、俺自身が一番信じられなかった。
何度も気のせいだと思おうとした。
しかし彼女の事が頭から離れない。
そんな自分が信じられなかった。
だが毎日彼女と会話をするのが楽しみで、彼女に会いたいと本気で思っている自分がいた。
『多分妻もそうだった』❓
妻に聞いたんですか❓
自分が好きな人出来たからって、妻の想いを勝手に決めてくれるな💢
8年一緒なら、愛情の形も変化するわ‼
夢見るのもほどほどに。現実逃避は最低ですよ。
嫁が可哀想。自分勝手な主のせいで、悩まなきゃいけない。
嫁の気持ちを壊してまで、主は恋愛したいなんて😠
嫁に正直に全部話してみなよ。
彼女に会ってみたい。
だがそう俺が思っていても、口に出すことはなかなかできない。
このサイトはゲーム専門のサイト。勿論俺も出会いなど求めて始めたわけではない。当然彼女もそうだろう。
いくら仲良くなっていても、いきなりこんなことを言ってしまっては驚くはず。
それに俺は既婚者だ。彼女はそれを知らない。
そんな彼女に不倫なんかさせるわけにはいかない。
しかし俺の気持ちはもう引き返せない程に彼女を好きになってしまっていた。
最近妻は俺がおかしいと疑っている。
3ヶ月に一回程夫婦関係があったが、彼女と出会う前からもう半年以上もしていない。
仮面夫婦だが俺にも一応性欲がある。不倫や浮気をする気はないし、風俗にまで行きたくないから性欲を処理するために妻としていた。
しなくなったのは元々誘っても大半が断られるから俺も段々誘うのが嫌になったというのもあるが、彼女と出会ってからは触る気になれなかったからだ。
しかし妻は一旦は疑ったものの、直ぐに勘違いだと思い直したらしい。それはそうだろう。仕事が忙しくそんな暇がないのと、月1万しかない小遣いでは普通に考えて浮気など出来ない。
実際浮気はしていない。ただ俺が一方的に彼女を好きなだけだ。
最近彼女と話す事が前より多くなった。
彼女との他愛ない会話に癒される。
ある日彼女に自分の気持ちを言ってみることにした。
それでもう彼女と話せなくなってしまうかもしれないが、気持ちを押さえられなかった。
『最近俺君のことが気になるんだ。』
思い切って送信してみた。
しばらくして彼女から返信があった。
『実は私もきになってたんだ。』
彼女は、変だよね。名前も顔も知らないのにと続けた。
彼女もまさかゲームサイトで誰かを好きななるなんて思ってもいなかったと戸惑っていた。
それからとりあえず、本名を名前を聞きあった。
その日は本当に嬉しかった。お互い同じ気持ちだった。
お互いの気持ちがわかってから電話番号を交換した。
だが彼女も仕事をしているためかなか掛ける機会がない。
そんなとき、彼女が日記で風邪を引いて寝込んでいると書いていた。
俺は心配で電話をしてみることにした。受話器を握る手に力が入る。ボタンを押すと呼び出し音が聞こえる。
緊張してドキドキしている。こんな風な感情は初めてだ。
しばらくして彼女がでた。少し鼻声だが可愛い声をしていた。
熱が高いようなので大丈夫か尋ねた。彼女はとりあえず、薬も飲み大丈夫だと答えた。
その後ちょっとした会話をかわし、何だか恥ずかしいなと話した。
彼女も体調が悪いのでその日は直ぐに電話を切った。
彼女の声が耳に残っている。
本当に大丈夫だろうか。早くよくなってほしい。そんな事ばかりを考えていた。
家では相変わらず妻との会話は無い。
交わす言葉は業務連絡のような内容ばかりだ。
元々同棲した流れで結婚したような夫婦で式もあげなかった。仮面夫婦になるのは当たり前だったのかもしれない。
俺も仕事人間だったのもあるだろう。
子供二人居る。妻が欲しいと言ったから、夫婦なら作るものかと思って作った。そんなきっかけだが子供は可愛い。
結婚してすぐ何度か離婚話もしたことがある。しかし妻は毎回慰謝料出せ。出さないなら別れない。と性格の不一致にも関わらず慰謝料慰謝料としつこいくらいに言っていた。
それが面倒になりズルズル結婚生活を続けていた。子供が産まれてからは子供の為だけの夫婦だった。
子供が自立したらきっと別れるだろうと漠然と考えていた。
一度彼女に電話してからはほぼ毎日話すようになった。
彼女の仕事終わりの時間やお昼休みなどに合わせて電話する。夜も彼女の空いてる時間があれば話していた。
こんなに話していたら当然ながら携帯代がハネ上がる。
週末に妻にショップに連れていかれた。料金プランを変えるためだ。
きっと妻は気づいているのだろう。が何も言わない。
手続きが終わり、黙って家に帰った。
彼女と毎日話すことで更に彼女への想いが強くなっていった。
同時に、俺が既婚者だと言うことを何も知らない彼女への罪悪感も強くなった。
彼女の為にこのままでいいのか。
彼女に嘘はつきたくない。
妻と別れようか。
だがそれを知った彼女は自分自身のせいだと思い自分を責めるのではないか。
色々な思いが頭を駆け巡る。
彼女は何も知らずに俺を好きだといってくれる。
毎日サイトで彼女と話す。そこに行けば彼女に会える。それだけで気持ちが高まった。他愛ないやりとりで癒された。
そんな彼女を傷つけたくない。
俺が既婚者であることを知っても、離婚したとしてそれを知っても彼女は傷つくだろう。
今ならまだ間に合うかもしれない。
ある日俺は何も告げずにサイトを退会した。
彼女と出会ってから1ヶ月がたった頃だった。
サイトを退会した。
虚しさと心に穴が空いたような気持ちだ。
彼女はまだ気付いていないだろう。
気付いたらどう思うのか。それを考えると息がつまるほど苦しい。
仕事も手につかない。
こんなにも誰かを好きになったのは初めてだ。
彼女と話せないと思うと、脱け殻になったみたいだ。
このまま連絡することもなく終わってしまうのか。
自分から終わらせようとしたくせに気持ちがついていかない。
そんなことを考えていると携帯にショートメールが届いた。
彼女だった。
毎日話していたのに変な話だが、電話番号を知っていたのをすっかり忘れていた。
『急にやめちゃってどうしたの?何かあったの?メールしたら退会しましたって出たからビックリしちゃって…』
彼女はだいぶ慌てていた。それはそうだろう。普通に話していたのにいきなり退会したのだから。
やはりこのまま何も言わないでおくのはダメだ。俺は彼女に本当は既婚者だと言うことにした。
彼女がどう思うか。
言ってしまえば本当に最後になるかもしれない。
俺は意を決して彼女にメールを送った。
『実は俺…結婚して子供もいる。ずっと黙っていてごめん。騙すつもりはなかった。気付いたら凄く好きになってて、言うタイミングを逃してしまった。でも君がこんな俺とこのままでいたら、君が傷つくだろうと思ってやめたんだ。』
送信ボタンを押す。
彼女はどう思うだろう。怒っているだろう。返事は来ないかもしれない。
夜中に彼女からショートメールが届いた。
正直見るのが怖かった。
メールにはこうかかれていた。
『そうなんだ…全然気づかなかった。ずっと言えなくて辛かったの?だけどいってくれてありがとう。あのね…私も言わなきゃいけないことがあるんだ。実は…私も結婚してて子供が一人居る』
俺は驚いた。
まさか彼女も既婚者だったなんて全く気づかなかった。八歳も年下の彼女は当然独身だと思っていたからだ。
メールはまだ続いていた。
『私も騙すつもりなんてなかった。恋愛なんてする気も出会いを求める気もなかったのにこんなことになって…はじめは何回も間違いだって思おうとした。何度も何度も自分にこの気持ちは勘違いだと。だけどダメだった。そんなとき、あなたに気になるんだって言われてすごく嬉しくて、だけど本当の事言えなくなって…なのに益々あなたを好きになってしまってどうしようもなかった』
彼女からのメールはこれで終わっていた。
彼女も同じように戸惑い迷っていたのだ。
急いで彼女に返信した。
『そうなんだ。正直驚いた。だけど君もいってくれてありがとう。それでも俺が君を好きな気持ちは変わらない。』
お互い既婚者だったなんて知らずに惹かれていたなんて。
これからどうなるのかと言う不安と、彼女とは別れられない(会ったこともないのに付き合ってるかは微妙だが)思いが渦巻いていた。
『私もあなたを好きな気持ちは変わらないし、今更無かったことには出来ない。』
彼女はこう言った。
二人で色々話し、とりあえず今までのままでいることにした。
あれから前と変わらずに毎日電話やメールをしていた。
前より増えたかもしれない。前よりもお互いの気持ちが余計に強くなった気がする。
いつか絶対に一緒になろう。
二人でそう話していた。
ただそのいつかがいつになるのか、お互いにそれが怖くて聞けなかった。
そんなとき、彼女が親の仕事の都合で一緒に関東に来ることになった。
因みに彼女は九州に住んでいる。
もしかしたら会えるかもしれない。親の用事が済んだ後、関東に友達が居るから、友達の家に私だけ一泊すれば時間が作れる。
それを聞いて、俺は絶対時間作るから会おう。と即答していた。
彼女がこっちに来るのは半月後。
俺は嬉しくてその日に向けて仕事を終わらせるため、毎晩遅くまで残業した。
彼女と会えるまでの日々が凄く長く感じた。
とうとう彼女が来る日になった。
今から飛行機に乗る。親の仕事が終わるのが2時過ぎ頃だとメールがきた。
朝からそわそわしていた、無駄に会社に早く着いた。
時計と携帯ばかりが気になって仕方ない。
ずっとドキドキしていた。
2時半に彼女から終わったよ。○○駅って所で待ってるとメールが来た。
俺は急いで会社を出てそこに向かった。
○○駅に着くと辺りを見回し彼女を探した。
五分も探さないうちに彼女らしき女性が壁に持たれて携帯をいじっていた。
俺は緊張しながら彼女に声をかけた。
『Mだよね?俺。Kだよ』
彼女は振り向いて、『初めまして。になるのかな?』と言って可愛らしく笑った。
その瞬間俺は嬉しすぎて
『やっと会えた』
と言って彼女をぎゅっと抱き締めてしまった。
彼女は驚いた様子だったが、少しして彼女も抱き締め返してくれた。
『初めて会うのに、なんだかそんな気がしないな』
彼女は微笑みながら言った。
その後俺の車に乗り、色々な話をした。その間ずっと手を繋いでいた。
本当に初めて会う気がしない。ずっと電話やメールをしていたからか。
だがそういった感じではない。何だか懐かしいような一緒にいると信じられないくらい心が落ち着いた。
楽しい時間はあっという間に過ぎる。
彼女の携帯が鳴り、彼女の友達との待ち合わせの時間になったことに気づく。
たがお互いにさよならを言い出せずにいた。
繋いだ手に力が入る。
でも友達をあまり待たせるわけにもいかない。
『時間だね』
俺が言うと
『うん…』
彼女が頷き俺は続けた。
『また絶対会えるよ。何をしてでも俺も会いに行くし』
『そうだね。そうだよね。』
彼女は少し悲しそうに笑っていった。
車を降りて駅まで送る。きつく手を握りしめる。
駅についてお互いの顔をじっと見つめて、キスをした。
こんなにも誰かを好きだと思ったのは初めてだった。
ゆっくりと手を話す。
『またね。大好きだよ』
お互いにそう言いながら彼女はホームへ向かう。
何度も何度も振り返る彼女に、俺は泣きそうになるのを我慢して笑顔で手を振った。
彼女が見えなくなりしばらくボーッとして動けなかった。
車に戻ると彼女からメールがきていた。
『今日は本当に楽しかった。会えてよかった。もっともっと大好きになっちゃったし。ありがとう』
直ぐに俺も返信した。
『俺も楽しかった。もっと一緒にいたかった。大好きだよ。俺の方こそありがとう』
送信すると、俺は会社に戻った。
今日は家に帰る気になれない。
元々忙しい時期なのでその日は会社に泊まることにした。
彼女から数回メールがきて、友達と飲みに行って楽しそうだった。
そんな彼女がいとおしくてたまらなかった。
- << 50 家に帰る気にならない なるほどね ー 何でそんなに彼女んちに泊まるんだろ って不思議だったけど 好きだから、なんて単純な文字じゃなくて、帰る気にならない 訳ね! 今更なっとく 恋愛楽しそうだねー 楽しいよねえ 比べる奥さんが居るから尚更彼女が美化されてより勘違いに拍車かかるよね 私は彼氏居たら ずっと 彼氏のままにしておくな たまに宝箱あけて お気に入りの宝石眺めたいな ✨✨☺ うちの旦那は たまに宝石箱の中身が変わるよ どんなの入ってんだか興味ないけどね 妄想人生バンザイ
翌日、彼女から5時の飛行機で帰るとメールがきた。
俺は居てもたってもいられず、見送りに行くからと返信していた。
外回りの仕事だったので、一緒にいた同僚に頼んで空港まで向かった。
同僚は必死な俺に驚いていたが、深くは突っ込まないでいてくれた。
空港に着くと電話して彼女を探した。
直ぐに見付けられた。
俺は彼女をギュッと抱き寄せた。
離れたくない。離れたくない。離れたくない。離れたくない。
頭の中はそればかりだった。
搭乗までまだ時間がある。俺と彼女は手を繋いで肩を寄せて座った。
『もう…さよならだね』
彼女がポツンと呟いた。
『大丈夫。また絶対会えるよ。俺も会いに行くから』
俺は言いながら泣いてしまった。
この年になって…いや人生で初めて人前で泣いた。自分でも驚くほど涙が止まらない。
彼女はそっと俺の涙を拭いて
『Kが泣いたら私も悲しくなっちゃうじゃん。また会えるんでしょ?それならさよならじゃなくまたねだから、泣くことないよ。それに笑った顔のKを覚えていたいから』
と言った。
『そうだね。また会える。』
と言いながら俺は涙を流しながらも無理矢理笑った。
彼女の乗る飛行機のアナウンスが流れ、とうとう搭乗時刻になった。
二人とも顔を見合わせて時間だねと言った。
立ち上がるとまたギュッと抱き合ってキスをした。
繋いだ手と重ねた唇がなかなか離せない。
だがもう時間もない。
なにかに引き裂かれるように、ゆっくりと離れた。
彼女は笑顔でまたね、と言い何度も振り向きながら搭乗口へ去っていった。
俺は相変わらず泣きながらずっと彼女の背中を見つめていた。
そして彼女の乗る飛行機を見送って待ってもらっていた同僚の車に戻った。
その日の夜、飛行機から撮影したのだろう東京の夜景と共に彼女からメールが来ていた。
(本当に会えてよかった。嬉しかったし、楽しかった。仕事抜けてまで来てくれてありがとう。…実は空港で本当は私も凄く泣きそうだったんだ。だけど、Kの中で笑った私でいたいから我慢してたんだ。飛行機に乗った途端泣いちゃったから、シュツワーデスさんに大丈夫ですか?って言われちゃった💦)
そのメールを見て俺はまた目頭が熱くなってしまった。
そんな風に考えていてくれたなんて嬉しかった。
『こんな俺のためにそんな事考えてくれてありがとう。絶対にまた会えるよ。絶対にいつか一緒になろう』
俺はそう返信した。彼女から直ぐに返事がきた。
『うん。いつか一緒に…絶対だよ?じゃあ今日はお休みなさい』
『うん。絶対。ゆっくり休んで。お休みなさい』
そう返信して俺は仕事に戻った。
翌日からまた何時も通りの毎日が始まった。
彼女とも前と変わらずに昼休みや時間のあるときに電話していたが、あの日会ってからは寂しくてしょうがない。
彼女に会いたい、どうしたら会えるのかそればかり考えている。
彼女も同じことを言っていた。
だがお互い既婚。その上二人とも仕事もある。簡単に会えないのはわかりきっていた。
でも気持ちは膨らむばかりだった。
そんなある日彼女と話していると、彼女が仕事を辞めると言った。
ここ2ヶ月くらい体調を壊していて、会社でも何度か倒れたらしい。
余談だが彼女は精神的に弱い。
ずっとリストカットがやめられず、自殺未遂で病院に運ばれたことも何度かあるらしい。
普段は全くそんな感じではなく、明るく元気な彼女だが人の心の奥にある辛さや苦しみはわからないものだ。
体調を崩したのも精神的なものらしい。
もしかしたら俺との今の環境のせいかもしれないとも考えた。
こんなときに側に行くこともできず、何も出来ない自分がもどかしい。
そんな話をした次の日、彼女からのメールがパッタリ来なくなった。
電話もない。
忙しいのかもしれない。だが無性に心配になった。
彼女の都合もわからないのでいきなり電話は出来ない。
そして連絡が無いまま3日程たった。
もどかしくてしょうがない。
心配や不安でおかしくなりそうだった。
もしかしたら彼女は自殺したのかもしれない…
最悪な事ばかりが頭をよぎる。
俺は居てもたってもいられず、気付いたら自分の実家に来て母親に必死にお金を貸してくれと頼んでいた。
我も忘れてそんな願いをする程、必死な俺を始めてみた母親はかなり驚いていた。
とりあえず、落ち着きなさい。
母親はそう言った。
何があったか知らないけど、一度落ち着いて。落ち着いたら話を聞くから。と言われた。
今思うと、俺はおかしくなったのかと思うほどに、相当焦っていたのだろう。
しばらくして俺は母親に全てを話した。
母親は黙って最後まで聞いていた。
話を危機終わると母親はこう言った。
『あなたがこんなになるくらい、大切な人なのはよくわかった。あまり感情的にならないあなたがそこまで必死になるのだから余程なんだね。ただ、今あなたがその彼女の所に行ってどうするの?いきなりいって何ができる?向こうの旦那さんもいるし、あなただって…。
あなたも、もういい大人だし、自分の事は自分で責任を負える年だから口出しはしない。けれど、もう少し冷静になってよく考えて行動しなさい。落ち着いて考えて、明日まで待ってそれでも気持ちが変わらないなら、また来なさい。』
母親にそう言われ、少し冷静になった俺はとりあえず家に帰った。
その夜はずっと眠れず携帯ばかりをいじっていた。
そうしていると、四時頃だろうか。
彼女からメールが届いた。
俺は急いでメールを開いた。
『心配かけちゃってごめんね。メール何度もありがとう。返せなくてごめん。Kが言うとおり…また自殺未遂しちゃって病院にいた…本当にごめんね。Kの事こんなに愛してるのに、こんなことしてしまう自分が嫌になる』
そう書いてあった。
『いいんだよ。無事ならそれでよかった。Mが無事ならいいんだ。俺も愛してる。Mが辛いのに側に行ってあげられない俺の方こそごめんだよ』
俺はそう返信した。
すると彼女から電話がかかってきた。
俺は外に出て電話に出た。
電話越しに彼女の声を聞いてやっと安心した。
彼女の声は泣くのを我慢しているような声だった。
色々話した。親にお金を借りて彼女の家まで行こうとしたことも話した。
『行ったって、何処にいるのかもわからないし何も出来ないのに本当にバカだよな』
そう言った俺に彼女はこう言った。
『そこまで心配させちゃって本当にごめんね。でもそんなに思ってくれてありがとう。Kといつか一緒になるんだもんね。もうこんなことしない。またリスカしたくなったり死にたくなったらKに電話するね。Kの声を聞いたら大丈夫な気がする』
そんなふうに言ってもらえて俺は嬉しかった。
その後何時間も話し、その日は寝ないでそのまま仕事へ行った。
しばらくして彼女に仕事を辞めることにしたと言われた。
やはり精神的なものから体の不調になったのが原因らしい。
大好きな仕事だから本当は頑張りたかったのにと彼女は悔しそうだった。
因みに彼女は写真館でカメラマンをしていた。結婚式の写真やアルバム作りから小学校などの卒業アルバムまで作っているらしい。
皆の一生の思いでを、その時の気持ちを写真の中に形にして残すって言うとてもやりがいのある仕事だと言っていた。
きっとそんな仕事を辞める決意は相当なものだっただろう。
彼女は残り3ヶ月を悔いの無いように頑張ると言った。
そんな一生懸命な彼女を見て俺ももっと頑張らねばいけないなと思った。
そんな中もうすぐ正月がくる。
正月、俺は妻の実家に強制的に行かなければならない。
妻の実家は大阪にある。関東から大阪まで運転させられるためかなりの重労働だ。
毎回行きたくないと言うのだが、そんなことは妻が許さない。行きたくないと言うと、冷蔵庫を空にされ所持金全てを取られる。そうやって飲み食い出来ない状態で一週間過ごせるなら残れと言われる。
そして毎年無理矢理つれていかされる。
そう言えば彼女もこの年末で仕事を辞める。
今頃最後の仕事に取り組んでいるのだろう。
写真館には正月休みなどは無いと言っていたから、年末で仕事を辞める彼女にとって初めて仕事のない正月がくる。
一体どうやって過ごすのか聞いてみた。
彼女は子供と彼女の実家に帰ると言っていた。帰ると言っても同じ市内らしいが。彼女はサバサバしているので旦那には無理に来なくていいと言っているらしいが、彼女の旦那も一応一緒に行くらしい。
お互いそんな話をすると少し複雑な気持ちになる。
ただ、彼女がゆっくり休めそうでよかったと思った。
それは…まさに、悪循環であった。
心の隙間を少しだけ埋めるはすが…
隙間に埋めたものばかりが、どんどん膨らみ、
もともとあったものが邪魔になり…
彼女と出会った事で、妻の短所しか見えなくなり、妻の短所しか見えなくなった主の中で、彼女はどんどん美化されていく。
彼女と出会った事で、主は彼女を苦しめる。
彼女もまた、主で心の隙間を埋めてしまったばかりに…悪循環に苦しんでいる。
二人は愛し合っている…と思い込む事で、いろんな罪悪感や苦しみをごまかしていく…
人を傷つけるのが平気になり、自分達ばかりが傷つけられていると思い込む。
気がつけば、周囲が何も見えない自分勝手な迷惑者になり、ますます孤立する事でお互いに依存し、それを愛だと勘違いする。
ちょっとした欲が、悪循環を産み、地獄に堕ちて いるのに…幻想から抜け出せないでいる。
人間が廃人になるまでの、哀れな二人の物語…
結婚してるのに
『初めて愛を知った』??
奥さんを愛して結婚したのではない?
性欲処理のために??
酷い表現ですが本音でしょうか。
バーチャルな妄想のお花畑で
愛を知ったんですか。そうですか。
そして今年もとうとう地獄の正月がやってきた。
妻の実家に向かう長い時間、妻が隣に座っていることが苦痛でならない。
ほとんど妻は寝ているが、起きていても会話はない。
こんな状態なのに何故毎回一緒に行きたがるのか理解出来ない。
途中仮眠の為にパーキングによった。
俺はすぐに彼女に電話しに車を降りた。
数回呼び出し音が鳴ったが彼女は出なかった。急に掛けたのだから仕方ない。多分旦那が側にいるのだろう。それともちょっとドジな彼女はよく携帯を忘れて出掛けるのでそれかもしれない。
どちらなのか俺にはわからない。彼女が何してるかさえ知ることができない。そう考えたら胸がぎゅっと痛くなった。
仮眠しようと車に戻ったがなかなか寝付けない。
妻が吸っているタバコの煙が流れてきた。
昔なら俺も吸うところだが、タバコ嫌いな彼女の為にやめた。
車に戻ってからもう30分以上たつが寝ようとしても眠れない。
後部座席に寝ている子供を起こさないように静かに外へ出た。
その時丁度彼女から電話がきた。
『もしもし?昼間電話出られなくてごめんね。家に携帯忘れて実家に来てた』
それを聞いてちょっと安心した。旦那がいたからじゃなかったからだ。
『いいよ。こっちこそ連絡もしないで、いきなりかけちゃって迷惑だったよね。ごめん。』
『ううん。嬉しかった。ありがとう。もう奥さんの実家に着いたの?』
『いや、まだまだだよ。後五時間くらい』
『そっか、本当に大変だね。お疲れ様。子供さんもいるんだし疲れて事故しないように気をつけてね。大好きだよ。』
『ありがとう。気を付けるよ。俺も大好きだから。じゃあまたかけるね』
そう言って電話を切った。 心配してくれる言葉が嬉しかった。彼女の声を聞くだけで癒された。
余談だが、実は人に好きなんて言うのはかなり恥ずかしい。今までだってそんなこと言ったことはない。
だが、彼女が(思いはどんなに強く思っていても、自分で思ってるだけじゃ伝わらない。相手に伝わらない思いは、思っていないのと同じだから、意味がない。だから私はKを好きなことをちゃんと伝えたい)と言っていたので、俺も彼女にちゃんと自分の気持ちを言うことにした。
抵抗がないと言ったら嘘になるし、本当に顔から火をふくほど恥ずかしいが、彼女には俺の気持ちをちゃんと伝えたかったのでたどたどしくではあるがいつも好きだと言っていた。
彼女との電話を切ると車に戻り妻の実家へと出発した。
五時間後。やっと妻の実家についた。
もうヘトヘトに疲れていてすぐにでも横になりたかったがそうもいかない。
妻に早く荷物下ろしてと急かされ家族皆の荷物を運んだ。
その後は正月で集まってきている妻の親戚に誘われ酒を飲まされた。
ハッキリ言って毎年かなりの苦痛だった。妻は結婚してるんだから私の家族と過ごすのは当たり前だと言い張った。
じゃあ俺の家族はどうなんだよ!と喉まで出かかってやめる。もう何度も同じ事で言い争い答えはわかっているからだ。
疲れている上に無駄な水掛け論はしたくなかったし、妻ともこれ以上話していたくなかった。
俺はどうにか宴会の場を逃げ出して敷いてあった布団に横になった。
すぐにでも眠ってしまいそうだったが、長時間の運転を心配していた彼女にメールした。
『無事に着いたよ。今日は疲れたからもう寝るね。お休み。』
送信ボタンを押すと、彼女からの返信を待てずに寝落ちしてしまった。
次の日。
『本当にお疲れ様。無事に着いてよかった。ゆっくり体を休めてね。お休みなさい。』
昨夜の彼女からの返信だった。
メールを読むと布団から起き出した。妻は親戚や家族と楽しげに話している。子供達も騒いでいた。
俺が起きたのに気付くと、妻が子供達と出掛けようと思うんだけどと言ってきた。
行きたくない。真っ先にそう思った。疲れだってまだ取れていないのだから当然だ。
だが子供のためにわかった、と答えた。
水族館に行くことになり子供達ははしゃいでいた。それとは正反対に俺はぐったりしていた。
水族館に着き色々見て回った。俺は彼女はどうしてるかなと眠気ですっきりしない頭で考えていた。
こうやって家族で出掛けていても妻との会話はほぼ無い。あっても子供の事かご飯食べる?など業務連絡みたいなものばかりだ。
実家へ帰るとまた親戚との飲み会が待っていた。
だが今日は本当に疲れていたために断って横になった。
彼女はまだ仕事だろうか。そんなことを考えながら気付けば眠ってしまっていた。
翌日。今日は大晦日だ。
彼女は今日が最後の仕事だと言っていた。 今頃色々引き継ぎやらで忙しいだろう。
『今日で仕事最後だよね。今までお疲れ様。最後の1日頑張って』と彼女にメールした。
『ありがとう。なんだか辞めるとなると寂しいけど、悔いの無いように最後の1日頑張ります』
彼女からそう返信がきた。
俺はその後一人で散歩に行った。
彼女に会いたい。声が聞きたい。直接お疲れ様と言いたい。
そんなことばかりを考えながらぶらぶらしていた。
>> 29
車に戻ると彼女からメールがきていた。
『今日は本当に楽しかった。会えてよかった。もっともっと大好きになっちゃったし。ありがとう』
直…
家に帰る気にならない
なるほどね ー
何でそんなに彼女んちに泊まるんだろ
って不思議だったけど
好きだから、なんて単純な文字じゃなくて、帰る気にならない 訳ね!
今更なっとく
恋愛楽しそうだねー
楽しいよねえ
比べる奥さんが居るから尚更彼女が美化されてより勘違いに拍車かかるよね
私は彼氏居たら
ずっと 彼氏のままにしておくな
たまに宝箱あけて
お気に入りの宝石眺めたいな ✨✨☺
うちの旦那は
たまに宝石箱の中身が変わるよ
どんなの入ってんだか興味ないけどね
妄想人生バンザイ
- << 60 この人のレスだけはさっぱり意味が全然分からん(笑) 他の批判してる人の言い分はまあ分かるけど、他人事なんだからほっといたら良いと思う。 最後まで見たいのに、気に入らないならスルーしたらいい。主さんが全部レススルーしてるのは賢いやり方だけど、(言い返したら荒れるしね)完全自スレにするか今更面倒臭いかも知れないが日記か携帯小説にした方が批判は少ないと思うな。
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旦那を苦しめたい
そんな性格だと相手もそれなりの人なんでしょうね。 同等の事以上の仕返…(匿名さん12)
12レス 726HIT 匿名さん (30代 ♀) -
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元に戻らないなら
まず、次の日起きれるなら何時に帰ってきてもいいのでは? 違いますか?…(匿名さん5)
5レス 229HIT 匿名さん (20代 ♂) -
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チャイムが鳴っても自分で出ない旦那
離婚届けに病院の診断書なんて要るの?(匿名さん12)
12レス 250HIT 離婚検討中さん (30代 ♀) -
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病気の夫と離婚するのは酷すぎるだろうか
主です。たくさんのコメントありがとうございます。 今日は、不機嫌にな…(匿名さん)
10レス 347HIT 匿名さん (40代 ♀)
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誰からも愛されない私は無価値ですか? なんのために生きているのですか?
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