私を女にしてくれた彼…続

夕方になり、ミツルから電話があった

『ママ？絶対に怒るなよ…』

『何？事故したの？』

『違うけど…』

子連れで女関係はない筈？

『後で説明するから…』

一方的に切られたが

子供のハシャぐ声…

訳も解らず…

どうすれば良いかも解らず…

『落ち着こう…』

冷蔵庫からビールを取り出し 一気に飲んだ

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玄関の鍵を開ける音がした

次男が部屋に入ってきた

挙動不振だった…

少し 間をあけて ミツルが入ってきた…

やはり…不自然

『何も云わず…うん…って返事をしてくれ』

『？？』

その後、長男が小さな 犬を抱き抱え、部屋に入った

『ママ～このこ飼ってあげようよ』

この日から家族が増えた…

世話のかかる３人と、ワンコの生活のスタートだった

• << 4 名前は、モモちゃんに決まった… 店が閉まる前に、ゲージ・オシッコシート・ごはんを買いに出かけた 女のこだから、赤い首輪… まだ２か月らしく、外には出せないからゲージの中の生活だ… モモだけでなく、子供達までゲージに入っていた… 『ミツルも悪さばかりするんなら、ゲージに入れるよ』 『なんて事を…』 『モモと一緒に躾しないとね…』 子供達は遊び疲れて、早々と布団に入った

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>> 2 『エ～？』

冗談だと思った…

トコトコ…ワンコは家の中を歩き出した…

兄弟が一緒にハイハイしだした

ミツルがワンコを抱き前足を動かしながら

『アタチ…ここに住みたいな』

『散歩や病院…大変なんだよ』

『僕たちがお手伝いをする～』

『ハァ～』

根負けした…実は私も犬が好きだった

『名前をつけないとね…』


皆が万歳をして喜んだ…

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>> 2 玄関の鍵を開ける音がした 次男が部屋に入ってきた 挙動不振だった… 少し 間をあけて ミツルが入ってきた… やはり…不自然 『何も… 名前は、モモちゃんに決まった…

店が閉まる前に、ゲージ・オシッコシート・ごはんを買いに出かけた

女のこだから、赤い首輪…

まだ２か月らしく、外には出せないからゲージの中の生活だ…

モモだけでなく、子供達までゲージに入っていた…

『ミツルも悪さばかりするんなら、ゲージに入れるよ』


『なんて事を…』

『モモと一緒に躾しないとね…』

子供達は遊び疲れて、早々と布団に入った

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>> 4 モモが家に来てから、オシッコの躾ができるまでは、大変だったが、楽しい日々が続いた…

モモの予防接種…

大暴れの末…診察が終わり、家族で頭を下げ続けた

モモは超がつく程、小心者だった

反抗期で自分勝手だった長男が、変わった…

甘えん坊の次男が逞しくなった…

ミツルの顔は男から、優しいお父さんの顔へと変わった…

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>> 5 ある日 夕飯の用意をしていたら、家に一本の電話が鳴った

『ミィちゃん…久しぶり～近くに来てるんだけど、遊びに行っていいかな…』


同級生の由香だった…

『いいよ…』

本当は嫌だった…

私の同級生でもあったが…

ミツルの元彼女でもあった

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>> 6 『わぁ～子供大きくなったね…』

『うん』

『ミツルの子供の頃にそっくりだね』

別に私も同級生だから、家に来てもおかしくは無いが…

普通は来ないよね…

元彼の家に


それも突然…

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>> 7 『こんな間取りになってるんだぁ…』

『うん…おもちゃだらけで大変だよ』

『ここの棚を、こっちに移動したら使いやすいんじゃない？』

『……』

『私、模様替えとか好きだから、今度手伝ってあげるよ…』

『いいよ～そん時の気分でやりたいから…』

『遠慮しないで～』

…遠慮なんてしていないよ…

なんで、自分達の家を、元カノのあんたがやるんだよ…

無神経だな…

ハァ～早く帰ればいいのに…

そんな事ばかり考えていた

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>> 8 一時間近く経って、コーヒーがなくなりかけていたが…

敢えて 足さなかった
『お茶貰っていいかな？』

『あ…ごめん気が付かなくて…』

『いいよ～自分で入れるから』

そういって由香は冷蔵庫のドアを開けた…

もう、厚かましいにも程がある

『夜、主人の実家に行く約束があるんだ…』

『皆、元気にしてはるの？会いたいな～』

さすがに、絶句で無視した

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>> 9 程なく ミツルが帰宅した…

ドアを開けた瞬間、ミツルは固まっていた

『お前、どうしたの？』

『近くに来たからお邪魔したの～』

なんだか、嫌な空間…

この２人…

何かある…

女の直感だった

何なの…この無神経な女は…

由香が帰ってからは苛々し、私はミツルを無視した

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>> 10 悲しかった…

悔しかった…

なんで？

不安な時は喧嘩もした

ミツル・私なりにスイッチをリセットして仲良く頑張ろうとした矢先…

悲しいね…

不倫をしてきた私が言う言葉じゃないが…

心が折れてしまった…

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>> 11 ずっとモヤモヤしていた…

翌月、生理が来なかった…

ミツルはもう一人…俺…もう一人欲しい…

ずっと云い続けていた

夫に不審を抱いての妊娠の兆候…

複雑だった…

普通ならすぐに、伝えるよね

もう一人…と、待ち望んでる ミツルにだけは、伝えたくないと思った…

白黒つけるまでは…

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>> 12 白黒…

今のようにメールでバレタ…そんな時代でもなくて…

私自信…ミツルの携帯の操作すら解らなかった

白黒なんて簡単につく筈もなかった…

そんな中だけど…

生理の遅れの中…

一人で病院に向かった

私のお腹に赤ちゃんが来てくれた…

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>> 13 当たり前だけど…

今でも、残している…
最初に貰った、エコーの写真…

色々あっても、ミツルが望んだ子供…

言葉や努力では修復できない事があったのに…

小さな命…

周りの心を変えてくれた…

少なくても…

私が変われた

ミツルをないがしろにする訳じゃないけど、疑惑を感じたら、手を握られる事すら、苦しくなっていた

ひどい時は、吐いてしまってたのに…

• << 16 つわりで吐いているのか… 精神的に苦しくて吐いているのか… 自分でも、解らなくなった 病院にいって、８週目だった… 赤ちゃんの袋が見えるが、バクバクした動きがない事が心配ですね… また 翌週…心臓の動きを確認できたと喜んだ… でも 数日後…薄い出血 『今が大事な時ですよ…安静しかないですよ』と病院でいわれた
• << 17 白黒つけて… ミツルが望む子供を奪い、私が育てます… そう 云ってやろう…そんな鬼のような人間になっていた… 子供を手段に使おうとしていた だから、お腹の子供が私のお腹に居たくないと抵抗したんだと思う… ちゃんと話そう 『私、ミツルとの子供できたと思う…』
• << 18 『何でもっと早く云わなかったの…』 たから…』 『何で、それを伝えないの…』 『悔しかったから…』 泣きながら 伝えた… これで終わるとは思わなかった… 本当は産む事すら怖くなっていたんだと後になって思う

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>> 14 もう一度…

もう一度だけ

『俺…ミィの事を好きになったかも』

その言葉を聞いた時の自分に戻ろうと思った…

今思えば …

戻りたかったんだと思う

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>> 14 当たり前だけど… 今でも、残している… 最初に貰った、エコーの写真… 色々あっても、ミツルが望んだ子供… 言葉や努力では修復できない事… つわりで吐いているのか…

精神的に苦しくて吐いているのか…

自分でも、解らなくなった

病院にいって、８週目だった…

赤ちゃんの袋が見えるが、バクバクした動きがない事が心配ですね…

また 翌週…心臓の動きを確認できたと喜んだ…

でも 数日後…薄い出血

『今が大事な時ですよ…安静しかないですよ』と病院でいわれた

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>> 14 当たり前だけど… 今でも、残している… 最初に貰った、エコーの写真… 色々あっても、ミツルが望んだ子供… 言葉や努力では修復できない事… 白黒つけて…

ミツルが望む子供を奪い、私が育てます…

そう 云ってやろう…そんな鬼のような人間になっていた…

子供を手段に使おうとしていた

だから、お腹の子供が私のお腹に居たくないと抵抗したんだと思う…

ちゃんと話そう

『私、ミツルとの子供できたと思う…』

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>> 14 当たり前だけど… 今でも、残している… 最初に貰った、エコーの写真… 色々あっても、ミツルが望んだ子供… 言葉や努力では修復できない事… 『何でもっと早く云わなかったの…』

たから…』

『何で、それを伝えないの…』

『悔しかったから…』

泣きながら 伝えた…

これで終わるとは思わなかった…

本当は産む事すら怖くなっていたんだと後になって思う

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>> 18 ずっと続く出血…

朝目覚めたら、お腹の赤ちゃんが死んでるかも知れない…

そんな思いで、毎晩眠りについた…

だけど…ミツルの心はどこに有るんだろう

『ミツル？色んな思いが有って別れたんだろうけど…今、盛り上がってるのかも知れないけど…二度と、由香を家に来させないで』

『勝手に来たのに俺が悪いの？』

『あんたが、毅然として終わった恋愛としなかったから来たんだよ…』

ミツルに腹がたったのは当たり前…

だけど…

悲しいかな、私の同級生でもあった…

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>> 19 四ヶ月に入るまで出血が続いた…

やんちゃ盛りの二人の息子…

思うように動けない体…

私…何やってるんだろう

それでも 頑張らないと…

やっと出血が収まった…

四ヶ月後半

• << 22 不安定な気持ち… ずっと、お腹は張り続けカチカチになっていた… でも、自分で決めていた… 今は女じゃいけないんだ… お母さんにならないと、お腹の子供を守れない… そんな気持ちで一杯だった でも…私は知っていたんだ… ミツルが自宅に帰るコールする前に、由香の携帯に毎日かけている事…

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>> 20 出血が止まった時…
お腹の子供が

『ここに居るよ』

そう云ってくれたんだと思った

嬉しかった…

ミツルも喜んでくれた…

しっかりしないと…

お腹の子供の為に…

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>> 20 四ヶ月に入るまで出血が続いた… やんちゃ盛りの二人の息子… 思うように動けない体… 私…何やってるんだろう それでも 頑張らないと…… 不安定な気持ち…

ずっと、お腹は張り続けカチカチになっていた…

でも、自分で決めていた…

今は女じゃいけないんだ…

お母さんにならないと、お腹の子供を守れない…

そんな気持ちで一杯だった

でも…私は知っていたんだ…

ミツルが自宅に帰るコールする前に、由香の携帯に毎日かけている事…

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>> 22 あまりに不安でミツルの携帯を覗いたら…

毎日繰り返して、残る画面…

必ず 自宅の前に山田の名前…

それは由香の携帯だったから…

お母さんで居よう…
だけど 限界だったのかな…

朝方 下腹部に生温かい違和感で目覚めた…

すぐに病院に向かったら、出産になるかも知れません…

７か月に入ったばかりだった…

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>> 23 どうしよう…

お腹の赤ちゃんが…体が震えた

そのまま子宮口を縛る緊急手術となった
『先生どうなるんですか？』

『一日でもお母さんのお腹に居れるよう絶対安静です』

手術を受け、何種類もの点滴をするが、陣痛のような痛みが夜になったら襲ってきた

ミツルと子供達が不安そうにしていた

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>> 24 『淋しい思いさせてごめんね…赤ちゃん頑張ってるから、頑張ろうね…』

『うん…』

甘えんぼの次男は涙目だった

しかし10日後…夜中に破水がおきた

絶対にママが守るから、なんとか無事に生まれてきて…

最悪、帝王切開に切り替えます…
785ｸﾞﾗﾑ…小さな小さな女の子が生まれた
小さな泣き声…

『良かった…』

生きててくれた…

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>> 25 あまりに小さい赤ちゃん…

この手に抱く事も許されず、保育機の小さな窓から 一日数分手足を触るだけだった…

黄疸に伴う輸血…

体重の減少…

これから先の心配はたくさんあったが、絶対にこの中から元気になって連れて帰る…

そんな思いで一杯だった

二人のお兄ちゃんはまだ 小さいから妹に会えなくて淋しそうだった

そして、私は１週間で退院した

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>> 26 翌日から毎日、病院に通った…

退院は2500ｸﾞﾗﾑを超え保育器から出て、室内で生活できるようになって、まず一歩と聞いた

土日はミツルと一緒に会いにいった

夜中に電話が鳴るとドキッとした日もあるけど

少しずつ 成長してくれた

そして…

ミツルは最近 由香に電話をしなくなっていた…

どうしたんだろう…

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>> 27 ミツルの車から聞き慣れない音楽…

明らかに編集して作られたものだった

疑惑は晴れないままだったが…どこかで、今はどうでも良い…

私が騒がなければ何事も無く済むんだ…

そんな気持ちになっていた

病院に行くと看護婦さんが一冊のノートを下さった

『お母さん、写真とっておいたのアルバムにしときましたよ…お兄ちゃん達に見せてあげてください』

そこには毎日の様子を日記につけてくださっていた

嬉しかった

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>> 28 ミツルも手にとって涙を流していた…

涙をながしたんだね…

この涙は何の涙なの？
ふと そんな事を考える自分が居た…

冷めた気持ちで考える自分が怖くなる時もあった

４か月後、退院が決まった

やっと…

やっと 小さな我が家に 大きくなった我が子が来てくれた

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>> 29 兄弟はもちろん…
テンションがあがり…
嬉しくて仕方なかったようだ

【時間がかかったけど…おかえり】

いつもは無いベビーベットに 🐶モモが吠えまくりだった…

小さな赤ちゃんの存在…

大きな存在だった

ひとつの命…

その大きさに感謝した…

普通に生まれることが当たり前だと思ってたのに…

普通に生まれる事が当たり前じゃなく、感謝した事もなかった自分の未熟さを教えて貰えた

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>> 30 赤ちゃんが居る…

皆がベビーベットから離れない…

一緒になって🐶モモが前足をベットの柵にのせて覗く…

あまりに可愛くて写真をとった

ミツルも早々と帰宅するようになった…

この子が 夫婦の再出発を運んでくれたんだと思うようにした

一番心配だった🐶モモは 本当にお利口だった

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>> 31 まだ肺が開く前に産まれたから、よく風邪をひき肺炎になって入院をした

その度 お兄ちゃん達は祖父母の元に預けられ 淋しい思いをさせた

お見舞いに来て 帰りたくないとベッドにしがみつく次男…

『辛い思いをさせるから、あまり見舞いに来なくていいよ…』

祖父母にはそう伝えた…

『ミツルは子供達に会いに来る？』

『忙しいみたいで電話はあるけどね…』

少しは父親らしくして欲しかった…

まさか 遊び歩いてないよね…

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>> 32 何度目かの入院…

祖父母に預ける中…
退院が決まった時、子供たちが帰った時の為、自分の家を片づけたくて…

母（祖母）に付き添いを頼んで帰ってきた…

自分の家なのにね…
自分の家じゃなかった

どうして ゴミ箱にストッキングと解る袋を捨てるのかな…

どうして、シャツのたたみ方が違うの…
私の選んだ夫は…

私を幸せにしてくれるけど…
どん底に落とすんだ…

私を馬鹿にしてるのか…

ミツルが無神経なだけ？

相手が性悪女なの？
もう いいよ…

そんな気持ちになった

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>> 33 ４日後…
退院した…
淋しかったけど…お兄ちゃん 弟君ありがとうね…

パパ…？

貴方は大丈夫なのかな…

ちゃんと先の事を聞きたい…

そんな気持ちがずっとあった…

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>> 34 風邪を引かせちゃダメ…

🐶モモの抜け毛も大敵と聞いた…

だけど 🐶モモも大切な家族の一員…

手放す事は最終の選択として 皆で頑張ってみようとなった…
絶対に、一人も…一匹も欠けることは有る得なかった…

本当に🐶モモのブラッシング・散歩…お兄ちゃん二人が頑張ってくれた…

『みんな一緒じゃないと嫌だから～』

いつも頑張ってくれた

私は泣いた…何度も何度も泣いちゃった…

『ありがとうね…』
そんな思いと同じくらいに…ミツルに対して

『それでもパパなの？』

色んな意味で泣いていたかな…

でも 何があっても笑い飛ばせる家庭を作ろう…その事だけはずっと守りたかった

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>> 35 頑張りたかった…

だけど ３か月に一度の入院…皆が不安定になってしまった…

特に預けられるお兄ちゃん達…

どんどん 自分が追いつめられていた…

皆が頑張ってるんだ…

そんなある日 突然 目の焦点が合わなくなった…

唇が痺れ始めた…

『疲れたんだよ～大丈夫』と云っていたけど…

全ての症状が一気に現れたと思った瞬間…倒れて意識を失ってしまった

後で聞いた…

ずっと子供に謝っていたそうだ…

私は夢の中？

ミツルの女性関係の事…

泣きながら『疲れちゃったよ…』

を繰り返していたようだ


情けない母だっあ

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>> 36 このまま私が我慢すれば…

子供達にとっては大切なパパなんだ

そう考えてきたけど…

家族が頑張ろうとしている時、裏切る奴は必要なんだろうか…

本当に苦しかった…

だけど 決断は出せなかった

ある日 母が『ミツル君、昨日車に女の人を乗せてるの偶然に見たけど…』

『あ～事務の子とイベントの買い出しに行くとか云ってたよ～』

咄嗟の嘘だった…

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>> 37 その夜

『○日の何時頃どっか行ってた？』

『え…？そんな時間仕事だよ』

『ふ～ん…』

『何で？』

『ううん…別に…』
私は敢えてそれ以上は聞かなかった

きっとミツルはバレタ？そんな思いでアタフタする筈…

しばらく落ち着かない日を送ればいい…

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>> 38 幸せ一杯での子育てと 夫に不信を抱いての子育て…

全然違った…

マサの奥さんもそうだったんだろうな…

自分が妻の立場になって 初めてそんな考え方が出来たのかも知れない…

でも…あかちゃんをあやす、お兄ちゃん達…🐶モモが…トゲトゲしくミツルの帰宅を迎える私を丸くさせてくれた

時には うっとうしい時もあったんだけど…

…今になって ゴメンね

とも 思う…

• << 41 そんな事を考えてると、マサの事を思い出す事がある… 私は、ミツルに対して、マサの時の様に自分をさらけ出して求めて居るのかな… 体だけじゃなく全てに対して… ふと悲しかった… 躰が覚えてる？ 本当はそうかも知れなかった

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>> 39 小さく産まれたから、寝返りも遅かった…

つかまり立ちをしたら 兄＆🐶が応援して横に立つから 横に歩く事もできなかった…
ホームビデオを後でみたら お兄ちゃん達に感謝と云ってるが…

『あんた達！邪魔だよ💢』とキレる私の声が残っていた

もちろん ミツルも寝顔しか見れないけど、帰宅してからは、くっついて離れなかった

…きっと…嬉しかったんだろうな…

皆…それぞれの思いなんだな…

そんな事を考える事があった…

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>> 39 幸せ一杯での子育てと 夫に不信を抱いての子育て… 全然違った… マサの奥さんもそうだったんだろうな… 自分が妻の立場になって 初めてそ… そんな事を考えてると、マサの事を思い出す事がある…

私は、ミツルに対して、マサの時の様に自分をさらけ出して求めて居るのかな…

体だけじゃなく全てに対して…

ふと悲しかった…


躰が覚えてる？

本当はそうかも知れなかった

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>> 41 苦しくて マサの声が聞きたかった…

一度だけ非通知で掛けた事がある…

『もしもし…もしもし？』

マサの声を聞いて、電話を切った…

『幸せになりなよ…』

そう云ってくれたマサに恥ずかしい…惨めな姿は見せれなかった

でも…声を聞いて『私、頑張る…』

そんな気持ちになった…

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>> 42 私…ミツルに対して心の底から笑えなくなってしまった…

昔と変わらず、優しい目で『ミィ…ありがとうね』と、云われても…

他でも云ってるんだ…

そんな風にしかとれなかった

私も絶望したけど…

ミツルが、こんな家に帰りたくない…

いつ云われても仕方ないと思った

• << 45 そんな気持ちを知ってか 知らぬか… ミツルは週に何度も 躰を求めてきた… なんで 浮気相手が居る夫に私は足を広げてるの…？ なんで 躰が反応するの？ ただの飢えてる女なの？

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>> 43 そんな気持ちを知ってか 知らぬか…

ミツルは週に何度も 躰を求めてきた…

なんで 浮気相手が居る夫に私は足を広げてるの…？

なんで 躰が反応するの？

ただの飢えてる女なの？

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>> 43 私…ミツルに対して心の底から笑えなくなってしまった… 昔と変わらず、優しい目で『ミィ…ありがとうね』と、云われても… 他でも云ってるんだ… そんな気持ちを知ってか 知らぬか…

ミツルは週に何度も 躰を求めてきた…

なんで 浮気相手が居る夫に私は足を広げてるの…？

なんで 躰が反応するの？

ただの飢えてる女なの？

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>> 45 今に思えば…小さな葛藤だったのかも知れない

自分でも 嫌気がさす位の嫌味をずっと云ってた

夫が不倫をしていた…

私は『気付いてるよ…』
と嫌味を云うタイプでした…

悔しくて…悲しくて…
さりげなく差し出してくれてた、手に『私だけの手じゃなくなっちゃった…』

それしか無かった

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>> 46 でも…この手をもっと 違った意味で繋いでいたら…

後で後悔するとは…

小さな赤ちゃんは 他と比べてゆっくりだったけど、成長してくれた

小さい故 肺が開いていないから、保育器の中で高い圧で酸素を送る事で、未熟児網膜症になる可能性もあったのに、異常も見られないと聞いた時…

私の父が『良かったなぁ～爺ちゃんはもう、たくさんの物を見てきたから、万が一の時は、ワシの角膜提供を考えてたんだよ…』

『お父ちゃん、心配かけてごめんね…』

『まぁ、ワシの目だから、たいしたもんも見えんけどなぁ～』

赤ちゃんが来て、人の優しさ…有り難みを今迄以上に感謝させられた

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>> 47 小さなすれ違い…

口に出さなかったら、大きくなる？

小さな不信…

口にださなかったら…深くなるもんだ…
なんか そんな事を子供達が眠って一人の時に呟いた…

ミツルはまた今日も遅い…

今日も一日終わった…

ソファーに倒れ込んだ…

よくTVでは 飼い主が苦しいとき、家族である動物が癒してくれる事は知っていたが…

🐶モモが ソファーをよじ登って顔を舐めて横にきた…

来てくれたんだろうね…

朝目覚めたら…🐶モモは板の間に大の字になってイビキをかいていた

昨夜の感謝…

『ハァ～残念』

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>> 48 いつも 我が家は涙の後には 笑い（オチ）が在った…

ミツルが、『ミィ…俺、視力落ちたかな…』
と 何気なく呟いた

『まだ老眼は早いでしょ…色んなとこで遊んでるから目が疲れてるんでしょ』

…嫌味をいってしまった

それでも、気になるから『その後どうよ？』と聞きはするが、今・考えたら形だけで聞いていたんだろうな…

それと並行して、ミツルのポケットから ドリンクバー・２＆ケーキ・１
のレシートを見つけたり…

もう…

要らない…

あんたなんか…

要らないよ…


平静を装う為には ミツルに冷たい態度をとる事でしか 心のバランスがとれなくなった

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>> 49 それでも 毎日の生活の中、お兄ちゃん達…赤ちゃん…🐶モモは最高だった…

赤ちゃんが残したミルクを🐶モモが 胸に抱えて眠ったり

朝、目覚めたらお兄ちゃんが明日の用意で畳んだ体操服の上に🐶モモが頑固にお座りをして動かなかった事…

ミツルが子供達を前にして『🐶モモはパパの事はちゃんと聞くんだぞ～』と調子にのってたら 噛まれた事…


女の陰さえなければ…
最高だったな…

大人の都合で、こんな子供達の笑顔は潰せない

泣いても 結論が出せない自分がいた

• << 51 こんな事を考え嫉妬に苦しむ事もあった… あんな事も考え…自分も不倫してきたのに…と情けない自分でもあった されないと解らないバカな女なんだと知った ミツルが不倫してるから、そんな気持ちになったのかも… でも 私…マサの側に居たいと思った 子持ちの私が行ける訳もないのに…

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