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カヤの依存

レス500 HIT数 190458 あ+ あ-

ちゃら( 3bHK )
10/04/10 13:30(更新日時)

自分の居場所と愛が欲しかっただけ…


一男二女。
カヤは戸田家の長女として生まれた。



宗教に熱狂的にハマる母。


堪え性と甲斐性のない父



兄ほど期待されず、妹ほど可愛がられていない事を幼い頃から痛いほど感じてきた



心にポッカリ空いた穴は成長を増す事に大きくなっていった…

No.1158792 08/11/09 21:52(スレ作成日時)

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No.1 08/11/09 22:29
ちゃら ( 20代 ♀ 3bHK )

17歳になったカヤは(もぅ死ぬかもしれない…)とぼんやり考えていた。
12月に入ろうとしている長野の深い夜はカヤの体温を確実に奪っていた




もぅ三時間もコンビニの前に置かれたベンチに座っている。

手と足の先は寒いや痛いなどすっかり通り越して感覚がなくなってきている。



二時間前にコンビニで買ったホットの缶コーヒーは中身を全て残したままそのスチールの容器は外気よりも更に冷たくなっていた

No.2 08/11/09 23:14
ちゃら ( 3bHK )

>> 1 この3時間の間に色々思い出していた


子供の頃、イタズラをして母に怒られた…テレビのリモコンやコタツの角に頭を打ち付けられた記憶。



中学の時、空手をやっていた兄に暴力をふられた。ボコボコにされ痣だらけになり泣き叫ぶ私。


それを見て注意もせず仲裁にも入らず黙認している母


手当てはいつも保健室

だけど妹とケンカして、思わず突き飛ばしてしてしまったカヤには「チエちゃんが死んじゃう‼」と血相を変え、飛んでくる母



友達と万引きをし、警察に補導されたが迎えにこなかったのはカヤの親だけだった。


おまわりさんにまで同情され、最後に迎えにきた美也子の親に一緒に引き取って貰った


警察官から連絡を受けたのは母親だったそうだが、帰ると両親はいなかった。


父は仕事からまだ帰ってきていない。

母は警察から連絡がきた後、いつもの宗教がらみの集まりに行ったと妹から聞いた事…


なんとなく思い出していた

No.3 08/11/09 23:46
ちゃら ( 3bHK )

>> 2 カヤはこの年の夏に高校をやめた。



名古屋の専門学校に進学した兄から両親に送られてきた手紙を読んでしまったからだ。


母に相談もなく勝手に転職を繰り返す父で、経済状況は兄の進学まででギリギリだろうからカヤが進学するなら俺は辞めなきゃいけないだろう…。
もし俺が学校をやめたら一生後悔するだろう…

そんな内容だった。



カヤには夢があったが、進学できないなら高校は必要ないと思った。


兄が学校をやめたら、兄の中で自分のせいになるのも嫌だった。

カヤのせいで辞めなきゃいけないかもしれないという風に読めたから、兄が自分の事しか考えていない様で更に憎らしく思えた。

また自分が働きながら学校に通い進学費用を貯める自信もなく、そんなにお荷物なら、残りの高校の学費もない方が楽だろうとヤケになりやめた。


親は何も言わなかった

No.4 08/11/10 01:00
ちゃら ( 3bHK )

家出だった。



高校を辞めてから、カヤの住む町から車で一時間半掛る山の民宿に住み込みで働き出した。
両親との会話も無く居心地が悪かったので極力家にいたくない事から選んだ仕事だったが、シーズンも過ぎると観光客が減る。
民宿も宿泊客が減り暇になり、それまで週に二日の連休を貰い実家に帰っていたが、休みがどんどん増えていきとうとう週末だけ出るという具合になってきた。

今までは週五日働いた給料を、休みに帰った時に半分を親に渡していたが、週末しか働かけなくなってから、一時少しだけ盛り返してきた親との仲も再び悪くなっていった。


週末だけ山に籠る生活が面倒になり民宿を辞めたが、親がカヤの稼ぎをあてにしている気がして、新しい働き口を見つける気力は失せていた

No.5 08/11/10 01:19
ちゃら ( 3bHK )

>> 4 「本当にいらないから出ていきなさい‼」

ちょっとした事が原因で母とまたケンカ。


勿論カヤもまた感情的になり酷い言葉を母に浴びせた。だからこそ母をも感情的にさせてしまい言わせてしまったからかもしれない
「ホントウニイラナイカラ…」
この言葉は特に衝撃的で何度もカヤの頭をこだまする。



稼がないからいらないのだ






カヤにはどぅしてもそうだとしか思えなかった

No.6 08/11/10 02:28
ちゃら ( 3bHK )

>> 5 2、3日はカヤよりとっくに高校を中退している美也子の家に泊めて貰ったが、親とのゴタゴタを話すつもりは最初から無かった。



昔から他人に自分の話をするのが得意ではなかったカヤは聞き役の方が楽だった。

「カヤは❓」と話しをふられればなんとなくな感じで短く応えるだけだ。
そしてすぐ違う話しに切り替えて、逆に質問し返してまた聞き役に戻る。



心を開いていないワケではないが、自分の事を話すのを酷く億劫に感じていた。



美也子の家は両親が離婚していて父親と弟と妹の四人暮らしで、特に妹のサヤカとは歳もひとつしか変わらないせいか仲も良く、特に気を使う事も無かったが、このまま居させて貰うワケにはいかないと思い、「そろそろ家に帰るけど、また遊びにくるね」と普通に帰るフリをして美也子の家を後にした

No.7 08/11/10 15:36
ちゃら ( 3bHK )

>> 6 独りになったカヤはどうしようか…考えながらあてもなく歩いた。


しばらく公園にいたが人気が少なく真っ暗で、唯一ひとつある街灯が濃い闇を更に不気味に照らしている。


急に怖くなって公園を翔け出た。


大通りに出て一安心すると財布の中を見た。
千円札一枚と小銭が少しだけ。


コンビニに入り、店員を見るとユルそうな大学生らしき男が独り、✉をうちながら有線から流れる音楽にノッている。


客は水商売風の派手な女が独り雑誌を立ち読みしているだけだった。

カヤは静かに近付き、冷静を装い

「マルボロのライト下さい」

と言った。


若い男の店員はチラッとカヤを見ただけでごく自然にカヤから指定されたタバコの銘柄を差し出した。





カヤは最近タバコを覚えた。

No.8 08/11/10 15:51
ちゃら ( 3bHK )

>> 7 寒いな…



一度コンビニの温度を知ってしまった体は外気に過剰に反応し、カヤに身震いをさせた。



人目を気にしたが、田舎の夜は人気が少ない。

たまに車が通る程度だった。



安心し、コンビニの前に置いてある年季の入った乳製品の会社名が書いてあるベンチに腰を下ろし、そこからコンビニの店員が見えないかをチェックすると、ようやくタバコに火を付けた。



こんな寒い季節のこんな時間に長時間女の子が独りで座っているのは明らかに不自然だろうと考えたからだ

No.9 08/11/10 21:22
ちゃら ( 3bHK )

>> 8 これからどぅしようか…




行く場所がない…



居場所がない…





だいたいなんで今が冬なんだろう…




夏ならば外にでもずっといられるのに…




二本めのタバコを丁度消し終わった時、先程の雑誌を立ち読みしていた派手な女が店から出てきた。




一瞬目が合ったがお互い気にも止めずそのまま視線を落とした。

カヤは再び視線をあげ、この田舎や季節に似つかわしくないミニスカートでブーツのヒールの音を遠慮なくたてながら気怠そうに歩いて行く女の後ろ姿を見送った

No.10 08/11/10 22:37
ちゃら ( 3bHK )

>> 9 どの位時間が経ったろう。



女がコンビニを出てから客は誰も来ていない。



果てしなく長い時間が経った気がする。

体はすっかり冷たくなり、カヤはトイレに行きたくなった。



トイレを借りようと再びコンビニに入る


「ピンポーン」



来客を知らせる安っぽい電子音がなったがなかなか男は出てこない



「すみませーん」



面倒臭そうに男が出てきた



トイレを借りたいと言うと
「どぞ」

とだけ言い、またすぐレジの裏へと消えて言った


トイレに向かう時に時計を見るとタバコを買ってからまだ一時間しか経っていないんだと気が遠くなる思いになった。


トイレから出て少し立ち読みをしたが相変わらずあの店員は出てこない。



貼る用のカイロひとつとホットの缶コーヒーを持って再びレジ奥に声を掛け精算して貰い、コンビニを出た

No.11 08/11/10 22:52
ちゃら ( 3bHK )

>> 10 どうせずっと裏にいるならもぅちょっと中に入れば良かったな…


カイロを腰に貼り缶コーヒーで必死に手を温めながらカヤは後悔していた



その間に車で来た作業着の中年男が一人コンビニに入り、手早くビニールの袋を持って車で去って行っただけだった。

No.12 08/11/10 23:04
ちゃら ( 3bHK )

>> 11 「オニイサン‼
私死にそうな位寒いんです‼
その車に乗せて下さい‼」



最初にベンチに座ってから三時間が過ぎた頃、カヤの思考は体と共に凍結していた。




カヤ自身、自分が何を言っているかわからない程限界がきていた。
意思とは関係のないただただ悲痛な叫びだった。



カヤが声を叫び呼び掛けたのは車でコンビニにきた長髪の男だった

No.13 08/11/11 00:01
ちゃら ( 3bHK )

>> 12 男はビックリして立ち止まる。



マジマジとカヤを見て
「えぇッ?!なんてッ??」


信じられないといった顔でカヤの発言を聞き返した。




「私もぅ、長い時間ココにいるんです!!


だってずっとコンビニの中にいるのは変でしょ?!

オニイサンのその車の中って暖いんでしょ?!
お願いします!」



カヤは思い切り頭を下げて懇願した

No.14 08/11/11 01:14
ちゃら ( 3bHK )

>> 13 しばらくポカンとする男



「お願いします!!」



カヤがもぅ一度大きな声で頭を下げると、男はハッと我に返った様になり

「ぢゃあ、乗ってなよ
俺ちょっとコンビニで買い物してくるから」

と助手席の方を顎で指し言った。



カヤは男が乗ってきた白い車に乗り込んだ。


ドアを開けた瞬間マリン系の匂いが強烈に鼻孔をさし、ロックが流れていた



何の匂いも感じず、静か過ぎる中に暫く身をおいていたせいか、それをとても心地よく感じ、暖房の風が出てくる所に感覚を失くした手のひらをあてた

No.15 08/11/11 16:56
ちゃら ( 3bHK )

>> 14 しばらくすると男が戻ってきてドアを開ける

「ちょっとコレ持ってて」



コンビニのビニール袋をカヤの方へやる



カヤは受け取り男が運転席に乗り込んだ。



再び袋を受け取り直した男は
「ハイ、取り合えず飲みな!寒いでしょ」


そう言ってホットレモンを出し、カヤに差し出した


「すみません…」


あったかい…




「飯食った?

おでんも買ってきた

俺も食べたくて」



とイタズラっぽく笑みを見せた

No.16 08/11/11 22:23
ちゃら ( 3bHK )

>> 15 コンビニの駐車場に車を止めたまま、二人はおでんを食べた。



そういえば、夕方美也子の家で焼きそばを食べたきり、何も食べていないや…


一口、卵を口に入れて始めて自分のお腹が空いてた事に気が付いた。




体の中も外も暖くなり、お腹も満たされるとようやく冷静さを取り戻した。



「あんた歳いくつ?名前は?」


男はタバコに火をつけながら聞いた

No.17 08/11/11 22:54
ちゃら ( 3bHK )

>> 16 「カヤ…17歳です」




「高校生?!」



「いえ…中退してます…」





「そか」




「オニイサンは何歳?」




「ハタチ」




男はタバコを消した

No.18 08/11/12 05:07
ちゃら ( 3bHK )

>> 17 確かにちょっとチャラチャラした感じはするけどもぅ少し上だと思っていた


「んで…?なんであんなトコにずっといたワケ?」



なんとなく聞きづらいのか男はカヤの方は見ず外を眺めながらポツリと聞く



「家出です」



カヤはハッキリと答えた。



「まぁ、色々あるよね…
ドライブでもするか!」



男は車を発進させた

No.19 08/11/12 17:32
ちゃら ( 3bHK )

>> 18 男はバンドマンだと言った。


中学からバンドを組んでいて、高校を卒業してから東京でギターの専門学校へ進学したが、数週間サボったある日授業に出たら全然ついて行けなくなり、自信があっただけにかなりのショックを受けた事、結局そのまま辞めてしまった事、一緒にサボった挙げ句、学校を辞めた友達とバンドを組んでライブもしたが、自分を含めてそんな中途半端な人間が集まっても良いものなんか出来るワケもなく、メンバー内でケンカも増え、モチベーションも下がり、現在は活動もしなくなり実質解散した様なもので、バンドマンと言っても今の自分はただのプーだと言った。



今も東京で住んでいて、たまたま二日前に帰省してきている事。



東京での生活はそこそこお金のある親からの仕送りをパチンコで増やして生活している事



そんな事を飾らず正直に話してくれた事に、カヤは驚いたが、同時に嬉しくなっていた。


普通の人が引いてしまう様なダメな所が自分と重なり、親近感を覚え、なんだか変な安心感が出てゆったりリラックスする事が出来た

No.20 08/11/12 19:42
ちゃら ( 3bHK )

>> 19 いつの間にかふたつ隣り町まで来ていた


カヤも男もトイレにいきたくなったので、大きな公園の駐車場に車を止めた。



ここには小さい頃何度か家族できていた。


旅行や海水浴などには金銭的にも、労力的に面倒臭いのとで連れていかない父が、その代わりに仕方なくしぶしぶ連れてきた場所だったが、カヤにとっては近所の公園にはない螺旋状の滑り台があり、嬉しかったのを覚えている。



エンジンを止め、二人は車から降りた。



男女隣り合せで離れているのでそれぞれの方向へ進んだ。

この公園のトイレは市営なだけあって広さや設備も整っていて綺麗だったが、蛍光灯が薄暗く、個室に入ると更に光が行き届かず、カヤは怖くなった

No.21 08/11/12 19:50
ちゃら ( 3bHK )

>> 20 何度か意を決したが結局個室に入る勇気が持てず、カヤは用もたさずトイレを出た。



すると男用と女用の丁度真ん中あたりに男がカヤを待っていてくれた



カヤがモジモジしている姿を見て

「どぅした?」


男がちょっと心配そうな顔をして聞いた。



「なんか…暗くて怖くなって…」


「してないのッ?!」


「…うん」




「マジで!?違うトイレ行ってみるか?!」


しかしカヤはそろそろ限界がきていた

No.22 08/11/12 20:06
ちゃら ( 3bHK )

>> 21 「もぅヤバイみたい…
中まで付いてきて貰ってイイ?

出来ればドアの前にいて欲しいんだけど…」


カヤだって、そんな事を頼むのも恥ずかしかったし、そんな自分が情けなかったが、昔から幽霊やオバケなどが苦手だった。

勿論実際カヤはそんな物を見た事も無かったが、人気のない時の暗い公衆トイレや学校のトイレや、大浴場を見るといつもそんな事が勝手に連想されてしまい、そうなると絶対一人で使う事は無理だった



危機せまるカヤの顔を見ると男は

「わかった」


と行ってトイレへ促してくれた。

No.23 08/11/12 20:21
ちゃら ( 3bHK )

>> 22 「ココで待ってて!それで何か喋ってて!!」


カヤは早口で一方的に言うなりいきなり男の鼻先でバタンとトイレのドアを閉めた。


間も無く
「ジャーッッ!!」

勢いよく水を流す音が響いた。



さすがにどんなに切羽詰まっていても、自分が用を足す音を聞かせるなんて死ぬほど恥ずかしいとトイレの水を流す音で自分の音を消した


「俺女子トイレ、始めて入ったわ~」


ドア一枚隔てただけのすぐ隣りで男は約束通り喋っていてくれた

No.24 08/11/12 20:30
ちゃら ( 3bHK )

>> 23 用が済むとカヤは急に恥ずかしくなった。


うつむきながらトイレのドアを開けると



「おかえり、さみーし車戻るぞ!」



男はカヤの心情を察してか何事も無かったかの様に出口を目指した。


カヤは手早く手を洗い、慌てて男の後ろを追った

No.25 08/11/12 21:10
ちゃら ( 3bHK )

>> 24 そんな男の気遣いがカヤは嬉しかった。


車に戻ってからまたお互いの話をした。



トイレの一件で先程より更に心を開き始めたカヤは、学校を辞めた話や親や兄を嫌っている理由、妹が生まれてから親や兄、はたまた親戚までも扱いは変わり、愛情は全て妹の所へ行ってしまったが、妹の事は恨む気持ちはなく、逆に自分が親に迷惑を掛けている為、それを見てきた妹は中学生になってた今でも反抗期にもなれず、いつもイイ子でいようと努めているのが何となく伝わってきて、申し訳なく思っている事など話した。




自分の事を話すのが面倒で嫌いだったのに、男の前ではスラスラ言葉が出てきて、カヤは夢中になって話していた。




自分でも驚きが隠せず、本当はずっと誰かに聞いて欲しかったのかもしれないと自覚した

No.26 08/11/12 21:48
ちゃら ( 3bHK )

>> 25 カヤが興奮しながら一通り話し終えてそれまでカヤの話しを黙って聞いていた男は



「寂しかったんだな…」



と言ってカヤの頭を優しく撫でた




そして男も両親を好きでは無い事、父は養子で母方の父の会社を継いだが、祖父が死んでからはあまり力を入れなくなり会社は傾いた。しかし祖父の残した財産と母の仕事の給料も悪くなかった為、ぐうたらしている事、また自分の意見なども言えない男だと、
そし母は昔喫茶店を開いていたがそこに来ていた客と不倫をし、今はその男の会社でそれなりの立場も給与も与えられ働いていて、家事や育児は昔から一切祖母に任せきりであまり家にも帰ってこない
自分は同居していた祖父母に育てられた様な物で両親を親という意識で見た事がない事

仕送りはおそらく母の愛人が出しているので、それで東京で生活する事には特に罪悪感もなく、むしろ利用してやってる気持ちだという事まで話した

No.27 08/11/12 22:35
ちゃら ( 3bHK )

>> 26 カヤは自分が心を開いた事で、男も少し心を開いてくれた様な気がしてなんだか嬉しくなった。


「カヤは彼氏いないの?」



男はそういえばと言った感じで聞いてきた。

「いない。好きな人がいるケド振られた


高校の入学式そうそう同じクラスの男の子に一目惚れした。
その子は、違う高校を一度辞め、受け直してカヤの高校へきた為、本当はひとつ上だった事。
しかし恥ずかしくて殆ど話せないまま、入学から僅か半年でその子結局カヤの高校も辞めてしまった事
それから今まで二人と付き合った事があった話しをした。
一人は高1の時のバイト先の社員で、9コ歳上の社員だった

No.28 08/11/13 04:43
ちゃら ( 3bHK )

>> 27 生まれて始めて告白をされて、感動し、嫌いでは無かったので付き合えばそのうち好きになると思って受入れた。


ファーストキスはあげたがそれ以上許す気にもなれなかった

付き合って三か月ほどでカヤが高校を卒業したらすぐに結婚したいと言われた。


しかし16のカヤに結婚など考えられるはずもなく、その温度差にカヤはだんだん彼の気持ちが重たくなり別れ、バイトも辞めた。



次に付き合ったのは、次にバイトをしたファーストフード店の客だった。
ひとつ年上で高校を中退してアルバイトの帰りに、毎日カヤのファーストフード店に通い、ある日カヤの帰りを外で待っていた

No.29 08/11/13 05:34
ちゃら ( 3bHK )

>> 28 声を掛けられ、友達になって欲しいと言われた。



彼に対していつも愛想がよくて爽やかな印象を持っていたカヤは友達なら…と深く考えずすぐに承諾した。



カヤがバイトに入っている日は、仕事帰りの彼が待ち、それから一時間くらい近くの公園で話した
カヤにバイトが入っていない日は学校が終わった後、カヤが彼を待ち、いつもの公園で話すのが日課になった

ある日、いつもの公園でいつも通り話していると、彼から告白をされ付き合う事になった

No.30 08/11/13 11:05
ちゃら ( 3bHK )

>> 29 生まれて初めてラブホテルへ行ったのも、この彼とだった。



しかし最後までは受け入れ切れず、最初はカヤのペースでイイと言ってくれてた彼もだんだん苛立ちを見せてきた。


ラブホテルへ行きたがる彼、最後までは出来なくてもカヤの体を会う度求めてくる。


何故最後が受け入れられないのかカヤも考えた。


カヤを好きならひとつになりたいのは当たり前な事だとわかっている。



体のあちこちを触られる事に何の喜びを感じないカヤは、自分が彼を愛していないんだという答えを見付けた。


家族ともうまくいかず、学校もつまらない、そこからくるやり場のないストレスを忘れたくて、寂しさを紛らせたくて、彼を利用してしまったのかもしれないと気付いた。



正直に彼に告げた

No.31 08/11/13 11:14
ちゃら ( 3bHK )

>> 30 そして別れを告げた。

彼は納得しなかった。
カヤが別れ話をしてからも✉や電話が毎日の様にきた。カヤの帰りを待ちバイト先まで来たので、カヤはふたつ年上の美也子の彼氏に頼んで、もぅカヤに関わるなと電話してもらった。


最後に再び彼に✉で謝り、終止符を打った

No.32 08/11/13 11:22
ちゃら ( 3bHK )

>> 31 カヤは恋なんてそう簡単に出来るものではないんだと、感じていた。


付き合っても、嫌いじゃなくても、愛されていても…



そぅ思ったら、あの入学式で一目惚れした彼の事を忘れられていない自分に気が付いた。



自分の気持ちを再認識してから、兄のあの手紙を読んで高校を辞め、しばらくしてもあの人への気持ちは益々募る様になった。

No.33 08/11/13 12:33
ちゃら ( 3bHK )

>> 32 カヤは美也子に相談した。


カヤにそんなに想っている人がいたなんてと驚いていたが、カヤが話してくれた事に美也子は嬉しそうにしていた


「それは告るしかないでしょ!」


美也子の答えにカヤは戸惑った。

自分から告白をするなんて、今までした事も無ければ考えてみた事も無かった。


想像しただけで緊張し、自分にそんな勇気はとてもないと思った。
しかし今まで自分の内だけに秘めていた想いを、美也子に打ち明け、初めて口にした事で更に気持ちは膨れ上がっていった。


「そんなに好きだったら伝えなきゃ勿体ないよ!!
フラれてもイイぢゃん、伝える事に意味があるんだから!」



確かにこのモヤモヤした苦しい気持ちをいい加減どうにかしたいと思った。

告白する事でスッキリ出来るなら、前に進めるなら、例え傷付いてもそれでイイやと思えてきた

No.34 08/11/13 12:48
ちゃら ( 3bHK )

>> 33 美也子に背中を押され、それでも挫けそうになったが、美也子に相談して五日後、カヤは決心した


あの人が高校を辞めてから、もぅすぐ一年だ。

話した事も殆どない自分を覚えてさえいるかわからない。



しかしもぅ、お互い学校も辞めている、もともと友達でもないただの元同級生だ。
この先気まづくなる事も、何もないと自分に言い聞かせクラスの連絡網を引っ張り出し、電話で呼び出した。

今までこんなに緊張した事なんてないというほど心臓がバクバクしていたが、もぅ後には引けない、引く気もない。

それ以上に決心は固まっていた

No.35 08/11/13 12:53
ちゃら ( 3bHK )

>> 34 結果はダメだった



ふたつ年上の彼女がいると話してくれた。

しかし自分の事を覚えていると聞けた事がカヤは凄く嬉しくて心が満たされた。


想い出に何かあなたの物が欲しいとお願いするとずっと使っていると言ったシルバーのZIPPOを渡してくれた

No.36 08/11/13 16:35
ちゃら ( 3bHK )

>> 35 自分なんかには絶対出来ないと思い続けていた告白が出来た事で、勇気をふり絞れた自分を本当に褒めてやりたいと思うほど、充足感に満ち、なんだか誇らしげに思えた。



背中を押してくれた美也子に、電話で報告をした



美也子は結果には残念そうにしていたが、スッキリし、はつらつとしたカヤの声を聞いて安心した様だ。


カヤは何度も美也子に「ありがとう」と感謝し電話を切った。



使いこまれたあの人のZIPPOはカヤの宝物になり、持っているだけであの時の勇気が出る気がした

No.37 08/11/13 16:47
ちゃら ( 3bHK )

>> 36 これまでの恋愛模様を男に話し、勇気の勲章のZIPPOを男に見せて笑った。



男は

「大切にしな」



そう言って、優しくカヤを見つめた。



そして
「もぅ、吹っ切れたの?」

と続けた



「やっぱり好きだな~って思うよ。一目惚れだし、そんなに喋った事無かったから、殆ど何も知らなかったケド、でも今回初めて沢山喋って、やっぱり素敵な人だな~って嬉しくなった

スッキリしたんだから諦めなきゃ進めないって

だから思い出して前みたいに苦しくなったりはしない


そぅ考えたら吹っ切れてるのかもね」

No.38 08/11/13 16:57
ちゃら ( 3bHK )

>> 37 「偉いな~

俺もまだ一度も告った事ないや


おまけにニ年付き合ってた彼女にフラれて未だに引きずってるもんな~」



男はそう呟いてタバコに火を付けた




聞きたいな…でも聞いていいのかな…



カヤは悩んだ
「あの、私もタバコ吸っていいですか?」

No.39 08/11/13 22:17
ちゃら ( 3bHK )

>> 38 男は一瞬意外そうな感じで少し驚いた風にカヤをマジマジ見たが


「おぉ!吸うんだ!これは失礼、どぞ」


と灰皿を開けた。


「最近覚えたんです、ダメですよね…」


「いや、俺も吸ってたから同じ」



カヤがタバコを咥えると男はカヤのタバコに火を付けたライターを差し出した。



「ありがとうございます」と頭を下げ、一口吸ってからゆっくり煙を吐き出してから、意を決して男に聞こうとしたその時



「好きな男が出来たって…フラれた…」



男が先に話し出した

「高2の時、違うクラスだったんだけど、文化祭でギター弾く姿見て惚れたって告られて…」



見た目も可愛かったし、その時彼女もいなかったからまぁいいかと思い付き合ったが、男は日に日にみるみる彼女を好きになっていった。



高校時代は順調に付き合っていたが卒業して、男は東京のギターの専門学校へ、彼女は地元に残り美容師の専門学校にそれぞれ進み、遠距離恋愛となった



お互いそれぞれ忙しく、なかなか会う事が出来なかったが、それでも距離に負けまいと、彼女に寂しい思いをさせまいと、男は電話やメールで頑張っていた

No.40 08/11/13 23:34
ちゃら ( 3bHK )

>> 39 二年記念もしてないし会いに行ったら驚くだろうと密かに計画していたが、ある日電話で別れを告げられた。



せめて相手が誰なのか知りたくて聞いた
ふたつ下で、やはりバンドマンだと言う。
しかも男と同じギターだと言う事も聞いた。


男はショックだったが、別れたくないとすがる事は出来なかったと言った

No.41 08/11/13 23:51
ちゃら ( 3bHK )

>> 40 「どうして『別れたくない』って言わなかったんですか?!」



「確かにお互い忙しかった。
それでも俺なりに電話やメールで頑張った。

出来るだけ帰る様にもしてた。

あんなに頑張っても、結局いつでも近くにいてくれるヤツがイイなら、上京した俺が幸せにしてやれるはずないと思わない?」



その後、男の元彼女はその相手と晴れて付き合う事になり、現在も続いていると男は続けた

No.42 08/11/14 00:08
ちゃら ( 3bHK )

>> 41 カヤはなんだか切なくなった。



本当に好きな人と過ごした2年もの月日や絆が崩れてしまう心境はカヤには想像も出来なかった。


カヤが想像も出来ないほど苦しんだのかと思うといたたまれない思いになった。




男はそんなカヤの顔を見て、少しバツが悪そうに笑い

「もぅ少し走ろっか」


と車を発進させた

No.43 08/11/14 00:36
ちゃら ( 3bHK )

>> 42 男の実家は、カヤの住む町から車で40分も掛かるA町だと言った。



久々、高校時代の友達の家に遊びに行き、その帰り道、タバコを買おうとあのコンビニに寄った事、カヤに声を掛けられた時、一瞬コレが新手の逆ナンパってヤツかと思ったが、カヤの尋常ぢゃない真剣な表情に、コレはマジなんだ!と悟ったと笑いながら話した。



カヤも、アレは自分でもよくわからない。
きっとその位極限状態に陥っていたんだと話した


「オニイサン、私の命の恩人だね!」



「ひとりの少女の命を救えたなら良かったよ~」



「でもイイ人で良かった」



「確かに!アレはマジあぶねーぞ!!」



確かに改めて想像すると、我ながらなんて恐ろしい事をしたんだと思った。

No.44 08/11/14 11:35
ちゃら ( 3bHK )

>> 43 赤信号に車は静かに停車した
「オニイサン!私の好きだった人、あそこで宅配のバイトしてるらしいよ!」
とカヤは目を輝かせて丁度助手席側から見えるデリバリーピザの店を指差し出した


「え……」


男は一瞬目を大きくし、それから急に表情が曇った


「そいつの名前って…もしかして…黒沢…?」


「えッ?!!そーだけどッ?!何で?!何で知ってるの!?」


カヤは急に男に、見事あの人の名前を言い当てたられた事に驚きを見せた



「マジだ…俺のさっき話した元カノの今の男だわ…」

そんな事って…そんな偶然があるのかとカヤは、冷静になりきれない頭で必死で考えた



確かに…あの人はカヤの一歳上…男とその元彼女の二歳下になるあの人の彼女はあの人の二歳上だと言っていた男の口からも元彼女の2コ下だと聞いた


まず年齢は一致した

No.45 08/11/14 11:43
ちゃら ( 3bHK )

>> 44 ギター…



高校の軽音部には所属していなかったが、確かに毎日ケースを肩に掛け登下校していた…


楽器に詳しくないカヤにはそれがギターなのかベースなのかは分からなかったが




。あの人が学校をサボらず最後までいる時も決まって、一目散に誰よりも早く教室を出て行っていたので、きっと学校外で音楽をやっている人なんだな…となんとなく思ってはいたが…



アレはベースではなく、ギターだったのか…




そしてバイト先の一致



名字の一致






この辺で「黒沢」は珍しい…

No.46 08/11/14 11:51
ちゃら ( 3bHK )

男の通っていた高校は、男の実家の近くだが、カヤの町からもギリギリ学区内



元彼女がカヤと同じ市から通っていた可能性は充分ある…





それにしても世間は狭すぎる…


こんな偶然って…





カヤの好きだったあの人の彼女は、かつて男の大切な人だったのかと思うと、カヤはなんとも苦々しい気持ちになった

No.47 08/11/14 11:55
ちゃら ( 3bHK )

>> 46 長い沈黙の後、いつの間にか車は、さっきとは反対方向のカヤの住む町の二つ隣りの高台にある公園へ来ていた



「トイレ平気?」



男は元気に努めてカヤに問い掛けた

No.48 08/11/14 15:35
ちゃら ( 3bHK )

>> 47 「ううん、大丈夫ありがとう

オニイサン行ってくれば?」


「ぢゃあ、行ってくる
待ってて」




男が車を出ていくと


「ふぅ…」



カヤは深いため息をついた。



男の気持ちを想像する事を辞めた。


きっとそんな事を男は望んでないだろう…と思ったからだ。



男が暖いコーヒーを持ってを帰ってきた


「さっきのもぅ無いでしょ!
飲んで…

あッ!コーヒーで良かった?!」



「コーヒー好きです」


今度はカヤが元気よく応えた。



それから車を止めたまま、またお互いの話をした。


学生時代どんな風に過ごしたか、こんな友達がいた…など他愛もない話しが凄く楽しくて、カヤは自分が話すのも男の話を聞くのもワクワクした。



また男もカヤと同じ様に見え、それが嬉しくてまた楽しくなった






しばらくするとカヤはまたトイレに行きたくなった。


コーヒーがきいてしまった様だ

No.49 08/11/14 15:56
ちゃら ( 3bHK )

>> 48 「どぅしよ…、今頃になってトイレ行きたくなっちゃった!

さっきオニイサンと一緒に行っておけば良かったよ」



「また付いてった方がイイか?」



つい先程の記憶が蘇り、カヤはまた恥ずかしくなってしまった


でもやっぱり怖いなぁ…



取り合えず男に付いてきてもらったがトイレを見ると前の公園のものより綺麗では無かったがスペースも狭く、照明が行き届いているのでカヤは安心した


「大丈夫みたい!でも
ココで待っててくれるかな?」


と女子トイレの外の入口で待ってて欲しいとお願いした

No.50 08/11/14 21:04
ちゃら ( 3bHK )

>> 49 カヤが用を足して男の元へ行く

「おかえり。
ちょっと歩く?
アッ!でもさみーよね!」



「ううん、全然平気!
歩こうよ!」



少し歩く遊具のある広場があった



「ブランコやりたい!!」










カヤは子供の頃に戻った様にはしゃいだ

  • << 51 夢中で遊具から遊具へと走っては移動しながら、一通り遊び終えても上がったテンションが下がる事はなく、本当に童心に返ってしまった様にさえ見えた… カヤのテンションは車に戻っても、直も下がらず、しりとりゲームやあっちむいてホイををせがんでは男に付き合わせた 男は嫌な顔ひとつせず、笑いながら全てカヤに付き合ってくれた。 「ぢゃあ、次何やろっか!」 「指相撲やろうぜ! ハンデとしてカヤは指二本使っていーよ!」 初めて男がゲームの提案をしてくれたので更にカヤを楽しい気持ちにさせ、テンションは下がるどころか益々上がってゆく… ここまで上がるとまるで酒にでも酔っているかの様にさえ見えた 「よーしッ! 絶対負けないからッ!!」
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