過去の代償·不倫日記

過去にどんな代償は
払ってきたんでしょうか？
もう過ぎ去った事だから
新たな人生を歩むしかないと
思いますが、違いますか？

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私が貴方に出会ったのは7年前の春
新卒で入社した私に貴方は親身に接してくれた
大きな肢体、優しげ表情と声。
歳は5つしか違わないのに、もっと大人に見えた。貴方を私が好きになるのにそう時間はかからなかった。
貴方も私に興味を示した。惹かれように結ばれた
しかしそのあと　私は彼が結婚している事を知った。
しかも未曾有の事態が故郷で起こったあとで、そして奥さんが出産してまだ間もない頃だった。
そんな時期に貴方は私と不倫を始めた。
その時に　私は貴方と縁を切るべきだった。だけど…出来なかった。
彼は確かに言った。出会った順番が違っただけ。離婚して私と再婚したいと
だけど彼の言葉を真に受けていた訳ではない。
分かっていたちゃんと　心のなかでは
でも彼から　離れることが出来なかった。
新卒で不安だった時　助けてくれた優しい貴方だけを見ていたかった
最低なことをしてる貴方には　蓋をして
彼に依存して　離れられない理由を作っていた
そして自分の気持ちが冷めるまで　この依存状態に　彼にすがるしか　私には出来なかった。
一方で　少しだけ　貴方を信じていた　本当に離婚するかもしれない。
慰謝料を払える分は貯金した。
子供一人なら　養育費はいくらかかるのか
私と再婚したら　一人くらいは産んでも大丈夫かな？
会社やめないといけなくなるだろうから　資格をとらないと
そう思うことで　罪悪感を紛らわせていた。
それが4年半の月日が経った頃
私は思わぬことを知る事になる。

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奥さんが二人目を出産していたことを知った
今考えると不思議。何故私はそれを知らなかったのだろうかって
貴方の口から聞いてないのは、おいといて　誰からも聞かなかった。
やはり周りに　私の不倫がばれていたのだろうか
一年以上経って私は知った。
貴方は言った。どうしてももう一人ほしいと言われて　仕方がなかったと。
でも私は何故だかわからないが　それほどショックじゃなかった。
あぁやっとこれで　この人から離れられる理由が見つかったって
子供二人いたら　万が一離婚して再婚したとしても　
私は子供が産めなくなる金銭的に
そんなのごめん。嫌。
驚くほど自分の中でスーっと執着心が消えた
あれほどやめたかったのに、やめられなかったのは
心のどこかで　貴方を信じていたかったから
でもその望みが消えて　やっと貴方から
そして自分自身からも解放された。
貴方に私は別れを告げた
貴方は私を罵った　良くも平然とそんな言葉を口に出来るねって呆れた
この人は人格が変だとしか思えなかった
筋の通らない事を　真剣に口にしている。
そうね　最初から　ろくでなしだったもの
そんな貴方から離れたくなかった私が　愚かなだけだった。

最終的に2016年の12月。
やっと彼から私は　解放されたと思ってた。思ってたのに。

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失った時間を取り戻すように私は自分の好きな事をはじめた。
充実した時間を過ごす間に、素敵な人に出会った。
いつか私の過去が今を侵食するかもしれない。
責任は何一つ　果たしていないのだから
そういう気持ちもあったから
君が外国人であり　結婚したら君の母国で住むことになるという事がひとつも気にならなかった。
だって日本にいるよりは　確実になにも起こらない
君に不倫してた事も知られずに済むから
過去を消せる　そんな思いもあった。

ふと　ある時　インスタのフォロワーに会社の人が居るのを見つけた
後ろめたい気持ちがあるから　基本的にインスタで君の事は載せていなくて良かったと思い
その人のインスタを見てると　貴方の奥さんのアカウントを見つけた。
躊躇なく私はページを見た。
かわいいお子さん二人の写真かズラリ。
その中にあった　一枚の写真を見て感じた。
何気ない一枚
助手席から運転席に座るあなたを撮った写真
あなたは穏やかな笑顔で撮影者　奥さんの方を向いている
そう　私が好きだった　この笑顔
私はなんだか　胸が熱くなった
当たり前のことだけど　奥さん　貴方を愛してるんだなって

何故貴方は不倫したの。
素敵な奥さんがいるのに　こんなに可愛いお子さんたちがいるのに
そして　家庭では　円満に
いい夫でいたはずなのに
どうしてあんなことしたの。
そして私はそれに荷担していたただの愚かな人間。

だめだめ
過去は振り返らない
明るい未来に向かって歩き出したのだから
そう自分にいい聞かせて
そっと画面を閉じた。

順調に　順調に進んでいた
私は　旅立つ　異国の地へ
すべて忘れて　楽しく　幸せに
でも　やっぱり　そんなに簡単には　いきそうにない　

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