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ブルームーンストーン

154レス 5002 Hit

1993年初夏。

「ほらこれ!」

と、真っ赤な顔をしながら綺麗なリボンのついた小さな箱を私に押し付ける彼。

開けてみると小さな宝石のピアス。

ブルームーンストーン。

ブルームーンストーン、6月の誕生石。

そして宝石言葉は恋の予感…

18/05/29 14:06(スレ作成日時) [RSS]

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  • No: 145自由人(匿名)スレ主更新時刻18/08/13 20:45

    ユータンのために予約したお店は居酒屋とダイニングカフェの中間の様なお店で、ざっくり言えばおしゃれな雰囲気の居酒屋といった感じだった。

    カクテルの種類も豊富でそのお店オリジナルのカクテルも何種類かあり、その1つ1つに「魅惑の〇〇パッション」
    というような長い名前が付いている。

    面白いのでとりあえずはそれぞれ自分のイメージに合う?名前のカクテルを頼んでみようという事になった。

    「俺これね!」

    大ちゃんが嬉しそうに選んだのは、

    「✕✕の夜のダークネス」

    とかいうような何だか中二病っぽい名前のカクテル。

    「これどんなんだろ~」

    の自分のイメージというより物珍しさでのユッキーさんセレクトは、

    「オーバーザレインボウ」

    ある名曲の曲名そのままパクリやないか~いな名前のカクテル。

    海が好きな私は、

    「カリブ海のフルーツシャワー」

    的な名前のカクテルを注文する。

    「ユータンはどうするの?」

    ドリンクメニューを真剣にながめているユータンに促す様に聞くと、

    「この小悪魔カシスベリーにする!」

    と言い出した。

  • No: 146自由人(匿名)スレ主更新時刻18/08/14 09:53

    えっ?!

    小悪魔なの?
    小悪魔なのね?
    小悪魔かよ?

    3人がじーっとユータンを見つめると、

    「何だよ~?小悪魔いいじゃない。
    小悪魔な女の子に騙されてみたいな感じ?へへっ」

    と、ユータンが1人でにやける。

    うん。
    小悪魔みたいな…じゃなくても貴方は十分騙されるタイプですからそこは大丈夫ですはい。

    注文を済ませ少しすると、突然ユータンのポケベルが鳴った。

    「あ~会社からだ。
    ちょっと電話してくる。」

    ユータンは席を立つと店の入口付近にある公衆電話に電話をかけに行った。

    ユータンが席を立ってすぐに、

    「お待たせしました。」

    と、カクテルが運ばれてきた。

    大ちゃんのダークネスはダークチェリーのリキュールをベースに炭酸水で割った物なのか?シャワシャワしてて何だか黒い。

    私のカリブ海はグレープフルーツやライム等の柑橘類ベースの味で青い海を思わせる色。


    ユッキーのレインボウは比重の異なるリキュールを交互に重ねて注いだ物で、グラスの中でくっきりと色の層が別れており、今で言うなら「インスタ映え」しそうな綺麗なカクテル。

    で、ユータンの小悪魔は赤いドリンクの底に色んなベリー類が沈んでいる、女の子っぽいカクテルだった。

    「これがユータンを騙す小悪魔かぁ。」

    3人で小悪魔を覗き込む。

    「ちょっと飲んでみよっと。」

    ユッキーがいきなりごくごくと小悪魔を飲む。

    「うん。カシスソーダだね。」

    ユッキーの分析に、

    「どれどれ。」

    と大ちゃんも飲む。

    「これがカシスソーダって言うのか。」

    初めてのカシスソーダの味に頷きながらグラスを私にまわしてくる。

    「あ~カシスソーダだね。」

    私も飲んで納得した所で気がついた。

    「ねぇ、残り半分くらいになっちゃったよ?いいのかな?」

    私の言葉に大ちゃんがにやりと笑うと、

    「じゃあ足しておこう。」

    と、自分のダークネスをユータンのグラスに注いだ。

  • No: 147自由人(匿名)スレ主更新時刻18/08/14 10:11

    「ええっ?!」

    驚く私に、

    「小悪魔とダークネスだから相性はいいでしょ。」

    と、大ちゃんが意味不明な理屈をこねる。

    小悪魔にダークネスが加味されて悪女になってしまった…

    「私も飲んだから返しておこうっと。」

    ユッキーも自分のレインボウをものすごい勢いで混ぜてドクドクと悪女に注ぎ入れた。

    わぁ。

    「ミューズも飲んだから返さないとね。」

    有無を言わさず大ちゃんが私のカリブ海も続けて投入。

    「小悪魔」から
    「カリブ海で虹を眺めながらくつろぐ悪女」に変貌を遂げ、
    「爽やかなカリブ海」と言うよりは、「呪われた沼」みたいなおどろおどろしい色になってしまったそのカクテルは静かにコポコポと炭酸の泡を上げながら生贄の男が帰って来るのを待った。

    「ごめん。ごめん。おまたせ。」

    やっとユータンが戻ってきて、

    「乾杯しようか。…多っ?!」

    ユータンの小悪魔改め悪女は無計画に入れられた虹と、海と、闇のせいで溢れんばかりになっている。

    「ごめん。グラス持てないからちょっと先にすするよ。」

    全く謝る必要が無いのに謝りながらグラスに口をつけてすするユータン。

    チラッと大ちゃんとユッキーの顔を見ると、2人とも笑いをこらえすぎて、大ちゃんは眉間にシワを寄せ厳つい表情に、ユッキーに至っては目があらぬ方向に泳いでいた。

    この小悪魔どもめ。

    と、突然ユータンが、

    「うおっ!これ!」

    と、声を出した。

    「美味しい!」

    えっ?

    「これ見た目も深い赤で綺麗なんだけど、とにかく美味しいよ!」

    「えっ?この沼色が綺麗?!
    いやっ、ゴホゴホ、ごめっ、
    とにかく、ちょっと飲ませて!」

    ユータンの手から「悪女」を半ばひったくるようにして飲んでみた。
    うわっ確かに美味しい…

    カシスをベースに色んなフルーツの味が散りばめられていてとにかくトロピカル。

    他の2人も、

    「うっそ!」
    「うまっ!」

    と感嘆ひとしきり。

    やはり、男性をハマらせる技に長けるのは悪女様、小悪魔ごときでは太刀打ち出来ないなと感じた至極の1杯で、
    その後もあの味を求めてみるも、
    「悪女カクテル」は2度ともう再現不可能な幻のレシピになってしまった。

  • No: 148自由人(匿名)スレ主更新時刻18/08/14 21:13

    おしゃれ居酒屋でたっぷり飲み食いを堪能した私達は、

    「この後は軽くカラオケでも行こうか?」

    となり、近くにあったカラオケ店に向かった。

    「すみません。
    混みあっておりまして1時間ほどお待ち頂かないといけないのですが…」

    受付のお姉さんの言葉に、

    う~ん。
    1時間か、ここで待つには少し長いしどうしよう。

    考え込んだ私の横から、

    「あ、じゃあ1階のゲーセンで時間潰してきます。」

    大ちゃんがテキパキと返事をした。

    「ゲーセン?」

    少し躊躇する私に、

    「わあ!行こう!ゲーセンは高校生の時以来だよ。
    ね?ミューズ!」

    ユッキーが嬉しそうに私の手を取りエレベーターの方に誘導した。

    「私、家がそういうのに厳しくて…実は…ゲーセンとかほとんど行ったことないんだけど…」

    「ええっ?!ミューズどれだけお嬢様育ちなんだよ?!
    まさかゲーセン行ったら不良扱い?!」

    大ちゃんがわざと茶化した様に驚く。

    「えっ…あ…うん…」

    「えええっ?!」

    驚く3人を目の前にして私は恥ずかしくて顔が熱くなるのを感じていた。

    ううっ、言わなきゃ良かった…

    「よしっ!なら今日はミューズの不良デビューの日にしよう!
    高校デビューじゃなくて25歳デビューだな!」

    大ちゃんが大きな声で言うと、

    「ブッハア!!」

    ユータンが真っ赤な顔をして吹き出した。

    バ、バカヤロー!

    みっともなくて顔から火が出そうな「25歳デビュー人」を引き連れた一行はとにもかくにも意気揚々とゲーセンに乗り込んだ。

  • No: 149自由人(匿名)スレ主更新時刻18/08/14 21:25

    ビルの1階のフロアを全部使ったゲーセンは広かった。

    今まで小さなゲームコーナーで遊んだ事はあったが本格的なゲーセンで遊ぶのは初めてで、ドキドキした私は設置してあるゲーム機等を珍しげに見て周った。

    「ミューズこれやろ~」

    ユッキーに呼ばれて目をやると、4人まで対戦可のレースのゲーム機のそれぞれのシートに既に大ちゃんとユータンが座り、

    「もう1台空いてるから。」

    とユッキーが私を空いているゲーム機のシートに座らせてくれた。

    「えと、これどうやるのかな?」

    「ここに簡単な操作方法書いてあるよ。」

    ユッキーに言われて操作方法を読む。

    「要は4人でカーレースするだけってこと。準備はいい?」

    大ちゃんが笑いながら聞いてくる。

    「えっ?えっ?えっ?」

    焦る私の横から、

    「そうだ!最下位は罰として次のカラオケ奢りって事で~」

    ユータンがノリノリで提案してきた。

    「ちょっとそれは可哀想だよ。
    チーム戦にしよ?
    ペアの順位の合計点で決めようよ。
    1番上手そうな大ちゃんとミューズがペアでどう?」

    と、ユッキーが提案してくれたが、

    「え?でも…それだと大ちゃんが絶対1位取らないと負けちゃうよ?
    私、たぶん最下位だし…」

    と、プレッシャーでますます不安になる私に、

    「大丈夫!お遊びだから。
    それに俺が1位取ればいいんでしょ?」

    と大ちゃんは軽く笑い、

    「じゃあスタートしましょか?」

    と他の2人に声をかけた。

  • No: 150自由人(匿名)スレ主更新時刻18/08/15 08:28

    ピッピッピッ
    ポーン!

    スタートの合図が鳴り響き、
    ヴォォォー!
    と各自スタートする。

    うわっうわっうわっ

    ハンドル操作が思うように上手くいかない。

    痛いっ!壁に激突した。

    体制を整えモタモタと再スタートして走るうちに前をヨロヨロと走る車を追い抜かした。

    「よし!ユッキー抜かしたね。」

    大ちゃんが横目で私を見ながら教えてくれた。

    「え?何でわかるの?」

    「画面の上の方を見て?」

    言われた通りに画面の上の方を見ると小さく全体のコースが出ており、そこにみんなの車らしきものの印がモソモソと動いていた。

    その横の画面上の中央部分に自分の現順位が大きく出ている。

    あ、3位だ。

    ちょっと嬉しくなったが喜んだのも束の間、

    あれ?

    呆気なくまた抜かれてしまい順位を表す数字が4になる。

    う~っ。

    もう他の順位を気にする余裕はない。

    必死で画面を見つめハンドルを握る。

    「はいっゴール~」

    隣で大ちゃんの余裕の声がした。

    「ええっ?!もうゴール?!」

    焦る焦る。

    「ミューズその調子、頑張れ頑張れ。」

    大ちゃんに声をかけられながらやっとゴール。

    「おめでとう。2位だよ。」

    大ちゃんがハイタッチをしてきた。

    「え?あれ?」

    横を見ると、

    「うわっ、よりにもよってミューズに
    負けた~。
    ミューズにだけは勝てると思ってたのに。」

    と失礼なセリフを言いながらユータンが苦戦する横で、

    「ちょっとユータン笑わさないで。
    運転できない。」

    とユッキーが笑いながら3位で入った。

    悔しそうなユータンがやっとゴールしたのを見届けて、

    「そろそろ時間なんで行きましょうか。」

    大ちゃんがみんなに声をかけると、

    「じゃあ、カラオケ代は俺出すよ。
    本当はミューズが負けて、俺が出してやるよとカッコよく決めるつもりだったのに、くっそ、よりにもよってミューズに負けるとは。」

    とユータンが悔しそうに言う。

    おいおい、さっきから失礼が過ぎるぞ。

    「じゃあ私も出すね。」

    ユッキーが横からそう言い出したが、

    「いやいいよ。
    元々本当は俺が出すつもりだったから。」

    ユータンがやんわり断る。

    「何言ってるの?
    私達はチームでしょ?」

    ユッキーはユータンの肩を軽く叩き、
    私達の方を見ると、

    「さっカラオケ行こっ。」

    と楽しそうに笑った。

  • No: 151自由人(匿名)スレ主更新時刻18/08/16 22:40

    「えっ?!1時間なんですか?!」

    カラオケの受付でいきなり時間制限の事を聞かされ困惑した。

    「はい。本当に申し訳ありません。
    週末のこの時間帯は非常に混み合いますので、先程お伝えさせて頂いた様に1時間でお願いしていまして…」

    んっ?

    先程お伝え?

    聞いて…ない…ぞ?

    記憶の糸を必死で手繰り寄せる。
    え~と
    確か私は1時間待ちだと言われた後にすぐユッキーとエレベーターに向かってと…

    で、そこに大ちゃんがくっついてきて…

    すると残りは…

    「あ、ごめん。言うの忘れてたヘヘッ」

    やっぱり…

    「もうっユータン!」

    ユッキーが軽くユータンを叩く。

    「いや1時間でちょうどいいよ。
    ちょっと覗いてみたいとこあったし。」

    大ちゃんがサクサクと受付を済ませて、早く行こう!と私達を促す。

    1時間おしゃべりもせずに曲を入れまくり、それなりにガッツリ歌って満足した私達は大ちゃんの後に続いて1階に降りた。

    「ここ。」

    大ちゃんが指した場所は、

    「えっ?さっきのゲーセンだよね?」

    「うん。ミューズが25歳デビューした場所。」

    それはもうええっちゅーねん!

    軽く睨む私に構わず大ちゃんは嬉しそうにゲーセンに入る。

    「さっき来た時に見つけてさ、この奥なんだけど。」

    と、大ちゃんに案内されて奥に進むと、

    「わあっ!」

    ガラス張りのドアの外に幾つかの3on3のコートがあった。

    ナイターの様にしっかり証明に照らされたコートは真昼の様に明るく、見ていると何だか胸が弾んでウキウキとしてきた。

    「ちょっとやらない?」

    と大ちゃんが聞いてくる。

    3月の夜はまだかなり寒いが、3つあるうちの2つは既に他のグループが使っており、1つだけ辛うじて空いている状態だった。

    「やろう!ほら!早くしないと他の人が入っちゃうよ!」

    ユッキーの言葉が引き金となり、私達は慌ててそのコートの申し込みに行った。

  • No: 152自由人(匿名)スレ主更新時刻18/08/17 13:52

    「よしっ!じゃあ2対2に別れるか。
    男と女でジャンケンね。」

    大ちゃんが言い出す。

    うっ。
    嫌な予感…

    ジャーンケーン
    ポン!

    また負けた…

    そして…

    「俺たち負け組みだな。ふふっ」

    ユータンがニヤリと笑う。

    「ちょっとユータン!負け過ぎでしょ!」

    「そう言うミューズも負けてんじゃん。手の内読まれてるんじゃないの?」

    うっ。

    「そう言えば私はグーを出す癖があるかも…
    ジャンケンの手で性格が出るって聞いたことあるけど当たってるのかな?」

    ボソボソ言う私に、

    「ほら~やっぱりね!
    グーを出すとかって何か頑固者ってイメージあるよね。
    その点、俺はパー派だから。」

    ユータンが勝ち誇った様に言う。

    ……

    それも手の内読まれとるがな…

    しかも、パー派ってなに?

    そんなマヌケな響きの派に属する事に何の恥ずかしさもないのか君は。

    私達が早くも仲間割れ?しかけているのをよそに、横では大ちゃんとユッキーがドリブルやシュートを決めたりしていた。

    うっっ。
    2人とも上手く…ないか?!

    「ちょ、ちょっとユータン!
    ユッキーってあんなにバスケ上手いの?」

    「うん?ユッキーは運動神経いいよ。
    見た目が女らしくて大人しそうだから運動苦手と思われる事が多いらしいけどね。」

    うん。
    正にそう思ってたよ…

    ダメだ。
    事実を知ったらますます不利になってしまった。

    「どうするの?
    私達ド下手ペアなのに恥ずかしいよ。」

    「ド下手言うな。
    せめて下手っぴと言え。」

    ……
    あまり変わりませんがな…

    「そろそろ始めましょか?
    4人しかいないしルールは無用で、とりあえず先に得点を入れた方が勝ちって事で。」

    大ちゃんの声がかかる。

    「ミューズ。」

    ユータンが低く私に囁いた。

    「なるべく俺に合わせろ。
    俺は…ドリブルが上手い。」

    そう言うとユータンは颯爽と先攻後攻を決めるジャンケンの場に赴いた。

  • No: 153自由人(匿名)スレ主更新時刻18/08/18 10:53

    ジャーンケーン

    「ああっ!負けた~」

    ユータンが悔しそうに呻く。

    やはり手の内を完全に読まれておるなお主…

    「よしっ!ユッキー、俺たち先攻で行こう!」

    「よしっ頑張ろ~!」

    先攻チームの2人が張り切る。

    ズキン。
    2人の笑い合う姿を見て、
    胸が少し痛んだ。

    仲…いいんだな…

    あれ?これって…ヤキモチかな…

    私は苦笑した。

    ユータンはあの2人を見てどう思っているのだろう…

    ユータンにチラッと視線を向けると、

    「よしっわかったっ!いけっ!
    大ちゃん止めて来いっっ!!」

    とユータンが叫んだ。

    ええええええっ?!

    「いやっ、そういう意味で見たんじゃ…」

    「早く俺にボールを回せ、自慢のドリブルができない!」

    あ、はい、はい。

    慌てて大ちゃんに近づくと、大ちゃんの顔が既に爆笑している。

    「笑っちゃうから~そういうのやめて。」

    こっちだって止めたいよ。

    でもそのお陰か大ちゃんの気が緩んだ。

    今だっ!
    バシッ!!

    ボールをカットする。

    成功!

    転がったボールを急いで拾うと、

    「ユータン!」

    と叫びユータンにパスをする。

    「よっしゃ!」

    ユータンがドリブルをしながらゴールに近づく。

    うわっ、すっごく上手だ。

    「ミューズ!」

    ユータンが叫ぶ。

    了解!

    急いでゴール下に走り、ユータンからパスされたボールをシュート!

    入れっ。

    ガコン!

    は、入ったあ~!

    「やったあっ!」

    「よっしゃ!」

    こんなの初めて。

    球技大会ではチームの足を引っ張らないようにする事が精一杯だった私が。

    普通の人なら大した事でもない事なのだろうが、私はとにかく嬉しくて仕方がなかった。

    そんな私と一緒に大喜びしてくれたユータンとハイタッチをしながら気づく。

    あれ?

    そういえば誰にも邪魔されてないような。

    ふと振り返ると、大ちゃんとユッキーがコートに座り込んで笑い転げていた。

  • No: 154自由人(匿名)スレ主更新時刻18/08/18 21:25

    え?なに?え?なに?

    呆然とする私に向かって、

    「ミューズ、ボールと一緒に俺の手も思いっきり叩いてるし、山田さんはボール持ったまま歩いちゃってるし。」

    「で、ファールだよ~って声をかけたんだけど、2人で勝手に盛り上がってシュートまで決めちゃうし。」

    大ちゃんとユッキーが口々に言う。

    えええっ。
    困ってユータンを見るとユータンはニヤニヤしている。

    さては気づいてたな…
    私だけ必死になってて恥ずかしいじゃないの!

    「あ~可笑しい。
    本当に2人とも好きだわ。」

    ユッキーの言葉に大ちゃんはうんと頷くと、

    「さっ、メンバー代えてもう1戦やりましょか。」

    と、立ち上がった。

    え?
    私と大ちゃんが組むの?
    性格が真逆同士なのにチームプレイできるのかな?

    でもそんな私の不安は杞憂に終わった。

    嘘っ?!やりやすい。

    ドリブルの下手な私が行き詰まると、パスをもらってくれる。

    なるべく私にシュートを打たせてくれようとする。

    私を自由に動かせて極力フォローにまわってくれている。

    ユッキーとユータンペアの方は?

    うん。

    何がそんなに面白いのか?と聞きたくなるほど爆笑し合ってて、
    ものすごく楽しそうだ。

    「あはは、楽しい!」

    と大ちゃんが笑う。

    「笑い過ぎてお腹痛い。
    動くの辛いよ。」

    とユッキーが笑う。

    うん。

    楽しいね。

    楽しいね。

    性格が違う者同士だから役割も別々で補い合うこともできるのかな。

    「あっ…」

    ユッキーが大ちゃんにボールをカットされ、大ちゃんがそのままゴール下に向かう。

    すかさずユータンがガードする。

    来るっ。

    大ちゃんが辛うじて出したパスを受け取りシュートをしようとするが、
    ユッキーのガード。


    大ちゃんっ。



    実際に声をかけたわけでもないのに、

    苦し紛れに出した私のパスを

    察知したかの様に上手く拾い、



    大ちゃんが

    シュートした。

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