新規スレ作成

ブルームーンストーン

75レス 1508 Hit

1993年初夏。

「ほらこれ!」

と、真っ赤な顔をしながら綺麗なリボンのついた小さな箱を私に押し付ける彼。

開けてみると小さな宝石のピアス。

ブルームーンストーン。

ブルームーンストーン、6月の誕生石。

そして宝石言葉は恋の予感…

18/05/29 14:06(スレ作成日時) [RSS]

  • しおりを挟む
  • 着レス通知設定
  • レス制限

    このスレはスレを作成したユーザーによりレス投稿制限が設けられています。
    • スレ作成ユーザーのみ投稿可
  • No: 66自由人(匿名)スレ主更新時刻18/06/16 13:39

    注※少し「汚く感じる」表現があります。





    新人研修の数日前、全体オリエンテーションという名目の顔合わせみたいなものが行われた。

    オリエンテーションもつつがなく終了し、皆が我先にと会場を出て帰って行く中、1人具合が悪そうに机に突っ伏している男の子がいた。
    チラリと見える横顔がハッキリとわかるほどに青い。
    数人いた人事教育部の担当者の方々は廊下に出て新人達を見送っている。

    (大丈夫かな?誰か呼んで来ようかな。)
    と近寄ろうとした時に、
    その子が急に苦しそうにし出すと机や床に嘔吐してしまった。

    ?!


    まだ会場に残っていた10人ほどの新人達が驚いて固まる。


    「.大丈夫?!」

    私は咄嗟にその子に駆け寄ると、持っていたポケットティッシュをその子に手渡しながら、

    「誰か!ティッシュ持ってたらちょうだい!
    それと○○さん呼んできて!」
    と人事教育部の主な担当の方の名前を出した。

    直ぐに○○さんが駆けつけて来てくれた。

    「大丈夫?ちょっとお手洗い行こうか?」
    まだ気分が悪そうにしているその子を支える様にして連れ出してくれる。

    騒ぎを聞いて他の人事教育部の方も会場に戻ってきた。
    私と同年代くらいの若い男性だ。

    「すみません、ほうきとちりとりとゴミ袋ありませんか?」
    私がそう言うと慌てて頼んだ物を揃えて持ってきてくれた。

    幸いティッシュは周りの子達の協力のおかげで有り余るほどある。
    ティッシュをたっぷり使えたので早く綺麗に掃除ができた。
    掃除をし終えた私に、

    「ありがとうございます。
    お掃除までさせてしまってすみません。
    後の片付けは僕がしますので。」

    男性は丁寧にお礼を言ってくれ、私からそれらを受け取ると頭を下げてくれた。

    ふぅ、後は大丈夫そうだな。

    安心した私はお手洗いで手を洗った後、ちょうど隣の男子トイレから出てきた○○さんと男の子に会釈をして帰った。

  • No: 67自由人(匿名)スレ主更新時刻18/06/16 14:59

    「で、その事が何か関係あるの?」
    と、私は不思議そうに聞いた。

    その体調を崩した男の子は大ちゃんではないので何の関係があるのか分からなかった。

    「あの時、あの場に俺もいたんだよ。
    咄嗟のことに俺は何も出来ずにボーッと見てるだけだった。
    いや、咄嗟じゃなくてもきっと汚いことなんてやりたくないから、やはり何も出来なかったと思う。」

    大ちゃんは私の頭をなでながら私の目を見つめた。

    「その日、初めて見た時に、決して美人とは言えないのになんか可愛いと思える気になる子を見つけた。
    その子はそうやって人のためにすぐに動いて嫌な事も率先してやる優しい子なんだと思ったら、ますますその子が可愛く見えて仕方なくなった。」

    大ちゃんの言葉に恥ずかしくなる。

    「いや、それはたまたまそこに私が居合わせただけで、他の人でも同じ事をする人はきっといるよ。当たり前の事をしただけだし大した事してないよ。」

    私の言葉に、
    「そうかもしれない。
    でもこう言われてもそういう返事をするミューズが好きだよ。」

    大ちゃんは私の両頬を両手で優しく包むように持ち上げると、
    優しくキスをしてきた。

    うっとりととろける様なキス。
    全身がカーッと熱くなる。

    あぁ、大ちゃんは私のそんな所を好きになってくれてたのか…
    大ちゃんの言葉がグルグルと頭の中に過ぎる。

    ん?
    ん?!

    「どうしたの?美優。」
    大ちゃんがうっとりと優しい目で問いかけてくる。

    「.ちょっと待て~!
    決して美人とは言えないってどうゆう意味だよっ!!」

    「あ、そこ気づいた?」
    大ちゃんが可笑しそうに笑う。

    「そこは、可愛いなと思える子を見つけた…で良くない?
    何故、わざわざそういう余計な前置きつけるかね?
    全くもって失礼な奴!」

    鼻をフガフガ鳴らしながら怒る私に大ちゃんは笑い転げた。

    散々笑った後に大ちゃんは、

    「あはは、やっぱり美優のこと大好きだ。」

    とまた私にキスをした。

  • No: 68自由人(匿名)スレ主更新時刻18/06/16 17:00

    大ちゃんのキスは私の全身を熱くさせ頭をボーッとさせる。
    まるで何かの媚薬を盛られているようだった。

    「美優…美優…」

    大ちゃんの息遣いが段々荒くなり、

    彼は私の耳たぶを甘噛みすると、
    そのまま首筋に舌を這わせた。

    「あっ…」

    我慢出来ずに声が出る。

    私の声を聴くともう我慢出来ないといった様子で大ちゃんが私の胸を触ってきた。

    「あっ…やっ…」

    と拒む声がかえって欲情をそそるのか、
    あっという間もなく、ブラウスのボタンを外され中に手を入れられると、彼は胸を直接愛撫し始めた。

    「あっ…ダメ…やっ…」
    と彼の腕を必死に押さえて抵抗する。

    「そんな…色っぽい声で…嫌がられたって…無理…だよ…」

    大ちゃんは抵抗する私の腕の力などものともせずに愛撫を続けた。

    男の人の力ってすごい。
    まざまざと思い知らされる。

    今まで何人か付き合った人達はいたが全員私よりも歳上で、奥手気味な私を気遣い深い関係になったのは半年以上経って私の警戒心がとけてから…
    というプロセスを必ず経ていたので、力ずくに来られるという経験をまだしていなかった私は大ちゃんの行動に少し恐怖した。

    なのに、怖いはずなのに、
    私の恐怖心とは裏腹に大ちゃんの愛撫に身体の芯から感じている自分に気づく。

    きもち…いい…

    怖いのにきもちいい…

    こんなにきもちよくてとろけそうになったのは初めて…

    私は…

    いつかきっとこの子に身も心も溺れる…

    溺れたらどうなるんだろう。

    もしも溺れて抜け出せなくなった時に、彼が歳上の私に飽きて若い女の子を好きになったらどうなるんだろう。

    「ミューズ?」
    大ちゃんの心配そうな声がする。

    「え?」
    と大ちゃんの顔を見た私に、

    「ミューズ、ごめん。調子に乗りすぎたごめん。」
    と大ちゃんが叱られた子犬の様にしょげきって私の乱れた胸元を整えてくれた。

    「ううん。ごめんなさい。こちらこそ…」
    と私が謝ると、大ちゃんは静かに首を横に振り、

    「帰ろう。」
    それだけ言うと後は無言で車を走らせた。

  • No: 69自由人(匿名)スレ主更新時刻18/06/17 10:09

    翌日から大ちゃんが素っ気なくなった。

    仕事中は今まで通り普通に笑顔すら出して接してくる。

    しかし仕事が終わればまともに私の目を見ることもせず丁寧に頭を下げてさっと帰ってしまう。

    はぁ。
    何となくこうなる予感はしてたんだ。
    気まずい別れ方したもんね…

    追えば逃げる、逃げれば追う。
    か…

    追い方を知らない私はそこまで行き着けないな。
    と、言うより追う前に逃げられてるから話にならない。

    エッチをさせなかったから私に愛想を尽かしたの?

    悲しくなった。

    前の様な仲に戻るのにはエッチすればいいのかな?

    でも…
    ご機嫌取りのためにエッチしなきゃいけない関係ならそんな関係は要らない。

    相手が去るのなら仕方ない。

    幸い大ちゃんも馬鹿ではないからユータンやユッキーの前では極力普通にしようとしてるみたいだし2人にはバレていなさそう。

    よし、何事も無かったかの様に自然に普通にしていよう。

    さようなら。
    大ちゃん。
    短い間だったけど楽しい思い出をありがとう…

    涙がこぼれ落ちる。
    泣いてスッキリし、翌日何事も無かったかの様に出勤した翌日の朝、

    「大ちゃん、ここんとこ元気無いけど何かあった?」
    と同じ朝番のユータンにいきなり聞かれた。

    「えっ?いつもと同じじゃない?
    元気ないどころか楽しそうにしてるじゃない。」

    驚いて聞き返す私に、

    「見た目の話じゃないよ。僕は寂しいです。構って下さいオーラがムンムン出てるじゃない。」

    ユータンが笑いながら言う。

    私は普段のんびりおっとりのゆるふわ系キャラだとばかり思っていたユータンの観察眼の凄さに舌を巻いた。

  • No: 70自由人(匿名)スレ主更新時刻18/06/17 13:26

    「何か凄いねユータン!」

    素直に感心する私に、

    「いや、ユッキーにもバレてるから。」
    ユータンは可笑しそうに笑う。

    「えっ?ユッキーにも?」

    「うん。ユッキーにも大ちゃん最近変だよね?と聞かれて、どうせミューズと何かあったんだろうから放っといてあげな。と言っといた。」

    はぁ。
    恐れ入りました。

    「うん、まあちょっと意見の相違があって…気まずくなっちゃって…
    どうしたらいいと思う?」
    さすがにエッチを拒んだからとは恥ずかしくて言えない。

    「普通に喋れば?」
    ユータンはアッサリ言う。

    またそれか。

    「でも2人で話そうとすると逃げるようにその場を離れるんだよ?」

    「じゃあ追いかければ?」
    ユータンが「追えば逃げる」理論に真っ向勝負を挑むような提案をする。

    本当にそんなんで上手くいくのかな?

    でもどうせ避けられてるのだからこれ以上特に何が悪くなることもないだろう。

    今日は大ちゃんは休みで明日は遅番。
    遅番社員は閉店後、バイトさん達を返した後に戸締りなどのため15分ほど1人で残る。

    決行するならその時だ。

    「よしっ!わかった!頑張ってみます!」
    ユータンに向かってグッ!と親指を立てて突き出すと、

    「はい、GOOD LUCK!」
    とユータンも笑いながら親指をグッ!と立ててきた。

    翌日、決行前に戦闘服ならぬ勝負服を着る。
    ヒラヒラの短めのフレアースカートに可愛いミュール、メイクも可愛い系のピンクでバッチリ。
    よしっ。
    後は武器だ。

    戦闘車=自転車に乗り、武器=差し入れ
    を買いに行く。

    いざ敵地へ!

    駐輪場にはバイトさん達の自転車やバイクは既にない。

    私は武器のマクドナルドの袋をぐっと握りしめると開いている裏口からバックヤードへと入った。

  • No: 71自由人(匿名)スレ主更新時刻18/06/17 13:34

    敵は店内チェックの真っ最中だった。

    「お疲れ様!」
    と叫ぶと、大ちゃんは一瞬「はっ!」
    とした顔をしたがすぐに、

    「お疲れ様です。もう戸締りしますから忘れ物なら早く持って出て下さいね。」
    と私の視界から更に遠くの方に歩いて行こうとした。

    え?
    ちょっと待ってよ。
    せっかくわざわざマクドナルド買ってきたのに。
    その態度はないんじゃない?

    何だか無性に腹が立ち、
    「ちょっと待てい!!」
    と猛ダッシュで大ちゃんを追いかけた。

    「.うわっ!なになになに?!」
    振り向いた大ちゃんは完全にビビっている。

    閉店後の店内で、フレアースカートを翻し、更にはマクドナルドの袋を振り回し、ミュールをカツカツ鳴らして叫びながら自分の方に突進して来られたら当然と言えば当然の反応であろう。

    何事かとビビる大ちゃんの目の前にフンっとマクドナルドの袋を突きつける。
    「これ!差し入れ。
    お腹空いてると思って。」

    「あ、あ、ありがとう。
    店閉めちゃうからちょっと待ってて。」
    私の気迫に気圧されたのか妙に大人しくなった大ちゃんは急いで戸締りをし2人で駐車場に出た。

    「これ、コーヒーとハンバーガーとポテトのセット買ってきたから。」
    そう言いながら中身を覗いて唖然とした。

    振り回しながら走ったためにコーヒーが半分ほどこぼれ、ハンバーガーとポテトがコーヒーまみれのハンバーガーセットならぬコーヒーセットになっている。

    ガーン。

    「これ…もう食べれない…」

    「どれ?」
    大ちゃんは私の手から袋を受け取ると、
    「うん。美味いよ、お腹に入ったらどうせ一緒くたになるんだし美味い美味い。」
    と一気に食べてしまった。

    「何か変な物食べさせちゃってごめんね。」
    ハンバーガーを台無しにしてしまった事ですっかり戦闘意欲を無くした私はガックリしながら自転車に乗って帰ろうとすると、

    「夕飯食べたの?
    あの…もし良かったら食べに行かない?」
    と大ちゃんが誘ってきた。

  • No: 72自由人(匿名)スレ主更新時刻18/06/17 14:25

    車は職場近くのファミレスの駐車場に入った。
    以前、ケンケンのキーホルダーを大ちゃんに買ってもらった店だ。

    「えーとハンバーグにしようかな。
    何にする?」
    大ちゃんに聞くと、

    「.あ、さっきのハンバーガーでお腹いっぱいになったからコーヒーで」
    と大ちゃんが答える。

    あれ?
    じゃあ何でご飯食べに行こうって誘ってきたのかな?
    何か話でもしたかったのかな?

    私の顔色を素早く読んだのか、
    「あのね…俺のこと…嫌になった?」
    と大ちゃんが言い出した。

    「え?何が?何か嫌になる理由浮かばないけど?」
    不思議そうな私の言葉に、

    「ならいいけど…
    この前、ミューズを怒らせたみたいだったから…」
    大ちゃんは言いにくそうにボソボソ言う。

    「えっ?何が?」
    聞きかけてハッとした。

    そうだ。この子、人の顔色や心の変化を異様に敏感に読むんだ。

    おそらく私があの時感じた、
    「この子に溺れては困る、私はいずれ飽きられるかもしれない。」
    という思いを感じ取って「拒否」されたという形で認識したんだ。

    私は大ちゃんが「エッチを拒まれた」からよそよそしくなったと思ってたけど、
    違う。
    「自分を拒まれた」
    と思ったから傷が深くなる前に自分から離れようとしたんだ。

    でも元来の寂しがり屋さんにはそれが難しかったってわけか。

    何て面倒臭いタイプ。

    おっと、今の読まれたかな?

    私の気持ちを読もうとするのなら読まれる前に先に言ってやる。

    「もしかして、いつも人の心を深読みしてたりする?」
    私の急な言葉に大ちゃんは少し驚いた様だったが、

    「うん。みんなそうじゃないの?」
    と答えてきた。

  • No: 73自由人(匿名)スレ主更新時刻18/06/17 16:36


    え、ごめん。
    私そんな面倒臭いことしませんけど…

    「ねぇ、人の心をいつも読んでるの?ずっとそうやって生きてるの疲れない?」

    「疲れる…でも何となくわかっちゃうから…」

    「ふ~ん、何だか面倒臭いね。」

    ズケズケと言う私の言葉に怒るかと思いきや、

    「うん、確かにそうだね。」

    大ちゃんはシンミリと頷く。

    この子、きっと生まれつき勘がかなり鋭いんだ。
    それに家庭環境の事も加わって…

    「ねぇ、人のことを基本的に信用しないって言ってたよね?
    じゃあ私の事も信用しきれてないって事だよね?」

    「えっ、それは…」
    大ちゃんが口ごもる。

    やっぱり信用してなかったな、お主。

    「まぁいいわ。全体的に信用しなくてもいいから1つだけ信用して。
    私は絶対にあなたを嫌わない。もしも何かの事情で2人が離れる事になっても。わかった?」

    言いながら自分でも大胆な事を言っているなと思った。
    でもこの約束だけは絶対に守り抜きたい。

    私の決意が伝わったのか、
    「うん、分かったよ。
    ありがとうミューズ。」
    大ちゃんは少し微笑んだ。

    ファミレスを出て帰りの車内、

    「私の心もいつも読めるの?」
    と聞いてみた。

    「ミューズは単純だからあまりその必要はないかな?」
    と大ちゃんが笑う。

    「ちょっと!失礼な!
    どーせ、私は大ちゃんみたいに美形でもないし繊細でもないですよっ!」

    決して美人とは言えないが…のくだりをまだ根に持っている私はさりげなくそれも盛り込んで文句を言ってみる。

    私の言葉に曖昧な笑顔を浮かべた大ちゃんは、

    「.本当は、ミューズみたいなタイプが1番読めないんだ。
    何でもストレートでクルクル気が変わって、思考も他の人とちょっとズレてて、翌日にはあらかた前日のこと忘れてる。」

    ちょっとまて。
    それ完全に馬鹿にしてるよね?

    「いや、完全に俺の中では最大級の褒め言葉だよ?」

    そう言いながら大ちゃんは私の髪に優しく触れ、

    「今日すごく可愛いね。」

    と、優しい目をして微笑んだ。

  • No: 74自由人(匿名)スレ主更新時刻18/06/21 23:27

    「えっ?そ、そう?」

    内心嬉しくてドキドキする。

    「うん。服装も可愛いし髪もサラサラしてて綺麗だし、なんか可愛いなって…やっぱりミューズ可愛い…特に今日すごく可愛い…」

    大ちゃんがすこし照れた様に言う。

    「え~?お風呂上がりにぱぱっとそこらの服着てから髪を適当に乾かして、簡単にメイクしただけだよ~」

    と、おとなの余裕を極力醸し出し、何言っちゃってんの?的に返す私に、

    「へぇそうなんだ。でもすごくいいよ。」

    と大ちゃんが感心したように言う。

    嘘だよ。
    嘘だよ。
    大嘘だよっ。

    本当は、服をわざわざ買いに行ったんだよ。
    髪もサラサラのロングが好きだって言ってたから丁寧に時間かけてブローしたんだよ。
    メイクも雑誌を見てナチュラルで可愛いメイクを時間かけてやったんだよ。

    だって、また可愛いって言われたくて、好きだって言われたくて、
    私を見て欲しくて、

    あ~ダメだ。
    ハマりかけてるじゃん。
    溺れたら困るって自分を戒めようとしてるのはどこのどなた様でしたっけ?

    相手はまだ19歳だよ?
    未成年だよ?
    この前まで制服着て学校に通ってた子に四捨五入したら30歳の私が…

    はぁ、なにやってんの私は。

    「ミューズ、俺に会いに来るからオシャレしてきてくれたの?」

    1人、頭の中で葛藤中の私にいきなり大ちゃんが鋭い所を突いてくる。

    急に直球ど真ん中のストレートをダイレクトにぶつけられた感覚がして、恥ずかしくてクラクラした。

    はっ?何言ってるの?
    適当な格好で来たって言ったよね?

    頭の中では色々言葉が渦巻くのに
    上手くそれが外に出せない。

    少しの沈黙の後に、
    やっとの思いで私の口から出た言葉は

    「心…読んだの?」

    だった。


  • No: 75自由人(匿名)スレ主更新時刻18/06/22 23:34

    「いやっ、読んで、ませんっ、」

    大ちゃんの言葉が急に途切れ途切れになる。

    「本当に?」

    「はいっ、全く、わかりませんっ、」

    嘘つけ、完全に笑っちゃってるじゃないの!

    「いや、もう、こんなに、単純で、わかりやすい人は、初めて、あっ、いやっ、何でも、ない、です、」

    おいっ!全部口に出してしまってから誤魔化すんじゃない!

    しかも、ミューズみたいなタイプが1番わかりにくいんだ…
    と言ってたどの口が言う?

    「何よ~!張り切ってオシャレしてきて悪いのかよ~!
    3時間かけたってそっちを待たせたわけでもなんでもないだろ~。
    それとも私のオシャレがなにか迷惑かけたのかよ~!」

    人は図星を指された時ほど腹を立てるというが。
    うむ、よくわかった。

    恥ずかしさときまりの悪さがピークに達し、ならず者の様な口調になっている私に、

    「えっ?3時間もかかったんだ。」

    と追い打ちをかける大ちゃん。

    …しまった、ドツボ…

    引きつる私に、

    「でも、さすがに3時間もかけたようには見えな…」

    黙れ!!
    目で脅す。

    そんな私の必殺視線ビームに怯えたのか、
    「あ~う~ゴホッゴホッ。」

    大ちゃんは変な咳をして誤魔化した後、

    「そ、そういや、今日店に変な電話あったみたいでさ。」
    と急に話を変えてきた。

    「なに誤魔化そうとしてんのよ~」
    と、文句を言いかけた私に、

    「いや大した話じゃないんだけど、ちょっと気になってたのを思い出したからさ、時間まだ大丈夫そうなら聞いてくれる?」

    と、大ちゃんが苦笑いしながら言う。

    車はとっくに店の駐車場に着いていた。

    あまりそこで長居をするのもためらわれる。

    「わかった。マクドナルドに集合しよ。先に行ってて。」

    私は自転車に跨りながらそう告げる。


    私の言葉に頷いた大ちゃんの車が出ていくのを見送り、私もマクドナルドの方向に自転車を漕ぎ始めた。

レスを投稿する

cookieが無効になっています。有効に変更をしてください。

あなたは、現在ログインしていません。このままでも投稿できますが、いくつかの制限があります。
詳しく見る
スレにレスを投稿します。 は必須項目です。
  • 未登録

画像を投稿するには、ログインが必要です。

ミクルログインIDの登録はこちら

ミクルログインIDをお持ちの方はこちら

  • 画像処理中
  • ※1000文字(改行も1文字に含む)まで入力可能。
  • ※メールアドレスの掲載やアフィリエイトサイトの宣伝など投稿のルールに反する投稿をした場合、一発で投稿停止処分となる場合がありますので、ご注意ください。