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海未の名は?ンミチャ!海未です!

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作家
19/07/03 15:03(更新日時)

あらすじ

東京は音乃木坂に住む高坂穂乃果と園田海未は実は前世からの付き合いらしい。
やがてふたりは夢の中で前世での悲しい出来事を知るが----。
出会ってしまったふたりが前世から動き出すアニメ『ラブライブ!』前史。

本物語はいうまでまなく『君の名は。』の『ラブライブ!』によるパロディである。

18/01/22 09:26 追記
キャストコメンタリーは通常アニメ作品DVDで本来は放送後や製作後におこなわれますが、今作品はあくまでパロディなので息抜きで入れております。ご了承ください(笑)。

海未「単純にレスが埋まらないからではないですか?」

主「💔」グサッ!

穂乃果「主さぁ〜ん!」

☆ちなみに『マクロス』や『ガンダム』など他作品の名前がいくつか出てきますがメタフィクションか伏線かいずれかです。

No.2585380 18/01/07 18:32(スレ作成日時)

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No.51 18/01/27 12:10
作家 

キャストコメンタリー19だよ(です)!!

穂乃果「ここから互いの入れ替わりが現実味を帯び……はあ」

海未「その吐息はなんですか」

ほのこと「ひんにゅうはちょっと……」

うみりんにこ「穂乃果!ことり!」

真姫「この辺からふたりが互いにてんやわんや」

希「みてるぶんには楽しいけど」

絵里「けっこう撮影は大変だった?」

穂乃果「なんといっても海未ちゃんになったりもとにもどったり」

海未「お互いさまです」

花陽「胸を掴む穂乃果ちゃん。ちょっと可愛い❤」

凛「穂乃果ちゃんはいいけど海未ちゃんはうわきあいてはいかないにゃ」

海未「はい?」

雪穂「ことのしだいを知らないまま」

亜里沙「物語は加速度的に第三者のあたしたちにも伝わる」

ほのこと「雪穂と亜里沙ちゃん格好いい」

海未「ほ・の・か」

穂乃果「ほへ?」

海未「私をどう思いますか」

穂乃果「」

ことり「固まっちゃった」

No.52 18/01/27 12:31
作家 

キャストコメンタリー20だよ(です)!!

穂乃果「入れ替わりがうみだすさらなるトラブル」

海未「互いに協力していくはずが互いの歯車が噛み合わない」

凛「にゃあ(`□´)」

花陽「よしよし」

真姫「花陽が飼い主、凛は犬か猫?」

りんぱな「人間です」

ことり「互いにさながら本音のような掛け合い。負けるな穂乃果ちゃん!」

穂乃果「おーっ」

海未「私には?」

ことり「負けるかもしれないよ!ンミチャ」

海未「お……おーっ?」

希「まあ本当の勝負は次の21やな」

絵里「ええ」

穂乃果「変態パン娘呼ばわり」

海未「貧乳ばかり繰り返してにこや凛が惨めとかかわいそうとか思いませんか!!

りんにこ「海未ちゃんの方がひどい!!」

海未「すみません」

穂乃果「しょうぶは次のステージへ」

海未「明らかに穂乃果はアドリブを入れましたよね?」

穂乃果「さあ」

ことり「勝て!穂乃果ちゃん!」

希「ことりちゃんは穂乃果ちゃん派」

絵里「海未」

海未「はい」

絵里「応援しようか」

海未「なぜ疑問形ですか」

亜里沙「あ、あたしが海未さんを応援します!」」

海未「絵里とちがってよくできた子です」

絵里「なぜかしら。海未が遠いわ」

希「とりあえず東京湾を目指すんやったら」

絵里「その海じゃないわよ」

真姫「なぜウチの学校はこんな先輩ばかり」

ツバサ「たのしそうだ」

No.53 18/01/27 15:28
作家 

キャストコメンタリー21だよ(です)!!

海未「貧乳呼ばわりしないでください」

穂乃果「ほのかのおかげで栄養が与えられたのに怒りっぽい海未ちゃん」

海未「だいたい上野動物公園や西郷さんと何が見たいのですか」

穂乃果「パンダと西郷さんのお犬だよ!」

海未「こほん。穂乃果我がu’sにはどうぶつがいっぱいいるではありませんか。気づきませんか?」

ほのことまきりんぱなにこのぞえり「ん?」

海未「ことりは小鳥、凛は猫、真姫と花陽は置いといて。にこは怪獣ツインテール、希はクジラ、絵里はロシア辺りにいるクマ」

穂乃果「おお〜!?」

ことり「小鳥」

りんにこのぞえり「動物や怪獣じゃないし!!」

海未「それに犬なら。はい鏡です」

穂乃果「ほのか」

海未「犬です」

穂乃果「なるほど……じゃないよ!!」

ツバサ「いい仲間だ」

雪穂「海未さんだけですね」

亜里沙「穂乃果さん」

海未「しかしこの後に互いの人間関係相関図が変わっていきます。真姫と親しくなる私」

穂乃果「男の子に告白されても……てへ♪」

ことり「うるうる」

海未「さらに過激になるスマホのメモ同士のやりとり」

穂乃果「いやいや」

海未「本来なら三葉ちゃん役の穂乃果には相手がいないはずなのに」

穂乃果「ことりちゃんがいたよ!ぶいっ!」

海未「かったてなんですか!!アドリブすぎますよ」

穂乃果「かった!」

ことり「やった!」

にこ「ムカッとする海未がこわい」

真姫「うん」

凛「にゃあにゃあ」

花陽「はい、今日はサンマの塩焼きだよ」

凛「しくしくにゃ」

ツバサ「u’sは動物園だったのか」

のぞえり「ちがいます」

ほのこと「かった!」

海未「負けてません」

No.54 18/01/27 18:25
作家 

キャストコメンタリー22です!

海未「再び穂乃果になる私。希がこわいですね」

穂乃果「はあ。むしろ海未ちゃんみたいに強くなるほのかがこわいよ」

ことり「じゃぱん・あくしょん・えんたーぷらいず。かの『仮面ライダー』や『すーぱー戦隊』シリーズのアクションを担当したスーツアクタープロダクションで穂乃果ちゃん三ヶ月前から特訓したらしいて」

穂乃果「おかげで身体中がきんにくつう」

まきりんぱなにこのぞえり「かわいそう」

海未「あの私は幼い頃からお母様に鍛練をされてきましたが」

希「ほんとに平成生まれ?」

海未「平成ですよ!!」

希「最近穂乃果ちゃんたちの気持ちがわかってきたかんじやな」

ほのこと「なかまだよ❤❤」

花陽「穂乃果ちゃんになった海未ちゃんに倒された希ちゃんを目撃するあたし」

海未「穂乃果はなぜムネが大きくなりました?」

穂乃果「せいちょうき!」

うみりんにこ「成長期は同じなはずですが」

絵里「そうよね」

海未「黙りなさいポンコツ警官!」

絵里「しくしく」

凛「天は二物を与えにゃいにゃ」

絵里「凛に言われたくないわ」

花陽「凛ちゃんはむかしムネの抵抗がなくて小中と水泳大会で優勝に導いたの!」

凛「にゃ!ほめてるにゃ?けなしてるにゃ?」

花陽「希ちゃんをとりあえず病院に」

希「うちどこも悪くない」

花陽「ハレンチなことしたがるそのせいしんを診にいきましょう」

希「え」

No.55 18/01/28 08:00
作家 

キャストコメンタリー23です!

真姫「米俵を担ぐ花陽」

にこ「『ラブライブ!』ファンが驚愕のビジュアルインパクト」

花陽「米俵や凛ちゃんなら持てるよ!えい」

凛「にゃ」

海未「しかし乃木坂は自然に溢れています」

穂乃果「海未ちゃんはひんにゅうで平たいです」

海未「誰が関東平野ですか」

ことり「言ってない言ってない」

穂乃果「ここの場面で雪穂と花陽ちゃんを担ぐんだけど」

希「うち登場!」

穂乃果「重かった」

希「どういう意味や」

雪穂「まあまあ」

穂乃果「だけど山を登ってなぜか『マクロス』?」

雪穂「これあたしが言ってるけど伏線なのかただのメタフィクションなのか。いまだにわからないのよ」

亜里沙「まくろす?」

真姫「主さんがいつの頃からか姿が見えないけど……いた!」

主「φ(..)」

海未「なにを?」

主「後半の脚本の手直しを少々」

海未「なにか後半に私になにかさせようとしてません」

主「( ̄□||||!!」

主「なななななにを……!?」

希「そんなことよりウチがまた現れてジェットストリームアタック」

絵里「出番があると思ったら」

亜里沙「中身が海未さんの穂乃果さんを相手に恥ずかしい」

ほのうみ「考えてやめてもよかったのに」

亜里沙「いえいえ中のひと含めあたし絢瀬亜里沙はがんばります!」

穂乃果「えらいな」

ことり「可愛いな」

凛「にゃ」

花陽「それに比べて海未ちゃんは」

海未「はい?」

穂乃果「希ちゃんと絵里ちゃんを倒すあたし。きんにくつうだよ」

海未「日頃から鍛練してたら筋肉痛になりませんが」

絵里「ま、まあバレエも似たり寄ったり」

希「えりちも少し間違ったら海未ちゃんみたいに」

絵里「え」

穂乃果「しょじょでない希ちゃんを倒してようやく」

希「処女や」

海未「口噛み酒を奉納していくみな」

穂乃果「どきどき」

ことり「なにげに希ちゃんたちの方が出番多い乃木坂編」

No.56 18/01/28 09:30
作家 

キャストコメンタリー24です!

海未「山の頂きに辿り着いた穂乃果になった私に花陽に雪穂」

花陽「米俵でもだいじょうぶ!」

雪穂「なぜ『逆襲のシャア』?」

海未「台本にありましたが……あれ?ない」

穂乃果「うみちゃんのアドリブ?」

ことり「うみちゃんの『アド街っく天国』?」

海未「アドリブではないです!これでは腐女子みたいです」

にこ「みたいじゃなくてまんま」

真姫「いいじゃない」カミノケ クルクル

絵里「ふじょし?」

亜里沙「アニメや漫画好きな女の子です」

希「さらに上をいくのが腐女子」

海未「主さんは?」

穂乃果「あれいない」

ことり「後編の撮影に打ち合わせにいくとか」

海未「逃げましたねぇぇ〜っ!!」

穂乃果「『ドラゴンボール超』最終回で悟空たちの前に立ちはだかるラブライブ!宇宙の園田海未!」

ことり「破壊神さえ超える!そのパワー!」

凛「カップ麺が一瞬で出来上がる戦闘力!」

花陽「チャーハンさえ材料ごと炊き上がる気力!」

真姫「……えと……ウルトラダイナマイト?」

にこ「カイザーベリアル……」

希「トランザム!」

絵里「またあたし?」

亜里沙「ネタが滑りそう」

絵里「ちからまかせのドラえもん?」

海未「誰が力任せのドラえもんですか」

ほのことまきりんぱなにこのぞ「にあぴん!」

絵里「ほめられた」

海未「こほん。口噛み酒を奉納するなか雪穂の一言」

穂乃果「大切なモノ」

ことり「穂乃果ちゃんに海未ちゃん」

凛「かよちん」

花陽「凛ちゃん」

真姫「凛に花陽」

にこ「兄弟に家族に仲間たち」

希「えりちに仲間に」

絵里「またあたし?」

亜里沙「どきどき」

絵里「そんなの決まってるわ!u’sに学校におばあさまに亜里沙よ!」

希「焼き肉」

穂乃果「穂むまん」

海未「食べ物ばかりですかぁぁ〜っ!!」

ほののぞ「ひいい!?」

ことり「ちなみに海未ちゃんの大事なモノは「」

海未「穂乃果にことりに仲間たちですが」

ほのこと「つまり地球はどうでもいいと。地球がなくても生きれる海未ちゃん」

海未「」

No.57 18/01/28 10:51
作家 

キャストコメンタリー25です!

希「殺虫剤で撃退されるウチ」

花陽「スズメの数が九羽」

凛「u’sだにゃ」

真姫「たぶんね」

海未「なぜ『ウルトラセブン』ですか」

穂乃果「希ちゃんをウルトラかいじゅうに喩えよう!」

穂乃果「レッドキング!」

ことり「キングジョー!」

花陽「宇宙大かいじゅうベムスター!」

希「ウチなんでも吸い込まへん!」

凛「ジャンボキングにゃ」

希「デカくないし」

真姫「え……アストロモンス」

ほのことりんぱな「おお!?」

にこ「タイラント?」

希「ウチはウチや!」

絵里「またあたし?」

亜里沙「これじゃないかな」ユビサシ コレコレ

絵里「邪神がたのぞーあ?」

ほのことまきりんぱなにこ「ぴったり!」

絵里「やった!」

希「誰が邪神や」

海未「ある意味はずれてないはず」

穂乃果「最後は海未ちゃんだよ!」

海未「根源的破滅招来体?」

ほのことまきりんぱなにこえり「言い過ぎ」

海未「え」

希「ウチは滅ぼさへんわ」

穂乃果「とりあえずべむすたーでいい?」

希「みんなを両の手でワシワシMAXするで」

ほのことまきりんぱなにこえり「とりあえず海未ちゃんからどうぞ」

海未「え」

希「お断りします」

海未「なんか納得しませんが」

穂乃果「とにかく穂乃果の身体から海未ちゃんはもとのひんにゅうなからだに」

海未「感動的な場面が台無しですが」

真姫「次から私とのデートね」

にこ「尾行するあたしと凛」

凛「希ちゃんなみなお笑いぽじしょん」

希「ウチらは仲間や」

りんにこ「いやいや」

No.58 18/01/28 13:24
作家 

キャストコメンタリー26です!

穂乃果「ゾフィーに命をもらったウミトラマン」

海未「ただ目覚めただけですが着メロがなぜか『ドラゴンボール』」

ことり「海未ちゃんにふさわしいアニソンは?」

凛「『巨人の星』」

花陽「『アタックNo.1』」

真姫「『マシンロボ クロノスの逆襲』?」

にこ「マニアックね。『機動武闘伝Gガンダム』かしら」

海未「ロボット格闘モノ?」

希「う〜ん、『トランスフォーマー スーパーリンク』」

ほのこと「おお!?だけど海未ちゃんとリンク合体はえんりょだよ」

海未「どういう意味ですか」

ことり「『セーラームーン』『ウェディングピーチ』『レイアース』『ナースエンジェル』『赤ずきんチャチャ』……」

海未「ことり……」

ほのまきりんぱなにこのぞえり「え〜っ」

ことり「これらの作品はなしとして……『疾風!アイアンリーガー』!」

ほのまきりんぱなにこのぞえり「ロボットスポ根もの!!」

海未「だれがロボスポ根ですか」

絵里「……また」

亜里沙「これこれ」

絵里「『ウルトラマンレオ』?真夏竜」

穂乃果「ぴったりだよ」

海未「だれがレオですか!」

穂乃果「海未ちゃん熱い……『侍ジャイアンツ』かな」

海未「こほん。それより穂乃果のスマホに残した内容がすさまじい。許してちょんまげとか」

穂乃果「あとのハゲカツラつながり」

ことり「ネタバレ」

海未母「娘のデートで揺れる園田家と道場」

穂乃果「『寺内貫太郎一家』や『時間ですよ』みたい」

ことり「昭和だね」

花陽「穂乃果ちゃんコーディネートの海未ちゃん」

穂乃果「これ実はことりちゃんだよ」

にこ「え」

真姫「納得」

海未「どういう意味でしょう」

穂乃果「アホのか呼ばわりしながら家を出る海未ちゃん」

海未母「ごめんなさい。失礼な娘で」

ほのこと「いえいえ」

海未「なぜか私が悪いみたいに」

真姫「みたいじゃなくて」

海未「」ギロリ

真姫「ここからあたしとのデート……」

花陽「デート憧れちゃう」

No.59 18/01/28 15:45
作家 

キャストコメンタリー27だよ!

穂乃果「海未ちゃんのデートにポロリとするほのか」

ことり「迫真の演技だよ。海未ちゃんのことで泣くのは一期でンミチャ平手打ちで叩かれた時以来?」

穂乃果「あれを思い出して涙を出しました。あなたは海未ちゃんで泣くことができますか?あなたは海未ちゃんの平手打ちで泣けますか。ほのかはこれで泣きました」

にこ「禁煙パイポか!」

真姫「泣いた穂乃果の前に現れることりに花陽、雪穂ちゃんはともかく希、絵里、亜里沙ちゃん」

ことり「出番だよ」

花陽「ここは『君の名は。』では三葉ちゃんが恋してると無意識に知る瞬間なのに」

凛「かよちん好きにゃ」

希「処女でないと断定するウチ」

絵里「町長になるためになりふり構わないみたいな私」

亜里沙「なぜ『ラブライブ!』一期でここまで弾けなかったのか」

絵里「弾ける必要ないでしょう!」

凛「二期なってから合宿に叫んだり凛に優しくしたり変わったにゃ」

花陽「絵里ちゃんは頭にねじがついてたり外れてたりの笑いの安定」

絵里「にこじゃないし」

にこ「どういう意味」

ことり「ほのかちゃんが処女かどうかたしかめるあたし!」

穂乃果「はずかしい」

雪穂「お姉ちゃん、ことりちゃんが親友でいいの?」

穂乃果「海未ちゃんよりましかな」

海未「なぜですか」

ことり「処女だったことを安心したあたし❤」

のぞえり「悔しがるあたしたち」

亜里沙「にこ先輩はしょじょ?」

にこ「のーこめんと」

真姫「にこちゃんはあたしがたしかめるから」

穂乃果「とにかく海未ちゃんを忘れて外に出るあたし!」

海未「なんで忘れるんですか!!」

穂乃果「海未ちゃんよりしょじょかどうかの方がたいせつだよ」

ことり「やったね」

真姫「ひどいわ」

にこ「うわ」

No.60 18/01/28 19:59
作家 

キャストコメンタリー28です!

海未「ついに始まったうみまきデート!」

この時穂乃果とことりにはあるCMが頭の中に流れた!

海未『ここが鳴門の渦潮ですか』

真姫『ほんとクルクル回ってるわ!!』

しかし船から落ちて渦潮にクルクルと飲まれる二人!!

うみまき『きゃああ〜っ!?』グルグル グルグル

現れる石原良純!手には鳴門ラーメン!

良純「u’sのみんなも食べてる鳴門のうずしおラーメン!ナルトのうずしお美味だね!うまい!」

うみまき「なに考えてるんですか!!」

ほのこと「つい」

凛「ラーメンつくってくるにゃ!」

海未「大人ぽい真姫と」

真姫「可愛くなった海未」

にこ「認めないわよ」

絵里「それ私の台詞」

希「デートにあたふたする海未ちゃん」

海未「慣れてません」

真姫「海未をからかうのは新鮮だったわ」

ほのこと「だよね♪」

海未「む」

ほのこと「風車の弥七と化す海未ちゃん」

花陽「爪楊枝でさえ武器になるんだ」

海未「演出です!」

りんにこ「いやいや」

凛「たとえばここにラーメンの麺があります。湯に入れないと当然だけど固いにゃ」

ほのこと「ツンデレのツンだね」

真姫「どういうたとえ」

凛「だけど沸かしたら湯に入れると柔らかく味が通るにゃ」

にこ「たしかに。ツンデレがデレ化したみたいに」

真姫「」

凛「海未ちゃんに麺を四、五本あげてあそこの的に当ててみるにゃ!」

海未「なにをバカなことを」

固いままの麺を投げた先には的には石原良純がいた!!

良純「まて待て!俺が何したんだよ!…!?…!…!?…!…!!!」

凛「このように海未ちゃんには演出が不要にゃ」

にこ「良純さんが箸でナルトを持ちながら気絶してるわ」

海未「捏造です!」

穂乃果「始まるデート」

ことり「これで海未ちゃんが真姫ちゃんとくっつけば……」

海未「『君の名は。』ではなくなりますよ」

穂乃果「どうする!?どうなるほのかの恋物語!」

No.61 18/01/29 06:19
作家 

キャストコメンタリー29です……!

穂乃果「デートで力をなくしていく海未ちゃん」

ことり「デートについてはノースキル!ノープランな女」

海未「ノースキルやノープランなわけでは」

にこ「およよと嘆くのがおかしいやらかわいそうやら」

希「まあファーストデートがうまくいくことはまずあらへん」

穂乃果「そこで穂乃果がメモを残しました」

海未「ギャグとかにことはアホですか」

穂乃果「にこちゃんの持ちギャグといえば?」

にこ「持ちネタなんかないわよ」

穂乃果「あれあれ♪……ぬわぁぁぁ〜んなのよぉぉ〜!だよ❤

にこ「ギャグじゃないでしょ!」

真姫「クスッ」

花陽「真姫ちゃんが笑ったにゃ」

真姫「だ、だって」クスッ

うみにこ「ギャグだったの」

穂乃果「じゃあ海未ちゃんやってみよう」

海未「な、……ぬ。ぬわぁぁぁんなのよぉぉぉぉ!!」

真姫「何なの?ちゃんと発音しなさい」

ほのこと「あれ?」

凛「にこちゃんじゃないとダメみたいにゃ」

にこ「ぬわぁぁぁんなのよぉぉぉぉ!!……どう?」

真姫「可愛い」

にこ「」カアッ

絵里「つまりにこの持ちネタはにこしか使えず」

希「ウケるのは真姫ちゃん限定」

海未「私がやっても損ではないですか」

ほのこと「やり損な女園田海未、イッテQはみやぞん」

海未「む」

すると彼女たちの前に現れるファーストフードのポテト🍟

穂乃果「続いてはポテト早食い競争だよ!」

ことり「にこちゃんといえばポテトを早く盗み食いをするのが特技」

にこ「特技じゃないわよ」

ほのこと「海未ちゃんと競ってもらうよ。よ〜い!ドン!!」

にこ「ばくばく」

海未「ふ、太りますが。負けられません」

にこ「ポテトばかりで舌がおかしくなりそう」

海未「カロリーが……」

ほのこと「はい!ストップ!」

にこ Mサイズ 10

海未 Mサイズ 15

穂乃果「まさかの海未ちゃん優勝!」

ことり「ファーストフードのポテト一年分無料券だよ」

海未「い、いりません」

真姫「にこちゃん大丈夫?」

にこ「た、食べられない」

りんぱな「ばくばく」

No.62 18/01/29 07:35
作家 

キャストコメンタリー30です

穂乃果「むしん?」

ことり「無心。いわば海未ちゃんや絵里ちゃんみたいなお堅い人が精神を集中したり無念夢想になることかな」

うみえり「バカにしてません?」

にこ「どんだけこの時はつらかったか」

凛「ぴくりとも動けなかったにゃ」

亜里沙「ロリコンはむかしからあったのですか」

にこ「ないわよ!絵里の妹だからて」

真姫「あたしはロリコン?ロリコンなのかしら」

穂乃果「とにかくデートがめでたく失敗した海未ちゃん」

ことり「おめでとう」

海未「なんでおめでとうなんですか」

花陽「『キャプテン翼』『仮面ライダーSpirits』『仮面の忍者 赤影』」

凛「にゃ。男の世界にゃ」

海未「女ですが」

穂乃果「とにかく真姫ちゃんにフラれておめでとう」

ことり「おめでとう」

海未「なぜか腹立ちますね」

真姫「あたしは関係ないわよね」

絵里「海未を振るなんて」

希「そやで。ひんにゅうはレアやで」

うみりんにこ「レアキャラではありません」

真姫「なんか胸がいたい」

穂乃果「真姫ちゃん!ガラスの心臓でも唄うんだよ!」

真姫「『キャプテン翼」か!」

No.63 18/01/29 08:22
作家 

キャストコメンタリー31です……はあ

海未「デートとはうまくいかないものです」

穂乃果「おめでとう」

ことり「おめでとう」

凛「おめでとうにゃ」

花陽「おめでとうです」

絵里「おめでとうなの?」

希「おめでとうや」

ほのことりんぱなのぞえり「真姫ちゃんにフラれておめでとう」

にこ「よし!」

海未「なんでそうなるんですか!」

真姫「なんか胸がいたいわ。役で演じただけなのに」

穂乃果「そもそも海未ちゃんはぱーふぇくとなすきるはないんだよ」

ことり「ちいさい頃から見てるけど○○あたっく!であたしたちを引っ張りまわし」

穂乃果「たまには考えて行動しようよ?」

海未「それは穂乃果ですけど」

穂乃果「考えてるよ?毎朝ごはんを食べたらどこでパンを買おうとか」

海未「だから太るんですね」

穂乃果「太ってないよ」

真姫「とにかく海未とのデートを終えたあたし」

りんにこ「追跡するあたしたち」

花陽「爪楊枝で気を失う凛ちゃんとにこちゃん」

穂乃果「『必殺!仕事人』だよ」

海未「演出です!」

穂乃果「演出で爪楊枝を使って気絶させる?」

海未「」

No.64 18/01/29 20:38
作家 

キャストコメンタリー32です

海未「にこと凛を家に帰し家路に着く私」

ほのこと「切れ痔?」

海未「い・え・じ」

ほのこと「き・れ・ぢ?」

海未「とりあえずu’sから穂乃果とことりを卒業させますか」

ほのこと「ごめんなさい。はんせいします」

海未「わかりました。許します」

絵里「たいへんね」

海未「穂乃果の方が女子力あるとは思いませんが『海未の名は?』でもここまで振り回されるとは思いも寄りません」

穂乃果「まるで考えのない子みたいな言い方」

希「ちゃんと穂乃果ちゃん考えとるんやんな」

ほのこと「ねぇ♪」

海未「しかしこの場面で穂乃果を懐かしがる私」

穂乃果「そんなに思われてもほのかこまるな」

海未「しかし私を貧乳呼ばわり」

穂乃果「ほえ」

海未「しかもどこの誰がC-C-Bやガンバルガー、ゴーオンジャーをおぼえてるんですか」

穂乃果「胸が〜♪」

ことり「胸が〜♪」

ほのこと「ひんにゅうになる〜♪♪」

うみりんにこ「やはり卒業しますか」

ほのこと「もう二度と言いませんから。ごめんして」

海未「はあ」

にこ「『海未の名は?』製作中断かしら」

海未「い、いいえ!やります!」

穂乃果「ほのかもがんばるよ!」

ことり「このままではほのうみ確定」

主「ことりちゃん脚本にしたがってね」

ことり「は〜い♪」

花陽「ほのうみ」

希「どうなるんやろうな後半」

絵里「わくわくどきどきだわ」

亜里沙「むしろ不安」

雪穂「同感」

穂乃果「ほのかを信じてよ」

ことうみまきりんぱなにこのぞえり「信じていい?」

穂乃果「うん」

海未「私を信じてください」

ほのこと「」

まきりんぱなにこのぞえり「なんか言いなさいよ」

ほのこと「……はい」

主「不安だ」

ほのこと「海未ちゃんをいちおう信じるよ!」

海未「一言多いです!」

No.65 18/01/30 07:37
作家 

キャストコメンタリー34だよ!

穂乃果「ついにキャストコメンタリー前半はおしまいだよ」

ことり「ほぼのーすきる海未ちゃんの独壇場だったよ」

海未「意味がわかりません」

花陽「東京に行っていたらしい穂乃果ちゃんのお土産はまさかの」

りんにこのぞえり「ハゲヅラ」

亜里沙「ハラショーなセンスです」

絵里「さすがの私でも引くわね」

穂乃果「うるうる。だってかなしかったもん」

ことり「よしよし」

にこ「東京にいってハゲヅラを買うのは穂乃果だけね。ドン・キホーテ行ったでしょう」

穂乃果「うん!」

花陽「しかしなぜか髪を切っていた穂乃果ちゃん」

凛「髪を切ると凛やかよちんとまぎらわしいにゃ」

穂乃果「我ら三食いトリオ!!」

穂乃果「パン!」

花陽「ごはん」

凛「ラーメン!」

海未「クランクアップ後にダイエットしますね」

ほのぱなりん「なんと」

穂乃果「しかし髪を切った穂乃果は祭りに参加しハイコウ彗星を眺める……。その時!!」

ことり「『海未の名は?ンミチャ!海未です!』後半更なる展開があなたの前にやってくる」

海未「ふつうに『海未の名は?』でもよかったです」

主「はい!後半撮影スタートします!」

にこ「よし!」

凛「にゃ!」

真姫「ふふん」

海未「はあ」

穂乃果「ため息つかないでよ!しあわせ逃げちゃう!」

海未「わかりました!私園田海未……!」

主「スタート!」

海未「最後まで言わせてください!」

希「いじられ海未ちゃんやな」

No.66 18/01/30 11:47
作家 

鉛筆を動かす私。
そう穂乃果と入れ替わりの日々を繰り返した海未です。
「ピカソかにゃ」
「ダウンタウンハマちゃんなみにど下手ね」
鉛筆の先だけをにこと凛に放ち二人に気を失わせました。
「凛!にこちゃん!」
真姫の声を無視しながら記憶の中の風景は捉えきれない私。
絵は下手です。およよ。

通勤ラッシュの中、毎朝にこは子ども料金で乗り私は鉄道警察に引き渡します。
「はなせ!」
「今日もまたにこが子ども料金で乗ってました」
「にゃ。子ども料金は乗るのはいけないにゃ。ずるずる」
「ついでに乗車食いの凛も」
「にゃ」
二人を鉄道警察に渡した私は学校に向かいます。

夜の部屋で絵心はありませんが絵を描きます。図書館に通うとにこはなぜか絵本ばかり借り凛はラーメン本ばかりに涎を垂らしています。無視して私は記憶の中の風景とあの山頂アタックしたい稜線を重ねます。
「山ガールにゃ?」
「山バカね」
「うるさいです!」
静かにと注意されました。

都会のアスファルト、青い空。黄砂が混じる空気。毎朝私は電車に乗り学校にいきますがたまに電車に乗らずに走っていきます。バイトもします。真姫とは親しくなり私はできる限りふつうに接します。笑顔です。誰に対してもフェアでありたいです。
「『8マン』みたいにゃ海未ちゃん」
「ほぼ人間ではない」
「人間人間」

真夏のように蒸し暑い夜もあれば肌寒い時もあります。だけど絵を描いていればなぜか脳が熱く沸騰します。スケッチブックに汗が落ちます。描線を滲ませる。穂乃果として見てきたあの風景が少しずつ形になります。

学校帰り、部活帰り、バイト帰りに私は電車と競うように走ります。風景は日に日に変わります。新宿にはゴジラが、四谷には『めぞん一刻』の四谷さんが、いませんね。気づけば作業用レイバーと戦う98式イングラムが戦ってます!
「にゃ!いけイングラム」
「2号機撃て!」
にこをとりあえずテロ容疑で警察公安に引き渡しました。
「こら!」
「公正してください」

そして私はようやく、乃木坂の町を風景画にしました。
にこは公正するまで出ないでしょうが真姫に世話をまかせました。
私が弓道以外でここまで身体を使ったの初めてです。そのまま机で眠ります。
穂乃果になれますように。
だけど無理でした。

No.67 18/01/30 19:03
作家 

とりあえず一週間分の着替えや下着そしてスケッチブックをリュックに詰めました。そして飛騨の山に登るために山頂アタックです!
普段の通学より早く朝一番の電車に乗り東京駅から新幹線に乗り換えです。まずは名古屋までの切符を買います。
だが私は目を疑いました。
「な、なぜ!?真姫はともかく警察公安に引き渡し次の特車二課第三の太田功候補の矢澤にこまで!?」
目の前に美しい真姫そしてグリコのオマケと化したにこ!!
「うふ」
「誰がオマケよ!」
……うふて笑みする真姫、なぜかオマケと化してまでもついてくる子泣きじじいのにこ!?
「誰が子泣きじじいよ!!にこよ!」
私はにこを睨みつけ迷子センターにつれていきましょうとすると真姫に止められました。
やめてあげて!
しかたありません。にこに特車二課という最適な職場を紹介してあげたのに。
「あたしは太田功か!」
せいぜいよくてもボスボロットに乗るとか。
「ボスじゃないし」
見た目が仮面ライダーエグゼイドのLv.1みたいですがそれ以上身長は伸びないみたいだし。
「誰がエグゼイド」
せめて70年代ならISO国際科学技術庁でG4号くらいです。
「甚平か。いまどきの世代が知らないことを」
「なぜ私の心が読めるんですか!」
「口に出して言ってたわ」
真姫のツッコミがあるなか新幹線に三人で乗りました。ちなみににこが幼児でない証明のために駅員さんにはくどくど言い聞かせました。
「ひとをなんだと思ってるの」
「まあまあ」
新幹線は走ります。

No.68 18/01/31 06:53
作家 

「にこ私が頼んだのは親へのお泊まりという嘘とバイトのシフト変更のはずでずが」
にこを睨みなが私は伝えました。怯えるにこは返事しました。
「ああ……海未のお母さんを見にいったらこれ」
スマホには『園田海未!山頂アタック制覇!第三のイモトアヤコ誕生!』と彼女の母や弟子たちが横断垂れ幕をもって密かに見送りしていた。ついでににこはさらにムービーな凛が動く。
『にゃ!バイトは凛にまかせるにゃよ!ただし海未ちゃんラーメン二郎に関東のラーメンは食べにいくにゃ!あ!三分経ったにゃ』
「あ、アホですか」
我が母や弟子たちもですがにこは凛にバイトをまかすという愚行。私は凛とラーメンめぐりをするのは確定ですか。学校には事情がありちゃんと休むと伝え飛騨に向かうはずでした。どうしても知り合いに会いたいからなにも聞かずに留守はまかせましたとするはずでした。せっかくプライドを踏んでにこごときに頭を下げたのに。
「こら」
「なにか」
「……とにかく真姫ちゃんも心配だから一緒に来たのよ」
「よけいなお世話です」
「だけどもし美人局とかなら」
「つつもたせ?」
目を丸くする私に真姫は見つめる。
「海未、メル友に会いにいくんでしょ」
「はあ、まあ……ええ」
なんとなく答えましたがそれは方便。にこは言う。
「あたしは真姫ちゃんといられたらいいけど。真姫ちゃんが心配だって言うから」
「なら帰りなさい」
「ひどっ」
まあまあとなだめる真姫。
「出会い系ならどうするの」
「ちがいますよ」
「真姫ちゃんといるからいちゃいちゃしながら見とくから」
「邪魔ですね」
にこを新幹線の窓から放り出したいのを堪えはあと吐息した。凛とはラーメンめぐり、真姫とにこのツンデレ凸凹コンビ。厄介です。まもなく名古屋に着くと車内放送があった。

No.69 18/01/31 18:21
作家 

穂乃果との入れ替わりは、ある日突然に起き、突然に終わった。ある意味ラッキーですが。理由はよくわかりません。そうやって何週間か経つうちに、あれは単にリアルな夢なだったかと疑念はあり膨らみます。ちなみに私の胸は変わりません。
ですが証拠はあるのです。スマホに残された穂乃果の日記やメモは、あんなかわいい表現は私にはできません。真姫とのデートだってノースキルノープランな私にはできないのですから。穂乃果はたしかに実在する少女なのだ。あの子の体温や鼓動、息づかいや声、サイドテールや犬みたいな表情はたしかに私は感じていました。あれは生きている穂乃果です。そう思いたいくらいにあれは可愛いらしい命。穂乃果はアホの子ですが現実です。
だからなぜその体験が突然途絶えたのか。工藤新一や金田一一などに相談したかったがやめました。穂乃果がただの風邪かあるいは病か。だとしても不安です。だから私は穂乃果に会いにいくのです!だけど----。
特急『あかがけ』の四人ボックス席で駅弁を食べまくるにこが言います。
「場所がわからない。バカなの?あんたバカ」
「『エヴァ』か」
真姫がにこに呆れます。
「はあ…」
「手がかりは町の風景?連絡はむり、イミワカンナイ!」
出ました!イミワカンナイ!真姫はこれがもとでアキバのツンデレクィーンになり声優Pileと共演しました。にこは味噌カツや他の弁当を食べながら言います。
「あんたバカ?いえウーミンね。ウーミン」
「にこ太りますよ」
私の一言ににこはうるうる泣きながら真姫に甘えます。にこの駅弁から身長だけ上に伸びるようによけいなおかずは取りました。結果、
「ごはんや梅干しに野菜ばかり」
「まあまあ」
真姫はなだめながら「仕方ないわ」と呟く。なぜかちょい上から目線。
「安心なさい海未!私たちが一緒になって探すわ!」
頼りになるのは真姫だけですが実はこの時すでににある尾行者が側にいたことに私は気づきませんでした。
ずるずるずるずる、にゃ!
どこかの座席から麺類を啜る音がやたら伝わります。

No.70 18/01/31 20:13
作家 

「きゃ〜可愛い〜!ねえ海未ににこちゃん見て!見て見て!」
昼過ぎにようやくローカル線の駅で、真姫はゆるキャラに黄色い声をあげてます。
ハイ、可愛い❤
するとにこは何を思ったのかにこはゆるキャラにケンカを売りはじめは優勢でしたが地元のゆるキャラは救援信号を送るとふなっしーから全国のゆるキャラ47都道府県すべてのゆるキャラがにこをフルボッコにしました!!
「きゃああ〜!?ち、ちょっとタンマ!?」
47都道府県すべてのゆるキャラにフルボッコされるにこを記念にインスタ映えするとイイネ!が全国から送られました。フルボッコされたにこは真姫に応急処置されました。
「よく生きてましたね……」
とりあえず駅舎にある町の地図を睨み、真姫は役に立ちますがにこは……はあ。
にゃ!駅前にラーメン屋いただくにゃ!
瞬間聞き慣れたような声に振り向きましたがちいさな影しか見えません。ごしごし?気のせいですよね。
とりあえずプランはこうです!
穂乃果の町の具体的な場所はわかりません!記憶にある景色から「私に間違いありません。この辺ですよね」と行き当たりばったりで電車で行く。そこからピカソも顔負けのスケッチの出番です。スケッチを手がかりに地元の人達に見覚えないか聞いて回ります。ローカル線の山々にそって北に向かいます!記憶の中の風景には踏切がありましたね。鉄道があったはずですから間違いない。計画的なやり方ですね。これが私の完璧穂乃果探しますプロジェクト。
『プロジェクトX』のテーマが欲しいです。
湖のほとりの町、レオゴンやビオランテはいないでしょう。いた場合はにこを生け贄に捧げたら私たちふたりの安全は確実です。夜までにヒントどころかゴールの町にはきっとたぶんおそらくあいまいに辿り着く自信あります。私は気合いを入れてタクシーの運転手さんに声をかけました。ちいさな一歩は大きな一歩です。
「ちょっと!にこ押さないでください」
「あたしじゃないわよ」
三人しかいないはずですがおかしいのでしょうか。

No.71 18/02/01 06:40
作家 

「やはり無理ですか……」
バス停にぐったりとなった私は気力がなくなりうなだれました。
聞き込みをはじめた時はスーパーサイヤ人ブルーなみに自信にみなぎっていましたがいまはヤムチャなみです。
最初のタクシーには「知らん。すまんな」と言われてから、コンビニ、土産物屋、民宿、定食屋に農家、地元のランジェリーショッブ。私やにこ、凛用がすこしでも大人びた下着を探しながら二時間に一本のローカル列車。バスに乗るものの乗客は私たちだけ。
待つにゃ!あ!追い越したにゃ!?ま、いいにゃ。
ん?気のせいですよね。
終点のバス停は見渡してもなにもない僻地。この間ににこと真姫はしりとり、トランプ、じゃんけんやおやつタイム、しまいにはツンデレ談義、ツンデレがふたりいると扱いづらいです。
「どういう意味」
「まあまあ」
あげくには私の両肩に寄りかかり真姫はいいですが、にこはバスの上に括りつけました。
「ぎゃああ〜!?」
途中地方ロケしていたダチョウ倶楽部に彼女はスカウトされてました。
私のため息をよそにバス停の前で互いにツンデレラブトークをふたりが声をそろえました。
「ええ!?真姫ちゃんとの既成事実は!」
「イミワカンナイ!こんな田舎まで連れてきて」
とりあえず私は気力を振り絞りスーパーサイヤ人ブルーから“明鏡止水”“園田の極意”のふたつを手に入れてふたりを黙らせました。対照的に犬を連れたことりに似た声が日高のり子ぽい人がいました。
「真姫はともかくにこは何しに来てるんですか」
フフン、と真姫はカミノケクルクルとしにこは真姫ちゃんと既成事実と拳を握ってました。
にこを田んぼに投げようとしたらダチョウ倶楽部がまたやってきて彼女にリアクションをレクチャーしてました。
はあ……。

No.72 18/02/01 11:01
作家 

私高山ラーメンね
俺高山ラーメンひとつ
あ、ハイ。私も高山ラーメンひとつ願います
じゃあ凛は高山ラーメンとメニューにあるラーメン一人前ずつにゃ!
頼んで三秒ほどで出来たラーメンが私の前に置かれた途端に聞き慣れた可愛い声に私はラーメンが入った丼に頭から突っ込みラーメンを台無しにしてしまいました!?
「凛っ!?なぜあなたがなぜここにいるんですか」
私たち三人は不毛な道のりのなか、奇跡的に営業してるラーメン屋さんをみつけとにもかくにも駆け込んだのになぜ凛がいるの疑問があるなかにこは淡々と説明しました。
「東京からずっとあちこちにいたんじゃない」
「そうなの」
「待ちなさい!バイトのシフトはにこがあなたに頼んだはずですが、あなたの代わりは誰です」
凛はラーメンを啜りながらにゃにゃと語る。
「にゃあ、ラーメンあるところに星空凛あるにゃ!三人からラーメンを食べる匂いがしたので尾行し続けていたにゃ。ちなみにバイトはヒフミトリオとかの加藤一二三さんに頼んだにゃ」
スマホを見せる凛。
『う〜み〜!!ヒデコだよ!フミコだよ!ミカ。か、加藤一二三です。バイトは私たちにまかせて!ま…まかせてください』
「アホですかぁぁ!!」
「海未ちゃんよりマシにゃ」
ちなみにヒフミトリオというのはメイドカフェで私たちがメインで出られない時に立てる代役もしくはスタッフです。
「あ、海未ちゃん」
「なんですか凛」
「あのね。りん旅費がここで尽きたから宿泊代と食事代、帰りの旅費をお願いするにゃ」
「……」
さすがに私は固まりました。その中ラーメン屋の奥さんは凛が頼んだラーメンを並べていきます。
「歩いて帰りなさい……」
「ずるずる……ひどいにゃ…」
「ひどいと思うならテーブル中のラーメンを下げてください」
「ひどいにゃ……ずるずる」
しかたなく私は丼からこぼしたラーメンを注文し直し話し合いの末凛の旅費は三人で折半ですがなぜか私の負担が大きいです。
ラーメンは美味しいですが、最後に凛が現れるとは誰が予想したでしょう。
「わからなかったのね」
「海未だし」
「にゃにゃ」
どうやりにこと真姫は東京を出る時にすでにわかっていたようです。テーブルに並べられたラーメンが大食い番組のようでし。旅費どころかここの食事代も払うのですね。
「にゃん」

No.73 18/02/01 15:29
作家 

ラーメンは美味でした。凛ほどにラーメンは詳しくはありませんが最後まで汁を飲むほどに美味でした。
ずるずる……まだ凛は食べるつもりでしょうか。
「東京に戻れますか」
「ギリギリじゃない。この子もいるんだし」
にこはなんだかんだで手際がよくスマホで調べています。ありがとうと礼を言います。
「海未それでいいの?」
色っぽく食べる真姫が私に問います。どう答えていいのかわかりません。太陽は山の端にひっかかりのどかな風景です。
「なんていうか全然見当ちがいでしょうか」
自信をなくしながら東京に戻りもう一度調べ直した方がいいかもしれません。写真ならともかくスケッチからでは町を探しのは無理でしょう。丸い湖や側に民家はどこにでもある町な風景。ピカソばりの画がいけないのでしょうか。普通に描いたのもありますが。
「それ、むかしのノギサカじゃないの?」
振り向くとあんじゅと呼ばれる奥さんがコップに水を入れながら呟きありました。
「お姉さんが描いたの?見せてくれない」
そう言いあんじゅさんは美しい顔に懐かしさを見せる。
「よく描けてるわ。英玲奈見てよ」
厨房にいたのは主人の英玲奈さんがナンダと棒読みした。真姫の親戚でしょうか。
ちがうわよと真姫。
「ああむかしのノギサカだ」
「このひとノギサカ出身よ❤」
英玲奈の瞳は懐かしみながら私の下手な絵からスキャンするように見ています。
ノギサカ……?
ふと突然に私は思い出しました。
「ノギサカ……、乃木坂町!なんで思い出せなかったんですか!この辺りですよね!?」
英玲奈とあんじゅは互いにふしぎな顔をした。
「あんた知ってるはずでしょう。乃木坂町は」
にこが顔を上げる。
「乃木坂……て海未。あんたまさか」
「それはたしか例の彗星の……」
「ラーメン一丁にゃ」
「食べない」
真姫でさえ驚きがあるなか私は凛を掴む。
「にゃ……乃木坂町は」
「え……?」
ラーメンにしか興味ない凛でさえ呟き私は皆を見つめる。皆が貧乳以上に私を見返す。この時に私は不安というものを忘れ不吉な予感がありました。

No.74 18/02/01 16:26
作家 

ぞっとするほどに寂しげななかに、トンビの鳴く声がします。
進入禁止のバリゲードが無数にならび割れたアスファルトに長い影。
災害対策基本法により立入禁止、keep out。復興庁。そんな字面が、看板が無数にあります。
そして私の眼下には、まるで月のクレーターのように巨大な力で引き裂かれ湖に飲まれた乃木坂町がありました。
「……ねえ、ほんとにここなの?」
真姫が不安げな声で訊きます。私の返事より先ににこが明るく答えます。
「まさか!海未の見間違えだって」
「いいえここです……」
私は断言します。
「町だけじゃない。校庭に山に、高校、間違いないです」
私は大声で叫び伝えました。私たちの背後には窓ガラスが割れ廃墟に近い校舎。湖を一望できた乃木坂高校に私たちはいました。
「なんなの?ここが。海未が探してた町?」
にこはさらに私に言います。
「そんなわけないでしょう。三年前にみんな死んだのよ。海未ならおぼえてるはずよ」
にこの言葉ににこの胸ぐらをつかみます。
「死んだですって」
私はにこを見て真姫を見て凛を見て学校を、そして遠い向こうを見つめます。
「……三年前に----死んだ?ありえません」
三年前にたしかに東京の音乃町からもみえました。西の空に落ちる無数の流星。
あの時にまさか。
---そんな。
絶望の二文字が襲います。
私はスマホを見ます。
「まさか……だけど」
スマホから文字が変な形になり消えていきます。バカな!
「え……」
一文字一文字。
穂乃果の書いた文字がろうそくのように消えまた消えさらに消えていきます。まるで目に見えない力で削除されるように。
「なぜ?どうして……」
ちいさく私は口に出します。トンビの鳴き声と凛のラーメンの咀嚼音がします。

念のために場を去る前に凛とにこをレオゴンとビオランテに生け贄に捧げようとしたら真姫に止められました。
「『帰ってきたウルトラマン』か」
「『ゴジラvsビオランテ』にゃ」
「原案は同じ人ね」
「せめてにこと凛を生け贄にしたら何かわかるかと思いまして」
こら、とふたりに叱られました。

No.75 18/02/01 19:30
作家 

九千年と長い周期で太陽のまわりをまわるハイコウ彗星、それが地球に最接近したのが三年前の十月、ちょうど今頃の季節。七十六年ごとに来るハレー彗星ほどにメジャーではなく超長周期であり軌道半径は九百九十九億万キロメートル壮大なスケールから『銀河鉄道999』の原点とされるらしい。彗星の来訪。、しかも予測される近地点は役九百九十九万キロメートル、月よりも近い。九千年ぶりの来訪。一説には乃木坂町にある山に住んでいた名称不明の原人たちは見たという。ハイコウ彗星を見てハイコウ……と言ったかどうかは不明である。
しかしその核が地球の最接近の際に砕けた。しかも氷の塊はかのウルトラマンレオの弟アストラがババルウ星人に閉じ込められた氷より巨大だった。その氷の塊は隕石になり乃木坂町に落下し秒速三十キロメートル以上の破壊的スピードに落下した。落下地点は日本----そこは乃木坂町。
町はお祭りだった。落下時刻はニ十一時九分九秒、衝突地点は高坂神社付近。
隕石落下により、神社を中心とした町は広範囲に壊滅。家屋、森林を薙ぎ倒し破壊し地表がえぐられた。直径一キロにおよぶクレーターが形成。さらに五キロ離れた地点でもマグニチュード4.8の揺れが確認。十五秒後には爆風が広がった。町の広範囲は甚大だった。最終的な犠牲者は五百人以上、町の人口の1/3。乃木坂町は人類史上最悪の舞台となった。
ある者は“セカンドインパクト”またある者は“神の試し”またある者は“マクロスがいたから”“プロトカルチャーの仕業では?”と憶測は無数にあった。
町の南側は比較的被害は少なかったが、被害を免れた千人は町から転出者が相次いだ。一年を待たずして自治体としての維持は困難となり、隕石落下からおよそ一年あまり、乃木坂町は名と共に消えた。
これが歴史である。

No.76 18/02/02 05:37
作家 

----これはすでに教科書的事実だから、文武両道な私もだいたい知ってました。三年前私は中学生です。近所の高台で母や弟子たちとハイコウ彗星を眺めました。
だけどおかしいです。
つじつまが合いません。
私はつい先月まで何回も、穂乃果として乃木坂町で暮らしてました。
だから私が見たのは、穂乃果の住まいは、乃木坂町ではない。
彗星と穂乃果との入れ替わりは無関係。
そう考えるのが自然。
だが乃木坂町近隣にある図書館でいくつか本をめくり混乱が襲います。先ほど頭の内では、お前は穂乃果としてすごしたと誰かが囁きます。
『消えた乃木坂町・全記録』
『一夜にして沈んだ郷・乃木坂町』
『ハイコウ彗星の悲劇』
『花陽のお米全記録』
私はありとあらゆる本をめくる。やはり私がすごした場所。小学校は花陽が通う建物、高坂神社は雪穂おばあさまが神主をしている神社。無駄に広い駐車場、二軒のスナック、申し訳程度のコンビニ、小さな踏切、乃木坂高校、すべて見覚えありました。
息が苦しい。心音が不規則に伝えます。
鮮やかな写真の数々に現実と空虚な気持ちが吸い込まれます。
「胸がちいさいから」
「にゃ!」
ふたりを窓から放り出そうとしたら真姫が止めました。
「乃木坂高校・最後の体育祭」
記された写真を見ると見覚えがある気がします。サイドテールなふたり組。
私はいったい。

No.77 18/02/02 12:14
作家 

空気がさらに薄い。
首の後ろから熱い血が垂れ、手でぬぐうと汗です。
「----海未」
背後をみると真姫、にこいまだラーメンを食べている凛。凛を英玲奈夫妻のもとまで連れていき食べたラーメン代分は働いてもらいましょう。図書館に戻ると真姫は私に一冊の本を渡す。分厚い表紙、ちょうどあの希のように。表紙には重々しい書体で、
『乃木坂町彗星被害 犠牲者名簿類』
とありました。頁をめくる私。指で頁をめぐり辿りやがて見覚えある名前で指が止まる。

高坂 希(18)ワシワシMAX中に死亡

絢瀬 絵理(18)ワシワシMAXされた途中に死亡

なにしてるんですか。祭りの最中に。哀しみより怒りが沸々とします。さらに頁をめくる。

絢瀬 亜里沙(15)おでこが輝きロシア美少女大賞を受賞中に死亡

南 ことり(17)失恋のショックで焼き鳥屋やフライドチキン店を開業した途端に死亡

「亜里沙に、ことり……」

私の呟きにふたりは息を呑む。
そして私は決定的な名前を目にしました。

高坂 雪穂(年齢不詳)

高坂 穂乃果(17)パンを頬張り隕石落下中にもトーストをかじり死亡

高坂 花陽(9)九歳とは思えない隠れ巨乳。亜里沙に続き美少女コンテスト優勝。賞品の米俵を担いでいた模様。

真姫とにこが私の後ろから名簿を覗く。
「この子なの?なにかの間違いよ。だって」
真姫が泣きそうな表情で訴えます。
「三年前よ。亡くなったの」
私は必死に声を出します。
「----ついニ、三週間前に!」
息が苦しい、呼吸し続け囁く。
「彗星がみえるね、てこの穂乃果が……」
目をなんとか『穂乃果』の文字から離して言いました。
「だから……!」
顔を上げると暗い窓に私の顔が映ります。お前は誰です、とっさに思う。ふと頭の内から遠く懐かしくしわがれた声が聞こえた。おや、あんた---

あんたいま、夢を見とるな?

夢?私は激しく混乱しました。
私は、
いったい、
なにをしてるのです?

ハゲでもアホでもないよ……!

どこか懐かしいアホっぽい声がしました。

No.78 18/02/02 17:27
作家 

隣の部屋から宴会の音が聞こえます。
ニ十年ほど前の「思ひ出のベイブリッジ」が流れた途端にこが「あたしに歌わせなさいよ!」と乱入したまたま飛騨付近に来ていた特車二課第二小隊がにこひとりに乱闘!しかし後藤田隊長によりにこは四代目のイングラム操縦者候補になったようです。めでたしめでたしです。凛は英玲奈さんたちのラーメン屋でラーメンを売りまくったようです。しかし凛の食費がかかるので明日には帰らせるようです。
「まだ食べたいにゃ」
「なんで特車二課第二小隊がスカウトすんのよ」
なんだかんだで隣の宴会部屋でうまくやってるようですがゴン!と私は机にうつ伏せになります。額を打ち痛みが遅い。くたくたです。
当時の新聞や週刊誌のバックナンバーをいくら見たり読んでも頭に内容が入りません。スマホも何度確かめましたがあの子の日記は消えてました。痕跡はない。
うつ伏せのまま目を開き机を睨みますが数時間の結論を出す。
「夢、夢なんですか」
信じたい。いえ信じたくない。
「景色に見覚えあったのは、三年前のニュースをおぼえていたから。あれからあの子の存在を」
「……幽霊?いえ……そんな」
私の。
「……妄想?二次創作?」
はっとして顔を上げました。
なにかを忘れています。
----あの子の。
「……あの子の名前は、なんでだろう?なんでだろうはテツandトモ」
そこへノックがしました。
「にこちゃん、特車二課の面々さんとお風呂だって」
ふと気づくと真姫がリアルな浴衣姿で入ってきました。美少女は何を着ても似合います。私が男なら……!襲いませんよ。
「あの真姫。恵方巻き」
「誰が恵方巻き」
冗談です、と頭を下げ声をかけます。
「私、なんかへんですね。今日一日すみません」
なにかを封印しリュックには登山道具があるなか、山を登れない登山者みたいに私はざんねんな表情をしてるのでしょう。
「ううん……」
真姫はちいさく微かにオードリー春日の持ちネタ鬼瓦!をしました。
「してないわよ!」
「ちがうんですね」

No.79 18/02/03 06:14
作家 

「一部屋しか取れなくてすみません」
「下でにこちゃんにも言われたわ」
きっとここがオトナの入る卑猥なホテルなら真姫はあのシェリル・ノームのように女王様になりにこや凛はムチで叩かれるでしょう。
「しないわよ」
「はい?」
真姫は睨みながらも笑みした。私たちは窓際に座り凛はラーメンを外で啜っています。
「私は平気。海未のおかげでみんなとお泊まりするなんて初めて。教員組合さんの懇親会らしくにこちゃんは生きた教材みたいなテキストね」
「誰が生きた教材よ!」
隣からにこの声が聞こえます。真姫は美人らしく旅館で歩くたびに何かをもらってきます。
「へえ、乃木坂町て組紐やリボンの産地なのね。きれい」
真姫は感心したように呟く。私が図書館から借りた一冊。
「私の母も着物を着るから、何本かうちにあったわ」
私は湯飲みを持つ手が止まる。私の右手首を真姫が見る。手首フェチ?
「フェチじゃないわよ!それ組紐?」
「え……?」
気づくといつものお守りでした。鮮やかな色の紐やリボンが手にいつもありことに気づく。
……あれ?
これは、たしか----。
「たしか、誰かに、ずっと前に……お守り代わりに…つけて」
なにかが頭の内にあります。
「誰に」
私は誰かを……思い出せない。
でもこの紐かリボンを辿れば……なにかありそう。
「……海未」
真姫は私に言います。「お風呂入ってきたら?」
「お風呂……はい……」
きっとお決まりの豊胸効果もあるはずですが、私はいつもならときめくはずなのに気持ちは沈んだまま。

No.80 18/02/03 06:47
作家 

豊胸効果のある温泉に向かいたいですが、私は組紐やリボンを見つめる。ここで手を離せば届かない。私は記憶を探る。宴会が終わったにこや凛は教員さんたちが運んできました。
「にゃ」
「真姫ちゃん……」
酔いつぶれたみたいですが雰囲気に酔ったようです。
「……私、組紐を作る人に聞いたと思います」
あれは、誰?やさしい声。昔話。
「紐は時間の流れ、ねじれに絡まり、戻りつながりそれが時間。それが……」
秋の山。沢の音。甘いお茶。
「それがムスビ……」
おにぎりやおむすびではないです。
ふとなにかが景色が頭に広がり-----。
山の上のご神体。奉納した、あの酒。
「……あの場所なら……」
私は地図を出し山頂アタックとはちがう気持ちが胸の内からなにかに突き動かされました。三年前の乃木坂町の地図。たしか場所は、隕石の被害範囲の外。
私は鉛筆を持ち、あの場所を探す。神社より北側つまりは山の方!カルデラ状で。私は……私は……。
真姫がにこや凛を寝かしつける声がしますが私は地図から目を離すことができません。
「にこちゃんは将来ウチの病院で診るわ。凛は誰かいい人を見つけてね」
なにするつもりでしょうね。にこの将来が不安です。

No.81 18/02/03 13:43
作家 

……ちゃん。……うみちゃん。
呼び方を変えて。
……ンミチャ。
「うみちゃ、海未ちゃん」
まるで犬が飼い主にすりよるような声。遠い瞬きあるような、寂しい震える声。
「覚えて、ない?ないよね」

そこで目が覚めた。
……!
ふと天井や襖から四方八方から枕が投げられました!かわす私!手には枕を持ち相手の位置を確認!照準わかりました!
背後に三人!枕をひとつまたひとつと投げ撃破!
すぐさま左右の手で枕をゲットしました!
「いまにゃ!」
「いまよ!」
サッと身をかわし凛と花陽は互いに同士討ちです!!
「にゃ!?やられた」
「しまった」
ふたりは倒れましたがすぐさまふたりがお世話になった教員組合や特車二課が枕を投げました!
「早い」
「ぐふふ」
特車二課の太田原さんという方が不気味に笑います。二課第二小隊の面々は七人。
教員組合たちは瞬時に倒しましたが手に枕がありません。
やれ、後藤田隊長が私を狙います。
しかし倒れたにこたちを盾にします!!
「!?」
「ひどいにゃ」
そのまま枕を回収し第二小隊の面々を三人ほど倒しました。三人いや四人。
「気づいたわね」
「カーシャさんですね」
枕が互いの間を行き交いました!倒れたのはカーシャさん!
私はにこを盾にしました。
「!?」
「すみませんにこ」
「ならするな」
「泉野いまだ!」
襖から太田原さんの声がしまずは彼を撃破!惜しい!と後藤田隊長の声がします。
泉野さん。背は低くにこたちとどっこいです。
余計なお世話よ。
枕をすかさず投げて身を隠します!
「きゃ」
泉野さんを倒し残りは後藤田隊長に女将、……真姫!
後藤田隊長と女将を撃破しました!
「なんて奴だ」
「きゃ」
真姫はどこに?
気配がします!
「ここよ!」
彼女は押し入れに隠れ枕を投げて身を隠しました!避ける私!
互いに凛とにこを盾にします!
「真姫ちゃんのためなら」
「いやにゃ」
勝負は一瞬で決まりました!
「勝った、いえ」
「いえ……真姫の勝ちです」
「え」
私は真姫に敗れました。
秋葉原枕投げ大会で勝っただけあります。
ちなみにこの旅館では枕投げ大会は女将たちスタッフや泊まり客まで総出で行うようです。
普通の旅館に泊まりましょう……。気を失いました。

No.82 18/02/03 14:04
作家 

気を失い少し寝た私は早く目覚め着替えました。身なりを整え山頂アタック装備になり真姫たちが見てないか気になりました。
いつの間にか真姫の隣で寝ていたにこを教員組合と特車二課第二小隊の間に布団を入れました。凛は真姫のそばでいいでしょう。
私は手首の組紐を見ます。可愛らしい少女の声。その声が鼓膜にあります。
----あなたは誰です。
名も知らない少女に問います。返事はない。まあかまいません。

真姫・にこ・凛へ
私はどうしても行ってみたい場所があります。先に東京へ帰ってください。身勝手な私をお許しください。後から必ず戻ります。
ありがとう 海未

P.S 枕投げ大会の準優勝賞品を横取りしたら凛やにこは許しませんから

と可愛らしいメモを置いて少し考えと財布から真姫には五千円、にこと凛には五円置いて湯飲みとメモを置きました。
これから山頂アタックも兼ねて、私はまだ会ったことのないあなたに会いに行きます!
目指せ!カルデラ山の山頂アタックです!

No.83 18/02/03 16:10
作家 

最近は棒読みなひとが増えたのでしょうか。真姫や隣でハンドルを握る英玲奈というご主人。しかし美人です。
ここで一句
《英玲奈さん えれぇ〜なあ〜と思うくらい 感謝します》
一瞬トラック内がシーンと静まり私は英玲奈さんに睨まれました。
ごめんなさいと頭を下げました。
しかしなんだかんだいっても親切なひとです。早朝の私の電話を聞いてくれ車を出してくれました。昨日も乃木坂高校や市民図書館まで送ってくれたのも英玲奈さん。いくら私が体力あるといっても山のふもとまでは体力あるとは限りません。だめならヒッチハイクをしてでもと思いましたが。
助手席からは、新乃木坂湖の緑が見えます。まさにセカンドインパクトのようです。半壊した民家や電柱、アスファルトが割れ、まるで第三新東京市です。だがネルフはいません。見慣れていると気のせいなのか、最初からこんな場所と認識してしまいます。だから私はなにを思えばいいのか----怒り、悲しみ、いずれもわかりません。一つの町が消えるのは理解を越えています。私は風景に意味を見いだすのはあきらめました。空を見ると『エヴァ』の使徒が降臨しそうです。渚カヲルくんより名も知らぬ少女に逢いたいです。

No.84 18/02/03 19:22
作家 

湖に沿うように英玲奈さんの運転するトラックは北上しこれ以上は登れないという辺りでサイドブレーキをかけました。そしてあるスイッチを押しました凸ポチッ。
「チェンジ!エレナロボ!」
場が静まりました。
「とロボットに変形すると思った?」
「あはは……」
無理して笑いました。
「ロボットに変形するわけないじゃない。ひと雨くるかもな」
空を見上げ彼女は言います。
「ここは険しい山ではないけどすごい登山装備ね。だけどあなたみたいなひとでも危ないかも。なにかあったら電話か特車二課に電話しなさい」
「はい」
「それからこれとこれとこれ……これこれも」
そう言い彼女は大きな弁当箱に明らかに炭酸飲料水のペットボトルに五百円以内ほどのお菓子、炭酸飲料水は苦手ですが。「上で食べなさい」
両手で持つと重たくリュックに入れさらに重くなりました。
「あ、ありがとうございます……」
炭酸飲料水はどうしようかと思いながら園田家の娘として頭を下げました。こんな私のために親切に。あ、ラーメン美味しかったですとにこ、凛、真姫の代わりになんとか伝えました。なんとかいくつか礼を重ねながら頭を下げました。英玲奈さんは頭を撫で私のスリーサイズを測るように見て、
「事情は知らないけど」ちいさくムネがないとよけいな一言が耳に入りましたが。
「あなたの描いたピカソみたいな乃木坂。うん絵心はなかったけどたぶん画家として絶対向かないけどたぶんおそらくまず無理ね。……だけどよかった」
ムネに止めを刺されながら画家になることはよしましょう。どこかからマグマ星人が降りてくるような雷が鳴りました。
私は静かに山を登りました!山頂アタックです!
すると私が背を向けた途端にトラックはエレナロボに変形しました!
しかしそれを知らない私でした……。
英玲奈さんはつぶやく。
「なんで見ないのよ!」

No.85 18/02/04 05:49
作家 

獣道を歩き時には伐採し舗装するほどに丁寧に私は山を登ります。
時おり立ち止まりながら、地図に書き込んだ目的地と、スマホのGPSを突き合わせます。大丈夫です、私は伊達に人間レーダーソナーの海未ちゃんではありません。周囲の風景はどこか見覚えあると思います。だけど、夢のなかで一回登っただけの山。たぶんですよね。しかしこんな山を登れなくては山頂アタックウミチャンの名が廃ります!
車から降りるとあれ?英玲奈さんのトラックがロボットに!?ごしごし……あれ。またトラックに。気のせいでしょうか。とりあえず何度も頭を下げました。そうしていると真姫、にこ、凛の顔が浮かびました。私みたいな者のために英玲奈さんも三人も心配で付き合ったのでしょう。たぶん私は泣き出しそうな顔なのでしょう。音乃町では藤子不二雄の漫画に出てくるガキ大将といわれた海未チャンです。放っておきたくてもできないくらいジャイ○ンなのでしょう。
----いつまでも、そんな顔をしてはいけません。誰かの差し出す手には甘えては山頂アタックはできません。
木々の隙間には新乃木坂湖が見え、さすがに渚カヲルくんはいません。第三新東京市ではないですから。ふいに、雨が降り顔に当たりました。風や木々の音が耳にあたります。私はレインコートを着て完全防御です!
レインコートという名のATふぃーるどです!
途端に雨が私を狙い撃つように降ってきました!
きゃああ〜!!

No.86 18/02/04 15:47
作家 

読者の皆さまに伝えます。
山の天気は変わりやすく舐めると痛い目に遭います。
どしゃ降りの雨が土を削りきっとゴジラ怪獣やウルトラ怪獣の睡眠を妨げようとしてます。
気温が雨に吸いとられ体温は下がっていきます。肌が冷たい。
私はちいさな洞窟を見つけキツネやタヌキ程度ならいいですが熊は勘弁してほしくおそるおそる入ります。英玲奈さんにいただいたお弁当を開けましょう。お握りが三つほどにおかず、おかずはチャーシューやごま油で炒めたモヤシなどいかにもラーメン屋さんですね。おいしいです。
きょろきょろ?凛はいませんね……。いませんよ。よし!凛が来る前にガッツリ食べます!いじきたないですが昨日みたいに凛がいたら面倒です。
にゃあにゃあ。
ん?
気づくと子猫でしょうか。あの隕石のなか生き延びた子猫です。お握りからお米、チャーシューの切れ端、モヤシなど少々あげました。あとお茶を薄くしたお水。
にゃあにゃあ。
うふふ、元気になりました。
すると私と子猫はお腹一杯になりふと食道や胃のつながりを感じました。
ムスビです。
お握りではないムスビ。
水、お米、酒、食物はなんでも身体に入ります。ムスビは魂と身体が結びます。
あの日私は、このことは目が覚めていても覚えていたいと思いました。ムスビ、それが手首にある紐かリボン状を見つめる。
まだつながってますよね。まだきっと……。
子猫は私をやさしく見つめていました。

No.87 18/02/05 15:20
作家 

いつの間にか木々の姿はなくなり、周囲はヒマラヤの山地ほどではないですが苔に岩場です。眼下には、雲の隙間にひょうたん状の湖が見えました。ここで一言。
山頂アタック!達成です!!
うん。誰も聞いてませんね。ついに山頂です。
「……ありました」
先にはカルデラ状の窪地、ご神体の巨木の姿。
「……本当にありました!……夢では、ない……!」
小降りに降った雨が、涙のように頬を濡らし私は袖で顔を拭います。
記憶や夢のなかで小川だったはずが、池のよう。『逆シャア』のシャアの隕石?フィフス・ルナ。まさかのマクロス艦。いえいえ……。
ん……?
湖のずっとずっと先に二本の柱らしいものが。
マクロス艦はたしか人型になると主砲が柱のように……。
私の気のせいです。
だけど二本の柱、気になりますが私はプロトカルチャー学者ではありませんから。
地形を見つめ池を挟んだ数十メーター先が目的です!
ここから先はあの世。
『ゲゲゲの鬼太郎』『どろろんえん魔くん』『デビルマン』『地獄少女』……閻魔あいはいませんよね?最近は『妖怪ウォッチ』ですかね。
確か、誰かがそう言いました。
では、三途の川。
ここで私は何とコートを脱いで登山道具は水に落ちないように置きました。
うっふっふ。
ここで私が木ノ実ナナ、じゃなくて着の身着のまま水に入ると思ったあなた。海未ちゃんは先を見通してました。
私服を一枚一枚脱いだ私の身体は……。
ひんにゅうだよ! BY 穂□果
ん?誰かの声が聞こえましたが。
服の下には水着を着ていたのです!スクール水着です!胸にリボンがある水着?知りません。
とりあえず必要なものだけまとめ頭の上にくくりつけ冷たい水に入りました。
冷たい。歓迎はされてない。ここは領域。
炭酸飲料水にお菓子ですが一晩くらいは過ごせるはずでしょう。
私は水を渡りきりました。

No.88 18/02/05 20:26
作家 

その巨木は、大きな一枚岩に根を絡ませてました。
樹がご神体か、岩がご神体か、あるいはは両者の姿が信仰の対象なのか、私にはわかりません。勉強をしておけばよかったです。根と岩の間に小さい階段があり、そこを降りると四畳程度の空間があります。
ところで読者の皆様、私園田海未がいまだスクール水着と思っていらっしゃるようですが陸に上がりしばらく体調を整えてから着替えました。
残念ですね。
中に入ると、そこは沈黙が支配してます。
私は凍える手でスマホを取り出しました。濡れてない電源を入れます。暗闇でタッチパネルの操作音でさえ、フォッフォッと……バルタン星人です。それは。フォンという音でさえ響くようです。懐中電灯代わりにスマホのライトで照らします。
色や温度がない世界。
ライトに照らされて浮かぶ社、GLAYいえグレイ、色のグレイ。宇宙人のグレイではありません。石造りの小さい祭壇に、瓶子(へいし)がふたつありました。
「私たちが、運んだ酒……です」
私はそっと触れると身体は冷たくありません。
「こっちが米好きな妹……」
形を確かめ左の瓶子を掴み持ち上げるとかすかに抵抗がありベリ、と乾いた音。苔が根を張ってました。
「こっちが私が持ってきたものです。はい」
私は座り、目に近づけライトを照らす。輝きを放ってた瓶子はすでに何年も過ぎたようです。ずっと疑問に思いある考えを口にしました。
「……三年前のあの子と、私は入れ替わってたのでしょうか?」
蓋を封印してる組紐をほどき、蓋の下にはコルク栓。
「三年、時間がずれていて、入れ替わりが途切れたのは三年前の隕石が落ちてあの子が……」
言葉に出すと涙腺がゆるみそうになりコルク栓を抜いて、アルコールの匂いが、蓋に酒を注ぐ。
「あの子の、半分……」
思い出せないあの子の半分と思うと私ははしたなくふしだらな思いを感じながら見つめていました。

No.89 18/02/06 12:06
作家 

ピチョーンピチョーン、と洞窟から滴る水が私の頭を打ちながら丸一日ほど過ぎました。
私はあの子の口噛み酒を口につけるのに丸一日ほど固まったまま考えていました。
しかしようやく決意しました。
「……本当に時間が戻るなら。もう一度だけ----」
あの子の身体に!そう願いながら、一気に飲み干しました。人生初の間接キス!喉が鳴り、驚くくらいに身体中から響きます。身体のなかに熱い塊が通ります。それは胃の底から弾ける感じです。
「……」
あれ?何も起きません。
その間にリュックに入れた炭酸飲料やお菓子を御供えして起きます。
ふと慣れない酒に、少し体温が上がった感じがします。ぼんやりとなにか頭が浮遊し身体まで。あれ?う〜ん。
……ダメなのですか?
私はお参りをし掌を合わし祈り終え立ち上がりかけた時でした。ふいに足がもつれました。視界がぐるぐるし転ぶ、という感覚があります。
----え。
私は仰向けに転んだはずですが、背中が地面にあたりません。視界はゆっくり天井が見えました。私の手はスマホを持ちライトが天井を照らす。
「……彗星……」
声に出ました。
巨大な彗星が描かれてました。
岩に刻まれ、古い絵。天に長く尾を引く巨大な彗星。赤や青の色が、ライトを受け輝きます。飛行石とはちがいます。そしてゆっくり天井から浮き上がります。
わずかに「A H O N O K …」と描いた原人らしい文字が隅に見えた感じ。。
目を見張る。
絵の彗星が、私に向かってきます。
ゆっくり、ゆっくりと巨大に目前まで。大気との摩擦で燃え、岩塊がガラスのように輝き、宝石のようです。そんな細かくよく見える細部まで、見えました。
仰向けに倒れた私の頭が石にあたり、彗星が私の身体にぶつかるのは同時でした。

No.90 18/02/07 14:40
作家 

どこまでも落ちていきます。
あるいは昇っていきます。
そんなよくわからない浮游感の中で、夜空には彗星が輝きます。
彗星にふいに割れ、片方が落ちます。
その隕石は、山あいの集落に落ちて人がたくさん亡くなりました。湖ができて、集落は消えました。
時が過ぎ、湖の周囲にはやがて集落ができます。湖は魚をもたらし、隕鉄は富をもたらします。集落は再び繁栄します。それから永い時が経ち、また彗星が来ました。再び星は落ち、再び人が亡くなりました。
この列島に人が棲みついてから二度繰り返された。原人でしたが。
原人はなんとか記憶に留めてあの洞窟に描いたようです。言葉はまだほんのわずかながら後の世に伝えようとしました。文字はなくても長く残る形、彗星を龍や怪物、彗星をまた紐やリボンとして、割れる彗星を、舞いのしぐさに。

また、永い時が経ちました。
赤ん坊の鳴き声がします。
「あなたの名前は、穂乃果」
優しい母の声。
そして残酷な手応えのなか、へその尾が切られました。
最初はふたつでひとつでしたが、つながっていたのに、ひとはこうやって、糸から切り離され現世に落ちました。

No.91 18/02/07 17:47
作家 

「ふたりは父さんの宝物だ」「穂乃果、お姉ちゃんになったんよ」
若い夫婦の会話。やがて穂乃果に妹が生まれる。
「ぱなよちゃん」
「花陽よ」
しあわせと引き替えに母が倒れました。
「お母さん、いつ病院から帰ってくるん?」
妹の花陽が問うが、穂乃果はぎゅっとちいさな手を握り母が戻らないことを彼女は知っている。ひとは必ず死にます。でも受け入れることはかんたんではない。
「救えなかった……」
父は深く嘆き、彼にとって妻ほど愛した存在はなく、先もいない。長ずるにつれ妻に似ていく穂乃果の姿は、祝福そして残酷なことでした。
「神社など続けたところで」「婿養子が何を言う!」
父と祖母のいさかいは日に日に増しました。
「僕が愛したのは穂乃果や花陽の母です。高坂神社ではない」「出ていきなさい」
父も祖母も、大切なものの順序を入れ替えてたことに気づきながら歳や年月には逆らえない。父は耐えきれず、家を出ます。
「穂乃果、花陽。これからはお祖母ちゃんが一緒やで」
重り玉の音が響く家、女三人だけの生活。
それなりに穏やか、だけど父に捨てられた、この感情は穂乃果の無垢な心に染みとなりいまも残る。

---これは、
穂乃果の記憶?
私はなすすべもなく濁流に流されるように、穂乃果という時の流れに流されてました。

No.92 18/02/07 18:16
作家 

そして私も知っている、入れ替わりの日々。
穂乃果の目で見る東京は、まるで外国のように輝いてます。私たちは同じ器官で女の子ですが、彼女は違う世界を見ています。
「いいなあ……」
穂乃果の呟き。
「いまごろ海未ちゃんと真姫ちゃんはデート」
私と真姫の、デートの日。
「あたし、ちょっと東京にいくね」と花陽に言う。
東京?
その夜、穂乃果は雪穂お祖母さまをたずねます。
「お祖母ちゃん、頼みあるけどいい……」
穂乃果のサイドテールが、切られました。私はこの穂乃果を知りません。
「今日がいちばん彗星が明るくみえるんだよ!」
彗星を見にいこう、とことりたちに誘われはしゃぐ。
駄目です!穂乃果!
私は叫びました!
鏡の後ろ、風鈴の音色、そよ風として。
穂乃果、いけません!
彗星が落ちる前に、町から逃げてください!
だけど私の声は、彼女には届きません。気づいてください。
祭りの日、穂乃果は友だちと、月よりも近い彗星を見上げました。
彗星がなぜか割れ、欠片は流星に、オペレーション・メテオ以上に無数の流星になり輝く。大きな岩塊が、フィフス・ルナのように、シャアの隕石のように落下しました。
その眺めを美しいと感じてしまいます。
穂乃果、逃げてください!
私は叫びます!
穂乃果、逃げて!逃げてください!穂乃果、穂乃果、穂乃果!
そして星は落ちていきます。

No.93 18/02/08 10:03
作家 

私は目を覚ましました。
その瞬間になにか確信がありました。
私は上半身を跳ね上げて、自分の身体を見る。可愛らしい指、ぺちぺち、犬みたいな頬。可愛いパジャマ。私より大きい胸。
「ほ、穂乃果です……」
可愛いあまい声が漏れます。細い喉も。血も肉も骨や皮膚も。穂乃果にすべてが体温を、熱を持っています。
「……生きてます…飛ん…!」
両手で穂乃果となった自分の腕を抱く。蛇口が壊れた水道管みたいに、穂乃果の瞳から大粒の涙が溢れます。その熱さや流れが嬉しくて、私は感激以上に感激してました。肋骨のなかでどくんどくんと心臓が脈を打ちます。私は膝を曲げました。つるりとした膝に頬がぷにぷにします。穂乃果の身体を包み、ぎゅーっと丸めます。
穂乃果。
ほのか。ほのか。
それは、もしかしたら出逢うことのなかったかもしれない、あらゆる可能性をくぐり抜けていまここにある、奇跡。
ニュータイプ、アニマスピリチア、ありとあらゆる適合者のミラクルウミチャンです!
恥ずかしいですね。こんなネーミング。

No.94 18/02/08 13:40
作家 

「……お姉ちゃん、なにしてるの?」
声に顔を上げる、襖を開けて花陽が立っていた。
「あ……ぱ、ば…ぱぱぱぱぱぱばなよ!」
私は涙な声で呟き叫びました。花陽が生きています。涙や鼻水でずびずびしながら穂乃果の胸を揉む私を、唖然呆然と見つめている。
「ぱぱぱぱぱぱばなよぉぉぉ!!」
「『イッパツマン』ではないよ!!ぴぃやああ」
抱き締めようとしる私から逃げるために花陽はひっ、と息を詰め逃げ出しました。
すると側で声がしました。
「ワシワシMAXに穂乃果ちゃんも目覚めたんやな」
「目覚めてません」
えい!と希を叩きのめしましたがふと気づく。こんなのでもいまは役に立つ時です。
「ちょっとちょっと、おばあちゃん」
叫びながら花陽は階段を下りていきました。
「お姉ちゃん、いよいよあほのかだよ!こわれちゃったよ」
おばあさまに泣きつく声がやけにリアルです。
……私は知ってます。乃木坂町の小学校では実は巨乳であり親しい男子や女子がいること。
こほん、そんなことよりミラクルウミチャンの出番です。時空を越えた私の力をいまこそ見せる時です!

No.95 18/02/09 08:07
作家 

ニュースのお姉さんがしゃべっています。林原めぐみさんではないです。私は制服に着替え一階に希を引っ張りながら下りました。穂乃果の身体は燃費がいいです。
『肉眼でハイコウ彗星は見られるほど間近に接近し、今夜九時九分九秒前後に再接近し、明るく見られると……』
「……まだ間に合います!」
穂乃果を助けられる。私は彼女の身体に力を入れます。怖いですが。
「おはよう穂乃果。花陽は先に行ったよ」
振り向くと雪穂おばあさま。
「おばあさま!」私の声に彼女は目を丸くした。
「……あなた、穂乃果ではない?」
「あ……はい」つい頷いた私に彼女は感心したようでもあった。
「知ってらしたのですか……なぜ?」
雪穂おばあさまはお茶を淹れながらそっと座る。
「う〜ん。あのな最近の穂乃果を見てたら、思い出したの。私もむかしふしぎな夢を見てたことあるのかなて」
え?どういうこと。ですが生きる日本昔話、市原悦子さんみたいです。私が腰を下ろすとお茶を淹れ口につけます。
「あれは、ふしぎなものでな。いいえ、夢というよりは別の人生。私は知らない町で知らない女の子だったかな」
私と穂乃果にそっくりです。
「でもな、ある日それは突然に終わった。いまではふしぎな夢だったというだけ。私は誰になってたかは古い記憶のなかだけ。消えたの」
「消えた……」
唖然としながら私はどきりとし穂乃果の名を忘れてました。夢や妄想と本気にしていました。雪穂おばあさまの表情は寂しい感じ。
「だからいまのあなたを見てるものは大切にしなさい。夢は夢。いつかは消えてしまう。私のお母さん、そのまたお母さん……にもあったとか」
「え、それは……」
ふと思います。高坂家に代々受け継がれた巫女の血。まあ横で気絶してる希は論外として。たぶん高坂家の女性たちは代々巫女の血を持ち世代を越えた緊急システム。
「も、もしかしたら、高坂のひとたちの夢は、ぜんぶ今日のためにあったかもしれません!」
私は雪穂おばあさまを見つめました。
「おばあさま聞いてください」
雪穂おばあさまは見つめ返します。私の言葉をどう聞くかはわかりません。
「今夜、乃木坂町に、隕石が落ちます。みんなが死んでしまいます!」
雪穂おばあさまはまっすぐ見つめ返し怪訝な顔になりました。
風速40メートルより大変な事態に。

No.96 18/02/09 21:01
作家 

----そんなこと誰も信じないと、意外に雪穂おばあさまは現実的でした。ある意味ふつうですが。
「なんてことですか!」
『トップをねらえ!』のタシロ艦長や『キュウレンジャー』の鳳ツルギさんなら「なんてこった!」、吉本興業の芸人さんなら「なんてこった!パンナコッタ」などとふざける場合ではないと思い高校までの道を駆け下り、希を引きずり途中まだ町長になろうとしている絵里も掴んでいきます。
「いたいいたい穂乃果ちゃん!いつまでウチを引きずるんや!」
「ち、ちょっと穂乃果!私を引っ張るなんて認めないわよ」
どうやら希が気づいたらしく引きずるのをやめようと思いましたがふたりともやはり引っ張ることにしました。
「いたいて」
「認めないわよ」
まったく雪穂おばあさまは入れ替わりは信じて隕石落下は信じないなんて乃木坂高校が廃校になるより大変なのに。
とりあえず遅刻したのはしかたありません。小鳥のさえずりのなか……やはりいました。高坂穂乃果をほぼストーカーしている可愛い南ことり。チュンチュンと鳥の着ぐるみを着て可愛いアピールです。せめて秋葉原でやった方がいいです。
それは置いといて私は決意します。
「絶対に誰も死なせません!」
「え?ことりを焼き鳥にしちゃう!?してして」
とりあえずことりを掴み私は学校に入り物わかりのいい亜里沙から説得しましょう。ことり以下三人がいかに役に立つかいささか疑問ですが。隕石落下まで半日もありません。
「ひどい言われようやで」
「町長候補のあたしを馬鹿にして認められないわ」
「今日の穂乃果ちゃんなんか格好いい……」

No.97 18/02/10 06:20
作家 

「ほ、穂乃果ちゃん、その……!」
「花陽ちゃんにそっくり!?」
「花陽ではありません!穂乃果です」
ことりと亜里沙他二名が私の顔を見つめます。
「失恋やな」
「穂乃果が?まさか」
なんかさらっとムカつくことを希と絵里が言いますが、髪を切ると花陽と区別がつかないです。真姫のようにつり目かにこみたいに典型的なロリ日本人……ともかくサイドテールは私の好み。まあことりもでしょうか?それよりもです!
「それよりも!聞いてください!」
ことり、亜里沙、警官の希、町長候補落選続きの絵里が唖然とするような声で私は言います。
「このままだと今夜、みなさんは死んでしまいます!」
教室どころか学校中が静まりました。クラスメートはみな口があんぐりです。
「ほ、穂乃果さん!?なに、どうしたの」
理性的な亜里沙が立ち、ことりは恋の逃避行とばかりに私の腕を引っ張る。映画『卒業』ですか。教室から出されことりは少し真剣な表情。信じたのか信じないのか。久しぶりに入れ替われた興奮が身体を包みます。うまくいくかいかないか。
外見は穂乃果ですから。希や絵里の視線がいたいです。

No.98 18/02/10 06:51
作家 

ことりは穂乃果に心酔してることで余計な心配はいらなかったみたいです。
「……穂乃果ちゃん、それ、ほんと!?よし、今日中に婚姻届を出してさっさと逃げよう」
「コホン、逃げるかどうかではありません。アホのかですか!今夜、ハイコウ彗星が割れて隕石がなるのです。それが高い確率で落ちる!この町に!情報ソースは言えませんが、確かなのです!」
「役所に出しても婚姻届は木っ端微塵!無効だよ」
「無効かどうかではほんとなのです!だからことり協力してください」
「穂乃果ちゃんがケッコンしてくれるなら?」
わ、わかりました!と私は苦渋の決断をしながら亜里沙は考えています。
「だいたい情報ソースはどこです?CIA?NASA?中村サツマイモ店?スパイの真似?穂乃果さん頭大丈夫ですか?」
軽く傷つくことを亜里沙は可愛い表情でさらりと言います。しかたなく私は穂乃果の財布からありったけのお金を……ないです。
「亜里沙お願いです!これでなんでも好きなものを買ってください!足りないぶんは希のお給料から!」
「こら、ウチのお給料やし」
あまりに真剣な表情の私に、亜里沙はじっと見つめ返します。
「穂乃果さんと一度デートしたいです。秋葉原にいる堅物メイドさんの代わりに」
亜里沙が取り出した雑誌には私や真姫らしいメイドが取材された雑誌です。
「わ、わかりました」
「わ〜い!とりあえずあの彗星から隕石が落ちるんですね。お姉さん!ロシアの宇宙研究所に確認を!ドクターアリサの名前を出せばおばあ様や研究所の方々は協力してくれます!」
「り、了解!」
国際電話よね?通話代かかるけどと絵里はどこまでもポンコツです。しかし役場に向かい国際電話をかけに行ったようです。
「ウチは?」
「希はとにかく町の人に呼びかけなさい」
「了解や!」
希も両津勘吉ばりにダッシュで自転車で町の人たちに呼びかけにいきました。
「わかりました。穂乃果さんの言うことを聞きます!ことりさん自転車貸してください」
なんだかんだで三人の結束は固く私はじ〜んと感激し穂乃果が慕われてることを肌に感じます。
「コンビニで食料調達。ことりさん、穂乃果さんをちゃんと見張っててください。私は姉と共にロシアの宇宙研究所に確認の電話をします」

No.99 18/02/10 08:08
作家 

ぐぐぐ……。
誰もいない部室棟で私はことりに襲われかけています。隕石が落ちるかもしれないのに彼女の頭には穂乃果と一緒になることしかありません。
ようやく互いに話し合いの末に隕石落下から無事に皆を救えたら考えますと保留にしました。見た目は可愛らしいのにおそろしい子です。
ゴールは被害範囲内のニ百世帯の約五百人ほどを、隕石落下までに範囲外に避難移動させりこと。真っ先に思いついたのは放送による避難指示。
官邸や国会議事堂、NHK乗っ取り、地球防衛軍基地乗っ取り、喫茶アミーゴ乗っ取りなど的なおバカなトークをしながら、町民がテレビやラジオを見たり聞いたりはあり得ない。喫茶店にだっておじいちゃんおばあちゃんたちが全員で井戸端会議はしてないわけでし、今夜は秋祭りで外出してる人たちはたくさんいますという話題になり、ちゅ〜んとことりと私は考えます。
「痴漢防止!じゃなくて防災無線だよ!!」
ことりが変な言い間違いをしながら声に出しました。
「痴漢はあなたです。ことり」
「防災無線だよ!町中にスピーカーあるよね!」
「あ〜……、朝晩に喋ったり時間を伝えたり。冠婚葬祭ですね」
「うん!穂乃果ちゃんとの結婚式は大大的に放送……じゃなくて!あれなら町中に伝わり指示を出せば!」
「ですが、勝手に喋ったりはむりじゃないですか?手続きとか」
「手続きはいらないよ!」
「どうするのですか?役場を乗っ取るのですか。絵里でさえ不可能なのに」
絵里はしっかりしてるようですが町長になれないのは無策なようです。本人はいまだ気づいてないのがかわいそうですが。
その頃の絵里は役場で訴えていた。
「町に隕石が落ちるの!たいへんなの!」
あたふたしほんとに無策だった。そんななか亜里沙はロシアの宇宙研究所に連絡していた。
「ドクターアリサです。ハイコウ彗星の分析を至急願います。なんでも彗星が分裂するという情報が」
『アリサくんかい。その情報がほんとだとしたら日本は大変だよ』
「分析を至急お願いします!」
ロシアの宇宙研究所は彼女の意見で慌ただしく動いた。
絵里はあたふたしていた。
「だから隕石が落ちるの!誰か聞いて」

No.100 18/02/10 10:20
作家 

ふっふっふ、とことりは可愛らしい顔に不気味な影が重なりスマホに何かを入力しました。可愛いわりに変態の要素があるのでしょうか。
「この手があるよ!」
ワシワシMAXより変な手なら軽蔑しますが、スマホを見ました。
重畳周波数の解説を読む私。
「……できるんですか、これ、ほんとに?」
ことりは胸元に手を掴みうんうん頷く。
「できるよ!寝る前に穂乃果ちゃんとえっちする妄想小説をあたしの可愛らしいボイスで流せたら……。ああ!たまらない年頃の少女なら誰もが思うよ!」
『カードキャプターさくら』の知世ちゃんに優ると劣らない変態です。
「はい……?」かなり私は引きました。しかし無線を乗っ取る。イケます!
「いや、しかし、凄いですよことり!コッティー!」
私はつい浮き足立ち襲われかけたことりに抱きつきます。
「も、もっと!抱きついて!カモン!」
「あ……」
鼻血を出されては敵いません。
「既成事実はなしです」
「ち」
舌打ちをすることりから再び離れます。穂乃果の可愛いらしさにこの子は幼い頃から魅了されたのでしょう。しかしこのふたりがならぶと大抵の萌え好きは「惚れてまうやろ〜!」になります。だけどことりは変態です。むしろ私や穂乃果の身体が危ないですね。
「いやん♪穂乃果ちゃんやめて♪」
「言ってることとやってることが違います」
いやいや言いながら私を襲い始めることり。エロボケですか!ことりは胸元の制服を脱ごうとしています。
「やめなさい!嫁入り前ですよ」
「穂乃果ちゃんにはありだよ!」
ただの色情狂でしたか!私の方が恥ずかしいです。
「いやん……穂乃果ちゃんたら」
一発気を失わせたいですが、亜里沙に次ぐ頼りなる相手です。
よくこんなのを相手に穂乃果は貞操を守ってます。だけど悪気はなくいい子のはず。私はいつか園田海未として彼女たちと接したい。真姫やにこ、凛たちとも仲良くやれますよね。変態要素さえなければ。
「と、とにかく町を隕石から救ってからです!」
「そうだね!よし!穂乃果ちゃんとの結婚のため!」
目的が歪んでますが田舎育ちはとんでもない変態がいることがわかりました。
「避難計画の続きを考えますよ」
「その後では穂乃果ちゃんとの結婚式を……」
邪すぎます。
彼女が高坂神社の巫女でなかったのはある意味救いです。

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